JP2008163766A - 電動圧縮機 - Google Patents

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Mitsunori Taniguchi
光徳 谷口
Masahiko Makino
雅彦 牧野
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Abstract

【課題】ケーシングを大型化することなくインバータの冷却を効率的に図ることができ、エンジン直付け等の高温、強振動下においても、信頼性、性能を損なわず運転できるインバータ内蔵の電動圧縮機を提供するものである。
【解決手段】圧縮機構部5と、圧縮機構部5を駆動する電動機4とを内蔵したケーシング本体3と、電動機4を駆動するインバータ8を内蔵したインバータケース7とを備え、インバータ8の伝熱面部材19を冷却する主冷却手段としてサーモモジュール20を具備した電動圧縮機において、インバータ8およびインバータケース7内の空間をサーモモジュール20で冷却し、インバータ8を構成する部品、回路の熱による劣化促進を抑制することで、性能および信頼性の向上をはかるものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧縮機構部と、この圧縮機構部を駆動する電動機を機体容器(ケーシング)に内蔵し、さらに、前記電動機の駆動(回転)を制御するインバータ制御装置を前記機体容器に設けた電動圧縮機に関するものである。
この種の電動圧縮機として、圧縮機構部および電動機を具備する圧縮機部と、前記電動機の駆動を制御するインバータ制御装置の収納部を気密状態に仕切り、一つの機体容器として一体化した構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図4は、上記特許文献1に示される電動圧縮機の縦断面図であり、電動機111を収容した機体容器112内に圧縮機構部113を組込み、さらに圧縮機構部113を挟む如く電動機111と反対側に位置してインバータ制御装置114を収容した蓋体115が、機体容器112と気密状態に仕切られて設けられた構成を示している。
そして、機体容器112と蓋体115は、同軸上に配置され、ボルト等で締結されている。また、インバータ制御装置114は、その発熱部が圧縮機構部113に面して配置されている。
したがって、圧縮機構部113に設けられた吸入口116より流入された吸入冷媒は、一旦蓋体115と圧縮機構部113の間に形成された通路117に導かれ、インバータ制御装置114の発熱部と熱交換を図った後、圧縮機構部113に吸入される。
さらに圧縮機構部113で圧縮された冷媒ガスは、電動機111を冷却した後、機体容器112に設けられた吐出口118より吐出される。
特開2004−183631号公報
しかし、上記特許文献1に記載の構造は、吸入冷媒の温度のみによってインバータ制御装置114の高発熱部品を冷却する構造であるため、圧縮機の低速運転時、即ち冷媒循環量が少ない場合、あるいは負荷変動等によって吸入冷媒温度が高くなった場合等では十分な熱交換が行えなくなり、インバータ制御装置114の発熱部品が冷却不足となって性能、信頼性に大きな影響を及ぼす可能性がある。
また、前記圧縮機が自動車用のエアコンとして用いられ、エンジンに直接装着される場合には、エンジンの熱によって圧縮機内部の温度が異常に上昇し、さらには圧縮機が停止中の場合でも前記エンジンの熱によってインバータ部品が高温に加熱され、その加熱によってインバータ部品の劣化を加速する要因を含む構成であった。
上述の如く、圧縮機がエンジンに装着された環境は、100℃を超える場合もあり、また炎天下での駐車状態においても相当の高温に晒される状態にある。
また、電気自動車あるいは、ルームエアコンの如く居室用の空気調和機においても、インバータ制御装置114は同様の環境下に晒され、同様に熱による部品の劣化を加速する要因を含む構成である。
したがって、インバータ部品に求められる信頼条件は、相当過酷なもので、上記特許文献1に示される冷却技術では前記インバータ部品の劣化の抑制に限界があり、また特に車両に搭載される圧縮機の場合は、インバータ部品の冷却の関係から圧縮機の取付け位置、方向性等において制約されることが多く、設計の自由度を増す等の改善策が求められるものであった。
さらに、前記インバータ制御装置114は、動作時に発熱する特性を有しているため、エンジン搭載の有無に係わらずインバータ制御装置114を冷却する構成が必要とされている。
本発明は、上記従来の課題に着目し、主として、機体容器(ケーシング)を大型化することなくインバータ制御装置の冷却が効率的に行える電動圧縮機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために本発明は、インバータ制御装置を、サーモモジュール(ペルチェ素子あるいはペルチェモジュールとも称される)の冷却作用を利用して冷却するようにしたものである。
さらに詳述すると、冷媒の吸入、圧縮および吐出を行う圧縮機構部と、該圧縮機構部を駆動する電動機とを内蔵したケーシングに、前記電動機を駆動制御するインバータ制御装置内蔵のインバータケースを組込んだ電動圧縮機において、前記インバータ制御装置を冷却する冷却手段として、少なくとも前記インバータ制御装置における発熱部の冷却を行い、必要に応じて前記インバータケース内部空間の冷却を行うサーモモジュールを、前記インバータケースに取付けたものである。
