JP2008166127A - 有機elディスプレイ用基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁層の特性を劣化させない有機ELディスプレイ用基板の製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁層を有する有機ELディスプレイ用基板において、前記絶縁層材料の分解温度−20℃以下の加熱による該絶縁層材料に由来する物質の放出が、質量分析検出にてS/N比が3/1より小さく検出される有機ELディスプレイ用基板。
【選択図】なし

Description

本発明は、表示装置用基板に関し、特には表示素子として有機エレクトロルミネッセンス素子のような有機発光素子を用いてなるアクティブマトリクス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等に適する表示装置用基板に関する。
有機材料のエレクトロルミネセンス(electro−luminescence:以下ELと記す)を利用した有機EL素子は、陽極と陰極との間に、有機キャリア輸送層や有機発光層を積層させた有機層を設けてなる。有機EL素子は、低電圧直流駆動による高輝度発光が可能な発光素子として注目されている。
有機EL素子を用いた表示装置のうち、各画素に素子を駆動するための薄膜トランジスタ(thin film transistor:以下「TFT」と記す)を設けたアクティブマトリックス型の表示装置は、高画質、長寿命の観点から特に開発が進んでいる。
図1にアクティブマトリックス型の有機EL表示装置の概略図を示す。第二絶縁層(素子分離膜)107は、スピンコート法のような塗布、パターニング、熱キュアを経て所望のバンク形状に形成される。図1に示すように、第二絶縁層107は、あらかじめ形成されてなる第一絶縁層(平坦化膜)103および下部電極104の一部表面上に形成する。従って、第一絶縁層103および下部電極104には、第二絶縁層107の形成工程から求められる第二絶縁層材料の塗布への耐性(すなわち溶媒耐性)・加熱キュアへの耐性(すなわち熱耐性)等が求められる。
特に、第一絶縁層103にアクリル酸系樹脂、ノボラック系樹脂、ポリイミド系樹脂等の有機化合物を含む場合、第二絶縁層107形成に要する溶剤耐性・熱耐性に満たず、結果として第一絶縁層103の物理的化学的性質が変化変質してしまう可能性がある。
この点を解決する手段として、特許文献1には、第二有機絶縁物質(素子分離膜)は第一有機絶縁物質(平坦化膜)より低い成膜温度を有する有機絶縁物質から選択されることが望ましいことが開示されている。
一方、有機ELディスプレイの作製には、第一および第二絶縁層形成、さらには下部電極形成のために露光パターニング工程を経る。露光パターン現像のためには、例えば現像液希釈液に基板を浸漬する、またリンス用に大量の純水で洗浄するなど、水分に長時間曝露される。第一および第二絶縁層が有機化合物からなるものであれば、この工程中に大量の水分を吸収する可能性が高い。
有機ELディスプレイの構成部材中に水分が含まれる場合、有機EL発光強度が早期に低下したり、画素の中に完全非発光領域が形成されたり、発光特性の劣化低下が生じることは周知の事実である。
この点を解決する手段として、特許文献2には、有機ELディスプレイの発光層形成前に、基板を80℃以上に加熱することで絶縁層を脱水処理し、発光可能領域の面積に対する実発光領域を80%とすることが開示されている。
特開2004−111361号公報 特許第3531597号公報
しかし、実際例えば第二絶縁層を形成するためのベークは高温で行う方が良好な膜が得られる。そのため、特許文献1のように、第二絶縁層材料を、第一絶縁層材料より低い成膜温度を有する絶縁材料から選択する場合であっても、第二絶縁層へのポストベーク方法によっては、第一絶縁層への熱ダメージ(分解、変色等)が発生する。従って、特許文献1に開示の内容とは別途の要件をもって第二有機絶縁物質と第一有機絶縁物質との熱耐性の関係性を規定する必要がある。
また、一定の発光特性を有する有機ELディスプレイを得るには、基板パターニング工程が終了した直後、すなわち有機発光層を形成する前に、特許文献2に記載の如く、基板全体を加熱して脱水する工程が必要である。当然、脱水工程においては、より高温で処理するほうが脱水量・脱水速度とも増大することは容易に実証される。しかしながら脱水工程における加熱温度が部材の熱耐温度を上回る場合には、当該部材に熱ダメージを与える可能性がある。その結果として第一絶縁層・第二絶縁層とも所望の機能を発揮できず、有機ELディスプレイの発光輝度低下・寿命短縮等の課題発生に繋がる。
すなわち、特許文献1,2のいずれにも記載がないところの、加熱工程からの影響を排除・制御する措置が必要となる。
そこで本発明は、絶縁層の特性を劣化させない有機ELディスプレイ用基板の製造方法、及び、長期にわたって安定駆動し、より性能が高いディスプレイを達成できる有機ELディスプレイ用基板を提供することを目的とする。
本発明の有機ELディスプレイ用基板は、
絶縁層を有する有機ELディスプレイ用基板において、
前記絶縁層材料の分解温度−20℃以下の加熱による該絶縁層材料に由来する物質の放出が、質量分析検出にてS/N比が3/1より小さく検出されることを特徴とする。
また、本発明の他の有機ELディスプレイ用基板は、
有機化合物からなる平坦化膜と、有機化合物からなる素子分離膜を有する有機ELディスプレイ用基板において、
前記平坦化膜材料の分解温度は前記素子分離膜材料の分解温度より高く、かつ該平坦化膜材料の分解温度−20℃以下の加熱による該平坦化膜材料に由来する物質の放出が、質量分析検出法にてS/N比が3/1より小さく検出されることを特徴とする。
本発明の有機ELディスプレイ用基板の製造方法は、
絶縁層を有する有機ELディスプレイ用基板の製造方法において、
前記絶縁層を形成する工程が、
光感受性酸発生部を有する絶縁層材料もしくはその前駆体材料を溶媒に溶解もしくは分散させた溶液を塗布する工程と、
前記塗布により得られた膜中の溶媒を加熱除去する第一加熱工程と、
前記第一加熱工程後に、マスクを介する光照射よるパターニングを行う工程と、
前記パターニング後に、前記感光性酸発生部の熱分解温度以上前記絶縁層材料のキュアもしくは重合温度未満の温度を維持する第二加熱工程と、
前記第二加熱工程後に、前記絶縁層材料の分解温度−20℃以下の温度まで毎分10℃以下の昇温速度で昇温し、かつ該温度を30分以上維持する第三加熱工程と、
を有することを特徴とする。
本発明の有機ELディスプレイ用基板を用いると、駆動がより長期で安定であり、より性能が高いディスプレイを供給することが可能となる。
次に、本発明を詳細に説明するが、以下に記載するところの本発明における材料・材質は特に下記の例示に限定されるものではない。
図1に、本発明の基板を用いたアクティブマトリックス型有機EL表示装置の概略図を示す。同図に示すように基材101上にマトリックス状に有機EL発光部10が配置され、画素毎にEL素子を駆動するTFT102が内蔵されている。また、その周辺には各画素を駆動するための駆動回路(不図示)が内蔵されている。これらの回路は、TFT102及び配線で構成され、外部取出し端子群(不図示)を通して外部回路と接続されて駆動される。また、有機EL発光部10及び駆動回路の上は機械的強度を維持するためおよび表示領域全般にわたる水分透過防止を目的として、ガラス封止部材108が接着剤109により基材101に接着される。
