JP2006050041A - 通信装置、マルチキャリア通信システム、およびマルチキャリア通信方法 - Google Patents
通信装置、マルチキャリア通信システム、およびマルチキャリア通信方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 通信品質の急激な劣化を短時間で回復させることができる通信装置、マルチキャリア通信システム、およびマルチキャリア通信方法を提供する。
【解決手段】 このマルチキャリア通信システムでは、トレーニング時(データ通信開始時)に1つの空きキャリア(たとえば、サブキャリア#1)を生成し、トレーニング完了後にデータ通信を開始する。データ通信中に狭周波数帯域の強力な干渉信号が混入した場合、信号対雑音比SNRが急激に低下したサブキャリア(たとえば、サブキャリア#8)に割当てられたすべてのビットを一度に空きキャリア(たとえば、サブキャリア#1)に移動させるトーンスワッピングを行なう。したがって、1ビットずつ振分けていた従来のビットスワッピングに比べて、通信品質の急激な劣化を短時間で回復させることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】 このマルチキャリア通信システムでは、トレーニング時(データ通信開始時)に1つの空きキャリア(たとえば、サブキャリア#1)を生成し、トレーニング完了後にデータ通信を開始する。データ通信中に狭周波数帯域の強力な干渉信号が混入した場合、信号対雑音比SNRが急激に低下したサブキャリア(たとえば、サブキャリア#8)に割当てられたすべてのビットを一度に空きキャリア(たとえば、サブキャリア#1)に移動させるトーンスワッピングを行なう。したがって、1ビットずつ振分けていた従来のビットスワッピングに比べて、通信品質の急激な劣化を短時間で回復させることができる。
【選択図】 図2
Description
この発明は、通信装置、マルチキャリア通信システム、およびマルチキャリア通信方法に関し、特に、周波数の異なる複数のサブキャリアを用いてデータ通信を行なう通信装置、マルチキャリア通信システム、およびマルチキャリア通信方法に関する。
既存の電話回線を利用して高速のデータ通信を行なうxDSL(x Digital Subscriber Line:デジタル加入者線)方式には、たとえばADSL(Asymmetric DSL:非対称デジタル加入者線)やVDSL(Very high-bit-rate DSL:超高速デジタル加入者線)などがある。
xDSLの変調方式には、使用する伝送周波数帯域を複数の細かい帯域に分けて通信を行なうDMT(Discrete Multi-Tone:離散マルチトーン)変調方式がある。たとえば、フルレートADSL(8Mbps/12Mbps)では、約1MHzの伝送周波数帯域を周波数の異なる256個のサブチャンネル(4kHzの帯域幅)に分割し、回線状態に応じて各サブチャンネルに割当てるサブキャリア(副搬送波)の信号強度を調節することによって、雑音や干渉に対する耐性を向上させている。
DMT変調方式を用いたマリチキャリア通信システムでは、データ通信を開始する前に、互いに接続された通信装置間の回線状態をチェックするトレーニングを行なう。このトレーニングでは、分割されたサブチャンネルごとに信号対雑音比SNRを観測し、観測結果に応じて、各サブキャリアに割当てるビット数の配分を設定する。これにより、回線状態に応じた通信速度が自動的に設定される(ベストエフォート方式)。トレーニング完了後、通信装置間のリンク(接続)が確立されると、設定された通信速度でデータ通信が開始される。通常は、データ通信中において通信速度の動的な変更は行なわない。
しかし、データ通信を開始した後に、回線状態が悪化して雑音レベルが増加することがある。そこで、データ通信中に雑音レベルが増加した場合、雑音レベルが増加した周波数帯域のサブキャリアに割当てられたビットを他のサブキャリアに移動させるビットスワッピングという方法がある。これにより、通信品質の劣化が防止される。
図7(A)(B)は、ビットスワッピングの動作を説明するための図である。図7(A)は、ビットスワッピング実行前の状態を示し、図7(B)は、ビットスワッピング実行後の状態を示す。
図7(A)を参照して、ADSLやVDSLでは、各サブキャリア(サブキャリア#1,サブキャリア#2,…)に最大15ビットまで伝送データを載せることができる。各サブキャリアのビット数の配分は、トレーニング時(データ通信開始時)にデータ受信側で観測された信号対雑音比SNRに基づいて、信号対雑音比SNRの高い周波数帯域により多くの伝送データのビットが割当てられるように設定される。