したがって、前記インバータ制御装置における発熱部と、前記インバータ制御装置を構成するパワーモジュールおよび周辺回路部品を、前記サーモモジュールによる冷却作用にて冷却、もしくはその温度上昇を抑制することができる。
本発明の電動圧縮機は、電動機の回転、駆動を制御するインバータ制御装置の発熱部を、サーモモジュールにおける吸熱面からの熱伝導作用あるいは熱伝達(輻射を含む)作用によって冷却することができ、またインバータケース内部空間の温度上昇を、インバータケースからの冷却作用によって抑制することができる。
したがって、圧縮機の運転中および運転停止直後はもちろんのこと、圧縮機の停止時において前記インバータ制御装置が高温状態に晒されるような状況のように、必要時に前記サーモモジュールの通電を制御することによって前記インバータ制御装置の冷却(温度上昇の抑制を含む)を行うことができるため、圧縮機の運転時におけるインバータ制御装置の効率の低下を抑制することが可能となり、またインバータ部品の熱による劣化を抑制することができる。
さらに、前記電動圧縮機がハイブリッド車等の如くエンジンに直接装着される場合であっても、インバータ部品の冷却の関係から圧縮機の取付け位置、方向性等が制約されるといったことも緩和され、設計の自由度が増し、車両への装着性を損なうこともない。さらに、直接エンジンに装着される場合は、エンジンからの加熱、振動等の過酷な環境下に晒されることになるが、前述の如く冷却作用によって、電動圧縮機としての性能および信頼性を損なわず、電動圧縮機を運転することが可能となる。
請求項1に記載の発明は、冷媒の吸入、圧縮および吐出を行う圧縮機構部と前記圧縮機構部を駆動する電動機を内蔵したケーシングと、前記電動機を駆動するインバータ制御装置を内蔵したインバータケースと、前記インバータ制御装置の発熱部の冷却手段として、放熱面と吸熱面を具備するサーモモジュールを用いた電動圧縮機において、前記サーモモジュールの吸熱面を、前記インバータケースと熱伝導あるいは熱伝達によって熱が伝わるように前記インバータケースの外面側に取付け、さらに前記インバータ制御装置の発熱部を、前記インバータケース内面と少なくとも熱伝導あるいは熱伝達あるいは輻射のいずれかによって熱が伝わるように配置したものである。
かかる構成とすることにより、前記インバータ制御装置における発熱部を、前記サーモモジュールの吸熱作用にて冷却することができ、さらに、前記サーモモジュールの吸熱面からの熱の伝わりによって冷却されたインバータケースの輻射冷却作用によって前記インバータケース内の温度上昇を抑制するため、インバータケース内の温度上昇要因であるインバータ制御装置とインバータケース内空間の温度上昇を、熱伝導と熱伝達(輻射を含む)の両方の作用によって抑制することができる。
したがって、インバータ制御装置を構成する発熱部および周辺回路の冷却が行え、前記インバータ制御装置を構成するインバータ部品の熱による劣化(劣化の加速)を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、冷媒の吸入、圧縮および吐出を行う圧縮機構部と前記圧縮機構部を駆動する電動機を内蔵したケーシングと、前記電動機を駆動するインバータ制御装置を内蔵したインバータケースと、前記インバータ制御装置の発熱部の冷却手段として、放熱面と吸熱面を具備するサーモモジュールを用い、さらに前記インバータケース内部の空間の冷却に、吸入冷媒温度を利用した電動圧縮機において、前記サーモモジュールの吸熱面を、前記インバータケースと熱伝導あるいは熱伝達によって熱が伝わるように前記インバータケースの外面側に取付け、さらに前記インバータ制御装置の発熱部を、前記インバータケース内面と少なくとも熱伝導あるいは熱伝達あるいは輻射のいずれかによって熱が伝わるように配置したものである。
かかる構成とすることにより、上記請求項1による作用効果に加え、前記吸入冷媒の温度を利用して前記インバータケース内の空間の温度上昇を抑制することができ、前記インバータ制御装置およびその周辺回路部品の熱による劣化(劣化の加速)を抑制することができるものである。
請求項3に記載の発明は、前記インバータケースと隣接するケーシング側に、前記インバータ制御装置における発熱部の前記インバータケースからの離反を規制する規制手段を設けたものである。
かかる構成とすることにより、前記インバータ制御装置における発熱部と前記サーモモジュールにおける吸熱面との熱交換状態が維持でき、インバータケースを介しての熱伝導あるいは熱伝達による冷却作用の安定化がはかれるものである。
請求項4に記載の発明は、前記ケーシングを、一面が開口し、内部に前記圧縮機構部および前記電動機を収納したケーシング本体と、前記一面を閉塞する蓋体を具備する構成とし、前記インバータケースを、断熱材を介して前記ケーシング本体もしくは前記蓋体の少なくとも一方に取付けたものである。
かかる構成とすることにより、前記インバータケース側と前記ケーシング本体側間での熱の移動を抑制することができ、前記インバータケース内空間の熱負荷(環境)の変化を抑制することができる。その結果、前記サーモモジュールの能力設定が行え易くなり、また、前記インバータ制御装置の冷却に必要な能力も設定し易くなり、これらによってインバータ制御装置を効率よく冷却することができる。また、吸入冷媒温度を利用してインバータケース内を冷却する構成においても同様に能力設定の阻害要因を少なくすることができ、損失の少ない冷却作用を行うことができる。
請求項5に記載の発明は、前記サーモモジュールの放熱面に、その放熱作用を促進する伝熱促進手段を設けたものである。
かかる構成とすることにより、前記サーモモジュールにおける吸熱面と放熱面の温度差を小さくし、サーモモジュールの冷却効率を高めることができる。