図1における基板では、基材101上に設けられたTFT102及び配線を覆ってその表面を絶縁化および平坦化させることを目的に第一絶縁層(平坦化膜)103が設けられている。さらに第一絶縁層103上に、金属ないしは透明導電膜層からなる下部電極(画素電極)104が形成されている。また、有機EL層105を形成する際、隣接する表示画素同志に有機EL層材料が混和しないように、第二絶縁層(素子分離膜)107が、形成されている。
本発明の基板上には、少なくとも1種以上の化合物からなる有機発光層を含む有機EL層105を、蒸着・スパッタ・塗布等の方法で構成する。このとき、有機発光層を挟んで上下に正孔輸送・注入層もしくは電子輸送・注入層を構成させてもよい。さらに引き続き、上部対向電極106として金属ないし透明導電膜層を形成して有機ELディスプレイとする。なお、下部電極104を含む有機EL素子と駆動回路とは、第一絶縁層103にパターニング形成されたコンタクトホール110を介して接続されている。
第一絶縁層103および第二絶縁層107には、両者とも成膜硬化後の体積抵抗率が1x1015Ω・cm以上であるような絶縁性を有し、かつ硬化前に何らかの手段でパターニング可能であるものを用いる。例えば(メタ)アクリル樹脂、ノボラック樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等を用いることが可能である。これらの材料より同種、好適には熱分解温度が異なる材料を選択して使用する。
図1における基板では、第一絶縁層(平坦化膜)103材料の分解温度は、第二絶縁層(素子分離膜)107材料の分解温度より高い。かつ第一絶縁層(平坦化膜)103材料の分解温度−20℃以下の加熱による第一絶縁層(平坦化膜)103材料に由来する物質の放出が、質量分析検出法にてS/N比が3/1より小さく検出される。
S/N比3/1以上で検出される場合、少なくとも測定対象である当該絶縁層は熱分解を起こしていると考えられる。なお、質量分析では、m/zが40以下程度においては、絶縁層形成時に使用する溶媒・現像液等の残留成分や水分の脱離が大量に検出される。従って、m/z>50である質量物および一定の化学式をもって「絶縁層(平坦化膜)材料に由来する物質」とする。
質量分析には、1x10-3Pa程度以上の真空下、もしくは常圧不活性ガス雰囲気下にて、加熱しながら測定対象からの物質の脱離を四重極型質量分析装置で測定する、昇温脱離分析装置(TDS)を用いることが好適である。
一般に絶縁層形成においては、絶縁層材料の分解温度からの適切な温度マージンとして、分解温度マイナス10℃以下にキュア/重合温度を設定する。さらに当該キュア/重合温度から適切な温度マージンとしてさらにマイナス10℃以下までの温度範囲で前記絶縁層材料の分解物が検出されなければよい。このため、本発明では、質量分析温度上限を分解温度マイナス20℃とする。
次に、本発明の有機ELディスプレイ用基板の製造方法について説明する。
本発明の製造方法で、絶縁層を形成するには、まず、光感受性酸発生部を有する絶縁層材料もしくはその前駆体材料を溶媒に溶解もしくは分散させた溶液を、スピンコート法等で一定の膜厚に塗布する。そして、一定の温度で予備加熱を行って塗布膜中の溶媒を適宜蒸発させる(第一加熱工程)。その後、マスクを介して、紫外線等の光照射によるパターニングを行う。
パターニング法には、絶縁層にさらに別途のフォトレジストを積層して、そのフォトレジストにマスクを介して紫外線を照射して開口部を形成し、開口部をウエットもしくはドライエッチングで絶縁層ごとエッチングする方法がある。また、感光して酸を発生する化合物を予め絶縁層材料に担持させた絶縁層材料、すなわちレジスト性の材料を使用する方法がある。
本発明においては、後者の方法を好適に用いることができる。すなわち紫外線、放射線、可視光などが照射されると感光性酸発生部が一部分解してラジカルを放出する。その作用によって樹脂の一部の化学結合が分解されて樹脂がアルカリ可溶性に変化する。元来の絶縁層材料がアルカリ不溶性であった場合には光照射を受けた部分がアルカリ可溶性に変化する。引き続きアルカリ溶液および水で洗浄することにより、アルカリ可溶性部分が除去洗浄され、残存したアルカリ不溶性部分により所謂パターニング形成がなされるものである。
パターニングに引き続き、絶縁層へは少なくとも複数回の加熱処理を施すことが好ましい。具体的には、好ましくは、パターニングされた絶縁層に含まれる溶媒残留物を除去する加熱工程を施した後に、下記工程を施す。
第二加熱工程:感光性酸発生部の熱分解温度以上絶縁層材料のキュアもしくは重合温度未満の温度を維持する工程。
第三加熱工程:絶縁層材料の分解温度−20℃以下の温度まで毎分10℃以下の昇温速度で昇温し、かつ該温度を30分以上維持する工程。
第二加熱工程は、絶縁層の感光性酸発生部を失活させてラジカル発生の進行を停止させる工程である。また、第三加熱工程は、前駆体の状態でパターニングされた絶縁層材料を熱重合・縮合・重縮合・ボイド体積の排除等させて膜を緻密化する工程である。
なお、各加熱工程における温度条件を決定するために、予め示差操作熱量計(DSC)により、溶媒蒸発、材料もしくはその構成要素の分解・重合・融解などに伴う吸熱・発熱の特性曲線を得ておけばよい。
各加熱工程において昇温速度が過度に早いと、絶縁層内の温度分布が不均一になり、加熱処理の目的を達成しない可能性がある。特に第三加熱工程においては、昇温速度が10℃/分を大幅に超過すると、表面粗さが増大する等の結果を得る。従って、昇温速度の適正値は取り扱う材料に依存する要素もあるが、一般的には10℃/分を下回る昇温速度で加熱する条件を好適に用いる。
各加熱工程において所望の温度に到達後、この温度を維持する時間が不十分であると、加熱処理において予定される反応が完結せず、加熱処理の目的を達成しない可能性がある。当該温度を維持する時間は加熱処理の各目的に応じて異なり、又それぞれにおける数値条件も材料によって異なるため特段に限定的ではないが、例えば重合を目的とする第三加熱工程においては30分以上の温度維持が好ましい。各目的反応に応じた温度維持時間は、各反応の進行程度を赤外分光・ラマン分光等で追跡して決定することが可能である。
各加熱工程は、不活性化ガス雰囲気に制御して実施することが好ましい。例えば、ある種のアクリル樹脂においては、基板に成膜後、所謂「キュア」工程を大気下で行うと膜が薄褐色に変色し膜のガスバリア性が低下するが、乾燥窒素充填還流下でキュアを行うと所望の特性を有する薄膜を得ることが可能となる。
第二加熱工程における加熱による感光性酸発生部の失活が不十分な場合には、パターニングにおける光照射よりも強いエネルギーで光照射を行う工程を施すことが好ましい。例えばパターニングに用いる紫外線の2倍程度以上の高エネルギーで紫外線を加えると、感光性酸発生部の失活が容易に進行する。i線ステッパー装置を使用する場合、パターニングに200mJ/cm2の露光エネルギーを用い、当該失活操作(フォトブリーチ)にはパターニング露光時と同じ波長の光を露光エネルギー400mJ/cm2程度で行うことが可能である。
また、第三加熱工程において、基板下面の温度を基板上面の温度より低く設定することが好ましい。実際、オーブン等で加熱気流や加熱用の赤外光に直接曝される基板上面よりも、架台等に接触静置されている基板下面における温度がやや低めになる事は知られている。この状態で基板上面の温度をオーバーシュートさせないよう基板下面から熱電対プローブを当てて温度を測定し、基板上面との温度差を考慮しながら温度制御を行なう事が好ましい。
本発明の基板を用いて有機ELディスプレイを製造する際には、有機EL層形成直前の状態で再度加熱を行い、絶縁層形成工程後に含有される水分を除去(脱水)することが好ましい。この再加熱は減圧下もしくは不活性ガス雰囲気中で実施することが好ましい。
以下、実施例をもって本発明を更に詳細に説明するが、以下の例をもって本発明を制限するものではない。
<実施例1>
図1に示すアクティブマトリクス型の有機ELディスプレイを製造した。
第一絶縁層(平坦化膜)103に分解温度240℃のアクリル樹脂レジストA、第二絶縁層(素子分離膜)107に分解温度230℃のポリイミド前駆体レジストXを用いる。また、本実施例における加熱操作は全てN2還流下で実施する。予め両者の熱特性をDSC(Mac Science社製)により測定する。
[第一絶縁層103の形成]
まず、レジストAを、TFT102および回路配線形成済みの基材101に、厚さ2μm(加熱硬化後)になるよう塗布する。レジストAでは120℃に発熱ピーク(感光性酸発生部の熱分解もしくは熱分離)が出現するため、100℃で5分間温度を保持して溶媒を蒸発させる。
その後、マスクを介してUV照射を行って露光部をアルカリ液で除去しパターニングを行う。引き続いて130℃で30分維持して感光性酸発生部に残存するラジカル発生機能をブリーチする。
レジストAはキュアに寄与する熱ピークを200℃に有するため、130℃で温度を維持しても重合反応は進行しにくい。そこでキュアに寄与するピークを過ぎた220℃まで5℃/分で昇温して60分間維持しキュアする。このとき、基板下面の温度=基板上面の温度−5℃となるよう、加熱装置の調節を行う。
その結果、透明かつTFT等に起因する基材の凹凸が最表面において軽減された第一絶縁層103が形成される。
[下部電極104の形成]
次に、第一絶縁層103を形成した基材に、Crを200nm蒸着する。さらに引き続いてレジスト(クラリアント社製、AZ3100)を塗布し、マスクを介してUV照射を行って現像液で処理を行うと、UV照射を受けない部分のみ除去される。引き続いてCrエッチング液にてレジスト開口部に露出しているCr部分を除去後、レジスト剥離液によって残留レジストを剥離することで、パターニングされたCr下部電極104が形成される。
[第二絶縁層107の形成]
引き続き第二絶縁層107形成のために、レジストXを厚さ0.5μmに(加熱硬化後)になるよう塗布する。レジストXでは100℃に発熱ピーク(感光性酸発生部の熱分解もしくは熱分離)が出現するため、80℃で5分間温度を保持して溶媒を蒸発させる。
その後、マスクを介してUV照射を行って露光部をアルカリ液で除去しパターニングを行う。引き続いて120℃で30分維持して感光性酸発生部を失活させる。
レジストXは重合反応に寄与する熱ピークを200℃に有するため、120℃で温度を維持しても重合反応は進行しにくい。そこで当該重合ピークを過ぎた210℃まで5℃/分で昇温して60分間維持しキュアする。このとき、基板下面の温度=基板上面の温度−5℃となるよう、加熱装置の調節を行う。
その結果、透明かつ素子分離膜としての所望の形状に形成された第二絶縁層107が形成される。
次に当該基板をいったん室温大気環境へ曝露し、さらに200℃/0.1気圧以下の減圧下で120分静置して脱水処理を施した後に再度室温まで徐冷する。
[基板の質量分析]
引き続き真空TDS装置(電子科学社製)中にて真空度1x10-5Pa中で再加熱しながら質量分析を行うと、220℃までの再加熱でm/z>50での第一絶縁層103由来の分解生成物はS/N比3/1より小さく検出された。
[有機EL層105の形成]
次に前記基板を真空蒸着装置の中に導入し、まず第二絶縁層107の一定画素に対応した位置のみに開口を有する第一のマスクを配置し、α−NPDを40nm蒸着して正孔輸送層を形成する。引き続き、ゲストとしてペリレンを加えたAlq3を30nm蒸着し、厚さ20nmの青色の発光層を形成する。
次に第二絶縁層107の他の一定画素に対応した位置のみに開口を有する第二のマスクを配置し、α−NPDを40nm蒸着して正孔輸送層を形成する。続いてゲストとしてクマリン誘導体を加えたAlq3を蒸着し、厚さ20nmの緑色の発光層を形成する。
