JP2008164112A - 圧力容器及びその製造方法 - Google Patents
圧力容器及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008164112A JP2008164112A JP2006355938A JP2006355938A JP2008164112A JP 2008164112 A JP2008164112 A JP 2008164112A JP 2006355938 A JP2006355938 A JP 2006355938A JP 2006355938 A JP2006355938 A JP 2006355938A JP 2008164112 A JP2008164112 A JP 2008164112A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- pressure vessel
- adhesive
- functional group
- density
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F17—STORING OR DISTRIBUTING GASES OR LIQUIDS
- F17C—VESSELS FOR CONTAINING OR STORING COMPRESSED, LIQUEFIED OR SOLIDIFIED GASES; FIXED-CAPACITY GAS-HOLDERS; FILLING VESSELS WITH, OR DISCHARGING FROM VESSELS, COMPRESSED, LIQUEFIED, OR SOLIDIFIED GASES
- F17C2205/00—Vessel construction, in particular mounting arrangements, attachments or identifications means
- F17C2205/03—Fluid connections, filters, valves, closure means or other attachments
- F17C2205/0302—Fittings, valves, filters, or components in connection with the gas storage device
- F17C2205/0305—Bosses, e.g. boss collars
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/32—Hydrogen storage
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
Landscapes
- Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)
- Fuel Cell (AREA)
Abstract
【解決手段】合成樹脂製ライナー材で形成される中空容器と、その中空容器の外層を被覆して補強材で形成される補強材層とで構成されてなり、かつ少なくとも1つの口金部材を有する圧力容器であって、前記口金部材に粉体塗装による接着剤層を設け、該接着剤層を介して、合成樹脂製ライナー材で形成される中空容器の内側壁と口金部材とが接着または溶着されている圧力容器。
【選択図】図2
Description
しかし、この圧力容器も内側殻の内壁面に口金部材の端部が露出し、この口金部材の端部に直接、ガスの内圧がかかるので、上記したと同様の理由でガス漏れが発生する恐れがある。
上記特許文献8における接着樹脂層は、不飽和カルボン酸官能基含有ポリエチレン樹脂が好適で、密度0.88〜0.945g/cm3、MFR0.05〜50g/10分のポリエチレン、エチレン−α・オレフィン共重合体が使用されることが示されている(特許文献5、段落[0025]参照)。
昨今の厳しい製品の品質管理、より高圧なガス充填の要求、あるいは、特に従来の圧力容器においては、比較的分子量の大きい天然ガスなどに対しては気密性は発揮するものの、分子量の小さい水素ガスについては十分な耐水素ガス透過性を維持しているとはいい難く、より性能の高い接着性能が要求されている。
[官能基]
(a)カルボン酸基またはカルボン酸無水物基
(b)エポキシ基
(c)ヒドロキシル基
(d)アミノ基
(e)シリル基
(A):(a1)密度0.94〜0.97g/cm3、(a2)メルトフローレート0.01〜100g/10minを有する高密度ポリエチレン樹脂
(B):(b1)密度0.90〜0.94g/cm3未満、(b2)メルトフローレート0.01〜100g/10minの直鎖状低密度ポリエチレン樹脂
(C):(c1)メルトフローレート0.01〜100g/10minの高圧ラジカル法ポリエチレン系樹脂
(D):(d1)密度0.86〜0.90g/cm3未満、(d2)メルトフローレート0.01〜100g/10minの超低密度ポリエチレン樹脂
(E):熱可塑性エラストマー
また、本発明によれば、その圧力容器を簡単な工程で経済的に製造できる製造方法が得られ、これは、ブロー成形時に、中空容器の形成と同時に口金部材が一体化できるため、製造工程が簡単で、製造コストも安く、経済的である。
以下に、本発明を各項目毎に詳細に説明する。
以下、本発明の圧力容器について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の圧力容器の一例の一部切欠断面図を示すものである。
本発明に係る圧力容器は、図1に示されるように、合成樹脂製ライナー材で形成された中空容器1(内側壁)と、該中空容器1の外側の外層に補強材で形成された補強材層2(外側壁)とで構成され、該中空容器1の少なくとも一方の端部に、高圧ガスの充填、排出用のノズル取付けのための口金部材3が装着され、該合成樹脂製ライナー材で形成された中空容器1の内側の肩部7と該口金部材3の一端に形成された円盤部8とが、ガス漏れを抑止するために、粉体塗装で形成された接着剤層4を介して接着または溶着してなる圧力容器10である。
以下に本発明で使用される原材料について具体的に詳述する。
(1)合成樹脂製ライナー材
中空容器1を形成する合成樹脂製ライナー材は、圧力容器10に充填された高圧ガスを収納して、漏洩しないガスバリア性を有することが必要であり、その具体例としては、高密度ポリエチレン樹脂、架橋ポリエチレン、ポリプロピレン樹脂、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン樹脂、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS)樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹脂等のエンジニアリングプラスチック等が挙げられる。上記合成樹脂製ライナー材の中でもポリエチレン樹脂が、ガスバリア性、加工性、作業性、経済性等の観点から好ましい。
上記ポリエチレン系樹脂を合成樹脂製ライナー材として用いる場合においては、密度が、0.92〜0.97g/cm3、好ましくは、0.93〜0.96g/cm3、さらに好ましくは、0.94〜0.95g/cm3の範囲であることが望ましい。
上記密度が0.920g/cm3未満では、剛性が不足しタンク口部強度の剛性が不足し、密度が0.970g/cm3を超えるものは耐久性が低下する惧れが生じる。
また、上記ポリエチレン系樹脂においては、ハイロードメルトフローレート:HLMFR(JIS K6922−1(1997)、条件D(温度190℃、荷重211.8Nにて測定)が2〜70g/10分、好ましくは、3〜60g/10分、さらに好ましくは、4〜50g/10分であるものが望ましい。このような範囲であると、特に多層ブロー成形によって、合成樹脂製ライナー材と接着剤とを同時に押出す際に層乱れがなく、表面層が良くなることから好ましい。
上記HLMFRが2g/10分未満では、樹脂圧力が上昇し押出特性が低下し、70g/10分を超える場合では、衝撃性、耐久性が不足する惧れが生じる。
これら合成樹脂製ライナー材は、上記熱可塑性樹脂の単層体、複層体、複合材料のいずれで構成されていても良い。例えば、高密度ポリエチレン樹脂層内に、エンジニアリングプラスチック、金属部材、無機充填剤が分散された複合材料で形成されていても良いし、少なくとも熱可塑性樹脂層/接着層/バリア層を含む多層構造からなる積層体としてもよい。
前記バリア材層に好適に使用される材料としては、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等が挙げられる。
上記積層体において用いられる接着層としては、後述の本発明の接着樹脂(Z)またはエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂等の一般の接着樹脂を使用することができる。
これらのライナー材を用いて容器とする場合には、ブロー成形法、射出成形法、回転成形法、圧縮成形法などの成形法によって製造することができる。中でも、ブロー成形法によるのが好適である。