請求項6に記載の発明は、前記インバータケースに、前記サーモモジュールの吸熱面を、前記インバータケースへ密着させるように付勢する弾性体を設けたものである。
かかる構成とすることにより、前記弾性体の付勢力によって前記サーモモジュールをインバータケースに押圧固定することができ、その結果、圧縮機の運転等に伴う振動あるいは熱応力が作用しても、前記弾性体の弾性力によってその振動あるいは応力を吸収し、サーモモジュールの故障、破損等を防止することができるものである。
また、熱膨張・収縮等に起因して微妙にインバータケースに歪が生じても、前記弾性体の付勢力によって前記サーモモジュールとの当接状態を維持することが可能となり、その結果、前記サーモモジュールの吸熱作用および放熱作用の安定化がはかれるものである。
請求項7に記載の発明は、前記インバータケースに、前記サーモモジュールの放熱面側に設けられた弾性体を介して、前記サーモモジュールを前記インバータケース外面に固定する固定具を設け、さらに前記サーモモジュール側部の少なくとも一部に、前記サーモモジュールにおける放熱面から吸熱面への熱の移動を抑止する断熱層を設けたものである。
かかる構成とすることにより、前記固定具と弾性体によるサーモモジュールの固定と、前述の振動、応力に対する保護が行え、また前記断熱層によって前記サーモモジュールの放熱面から吸熱面への熱のリークを抑制することができる。その結果、前記サーモモジュールにおける吸熱面、放熱面からの吸熱作用、放熱作用が正規(定格)の状態もしくはそれに近い状態で行え、冷却効率維持の阻害を低減することができる。
請求項8に記載の発明は、前記インバータケースにおける前記インバータ制御装置と対向する位置に、前記蓋体側へ突出する凹部を設け、前記サーモモジュールを前記凹部内に配置したものである。
かかる構成とすることにより、前記凹部をサーモモジュール装着時の位置決め作業に利用することができ、また前記サーモモジュールのインバータケース内への突出度合いが大きくなり、インバータケース内空間容積を小さくすることができる。
その結果、サーモモジュールの冷却負荷(空間容積)が少なくでき、前記サーモモジュールの冷却作用を、インバータ制御装置およびインバータケース内空間における温度上昇の抑制に供することができる。
請求項9に記載の発明は、前記蓋体に、前記インバータ制御装置側に突出し、前記規制手段を構成する突出部を設けたものである。
かかる構成によれば、前記インバータケースにインバータ制御装置を予め取付けておくことにより、前記インバータケースを前記ケーシングに組込む作業に伴い、前記インバータ制御装置における発熱部の前記インバータケースからの離反規制が行え、部品数の増加が抑制できるとともに、組立て作業性の向上が期待できるものである。
また、予め前記インバータ制御装置を蓋体に取付けて前述の離反規制を行う構成とし、その状態でインバータケースを取付け、インバータケース内面とインバータ制御装置の発熱部を熱伝導あるいは熱伝達可能に配置することもできる。かかる場合においても、同様に部品数の増加抑制と組立て作業性の向上が期待できるものである。
請求項10に記載の発明は、前記インバータケースに、該インバータケースの内外を連通する換気手段を設けたものである。
かかる構成とすることにより、前記インバータケース内における熱のこもりが防止でき、インバータ制御装置を効率よく冷却することができる。
請求項11に記載の発明は、前記換気手段を、少なくとも前記インバータケースに設けた吸気口と排気口および前記インバータケース内空間より構成したものである。
かかる構成とすることにより、インバータケース内空気の流れが形成でき、インバータケース内における熱のこもりが抑制できるものである。
請求項12に記載の発明は、前記吸気口と排気口の少なくとも一方を、他方よりも高い位置に設けたものである。
かかる構成とすることにより、温度が高い暖気の排気が高所から行え、インバータケース内における高温の空気の逃げが円滑となり、また比較的低温の冷却空気は下方に対流し易く、インバータケース内の冷却作用を効率よく行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における電動圧縮機の一部を切り欠いた正面図である。本実施の形態1においては、電動圧縮機1のケーシングの周りに設けた取付け脚2によって横向きに設置される横型の電動圧縮機の場合を一つの例として示している。図2は、同実施の形態の電動圧縮機のインバータ制御装置を具備する回路基板の斜視図である。
同図において、電動圧縮機1は、一端が開口する有底円筒状に形成され、外周の適宜箇所に取付け脚2を複数設けた金属製のケーシング本体3と、そのケーシング本体3内に組込まれた固定子と回転子を具備する電動機(DCブラシレスモータ)4と、ケーシング本体3内に嵌入または圧入された圧縮機構部5を主要構成とし、電動機4の回転軸6は、圧縮機構部5の駆動軸を構成している。
そして、ケーシング本体3における圧縮機構部5側の開口端部は、アルミダイキャスト等の金属製の蓋体7によって閉塞され、ケーシング本体3内を密封状態としている。
電動機4は、後述するインバータ制御装置(以下、インバータと称す)8によって駆動およびその回転数が制御される。この電動圧縮機1において、取り扱う冷媒はガス冷媒であり、各摺動部の潤滑や圧縮機構部5における摺動部のシール、潤滑に供する液としては潤滑油を採用している。