図7(B)を参照して、データ通信中に回線状態が悪化し、ある特定のサブキャリア(たとえば、サブキャリア#8)の信号対雑音比SNRが低下した場合、サブキャリア#8に割当てられたビットを他のサブキャリア(たとえば、サブキャリア#2)に移動させるビットスワッピングを行なう。このビットスワッピングでは、あるサブキャリアに割当てられたビットを、1ビットずつ他のサブキャリアに移動させる。
しかし、データ通信中に狭周波数帯域の強力な干渉信号が混入した場合(たとえば、AMラジオ電波の混信)、信号対雑音比SNRが急激に低下したサブキャリアの複数のビットを他のサブキャリアに振分ける必要が生じる。このとき、1ビットずつ振分けていくビットスワッピングを複数回繰返して行なうと、時間がかかってしまう。ITU(International Telecommunication Union:国際電気通信連合)の電気通信標準化部門であるITU−T(ITU-Telecommunication standardization sector)が勧告している手順では、1回のビットスワッピングに少なくとも約1秒かかる。したがって、たとえば15ビット振分ける場合は少なくとも約15秒かかってしまう。
下記の特許文献1には、マルチキャリア通信信号においてパラメータ(サブキャリアビットの割当ておよび/またはゲイン)を適応的に変更するための方法およびデバイスが開示されている。この場合、マルチキャリア通信システムでの高速ビットスワッピングが実現できる。
また、ITU−Tは、「G.992.1」勧告において、フルレートADSL(8Mbps/12Mbps)におけるビットスワッピングの仕様を示している(たとえば、非特許文献1参照)。さらに、「G.992.2」勧告において、簡易型ADSL(1.5Mbps)におけるビットスワッピングの仕様を示している(たとえば、非特許文献2参照)。また、「G.993.1」勧告において、VDSLにおけるビットスワッピングの仕様を示している(たとえば、非特許文献3参照)。
また、ANSI(American National Standards Institute:米国規格協会)は、「ANSI規格 T1.424」において、米国におけるVDSLにおけるビットスワッピングの仕様を発表している(たとえば、非特許文献4参照)。
特表2002−538670号公報
「非対称デジタル加入者線(ADSL)送受信機」,ITU-T勧告 G.992.1
「スプリッタレス非対称デジタル加入者線(ADSL)送受信機」,ITU-T勧告 G.992.2
「超高速デジタル加入者線(VDSL)」,ITU-T勧告 G.993.1
「Interface Between Networks and Customer Installations - Very-high Speed Digital Subscriber Lines(VDSL) Metallic Interface(Trial-Use Standard)」,ANSI規格 T1.424 Trial Use
近年、リアルタイム伝送を利用したIP電話、テレビ電話、対戦型ゲーム、ビデオ配信などの需要が増加している。リアルタイム伝送においては、通信速度よりも通信の安定性を重視する傾向がある。したがって、回線状態が悪化してもリンクが切断されない、安定した通信サービスが求められる。
従来のマルチキャリア通信システムでは、データ通信中に狭周波数帯域の強力な干渉信号が混入した場合、1ビットずつ振分けていくビットスワッピングを複数回繰返して行なうと、通信品質の回復に時間がかかってしまうという問題があった。また、ビットスワッピングでは通常特殊なチャンネルを使用するため、実行タイミングに待ち時間が必要となる場合があった。このため、回線状態の急激な悪化に対応できず、通信品質の劣化(ビットエラーの多発)や、フレームロス(正常にデータ転送が行なわれず、受信側で元のデータが復元できないこと)が発生し、リンクが切断されてしまうことがあった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、通信品質の急激な劣化を短時間で回復させることができる通信装置、マルチキャリア通信システム、およびマルチキャリア通信方法を提供することである。