補強材層2を形成する補強材は、合成樹脂ライナー材から形成される中空容器1の外層を覆い、圧力容器10の耐圧性能を向上させる役割を担うものであり、アルミニウム、チタン、軽合金等の軽量の金属材で構成しても良いが、成形加工性、軽量化等を考慮した場合においては、繊維強化プラスチック(FRP:fiber reinforced plastics)あるいは繊維強化金属複合材料(FRM:fiber reinforced metal)で構成するのが好適である。すなわち、内側壁を構成する合成樹脂製ライナー材をブロー成形等で成形された筒状の容器の外周壁を覆うようにFRP製の外側壁を形成するためには、上記内側の筒状容器の外周壁に、フィラメントワインディング法やテープワインディング法等によって、ヘリカル巻層、フープ巻層、レーベル巻層など、樹脂を含浸させた補強繊維束の巻層を形成し、ついで樹脂を加熱して溶融または硬化させて成形することによって外側壁の補強材とすることができる。外側壁の強度は、巻層を形成する補強繊維の種類、巻付ける形態、巻付ける厚さ、樹脂の種類、樹脂の厚さなどを種々組合わせることにより、目的に合った好適な範囲の補強材とすることができる。また、織物などのような連続した補強材に熱硬化性樹脂を含浸させて成形するプリプレグ法等他の方法で形成しても良い。
これらの補強繊維は、比強度、比弾性率に優れ、ワインディング時の糸切れや毛羽の発生がほとんどなく、生産性の向上、耐衝撃性能の低下防止などの観点から、炭素繊維が特に好ましい。
本発明の口金部材3は、高圧ガスの充填、排出用のノズル取付けのために設置されるものであって、例えば一端が円盤部8の形状を有し、圧力容器10の内側の中空容器1と外側の補強材層2で構成される円筒状容器の少なくとも一端に、該圧力容器の中空容器1の内側の半球状の肩部7に、口金部材3の円盤部8が埋設するようにインサートされ、予め施しておいた口金部材3の円盤部8の接着剤4を介し、中空容器1の肩部7と口金部材3の円盤部8とを当接させて接着または溶着するものである。
本発明の接着層としては、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂などの熱硬化性樹脂、あるいは(a)カルボン酸基またはカルボン酸無水物基、(b)エポキシ基、(c)ヒドロキシル基、(d)アミノ基、(e)シリル基等の官能基を含有するポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂等の一般の接着剤が使用することができる。これらの中でも官能基を含有するポリオレフィン系樹脂が好ましい。
本発明の官能基を含有するポリオレフィン系樹脂とは、上記(a)〜(e)の官能基を有する化合物またはモノマー(以下官能基含有化合物とも称す)と炭素数2〜10程度のα―オレフィンの少なくとも1種とのランダム共重合体や、ポリオレフィン系樹脂に該官能基含有化合物をグラフト変性した変性ポリオレフィン系樹脂を包含するものである。
以下に(a)〜(e)官能基含有化合物について詳述する。
上記官能基の含有量は、接着剤全体の重量を基準として、0.001〜30重量%の範囲であり、グラフト官能基含有ポリオレフィン系樹脂の場合には、0.001〜10重量%の範囲であり、ランダム共重合体の場合では1〜30重量%の範囲である。
上記官能基の含有量が0.001重量%未満では、接着強度が低く、本発明の目的を達成することができず、官能基含有量が30重量%を超える量の共重合体は、入手することが難しいこと、劣化が起きやすいこと、取扱いや作業性が悪く、かつ経済的ではない等の欠点を有している。
ラジカル開始剤としては、有機過酸化物、ジクミル化合物等が挙げられる。
例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−アクリル酸ー酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸−酢酸ビニル酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−無水マレイン酸ーアクリル酸エチル共重合体、エチレン−無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これら官能基含有ポリオレフィン系樹脂は、単独または未変性ポリオレフィン系樹脂と混合して使用されるが、特に官能基含有ポリエチレンと未変性ポリエチレンとの混合物が好ましい。
上記官能基含有オレフィン系ランダム共重合体およびグラフト化官能基含有ポリオレフィン系樹脂は、単独または未変性ポリオレフィン系樹脂と混合して使用される。特に官能基の含有量、MFR、密度等の調整が容易に行えることから、官能基含有ポリオレフィン系樹脂を未変性ポリオレフィン系樹脂との混合物として使用することが好ましい。これらの中でもポリエチレン系樹脂が好ましい。
[接着剤]
(i)官能基を含有するポリエチレン系樹脂(X)及び未変性ポリエチレン系樹脂(Y)の材料
[高密度ポリエチレン樹脂(A)]
本発明に係る高密度ポリエチレン樹脂(A)は、一般的にはイオン重合で製造される高密度ポリエチレン樹脂であって、エチレン単独重合体あるいはエチレンとα−オレフィンとの共重合体を指すものであり、(a1)密度0.94〜0.97g/cm3、好ましくは密度0.945〜0.965g/cm3、より好ましくは0.95〜0.96g/cm3の範囲である。(a2)メルトフローレート(MFR)は0.01〜100g/10分、好ましくは、0.05〜50g/10分、より好ましくは0.1〜30g/10分の範囲である。これらの範囲であると容易に接着強度、剛性や耐クリープ性等の長期寿命(耐久性)が優れる性能が発揮されるものとなる。
上記密度はJIS K6922−1(1997)の試験方法に基づいて測定した。
また、本発明において、メルトフローレート(MFR)はJIS K6922−1(1997)の試験法に基づいて条件D(温度190℃、荷重21.18N)で測定したものである。
本願明に係る直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(B)は、一般的にはイオン重合で製造される直鎖状低密度ポリエチレン樹脂であって、エチレンとα−オレフィンとの共重合体を指すものであり、(b1)密度0.90〜0.94g/cm3、好ましくは密度0.91〜0.935g/cm3、より好ましくは0.92〜0.93g/cm3の範囲である。(b2)メルトフローレート(MFR)は0.01〜100g/10分、好ましくは、0.05〜50g/10分、より好ましくは0.1〜30g/10分の範囲である。これらの範囲であると容易に接着強度、剛性や耐クリープ性等の長期寿命(耐久性)が優れる性能が発揮されるものとなる。
また、メルトフローレート(MFR)はJIS K6922−1(1997)の試験法に基づいて条件D(温度190℃、荷重21.18N)で測定した。
また、上記(a1)、(b1)の密度は、α−オレフィンの種類及び含有量でコントロールすることができ、該含有量が多くなると密度は低くなる傾向を示し、上記(a2)または(b2)のメルトフローレート(MFR)は、水素等の連鎖移動剤、プロセス等で制御される。これらの制御は当業者にとって、周知の慣用手段である。
本発明の高圧ラジカル法ポリエチレン系樹脂(C)とは、(c1)メルトフローレート0.01〜100g/10minの、高圧ラジカル重合法によるエチレン単独重合体(低密度ポリエチレン樹脂)、エチレン・ビニルエステル共重合体およびエチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体等が挙げられ、これら低密度ポリエチレン樹脂等は公知の高圧ラジカル重合法により製造され、チューブラー法、オートクレーブ法のいずれの方法で製造してもよい。
上記低密度ポリエチレン樹脂では、密度0.91〜0.935g/cm3、メルトフローレート0.05〜100g/10分、好ましくは0.1〜50g/10分の範囲のものが好適に使用される。
すなわち、これらのコモノマーとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル等を挙げることができる。この中でも特に好ましいものとして(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等のアルキルエステルを挙げることができる。特に(メタ)アクリル酸エステル含有量は3〜30重量%、好ましくは5〜20重量%の範囲である。
本発明に係る超低密度ポリエチレン樹脂(D)とは、(d1)密度0.86〜0.90g/cm3未満、好ましくは0.87〜0.89g/cm3の範囲、(d2)MFRが0.01〜100g/10分、好ましくは0.1〜50g/10分の範囲のエチレンと炭素3〜12のα−オレフィン共重合体であり、結晶性を有するエチレン・α−オレフィン共重合体、微結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体が挙げられる。
本発明の熱可塑性エラストマーとは、ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリブタジエン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等が挙げられるが、これらの中でも、ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマーが、ライナー材料との相溶性、経済性等から好ましい。