次に第二絶縁層107の他の一定画素に対応した位置のみに開口を有する第三のマスクを配置し、α−NPDを40nm蒸着して正孔輸送層を形成する。引き続きゲストとしてBtpIr(acac)を加えたCBPを蒸着し、厚さ35nmの赤色の発光層を形成する。
次いで第三のマスクをはずしてBCPを蒸着し、厚さ50nmの電子輸送層を形成する。さらにLiFを蒸着し、厚さ1nmの電子注入層を形成する。
[上部対向電極106の形成]
さらに基板を外気にさらすことなく有機EL層を形成した基板をスパッタ装置に移し、厚さ200nmのITOを堆積し上部対向電極106を形成する。
[ガラス封止部材108の形成]
この後さらに当該基板は乾燥N2充填雰囲気下に移動され、外部からの水分を遮断するための手段(ガラス封止部材108)が接続される。ガラス封止部材108は、例えば、一定の厚さのガラス基板内側をくりぬき、そこに酸化バリウムや酸化カルシウムを含有する吸湿性フィルムを貼付した部材である。ガラス封止部材108は、接着剤109を介して上部対向電極106まで形成した基板の最表面に接着固定される。
[有機ELディスプレイの特性評価]
ここで当該基板を取り出して、駆動電流もしくは電圧供給用の外部配線を当該基板へ結線して、電流もしくは電圧の印加によって当該基板の有機EL層形成部分から発光させ、その特徴を測定評価する。本実施例で作製した有機ELディスプレイは、画素面内では均一な発光を示し、下記に記す比較例で作製された有機ELディスプレイに比較して長期の駆動における発光強度の低下・画素中の完全非発光領域形成等が抑制される。すなわち有機ELディスプレイの品質の劣化低下を抑制することが可能となる。
<実施例2>
第一絶縁層(平坦化膜)103に、分解温度240℃のポリイミドレジストYを用い、以下に示すように第一絶縁層103を形成した以外は、実施例1と同様にして有機ELディスプレイを製造した。
[第一絶縁層103の形成]
まず、レジストYを、TFT102および回路配線形成済みの基材に、厚さ1μm(加熱硬化後)になるよう塗布する。レジストYでは100℃に発熱ピーク(感光性酸発生部の熱分解もしくは熱分離)が出現するため、90℃で5分間温度を保持して溶媒を蒸発させる。
その後、マスクを介してUV照射を行って露光部をアルカリ液で除去しパターニングを行う。引き続いて100℃で30分維持して感光性酸発生部をブリーチする。
レジストYは重合反応に寄与する熱ピークを220℃に有するため、90℃で温度を維持しても重合反応は進行しにくい。そこで重合ピークを過ぎた230℃まで5℃/分で昇温して60分間維持しキュアする。このとき、基板下面の温度=基板上面の温度−5℃となるよう、加熱装置の調節を行う。
その結果、透明かつTFT等に起因する基材の凹凸が最表面において軽減された第一絶縁層103が形成される。
[基板の質量分析]
実施例1と同様の再加熱を行うと、220℃までの再加熱でm/z>50での第一絶縁層103由来の分解生成物は質量分析においてS/N比3/1より小さく検出された。
[有機ELディスプレイの特性評価]
実施例1と同様に評価を行うと、実施例1と同様の結果を得る。
<比較例>
第一及び第二絶縁層の形成において、パターニング終了後に、10℃/分以上の昇温速度でそれぞれのキュアもしくは重合温度+10℃まで一気に昇温し60分間維持する以外は、実施例1と同様にして有機ELディスプレイを製造した。尚、このとき基板は大気雰囲気中にてホットプレート上に設置されて工程を進行させる。
[質量分析]
実施例1と同様の再加熱を行うと、再加熱温度170℃付近からm/z>50の質量物の放出がS/N比10/1で検出される。放出物の質量数から放出物の由来をアサインすると、第一絶縁層として用いるレジストA由来のものが含まれる。すなわち、レジストAの分解温度−20℃以下の加熱により、レジストAに由来する物質(恐らく分解生成物)の放出が生じることを意味する。
[有機ELディスプレイの特性評価]
実施例1と同様に評価を行うと、実施例1及び2の結果に比較して、画素内部の発光不均一・長期の駆動における発光強度の低下が認められ、また画素中の完全非発光領域も形成される。すなわち有機ELディスプレイの品質の劣化低下が顕著に発生することとなり、製品として採用し難い。
本発明の基板を用いたアクティブマトリクス型有機ELディスプレイの画素部の断面模式図である。
符号の説明
10 有機ELディスプレイ発光部
101 基材
102 薄膜トランジスタ(TFT)
103 第一絶縁層(平坦化膜)
104 下部電極(画素電極)
105 有機EL層
106 上部対向電極
107 第二絶縁層(素子分離膜)
108 ガラス封止部材
109 接着剤
110 コンタクトホール

Claims (9)

  1. 絶縁層を有する有機ELディスプレイ用基板において、
    前記絶縁層材料の分解温度−20℃以下の加熱による該絶縁層材料に由来する物質の放出が、質量分析検出にてS/N比が3/1より小さく検出されることを特徴とする有機ELディスプレイ用基板。
  2. 前記絶縁層材料が、光感受性酸発生部を有する樹脂により形成されることを特徴とする請求項1に記載の有機ELディスプレイ用基板。
  3. 有機化合物からなる平坦化膜と、有機化合物からなる素子分離膜を有する有機ELディスプレイ用基板において、
    前記平坦化膜材料の分解温度は前記素子分離膜材料の分解温度より高く、かつ該平坦化膜材料の分解温度−20℃以下の加熱による該平坦化膜材料に由来する物質の放出が、質量分析検出法にてS/N比が3/1より小さく検出されることを特徴とする有機ELディスプレイ用基板。
  4. 平坦化膜材料及び素子分離膜材料が、光感受性酸発生部を有する樹脂により形成されることを特徴とする請求項3に記載の有機ELディスプレイ用基板。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の有機ELディスプレイ用基板を有することを特徴とする有機ELディスプレイ。
  6. 絶縁層を有する有機ELディスプレイ用基板の製造方法において、
    前記絶縁層を形成する工程が、
    光感受性酸発生部を有する絶縁層材料もしくはその前駆体材料を溶媒に溶解もしくは分散させた溶液を塗布する工程と、
    前記塗布により得られた膜中の溶媒を加熱除去する第一加熱工程と、
    前記第一加熱工程後に、マスクを介する光照射よるパターニングを行う工程と、
    前記パターニング後に、前記感光性酸発生部の熱分解温度以上前記絶縁層材料のキュアもしくは重合温度未満の温度を維持する第二加熱工程と、
    前記第二加熱工程後に、前記絶縁層材料の分解温度−20℃以下の温度まで毎分10℃以下の昇温速度で昇温し、かつ該温度を30分以上維持する第三加熱工程と、
    を有することを特徴とする有機ELディスプレイ用基板の製造方法。
  7. 前記第三加熱工程後に、前記パターニングにおける光照射よりも強いエネルギーで光照射を行う工程を有することを特徴とする請求項6に記載の有機ELディスプレイ用基板の製造方法。
  8. 前記第三加熱工程において、基板下面の温度を基板上面の温度より低く設定することを特徴とする請求項6または7に記載の有機ELディスプレイ用基板の製造方法。
  9. 前記加熱工程が、不活性ガス雰囲気中で行われることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の有機ELディスプレイ用基板の製造方法。
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