この発明に係わる通信装置は、周波数の異なる複数のサブキャリアを用いてデータ通信を行なう通信装置であって、複数のサブキャリアのうちの第1のサブキャリアを、データを搬送しない空きキャリアとする空きキャリア生成手段と、複数のサブキャリアのうちの第2のサブキャリアの信号対雑音比が予め定められたレベルよりも低くなったことに応じて、第2のサブキャリアに代わって第1のサブキャリアがデータを搬送するようにキャリア交換を行なうキャリア交換手段とを備えたものである。
好ましくは、空きキャリア生成手段は、複数のサブキャリアのうちの信号対雑音比の最も大きなサブキャリアを第1のサブキャリアとする。
また、好ましくは、空きキャリア生成手段は、データ通信開始時において、複数のサブキャリアの各々の信号対雑音比に基づいて、複数のサブキャリアの伝送データのビット配分を設定するとともに、空きキャリアを生成する。
また、好ましくは、空きキャリア生成手段は、データ通信を行なっている間の任意のタイミングにおいて、複数のサブキャリアの各々の信号対雑音比に基づいて、第1のサブキャリアの伝送データを所定ビットずつ他のサブキャリアに振分けていくことによって、空きキャリアを生成する。
また、好ましくは、第1のサブキャリアの伝送データを所定ビットずつ他のサブキャリアに振分けていく際、複数のサブキャリアのうち信号対雑音比の余裕分の大きなサブキャリアへ順に所定ビットずつ振分けていく。
また、好ましくは、空きキャリア生成手段は、キャリア交換手段によってキャリア交換が行なわれた後、再度空きキャリアを生成する。
また、好ましくは、空きキャリア生成手段は、複数の空きキャリアを生成する。
この発明に係わるマルチキャリア通信システムは、上記通信装置を複数備えたものである。
好ましくは、複数の通信装置の各々のキャリア交換手段は、データ受信側になった場合に、キャリア交換の実行を要求する要求メッセージをデータ送信側へ発信する要求メッセージ発信手段と、データ送信側になった場合に、データ受信側からの要求メッセージを認証したことを示す認証メッセージをデータ受信側へ発信する認証メッセージ発信手段と、データ受信側およびデータ送信側になった場合に、認証メッセージに基づいて、データ送信側およびデータ受信側と同じタイミングでキャリア交換を実行するキャリア交換実行手段とを含む。
また、好ましくは、要求メッセージは、要求メッセージの識別番号を示すヘッダ部と、第1および第2のサブキャリアの番号を指定するメッセージデータ部とを含む。認証メッセージは、認証メッセージの識別番号を示すヘッダ部と、要求メッセージに対して応答可能か否かを示し、かつキャリア交換を開始するタイミングを指定するメッセージデータ部とを含む。
この発明に係わるマルチキャリア通信方法は、周波数の異なる複数のサブキャリアを用いてデータ通信を行なうマルチキャリア通信方法であって、複数のサブキャリアのうちの第1のサブキャリアを、データを搬送しない空きキャリアとする第1のステップと、複数のサブキャリアのうちの第2のサブキャリアの信号対雑音比が予め定められたレベルよりも低くなったことに応じて、第2のサブキャリアに代わって第1のサブキャリアがデータを搬送するようにキャリア交換を行なう第2のステップとを含む。
この発明に係わる通信装置では、複数のサブキャリアのうちの第1のサブキャリアを、データを搬送しない空きキャリアとする空きキャリア生成手段と、複数のサブキャリアのうちの第2のサブキャリアの信号対雑音比が予め定められたレベルよりも低くなったことに応じて、第2のサブキャリアに代わって第1のサブキャリアがデータを搬送するようにキャリア交換を行なうキャリア交換手段とが設けられる。したがって、データ通信中に狭周波数帯域の強力な干渉信号が混入した場合、信号対雑音比SNRが急激に低下したサブキャリアに割当てられたすべてのビットを一度に空きキャリアへ移動させるキャリア交換が行なわれる。これにより、1ビットずつ振分けていた従来のビットスワッピングに比べて、通信品質の急激な劣化を短時間で回復させることができる。
この発明に係わるマルチキャリア通信システムでは、上記通信装置が複数設けられる。したがって、データ通信中に狭周波数帯域の強力な干渉信号が混入した場合、信号対雑音比SNRが急激に低下したサブキャリアに割当てられたすべてのビットを一度に空きキャリアへ移動させるキャリア交換が行なわれる。これにより、1ビットずつ振分けていた従来のビットスワッピングに比べて、通信品質の急激な劣化を短時間で回復させることができる。
