JP2008167339A - 通信装置および通信方法 - Google Patents

通信装置および通信方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008167339A
JP2008167339A JP2006356893A JP2006356893A JP2008167339A JP 2008167339 A JP2008167339 A JP 2008167339A JP 2006356893 A JP2006356893 A JP 2006356893A JP 2006356893 A JP2006356893 A JP 2006356893A JP 2008167339 A JP2008167339 A JP 2008167339A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
communication
line state
communication signals
virtual
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006356893A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4512087B2 (ja
Inventor
Yasuhiro Sano
泰弘 佐野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Networks Inc
Original Assignee
Sumitomo Electric Networks Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Networks Inc filed Critical Sumitomo Electric Networks Inc
Priority to JP2006356893A priority Critical patent/JP4512087B2/ja
Publication of JP2008167339A publication Critical patent/JP2008167339A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4512087B2 publication Critical patent/JP4512087B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

【課題】仮想ノイズ等、仮想上の回線状態を示す指標値を適切に設定して適切なデータ伝送を実現することが可能な通信装置および通信方法を提供する。
【解決手段】通信装置1は、周波数の異なる複数個の通信信号を他の通信装置に送信する送信部61と、他の通信装置が複数回測定した複数個の通信信号の回線状態を他の通信装置から受信する受信部62と、受信した複数回分の回線状態に基づいて複数個の通信信号の仮想的な回線状態をそれぞれ算出する回線状態算出部56と、複数個の通信信号のマージン値を設定するマージン設定部55と、算出した仮想的な回線状態から設定したマージン値だけ劣化した回線状態において複数個の通信信号の誤り率がそれぞれ所定値未満となるように複数個の通信信号の通信速度をそれぞれ決定する通信速度決定部51とを備え、送信部61は、決定した通信速度で複数個の通信信号を他の通信装置2に送信する。
【選択図】図2