本実施の形態1における電動圧縮機1の圧縮機構部5は、スクロール方式のもので、周知の構成であり、圧縮機構部5に形成された圧縮空間9の容積変化により、外部サイクルから帰還する戻り冷媒(以下、吸入冷媒と称す)10を、蓋体7に設けた吸入口11より圧縮機構部5の吸入側へ吸入し、前述の如く圧縮空間9で圧縮した後、圧縮空間9の略中央に位置する吐出孔12より後述する吐出室12aおよび通路12bを介してケーシング本体3内へ吐出し、ケーシング本体3に設けた吐出口13より熱交換器等を具備する外部サイクル(図示せず)へ吐出する。
上記圧縮機構部5および電動機4のケーシング本体3内への組み込み構成は、周知の構成でよいため、その詳細な説明は省略する。
一方、ケーシング本体3の開口側にOリング等のシール部材14を介して密封性よく嵌合された蓋体7は、ボルト締め等の適宜手段(図示せず)にてケーシング本体3に固定されている。
また、蓋体7においては、その内面に設けた隔壁7aとその先端に設けたOリング等のシール部材15により、圧縮機構部5(固定スクロールの固定鏡板)と気密的に組合せ、吸入口11から圧縮機構部5の吸入側に通じる密閉空間を構成して吸入通路16を形成している。さらに、蓋体7における隔壁7aと反対の面には、後述する突出壁7bが設けられている。
さらに、吸入通路16空間の一部には、隔壁17を介して圧縮機構部5の吐出孔12に連通する吐出室12aが位置している。
インバータ8は、図2に示す如く発熱度の高いスイッチング素子を含む周知のIPM(インテリジェントパワーモジュール)18aとマイクロコンピュータを主体とする制御回路部18b等を具備して構成され、さらにIPM18aの発熱部には、該発熱部と後述するサーモモジュール20の吸熱面間の熱的接続を補完する伝熱面部材19が設けられ、これらは印刷配線基板(以下、回路基板と称す)18上に配置されている。伝熱面部材19は、IPM18aの発熱部と、サーモモジュール20の吸熱面が直接接触する構成にできれば、特に設ける必要はない。
また、回路基板18には、上記電動機4の制御回路に加えて後述するサーモモジュール20の通電を制御する制御回路部20aも並設されている。
回路基板18に搭載されている制御回路部18bおよび制御回路部20a等は、電動圧縮機1の設置される環境に合わせて、耐熱仕様とされる場合もある。
そして、インバータ8と電動機4は、回路基板18に設けられた雌型の接続コネクタ21と、蓋体7の裏面(内面)側の接続室32に設けられた雄型の接続コネクタ(圧縮機ターミナル)4aの嵌合によって電気的に接続されている。この接続については、接続コネクタ21をリード線(図示せず)を介して回路基板18に接続した構成であってもよい。
さらに、蓋体7には、インバータ8および回路基板18等を内蔵したインバータケース22が、ボルト23によって取付けられている。インバータケース22は、ケーシング本体3へ取付ける構成であってもよい。
インバータケース22は、蓋体7と同様にアルミダイキャスト等の金属製であり、埃あるいは雨水等がインバータ8あるいは回路基板18等へ影響しないように防塵・防水構造を形成するものである。
そして、インバータケース22は、蓋体7との当接面(開口周縁)に、断熱材22aを具備しており、蓋体7あるいはケーシング本体3側とインバータケース22間における熱の移動を防止している。この断熱材22aは、アクリル系樹脂、フッ素ゴム、フッ素系樹脂等のいずれかを成分とするシール材、あるいはプラスチックゴム等の如くシール性の他に耐熱機能を備えているものが好ましい。具体的な材料は、周知の範囲で選択することができる。
インバータケース22の外面には、蓋体7側に突出する凹部29が設けられ、蓋体7と対向する面は、平面に形成されている。そして、凹部29には、サーモモジュール20が取付けられている。
このサーモモジュール20は、周知の如く、ペルチェ素子あるいはペルチェモジュールとも称され、例えば、セラミック材等(熱伝導材料を混入したセラミック材を含む)から形成される電気絶縁体の基板上に、複数の電極を配置し、その電極上に電流が直列に流れるように複数の熱電素子を配置したもので、通電によるペルチェ効果により、一方の面で発熱し、他方の面で吸熱を行うものである。
サーモモジュール20は、前述の如くその吸熱面が凹部29の平面部(本実施の形態においては、凹部29の底面)に密着して取付けられ、放熱面が外部空間に面している。そして、前記放熱面には、伝熱促進面を形成する伝熱促進手段が設けられている。本実施の形態1においては、前記伝熱促進手段として、アルミ金属等の熱伝導性材料からなるヒートシンク25を用い、これを前記放熱面に密着することにより、前記伝熱促進面を形成している。また、ヒートシンク25には、表面積を増大するフィン25aが設けられている。これにより、サーモモジュール20における放熱能力を高め、吸熱面との温度差を小さくするようにしてサーモモジュール20の吸熱性能を向上させている。
そして、サーモモジュール20およびヒートシンク25は、インバータケース22の外面にネジ止め等の適宜手段にて取付けられた固定具26により、弾性体27を介して固定されている。
したがって、サーモモジュール20およびヒートシンク25は、弾性体27の付勢力により、インバータケース22に押付けられた状態で固定されている。かかる構成において、サーモモジュール20とインバータケース22、ヒートシンク25の各密着面を、熱良導性の熱伝導グリース等を介して密着させることにより、熱抵抗を低減させてさらに効率を高めることができる。
上述の如く、サーモモジュール20の押付け固定を勘案すれば、弾性体27は、点で押付けるものではなく、面で押付ける形状、例えば、ヒートシンク25の周縁形状に沿った形状でヒートシンク25の周縁を押え付けるコイル状のバネ材、あるいはヒートシンク25の周縁を押え付ける如く波板状に形成された環状のバネ材さらには、耐熱性のゴム材、耐熱性の弾性樹脂材等が好ましい。具体的な材料は、周知の範囲で選択することができる。