この発明に係わるマルチキャリア通信方法は、複数のサブキャリアのうちの第1のサブキャリアを、データを搬送しない空きキャリアとする第1のステップと、複数のサブキャリアのうちの第2のサブキャリアの信号対雑音比が予め定められたレベルよりも低くなったことに応じて、第2のサブキャリアに代わって第1のサブキャリアがデータを搬送するようにキャリア交換を行なう第2のステップとを含む。したがって、データ通信中に狭周波数帯域の強力な干渉信号が混入した場合、信号対雑音比SNRが急激に低下したサブキャリアに割当てられたすべてのビットを一度に空きキャリアへ移動させるキャリア交換が行なわれる。これにより、1ビットずつ振分けていた従来のビットスワッピングに比べて、通信品質の急激な劣化を短時間で回復させることができる。
図1は、この発明の実施の形態1によるマルチキャリア通信システムの概略構成を示すブロック図である。図1において、このマルチキャリア通信システムは、既存の電話回線(メタリック加入者線)を利用して、DMT変調方式を用いてデータ通信を行なう局側装置1と、図示しない端末側装置とを備える。
局側装置1は、エンコーダ11、変調器(IFFT)12、P/S(パラレル/シリアル)変換器13、DAC(デジタル/アナログ変換器)14、バッファ15,21、ハイブリッド回路16、制御部17、ビット/ゲインテーブル(下り)18、ビット/ゲインテーブル(上り)19、フレームカウンタ20、ADC(アナログ/デジタル変換器)22、S/P(シリアル/パラレル)変換器23、復調器(FFT)24およびデコーダ25を含む。
エンコーダ11は、外部から入力された送信データを符号化するとともに、複数(たとえば、フルレートADSLの場合は256個)のサブチャンネルに分解する。変調器12は、高速フーリエ逆変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)を行ない、エンコーダ11からの各サブチャンネルの信号をデジタル変調する。
P/S変換器13は、変調器12からの並列信号を直列信号に変換する。DAC14は、P/S変換器13からのデジタル信号をアナログ信号に変換する。バッファ15は、DAC14の出力信号をバッファリングしてハイブリッド回路16に与える。バッファ15からハイブリッド回路16に与えられた信号は、電話回線を介して端末側装置に伝達される。
また、ハイブリッド回路16は、端末側装置から電話回線を介して伝達された受信データをバッファ21に与える。バッファ21は、ハイブリッド回路16からの信号をバッファリングしてADC22に与える。ADC22は、バッファ21からのアナログ信号をデジタル信号に変換する。S/P変換器23は、ADC22からの直列信号を並列信号に変換する。
復調器24は、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を行ない、S/P変換器23からの各サブチャンネルの信号をデジタル復調する。デコーダ25は、復調器24の出力信号から元のデータを復元して外部に出力する。
制御部17は、局側装置1全体の動作を制御する。ビット/ゲインテーブル(下り)18は、下り方向(局側→端末側)の伝送データのビット数および信号対雑音比SNRを示すビット/ゲインテーブルを格納する。ビット/ゲインテーブル(上り)19は、上り方向(端末側→局側)の伝送データのビット数および信号対雑音比SNRを示すビット/ゲインテーブルを格納する。フレームカウンタ20は、伝送データのフレーム(一定の長さに区切られたデータの単位)数をカウントする。
制御部17は、ビット/ゲインテーブル(下り)18およびビット/ゲインテーブル(上り)19に格納されたビット/ゲインテーブルに基づいて、データ送信およびデータ受信の動作を制御する。また、制御部17は、回線状態(信号対雑音比SNRなど)をモニタする機能を有し、回線状態の変化に応じてビット/ゲインテーブルの内容を変更する。さらに、制御部17は、フレームカウンタ20からのカウント値に基づいて、データ送信およびデータ受信の動作タイミング等を制御する。
ここで、データ通信中に狭周波数帯域の強力な干渉信号が混入した場合、通信品質が急激に劣化してしまうことがある。このとき、信号対雑音比SNRが急激に低下したサブキャリアに割当てられた複数のビットを1ビットずつ他のサブキャリア振分けていくビットスワップを行なうと、通信品質の回復に時間がかかってしまう。そこで、本発明では、信号対雑音比SNRが急激に低下したサブキャリア(トーン)に割当てられたすべてのビットを一度に他のサブキャリア(トーン)に移動させるキャリア交換(以下、これをトーンスワッピングと称する)を行なう。
