JP2008166377A - プリント回路板の製造方法、プリント回路板及び補強電子部品 - Google Patents

プリント回路板の製造方法、プリント回路板及び補強電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】プリント配線板に対する電子部品の接合強度を効率的に補強することが可能なプリント回路板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係るプリント回路板の製造方法は、電子部品21を実装するための実装領域を有するプリント配線板22を準備する準備工程(a)と、準備工程により準備されたプリント配線板22の実装領域に固形接着剤24を搭載する接着剤搭載工程(b)と、電子部品21を接着剤搭載工程を経たプリント配線板22に搭載する工程であって、電子部品21の電極形成面21sと交差する方向に該電極形成面21sを固形接着剤24に重ねて搭載する部品搭載工程(c)と、部品搭載工程を経たプリント配線板22をリフロー加熱する加熱工程(d)とを有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、電子部品が搭載されたプリント回路板の製造方法、プリント回路板及びこのプリント回路板に搭載される補強電子部品に関するものである。
電子機器には、プリント配線板に半導体部品や表面実装部品などの電子部品が搭載されたプリント回路板が用いられている。半導体部品としての電子部品には、部品の高密度実装化や伝送線路の短縮化などのために、BGA(Ball Grid Array)、LGA(Land Grid Array)、CSP(Chip Size Package)、QFN(Quad Flat NON-leaded Package)、ベアチップなどの下面に電極を有するパッケージが広く用いられている。この種の電子部品の接合部を補強するために、電子部品とプリント配線板との間に樹脂性の接着剤(アンダーフィル)を注入することが知られている。その一例として、プリント配線板における所定の箇所に樹脂性の接着剤を塗布した後に電子部品を実装する電子部品の実装方法、すなわちプリント回路板の製造方法があった(例えば、特許文献1参照)。
2002−271014号公報
しかしながら、特許文献1に記載のプリント回路板の製造方法では、マウンタを用いた部品搭載工程の他に、シリンジによる樹脂性接着剤塗布工程が必要となるために、製造工程はもとよりコストも増加してしまう。
そこで、本発明は、プリント配線板に対する電子部品の接合強度を効率的に補強することが可能なプリント回路板の製造方法、プリント回路板及び補強電子部品を提供することを目的としている。
本発明のプリント回路板の製造方法は、(a)電子部品を実装するための実装領域を有するプリント配線板を準備する準備工程と、(b)準備工程により準備されたプリント配線板の実装領域に固形接着剤を搭載する接着剤搭載工程と、(c)電子部品を接着剤搭載工程を経たプリント配線板に搭載する工程であって、電子部品の電極形成面と交差する方向に電極形成面を固形接着剤に重ねて搭載する部品搭載工程と、(d)部品搭載工程を経たプリント配線板をリフロー加熱する加熱工程とを有することを特徴とする。
また、本発明の別のプリント回路板の製造方法は、(a)電子部品を実装するための実装領域を有するプリント配線板を準備する準備工程と、(b)電子部品を準備工程により準備されたプリント配線板に搭載する工程であって、電子部品の電極形成面をプリント配線板の実装領域に対面させて搭載する部品搭載工程と、(c)部品搭載工程を経た電子部品の縁部に固形接着剤を搭載する接着剤搭載工程と、(d)接着剤搭載工程を経たプリント配線板をリフロー加熱する加熱工程とを有することを特徴とする。
本発明の補強電子部品は、電極形成面に電極を有する電子部品と、電子部品の電極に接合されたバンプと、常温で略長方形の固体であると共に熱可塑性を有しており、電子部品の電極形成面に接合された固形接着剤とを備える。
また、本発明の別の補強電子部品は、電極形成面に電極を有する電子部品と、電子部品の電極に接合されたバンプと、常温で電子部品の縁部を覆う被覆部と電子部品の電極形成面から突出する突出部とを有する断面逆L字状の固体であると共に熱可塑性を有しており、電子部品の縁部に接合された固形接着剤とを備える。
更に、本発明の別の補強電子部品は、電極形成面に電極を有する電子部品と、電子部品の電極に接合されたバンプと、電子部品の縁部を覆う被覆部と電子部品の電極形成面から突出する突出部とを有する断面逆L字状であり、電子部品の縁部に接合された補強部材とを備える。