本発明の官能基含有ポリエチレン系樹脂(X)は、前記官能基含有エチレン系ランダム共重合体及びグラフト化官能基含有ポリエチレン系樹脂を包含し、該グラフト化官能基含有ポリエチレン系樹脂の原材料として、前記(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分のそれぞれ単独で官能基が少なくとも1種含有されていてもよいが、(A)+(B)、(B)+(C)、(A)+(C)、(A)+(D)または(A)+(B)+(C)、(A)+(B)+(D)、(A)+(C)+(D)、(B)+(C)+(D)および(A)+(B)+(C)+(D)のいずれか1種のポリエチレン樹脂組成物として官能基を含有させることもできる。これらの組成物は、官能基含有時にドライブレンドしたり、または予めこれらを、ニーダー、ヘンシェルミキサーなどの周知の混合器で混合しておいて、官能基を含有させてもよい。
また、(A)〜(D)の少なくとも1種がそれぞれ上記に記載した条件を満たさない場合は、接着力が低下し、所望の接着強度が得られない懸念が生じることから、好ましくない。
また、(A)、(B)及び(D)の少なくとも1種がシングルサイト系触媒で製造されたものであることが、接着力、機械的強度のバランスがよく好ましい。
また、官能基含有ポリエチレン系樹脂(X)の構成としては、(A)〜(D)を単独で用いるよりも、二種以上の混合物とするのが、経済性、作業性等から、好ましい。特に好ましい組み合わせとしては(B)成分の官能基含有品であり、シングルサイト系触媒による直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を主成分とする官能基含有品が望ましい。
本発明の官能基含有ポリエチレン系樹脂(X)においては、上記された官能基の中でも官能基(a)または官能基(b)を包含する不飽和カルボン酸またはその誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一種類のモノマーが好ましい。該不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、一塩基性不飽和カルボン酸、二塩基性不飽和カルボン酸、ならびに、これらの金属塩、アミド、イミド、エステルおよび無水物が挙げられる。一塩基性不飽和カルボン酸の炭素数は、多くとも20個、好ましくは15個以下である。またニ塩基性不飽和カルボン酸の炭素数は、多くとも30個、好ましくは25個以下であり、この誘導体の炭素数は、多くとも30個、好ましくは25個以下である。これら不飽和カルボン酸およびその誘導体の中でも、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸およびその無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸およびその無水物、ならびにメタクリル酸グリシジルが好ましく、特に無水マレイン酸、5−ノルボルネン酸無水物が、ポリエチレン樹脂組成物の接着性能が優れることから好適である。
上記の含有量は、樹脂成分に対して、不飽和カルボン酸またはその誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一種類のモノマー量が、0.001〜30重量%であり、グラフト変性の場合には0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%である。該含有量が、0.001重量部未満では本来の目的である接着性能に十分なものが得られず、10重量%より多い場合には未反応モノマーが増加するので好ましくない。また、エチレン等とのランダム共重合体の場合には、1〜30重量%、好ましくは2〜28重量%、より好ましくは3〜25重量%の範囲が望ましい。
本発明のポリエチレン系樹脂に官能基をグラフト化する際に用いるラジカル開始剤としては、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジt−ブチルジパーオキシイソフタレート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシラウレート、アセチルパーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられる。
これらの中でも、半減期1分を得るための分解温度が、160〜200℃のものが好ましい。分解温度が低すぎると原料のポリエチレン系樹脂が押出機内で十分可塑化しないうちに分解反応が始まるため、反応率が低くなる上にゲルやフィッシュアイが多くなり、逆に分解温度が高すぎると、押出機内等で反応が完結せず、未反応の不飽和カルボン酸およびその誘導体の量が多くなる。
ラジカル開始剤の配合量は、通常1次官能基含有時において、ポリエチレン樹脂を含む樹脂成分の合計100重量部に対して0.005〜0.5重量部、より好ましくは0.01〜0.3重量部の範囲で使われる。0.005重量部未満ではグラフト化反応が十分に行なわれず未反応モノマーが増加するので好ましくない。また、0.5重量部より多い場合には、ゲル、フィッシュアイが多発するため好ましくない。
官能基含有ポリエチレン系樹脂(X)の製造方法は、樹脂(A)、(B)、(C)及び(D)の少なくとも1種のポリエチレン系樹脂、またはその組成物(以下ポリエチレン系樹脂等とも称す)100重量部に、不飽和カルボン酸またはその誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一種類の官能基含有モノマー0.05〜2.0重量部並びにラジカル開始剤0.005〜0.5重量部を加え、単軸押出機及び/または二軸押出機や単数または複数の反応器などを用いて溶融混練または溶媒中で官能基含有することにより達成される。
具体的には、押出機やバンバリーミキサー、ニーダーなどを用いる溶融混練法、適当な溶媒に溶解させる溶液法、適当な溶媒中に懸濁させるスラリー法、あるいはいわゆる気相グラフト法等が挙げられる。
処理温度としては、(A)〜(D)少なくとも1種のポリエチレン系樹脂等の劣化、不飽和カルボン酸やその誘導体の分解、使用する過酸化物の分解温度などを考慮して適宜選択されるが、前記の溶融混練法を例に挙げると、通常190〜350℃であり、とりわけ200〜300℃が好適である。
本発明に係る官能基含有ポリエチレン系樹脂(X)を製造するにあたり、その性能を向上する目的で、特開昭62−10107号公報に記載のごとく既に公知の方法、例えば前記のグラフト官能基含有時あるいは官能基含有後にエポキシ化合物またはアミノ基もしくは水酸基などを含む多官能性化合物で処理する方法、さらに加熱や洗浄などによって未反応モノマー(不飽和カルボン酸やその誘導体)や副生する諸成分などを除去する方法を採用することができる。
上記不飽和カルボン酸およびその誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一種のモノマーのグラフト量は高いほど望ましいが、一般的には0.001〜10重量%の範囲(グラフト量の測定法:赤外線分光光度計による)である。
また、このような高温で反応を行なうため、押出機や反応器などの内部への空気の混入はできるだけ抑える必要があり、また溶融混練では、押出機内などでの樹脂の長時間滞留も避けなければならない。このため、原料樹脂投入口付近での窒素フィードを行なうことは、極めて好ましい。
このような溶融混練での官能基含有(付加)方法で得られるグラフト化官能基の含有率(測定法:赤外線分光光度計による)は、一般的に0.2〜2.5重量%程度の範囲であり、最終次の官能基含有ポリエチレン系樹脂(X)のグラフト化官能基含有率での上限は高いほど望ましいが、一般的には0.55重量〜3重量%の範囲である。しかし、特にこの範囲に限定されるものではなく、より高い官能基含有率にすることが望ましい。
本発明に係る未変性ポリエチレン系樹脂(Y)は、(a1)密度0.94〜0.97g/cm3、(a2)メルトフローレート0.01〜100g/10minを有する高密度ポリエチレン樹脂(A)、(b1)密度0.90〜0.94g/cm3未満、(b2)メルトフローレート0.01〜100g/10minの直鎖状低密度ポリエチレン(B)、(c1)メルトフローレート0.01〜100g/10minの高圧ラジカル法ポリエチレン系樹脂(C)及び、(d1)密度0.86〜0.90g/cm3未満、(d2)メルトフローレート0.01〜100g/10minの超低密度ポリエチレン系樹脂(D)及び熱可塑性エラストマー(E)から選択される少なくとも1種の未変性ポリエチレン系樹脂である。
上記(Y)成分は必須ではないが、上記(X)成分が単独の場合には、成形時に過度の樹脂劣化や、ゲル等が惹起する場合も起こり得るという弊害が生じる懸念があることやMFR、密度の調節、耐熱性、機械的特性、剛性、柔軟性等の機能の調節等が容易にできる、あるいは経済的であるということから上記の(Y)成分を使用することが好ましい。
また、上記官能基含有ポリエチレン系樹脂(X)または未変性ポリエチレン系樹脂に使用される(A)、(B)及び(D)の少なくとも1種がシングルサイト系触媒で製造されたものであることが、低分子量成分が少なく、官能基含有時の樹脂劣化、ゲルの発生を抑制すること、機械的強度、接着強度等の性能を向上させることからも好ましい。