図2(A)〜(C)は、トーンスワッピングの動作を説明するための図である。図2(A)を参照して、トレーニング時(データ通信開始時)において、データ受信側で観測された信号対雑音比SNRに基づいて、各サブキャリア(サブキャリア#1,サブキャリア#2,…)に割当てるビット数の配分が設定される。具体的には、信号対雑音比SNRの高い周波数帯域により多くのビット数が割当てられる。なお、回線に混入する雑音レベルは時間によって変動するため、信号対雑音比SNRには一定量の余裕(SNRマージン)が設けられる。
次いで、図2(B)を参照して、信号対雑音比SNRが最も高いサブキャリア(たとえば、サブキャリア#1)に割当てられたすべてのビットを1ビットずつ他のサブキャリア(たとえば、サブキャリア#2,#4,…)へ振分ける。このとき、ビットの振分け先のサブキャリアは、信号対雑音比SNRに余裕のある(SNRマージンが大きい)サブキャリアであることが望ましい。このため、サブキャリアごとの信号対雑音比SNRを把握しておき、信号対雑音比SNRに余裕のあるサブキャリアへ順に1ビットずつ振分けていく。
これにより、トレーニング時に1つの空きキャリア(たとえば、サブキャリア#1)が生成される。トレーニング完了後、局側装置1と端末側装置との間でリンクが確立されると、データ通信が開始される。
ただし、ここでは、サブキャリア#1に割当てられたビットを1ビットずつ他のサブキャリアに振分ける場合について説明したが、サブキャリア#1に割当てられたビットを任意の所定ビットずつ他のサブキャリアに振分けるようにしてもよい。
次に、図2(C)を参照して、データ通信中に狭周波数帯域の強力な干渉信号が混入した場合、信号対雑音比SNRが急激に低下したサブキャリアの(たとえば、サブキャリア#8)に割当てられたすべてのビットを一度に空きキャリア(たとえば、サブキャリア#1)に移動させるトーンスワッピングを行なう。これにより、信号対雑音比SNRが急激に低下した場合でも、短時間で通信品質を回復させることができる。
ここで、トーンスワッピング実行後に受入れ先のサブキャリア(たとえば、サブキャリア#1)においてビットエラーが発生しないようにする必要がある。また、通信品質の劣化を防ぐためには、受入れ先のサブキャリアにおける信号対雑音比SNRが高い方が望ましい。したがって、信号対雑音比SNRが最も高いサブキャリア(たとえば、サブキャリア#1)を空きキャリアとしている。
図3は、トーンスワッピングの手順を示す図である。図3を参照して、データ受信側が回線状態の急激な悪化を認知し、トーンスワッピングを行なう必要があると判断すると、データ受信側(局側装置または端末側装置)はデータ送信側(端末側装置または局側装置)へトーンスワッピング要求メッセージを発信する。データ送信側は、トーンスワッピング要求メッセージに応答して、トーンスワッピング認証メッセージをデータ受信側に発信する。トーンスワッピング要求メッセージおよびトーンスワッピング認証メッセージは、複数回(たとえば、3回)繰返して発信しても、1回だけ発信してもよい。
図4(A)(B)は、それぞれトーンスワッピング要求メッセージおよびトーンスワッピング認証メッセージの構成を示す図である。図4(A)を参照して、トーンスワッピング要求メッセージは、ヘッダ部およびメッセージデータ部で構成される。ヘッダ部には、要求メッセージの識別番号(たとえば、“11111110b”)が割当てられる。メッセージデータ部には、スワップ元のサブキャリア番号(たとえば、“011011011001b”)およびスワップ先のサブキャリア番号(たとえば、“000000100101b”)が割当てられる。
ここで、スワップ元のサブキャリア番号およびスワップ先のサブキャリア番号のビット数は、サブキャリア番号が区別できるビット数にする必要がある。たとえば、サブキャリア数が4096個のVDSLの場合は12ビット、サブキャリア数が256個のフルレートADSLの場合は8ビット、サブキャリア数が128個の簡易型ADSLの場合は7ビットである。
図4(B)を参照して、トーンスワッピング認証メッセージは、ヘッダ部およびメッセージデータ部で構成される。ヘッダ部には、認証メッセージの識別番号(たとえば、“11111110b”)が割当てられる。メッセージデータ部には、トーンスワッピング要求に対して応答可能か否かを示すメッセージ(たとえば、“11111111(応答可能)”)およびトーンスワッピングを開始するフレーム番号(たとえば、“010010010010”)が割当てられる。ただし、応答不可能である場合は、メッセージデータ部にトーンスワッピングを開始するフレーム番号は割当てられない。