Description

本発明は、通信装置および通信方法に関し、特に、周波数の異なる複数個の信号を用いて通信する通信装置および通信方法に関する。
既存の電話回線を利用して高速のデータ通信を行なうxDSL(x Digital Subscriber
Line:デジタル加入者線)方式には、たとえばADSL(Asymmetric DSL:非対称デジタル加入者線)およびVDSL(Very high-bit-rate DSL:超高速デジタル加入者線)などがある。
VDSLの変調方式には、使用する伝送周波数帯域を複数の細かい帯域に分けて通信を行なうDMT(Discrete Multi-Tone:離散マルチトーン)変調方式がある。たとえば、VDSL(100Mbps/100Mbps)では、約300MHzの伝送周波数帯域を3478個のサブチャネル(8.625kHzの帯域幅)に分割している。
DMT変調方式を用いたマルチキャリア通信システムでは、データ通信を開始する前に、互いに接続された通信装置間の回線状態をチェックするトレーニングを行なう。このトレーニングでは、分割されたサブチャネルごとに信号対雑音比(以下、SNR(Signal to Noise Ratio)とも称する。)を観測し、観測結果に応じて、サブチャネルの搬送波であるサブキャリアに割り当てるビット数の配分を設定する。これにより、回線状態に応じた通信速度が自動的に設定される(ベストエフォート方式)。トレーニング完了後、通信装置間のリンク(接続)が確立されると、設定された通信速度でデータ通信が開始される。通常は、データ通信中において通信速度の動的な変更は行なわない。
また、xDSL装置では、測定したSNRから所定のマージン値(以下、SNRマージンとも称する。)を減算したSNRの条件下で通信信号が所定の受信品質を満たすように各サブキャリアにビット数を配分する。すなわち、SNRマージンは伝送誤りを防止するためのマージン値である。ここで、SNRは各サブチャネルで異なり、xDSLの一般的な使用条件では周波数の低いサブチャネルほどSNRが大きい。SNRマージンを設定することにより伝送誤りに対する通信信号の耐性を調整することができる。
ところで、一般的な電話回線は、複数の回線を束ねた電話ケーブルに収容されるため、近接する2つの電話回線間では、電磁的な結合による漏話(クロストーク)が生じる。QOS(Quality of Service)の観点から、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)およびFTP(File Transfer Protocol)によるデータのダウンロードにおいては伝送速度が比較的小さくても差し支えはなく、また、伝送誤りが生じた場合にデータ再送を行なうことも許容される。しかしながら、近年、リアルタイム伝送を利用したIP電話、テレビ電話、対戦型ゲームおよびビデオ配信等の需要が増加している。たとえば映像のストリーミング配信では大容量のデータを伝送し、かつ配信が途切れないように誤り率を小さくして通信の安定化を図る必要がある。さらに、通話用データでは伝送遅延時間を小さくする必要がある。
ここで、国際電気通信連合の電気通信標準化部門(ITU−T)で勧告化されたG.993.2(非特許文献1参照)では、VDSL通信を行なう2台の通信装置間の回線の伝送特性を診断する機能が定められている。この回線診断機能の1つとして、QLN−ps(Quiet Line Noise PSD QLN(f) per sub-carrier)がある。QLN−ps機能を実行することにより、サブキャリアごとのノイズレベルを測定することができる。
「Very high speed digital subscriber line transceivers 2 (VDSL2)」,ITU-T勧告 G.993.2
ところで、ノイズレベルの変動は伝送周波数帯域において一律ではないため、伝送周波数帯域において一定のSNRマージンを設定するだけの構成ではSNRマージンが不足してエラーが発生するか、SNRマージンが余って必要以上に通信速度が低くなってしまう。このような問題点を解決するために、非特許文献1では、仮想的なノイズレベル(以下、仮想ノイズとも称する。)を設定する機能が定められている。すなわち、非特許文献1記載の技術では、実際に測定したSNRそのものではなく、設定した仮想ノイズに基づいてSNRを算出し、算出したSNRおよびSNRマージンに基づいて各サブキャリアに割り当てるビット数を決定することが可能である。しかしながら、仮想ノイズを大きく設定したサブキャリアでは誤り率が小さくなるが、その一方でサブキャリアに割り当てるビット数が減るために通信速度が低くなってしまう。したがって、仮想ノイズを適切に設定することが要求されるが、非特許文献1には、仮想ノイズを適切に設定するための構成は開示されていない。
それゆえに、本発明の目的は、仮想ノイズ等、仮想上の回線状態を示す指標値を適切に設定して適切なデータ伝送を実現することが可能な通信装置および通信方法を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる通信装置は、周波数の異なる複数個の通信信号を他の通信装置に送信する送信部と、他の通信装置が複数回測定した複数個の通信信号の回線状態を示す回線状態指標値を他の通信装置から受信する受信部と、受信した複数回分の回線状態指標値に基づいて、複数個の通信信号の仮想上の回線状態を示す複数個の通信信号の仮想回線状態指標値をそれぞれ算出する回線状態算出部と、複数個の通信信号に対するマージン値を設定するマージン設定部と、算出した仮想回線状態指標値から設定したマージン値だけ劣化した回線状態において複数個の通信信号の誤り率がそれぞれ所定値未満となるように複数個の通信信号の通信速度をそれぞれ決定する通信速度決定部とを備え、送信部は、決定した通信速度で複数個の通信信号を他の通信装置に送信する。
またこの発明のさらに別の局面に係わる通信装置は、他の通信装置から周波数の異なる複数個の通信信号を受信する受信部と、受信した複数個の通信信号の回線状態を示す回線状態指標値を複数回測定する測定部と、複数回測定した回線状態指標値に基づいて、複数個の通信信号の仮想上の回線状態を示す複数個の通信信号の仮想回線状態指標値をそれぞれ算出する回線状態算出部と、複数個の通信信号に対するマージン値を設定するマージン設定部と、算出した仮想回線状態指標値から設定したマージン値だけ劣化した回線状態において複数個の通信信号の誤り率がそれぞれ所定値未満となるように複数個の通信信号の通信速度をそれぞれ決定する通信速度決定部と、決定した通信速度を他の通信装置に通知する送信部とを備える。
好ましくは、回線状態指標値は雑音レベルであり、通信速度決定部は、算出した仮想的な雑音レベルからマージン値だけ大きい雑音レベルにおいて複数個の通信信号の誤り率がそれぞれ所定値未満となるように複数個の通信信号の通信速度をそれぞれ決定する。
好ましくは、回線状態算出部は、複数回測定した回線状態指標値の平均値および分散値を通信信号ごとに算出し、算出結果に基づいて複数個の通信信号の仮想回線状態指標値をそれぞれ算出する。
好ましくは、回線状態算出部は、算出した複数個の通信信号の仮想回線状態指標値に基づいて、周波数および回線状態指標値の組である設定データを仮想回線状態指標値の個数より少ない個数算出し、算出した設定データに基づいて通信速度決定用の複数個の通信信号の回線状態指標値をそれぞれ算出し、通信速度決定部は、通信速度決定用の回線状態指標値から設定したマージン値だけ劣化した回線状態において複数個の通信信号の誤り率がそれぞれ所定値未満となるように複数個の通信信号の通信速度をそれぞれ決定する。
より好ましくは、回線状態算出部は、算出した複数個の通信信号の仮想回線状態指標値の一部を設定データとして仮決定し、回線状態算出部は、縦軸を回線状態指標値、横軸を周波数とした座標平面を設定し、座標平面において、仮決定した設定データに対応する複数個の座標を結ぶ第1のグラフを算出し、複数個の通信信号の周波数と対応の仮想回線状態指標値との組に対応する複数個の座標を結ぶ第2のグラフを算出し、第1のグラフと第2のグラフとの近さを表わす評価値を算出し、回線状態算出部は、評価値が小さくなるように、第1のグラフを構成する複数個の座標のうちの少なくともいずれか1個を回線状態指標値および周波数の少なくともいずれか一方が異なる座標に変更して第1のグラフを新たに算出し、新たに算出した第1のグラフと第2のグラフとの近さを表わす評価値を新たに算出し、回線状態算出部は、座標の変更および評価値の算出を所定回数行なっても評価値が所定回数連続して所定範囲内にある場合には、算出した複数個の第1のグラフの中から評価値が最小であった第1のグラフを構成する複数個の座標を設定データとして決定し、決定した設定データに基づいて通信速度決定用の複数個の通信信号の回線状態指標値をそれぞれ算出する。
より好ましくは、回線状態算出部は、縦軸を回線状態指標値、横軸を周波数とした座標平面を設定し、設定した座標平面において、複数個の通信信号の周波数と対応の仮想回線状態指標値との組に対応する各座標に基づいて直線を算出し、各座標と対応の周波数における直線上の座標との距離がそれぞれ所定値以内である場合には、直線に対応する設定データに基づいて通信速度決定用の複数個の通信信号の回線状態指標値をそれぞれ算出し、回線状態算出部は、各座標と対応の周波数における直線上の座標との距離のうち少なくともいずれか1つが所定値以内でない場合には、複数個の通信信号に対応する周波数帯域を分割し、分割後の周波数帯域における複数個の通信信号の周波数と対応の仮想回線状態指標値との組に対応する各座標に基づいて直線をそれぞれ新たに算出し、回線状態算出部は、分割後の周波数帯域における複数個の通信信号の周波数と対応の仮想回線状態指標値との組に対応する各座標と対応の周波数における新たに算出した直線上の座標との距離のうち少なくともいずれか1つが所定値以内でない場合には、分割後の周波数帯域をさらに分割し、分割後の周波数帯域における複数個の通信信号の周波数と対応の仮想回線状態指標値との組に対応する各座標に基づいて直線をそれぞれ新たに算出し、回線状態算出部は、分割後の周波数帯域の各々における各座標と対応の周波数における新たに算出した直線上の座標との距離がそれぞれ所定値以内である場合には、分割後の周波数帯域の各々に対応する複数の新たに算出した直線の交点を設定データとして決定し、決定した設定データに基づいて通信速度決定用の複数個の通信信号の回線状態指標値をそれぞれ算出する。
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる通信方法は、周波数の異なる複数個の通信信号を他の通信装置に送信する送信ステップと、他の通信装置が複数回測定した複数個の通信信号の回線状態を示す回線状態指標値を他の通信装置から受信する受信ステップと、受信した複数回分の回線状態指標値に基づいて、複数個の通信信号の仮想上の回線状態を示す複数個の通信信号の仮想回線状態指標値をそれぞれ算出する回線状態算出ステップと、算出した仮想回線状態指標値から予め設定されたマージン値だけ劣化した回線状態において複数個の通信信号の誤り率がそれぞれ所定値未満となるように複数個の通信信号の通信速度をそれぞれ決定する通信速度決定ステップと、決定した通信速度で複数個の通信信号を他の通信装置に送信するステップとを含む。
またこの発明のさらに別の局面に係わる通信方法は、他の通信装置から周波数の異なる複数個の通信信号を受信するステップと、受信した複数個の通信信号の回線状態を示す回線状態指標値を複数回測定するステップと、複数回測定した回線状態指標値に基づいて、複数個の通信信号の仮想上の回線状態を示す複数個の通信信号の仮想回線状態指標値をそれぞれ算出するステップと、算出した仮想回線状態指標値から予め設定されたマージン値だけ劣化した回線状態において複数個の通信信号の誤り率がそれぞれ所定値未満となるように複数個の通信信号の通信速度をそれぞれ決定するステップと、決定した通信速度を他の通信装置に通知するステップとを含む。
本発明によれば、仮想ノイズ等、仮想上の回線状態を示す指標値を適切に設定して適切なデータ伝送を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る通信システム、およびこの通信システムにおける通信装置の構成を示す機能ブロック図である。
図1を参照して、通信システム100は、通信装置である局側装置1と、同じく通信装置である端末側装置2とを備える。局側装置1と端末側装置2とは、電話回線を介して接続される。局側装置1は、複数個のサブキャリアに対応する複数個の通信信号、すなわち各々の搬送波の周波数が異なる複数個の通信信号を通信相手である端末側装置2へ送信する。また、端末側装置2は、複数個のサブキャリアに対応する複数個の通信信号を通信相手である局側装置1へ送信する。以下、端末側装置2から局側装置1への通信方向を上り方向または単に上りと称し、局側装置1から端末側装置2への通信方向を下り方向または単に下りと称する。