本発明の接着樹脂(Z)は、合成樹脂製ライナー材で形成された中空容器1の内側の肩部7と該口金部材3の一端に形成された円盤部8とを、ガス漏れを抑止するために、この接着樹脂(Z)4を介して溶着するのに用いられるものであり、前記(a)〜(e)の少なくとも1種の官能基を含有する下記(A)〜(D)から選択された少なくとも1種の官能基含有ポリエチレン系樹脂(X)0.5〜100重量%と、下記(A)〜(E)から選ばれる少なくとも1種の未変性ポリエチレン系樹脂(Y)0〜99.5重量%とからなる、(z1)密度0.86〜0.97g/cm3、(z2)メルトフローレート0.01〜100g/10minの接着樹脂(Z)である。
(A):(a1)密度0.94〜0.97g/cm3、(a2)メルトフローレート0.01〜100g/10minを有する高密度ポリエチレン樹脂
(B):(b1)密度0.90〜0.94g/cm3未満、(b2)メルトフローレート0.01〜100g/10minの直鎖状低密度ポリエチレン樹脂
(C):(c1)メルトフローレート0.01〜100g/10minの高圧ラジカル法ポリエチレン系樹脂
(D):(d1)密度0.86〜0.90g/cm3未満、(d2)メルトフローレート0.01〜100g/10minの超低密度ポリエチレン樹脂
(E):熱可塑性エラストマー
これらの中でも好ましいものは、接着性、耐熱性、強度、易成形性の点から、成分(B)の官能基含有直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(X)単独又は該官能基含有(B)成分と、未変性高密度ポリエチレン系樹脂(A)および未変性直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(B)との未変性ポリエチレン系樹脂組成物(Y)との混合物である。好ましい配合比は、成分(B)の官能基含有ポリエチレン系樹脂(X)10〜30重量%と、未変性ポリエチレン系樹脂組成物(Y)成分(A/B=5〜40/95〜60)の90〜70重量%である。
(z2)メルトフローレートは、0.01〜100g/10min、好ましくは0.05〜50g/10min、より好ましくは0.1〜30g/10minの範囲である。MFRが0.01g/10min未満では成形加工性に難点が生じ、100g/10minを超える場合では衝撃強度等の強度が低下する惧れが生じる。
また、上記予め該口金部材3の円盤部8に接着剤4を塗膜する際に、該口金部材3の円盤部8の一部または全面に、粗面化処理などの表面処理を行っておくことが望ましい。
また、該粉末の静止摩擦係数(JIS K8721に準拠)は、0.7〜0.9、好ましくは0.75〜0.85の範囲であることが望ましい。これら粉末の粒径、嵩比重、静止摩擦係数が上記範囲を逸脱する場合には、均一な塗膜や、錠止溝等の細部の個所までうまく塗装ができない場合が生じる。
以下に本発明の圧力容器の製造方法について具体的に詳述する。
本発明に係る圧力容器は、前述の通り、図1に示されるように、内側の合成樹脂製ライナー材で形成された中空容器1(内側壁)と、外側の補強材で形成された補強材層2(外側壁)とで構成され、該圧力容器10の少なくとも一方の端部に、高圧ガスの充填、排出用のノズル取付けのための口金部材3が装着され、該圧力容器の合成樹脂製ライナー材で形成された中空容器1の内側の肩部7と該口金部材3の一端に形成された円盤部8とを、ガス漏れを抑止するために、特定の性状を満足する接着樹脂(Z)4を介して接着または溶着してなる圧力容器10である。
ブロー成形による中空容器の製造方法としては、合成樹脂製ライナー材を形成する合成樹脂をブロー成形によって筒状に成型し、次いで予め口金部材の円盤部上に粉体塗装で接着剤の膜を形成した口金部材を、該筒状の合成樹脂製ライナー材の少なくとも1方の端部にインサートし、型閉めすることにより合成樹脂製ライナー材の端部を縮径させて、口金部材の円盤部と該中空容器の合成樹脂製ライナー材の内側の肩部とを、該接着剤を介して、接着または溶着する方法が気密性の点から好ましい。
図2において、少なくとも金型と口金部材の支持部と支持台を具備したブロー成形装置を用いて、予め接着剤4、4´を口金部材の一端の円盤部8に塗装された口金部材3、3´を支持台15に係属する支持部14の上下に設置後、ブロー成形機(図示せず)のダイス11から合成樹脂製ライナー材を形成する筒状のパリソン12(a,b)を押出し、金型13(a,b)間に垂下させ、該パリソン12(a,b)で金型内に設置された口金部材3、3´の一端部に形成された円盤部8を囲い、次いで、まだ十分パリソン12(a,b)がやわらかい状態で該金型13(a,b)を型閉めし、該パリソン12(a,b)を縮径させ、口金部材3、3´の首部をパリソン12(a,b)と同時にピンチする。次いで、密閉された金型に空気等の気体を吹込んで、パリソン12(a,b)を金型13(a,b)壁に押圧して中空容器1を形成させ、同時に合成樹脂製ライナー材の内側の肩部と、口金部材3、3´の円盤部に予め塗布された接着剤4、4´とが内圧により融着され中空容器1が作製される。上記該合成樹脂製ライナー材で形成された中空容器1の外周を、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させた、カーボンファイバー糸や束、ガラス繊維糸や束等の繊維糸、束、マット等により、被覆して、硬化させて繊維強化材2(CFRP,GFRP等)層を形成し、圧力容器10を製造するものである。
本発明に係る圧力容器は、これに充填されるガスの種類は制限されるものではなく、天然ガス、液化石油ガス、窒素、酸素、水素、ヘリウムガス、アルゴンガス、ロケット燃料などが挙げられ、口金部材と合成樹脂製ライナー材からなる中空容器との接着力が高く、気密性が優れるなどの点からいずれにも好適に使用できる圧力容器である。
(1)メルトフローレート:MFR(単位:g/10min):JIS K6922−1(1997)、条件D(温度190℃、荷重21.18N)に準拠して測定した。
(2)ハイロードメルトフローレート((単位:g/10min):HLMFR:JIS K6922−1(1997)、条件D(温度190℃、荷重211.8N)に準拠して測定した。
(3)中位粒度:JIS Z8801(標準ふるい)に準拠して測定した。
(4)嵩比重:JIS K8721に準拠して測定した。
(5)静止摩擦係数:JIS K8721に準拠して測定した。
(6)塗装膜厚:静電塗装により接着剤を塗装した口金部の円盤部の任意箇所(5箇所)を選択し、下記厚み計((株)キーエンス社製EX―V)を用いて塗装膜厚を測定した(測定値は5点の平均値)。
[厚み計]
デジタル変位センサによる高精度過電流式:対象物とセンサヘッドの距離が近づくにつれ、過電流が大きくなり、発信振幅は小さくなる。この発信振幅を整流して直流電圧の変化とする。整流された信号と距離とはほぼ比例関係にあって、リニアライズ回路で直線性の補正を行い、距離と比例したリニアな出力を得る。厚みはデジタルで表示される。
(7)塗装性:静電塗装により接着剤を塗装した口金部の円盤部に形成された塗装膜の表面平滑性および表面状態を目視で観察した。
(8)接着強度:口金平面部の樹脂層のみをカッターを用いて幅10mm、長さ3cm程度捲(めくり)出し、テンシロンを用いて、テンシロンの引張速度50mm/min、長さ5cm、180度剥離で接着強度を測定した(測定値は5点の平均値)。
(9)ガス漏れテスト:圧力容器10に30MPaの水素ガスを充填し、室温で、30日間放置後のタンク内圧力の経時変化による。○はガス漏れなし、×はガス漏れあり。
以下本発明を粉体塗装を使用した例示によって実証する。
<実施例1>
[官能基含有ポリエチレン樹脂(X1)の製造]
高密度ポリエチレン樹脂(密度:0.958g/cm3、MFR:20g/10分、銘柄:HS490P、日本ポリエチレン(株)社製、A1と称す)80重量部と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度:0.921g/cm3、MFR:16g/10分、銘柄:UJ370G、日本ポリエチレン(株)社製、B1と称す)20重量部とからなる粉末状のポリエチレン樹脂混合物(A1+B1)100重量部に、無水マレイン酸0.8部および2,5−ジメチル−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.02部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合した後、モダンマシナリー(株)製50mm単軸押出機を用いて、スクリュー回転数50rpm、樹脂温度280℃の条件で溶融混練し、MFR8g/10min、密度0.950g/cm3、グラフトモノマー量0.5重量%の官能基含有ポリエチレン樹脂(X1)を得た。
官能基含有ポリエチレン樹脂(X1)20重量%と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度:0.924g/cm3、MFR:9g/10分、銘柄:Z50MG、日本ポリエチレン(株)社製、Y1:B2と称す)80重量%を90メッシュふるいをセットした機械式粉砕機を用いて、粉砕した後、平滑処理をして、表1に示したような性状を有する接着樹脂粉体(Z1)を作製した。接着樹脂粉体(Z1)としての密度及びMFRは、それぞれ、表1に示すとおりの値であった。