なお、トーンスワッピング要求メッセージおよびトーンスワッピング認証メッセージのメッセージデータ部の後部には、誤り訂正符号や誤り識別符号を付加してもよい。
再び図3を参照して、データ受信側は、トーンスワッピング認証メッセージに応答して、トーンスワッピングを開始するフレーム番号が認証できたか否かを示すフレーム認証メッセージを発信する。データ受信側がトーンスワッピング認証メッセージで指定されたフレーム番号を認証できた場合、データ受信側およびデータ送信側は、指定されたフレーム#5124(=“010010010010”)において同時にトーンスワッピングを実行する。
なお、データ受信側は、フレーム認証メッセージを発信せずに指定されたフレーム番号でトーンスワッピングを実行してもよい。しかし、データ受信側がフレーム認証メッセージを発信してからトーンスワッピングを実行することによって、トーンスワッピング実行時の誤動作が防止される。
図5は、データ受信側におけるトーンスワッピングの手順を示すフローチャートである。図5を参照して、ステップS1において、データ受信側は、回線状態の急激な悪化を認知すると、トーンスワッピング要求メッセージをデータ送信側へ発信する。
次いで、ステップS2において、データ送信側からのトーンスワッピング認証メッセージを受けると(YES)、ステップS3へ進む。一方、所定時間以内にデータ送信側からのトーンスワッピング認証メッセージを受けなかった場合(NO)は、ステップS1に戻り、再度トーンスワッピング要求メッセージを発信する。
ステップS3において、トーンスワッピング認証メッセージのメッセージデータ部に応答可能を示すメッセージ(たとえば、“11111111”)があった場合(YES)、ステップS4に進む。一方、トーンスワッピング認証メッセージのメッセージデータ部に応答不可能を示すメッセージがあった場合(NO)は、ステップS1に戻り、再度トーンスワッピング要求メッセージを発信する。
ステップS4において、トーンスワッピング認証メッセージで指定されたトーンスワッピングを開始するフレーム番号(たとえば、“010010010010”)が認証できた場合(YES)、ステップS5に進む。一方、トーンスワッピング認証メッセージで指定されたトーンスワッピングを開始するフレーム番号が認証できなかった場合(NO)は、ステップS1戻り、再度トーンスワッピング要求メッセージを発信する。
ステップS5において、データ受信側およびデータ送信側は、トーンスワッピング認証メッセージで指定されたトーンスワッピングを開始するフレーム番号(フレーム#5124)において同時にトーンスワッピングを実行する。
なお、ここでは、トーンスワッピング認証メッセージでフレーム番号を指定する場合について説明したが、たとえば“何ミリ秒後”のようにトーンスワッピングを開始するタイミングを指定してもよい。
ここで、トーンスワッピング実行後において、空きキャリアがなくなったことに応じて再度空きキャリアを生成してもよい。この場合は、通常のビットスワッピング機能を用いて、空きキャリアを生成する。これにより、データ通信中に次のトーンスワッピングの準備ができ、何度でも繰返しトーンスワッピングを行なうことができる。
図6は、トーンスワッピング実行後に再度空きキャリアを生成する動作を説明するための図である。図6を参照して、信号対雑音比SNRが最も高いサブキャリア(たとえば、サブキャリア#1)に割当てられたすべてのビットを1ビットずつ他のサブキャリア(たとえば、サブキャリア#3,#5,…)へ振分ける。このとき、信号対雑音比SNRに余裕のあるサブキャリアへ順に1ビットずつ振分けていく。これにより、データ通信中に1つの空きキャリア(たとえば、サブキャリア#1)が再度生成される。
ただし、サブキャリア#1に割当てられたすべてのビットを他のサブキャリアに振分ける際、任意の所定ビットずつ振分けるようにしてもよい。
なお、データ送信側とデータ受信側の間におけるトーンスワッピング動作の制御情報のやり取りは、オーバーヘッド制御チャンネル(AOCチャンネル)を用いて行われる。例えば、ADSLの場合、256個のサブチャンネルのうちの所定数のサブチャンネルをオーバーヘッド制御チャンネルとし、残りのサブチャンネルを伝送データ用のチャンネルとする。