なお、通信システム100は、局側装置1および端末側装置2をそれぞれ複数台備える構成であってもよく、また、1台の局側装置1が、複数台の端末側装置2と通信を行なう構成であってもよい。たとえば、局側装置1が複数台の通信装置を備え、複数台の通信装置の各々が1対1で複数台の端末側装置2と通信を行なう構成とすることができる。さらに、少なくとも1台の局側装置1が、この通信システムにおける他の局側装置1および端末側装置2の監視および制御を行なう管理装置としての機能を有していてもよい。
局側装置1は、送信部61と、受信部62と、記憶部8と、制御部17と、エンコーダ10と、デコーダ32とを備える。送信部61は、変調器(IFFT)12と、パラレル・シリアル(P/S)変換器14と、デジタル・アナログ変換器(DAC)16と、ドライバ部20と、ハイブリッド回路22とを含む。受信部62は、ハイブリッド回路22と、低雑音アンプ24と、アナログ・デジタル変換器(ADC)26と、シリアル・パラレル(S/P)変換器28と、復調器(FFT)30とを含む。
エンコーダ10は、送信する入力データの符号化を行ない、符号化した入力データを複数個のサブキャリアに割り当てる。そして、エンコーダ10は、各サブキャリアのデータを変調器12へ出力する。
変調器12は、エンコーダ10から受けた各サブキャリアのデータを高速フーリエ逆変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)によりデジタル変調する。そして、変調器12は、デジタル変調信号をパラレル・シリアル変換器14へ出力する。
パラレル・シリアル変換器14は、変調器12から受けた並列信号を、直列信号に変換して、デジタル・アナログ変換器16へ出力する。
デジタル・アナログ変換器16は、パラレル・シリアル変換器14から受けたデジタル信号をアナログ信号に変換して、ドライバ部20へ出力する。
ドライバ部20は、デジタル・アナログ変換器16から受けたアナログ信号を所定のレベルに増幅して、ハイブリッド回路22へ出力する。
ハイブリッド回路22は、ドライバ部20から受けたアナログ信号を通信信号として電話回線を介して端末側装置2へ送信する。また、ハイブリッド回路22は、端末側装置2から電話回線を介して受信した通信信号であるアナログ信号を低雑音アンプ24へ出力する。
低雑音アンプ24は、ハイブリッド回路22から受けたアナログ信号を所定のレベルに調整した後、アナログ・デジタル変換器26へ出力する。
アナログ・デジタル変換器26は、低雑音アンプ24から受けたアナログ信号をデジタル信号に変換して、シリアル・パラレル変換器28へ出力する。
シリアル・パラレル変換器28は、アナログ・デジタル変換器26から受けた直列信号を並列信号に変換して、復調器30へ出力する。
復調器30は、シリアル・パラレル変換器28から受けたデータを高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)によりデジタル復調する。そして、復調器30は、デジタル復調したサブキャリアごとのデータをデコーダ32へ出力する。
デコーダ32は、復調器30から受けたサブキャリア毎のデータから元のデータを復元して、外部へ出力する。また、デコーダ32は、復元したデータの一部または全部を受信データ情報として制御部17へ出力する。
制御部17は、エンコーダ10、変調器(IFFT)12、復調器(FFT)30およびデコーダ32等、通信装置内の各ブロックを制御する。
図2は、制御部の構成を示す機能ブロック図である。
図2を参照して、制御部17は、通信速度決定部51と、変復調方式決定部52と、QLN測定部53と、誤り率測定部54と、マージン設定部55と、仮想ノイズ算出部(回線状態算出部)56と、信号レベル測定部57とを含む。通信速度決定部51は、SNR算出部58と、ビットテーブル生成部59とを含む。
仮想ノイズ算出部56は、複数回測定されたサブキャリアごとのノイズレベル(回線状態指標値)を自己の通信装置または通信相手である他の通信装置から取得する。そして、仮想ノイズ算出部56は、取得した複数回分のサブキャリアごとのノイズレベルに基づいて複数個の通信信号の仮想ノイズ(仮想回線状態指標値)をそれぞれ算出する。
通信速度決定部51は、複数個の通信信号のレベル測定結果を自己の通信装置または通信相手である他の通信装置から取得する。また、通信速度決定部51は、仮想ノイズ算出部56から複数個の通信信号の仮想ノイズを取得する。また、マージン設定部55は、複数個の通信信号に対するマージン値を設定する。そして、通信速度決定部51は、取得した複数個の通信信号の信号レベル、仮想ノイズおよびマージン値に基づいて複数個の通信信号の通信速度をそれぞれ決定する。
端末側装置2の構成および基本動作は局側装置1と同様あるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の第1の実施の形態に係る通信装置が仮想ノイズを算出する際の動作について説明する。
[動作]
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る通信装置が仮想ノイズを算出する際の動作手順を定めたフローチャートである。
局側装置1は、端末側装置2から所定の信号を受けることにより端末側装置2を認識すると、初期化を行なう(ステップS1)。たとえば、局側装置1および端末側装置2における制御部17は、変調器12および復調器30等を制御して無変調信号等を送受信することにより、各々のドライバ部20および低雑音アンプ24に含まれるAGC(Auto Gain Control)回路のゲイン設定等を行なう。そして、局側装置1は、端末側装置2へQLN測定モード信号を送信する。端末側装置2は、局側装置1からQLN測定モード信号を受けると、局側装置1と同様に初期化を行なう(ステップS11)。
局側装置1は、初期化が終了すると、各サブキャリアの無変調信号を通信信号として端末側装置2へ送信する(ステップS2)。また、端末側装置2は、初期化が終了すると、各サブキャリアの無変調信号を通信信号として局側装置1へ送信する(ステップS12)。
局側装置1は、端末側装置2から受信した無変調信号のノイズレベルすなわち上りQLNを複数回測定する(ステップS3)。より詳細には、局側装置1において、復調器30は、無変調信号に対応するデータをシリアル・パラレル変換器28から受けてデジタル復調し、コンスタレーションを制御部17へ出力する。制御部17におけるQLN測定部53は、復調器30から受けたコンスタレーションに基づいて、上り方向の各サブキャリアのQLNを測定する(ステップS3)。ここで、コンスタレーションとは、変調信号の同相(I相)成分および直交(Q相)成分からなるIQ座標軸平面におけるシンボル点配置のことである。
仮想ノイズ算出部56は、局側装置1におけるQLN測定部53から上りQLNを受ける。そして、仮想ノイズ算出部56は、取得した複数回分の上りQLNに基づいて上り方向の各サブキャリアにおける仮想ノイズを算出する(ステップS4)。
一方、端末側装置2は、局側装置1から受信した無変調信号のノイズレベルすなわち下りQLNを複数回測定する(ステップS13)。
端末側装置2における制御部17は、エンコーダ10等を制御して、複数回分の下りQLNを通信信号に含めて局側装置1へ送信する(ステップS14)。
局側装置1における仮想ノイズ算出部56は、デコーダ32から受けた受信データ情報から、下りQLNを抽出する。そして、仮想ノイズ算出部56は、取得した複数回分の下りQLNに基づいて下り方向の各サブキャリアにおける仮想ノイズを算出する(ステップS4)。
ここで、仮想ノイズ算出部56は、QLN測定部53が測定したQLNを記憶部8に保存し、たとえば最新の10回分のQLNの平均値および分散値をサブキャリアごとに算出し、算出結果に基づいて各サブキャリアにおける仮想ノイズを算出する。
なお、仮想ノイズ算出部56は、QLN測定部53がQLNを測定した曜日および時間帯に基づいてQLNをグループ分けしたテーブルをサブキャリアごとに生成して記憶部8に保存する。そして、仮想ノイズ算出部56は、各曜日および時間帯に基づいてQLNの重み付けを行ない、重み付け後の各QLNの平均値を仮想ノイズとして算出する構成であってもよい。この場合、仮想ノイズ算出部56は、同じ曜日および時間帯のQLNについてはたとえば最新のQLNを記憶部8に保存する。
次に、仮想ノイズ算出部56は、データ間引き処理を行なう。すなわち、仮想ノイズ算出部56は、算出した各サブキャリアにおける仮想ノイズに基づいて、サブキャリア数よりも少ない数の設定用仮想ノイズ(設定データ)を算出する(ステップS5)。
そして、仮想ノイズ算出部56は、算出した設定用仮想ノイズに基づいて各サブキャリアにおける通信速度決定用の仮想ノイズをそれぞれ算出する。たとえば、仮想ノイズ算出部56は、算出した1個または複数個の設定用仮想ノイズを直線補間することにより各サブキャリアにおける仮想ノイズをそれぞれ求め、通信速度決定用の仮想ノイズとする(ステップS6)。
このように、通信速度を決定するために設定する仮想ノイズの個数を実際のサブチャネル数ないしサブキャリア数よりも少なくする構成により、通信装置における仮想ノイズの設定に関する構成、たとえばユーザからの仮想ノイズの設定を反映するための構成の簡易化を図ることができる。
図4(a)および(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る通信システムにおける上りおよび下り各々のバンド構成を示す図である。また、図5は、本発明の第1の実施の形態に係る通信システムにおける上りおよび下り各々のバンドにおけるQLNの測定結果の一例を示すグラフ図である。
図4(a)および(b)ならびに図5を参照して、VDSLの周波数帯域は、上り方向のバンドUS1、US2およびUS3ならびに下り方向のバンドDS1、DS2およびDS3で構成される。VDSLにおける複数個のバンドは、周波数の低い方からバンドDS1、US1、DS2、US2、DS3およびUS3の順に配置されている。
仮想ノイズ算出部56は、たとえば上り方向のバンドUS1、US2およびUS3においてそれぞれ5個の設定用仮想ノイズを算出し、下り方向のバンドDS1、DS2およびDS3においてそれぞれ10個の設定用仮想ノイズを算出する。
次に、仮想ノイズ算出部56が設定用仮想ノイズを算出する動作について説明する。
[設定用仮想ノイズの算出例1]
図6は、仮想ノイズ算出部56が設定用仮想ノイズを算出する際の動作手順を定めたフローチャートである。
図7は、仮想ノイズ算出部56が設定用仮想ノイズを算出する動作の一例を示すグラフ図である。図7は、仮想ノイズ算出部56が設定用仮想ノイズの算出を行なうバンドが上り方向のバンドである場合を示している。
図6および図7を参照して、まず、仮想ノイズ算出部56は、バンド内の各サブキャリアにおける仮想ノイズの中から複数個の仮想ノイズを選択して設定用仮想ノイズとして仮決定する。すなわち、仮想ノイズ算出部56は、バンド内の各サブキャリアにおける、バンド内の仮想ノイズの個数より少ない周波数およびノイズレベルの組を仮決定する(ステップS51)。
たとえば、仮想ノイズ算出部56は、5個の設定用仮想ノイズを仮決定する。すなわち、f1をバンドの最小周波数に決定し、かつf5をバンドの最大周波数に決定する。また、仮想ノイズ算出部56は、f2〜f4およびa(f2)〜a(f4)をバンド内のサブキャリアのいずれか3個のサブキャリアの仮想ノイズに対応し、かつf1〜f5が周波数軸上で等間隔になるように仮決定する(ステップS51)。
次に、仮想ノイズ算出部56は、縦軸をノイズレベル、横軸を周波数とした座標平面を設定する(ステップS52)。
次に、仮想ノイズ算出部56は、グラフNおよびグラフGを算出する、すなわち、グラフNを表わす式およびグラフGを表わす式をそれぞれ算出する。ここで、グラフNは、仮想ノイズ算出部56が複数回分のQLNに基づいて算出した仮想ノイズに対応する各座標を結ぶ折れ線グラフである。また、グラフGは、仮決定されている設定用仮想ノイズに対応する各座標を結ぶ折れ線グラフである(ステップS53およびS54)。
次に、仮想ノイズ算出部56は、バンド内の各サブキャリアにおける仮想ノイズおよび仮決定している設定用仮想ノイズに基づいて評価値Eを算出する。ここで、評価値Eは、グラフGとグラフNとの近さを表わす値である(ステップS55)。
周波数fのサブキャリアにおける仮想ノイズをN(f)とし、周波数fのサブキャリアにおける設定用仮想ノイズのレベルをa(f)とし、周波数fのサブキャリアにおけるグラフGと仮想ノイズのグラフNとの近さを表わす関数をB(N(f),a(f),f)とすると、評価値Eは、以下の式で表わされる。
E=ΣB(N(f),a(f),f)
たとえば、関数Bは、周波数ごとにa(f)の重み付けが異なる関数とすることができる。また、関数Bは、以下の式のように最小二乗法を用いるものであってもよい。
B(N(f),a(f),f)=(N(f)−a(f))2
仮想ノイズ算出部56は、評価値Eが小さくなるように、f2〜f4およびa(f1)〜a(f5)のいずれか1個のパラメータを変更して設定用仮想ノイズを新たに仮決定する。たとえば、仮想ノイズ算出部56は、f2を次のサブキャリアに対応する周波数に変更したり、a(f1)を5%大きいレベルに変更したりする(ステップS59)。すなわち、仮想ノイズ算出部56は、グラフGを構成する各座標のうちの少なくともいずれか1個をレベルおよび周波数の少なくともいずれか一方が異なる座標に変更した5個の座標を設定用仮想ノイズとして新たに仮決定する。