静電塗装機(GEMA社製)を用いて、静電塗装ガンで、加電圧45KVで上記接着樹脂粉体を図1に示されるような一端に円盤部を有する口金部材の円盤部に表1に示すような塗膜厚300μmに静電塗布後、200℃のオーブンに30分間入れ、塗布された口金部材を得た。その結果(接着強度、塗面平滑性等)を表1に示した。
図2に示すように、上記塗装された口金部材3を支持台15に係属する支持部14にインサートし、口金部材3、3´を設置して、(株)日本製鋼所製NB150連続多層中空成形機を用い、下記条件で、ブロー成形機(図示せず)のダイス11から筒状のパリソン12(a,b)を押出し、金型13(a,b)間に垂下させ、まだ十分パリソンがやわらかい状態で該金型13(a,b)を型閉めし、該パリソン12(a,b)を縮径し、口金部材3の首部をパリソン12と同時にピンチして、空気をブローしてパリソン12を金型13壁に押圧して合成樹脂製ライナー材を形成する。一方、合成樹脂製ライナー材の肩部7と、口金部材3の円盤部8に予め静電塗装で塗布された接着剤4とは内圧により、口金部3(ロッド)が合成樹脂製ライナー材の肩部に押圧されて融着され、容積30リットルの中空容器を作製した。次いで中空容器の外周を、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を含浸させた、カーボンファイバー束を被覆巻回した後、エポキシ樹脂を硬化させてカーボンファイバー繊維強化材(CFRP)層2を形成し、圧力容器10を製造した。
この圧力容器10を用いて、30MPaの水素ガスを充填し、ガス漏れの有無を確認した。ガス漏れの有無については、室温で、30日間放置後のタンク内圧力の経時変化により行った。その結果を表1に示した(○はガス漏れなし、×はガス漏れあり)。
上記の原材料の物性、圧力容器の評価結果等を表1に示した。
成形温度210℃、ブロー圧力1.4MPa、金型温度20℃、吹込時間130secの条件で、外層側から高密度ポリエチレン層/リグラインド層/接着材層/ガスバリヤ−層(EVOH層)/接着材層/高密度ポリエチレン層(最内層)の4種6層(層厚:0.7mm(最外層)/2.0mm/0.1mm/0.15mm/0.1mm/2.0mm(最内層))の円筒状の中空容器を製造した。具体的な層構成は以下のとおりである。
[内外の高密度ポリエチレン樹脂層]
商品名:ノバテックHD HB111R、日本ポリエチレン(株)社製、
密度=0.945g/cm3、メルトフローレート(MFR:測定温度190℃、荷重21.18N)=0.04g/10min、ハイロードメルトフロート(HLMFR:測定温度190℃、荷重211.8N)=6g/10min
[リグラインド材層]
高密度ポリエチレン樹脂、接着材、エチレン−ビニルアルコール共重合体の組成比率は、各々87.2重量%、6.5重量%、6.3重量%である。
[接着材層]
商品名:アドテックス FT61AR3、日本ポリエチレン(株)社製、密度0.933g/cm3、MFR0.6g/10min。
[ガスバリヤ−層]
エチレン−ビニルアルコール共重合体層(EVOH層)
商品名:エバールF101B(株)クラレ製)
[官能基含有ポリエチレン樹脂(X2)の製造]
粉末状の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度:0.924g/cm3、MFR:9g/10分、銘柄:Z50MG、日本ポリエチレン(株)社製 B2と称す)100重量部に、無水マレイン酸0.8部および2,5−ジメチル−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.02部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合した後、モダンマシナリー(株)製50mm単軸押出機を用いて、スクリュー回転数50rpm、樹脂温度280℃の条件で溶融混練し、MFR4g/10min、密度0.925g/cm3、グラフトモノマー量が0.5重量%の官能基含有ポリエチレン樹脂(X2)を得た。
官能基含有ポリエチレン樹脂(X2)20重量%と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度:0.924g/cm3、MFR:9g/10分、銘柄:Z50MG、日本ポリエチレン(株)社製 Y1(B2)と称す)80重量%を、90メッシュふるいをセットした機械式粉砕機を用いて粉砕後、平滑処理して、表1に示したような性状を有する接着樹脂粉体(Z2)を作製した。接着樹脂粉体(Z2)としての密度及びMFRは、それぞれ、表1に示すとおりの値であった。
上記接着樹脂粉体(Z2)を用いて、実施例1と同様に口金部材の円盤部に静電塗装を行い、厚み塗膜300μmと800μmの2種の口金部材を作製し、その物性を表1に示した。次いでこの口金部材を使用して実施例1と同様に圧力容器を製造し、評価した結果を表1に示した。
[官能基含有ポリエチレン樹脂(X3)の製造]
粉末状のシングルサイト系直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度:0.930g/cm3、MFR:3g/10分、銘柄:ハーモレックスLL NW584N、日本ポリエチレン(株)社製、B3と称す)100重量部に、無水マレイン酸0.6部および2,5−ジメチル−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.02部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合した後、モダンマシナリー(株)製50mm単軸押出機を用いて、スクリュー回転数50rpm、樹脂温度280℃の条件で溶融混練し、MFR2g/10min、密度0.930g/cm3、グラフト化率0.4重量%の官能基含有ポリエチレン樹脂(X3)を得た。
官能基含有ポリエチレン樹脂(X3)20重量%と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度:.924g/cm3、MFR:9g/10分、銘柄:Z50MG、日本ポリエチレン(株)社製 Y1(B2)と称す)80重量%を、90メッシュふるいをセットした機械式粉砕機を用いて粉砕後、平滑処理して表1に示したような性状を有する接着樹脂粉体(Z3)を作製した。接着樹脂粉体(Z3)としての密度及びMFRは、それぞれ、表1に示すとおりの値であった。
上記接着樹脂粉体(Z3)を用いて、実施例1と同様に口金部材の円盤部に静電塗装を行い、厚み塗膜300μmの口金部材を作製し、その物性を表1に示した。次いでこの口金部材を使用して実施例1と同様に圧力容器を製造し、評価した結果を表1に示した。
[接着樹脂粉体(Z4)の製造]
官能基含有ポリエチレン樹脂(X1)20重量%と高密度ポリエチレン樹脂(密度:0.963g/cm3、MFR:7.0g/10分、銘柄:HM560N、日本ポリエチレン(株)社製、A2と称す)80重量%を、90メッシュふるいをセットした機械式粉砕機を用いて粉砕後、平滑処理して表1に示したような性状を有する接着樹脂粉体(Z4)を作製した。接着樹脂粉体(Z4)としての密度及びMFRは、それぞれ、表1に示すとおりの値であった。
上記接着樹脂粉体(Z4)を用いて、実施例1と同様に口金部材の円盤部に静電塗装を行い、厚み塗膜300μmの口金部材を作製し、その物性を表1に示した。次いでこの口金部材を使用して実施例1と同様に圧力容器を製造し、評価した結果を表1に示した。
[官能基含有ポリエチレン樹脂(X4)〜(X7)の製造]
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度:0.921g/cm3、MFR:16g/10分、銘柄:UJ370G、日本ポリエチレン(株)社製 B1と称す)80重量部と低密度ポリエチレン樹脂(密度:0.919g/cm3、MFR:8.5g/10分、銘柄:LC607A、日本ポリエチレン(株)社製、C1と称す)20重量部とからなる粉末状のポリエチレン樹脂混合物(B1+C1)100重量部に、無水マレイン酸0.8部および2,5−ジメチル−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.02部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合した後、モダンマシナリー(株)製50mm単軸押出機を用いて、スクリュー回転数50rpm、樹脂温度280℃の条件で溶融混練し、官能基含有ポリエチレン樹脂(X4)を得た。
また、官能基含有ポリエチレン系樹脂用の下記原料樹脂A、B、CおよびDの各樹脂を表2に示す割合で配合し、上記官能基含有ポリエチレン樹脂(X4)と同様にして官能基含有ポリエチレン樹脂(X5)〜(X7)を得た。
原料樹脂:
A1:高密度ポリエチレン樹脂(密度:0.958g/cm3、MFR:20g/10分、銘柄:HS490P、日本ポリエチレン(株)社製
B1:直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度:0.921g/cm3、MFR:16g/10分、銘柄:UJ370G、日本ポリエチレン(株)社製
C1:低密度ポリエチレン樹脂(密度:0.919g/cm3、MFR:8.5g/10分、銘柄:LC607A、日本ポリエチレン(株)社製