再び図1を参照して、点線矢印で示すように、局側装置1からのトーンスワッピング動作の制御情報は、制御部17からエンコーダ11、変調器12、P/S変換器13、DAC14、バッファ15およびハイブリッド回路16を介して端末側装置に伝達される。また、端末側装置からのトーンスワッピング動作の制御情報は、端末側装置からハイブリッド回路16、バッファ21、ADC22、S/P変換器23、復調器24およびデコーダ25介して制御部17に伝達される。
また、ビット/ゲインテーブル(下り)18とビット/ゲインテーブル(上り)19とが、それぞれ下り方向と上り方向のビット/ゲインテーブルを個別に格納することによって、下り方向のトーンスワッピング動作と上り方向のトーンスワッピング動作がそれぞれ個別に制御される。
また、図示しないが、端末側装置の構成は局側装置1の構成と同様であり、端末側装置は局側装置1と同様のトーンスワッピング動作を行なう。
以上のように、この実施の形態1では、データ通信中に狭周波数帯域の強力な干渉信号が混入した場合、信号対雑音比SNRが急激に低下したサブキャリアに割当てられたすべてのビットを一度に空きキャリアへ移動させるトーンスワッピングを行なう。したがって、1ビットずつ振分けていた従来のビットスワッピングに比べて、通信品質の急激な劣化を短時間で回復させることができる。
なお、ここでは、トレーニング時に空きキャリアを生成する場合について説明したが(図2(B)参照)、データ通信中の任意のタイミングに空きキャリアを生成してもよい。この場合は、通常のビットスワッピング機能を用いて、空きキャリアを生成する。
また、ここでは、空きキャリアを1つだけ生成する場合について説明したが、空きキャリアを複数生成してもよい。この場合は、複数のサブキャリア(トーン)に対して同時にトーンスワッピングを行なうことができるため、複数のサブキャリアの信号対雑音比SNRが急激に低下した場合でも、短時間で通信品質を回復させることができる。
また、このトーンスワッピングは、有線通信を行なうマルチキャリア通信システムに限らず、無線通信を行なうマルチキャリア通信システムにおいても適用可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 局側装置、11 エンコーダ、12 変調器、13 P/S変換器、14 DAC、15,21 バッファ、16 ハイブリッド回路、17 制御部、18 ビット/ゲインテーブル(下り)、19 ビット/ゲインテーブル(上り)、20 フレームカウンタ、22 ADC、23 S/P変換器、24 復調器、25 デコーダ。
Claims (11)
- 周波数の異なる複数のサブキャリアを用いてデータ通信を行なう通信装置であって、
前記複数のサブキャリアのうちの第1のサブキャリアを、データを搬送しない空きキャリアとする空きキャリア生成手段、および
前記複数のサブキャリアのうちの第2のサブキャリアの信号対雑音比が予め定められたレベルよりも低くなったことに応じて、前記第2のサブキャリアに代わって前記第1のサブキャリアがデータを搬送するようにキャリア交換を行なうキャリア交換手段を備える通信装置。 - 前記空きキャリア生成手段は、前記複数のサブキャリアのうちの信号対雑音比の最も大きなサブキャリアを前記第1のサブキャリアとする、請求項1に記載の通信装置。
- 前記空きキャリア生成手段は、データ通信開始時において、前記複数のサブキャリアの各々の信号対雑音比に基づいて、前記複数のサブキャリアの伝送データのビット配分を設定するとともに、前記空きキャリアを生成する、請求項1または請求項2に記載の通信装置。
- 前記空きキャリア生成手段は、データ通信を行なっている間の任意のタイミングにおいて、前記複数のサブキャリアの各々の信号対雑音比に基づいて、前記第1のサブキャリアの伝送データを所定ビットずつ他のサブキャリアに振分けていくことによって、前記空きキャリアを生成する、請求項1または請求項2に記載の通信装置。
- 前記空きキャリア生成手段は、前記第1のサブキャリアの伝送データを所定ビットずつ他のサブキャリアに振分けていく際、前記複数のサブキャリアのうち信号対雑音比の余裕分の大きなサブキャリアへ順に所定ビットずつ振分けていく、請求項4に記載の通信装置。
- 前記空きキャリア生成手段は、前記キャリア交換手段によって前記キャリア交換が行なわれた後、再度空きキャリアを生成する、請求項1から請求項5までのいずれかに記載の通信装置。
- 前記空きキャリア生成手段は、複数の空きキャリアを生成する、請求項1から請求項6までのいずれかに記載の通信装置。