本発明のプリント回路板は、プリント配線板と対面する電極形成面に電極を有する電子部品を該プリント配線板に搭載したプリント回路板である。このプリント回路板は、電子部品の電極とプリント配線板とを接合するバンプと、常温で略長方形の固体であると共に熱可塑性を有しており、電子部品とプリント配線板との間に設けられて、リフロー過熱後に電子部品の電極形成面及びプリント配線板に接合される固形接着剤とを備える。
また、本発明の別のプリント回路板は、電子部品の電極とプリント配線板とを接合するバンプと、常温で電子部品の縁部を覆う被覆部と電子部品の電極形成面からプリント配線板へ向けて突出する突出部とを有する断面逆L字状の固体であると共に熱可塑性を有しており、電子部品の縁部に設けられて、リフロー過熱後に電子部品の縁部及びプリント配線板に接合される固形接着剤とを備える。
更に、本発明の別のプリント回路板は、プリント配線板に補強電子部品を搭載したプリント回路板である。このプリント回路板における補強電子部品は、プリント配線板と対面する電極形成面に電極を有する電子部品と、電子部品の電極に接合されたバンプと、電子部品の縁部を覆う被覆部と電子部品の電極形成面からプリント配線板へ向けて突出する突出部とを有する断面逆L字状であり、電子部品の縁部に接合されて、リフロー過熱後にプリント配線板に接合される補強部材とを備える。
本発明によれば、プリント配線板に対する電子部品の接合強度を効率的に補強することが可能なプリント回路板の製造方法、プリント回路板及び補強電子部品を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る電子機器を示す斜視図である。図1に示す電子機器10は、ノートブック型のパーソナルコンピュータであり、コンピュータ本体11と、ディスプレイユニット12とを備えている。
コンピュータ本体11は、薄い箱型の筐体を有しており、その上面には、キーボード13と、電子機器10の電源をON/OFFするためのパワーボタン14と、入力操作パネル15と、タッチパッド16と、スピーカ18とを有している。コンピュータ本体11には、ディスプレイユニット12が設けられている。
ディスプレイユニット12には、LCD(Liquid Crystal Display)17から構成される表示装置が組み込まれており、LCD17の表示画面は、ディスプレイユニット12の略中央に位置されている。ディスプレイユニット12は、コンピュータ本体11に対して開放位置と閉塞位置との間を回動自在に取り付けられている。
コンピュータ本体11の内部には、メモリやCPUなどの電子部品を備え、メモリに記憶された各種プログラムを実行して様々な機能を実現するための電子回路を構成するプリント回路板が配置されている。
図2は、本発明の第1の実施形態に係るプリント回路板を示す図であり、図3は、図2に示すプリント回路板におけるIII−III線に沿う断面図である。図3(a)には、リフロー前のプリント回路板が示されており、図3(b)には、リフロー後のプリント回路板が示されている。図2及び図3に示すように、プリント回路板20は、上記したコンピュータ本体11の内部に搭載されるプリント回路板であり、電子部品21と、プリント配線板22と、はんだバンプ23と、固形接着剤24とを備えている。
電子部品21は、メモリやCPUなどの半導体部品である。電子部品21は、内部に集積回路を含んでおり、BGA(Ball Grid Array)、LGA(Land Grid Array)、CSP(Chip Size Package)、QFN(Quad Flat NON-leadedPackage)、ベアチップなどのパッケージ化された部品である。電子部品21の電極形成面21s側には電極21aが設けられており、電子部品21は、電極21aに接合されたはんだバンプ23を介して、プリント配線板22の部品搭載面22s上に搭載されている。
プリント配線板22は、配線層と誘電体層とを交互に積層し、部品搭載面22s上に搭載される電子部品21の電極21aに接続されるための配線電極22aが設けられている。配線電極22a上には、はんだペースト31が塗布されており、配線電極22aは、はんだペースト31を介してはんだバンプ23に接続されている。
はんだバンプ23は、電子部品21の電極21aとプリント配線板22の配線電極22aとの間に設けられており、これらの電極21a,22a同士を接続する。図3(a)及び(b)に示すように、はんだバンプ23は、リフロー時に溶融し、同様に溶融したはんだペースト31と一体となって電極21a,22a同士を接合する。このとき、はんだバンプ23は、電子部品21の重さに起因する沈み込みによって変形する。