そして、仮想ノイズ算出部56は、新たに仮決定した設定用仮想ノイズに対応する各座標を結ぶグラフGを新たに算出する(ステップS54)。そして、仮想ノイズ算出部56は、評価値Eを新たに算出する(ステップS55)。
仮想ノイズ算出部56は、評価値Eが収束しない場合であって(ステップS56でNO)評価値Eの算出を所定回数(たとえば1000回)行なっていないときには(ステップS58でNO)、評価値Eが小さくなるように、f2〜f4およびa(f1)〜a(f5)のいずれか1個のパラメータの変更、グラフGの算出および評価値Eの算出を繰り返す。
一方、仮想ノイズ算出部56は、評価値Eが収束した場合、すなわち評価値Eが所定回数(たとえば50回)連続して所定範囲内にある場合には(ステップS56でYES)、今までに算出した中で評価値Eが最小となる仮決定した設定用仮想ノイズすなわちグラフGを構成する各座標であるf1〜f5およびa(f1)〜a(f5)の各組を設定用仮想ノイズとして決定する(ステップS57)。
また、仮想ノイズ算出部56は、f2〜f4およびa(f1)〜a(f5)の値の変更を所定回数(たとえば1000回)行なっても評価値Eが収束しない場合には(ステップS56でNO、ステップS58でYES)、今までに算出した中で評価値Eが最小となるf1〜f5およびa(f1)〜a(f5)の各組を設定用仮想ノイズとして決定する。
[設定用仮想ノイズの算出例2]
図8は、仮想ノイズ算出部56が設定用仮想ノイズを算出する際の動作手順を定めたフローチャートである。
図8を参照して、まず、仮想ノイズ算出部56は、縦軸をノイズレベル、横軸を周波数とした座標平面を設定する。また、仮想ノイズ算出部56は、設定用仮想ノイズの算出を行なうバンドの最小周波数および最大周波数を両端とする区間を処理対象区間として設定する(ステップS41)。
次に、仮想ノイズ算出部56は、横軸をサブキャリアの周波数とし、縦軸をノイズレベルとした座標平面において、設定区間の各データ点すなわち設定区間の各サブキャリアにおける仮想ノイズに基づいて直線を算出する、すなわち直線を表わす式を算出する。たとえば、仮想ノイズ算出部56は、設定区間の各サブキャリアにおける仮想ノイズについて最小二乗法を用いて直線を算出する(ステップS42)。
そして、仮想ノイズ算出部56は、同一サブキャリアにおける直線と各データ点との距離が5dBより大きいデータ点が存在する場合であって(ステップS43でNO)、算出した複数の直線の交点が所定数に達していない場合には(ステップS44でNO)、直線との距離が最も大きいデータ点に対応するサブキャリアにおいて設定区間を分割し、分割した区間を新たな処理対象区間として設定する(ステップS45)。なお、同一サブキャリアにおける直線と各データ点との距離の閾値は5dBに限定されるものではなく、他の値であってもよい。
一方、仮想ノイズ算出部56は、同一サブキャリアにおける直線と各データ点との距離が5dBより大きいデータ点が存在しない場合には(ステップS43でYES)、現在の設定区間を確定する(ステップS46)。
そして、仮想ノイズ算出部56は、未確定の設定区間が存在する場合には(ステップS47でYES)、未確定の設定区間の仮想ノイズについて直線を算出する(ステップS42)。一方、仮想ノイズ算出部56は、すべての設定区間が確定した場合には(ステップS47でNO)、算出した複数の直線の交点、およびバンドの端すなわちバンドの最小周波数および最大周波数の軸と直線との交点を設定用仮想ノイズとして決定する(ステップS48)。
また、仮想ノイズ算出部56は、同一サブキャリアにおける直線と各データ点との距離が5dBより大きいデータ点が存在する場合であっても(ステップS43でNO)、算出した複数の直線の交点が所定数に達した場合には(ステップS44でYES)、算出した複数の直線の交点、およびバンドの端すなわちバンドの最小周波数および最大周波数の軸と直線との交点を設定用仮想ノイズとして決定する(ステップS48)。ここで、仮想ノイズ算出部56が設定用仮想ノイズの算出を行なうバンドが上り方向のバンドである場合の所定数は3であり、下り方向のバンドである場合の所定数は8である。
図9は、仮想ノイズ算出部56が設定用仮想ノイズを算出する動作の一例を示すグラフ図である。グラフKは、仮想ノイズ算出部56が複数回分のQLNに基づいて算出した仮想ノイズである。図9は、仮想ノイズ算出部56が設定用仮想ノイズの算出を行なうバンドが下り方向のバンドである場合を示している。
図9を参照して、まず、仮想ノイズ算出部56は、設定用仮想ノイズの算出を行なうバンドの両端a間を最初の処理対象区間Aに設定する。そして、仮想ノイズ算出部56は、設定区間Aの各サブキャリアにおける仮想ノイズについて最小二乗法を用いて直線Aを算出する。
次に、仮想ノイズ算出部56は、同一サブキャリアにおける直線Aと各データ点との距離が5dBより大きいデータ点が存在し(ステップS43でNO)、かつ直線の交点が所定数に達していないことから(ステップS44でNO)、同一サブキャリアにおいて直線Aとの距離が最も大きいデータ点に対応するサブキャリアbにおいて区間Aを分割し、分割した2つの区間である区間B1およびB2を新たに設定する(ステップS45)。
同様に、仮想ノイズ算出部56は、設定区間B1において算出した直線B1に基づき設定区間B1を分割して区間C1およびC2を新たに設定し、また、設定区間B2において算出した直線B2に基づき設定区間B2を分割して区間C3およびC4を新たに設定する(ステップS45)。
次に、仮想ノイズ算出部56は、設定区間C1において算出した直線C1に基づき設定区間C1を分割して区間D1およびD2を新たに設定する(ステップS45)。
また、仮想ノイズ算出部56は、設定区間C2〜C4においてそれぞれ算出した直線C2〜C4と設定区間C2〜C4における各データ点との同一サブキャリアにおける距離が5dB以内であることから、設定区間C2〜C4をこれ以上分割せずに確定する(ステップS43でYESおよびステップS46)。
次に、仮想ノイズ算出部56は、設定区間D1において算出した直線D1に基づき設定区間D1を分割して区間E1およびE2を新たに設定する(ステップS45)。
また、仮想ノイズ算出部56は、設定区間D2において算出した直線D2と設定区間D2における各データ点との同一サブキャリアにおける距離が5dB以内であることから、設定区間D2をこれ以上分割せずに確定する(ステップS43でYESおよびステップS46)。
次に、仮想ノイズ算出部56は、設定区間E1およびE2においてそれぞれ算出した直線E1およびE2と設定区間E1およびE2における各データ点との同一サブキャリアにおける距離が5dB以内であることから、設定区間E1およびE2をこれ以上分割せずに確定する(ステップS43でYESおよびステップS46)。そして、仮想ノイズ算出部56は、すべての設定区間が確定したことから(ステップS47でNO)、算出した複数の直線のうち、確定した設定区間に対応する直線E1、E2、D2およびC2〜C4の交点N2〜N6と、バンドの最小周波数および直線E1の交点N1と、バンドの最大周波数および直線C4の交点N7とを設定用仮想ノイズとして決定する(ステップS48)。
次に、本発明の第1の実施の形態に係る通信装置が通信速度を決定する際の動作について説明する。
図10は、本発明の第1の実施の形態に係る通信装置が通信速度を決定する際の動作手順を定めたフローチャートである。
局側装置1および端末側装置2が通信を行なっている状態において、局側装置1は、局側装置1および端末側装置2間の通信信号の受信品質を監視している。
より詳細には、局側装置1において、制御部17における誤り率測定部54は、デコーダ32から受けた受信データ情報に基づいて上り方向の通信信号の誤り率を算出する。
一方、端末側装置2において、制御部17における誤り率測定部54は、デコーダ32から受けた受信データ情報に基づいて、下り方向の通信信号の誤り率を算出する。そして、端末側装置2における制御部17は、エンコーダ10を制御して、誤り率の算出結果を通信信号に含めて局側装置1へ送信する。そして、局側装置1において、誤り率測定部54は、デコーダ32から受けた受信データ情報から、下り方向の通信信号の誤り率を抽出する。
局側装置1は、下り方向の通信信号の誤り率、または上り方向の通信信号の誤り率が所定値以上である場合には(ステップS21でYES)、上りおよび下りの回線を切断する制御を行なう(ステップS22)。
上りおよび下りの回線が切断されると、局側装置1および端末側装置2は初期化を行なう(ステップS23およびS31)。たとえば、局側装置1および端末側装置2における制御部17は、変調器12および復調器30等を制御して無変調信号を送受信することにより、各々のドライバ部20および低雑音アンプ24に含まれるAGC(Auto Gain Control)回路のゲイン設定等を行なう。
なお、局側装置1および端末側装置2が前述のQLN測定および仮想ノイズの算出に引き続いて通信速度の決定を行なう場合には、局側装置1および端末側装置2がステップS21〜S23およびステップS31の処理を行なわない構成とすることも可能である。また、局側装置1または端末側装置2に対する電源投入時、あるいは使用者が初期化のコマンドを局側装置1または端末側装置2に投入した場合に、局側装置1および端末側装置2がステップS23およびステップS31以降の処理を行なう構成であってもよい。
初期化が終了すると、局側装置1は、たとえばPN(Pseudo Noise)系列の信号(以下、テスト信号とも称する。)を通信信号として端末側装置2へ送信する。テスト信号は、エンコーダ10、変調器12、P/S変換器14、デジタル・アナログ変換器16、バッファ部20およびハイブリッド回路22を介して端末側装置2へ送信される(ステップS24)。また、端末側装置2は、局側装置1と同様に、テスト信号を通信信号として局側装置1へ送信する(ステップS32)。
端末側装置2は、局側装置1から受信したテスト信号のレベルを測定する。より詳細には、端末側装置2において、復調器30は、テスト信号に対応するデータをシリアル・パラレル変換器28から受けてデジタル復調し、コンスタレーションを制御部17へ出力する。制御部17におけるQLN測定部53は、復調器30から受けたコンスタレーションに基づいて、テスト信号のレベルを測定する(ステップS33)。
そして、端末側装置2は、テスト信号レベルの測定結果を局側装置1へ通知する(ステップS34)。
また、局側装置1は、端末側装置2と同様に、端末側装置2から受信したテスト信号のレベルを測定する(ステップS25)。
そして、局側装置1は、自己が測定した上りテスト信号レベルおよび自己が算出した通信速度決定用の上り仮想ノイズに基づいて上り方向の各サブチャネルにおけるSNRを算出する。より詳細には、局側装置1におけるSNR算出部58は、信号レベル測定部57から受けた上りテスト信号レベルの測定結果および仮想ノイズ算出部56から受けた通信速度決定用の上り仮想ノイズに基づいて上り方向の各サブチャネルにおけるSNRを算出する(ステップS26)。
また、局側装置1は、端末側装置2から受信した下りテスト信号レベルの測定結果および自己が算出した通信速度決定用の下り仮想ノイズに基づいて下り方向の各サブチャネルにおけるSNRを算出する。より詳細には、局側装置1におけるSNR算出部58は、デコーダ32から受けた受信データ情報から、端末側装置2が測定した下りテスト信号レベルの測定結果を抽出する。そして、SNR算出部58は、抽出した下りテスト信号レベルの測定結果および仮想ノイズ算出部56から受けた通信速度決定用の下り仮想ノイズに基づいて下り方向の各サブチャネルにおけるSNRを算出する(ステップS26)。
局側装置1は、上り方向の通信速度すなわち端末側装置2から送信する複数個の通信信号の速度をそれぞれ決定する。たとえば、局側装置1は、端末側装置2が通信信号の送信に用いる複数個のサブキャリアと各サブキャリアに割り当てるビット数との対応関係を表わす上り方向のビットテーブルを生成し(ステップS27)、端末側装置2へ送信する(ステップS28)。より詳細には、ビットテーブル生成部59は、SNR算出部58から受けた上り方向の各サブチャネルにおけるSNRおよびマージン設定部55から受けた上り方向のSNRマージンに基づいて上り方向のビットテーブルを生成し、エンコーダ10および変復調方式決定部52へ出力する。上り方向のビットテーブルは、エンコーダ10、変調器12、P/S変換器14、デジタル・アナログ変換器16、バッファ部20およびハイブリッド回路22を介して端末側装置2へ送信される。
そして、局側装置1における変復調方式決定部52は、ビットテーブル生成部59から受けた上り方向のビットテーブルに基づいて、端末側装置2から送信される通信信号の変調方式を認識し、復調器30へ通知する。復調器30は、制御部17からの通知内容が表わす変調方式でサブキャリアごとの通信信号をそれぞれ復調する(ステップS29)。
端末側装置2は、局側装置1から受信した上り方向のビットテーブルが表わす、複数個のサブキャリアに対応する複数個の通信信号の通信速度に基づいて、たとえば複数個の通信信号の変調方式をそれぞれ決定する。より詳細には、端末側装置2における制御部17の変復調方式決定部52は、デコーダ32から受けた受信データ情報から、局側装置1が送信した上り方向のビットテーブルを抽出する。そして、変復調方式決定部52は、抽出した上り方向のビットテーブルに基づいて複数個のサブキャリアに対応する複数個の通信信号の変調方式をそれぞれ決定し、決定した変調方式を変調器12へ通知する。変調器12は、制御部17からの通知内容が表わす変調方式で各サブキャリアのデータをそれぞれ変調する(ステップS35)。
また、局側装置1は、下り方向の通信速度すなわち端末側装置2へ送信する複数個の通信信号の速度をそれぞれ決定する。たとえば、局側装置1は、局側装置1が通信信号の送信に用いる複数個のサブキャリアと各サブキャリアに割り当てるビット数との対応関係を表わす下り方向のビットテーブルを生成し(ステップS27)、端末側装置2へ送信する(ステップS28)。より詳細には、ビットテーブル生成部59は、SNR算出部58から受けた下り方向の各サブチャネルにおけるSNRおよびマージン設定部55から受けた下り方向のSNRマージンに基づいて下り方向のビットテーブルを生成し、エンコーダ10および変復調方式決定部52へ出力する。下り方向のビットテーブルは、エンコーダ10、変調器12、P/S変換器14、デジタル・アナログ変換器16、バッファ部20およびハイブリッド回路22を介して端末側装置2へ送信される。
また、局側装置1における変復調方式決定部52は、ビットテーブル生成部59から受けた下り方向のビットテーブルに基づいて、複数個のサブキャリアに対応する複数個の通信信号の変調方式をそれぞれ決定し、決定した変調方式を変調器12へ通知する。変調器12は、制御部17からの通知内容が表わす変調方式で各サブキャリアのデータをそれぞれ変調する(ステップS29)。
端末側装置2は、局側装置1から受信した下り方向のビットテーブルが表わす、複数個のサブキャリアに対応する複数個の通信信号の通信速度に基づいて、たとえば複数個の通信信号の変調方式をそれぞれ決定する。より詳細には、端末側装置2における変復調方式決定部52は、デコーダ32から受けた受信データ情報から、局側装置1が送信した下り方向のビットテーブルを抽出する。そして、変復調方式決定部52は、抽出した下り方向のビットテーブルに基づいて、局側装置1から送信される通信信号の変調方式を認識し、復調器30へ通知する。復調器30は、制御部17からの通知内容が表わす変調方式でサブキャリアごとの通信信号をそれぞれ復調する(ステップS35)。
図11は、本発明の第1の実施の形態に係る通信装置におけるビットテーブルの一例を示す図である。
図11を参照して、通信速度決定部51は、マージン設定部55から受けたSNRマージンがたとえば6dBであり、かつサブキャリア1における通信信号のSNRがたとえば50dBである場合には、50dBよりもさらにSNRマージンの6dBだけ劣化した44dBのSNRの条件下でサブキャリア1における通信信号が所定の受信品質たとえば誤り率が10-7未満となる15ビットをサブキャリア1に割り当てる。
図11では、サブキャリア1および2の割り当てビット数は15ビットであり、サブキャリア39および40の割り当てビット数は3ビットである。
この場合、ビットテーブルを受信した通信装置における制御部17の変調方式決定部52は、サブキャリア1および2の割り当てビット数が15であるため、15ビットに対応するシンボルレートの大きい16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)をサブキャリア1の通信信号の変調方式と決定する。また、変調方式決定部52は、サブキャリア39および40の割り当てビット数が3であるため、3ビットに対応するシンボルレートの小さいQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)をサブキャリア39および40の通信信号の変調方式と決定する。
図12は、通信速度決定部51がサブキャリアに割り当てるビット数を決定する過程を概念的に示すグラフ図である。グラフVN1は仮想ノイズ算出部56が算出した仮想ノイズである。グラフVN2は仮想ノイズ算出部56が算出した仮想ノイズからSNRマージンだけ大きくしたノイズである。グラフSは、信号レベル測定部57が測定した信号レベルである。
前述のように、通信速度決定部51は、SNR算出部58が算出したテスト信号のSNRよりもさらにSNRマージンだけ劣化したSNRの条件下で通信信号の誤り率が所定値未満となる通信速度を、通信信号の通信速度として決定する。
言い換えると、図12を参照して、通信速度決定部51は、仮想ノイズレベルVN1よりもさらにSNRマージンMだけ大きいノイズレベルVN2の条件下で通信信号の誤り率が所定値未満となる通信速度を、通信信号の通信速度として決定する。すなわち、通信速度決定部51は、信号レベルSおよびノイズレベルVN2に基づいて通信信号のSNRを算出し、算出した通信信号のSNRの条件下で通信信号が所定の受信品質たとえば誤り率が所定値未満となる通信速度よりも低い通信速度を、通信信号の通信速度として決定する。
ところで、ノイズレベルの変動は伝送周波数帯域において一律ではないため、伝送周波数帯域において一定のSNRマージンを設定するだけの構成ではSNRマージンが不足してエラーが発生するか、SNRマージンが余って必要以上に通信速度が低くなってしまう。このような問題点を解決するために、非特許文献1では、仮想ノイズを設定する機能が定められている。しかしながら、仮想ノイズを大きく設定したサブキャリアでは誤り率が小さくなるが、その一方でサブキャリアに割り当てるビット数が減るために通信速度が低くなってしまう。したがって、仮想ノイズを適切に設定することが要求されるが、非特許文献1には、仮想ノイズを適切に設定するための構成は開示されていない。
しかしながら、本発明の第1の実施の形態に係る通信装置では、QLN測定部53は、各サブキャリアにおけるQLNを複数回測定する。仮想ノイズ算出部56は、QLN測定部53が測定した複数回分のサブキャリアごとのQLNに基づいて複数個の通信信号の仮想ノイズをそれぞれ算出する。通信速度決定部51は、仮想ノイズよりもさらにSNRマージンだけ大きいノイズレベルの条件下で通信信号の誤り率が所定値未満となる通信速度を、通信信号の通信速度として決定する。したがって、本発明の第1の実施の形態に係る通信装置では、各サブチャネルにおけるノイズレベルの変動に対応した仮想ノイズを設定することができるとともに、1回分のノイズレベルの測定結果ではなく、複数回分のノイズレベルの測定結果を用いる、すなわちある程度の長時間にわたる測定結果に基づいた適切な仮想ノイズの設定を行なうことができ、適切なデータ伝送を実現することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る通信装置と比べてQLNの測定回数を変更した通信装置に関する。
図13は、本発明の第2の実施の形態に係る通信装置が仮想ノイズを算出する際の動作手順を定めたフローチャートである。
局側装置1は、端末側装置2から所定の信号を受けることにより端末側装置2を認識すると、初期化を行なう(ステップS61)。たとえば、局側装置1および端末側装置2における制御部17は、変調器12および復調器30等を制御して無変調信号等を送受信することにより、各々のドライバ部20および低雑音アンプ24に含まれるAGC(Auto Gain Control)回路のゲイン設定等を行なう。そして、局側装置1は、端末側装置2へQLN測定モード信号を送信する。端末側装置2は、局側装置1からQLN測定モード信号を受けると、局側装置1と同様に初期化を行なう(ステップS71)。
局側装置1は、初期化が終了すると、各サブキャリアの無変調信号を通信信号として端末側装置2へ送信する(ステップS62)。また、端末側装置2は、初期化が終了すると、各サブキャリアの無変調信号を通信信号として局側装置1へ送信する(ステップS72)。
局側装置1は、端末側装置2から受信した無変調信号のノイズレベルすなわち上りQLNを1回測定する(ステップS63)。より詳細には、局側装置1において、復調器30は、無変調信号に対応するデータをシリアル・パラレル変換器28から受けてデジタル復調し、コンスタレーションを制御部17へ出力する。制御部17におけるQLN測定部53は、復調器30から受けたコンスタレーションに基づいて、上り方向の各サブキャリアのQLNを測定する(ステップS63)。ここで、コンスタレーションとは、変調信号の同相(I相)成分および直交(Q相)成分からなるIQ座標軸平面におけるシンボル点配置のことである。
仮想ノイズ算出部56は、局側装置1におけるQLN測定部53から上りQLNを受ける。そして、仮想ノイズ算出部56は、取得した1回分の上りQLNのデータ間引き処理を行なう。すなわち、仮想ノイズ算出部56は、取得した上りQLNに基づいて、上りのサブキャリア数よりも少ない数の上り設定用仮想ノイズを算出する(ステップS64)。
一方、端末側装置2は、局側装置1から受信した無変調信号のノイズレベルすなわち下りQLNを1回測定する(ステップS73)。
端末側装置2における制御部17は、エンコーダ10等を制御して、1回分の下りQLNを通信信号に含めて局側装置1へ送信する(ステップS74)。
局側装置1における仮想ノイズ算出部56は、デコーダ32から受けた受信データ情報から、下りQLNを抽出する。そして、仮想ノイズ算出部56は、取得した1回分の下りQLNのデータ間引き処理を行なう。すなわち、仮想ノイズ算出部56は、取得した下りQLNに基づいて、下りのサブキャリア数よりも少ない数の下り設定用仮想ノイズを算出する(ステップS64)。
そして、仮想ノイズ算出部56は、算出した設定用仮想ノイズに基づいて各サブキャリアにおける通信速度決定用の仮想ノイズを算出する。たとえば、仮想ノイズ算出部56は、算出した1個または複数個の設定用仮想ノイズを直線補間することにより各サブキャリアにおける仮想ノイズを算出し、通信速度決定用の仮想ノイズとする(ステップS65)。
ここで、仮想ノイズ算出部56は、本発明の第1の実施の形態に係る仮想ノイズ算出部56と同様に、たとえば設定用仮想ノイズの算出例1および2に示す方法を用いて設定用仮想ノイズを算出する。
また、本発明の第2の実施の形態に係る局側装置1および端末側装置2は、本発明の第1の実施の形態に係る通信装置と同様に、たとえば図10のフローチャートに示す動作手順で上り方向および下り方向の各々における複数個の通信信号の通信速度を決定する。
その他の構成および動作は本発明の第1の実施の形態に係る通信装置と同様である。
本発明の第2の実施の形態に係る通信装置では、仮想ノイズ算出部56は、設定用仮想ノイズの算出例1および2に示す方法により、各サブキャリアにおける1回分のQLN測定結果に基づいて設定用仮想ノイズを算出する。したがって、本発明の第2の実施の形態に係る通信装置では、通信速度を決定するために設定する仮想ノイズの算出を適切に行なう、すなわち仮想上の回線状態を示す指標値を適切に設定することで適切なデータ伝送を実現することができる。また、本発明の第2の実施の形態に係る通信装置では、通信速度を決定するために設定する仮想ノイズの個数を実際のサブチャネル数ないしサブキャリア数よりも少なくする構成により、通信装置における仮想ノイズの設定に関する構成、たとえばユーザからの仮想ノイズの設定を反映するための構成の簡易化を図ることができる。
[変形例]
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、たとえば以下の変形例も含まれる。
(1) 仮想ノイズの算出およびビットテーブルの生成
本発明の第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る通信装置では、局側装置1が、上り方向および下り方向の各々の仮想ノイズ算出およびビットテーブル生成を行なう構成であるとしたが、これに限定するものではない。端末側装置2が、上り方向および下り方向の各々の仮想ノイズ算出およびビットテーブル生成を行なう構成とすることも可能である。
(2) 仮想ノイズ
本発明の第1の実施の形態に係る通信装置では、仮想ノイズ算出部56は、取得した複数回分のサブキャリアごとのノイズレベルに基づいて複数個の通信信号の仮想ノイズを算出する。SNR算出部58は、テスト信号レベルの測定結果および通信速度決定用の仮想ノイズに基づいて各サブチャネルにおけるSNRを算出する。そして、通信速度決定部51は、SNR算出部58が算出した通信信号のSNRよりもさらにSNRマージンだけ劣化したSNRの条件下で通信信号の誤り率が所定値未満となる通信速度を、上りまたは下りの通信信号の通信速度として決定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。通信速度決定部51がテスト信号レベルの測定結果を用いずに、予め定められた信号レベルと、仮想ノイズと、SNRマージンとに基づいて複数個の通信信号の通信速度を決定する構成であってもよい。また、仮想ノイズに限らず、通信信号の仮想上の回線状態を示す指標値であれば仮想ノイズの代わりに用いることが可能である。

今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の第1の実施の形態に係る通信システム、およびこの通信システムにおける通信装置の構成を示す機能ブロック図である。 制御部の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る通信装置が仮想ノイズを算出する際の動作手順を定めたフローチャートである。 (a)および(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る通信システムにおける上りおよび下り各々のバンド構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る通信システムにおける上りおよび下り各々のバンドにおけるQLNの測定結果の一例を示すグラフ図である。 仮想ノイズ算出部56が設定用仮想ノイズを算出する際の動作手順を定めたフローチャートである。 仮想ノイズ算出部56が設定用仮想ノイズを算出する動作の一例を示すグラフ図である。 仮想ノイズ算出部56が設定用仮想ノイズを算出する際の動作手順を定めたフローチャートである。 仮想ノイズ算出部56が設定用仮想ノイズを算出する動作の一例を示すグラフ図である。 本発明の第1の実施の形態に係る通信装置が通信速度を決定する際の動作手順を定めたフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る通信装置におけるビットテーブルの一例を示す図である。 通信速度決定部51がサブキャリアに割り当てるビット数を決定する過程を概念的に示すグラフ図である。 本発明の第2の実施の形態に係る通信装置が仮想ノイズを算出する際の動作手順を定めたフローチャートである。
符号の説明
1 局側装置(通信装置)、2 端末側装置(通信装置)、10 エンコーダ、12 変調器(IFFT)、14 パラレル・シリアル(P/S)変換器、16 デジタル・アナログ変換器(DAC)、17 制御部、20 ドライバ部、22 ハイブリッド回路、24 低雑音アンプ、26 アナログ・デジタル変換器(ADC)、28 シリアル・パラレル(S/P)変換器、30 復調器(FFT)、32 デコーダ、51 通信速度決定部、52 変調方式決定部、53 QLN測定部、54 誤り率測定部、55 マージン設定部、56 仮想ノイズ算出部(回線状態算出部)、57 信号レベル測定部、58 SNR算出部、59 ビットテーブル生成部、61 送信部、62 受信部、100 通信システム。