D1:直鎖状超低密度ポリエチレン(密度:0.870g/cm3、MFR:5g/10分、銘柄:エンゲージ8200、ダウ・ケミカル日本(株)製
官能基含有ポリエチレン樹脂(X4)〜(X7)の各20重量%と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度:0.924g/cm3、MFR:9g/10分、銘柄:Z50MG、日本ポリエチレン(株)社製 Y1(B2)と称す)80重量%を、90メッシュふるいをセットした機械式粉砕機を用いて粉砕後、平滑処理して表2に示したような性状を有する接着樹脂粉体(Z5)〜(Z8)を作製した。各接着樹脂粉体(Z5)〜(Z8)の密度及びMFRは、それぞれ、表2に示すとおりの値であった。
上記接着樹脂粉体(Z5)〜(Z8)を用いて、実施例1と同様に口金部材の円盤部に静電塗装を行い、厚み塗膜300μmの口金部材を作製し、その物性を表2に示した。
また、この口金部材を使用して実施例1と同様に圧力容器を製造し、評価した結果を表2に示した。
接着樹脂粉体(Z9)として、実施例1で使用した官能基含有ポリエチレン樹脂(X1)の20重量%と、未変性ポリエチレン樹脂(Y)として低密度ポリエチレン(密度:0.919g/cm3、MFR:8.5g/10分、銘柄:LC607A、日本ポリエチレン(株)社製 Y2(C1)と称す)80重量%を溶融混練し、90メッシュふるいをセットした機械式粉砕機を用いて粉砕後、平滑処理して表3に示したような性状を有する接着樹脂粉体(Z9)を作製した。上記接着樹脂粉体(Z9)を用いて、実施例1と同様に口金部材の円盤部に静電塗装を行い、厚み塗膜300μmの口金部材を作製し、その物性を表3に示した。
また、接着樹脂粉体(Z10)については実施例1で使用した官能基含有ポリエチレン樹脂(X1)の50重量%と、未変性ポリエチレン(Y)として直鎖状超低密度ポリエチレン(密度:0.870g/cm3、MFR:5g/10分、銘柄:エンゲージ8200、ダウ・ケミカル日本(株)社製、Y3(D1)と称す))50重量%を90メッシュふるいをセットした機械式粉砕機を用いて、表3に示したような性状を有する接着樹脂粉体(Z10)を作製した。
さらに、接着樹脂粉体(Z11)については、実施例1で使用した官能基含有ポリエチレン樹脂(X1)の50重量%と、熱可塑性エラストマー(密度:0.870g/cm3、MFR:5g/10分、銘柄:タフマーP−0180、三井化学(株)社製)50重量% Y4(E1)と称す)を、90メッシュふるいをセットした機械式粉砕機を用いて粉砕後、平滑処理して表3に示したような性状を有する接着樹脂粉体(Z11)を作製した。
上記接着樹脂粉体(Z9)〜(Z11)を用いて、実施例1と同様に口金部材の円盤部に静電塗装を行い、厚み塗膜300μmの口金部材を作製し、その物性を表3に示した。
またこれらの口金部材を使用して実施例1と同様に圧力容器を製造し、評価した結果を表3に示した。
官能基含有ポリエチレン系樹脂(X)としてエチレン−無水マレイン酸(MAH)−メチルアクリレート(MA)のランダム三元共重合体(密度=0.94g/cm3、MFR=8、MAH=3重量%、MA=10重量%、日本ポリエチレン(株)社製、ETと称す)20重量%と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度:0.924g/cm3、MFR:9g/10分、銘柄:Z50MG、日本ポリエチレン(株)社製 Y1(B2)と称す)80重量%を、90メッシュふるいをセットした機械式粉砕機を用いて粉砕後、平滑処理して表3に示したような性状を有する接着樹脂粉体(Z12)を作製した。
上記接着樹脂粉体(Z12)を用いて、実施例1と同様に口金部材の円盤部に静電塗装を行い、厚み塗膜300μmの口金部材を作製し、その物性を表3に示した。
また、この口金部材を使用して実施例1と同様に圧力容器を製造し、評価した結果を表3に示した。
上記実施例1において、接着樹脂の代わりに口金部材に未変性直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.924g/cm3、MFR:9g/10分、銘柄:Z50MG、日本ポリエチレン(株)社製 Y1(B2)と称す)粉体(Z13)を使用した以外は実施例1と同様に圧力容器を製造し、評価した結果を表4に示した。
[接着樹脂粉体(Z14)の製造]
官能基含有ポリエチレン樹脂(X2)20重量%と、未変性ポリエチレン(Y)として直鎖状超低密度ポリエチレン(密度:0.870g/cm3、MFR:5g/10分、銘柄:エンゲージ8200、ダウ・ケミカル日本(株)社製 Y5(D1)と称す)80重量%を溶融混練あるいはドライブレンド後、40メッシュふるいをセットした機械式粉砕機を用いて粉砕後、平滑処理して表4に示したような性状を有する接着樹脂粉体(Z14)を作製した。接着樹脂粉体(Z14)としての密度及びMFRは、それぞれ、表4に示すとおりの値であった。
上記実施例1の方法と同じように口金部材に静電塗装して、その塗膜の接着強度、塗面平滑性等を表4に示した。
また、その口金部材を使用して実施例1と同様に圧力容器を製造し、評価した結果を表4に示した。
<参考例1、2>
官能基含有ポリエチレン樹脂(X2)20重量%と未変性直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.924g/cm3、MFR:9g/10分、銘柄:Z50MG、日本ポリエチレン(株)社製 Y1(B2)と称す)80重量%を溶融混練あるいはドライブレンド後、60メッシュのふるいをセットした機械式粉砕機を用いて粉砕後、平滑処理して表5に示したような性状を有する接着樹脂粉体(Z15)を作製した。
上記接着樹脂粉体(Z15)を使用して、実施例1の方法と同じように口金部材に静電塗装により、300μm、800μmの塗膜を形成した口金部材を作製した。その塗膜の接着強度、塗面平滑性等を表5に示した。
また、その口金部材を使用して実施例1と同様に圧力容器を製造し、評価した結果を表5に示した。
官能基含有ポリエチレン樹脂(X2)20重量%と未変性直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.924g/cm3、MFR:9g/10分、銘柄:Z50MG、日本ポリエチレン(株)社製Y1(B2)と称す)80重量%を溶融混練あるいはドライブレンド後、90メッシュふるいをセットした機械式粉砕機を用いて、表5に示したような性状を有する接着樹脂粉体(Z16)を作製した。接着樹脂粉体(Z16)の密度及びMFRは、それぞれ、表5に示すとおりの値であった。
上記接着樹脂粉体(Z16)を使用して、実施例1の方法と同じように口金部材に静電塗装により、2.3mmの塗膜を形成した口金部材を作製した。その塗膜の接着強度、塗面平滑性等を表5に示した。
また、その口金部材を使用して実施例1と同様に圧力容器を製造し、評価した結果を表5に示した。
官能基含有ポリエチレン樹脂(X2)20重量%と未変性直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.924g/cm3、MFR:9g/10分、銘柄:Z50MG、日本ポリエチレン(株)社製Y1(B2)と称す)80重量%を溶融混練あるいはドライブレンド後、90メッシュふるいをセットした機械式粉砕機を用いて粉砕後、平滑処理を行わないで、表5に示したような静止摩擦係数を有する接着樹脂粉体(Z16)を作製した。接着樹脂粉体(Z17)の密度及びMFRは、それぞれ、表5に示すとおりの値であった。
上記接着樹脂粉体(Z17)を使用して、実施例1の方法と同じように口金部材に静電塗装により、300μmの塗膜を形成した口金部材を作製した。その塗膜の接着強度、塗面平滑性等を表5に示した。
また、その口金部材を使用して実施例1と同様に圧力容器を製造し、評価した結果を表5に示した。
官能基含有ポリエチレン樹脂(X2)20重量%と未変性直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.924g/cm3、MFR:9g/10分、銘柄:Z50MG、日本ポリエチレン(株)社製Y1(B2)と称す)80重量%を溶融混練あるいはドライブレンド後、90メッシュふるいをセットした機械式粉砕機のカッタークリアランスを調製し、表5に示したような嵩比重を有する接着樹脂粉体(Z18)を作製した。接着樹脂粉体(Z18)の密度及びMFRは、それぞれ、表5に示すとおりの値であった。
上記接着樹脂粉体(Z18)を使用して、実施例1の方法と同じように口金部材に静電塗装により、300μmの塗膜を形成した口金部材を作製した。その塗膜の接着強度、塗面平滑性等を表5に示した。
また、その口金部材を使用して実施例1と同様に圧力容器を製造し、評価した結果を表5に示した。
表1〜表3の実施例1〜実施例13に示されるように、予め粉体塗装で接着剤を均一に施した口金部材を使用することにより、接着強度が高く、ガス漏れもなく、気密シール性(耐圧性)、耐久性等の著しく向上した圧力容器が提供される。
また、表4の比較例1のように接着樹脂の配合量が本発明の特許請求の範囲外では、接着強度が低く、気密シール性が悪かった。また、実施例14の密度を低くした場合には接着層が柔らかくなり、幾分塗装ムラが生じ、ガス漏れテストでは40日で漏れが発生した。しかし、ガス充填圧力が低い場合には十分に使用可能である。