かかる弾性体27によるサーモモジュール20の押付け固定は、例えば車両用エアコンとして搭載される電動圧縮機の場合、車両からの振動、あるいはエンジンからの振動等を弾性体27によって吸収することができ、その結果、サーモモジュール20において、振動衝撃による電極と熱電素子の剥離、あるいはセラミック材等の電気絶縁体基板の破損を防止する対策としては有用な取付け構造である。
さらに、サーモモジュール20における側面周囲と凹部29の側壁との間には、断熱層を形成する断熱空間28が設けられている。この断熱空間28は、サーモモジュール20における放熱面の熱が凹部29の側壁を伝って直接吸熱面へリークすることを規制するもので、これにより、サーモモジュール20は、定格通りあるいはそれに近い状態で運転される。
前記断熱層は、断熱空間28に限るものではなく、直接の熱移動を規制する材料、構成であればよいもので、耐熱性の断熱材を断熱空間28に設けることにより、一層高い熱リークの規制効果が期待できる。
ここで、本実施の形態1においては、密着した関係にある複数の物体間における熱の移動を熱伝導と定義し、複数の物体間において空間を介して行う熱の移動を熱伝達(輻射も含む)と定義して説明を進めることとする。
また、インバータケース22の外面には、サーモモジュール20の吸熱面がインバータケース22と密着しているため、サーモモジュール20における吸熱面の吸熱作用は、インバータケース22の全面方向に広がって行われる。
さらに、インバータケース22の内面側には、前述の如くインバータ8が設けられている。具体的には、回路基板18の周縁を、インバータケース22の開口部近辺に形成された段部22bに当接し、ネジ止めすることによって固定されている。
この状態において、インバータ8の伝熱面部材19がインバータケース22に設けた凹部29の平面部と密着あるいは略密着する関係となるように、インバータケース22の段部22bが形成されている。
換言すると、段部22bは、前述の如く回路基板18を固定することにより、伝熱面部材19とインバータケース22が密着あるいは略密着する関係となるようにその寸法が設定されているものである。
さらに、インバータケース22とインバータ8の伝熱面部材19を、サーモモジュール20とインバータケース22、ヒートシンク25の各密着面と同様に、熱良導性の熱伝導グリース等を介して密着させることにより、熱抵抗を低減させてさらに効率を高めることができる。
ここで、インバータ8のインバータケース22への密着あるいは略密着は、以降で述べる作用効果が期待できる程度の熱が伝えられる関係を定義しており、インバータ8の伝熱面部材19とインバータケース22の関係において極微小の空隙を介在した熱伝達作用の場合も相当するもので、以降の説明においては、便宜上前述の極微小の空隙を介在した熱伝達作用も含めて熱伝導と称し、また略密着を含み密着と称して説明する。
また、インバータケース22を蓋体7あるいはケーシング本体3へ取付けた状態においては、蓋体7に形成した突出壁7bが回路基板18と接する如く位置し、回路基板18の蓋体7側への撓みを規制している。突出壁7bは、インバータ8における伝熱面部材19のインバータケース22からの離反を規制する規制手段を構成するものである。
したがって、予めインバータ8の回路基板18を蓋体7に取付け、前述の離反規制が行える程度に突出壁7bの突出度合いを設定しておき、インバータケース22を取付けた際に、インバータケース22に設けた凹部29の平面部とインバータ8の伝熱面部材19(発熱部)を密着させて熱伝導可能に配置することもできる。
前記規制については、突出壁7bで直接行う他に、突出壁7b(蓋体7)と回路基板18の間に弾性材(図示せず)等を介在して回路基板18の蓋体7側への撓みを規制することもできる。
さらに、インバータケース22には、内部空間24と外部を連通する吸気口30と排気口31がそれぞれ異なる位置に設けられ、内部空間24を含めてインバータケース22内の換気通路を形成している。
ここで、吸気口30と、該吸気口30よりも高位に位置する排気口31は、温度が低い冷気は下降し、温度が高い熱気は上昇する特性から一義的に定義しているもので、例えば、強風が電動圧縮機1に吹き付ける等の如く電動圧縮機1における周囲の環境の変化あるいは内部空間24と外部との圧力差等によっては、吸気と排気が逆に行われる場合もある。また、必要に応じて吸気口30と排気口31に、空気の透過を許容し、水分の透過を拒否する周知の膜体を設けてもよい。
インバータ8による電動機4の駆動(回転)制御は、周知の如く空調室温度、冷媒温度等の負荷を検出手段(図示せず)にてモニタし、その結果に基づく負荷信号、制御信号によって、所定の周波数で電動機4の回転を制御するものである。具体的な電動機4の制御内容は、本発明の要旨と直接関係しないため、ここでの説明は省略する。
次に、上記構成からなる電動圧縮機1の動作およびインバータ8の冷却動作について説明する。
インバータ8の起動制御によって電動機4が回転すると、これに伴って回転軸(駆動軸)6も回転し、回転軸6を介して圧縮機構部5が駆動される。
したがって、圧縮機構部5は、蓋体7に設けた吸入口11を通じて周知の構成からなる冷凍サイクル(図示せず)からの吸入冷媒10を吸入する。
吸入口11から流入した低温の吸入冷媒10は、吸入冷媒通路16の空間において蓋体7を冷却し、圧縮機構部5の通路穴(図示せず)を介して圧縮空間9に流入する。
圧縮空間9に流入した冷媒は、圧縮機構部5の円軌道運動に伴う圧縮空間9の容積縮小運動によって圧縮され、最終の圧縮空間に連通する吐出孔12から吐出室12aへ吐出される。
吐出孔12から吐出室12aへ吐出された冷媒は、圧縮機構部5の外周部に設けられた通路12bを通って電動機4側に入り、電動機4を冷却しながらケーシング本体3の吐出口13から吐出され、冷凍サイクルへと流れる。
上記冷媒の循環する流れに伴い、蓋体7が吸入冷媒10によって冷却され、その熱を受けてインバータケース22の内部空間24が冷却される。その結果、内部空間24は、温度上昇が抑制され、インバータ8をその雰囲気温度で冷却する。
さらに、上記電動圧縮機1の運転に伴い、サーモモジュール20へも通電され、吸熱面による吸熱作用(冷却作用)に伴う冷熱は、インバータケース22を介してインバータ8の伝熱面部材19へ導かれ、伝熱面部材19を冷却する。一方、サーモモジュール20の放熱面での発熱は、ヒートシンク25を介して外部へ放出される。
そして、運転時間の経過と共にインバータ8は発熱部から発熱し、その温度が上昇する傾向となるが、インバータケース22を介してサーモモジュール20の冷却熱が伝熱面部材19に伝達されているため、その温度上昇は抑制される。
一方、内部空間24においても、インバータ8の発熱により、温度上昇する傾向にあるが、インバータケース22が、サーモモジュール20における冷却のための伝熱促進面を形成しているため、その冷却作用によって温度上昇が抑制される。
また、インバータケース22には、排気口31が上方に設けられているため、特に、内部空間24内の温度が外部の温度よりも高くなった場合は、図1の矢印で示す如くその自然対流によって内部の熱気が排気口31から排出され、また、外部の空気が、吸気口30から内部空間24内へ流入し、これらの流れによって内部空間24内での熱気のこもりが抑制される。
インバータ8の温度上昇は、冷凍サイクル負荷の変動のみならず、周囲温度と関連して異常に高温となる場合がある。
例えば、電動圧縮機1が車両用として用いられた場合であれば、車両停止直後のエンジンからの熱伝導あるいはエンジンルームからの高輻射熱によって圧縮機が100℃以上の温度に晒される場合もある。
かかる高温によるインバータ8の加熱は、関係部品の劣化を加速するため、本実施の形態1においては、インバータ8およびインバータケース22における内部空間24の温度を速やかに低下させる必要があり、また、内部空間24の温度がかかる高温に至らないように制御することも必要である。
本実施の形態1においては、サーモモジュール20を通電制御することにより、その吸熱面からインバータケース22を介してインバータ8における伝熱面部材19を冷却し、さらにはインバータケース22の冷却作用によって内部空間24の温度上昇を抑制し、そして発熱面でヒートシンク25を介して電動圧縮機1の外部へ放熱するものである。
上述の如くインバータ8は、サーモモジュール20の吸熱面からの熱伝導に伴う冷却作用を主体に冷却され、それに加えて吸入冷媒10の熱による内部空間24の温度上昇抑制作用により周辺回路を含めての温度上昇が抑制されるものである。
すなわち、周知の如くサーモモジュール20は、通電量(電流量)を制御することによって吸熱量、発熱量が制御できるもので、前記通電量を最適値に制御することにより、前述の冷却作用によってインバータ8の温度上昇を抑制することができるものである。
かかる冷却は、インバータケース22からも冷却作用が伴う関係から、インバータ8の伝熱面部材19のみを直接冷却する構成と比較して、インバータ8の制御回路を構成する回路基板18の回路部品もその影響を受け、熱による劣化(劣化の加速)が抑制されるものである。
さらに、インバータケース22によってサーモモジュール20、インバータ8および回路基板18等の埃、雨水などからの保護をはかっている。
また、サーモモジュール20の吸熱面を、インバータケース22の凹部29に密着して装着したことにより、インバータケース22を前述の如く吸熱面の伝熱促進面として機能させることができる。これにより、サーモモジュール20における吸熱作用と放熱作用の均衡化をはかり、吸熱面と放熱面の温度差を小さくしてサーモモジュール20を高い効率で運転することができる。
その結果、インバータ8を効率よく冷却することができ、インバータ部品の熱による劣化(劣化の加速)が抑制できるものである。
特に、サーモモジュール20のヒートシンク25は、その外表面に放熱フィン25aを複数設け、放熱能力を向上させているため、サーモモジュール20の熱変換効率動作を高め、冷却動作を安定させることができる。
また、サーモモジュール20を取付ける構成として、インバータケース22に形成した凹部29は、内部空間24へ突出した構成となり、これは、内部空間24の容積を減少する構成であり、その結果、サーモモジュール20が冷却する負荷(空間容積)の軽減につながり、冷却効果を一層向上することができるものである。
さらに、インバータケース22に吸気口30と排気口31を設けているため、特に、ケース内部空間24の温度がケース外の温度より高い場合は、冷気と暖気の自然対流を利用してインバータケース22内での熱のこもりが抑制でき、しかも、排気口31を吸気口30よりも高い位置に設けているため、図1の矢印で示す如く冷気と暖気の自然対流による吸排気が行え易く、冷気の逃げが抑制できて換気効率の向上が期待でき、また、サーモモジュール20の吸熱面と接するインバータケース22で冷却された空気は、特に上方であるほどインバータ8を包むように下降して冷却するため、一層の冷却効果が期待できるものである。
また、サーモモジュール20は、弾性体27の付勢力によってインバータケース22に押付けられ、固定される構成であり、また蓋体7の突出壁7bによる回路基板18の離反規制機能も作用することにより、インバータケース22の熱膨張、熱収縮に追従してインバータ8との密着が維持される。その結果、サーモモジュール20の冷却作用(吸放熱作用)が継続して行え、安定したインバータ8の冷却と、インバータケース22における内部空間24の温度上昇の抑制が行えるものである。
特に、弾性体27の付勢力によるサーモモジュール20の固定は、熱応力等の衝撃に限らず、振動等の応力に対しても有効であり、したがって、電動圧縮機1が車両に搭載される場合であっても適用できるもので、振動によってサーモモジュール20が脱落する、あるいは電極と熱電素子が剥離するといった故障、破損を防止することができる。
さらに、サーモモジュール20の側面周囲と凹部29の側壁の間に、サーモモジュール20の放熱面から吸熱面への直接的な熱のリークがないように断熱空間(断熱層)28を設けているため、サーモモジュール20を正規(定格通り)のもしくはそれに近い動作状態で運転することができ、冷却効率維持の阻害を低減することができるものである。
前記断熱層は、断熱空間28に限るものではなく、直接の熱のリークを規制する材料、構成であればよいもので、耐熱性の断熱材を断熱空間28に設けることにより、一層高い熱リークの規制効果が得られ、サーモモジュール20による一層の冷却効果が期待できる。この場合、前記断熱材によってサーモモジュール20の側面を囲む如く構成し、その一部に断熱材を介してサーモモジュール20を挟持する治具のスペースを設けることにより、前記断熱材をスペーサとしてサーモモジュール20を凹部29内に位置決め配置することもできる。
このように、断熱空間28は、断熱材の有無に係わらずサーモモジュール20を凹部29内へ配置する場合の位置決め治具挿入スペースとして利用することができ、断熱空間28の形成は、作業性の向上も期待できるものである。
また、断熱空間(断熱層)28は、サーモモジュール20側部の全周に亘って設けることが好ましいが、側部の一部と凹部35の側壁との当接関係を利用してサーモモジュール20の位置決めを行う場合は、可能な限り接触面積を少なくすることが望ましい。
さらに、回路基板18には、インバータ8の制御回路部18bとサーモモジュール20の制御回路部20aが並設されているため、制御に必要な電動機4の回転信号や通電用の電源等が回路基板18で共用された構造となっている。そのため、回路構成の簡略化が図れ、さらに電気回路系統の組込みが一括して行え、組立て作業性の向上をはかることができるものである。つまり、冷凍サイクル負荷(空調負荷)の変動に伴い電動機4の回転数が制御されるものであるが、その冷凍サイクル負荷の変動信号によってサーモモジュール20の通電を制御することができ、検出信号を共用化した状態とすることによって回路の簡略化がはかれるものである。
また、接続コネクタ21を回路基板18に固定し、そして予め回路基板18をインバータケース22に取付ける構成とした場合において、インバータケース22の蓋体7あるいはケーシング本体3への取付け位置に合わせて、接続コネクタ21の位置を、接続室32に設けられた雄型の接続コネクタ(圧縮機ターミナル)4aの位置と一致するように設定することにより、インバータケース22のケーシング本体3側への組込み作業と一連して回路基板18と電動機4側の配線接続作業を行うことができ、組立て作業性の一層の向上が期待できるものである。
さらに、回路基板18を、予め蓋体7に取付けておき、蓋体7のケーシング本体3への取付けと一連して回路基板18と電動機4側の配線接続が行えるようにし、そしてインバータケース22の蓋体7との接合時に、インバータケース22に形成した凹部29の平面部とインバータ8(伝熱面部材19)との熱的な接続が行える構成とすることも可能である。
このように、本実施の形態1によれば、従来のインバータ内蔵式の電動圧縮機1において、サーモモジュール20という小型軽量部品の追加によって、電動圧縮機1のサイズ、重量を略維持したままでインバータ8の効果的な冷却が可能となり、また、電動圧縮機1を車載用とした場合であっても、インバータ部品の冷却の関係から圧縮機の取付け位置、方向性等が制約されるといったことも緩和され、設計の自由度が増し、車両への装着性を損なうこともない。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2におけるインバータケースとサーモモジュールの異なる固定構造を具備した電動圧縮機におけるインバータケースの断面図である。
したがって、ここでは先の実施の形態1と異なる部分についてのみ説明し、実施の形態1と同一の構成要件については同一の符号を付し、また、同一の作用等については説明を省略する。
同図において、先の実施の形態1と大きく相違する点は、サーモモジュール20を固定する凹部29において、断熱層である断熱空間28を、サーモモジュール20の放熱面に設けたヒートシンク25と固定具26の間にも形成した点である。
かかる構成により、ヒートシンク25の放熱作用がインバータケース22を介してサーモモジュール20の吸熱面側に及ぶことを極力抑制し、その結果、サーモモジュール20は、先の実施の形態1よりも一層正規(定格通り)のもしくはそれに近い吸熱作用と放熱作用が行えるようになり、運転効率を高めることができる。
この場合、弾性体27も断熱性を有する材料より形成すれば、一層熱のリークが規制でき、よりサーモモジュール20の運転効率(冷却効率)を高めることが期待できるものである。