Claims (9)

  1. 周波数の異なる複数個の通信信号を他の通信装置に送信する送信部と、
    前記他の通信装置が複数回測定した前記複数個の通信信号の回線状態を示す回線状態指標値を前記他の通信装置から受信する受信部と、
    前記受信した複数回分の回線状態指標値に基づいて、前記複数個の通信信号の仮想上の回線状態を示す前記複数個の通信信号の仮想回線状態指標値をそれぞれ算出する回線状態算出部と、
    前記複数個の通信信号に対するマージン値を設定するマージン設定部と、
    前記算出した仮想回線状態指標値から前記設定したマージン値だけ劣化した回線状態において前記複数個の通信信号の誤り率がそれぞれ所定値未満となるように前記複数個の通信信号の通信速度をそれぞれ決定する通信速度決定部とを備え、
    前記送信部は、前記決定した通信速度で前記複数個の通信信号を前記他の通信装置に送信する通信装置。
  2. 他の通信装置から周波数の異なる複数個の通信信号を受信する受信部と、
    前記受信した複数個の通信信号の回線状態を示す回線状態指標値を複数回測定する測定部と、
    前記複数回測定した回線状態指標値に基づいて、前記複数個の通信信号の仮想上の回線状態を示す前記複数個の通信信号の仮想回線状態指標値をそれぞれ算出する回線状態算出部と、
    前記複数個の通信信号に対するマージン値を設定するマージン設定部と、
    前記算出した仮想回線状態指標値から前記設定したマージン値だけ劣化した回線状態において前記複数個の通信信号の誤り率がそれぞれ所定値未満となるように前記複数個の通信信号の通信速度をそれぞれ決定する通信速度決定部と、
    前記決定した通信速度を前記他の通信装置に通知する送信部とを備える通信装置。
  3. 前記回線状態指標値は雑音レベルであり、
    前記通信速度決定部は、前記算出した仮想的な雑音レベルから前記マージン値だけ大きい雑音レベルにおいて前記複数個の通信信号の誤り率がそれぞれ所定値未満となるように前記複数個の通信信号の通信速度をそれぞれ決定する請求項1または2に記載の通信装置。
  4. 前記回線状態算出部は、前記複数回測定した回線状態指標値の平均値および分散値を前記通信信号ごとに算出し、前記算出結果に基づいて前記複数個の通信信号の仮想回線状態指標値をそれぞれ算出する請求項1または2に記載の通信装置。
  5. 前記回線状態算出部は、前記算出した前記複数個の通信信号の仮想回線状態指標値に基づいて、周波数および前記回線状態指標値の組である設定データを前記仮想回線状態指標値の個数より少ない個数算出し、前記算出した設定データに基づいて通信速度決定用の前記複数個の通信信号の回線状態指標値をそれぞれ算出し、
    前記通信速度決定部は、前記通信速度決定用の回線状態指標値から前記設定したマージン値だけ劣化した回線状態において前記複数個の通信信号の誤り率がそれぞれ所定値未満となるように前記複数個の通信信号の通信速度をそれぞれ決定する請求項1または2に記載の通信装置。
  6. 前記回線状態算出部は、前記算出した前記複数個の通信信号の仮想回線状態指標値の一部を前記設定データとして仮決定し、
    前記回線状態算出部は、縦軸を前記回線状態指標値、横軸を周波数とした座標平面を設定し、前記座標平面において、前記仮決定した設定データに対応する複数個の座標を結ぶ第1のグラフを算出し、前記複数個の通信信号の周波数と対応の前記仮想回線状態指標値との組に対応する複数個の座標を結ぶ第2のグラフを算出し、前記第1のグラフと前記第2のグラフとの近さを表わす評価値を算出し、
    前記回線状態算出部は、前記評価値が小さくなるように、前記第1のグラフを構成する前記複数個の座標のうちの少なくともいずれか1個を回線状態指標値および周波数の少なくともいずれか一方が異なる座標に変更して前記第1のグラフを新たに算出し、前記新たに算出した第1のグラフと前記第2のグラフとの近さを表わす評価値を新たに算出し、
    前記回線状態算出部は、前記座標の変更および前記評価値の算出を所定回数行なっても前記評価値が前記所定回数連続して所定範囲内にある場合には、前記算出した複数個の第1のグラフの中から前記評価値が最小であった前記第1のグラフを構成する前記複数個の座標を前記設定データとして決定し、前記決定した設定データに基づいて前記通信速度決定用の前記複数個の通信信号の回線状態指標値をそれぞれ算出する請求項5記載の通信装置。
  7. 前記回線状態算出部は、縦軸を前記回線状態指標値、横軸を周波数とした座標平面を設定し、前記設定した座標平面において、前記複数個の通信信号の周波数と対応の前記仮想回線状態指標値との組に対応する各座標に基づいて直線を算出し、前記各座標と対応の周波数における前記直線上の座標との距離がそれぞれ所定値以内である場合には、前記直線に対応する前記設定データに基づいて前記通信速度決定用の前記複数個の通信信号の回線状態指標値をそれぞれ算出し、
    前記回線状態算出部は、前記各座標と対応の周波数における前記直線上の座標との距離のうち少なくともいずれか1つが前記所定値以内でない場合には、前記複数個の通信信号に対応する周波数帯域を分割し、前記分割後の周波数帯域における複数個の前記通信信号の周波数と対応の前記仮想回線状態指標値との組に対応する各座標に基づいて直線をそれぞれ新たに算出し、
    前記回線状態算出部は、前記分割後の周波数帯域における複数個の前記通信信号の周波数と対応の前記仮想回線状態指標値との組に対応する各座標と対応の周波数における前記新たに算出した直線上の座標との距離のうち少なくともいずれか1つが前記所定値以内でない場合には、前記分割後の周波数帯域をさらに分割し、前記分割後の周波数帯域における複数個の前記通信信号の周波数と対応の前記仮想回線状態指標値との組に対応する各座標に基づいて直線をそれぞれ新たに算出し、
    前記回線状態算出部は、前記分割後の周波数帯域の各々における前記各座標と対応の周波数における前記新たに算出した直線上の座標との距離がそれぞれ前記所定値以内である場合には、前記分割後の周波数帯域の各々に対応する複数の前記新たに算出した直線の交点を前記設定データとして決定し、前記決定した設定データに基づいて前記通信速度決定用の前記複数個の通信信号の回線状態指標値をそれぞれ算出する請求項5記載の通信装置。
  8. 周波数の異なる複数個の通信信号を他の通信装置に送信する送信ステップと、
    前記他の通信装置が複数回測定した前記複数個の通信信号の回線状態を示す回線状態指標値を前記他の通信装置から受信する受信ステップと、
    前記受信した複数回分の回線状態指標値に基づいて、前記複数個の通信信号の仮想上の回線状態を示す前記複数個の通信信号の仮想回線状態指標値をそれぞれ算出する回線状態算出ステップと、
    前記算出した仮想回線状態指標値から予め設定されたマージン値だけ劣化した回線状態において前記複数個の通信信号の誤り率がそれぞれ所定値未満となるように前記複数個の通信信号の通信速度をそれぞれ決定する通信速度決定ステップと、
    前記決定した通信速度で前記複数個の通信信号を前記他の通信装置に送信するステップとを含む通信方法。
  9. 他の通信装置から周波数の異なる複数個の通信信号を受信するステップと、
    前記受信した複数個の通信信号の回線状態を示す回線状態指標値を複数回測定するステップと、
    前記複数回測定した回線状態指標値に基づいて、前記複数個の通信信号の仮想上の回線状態を示す前記複数個の通信信号の仮想回線状態指標値をそれぞれ算出するステップと、
    前記算出した仮想回線状態指標値から予め設定されたマージン値だけ劣化した回線状態において前記複数個の通信信号の誤り率がそれぞれ所定値未満となるように前記複数個の通信信号の通信速度をそれぞれ決定するステップと、
    前記決定した通信速度を前記他の通信装置に通知するステップとを含む通信方法。
JP2006356893A 2006-12-29 2006-12-29 通信装置および通信方法 Active JP4512087B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006356893A JP4512087B2 (ja) 2006-12-29 2006-12-29 通信装置および通信方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006356893A JP4512087B2 (ja) 2006-12-29 2006-12-29 通信装置および通信方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008167339A true JP2008167339A (ja) 2008-07-17
JP4512087B2 JP4512087B2 (ja) 2010-07-28

Family

ID=39696129

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006356893A Active JP4512087B2 (ja) 2006-12-29 2006-12-29 通信装置および通信方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4512087B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017512442A (ja) * 2014-03-07 2017-05-18 富士通株式会社 信号伝送装置及びマルチキャリア通信システム

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000101536A (ja) * 1998-09-25 2000-04-07 Sumitomo Electric Ind Ltd 通信装置
JP2001177495A (ja) * 1999-12-15 2001-06-29 Nec Corp マルチキャリア伝送システム及びその方法
JP2006245818A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 Nec Corp 回線特性提示システムおよび回線特性提示方法
JP2006319706A (ja) * 2005-05-13 2006-11-24 Nec Access Technica Ltd Adsl回線の安定性改善方法及びプログラム並びにこれを用いたadslモデム

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000101536A (ja) * 1998-09-25 2000-04-07 Sumitomo Electric Ind Ltd 通信装置
JP2001177495A (ja) * 1999-12-15 2001-06-29 Nec Corp マルチキャリア伝送システム及びその方法
JP2006245818A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 Nec Corp 回線特性提示システムおよび回線特性提示方法
JP2006319706A (ja) * 2005-05-13 2006-11-24 Nec Access Technica Ltd Adsl回線の安定性改善方法及びプログラム並びにこれを用いたadslモデム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017512442A (ja) * 2014-03-07 2017-05-18 富士通株式会社 信号伝送装置及びマルチキャリア通信システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP4512087B2 (ja) 2010-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8249092B2 (en) Communication device, communication system, and communication method performing communication using a plurality of signals having different frequencies
US11277843B2 (en) Wireless communication apparatus, mobile terminal and wireless communication method
JP3679722B2 (ja) マルチキャリア通信チャネルのための増強されたビットローディング
US7778346B2 (en) Upstream power cutback
US20080205609A1 (en) Method, system and apparatus for adjusting the transmit power of the dsl transceiver
US7536197B2 (en) Apparatus and method of loop and rate dependent power cutback
JP2002538669A (ja) デジタル加入者回線システムにおけるトーン割り当て装置および方法
JP4512087B2 (ja) 通信装置および通信方法
US7697654B1 (en) Determining effective carrier-to-interference plus noise ratio in OFDMA systems
JP2003174428A (ja) Ofdm送受信装置
JP2007228405A (ja) 通信装置、通信システムおよび通信方法
EP2115986B1 (en) Link adaptation system and method for multicarrier transmission systems
JP5009423B2 (ja) xDSL装置、通信システムおよび通信方法
JP4032055B2 (ja) 通信方法及び通信システム
JP4821377B2 (ja) マルチキャリア伝送装置、マルチキャリア伝送方法及びプログラム
JP3664154B2 (ja) マルチキャリア伝送システム及び伝送装置並びに伝送方法
EP1087586A2 (en) Bit loading process for multicarrier communications
US20030053530A1 (en) Communication control method
JP4488110B2 (ja) マルチキャリア伝送システム及び伝送装置並びに伝送方法
JP4020118B2 (ja) マルチキャリア伝送システム及び伝送方法
JP5974338B2 (ja) 通信機器、宅内装置、通信システム、信号雑音比マージンの設定方法、およびプログラム
JP4367489B2 (ja) マルチキャリア伝送システム及び伝送装置並びに伝送方法
CN116418918A (zh) 最佳化可达速率的系统及适于数字用户线通信系统的方法
JP2006050041A (ja) 通信装置、マルチキャリア通信システム、およびマルチキャリア通信方法
KR20040028326A (ko) DMT방식 xDSL 전송채널의 특성 변화에 따른 데이터전송 방법 및 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100415

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100427

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100507

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4512087

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140514

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250