2 補強材層
3、3´ 口金部材
4、4´ 接着剤
5 外側口金部
6 Oリング
7 中空容器(ライナー材)の肩部
8 口金の円盤部
10 圧力容器
11 押出しダイス
12a パリソンa
12b パリソンb
13a 金型a
13b 金型b
14 支持部
15 支持台
Claims (14)
- 合成樹脂製ライナー材で形成された中空容器と、該中空容器の外層に設けられた補強材で形成された補強材層とを有し、かつ少なくとも1つの口金部材を有する圧力容器であって、前記口金部材に接着剤による接着剤層が粉体塗装により形成され、前記接着剤層を介して中空容器と口金部材とが接着または溶着されている圧力容器。
- 前記粉体塗装の際に使用される粉体が、中位粒度が90〜150メッシュ、嵩比重が0.2〜0.5g/cc、および静止摩擦係数が0.7〜0.9である請求項1に記載の圧力容器。
- 前記接着剤層の厚みが、10μm〜2mmである請求項1または2に記載の圧力容器。
- 前記接着剤が、下記(a)〜(e)の少なくとも1種の官能基を含有するポリオレフィン系樹脂またはその組成物からなる接着剤である請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧力容器。
[官能基]
(a)カルボン酸基またはカルボン酸無水物基
(b)エポキシ基
(c)ヒドロキシル基
(d)アミノ基
(e)シリル基 - 前記接着剤が、前記(a)〜(e)の少なくとも1種の官能基を含有する下記(A)〜(D)から選択された少なくとも1種のポリエチレン系樹脂(X)0.5〜100重量%と、下記(A)〜(E)から選ばれる少なくとも1種の未変性ポリエチレン系樹脂(Y)0〜99.5重量%とからなる、(z1)密度0.86〜0.97g/cm3、(z2)メルトフローレート0.01〜100g/10minの接着樹脂(Z)からなる請求項4に記載の圧力容器。
(A):(a1)密度0.94〜0.97g/cm3、(a2)メルトフローレート0.01〜100g/10minを有する高密度ポリエチレン樹脂
(B):(b1)密度0.90〜0.94g/cm3未満、(b2)メルトフローレート0.01〜100g/10minの直鎖状低密度ポリエチレン樹脂
(C):(c1)メルトフローレート0.01〜100g/10minの高圧ラジカル法ポリエチレン系樹脂
(D):(d1)密度0.86〜0.90g/cm3未満、(d2)メルトフローレート0.01〜100g/10minの超低密度ポリエチレン樹脂
(E):熱可塑性エラストマー - 前記(A)、(B)または(D)が、シングルサイト系触媒で製造されたポリエチレン樹脂である請求項5に記載の圧力容器。
- 前記接着樹脂(Z)が、官能基含有ポリエチレン系樹脂(X)5〜95重量%と、未変性ポリエチレン系樹脂(Y)5〜95重量%とからなる請求項5または6に記載の圧力容器。
- 前記接着剤が、前記(a)〜(e)の少なくとも1種の官能基を、接着剤全体の重量を基準として、0.001〜30重量%含有する請求項4〜7のいずれか一項に記載の圧力容器。
- 前記合成樹脂製ライナー材は、少なくとも密度0.92〜0.97g/cm3のポリエチレン系樹脂を含む合成樹脂材料である請求項1〜8のいずれか一項に記載の圧力容器。
- 前記合成樹脂製ライナー材は、ポリエチレン系樹脂層内に、エンジニアリングプラスチック、金属部材および無機充填剤の少なくとも1種が分散された合成樹脂材料である請求項1〜9のいずれか一項に記載の圧力容器。
- 前記合成樹脂製ライナー材は、少なくとも熱可塑性樹脂層/接着層/バリア層を含む積層体からなる請求項1〜10のいずれか一項に記載の圧力容器。
- 前記補強材が、繊維強化材である請求項1〜11のいずれか一項に記載の圧力容器。
- 合成樹脂製ライナー材で形成された中空容器と、該中空容器の外層に設けられた補強材で形成された補強材層とを有し、かつ少なくとも1つの口金部材を有する圧力容器の製造方法であって、該口金部材に粉体塗装により接着剤層を設け、該接着剤層を介して中空容器と口金部材とを接着または溶着する圧力容器の製造方法。
- 前記中空容器を、合成樹脂製ライナー材のブロー成形により形成する請求項13に記載の圧力容器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006355938A JP4808152B2 (ja) | 2006-12-28 | 2006-12-28 | 圧力容器及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006355938A JP4808152B2 (ja) | 2006-12-28 | 2006-12-28 | 圧力容器及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008164112A true JP2008164112A (ja) | 2008-07-17 |
JP4808152B2 JP4808152B2 (ja) | 2011-11-02 |
Family
ID=39693846
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006355938A Active JP4808152B2 (ja) | 2006-12-28 | 2006-12-28 | 圧力容器及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4808152B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011145300A1 (ja) | 2010-05-19 | 2011-11-24 | 八千代工業株式会社 | 圧力容器の口金部材とブローピンとの係合構造並びにこれを有する圧力容器の口金構造および圧力容器の製造方法 |
US20140120204A1 (en) * | 2010-03-10 | 2014-05-01 | GM Global Technology Operations LLC | Apparatus for producing a liner of a container |
JP2015004398A (ja) * | 2013-06-20 | 2015-01-08 | 八千代工業株式会社 | 圧力容器およびその製造方法 |
EP2876351A4 (en) * | 2012-07-18 | 2015-10-28 | Mitsubishi Rayon Co | PRESSURE VESSEL |
CN111043517A (zh) * | 2018-10-11 | 2020-04-21 | 丰田自动车株式会社 | 压力容器 |
Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0812818A (ja) * | 1994-06-28 | 1996-01-16 | Ube Ind Ltd | 接着性ポリエチレン組成物 |
JPH0841261A (ja) * | 1994-07-29 | 1996-02-13 | Ube Ind Ltd | 接着性ポリエチレン組成物 |
JPH08219391A (ja) * | 1995-02-15 | 1996-08-30 | Toray Ind Inc | ガスボンベおよびその製造方法 |
JPH09216311A (ja) * | 1996-02-08 | 1997-08-19 | Dai Ichi High Frequency Co Ltd | 被覆金属材の製造方法 |
JPH10141594A (ja) * | 1996-11-08 | 1998-05-29 | Nippon Steel Chem Co Ltd | 高圧容器用ライナー成形品 |
JPH10332084A (ja) * | 1997-05-28 | 1998-12-15 | Mitsubishi Chem Corp | 耐圧容器 |
JPH1113995A (ja) * | 1997-06-23 | 1999-01-22 | Kobe Steel Ltd | プラスチックライナーfrp圧力容器の口金構造 |
JP2001050494A (ja) * | 1999-08-11 | 2001-02-23 | High Pressure Gas Safety Institute Of Japan | 耐圧容器 |
JP2005009559A (ja) * | 2003-06-18 | 2005-01-13 | Ihi Aerospace Co Ltd | シェル用積層体及びこれを用いた圧力容器 |
JP2006096900A (ja) * | 2004-09-30 | 2006-04-13 | Ube Ind Ltd | 粉体塗装用のエチレン樹脂粉体、及びこの粉体を被覆した被覆物 |
-
2006
- 2006-12-28 JP JP2006355938A patent/JP4808152B2/ja active Active
Patent Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0812818A (ja) * | 1994-06-28 | 1996-01-16 | Ube Ind Ltd | 接着性ポリエチレン組成物 |