- 請求項1から請求項7までのいずれかに記載の通信装置を複数備えたマルチキャリア通信システム。
- 複数の前記通信装置の各々の前記キャリア交換手段は、
データ受信側になった場合に、前記キャリア交換の実行を要求する要求メッセージをデータ送信側へ発信する要求メッセージ発信手段、
データ送信側になった場合に、データ受信側からの前記要求メッセージを認証したことを示す認証メッセージをデータ受信側へ発信する認証メッセージ発信手段、および
データ受信側およびデータ送信側になった場合に、前記認証メッセージに基づいて、データ送信側およびデータ受信側と同じタイミングで前記キャリア交換を実行するキャリア交換実行手段を含む、請求項8に記載のマルチキャリア通信システム。 - 前記要求メッセージは、
前記要求メッセージの識別番号を示すヘッダ部、および
前記第1および第2のサブキャリアの番号を指定するメッセージデータ部を含み、
前記認証メッセージは、
前記認証メッセージの識別番号を示すヘッダ部、および
前記要求メッセージに対して応答可能か否かを示し、かつ前記キャリア交換を開始するタイミングを指定するメッセージデータ部を含む、請求項9に記載のマルチキャリア通信システム。 - 周波数の異なる複数のサブキャリアを用いてデータ通信を行なうマルチキャリア通信方法であって、
前記複数のサブキャリアのうちの第1のサブキャリアを、データを搬送しない空きキャリアとする第1のステップ、および
前記複数のサブキャリアのうちの第2のサブキャリアの信号対雑音比が予め定められたレベルよりも低くなったことに応じて、前記第2のサブキャリアに代わって前記第1のサブキャリアがデータを搬送するようにキャリア交換を行なう第2のステップを含むマルチキャリア通信方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004225208A JP2006050041A (ja) | 2004-08-02 | 2004-08-02 | 通信装置、マルチキャリア通信システム、およびマルチキャリア通信方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004225208A JP2006050041A (ja) | 2004-08-02 | 2004-08-02 | 通信装置、マルチキャリア通信システム、およびマルチキャリア通信方法 |
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JP2006050041A true JP2006050041A (ja) | 2006-02-16 |
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ID=36028124
Family Applications (1)
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JP2004225208A Withdrawn JP2006050041A (ja) | 2004-08-02 | 2004-08-02 | 通信装置、マルチキャリア通信システム、およびマルチキャリア通信方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006050041A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007243554A (ja) * | 2006-03-08 | 2007-09-20 | Nec Corp | マルチキャリア伝送装置及びマルチキャリア伝送方法 |
JP2010103616A (ja) * | 2008-10-21 | 2010-05-06 | Oki Networks Co Ltd | 通信装置、通信方法およびプログラム |
-
2004
- 2004-08-02 JP JP2004225208A patent/JP2006050041A/ja not_active Withdrawn
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JP2007243554A (ja) * | 2006-03-08 | 2007-09-20 | Nec Corp | マルチキャリア伝送装置及びマルチキャリア伝送方法 |
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