固形接着剤24は、プリント配線板22に対する電子部品21の接合強度を補強するために、本実施形態では、電子部品21の四隅において電子部品21とプリント配線板22との間にそれぞれ設けられている。固形接着剤24は、図3(a)に示すように、常温では略長方形の固体であり、熱可塑性を有する接着剤である。固形接着剤24の溶融温度は、はんだバンプ23の溶融温度以下である。したがって、図3(b)に示すように、固形接着剤24は、リフロー時に溶融し、電子部品21の重さに起因する沈み込みによって変形すると共に、電子部品21の隅部及びプリント配線板22の部品搭載面22sに接着することによって、電子部品21とプリント配線板22とを固定している。
固形接着剤24のリフロー前(溶融前)、すなわち常温での高さH24は、リフロー後(溶融後)の電子部品21の電極形成面21sとプリント配線板22の部品搭載面22sとの間隔H23a以上であることが好ましい。換言すれば、固形接着剤24のリフロー前の高さH24は、リフロー後のはんだバンプ23の高さ以上であることが好ましい。これによれば、リフロー時に、電子部品21の隅部とプリント配線板22の部品搭載面22sとに固形接着剤24を良好に接着させることができる。
また、固形接着剤24のリフロー前の高さH24は、リフロー後の電子部品21の電極形成面21sとプリント配線板22の部品搭載面22sとの間隔H23aの5倍以下であることが好ましい。換言すれば、固形接着剤24のリフロー前の高さH24は、リフロー後のはんだバンプ23の高さの5倍以下であることが好ましい。これによれば、リフロー時に、電子部品21の沈み込みを阻害することなく、はんだバンプ23による電極21a,22a同士の接続信頼性を低下させることがない。
なお、固形接着剤24におけるプリント配線板22の部品搭載面22sに接する面が、粘着性を有していることが好ましい。これによれば、プリント配線板22に搭載後、固形接着剤24のずれを防止することができる。
以下に、プリント回路板20の好適な一例を示す。電子部品21の電極21aの間隔P21が1.0mmである場合、リフロー前の径が0.6mmであるはんだバンプ23が用いられ、電子部品21の電極形成面21sからはんだバンプ23の先端までのリフロー前の高さH23bが0.4mm〜0.5mmとなる。なお、はんだペースト31の厚さH31は、0.1mm〜0.2mmである。
リフロー後、電子部品21の重さに起因する沈み込みによって、電子部品21の電極形成面21sとプリント配線板22の部品搭載面22sとの間隔H23aは、0.2mm〜0.3mmとなる。このとき、固形接着剤24のリフロー前の高さH24は、0.2mm〜0.3mm以上であることが好ましい。
また、CPUなどの電子部品21では、CPU起動時に温度が約90度にまで達するものがあるので、はんだバンプ23及びはんだペースト31の溶融温度は約220度であるため、このとき、固形接着剤24の溶融温度は、電子部品21の重さに起因する沈み込みを阻害しないことと、CPU起動時の温度で固形接着剤24が軟化しないように固形接着剤24の溶融温度は100度〜220度であること、が好ましい。
次に、プリント配線板22に対する電子部品21の実装手順、すなわち本発明の第1の実施形態に係るプリント回路板の製造方法を説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係るプリント回路板の製造方法を示す図である。
まず、図4(a)に示すように、電子部品21を実装するための実装領域を有するプリント配線板22を部品マウントラインに投入し、部品搭載面22s側における配線電極22a上にはんだペースト31を印刷する(準備工程)。
次に、図4(b)に示すように、表面実装部品用マウンタを用いて、プリント配線板22の部品搭載面22s上に他の電子部品を搭載すると共に、固形接着剤24を電子部品21の実装領域に搭載する。本実施形態では、電子部品21の電極形成面21sに交差する方向に、電子部品21の四隅と重なる位置に固形接着剤を搭載する(接着剤搭載工程)。
次に、図4(c)に示すように、各電極21aにはんだバンプ23が接合された電子部品21をプリント配線板22上に搭載する。このとき、各はんだバンプ23をプリント配線板22の電極22aに接着させ、且つ電極形成面21s及び部品搭載面22sに交差する方向に電子部品21の四隅を固形接着剤24に重ねて搭載する(部品搭載工程)。
その後、図4(d)に示すように、プリント配線板22をリフローラインに投入し、リフロー時の加熱によって、はんだバンプ23及びはんだペースト31、並びに固形接着剤24を溶融させ、電子部品21の重さに起因する沈み込みによってそれぞれを変形させて、電極21aと電極22aとを接着すると共に固形接着剤24を電子部品21の隅部及びプリント配線板22の部品搭載面22sに接着する。その後、リフロー後の冷却によって、はんだバンプ23及びはんだペースト31、並びに固形接着剤24を硬化させて、電子部品21をプリント配線板22に固定する(加熱冷却工程)。
このように、第1の実施形態のプリント回路板20及びプリント回路板20の製造方法によれば、常温で略長方形状の固体である固形接着剤24を補強部材として用いているので、他の電子部品と同様に表面実装部品用マウンタによって固形接着剤24を容易に搭載することができる。したがって、特許文献1に記載の従来のようなシリンジによる液体の接着剤を塗布するための工程を設けることがないので、価格増加を抑制しつつ、プリント配線板22に対する電子部品21の接合強度を容易に補強することができる。
また、第1の実施形態のプリント回路板20及びプリント回路板20の製造方法によれば、溶融温度がはんだバンプ23の溶融温度以下である熱可塑性の固形接着剤24を補強部材として用いているので、リフロー時にはんだバンプ23より先に溶融し、電子部品21の重さに起因する沈み込みを阻害することなく、はんだバンプ23の接続信頼性を低下することがない。
ところで、現在市場で使用されている液体性の接着剤は、塗布量の調整や材料の取り扱いに手間がかかり、作業性が良くない。さらに、時間経過や温度変化などで粘度が変化し、同一条件で使用していても定期的な状況確認が必要になる。また、塗布をするには専用の装置が必要であり、専用の工程が必要になることもある。
第1の実施形態のプリント回路板20及びプリント回路板20の製造方法によれば、このような液体性の接着剤に代えて固形状の接着剤を用いているので、オペレータが塗布量を調整する必要がない。温度や時間による変化に左右されないため、安定した量を実装することが可能である。また、取り扱いも簡易的になり作業性が向上するため、工数削減ができる。接着剤の無駄がなくなるため、コスト削減となる。
これによって、電子部品21に補強構造を持たせ周囲にかかる応力を緩和することができ、耐曲げ性、耐落下性、耐衝撃性を向上することができるので、強固な電子部品21の実装を実現することができる。従って、プリント配線板22に対する電子部品21の接合強度を効率的に補強することができる。
[第2の実施形態]
図5は、本発明の第2の実施形態に係るプリント回路板を示す図であり、図6は、図5に示すプリント回路板におけるVI−VI線に沿う断面図である。図6には、リフロー前のプリント回路板が示されている。図5及び図6に示すプリント回路板20Aは、プリント回路板20において固形接着剤24に代えて固形接着剤34を備えている構成で第1の実施形態と異なっている。プリント回路板20Aの他の構成は、プリント回路板20と同一である。
固形接着剤34は、プリント配線板22に対する電子部品21の接着強度を補強するために、本実施形態では、電子部品21の縁部における四隅において電子部品21の四隅を覆うようにそれぞれ設けられている。固形接着剤34は、図6に示すように、常温で、電子部品21の隅部を覆う被覆部34aと、電子部品21の電極形成面21sからプリント配線板22へ向けて突出する突出部34bとを有する断面逆L字状の固体であり、熱可塑性を有する接着剤である。固形接着剤34の溶融温度は、はんだバンプ23の溶融温度以下である。したがって、固形接着剤34は、リフロー時に溶融し、電子部品21の重さに起因する沈み込みによって変形し、被覆部34aが電子部品21の隅部に接着すると共に突出部34bがプリント配線板22の部品搭載面22sに接着することによって、電子部品21とプリント配線板22とを固定している。
固形接着剤34における突出部34bのリフロー前(溶融前)、すなわち常温での長さH34は、リフロー後(溶融後)の電子部品21の電極形成面21sとプリント配線板22の部品搭載面22sとの間隔H23a以上であることが好ましく、この間隔の5倍以下であることが好ましい。換言すれば、固形接着剤34における突出部34bのリフロー前の高さH34は、リフロー後のはんだバンプ23の高さ以上であることが好ましく、この高さの5倍以下であることが好ましい。これによれば、リフロー時に、電子部品21の沈み込みを阻害することなく、電子部品21の隅部とプリント配線板22の部品搭載面22sとに固形接着剤34を良好に接着させることができる。
なお、固形接着剤34の被覆部34aは、電子部品21の隅部に接する面が、粘着性を有していることが好ましい。これによれば、電子部品21に搭載後、固形接着剤34のずれを防止することができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係るプリント回路板の製造方法を説明する。図7は、本発明の第2の実施形態に係るプリント回路板の製造方法を示す図である。
まず、図7(a)に示すように、電子部品21を実装するための実装領域を有するプリント配線板22を部品マウントラインに投入し、部品搭載面22s側における配線電極22a上にはんだペースト31を印刷する(準備工程)。
次に、図7(b)に示すように、各電極21aにはんだバンプ23が接合された電子部品21をプリント配線板22における電子部品の実装領域に搭載する。このとき、各はんだバンプ23をプリント配線板22の電極22aに接着させ、且つ電子部品21の電極形成面21sをプリント配線板22の実装領域に対面させて搭載する(部品搭載工程)。
次に、図7(c)に示すように、表面実装部品用マウンタを用いて、固形接着剤34を電子部品21の隅部に搭載する(接着剤搭載工程)。
その後、図7(d)に示すように、プリント配線板22をリフローラインに投入し、リフロー時の加熱によって、はんだバンプ23及びはんだペースト31、並びに固形接着剤34を溶融させ、電子部品21の重さに起因する沈み込みによってそれぞれを変形させて、電極21aと電極22aとを接着する。また、固形接着剤34における被覆部34aを電子部品21の隅部に接着すると共に突出部34bをプリント配線板22の部品搭載面22sに接着する。その後、リフロー後の冷却によって、はんだバンプ23及びはんだペースト31、並びに固形接着剤34を硬化させて、電子部品21をプリント配線板22に固定する(加熱冷却工程)。
この第2の実施形態のプリント回路板20A及びプリント回路板20Aの製造方法でも、第1の実施形態のプリント回路板20及びプリント回路板20の製造方法と同様の利点を得ることができる。
[第3の実施形態]
図8は、本発明の第3の実施形態に係るプリント回路板を示す図であり、図9は、図8に示すプリント回路板におけるIX−IX線に沿う断面図である。図9(a)には、リフロー前のプリント回路板が示されており、図9(b)には、リフロー後のプリント回路板が示されている。
図8及び図9に示すプリント回路板20Bは、プリント回路板20において電子部品21及び固形接着剤24に代えて本発明の実施形態に係る補強電子部品40を備えており、プリント配線板22に代えてプリント配線板22Bを備えている構成で第1の実施形態と異なっている。プリント回路板20Bの他の構成は、プリント回路板20と同一である。
プリント配線板22Bは、プリント配線板22において、更に、補強電子部品40における補強部材44に接合するための電極22bを部品搭載面22sに有している点で、第1の実施形態と異なっている。プリント配線板22Bの他の構成は、プリント配線板22と同一である。プリント配線板22Bにおける電極22bには、はんだペースト31が塗布されている。
補強電子部品40は、電子部品21と、はんだバンプ23と、補強部材44とを備えている。なお、電子部品21及びはんだバンプ23は、上記した通りであるので説明を省略する。
補強部材44は、プリント配線板22Bに対する電子部品21の接合強度を補強するために、本実施形態では、電子部品21の縁部における四隅において電子部品21の四隅を覆うようにそれぞれ設けられている。補強部材44は、図9(a)に示すように、電子部品21の隅部を覆う被覆部44aと、電子部品21の電極形成面21sからプリント配線板22Bへ向けて突出する突出部44bとを有しており、断面逆L字状をなしている。補強部材44の材料には、はんだを接合することが可能な金属(例えば、Au、Snなど)が用いられている。なお、補強部材44の材料にその他の金属(例えば、Cu,Feなど)が用いられ、めっき処理(例えば、Au、Sn、Niなど)が施されてもよい。
被覆部44aは、接着剤などによって電子部品21の隅部に接合されている。突出部44bにおけるプリント配線板22Bに対向する端面には、はんだ45が接合されている。はんだ45は、図9(b)に示すように、リフロー時に溶融し、同様に溶融したはんだペースト31と一体となって補強部材44の突出部44bとプリント配線板22Bの電極22bとを接合する。
補強部材44の突出部44bの長さH44は、リフロー後(溶融後)の電子部品21の電極形成面21sとプリント配線板22Bの部品搭載面22sとの間隔H23a以下であることが好ましい。また、補強部材44の突出部44bの長さH44とはんだ45のリフロー前(溶融前)、すなわち常温での長さH45との総和は、リフロー後の電子部品21の電極形成面21sとプリント配線板22Bの部品搭載面22sとの間隔H23a以上であることが好ましい。換言すれば、補強部材44の突出部44bの長さH44は、リフロー後のはんだバンプ23の高さ以下であることが好ましく、補強部材44の突出部44bの長さH44とはんだ45のリフロー前の長さH45との総和は、リフロー後のはんだバンプ23の高さ以上であることが好ましい。これによれば、リフロー時に、電子部品21の沈み込みを阻害することなく、電子部品21の隅部とプリント配線板22Bの部品搭載面22sとを良好に固定することができる。
次に、プリント配線板22Bに対する補強電子部品40の実装手順、すなわち本発明の第3の実施形態に係るプリント回路板の製造方法を説明する。図10は、第3の実施形態に係るプリント回路板の製造方法を示す図である。
まず、図10(a)に示すように、補強電子部品40を実装するための実装領域を有するプリント配線板22Bを部品マウントラインに投入し、部品搭載面22s側における配線電極22a,22b上にはんだペースト31を印刷する(準備工程)。
次に、図10(b)に示すように、表面実装部品用マウンタを用いて、補強電子部品40をプリント配線板22B上に搭載する。このとき、各はんだバンプ23をプリント配線板22Bの電極22aに接続すると共に、補強部材44の突出部44bに接合されたはんだ45を電極形成面21s及び部品搭載面22sに交差する方向にプリント配線板22Bの電極22bと重ねて搭載する(部品搭載工程)。
その後、図10(c)に示すように、プリント配線板22Bをリフローラインに投入し、リフロー時の加熱によって、はんだバンプ23及びはんだペースト31、並びにハンダ45を溶融し、電子部品21の重さに起因する沈み込みによって、それぞれを変形させて、電極21aと電極22aとを接合すると共に、補強部材44の突出部44bとプリント配線板22Bの電極22bとを接合する。その後、リフロー後の冷却によって、はんだバンプ23及びはんだペースト31、並びにはんだ45を硬化させて、電子部品21をプリント配線板22Bに補強部材44によって固定する(加熱冷却工程)。
このように、第3の実施形態の補強電子部品40によれば、補強部材44が予め電子部品21に接合されるので、実装と同時に電子部品21の接合強度を容易に補強することができる。
また、第3の実施形態の補強電子部品40によれば、補強部材44における突出部44bの端面にはんだ45が接合されているので、補強部材44における突出部44bの長さのばらつきに対応することができる。
また、第3の実施形態のプリント回路板20Bによれば、補強電子部品40を用いているので、他の電子部品と同様に表面実装部品用マウンタによって補強電子部品40を容易に搭載することができ、価格増加を抑制しつつ、プリント配線板22Bに対する電子部品21の接合強度を容易に補強することができる。従って、プリント配線板22Bに対する電子部品21の接合強度を効率的に補強することができる。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態に係るプリント回路板について説明する。第4の実施形態のプリント回路板は、プリント回路板20Bにおいて補強電子部品40に代えて補強電子部品40Aを備えている構成で、第3の実施形態と異なっている。第4の実施形態のプリント回路板の他の構成は、プリント回路板20Bと同一である。
図11は、本発明の第4の実施形態に係る補強電子部品40Aを示す図である。図11(a)には、補強電子部品40Aを電極形成面側から見た図が示されており、図11(b)には、図11(a)に示す補強電子部品40AにおけるXI−XI線に沿う断面図が示されている。
補強電子部品40Aは、電子部品21と、電子部品21の電極形成面21sにおける電極21aに接合されたはんだバンプ23と、電子部品21の縁部における隅部の電極形成面21sに接合された固形接着剤24とを有している。なお、それぞれの詳細は、上記した通りである。
この第4の実施形態の補強電子部品40Aでも、第3の実施形態の補強電子部品40と同様の利点を得ることができる。また、第4の実施形態のプリント回路板でも、第3の実施形態のプリント回路板20Bと同様の利点を得ることができる。
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態に係るプリント回路板について説明する。第5の実施形態のプリント回路板は、プリント回路板20Bにおいて補強電子部品40に代えて補強電子部品40Bを備えている構成で、第3の実施形態と異なっている。第5の実施形態のプリント回路板の他の構成は、プリント回路板20Bと同一である。
図12は、本発明の第5の実施形態に係る補強電子部品40Bを示す図である。図12には、補強電子部品40Bにおける図11(b)と同じ部分の断面図が示されている。
補強電子部品40Bは、補強電子部品40Aにおいて固形接着剤24に代えて固形接着剤34を備えている構成で第4の実施形態と異なっている。補強電子部品40Bの他の構成は、補強電子部品40Aと同一である。固形接着剤34は、電子部品21の縁部における隅部を覆うように電子部品21と結合している。固形接着剤34の詳細は、上記した通りである。
この第5の実施形態の補強電子部品40Bでも、第3の実施形態の補強電子部品40と同様の利点を得ることができる。また、第5の実施形態のプリント回路板でも、第3の実施形態のプリント回路板20Bと同様の利点を得ることができる。
なお、本発明は上記した本実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。
本実施形態では、固形接着剤24,34が電子部品21の縁部における四隅に接合されたが、電子部品21に対する固形接着剤24,34の接合位置は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、固形接着剤24は、電子部品21におけるプリント配線板22に対面する電極形成面21sであれば、電子部品21を取り囲む縁部の何れの位置に接合されてもよいし、固形接着剤24は、はんだバンプ23が接合されていない電極形成面21sの中央部分に接合されてもよい。また、固形接着剤34もまた、電子部品21を取り囲む縁部の何れの位置に接合されてもよい。
同様に、本実施形態では、補強部材44が電子部品21の縁部における四隅に接合されたが、電子部品21に対する補強部材44の接合位置は、本実施形態に限定されるものではない。図13は、変形例に係る補強電子部品40Cを示す斜視図である。図13に示すように、断面逆L次状の補強部材54が電子部品21の縁部の中央に接合されてもよい。なお、補強部材44と補強部材54とを組み合わせると、補強強度を向上させることができる。
また、図13に示すように、電子部品21の外周を取り囲むように、補強部材55を電子部品21の縁部及び補強部材44,54に接合させてもよい。これによれば、電子部品21の反りをも防止することができる。
第1の実施形態に係る電子機器を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るプリント回路板を示す図である。 図2に示すプリント回路板におけるIII−III線に沿う断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るプリント回路板の製造方法を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るプリント回路板を示す図である。 図5に示すプリント回路板におけるVI−VI線に沿う断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るプリント回路板の製造方法を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係るプリント回路板を示す図である。 図8に示すプリント回路板におけるIX−IX線に沿う断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るプリント回路板の製造方法を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る補強電子部品を示す図である。 本発明の第5の実施形態に係る補強電子部品を示す図である。 変形例に係る補強電子部品を示す斜視図である。
符号の説明
10…電子機器、11…コンピュータ本体、12…ディスプレイユニット、13…キーボード、14…パワーボタン、15…入力操作パネル、16…タッチパッド、17…LCD、18…スピーカ、20,20A,20B プリント回路板21…電子部品、21a…電極、21s…電極形成面、22,22A,22B…プリント配線板、22a,22b…電極、22s…部品搭載面、23…バンプ、24,34…固形接着剤、34a…被覆部、34b…突出部、31…はんだペースト、40,40A,40B…補強電子部品、44,54,55…補強部材、44a…被覆部、44b…突出部、45…ハンダ。

Claims (13)

  1. 電子部品を実装するための実装領域を有するプリント配線板を準備する準備工程と、
    前記準備工程により準備された前記プリント配線板の前記実装領域に固形接着剤を搭載する接着剤搭載工程と、
    前記電子部品を前記接着剤搭載工程を経た前記プリント配線板に搭載する工程であって、前記電子部品の電極形成面と交差する方向に該電極形成面を前記固形接着剤に重ねて搭載する部品搭載工程と、
    前記部品搭載工程を経た前記プリント配線板をリフロー加熱する加熱工程と、
    を有することを特徴とする、プリント回路板の製造方法。
  2. 電子部品を実装するための実装領域を有するプリント配線板を準備する準備工程と、
    前記電子部品を前記準備工程により準備された前記プリント配線板に搭載する工程であって、前記電子部品の電極形成面を前記プリント配線板の前記実装領域に対面させて搭載する部品搭載工程と、
    前記部品搭載工程を経た前記電子部品の縁部に固形接着剤を搭載する接着剤搭載工程と、
    前記接着剤搭載工程を経た前記プリント配線板をリフロー加熱する加熱工程と、
    を有することを特徴とする、プリント回路板の製造方法。
  3. 前記接着剤搭載工程において、前記固形接着剤には、常温で略長方形の固体である熱可塑性の接着剤を用いることを特徴とする、
    請求項1に記載のプリント回路板の製造方法。
  4. 前記接着剤搭載工程において、前記固形接着剤には、前記電子部品の前記電極形成面に交差する方向における常温での高さが前記加熱工程後の前記電子部品と前記プリント配線板との間隔以上である接着剤を用いることを特徴とする、
    請求項3に記載のプリント回路板の製造方法。
  5. 前記接着剤搭載工程において、前記固形接着剤には、常温で前記電子部品の縁部を覆う被覆部と前記電子部品の前記電極形成面から前記プリント配線板へ向けて突出する突出部とを有する断面逆L字状の固体である熱可塑性の接着剤を用いることを特徴とする、
    請求項2に記載のプリント回路板の製造方法。
  6. 前記接着剤搭載工程において、前記固形接着剤には、前記電子部品の前記電極形成面に交差する方向における前記突出部の常温での長さが、前記加熱工程後の前記電子部品と前記プリント配線板との間隔以上である接着剤を用いることを特徴とする、
    請求項5に記載のプリント回路板の製造方法。
  7. 前記部品搭載工程において、前記電子部品の前記電極形成面の電極を接続するためのバンプを用いて前記電子部品を前記プリント配線板に搭載し、
    前記接着剤搭載工程において、前記固形接着剤には、溶融温度が前記バンプの溶融温度以下である接着剤を用いることを特徴とする、
    請求項1〜6の何れか1項に記載のプリント回路板の製造方法。
  8. 電極形成面に電極を有する電子部品と、
    前記電子部品の前記電極に接合されたバンプと、
    常温で略長方形の固体であると共に熱可塑性を有しており、前記電子部品の前記電極形成面に接合された固形接着剤と、
    を備える、補強電子部品。
  9. 電極形成面に電極を有する電子部品と、
    前記電子部品の前記電極に接合されたバンプと、
    常温で前記電子部品の縁部を覆う被覆部と前記電子部品の前記電極形成面から突出する突出部とを有する断面逆L字状の固体であると共に熱可塑性を有しており、前記電子部品の縁部に接合された固形接着剤と、
    を備える、補強電子部品。
  10. 電極形成面に電極を有する電子部品と、
    前記電子部品の前記電極に接合されたバンプと、
    前記電子部品の縁部を覆う被覆部と前記電子部品の前記電極形成面から突出する突出部とを有する断面逆L字状であり、前記電子部品の縁部に接合された補強部材と、
    を備える、補強電子部品。
  11. プリント配線板と対面する電極形成面に電極を有する電子部品を該プリント配線板に搭載したプリント回路板において、
    前記電子部品の前記電極と前記プリント配線板とを接合するバンプと、
    常温で略長方形の固体であると共に熱可塑性を有しており、前記電子部品と前記プリント配線板との間に設けられて、リフロー過熱後に前記電子部品の前記電極形成面及び前記プリント配線板に接合される固形接着剤と、
    を備える、プリント回路板。
  12. プリント配線板と対面する電極形成面に電極を有する電子部品を該プリント配線板に搭載したプリント回路板において、
    前記電子部品の前記電極と前記プリント配線板とを接合するバンプと、
    常温で前記電子部品の縁部を覆う被覆部と前記電子部品の前記電極形成面から前記プリント配線板へ向けて突出する突出部とを有する断面逆L字状の固体であると共に熱可塑性を有しており、前記電子部品の縁部に設けられて、リフロー過熱後に前記電子部品の縁部及び前記プリント配線板に接合される固形接着剤と、
    を備える、プリント回路板。
  13. プリント配線板に補強電子部品を搭載したプリント回路板において、
    前記補強電子部品は、
    前記プリント配線板と対面する電極形成面に電極を有する電子部品と、
    前記電子部品の前記電極に接合されたバンプと、
    前記電子部品の縁部を覆う被覆部と前記電子部品の前記電極形成面から前記プリント配線板へ向けて突出する突出部とを有する断面逆L字状であり、前記電子部品の縁部に接合されて、リフロー過熱後に前記プリント配線板に接合される補強部材と、
    を備える、プリント回路板。
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