また、先の実施の形態1で説明したように、断熱空間28に断熱材料を配置する構成とすることも可能である。
なお、上記実施の形態1、2においては、横向き設置型の圧縮機の場合について説明したが、吸入冷媒10の温度を利用してインバータケース22内を冷却する構成を具備した縦向き設置型の圧縮機、あるいは吸入冷媒温度を利用した冷却構成を具備していない縦向き設置型の圧縮機についても同様に実施が可能であり、さらにこれらの場合において、サーモモジュール20の取付け、インバータケース22の形状、構造等の細部において種々の変更が可能であるが、かかる構造においても本発明を逸脱するものではない。
本発明にかかる電動圧縮機は、従来のインバータ制御装置内蔵の電動圧縮機と比較してインバータ制御装置およびこれを収納する空間の冷却手段を設けたことにより、電子部品の信頼性を向上でき、また、前記冷却手段の組立て作業性も容易であり、居室用の冷凍空調システム用に限らず、ハイブリッド車等の環境車両、さらには一般車両等にも適用でき、その他冷蔵庫等の如く物品貯蔵用の冷凍システム等にも幅広く適用できる。
本発明の実施の形態1における電動圧縮機の一部を切り欠いた正面図 同実施の形態の電動圧縮機におけるインバータ制御装置を具備する回路基板の斜視図 本発明の実施の形態2における電動圧縮機のインバータケースの縦断面図 従来例を示す電動圧縮機の縦断面図
符号の説明
1 電動圧縮機
3 ケーシング本体
4 電動機
5 圧縮機構部
7 蓋体
7b 突出壁(規制手段)
8 インバータ(インバータ制御装置)
16 吸入通路
18 回路基板
19 伝熱面部材(発熱部)
20 サーモモジュール
22 インバータケース
22a 断熱材
24 内部空間
25 ヒートシンク(伝熱促進手段)
25a 放熱フィン
26 固定具
27 弾性体
28 断熱空間(断熱層)
29 凹部
30 吸気口
31 排気口

Claims (12)

  1. 冷媒の吸入、圧縮および吐出を行う圧縮機構部と前記圧縮機構部を駆動する電動機を内蔵したケーシングと、前記電動機を駆動するインバータ制御装置を内蔵したインバータケースと、前記インバータ制御装置の発熱部の冷却手段として、放熱面と吸熱面を具備するサーモモジュールを用いた電動圧縮機において、前記サーモモジュールの吸熱面を、前記インバータケースと熱伝導あるいは熱伝達によって熱が伝わるように前記インバータケースの外面側に取付け、さらに前記インバータ制御装置の発熱部を、前記インバータケース内面と少なくとも熱伝導あるいは熱伝達あるいは輻射のいずれかによって熱が伝わるように配置した電動圧縮機。
  2. 冷媒の吸入、圧縮および吐出を行う圧縮機構部と前記圧縮機構部を駆動する電動機を内蔵したケーシングと、前記電動機を駆動するインバータ制御装置を内蔵したインバータケースと、前記インバータ制御装置の発熱部の冷却手段として、放熱面と吸熱面を具備するサーモモジュールを用い、さらに前記インバータケース内部の空間の冷却に、吸入冷媒温度を利用した電動圧縮機において、前記サーモモジュールの吸熱面を、前記インバータケースと熱伝導あるいは熱伝達によって熱が伝わるように前記インバータケースの外面側に取付け、さらに前記インバータ制御装置の発熱部を、前記インバータケース内面と少なくとも熱伝導あるいは熱伝達あるいは輻射のいずれかによって熱が伝わるように配置した電動圧縮機。
  3. 前記インバータケースと隣接するケーシング側に、前記インバータ制御装置における発熱部の前記インバータケースからの離反を規制する規制手段を設けた請求項1または2に記載の電動圧縮機。
  4. 前記ケーシングを、一面が開口し、内部に前記圧縮機構部および前記電動機を収納したケーシング本体と、前記一面を閉塞する蓋体を具備する構成とし、前記インバータケースを、断熱材を介して前記ケーシング本体もしくは前記蓋体の少なくとも一方に取付けた請求項1から3のいずれか一項に記載の電動圧縮機。
  5. 前記サーモモジュールの放熱面に、その放熱作用を促進する伝熱促進手段を設けた請求項1から4のいずれか一項に記載の電動圧縮機。
  6. 前記インバータケースに、前記サーモモジュールの吸熱面を、前記インバータケースへ密着させるように付勢する弾性体を設けた請求項1から5のいずれか一項に記載の電動圧縮機。
  7. 前記インバータケースに、前記サーモモジュールの放熱面側に設けられた弾性体を介して、前記サーモモジュールを前記インバータケース外面に固定する固定具を設け、さらに前記サーモモジュール側部の少なくとも一部に、前記サーモモジュールにおける放熱面から吸熱面への熱の移動を抑止する断熱層を設けた請求項6に記載の電動圧縮機。
  8. 前記インバータケースにおける前記インバータ制御装置と対向する位置に、前記蓋体側へ突出する凹部を設け、前記サーモモジュールを前記凹部内に配置した請求項1から7のいずれか一項に記載の電動圧縮機。
  9. 前記蓋体に、前記インバータ制御装置側に突出し、前記規制手段を構成する突出部を設けた請求項3から8のいずれか一項に記載の電動圧縮機。
  10. 前記インバータケースに、該インバータケースの内外を連通する換気手段を設けた請求項1から9のいずれか一項に記載の電動圧縮機。
  11. 前記換気手段を、少なくとも前記インバータケースに設けた吸気口と排気口および前記インバータケース内空間より構成した請求項10に記載の電動圧縮機。
  12. 前記吸気口と排気口の少なくとも一方を、他方よりも高い位置に設けた請求項11に記載の電動圧縮機。
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