JPH0841261A (ja) * | 1994-07-29 | 1996-02-13 | Ube Ind Ltd | 接着性ポリエチレン組成物 |
JPH08219391A (ja) * | 1995-02-15 | 1996-08-30 | Toray Ind Inc | ガスボンベおよびその製造方法 |
JPH09216311A (ja) * | 1996-02-08 | 1997-08-19 | Dai Ichi High Frequency Co Ltd | 被覆金属材の製造方法 |
JPH10141594A (ja) * | 1996-11-08 | 1998-05-29 | Nippon Steel Chem Co Ltd | 高圧容器用ライナー成形品 |
JPH10332084A (ja) * | 1997-05-28 | 1998-12-15 | Mitsubishi Chem Corp | 耐圧容器 |
JPH1113995A (ja) * | 1997-06-23 | 1999-01-22 | Kobe Steel Ltd | プラスチックライナーfrp圧力容器の口金構造 |
JP2001050494A (ja) * | 1999-08-11 | 2001-02-23 | High Pressure Gas Safety Institute Of Japan | 耐圧容器 |
JP2005009559A (ja) * | 2003-06-18 | 2005-01-13 | Ihi Aerospace Co Ltd | シェル用積層体及びこれを用いた圧力容器 |
JP2006096900A (ja) * | 2004-09-30 | 2006-04-13 | Ube Ind Ltd | 粉体塗装用のエチレン樹脂粉体、及びこの粉体を被覆した被覆物 |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20140120204A1 (en) * | 2010-03-10 | 2014-05-01 | GM Global Technology Operations LLC | Apparatus for producing a liner of a container |
US9463592B2 (en) * | 2010-03-10 | 2016-10-11 | GM Global Technology Operations LLC | Apparatus for producing a liner of a container |
WO2011145300A1 (ja) | 2010-05-19 | 2011-11-24 | 八千代工業株式会社 | 圧力容器の口金部材とブローピンとの係合構造並びにこれを有する圧力容器の口金構造および圧力容器の製造方法 |
US9227356B2 (en) | 2010-05-19 | 2016-01-05 | Yachiyo Industry Co., Ltd. | Engagement structure between a mouth member of a pressure vessel and a blow pin, mouth member structure of a pressure vessel having the engagement structure and method of making a pressure vessel |
EP2573447B1 (en) * | 2010-05-19 | 2016-11-09 | Yachiyo Industry Co., Ltd. | Engagement structure, and method for manufacturing a pressure vessel incorporated with such a structure |
EP2876351A4 (en) * | 2012-07-18 | 2015-10-28 | Mitsubishi Rayon Co | PRESSURE VESSEL |
US9523466B2 (en) | 2012-07-18 | 2016-12-20 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Pressure vessel |
JP2015004398A (ja) * | 2013-06-20 | 2015-01-08 | 八千代工業株式会社 | 圧力容器およびその製造方法 |
CN111043517A (zh) * | 2018-10-11 | 2020-04-21 | 丰田自动车株式会社 | 压力容器 |
US11346500B2 (en) | 2018-10-11 | 2022-05-31 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Pressure vessel |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4808152B2 (ja) | 2011-11-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2008164131A (ja) | 圧力容器及びその製造方法 | |
JP4961204B2 (ja) | 圧力容器及びその製造方法 | |
JP2008164134A (ja) | 圧力容器及びその製造方法 | |
JP4961202B2 (ja) | 圧力容器及びその製造方法 | |
JP4961203B2 (ja) | 圧力容器及びその製造方法 | |
JP4808152B2 (ja) | 圧力容器及びその製造方法 | |
JP6311572B2 (ja) | 導電性ポリエチレン樹脂組成物並びにそれを用いた成形品、および積層体 | |
EP1270671B1 (en) | Resin structure and use thereof | |
CN102537653B (zh) | 包含流质密封材料的气体储存罐 | |
JP4714672B2 (ja) | 圧力容器及びその製造方法 | |
US20060099365A1 (en) | Joint part for resin fuel tank and manufacturing method thereof | |
JP2008164113A (ja) | 口金部材及びそれを用いた圧力容器とその製造方法 | |
JP2020157609A (ja) | 立体造形装置用樹脂成形材料および立体造形装置用フィラメント | |
JP2016120963A (ja) | 蓋材 | |
US8485385B2 (en) | Welding material and fuel tank thereby welded | |
WO1998051489A1 (fr) | Objets moules composites en resine de polyester | |
JP2013203018A (ja) | 圧力容器ライナー用積層体、圧力容器及びその製造方法 | |
JP2007283582A (ja) | 水素供給用多層樹脂管 | |
JP4945355B2 (ja) | 溶着材料及びそれを用いた燃料タンク | |
JP2006182013A (ja) | 透過防止用部材 | |
JP2018105441A (ja) | 圧力容器ライナー用ポリエチレン組成物及びその製造方法、並びに圧力容器 | |
JP5906890B2 (ja) | 圧力容器ライナー用熱可塑性樹脂、圧力容器及びその製造方法 | |
CN115053094A (zh) | 用于运输或储存氢气的多层结构体 | |
JP3149588B2 (ja) | 積層構造体 | |
JP2006008160A (ja) | 多層容器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090108 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20101005 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110301 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110428 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110726 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110816 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140826 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 4808152 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140826 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140826 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140826 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |