JP2008180120A - 電動圧縮機 - Google Patents

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Masahiko Makino
雅彦 牧野
Masatoshi Tsujii
昌利 辻井
Mitsunori Taniguchi
光徳 谷口
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Abstract

【課題】機体容器を大型化することなくインバータの冷却を効率的に図ることができ、エンジン直付け等の高温、強振動下においても、信頼性、性能を損なわず運転できるインバータ内蔵の電動圧縮機を提供するものである。
【解決手段】圧縮機構部5と、圧縮機構部5を駆動する電動機4とを内蔵したケーシング本体3と、電動機4を駆動するインバータ8を内蔵した断熱性材料からなるインバータケース22とを備え、インバータ8の発熱部品19を冷却する主冷却手段として吸入冷媒を利用した電動圧縮機において、インバータケース22内においてインバータ8の発熱部をサーモモジュール20で冷却し、インバータ8を構成する部品、回路の熱による劣化促進を抑制することで、性能および信頼性の向上をはかるものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧縮機構部と、この圧縮機構部を駆動する電動機を機体容器(ケーシング)に内蔵し、さらに、前記電動機の駆動(回転)を制御するインバータ制御装置を前記機体容器に設けた電動圧縮機に関するものである。
この種の電動圧縮機として、圧縮機構部および電動機を具備する圧縮機部と、前記電動機の駆動を制御するインバータ制御装置の収納部を気密状態に仕切り、一つの機体容器として一体化した構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図3は、上記特許文献1に示される電動圧縮機の縦断面図であり、電動機111を収容した機体容器112内に圧縮機構部113を組込み、さらに前記圧縮機構部113を挟む如く前記電動機111と反対側に位置してインバータ制御装置114を収容した蓋体115が、前記機体容器112と気密状態に仕切られて設けられた構成を示している。そして、前記機体容器112と蓋体115は、同軸上に配置され、ボルト等で締結されている。また、前記インバータ制御装置114は、その発熱部が前記圧縮機構部113に面して配置されている。
したがって、前記圧縮機構部113に設けられた吸入口116より流入された吸入冷媒は、一旦前記蓋体115と前記圧縮機構部113の間に形成された通路117に導かれ、前記インバータ制御装置114の発熱部と熱交換を図った後、圧縮機構部113に吸入される。さらに圧縮機構部113で圧縮された冷媒ガスは電動機111を冷却した後、機体容器112に設けられた吐出口118より吐出される。
特開2004−183631号公報
しかし、上記特許文献1に記載の構造は、吸入冷媒の温度のみによって前記インバータ制御装置114の高発熱部品を冷却する構造であるため、圧縮機の低速運転時、即ち冷媒循環量が少ない場合、あるいは負荷変動等によって吸入冷媒温度が高くなった場合等では十分な熱交換が行えなくなり、前記インバータ制御装置114の発熱部品が冷却不足となって性能、信頼性に大きな影響を及ぼす可能性がある。
また、前記圧縮機が自動車用のエアコンとして用いられ、エンジンに直接装着される場合には、エンジンの熱によって圧縮機内部の温度が異常に上昇し、さらには圧縮機が停止中の場合でも前記エンジンの熱によってインバータ部品が高温に加熱され、その加熱によってインバータ部品の劣化を加速する要因を含む構成であった。
上述の如く、圧縮機がエンジンに装着された環境は、100℃を超える場合もあり、また炎天下での駐車状態においても相当の高温に晒される状態にある。
また、電気自動車あるいは、ルームエアコンの如く居室用の空気調和機においても、インバータ制御装置114は同様の環境下に晒され、同様に熱による部品劣化を加速する要因を含む構成である。
したがって、インバータ部品に求められる信頼条件は、相当過酷なもので、上記特許文献1に示される冷却技術において、特に車両に搭載される圧縮機の場合は、インバータ部品の冷却の関係から圧縮機の取付け位置、方向性等において制約されることが多く、設計の自由度を増す改善策が求められるものであった。
さらに、前記インバータ制御装置114は、動作時に発熱する特性を有しているため、エンジン搭載の有無に係わらずインバータ制御装置114を冷却する構成が必要とされている。
本発明は、上記従来の課題に着目し、主として、機体容器(ケーシング)を大型化することなくインバータ制御装置の冷却が効率的に図れる電動圧縮機を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために本発明は、インバータ制御装置を、サーモモジュール(ペルチェ素子あるいはペルチェモジュールとも称される)の冷却作用を利用して冷却するようにしたものである。
さらに詳述すると、冷媒の吸入、圧縮および吐出を行う圧縮機構部と、該圧縮機構部を駆動する電動機とを内蔵したケーシングに、断熱材料で形成され、前記電動機を駆動制御するインバータ制御装置内蔵のインバータケースを組込んだ電動圧縮機において、前記インバータ制御装置を冷却する冷却手段として、前記インバータ制御装置における発熱部の冷却を行うサーモモジュールを、前記インバータケースに取付けたものである。
これによって、前記インバータ制御装置における発熱部を、前記サーモモジュールによる冷却作用にて冷却あるいはその温度上昇を抑制することができる。
また、前記インバータケースを、断熱性材料にて構成することにより、インバータケース内において外部からの熱の影響を受け難くし、前記サーモモジュールの負荷の増加をするものである。
本発明の電動圧縮機は、電動機の回転、駆動を制御するインバータ制御装置を、サーモモジュールの熱伝導あるいは熱伝達あるいは輻射作用によって冷却(温度上昇の抑制を含む)することができる。
したがって、圧縮機の運転中はもちろんのこと、圧縮機の停止時(特に停止直後)、あるいは圧縮機の低回転運転時、さらには前記インバータ制御装置が高温状態に晒されるような状況等の如く、インバータ制御装置の冷却が必要な状況時に、前記サーモモジュールの通電を制御することにより、前記前記インバータ制御装置の冷却が行えるため、圧縮機の運転時であれば前記インバータ制御装置の運転効率を高めることが可能となり、またインバータ部品の熱による劣化を抑制することができる。
さらに、前記電動圧縮機がハイブリッド車等の如くエンジンに直接装着される場合であっても、インバータ部品の冷却の関係から圧縮機の取付け位置、方向性等が制約されるといったことも緩和され、設計の自由度が増し、車両への装着性を損なうこともない。さらに、直接装着された場合は、エンジンからの加熱、振動等の過酷な環境下に晒されることになるが、前述の如く冷却作用によって、電動圧縮機としての性能および信頼性を損なわず、電動圧縮機を運転することが可能となる。
特に、前記インバータケースを断熱性材料にて構成することにより、該インバータケース内外の熱の移動が抑制でき、その結果、前記インバータケースの内部空間の冷却作用において、外部の熱の影響を受けることが少なくなり、前記サーモモジュールを効率よく運転することができるものである。
さらに、前記サーモモジュールの少なくとも放熱面に、該サーモモジュールの放熱作用を促進する伝熱促進手段を設けた構成とすることにより、前記伝熱促進手段によって設定されたサーモモジュールの放熱能力が得られるため、電動圧縮機が設置される環境条件に応じた放熱能力設定が可能となり、サーモモジュールにおける冷却器としての汎用性を高めることができるものである。
請求項1に記載の発明は、冷媒の吸入、圧縮および吐出を行う圧縮機構部と前記圧縮機構部を駆動する電動機を内蔵したケーシングと、断熱材料で形成され、前記電動機を駆動するインバータ制御装置を内蔵したインバータケースと、前記インバータ制御装置の発熱部の冷却手段として、放熱面と吸熱面を具備するサーモモジュールを用いた電動圧縮機において、前記サーモモジュールの吸熱面を、前記インバータ制御装置の発熱部と熱伝導あるいは熱伝達輻射によって熱が伝わるように前記インバータケースに取付け、さらに前記サーモモジュールの放熱面を、前記インバータケースの外部と熱交換可能に配置したものである。かかる構成とすることにより、前記インバータ制御装置における発熱部を、前記サーモモジュールの吸熱作用にて冷却(温度上昇の抑制を含む)することができ、インバータ部品の熱による劣化加速を抑制することができる。また、前記インバータケースを、断熱性の材料にて構成しているため、インバータケースを挟む内外の熱の移動が抑止できる。その結果、サーモモジュールの放熱面側の熱がインバータケースを伝って吸熱面側へリークすることも防止でき、さらに電動圧縮機周囲の熱が、前記インバータケースから該インバータケース内の空間へ侵入することも抑制され、サーモモジュールの冷却負荷の増加が抑制できる。これにより、サーモモジュールによるインバータケース内部の冷却の効率を高めることができるものである。さらに、前記インバータケースにより、前記インバータケース内部の防塵・防水構造が可能となり、前記インバータ制御装置等を雨水、埃等から保護することができる。
請求項2に記載の発明は、 冷媒の吸入、圧縮および吐出を行う圧縮機構部と前記圧縮機構部を駆動する電動機を内蔵したケーシングと、断熱材料で形成され、前記電動機を駆動するインバータ制御装置を内蔵したインバータケースと、前記インバータ制御装置の発熱部の冷却手段として、放熱面と吸熱面を具備するサーモモジュールを用い、さらに前記インバータケース内部の空間の冷却に、吸入冷媒温度を利用した電動圧縮機において、前記サーモモジュールの吸熱面を、前記インバータ制御装置の発熱部と熱伝導あるいは熱伝達あるいは輻射によって熱が伝わるように前記インバータケースに取付け、さらに前記サーモモジュールの放熱面を、前記インバータケースの外部と熱交換可能に配置したものである。かかる構成とすることにより、請求項1による作用効果に加えて、前記インバータケース内の空間を、圧縮機構部の吸入冷媒(戻り冷媒)の冷熱を利用して冷却(温度上昇の抑制を含む)することができるため、前記インバータ制御装置およびその周辺回路部品の温度上昇の抑制が行え、インバータ部品の熱による劣化加速を抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、前記インバータケースと隣接するケーシング側に、前記インバータ制御装置における発熱部の前記サーモモジュールからの離反を規制する規制手段を設けたものである。かかる構成とすることにより、前記インバータ制御装置における発熱部と前記サーモモジュールにおける吸熱面との熱交換状態が維持でき、熱伝導あるいは熱伝達による冷却作用の安定化をはかることができるものである。
請求項4に記載の発明は、前記サーモモジュールの少なくとも放熱面に、その放熱作用を促進する伝熱促進手段を設けたものである。かかる構成とすることにより、放熱作用の促進によってサーモモジュールにおける吸熱面と放熱面の温度差を少なくすることができ、前記サーモモジュールの冷却効率を高めることができる。
請求項5に記載の発明は、前記インバータケースに、前記伝熱促進手段を前記サーモモジュールと密着する方向に付勢する弾性体を設けたものである。かかる構成とすることにより、前記弾性体の付勢力によって前記サーモモジュールをインバータケースに押圧固定することができ、その結果、圧縮機の運転等に伴う振動あるいは熱応力が作用しても、前記弾性体の弾性力によってその振動あるいは応力を吸収し、サーモモジュールを保護することができるものである。
請求項6に記載の発明は、前記ケーシングを、一面が開口し、内部に前記圧縮機構部および前記電動機を収納したケーシング本体と、前記開口一面を閉塞する蓋体を具備する構成とし、前記蓋体に、前記インバータ制御装置側に突出し、前記規制手段を構成する突出部を設けたものである。かかる構成によれば、前記インバータケースにインバータ制御装置を予め取付けておくことにより、前記インバータケースを、前記ケーシングに組込む作業に伴い、前記インバータ制御装置における発熱部の前記インバータケースからの離反規制が行え、部品数の増加が抑制できるとともに、組立て作業性の向上が期待できるものである。また、予め前記インバータ制御装置を蓋体に取付けて前述の離反規制を行う構成とし、その状態でインバータケースを取付け、インバータケース内面とインバータ制御装置の発熱部を熱伝導あるいは熱伝達可能に配置することもできる。かかる場合においても、同様に部品数の増加抑制と組立て作業性の向上が期待できるものである。さらに、熱膨張・収縮等に起因して微妙に前記ケーシングあるいは蓋体等に歪が生じても、突出部と前記弾性体の付勢力(弾性変形)との相乗作用によって前記インバータ制御装置とサーモモジュールの当接を維持することが可能となり、その結果、前記サーモモジュールの吸熱作用および放熱作用の継続を可能とすることができる。
請求項7に記載の発明は、前記インバータケースに、該インバータケースの内外を連通する換気手段を設けたものである。かかる構成とすることにより、前記インバータケース内における熱のこもりが防止でき、インバータ制御装置を効率よく冷却することができる。
請求項8に記載の発明は、前記換気手段を、少なくとも前記インバータケースに設けた吸気口と排気口および前記インバータケース内空間より構成したものである。かかる構成とすることにより、インバータケース内空気の流れが形成でき、インバータケース内における熱のこもりが抑制できるものである。
請求項9に記載の発明は、前記吸気口と排気口の少なくとも一方を、他方よりも高い位置に設けたものである。かかる構成とすることにより、温度が高い暖気の排気が高所から行え、インバータケース内における高温の空気の逃げが円滑となり、また比較的低温の冷却空気は下方に対流し易く、インバータケース内の冷却作用を効率よく行うことができる。
請求項10に記載の発明は、前記インバータケースの壁面に貫通穴を設け、前記貫通穴に前記サーモモジュールを配置し、前記サーモモジュールを前記インバータケースに固定する固定具を設けたものである。かかる構成とすることにより、前記サーモモジュールの側面周囲を断熱材で囲む構造となり、その結果、前記サーモモジュールにおける放熱側からの熱が吸熱側へリークするといった所謂熱移動の短絡が阻止でき、前記サーモモジュールを正規の状態(定格状態)もしくはそれに近い状態で動作させることができる。
請求項11に記載の発明は、前記伝熱促進手段と前記固定具の間に、弾性体を介在したものである。かかる構成とすることにより、固定具と弾性体によるサーモモジュールの固定と前述の振動あるいは応力の保護が行え、冷却作用の信頼性を高めることができるものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における電動圧縮機の一部を切り欠いた正面図である。本実施の形態1においては、電動圧縮機1のケーシングの周りに設けた取付け脚2によって横向きに設置される横型の電動圧縮機の場合を一つの例として示している。図2は、同電動圧縮機1のインバータ制御装置8を具備する回路基板の斜視図である。
図1において、電動圧縮機1は、一端が開口する有底円筒状に形成され、外周の適宜箇所に取付け脚2を複数設けた金属製のケーシング本体3と、そのケーシング本体3内に組込まれた固定子と回転子を具備する電動機(DCブラシレスモータ)4と、前記ケーシング本体3内に嵌入または圧入された圧縮機構部5を主要構成とし、前記電動機4の回転軸6は、前記圧縮機構部5の駆動軸を構成している。
そして、前記ケーシング本体3における前記圧縮機構部5側の開口端部は、アルミダイキャスト等の金属製の蓋体7によって閉塞され、ケーシング本体3内を密封状態としている。
前記電動機4は、後述するインバータ制御装置(以下、インバータと称す)8によって駆動およびその回転数が制御される。この電動圧縮機1において、取り扱う冷媒はガス冷媒であり、各摺動部の潤滑や前記圧縮機構部5における摺動部のシール、潤滑に供する液としては潤滑油を採用している。
本実施の形態1における電動圧縮機1の圧縮機構部5は、スクロール方式のもので、周知の構成であり、前記圧縮機構部5に形成された圧縮空間9の容積変化により、外部サイクルから帰還する戻り冷媒(以下、吸入冷媒と称す)10を、前記蓋体7に設けた吸入口11より前記圧縮機構部5の吸入側へ吸入し、前述の如く圧縮空間9で圧縮した後、圧縮空間9の略中央に位置する吐出孔12より後述する吐出室12aおよび通路12bを介してケーシング本体3内へ吐出し、前記ケーシング本体3に設けた吐出口13より熱交換器等を具備する外部サイクル(図示せず)へ吐出する。
上記圧縮機構部5および電動機4のケーシング本体3内への組み込み構成は、周知の構成でよいため、その詳細な説明は省略する。
一方、前記ケーシング本体3の開口側にOリング等のシール部材14を介して密封性よく嵌合された蓋体7は、ボルト締め等の適宜手段(図示せず)にて前記ケーシング本体3に固定されている。
また、前記蓋体7においては、その内面に設けた隔壁7aとその先端に設けたOリング等のシール部材15により、前記圧縮機構部5(固定スクロールの固定鏡板)と気密的に組合せ、前記吸入口11から前記圧縮機構部5の吸入側に通じる密閉空間を構成して吸入通路16を形成している。さらに、前記蓋体7における前記隔壁7aと反対の面には、後述する突出壁7bが設けられている。
さらに、前記吸入通路16空間の一部には、隔壁17を介して前記圧縮機構部5の吐出孔12に連通する吐出室12aが位置している。
前記インバータ8は、図2に示す如く発熱度の高いスイッチング素子を含む周知のIPM(インテリジェントパワーモジュール)18aとマイクロコンピュータを主体とする制御回路部18b等を具備して構成され、さらに前記IPM18aの発熱部には、ヒートシンク等の如く伝熱面を構成する伝熱面部材19(発熱部)が設けられ、これらは印刷配線基板(以下、回路基板と称す)18上に配置されている。
また、前記回路基板18には、上記電動機4の制御回路に加えて後述するサーモモジュール20の通電を制御する制御回路部20aも並設されている。
前記回路基板18に搭載されている制御回路部18bおよび制御回路部20a等は、前記電動圧縮機1の設置される環境に合わせて、耐熱仕様とされる場合もある。
そして、前記インバータ8と前記電動機4は、前記回路基板18に設けられた雌型の接続コネクタ21と、前記蓋体7の裏面(内面)側の接続室4bに設けられた雄型の接続コネクタ(圧縮機ターミナル)4aの嵌合によって電気的に接続されている。この接続については、接続コネクタ21をリード線(図示せず)を介して前記回路基板18に接続した構成であってもよい。
さらに、前記蓋体7には、前記インバータ8および回路基板18等を内蔵したインバータケース22が、ボルト23によって取付けられている。このインバータケース22は、金型による成形が可能であって、耐熱性、好ましくは耐水性をも有する断熱材によって形成されており、前記インバータ8および回路基板18等への防塵・防水構造を形成するものである。前記断熱材としては、セラミック樹脂あるいはスチロール樹脂、ポリイミド樹脂等の周知の材料から選択することができ、また前記インバータケース22は、これらを複合して形成した構成とすることもできる。
前記インバータケース22は、皿状に形成されており、底面に相当する面には貫通穴22aが設けられ、その貫通穴22aに、前記蓋体7とともに形成された内部空間24を冷却するサーモモジュール20が取付けられている。なお、ここでいう「冷却」は、温度を下げる意味に加えて、温度上昇を抑制する作用も含むものとして説明する。
前記サーモモジュール20は、周知の如く、ペルチェ素子あるいはペルチェモジュールとも称され、例えば、セラミック材(熱伝導材料を混入したセラミック材を含む)等から形成される電気絶縁体の基板上に、複数の電極を配置し、その電極上に電流が直列に流れるように複数の熱電素子を配置したもので、通電によるペルチェ効果により、一方の面で発熱し、他方の面で吸熱を行うものである。
前記サーモモジュール20は、その放熱面が前記インバータケース22の外面に対面し、吸熱面が前記内部空間24に面する如く配置されている。
そして、前記サーモモジュール20の放熱面には、その放熱作用を促進する伝熱促進手段が、また吸熱面にはその吸熱作用を促進する伝熱促進手段がそれぞれ密着して設けられており、前記サーモモジュール20は、これらの伝熱促進手段によって挟まれた三層構造を形成している。
ここで、前記放熱面に設けた伝熱促進手段は、その一例として、アルミ金属等からなるヒートシンク28を採用した構成である。このヒートシンク28は、その表面積を増大するために多数の放熱フィン28aを具備している。また前記吸熱面に設けた伝熱促進手段は、その一例として、適度な板厚に形成されたアルミ金属等からなるヒートシンク25を採用した構成である。前記ヒートシンク25、28の材料は、アルミ金属に限るものではないが、熱伝導率の高い金属が好ましい。
さらに、前記吸熱面側のヒートシンク25は、前記インバータ8を構成する前記伝熱面部材19の面積より若干大きく形成されている。
そして、前記サーモモジュール20およびヒートシンク25、28は、前記インバータケース22の内面および外面にネジ止め等の適宜手段にて取付けられた固定具26により、弾性体27、29を介して固定されている。
したがって、前記サーモモジュール20およびヒートシンク25は、前記弾性体27、29の付勢力により、相対する前記固定具26の間において挟持された状態で固定されている。かかる構成において、前記サーモモジュール20と前記ヒートシンク25、28の各密着面を、熱良導性の熱伝導グリース等を介して密着させることにより、熱抵抗を低減させてさらに効率を高めることができる。
上述の如く、前記サーモモジュール20の押付け固定を勘案すれば、前記弾性体27、29は、点で押付けるものではなく、面で押付ける形状、例えば、前記ヒートシンク25、28の周縁形状に沿った形状でヒートシンク25、28の周縁を押え付けるコイル状のばね材、あるいは前記ヒートシンク25、28の周縁を押え付ける如く波板状に形成された環状のバネ材等が好ましい。さらに、雨水等によるサーモモジュール20への影響(漏電等)を考慮するならば、少なくとも放熱面側の弾性体29を、耐熱ゴム材等の如く所定の吸振機能を有し、防水構造がとり易い材料とすることが好ましい。具体的な材料は、周知の範囲で選択することができる。
かかる弾性体27、29により前記サーモモジュール20が押付けられた挟持固定構造は、例えば車両用エアコンとして搭載される電動圧縮機の場合、車両からの振動、あるいはエンジンからの振動等を前記弾性体27、29によって吸収することができ、その結果、サーモモジュール20において、振動衝撃による電極と熱電素子の剥離、あるいはセラミック材等の電気絶縁体基板の破損を防止する振動衝撃対策としては有用な取付け構造である。
また、前記サーモモジュール20および吸熱面側のヒートシンク25は、その外形が同じとなるように整えられており、前記インバータケース22の貫通穴と合致した状態で取付けられている。さらに、放熱面側のヒートシンク28も、吸熱面側のヒートシンク25と同様の大きさ、形状としているが、サーモモジュール20の必要とする冷却能力に応じた放熱能力を得る場合には、各ヒートシンク25、28の大きさを任意に設定し、前記貫通穴とは合致しない配置とすることもできる。
したがって、前記サーモモジュール20における側面(吸熱面と放熱面の間の面)は、前記インバータケース22における前記貫通穴22aの板厚面が面しているため、インバータケース22の断熱性によって断熱材で囲まれた状態となっている。その結果、前記サーモモジュール20の放熱面の熱がサーモモジュール20の側面周囲に位置する部位を伝って吸熱面へ直接リークすることが抑止され、前記サーモモジュール20を、定格通りあるいはそれに近づくように運転することができる。
さらに、前記インバータケース22には、前記内部空間24と外部を連通する吸気口30と排気口31がそれぞれ異なる位置に設けられ、前記内部空間24を含めてインバータケース20内の換気通路を形成している。
ここで、前記吸気口30と、該吸気口30よりも高位に位置する排気口31は、温度が低い冷気は下降し、温度が高い熱気は上昇する特性から一義的に定義しているもので、例えば、強風が電動圧縮機1に吹き付ける等の如く電動圧縮機1における周囲の環境の変化あるいは内部空間24と外部の圧力差等によっては、吸気と排気が逆に行われる場合もある。また、必要に応じて前記吸気口30と排気口31に、空気の透過を許容し、水分の透過を拒否する周知の膜体を設けてもよい。
前記インバータ8は、前記インバータケース22に収納され、その伝熱面部材19(発熱部)が、前記サーモモジュール20の吸熱面に設けられたヒートシンク25と密着あるいは略密着して取付けられている。
具体的には、図1に示す如く前記回路基板18の周縁を、前記インバータケース22の開口部近辺に形成された段部22bに当接し、ネジ止めすることによって前述の密着あるいは略密着が維持された状態で固定されている。
換言すると、前記段部22bは、前述の如く回路基板18を固定することにより、前記伝熱面部材19とヒートシンク25が密着あるいは略密着する関係となるようにその寸法が設定されているものである。そして、この取付け構造において、前記サーモモジュール20の吸熱面と前記インバータ8の伝熱面部材19を、熱良導性の熱伝導グリース等を介して密着させることにより、熱抵抗を低減させてさらに効率を高めることができる。
ここで、本実施の形態1においては、密着した関係にある複数の物体間における熱の移動を熱伝導と定義し、複数の物体間において空間を介して行う熱の移動を熱伝達(輻射を含む)と定義して説明を進めることとする。また、前記インバータ8における伝熱面部材19のサーモモジュール20(ヒートシンク25)への密着あるいは略密着は、以降で述べる作用効果が期待できる程度の熱伝導が行える関係を定義しており、前記インバータ8の伝熱面部材19とサーモモジュール20(ヒートシンク25)の関係において極微小の空隙を介在した熱伝達作用の場合も相当するもので、以降の説明においては、前述の極微小の空隙を介在した熱伝達作用も含めて熱伝導と称して説明する。
さらに、前記インバータケース22を前記蓋体7あるいはケーシング本体3へ取付けた状態においては、前記蓋体7に形成した突出壁7bが前記回路基板18と接する如く位置し、前記回路基板18の蓋体7側への撓みを規制している。前記突出壁7bは、前記インバータ8における伝熱面部材19の前記サーモモジュール20(ヒートシンク25)からの離反を規制する規制手段を構成するものである。
したがって、予め前記インバータ8の回路基板18を前記蓋体7に取付け、前述の離反規制が行える程度に前記突出壁7bの突出度合いを設定しておき、インバータケース22を取付けた際に、インバータケース22に設けたサーモモジュール20の吸熱面とインバータ8の伝熱面部材19(発熱部)を密着させて熱伝導可能に配置することもできる。
前記規制については、突出壁7bで直接行う他に、前記突出壁7b(蓋体7)と回路基板18の間に弾性材(図示せず)等を介在して前記回路基板18の蓋体7側への撓みを規制することもできる。
前記インバータ8による電動機4の駆動(回転)制御は、周知の如く空調室温度、冷媒温度等の負荷を検出手段(図示せず)にてモニタし、その結果に基づく負荷信号、制御信号によって、所定の周波数で前記電動機4の回転を制御するものである。具体的な電動機4の制御内容は、本発明の要旨と直接関係しないため、ここでの説明は省略する。
次に、上記構成からなる電動圧縮機1の動作およびインバータ8の冷却動作について説明する。
インバータ8の起動制御によって電動機4が回転すると、これに伴って回転軸(駆動軸)6も回転し、前記回転軸6を介して圧縮機構部5が駆動される。
したがって、前記圧縮機構部5は、蓋体7に設けた吸入口11を通じて周知の構成からなる冷凍サイクル(図示せず)からの吸入冷媒10を吸入する。
吸入口11から流入した低温の吸入冷媒10は、吸入冷媒通路16の空間において蓋体7を冷却し、前記圧縮機構部5の通路穴(図示せず)を介して圧縮空間9に流入する。
前記圧縮空間9に流入した冷媒は、前記圧縮機構部5の円軌道運動に伴う圧縮空間9の容積縮小運動によって圧縮され、最終の圧縮空間に連通する吐出孔12から吐出室12aへ吐出される。
前記吐出孔12から吐出室12aへ吐出された冷媒は、前記圧縮機構部5の外周部に設けられた通路12bを通って電動機4側に入り、電動機4を冷却しながらケーシング本体3の吐出口13から吐出され、冷凍サイクルへと流れる。
上記冷媒の循環する流れに伴い、前記蓋体7が吸入冷媒10によって冷却され、その熱を受けて前記インバータケース22の内部空間24が冷却される。その結果、前記内部空間24は、温度上昇が抑制され、前記インバータ8をその雰囲気温度で冷却する。
さらに、上記電動圧縮機1の運転に伴い、サーモモジュール20へも通電され、吸熱面による吸熱作用(冷却作用)に伴う冷熱は、ヒートシンク25を介してインバータ8の伝熱面部材19へ導かれ、伝熱面部材19を冷却する。一方、サーモモジュール20の放熱面での発熱は、ヒートシンク28を介して外部へ放出される。
そして、運転時間の経過と共に前記インバータ8は発熱部から発熱し、その温度が上昇する傾向となるが、前記ヒートシンク25を介してサーモモジュール20の冷却熱が前記伝熱面部材19に伝達されているため、その温度上昇は抑制される。
これに加えて、前記インバータケース22には排気口31が上方に設けられているため、特に、内部空間24内の温度が外部の温度よりも高くなった場合は、図1の矢印で示す如くその自然対流によって内部の熱気が排気口31から排出され、また、外部の空気が、前記吸気口30から内部空間24内へ流入し、これらの流れによって内部空間24内での熱気のこもりが抑制される。
前記インバータ8の温度上昇は、冷凍サイクル負荷の変動のみならず、周囲温度と関連して異常に高温となる場合がある。
例えば、前記電動圧縮機1が車両用として用いられた場合であれば、車両停止直後のエンジンからの熱伝導あるいはエンジンルームからの高輻射熱によって圧縮機が100℃以上の温度に晒される場合もある。
かかる高温によるインバータ8の加熱は、関係部品の劣化を加速するため、本実施の形態1においては、インバータ8の温度を速やかに低下させる必要があり、また、内部24の空間の温度がかかる高温に至らないように制御することも必要である。
本実施の形態1においては、インバータケース22を断熱材としているため、前記インバータケース22の内部空間24においては、外気温度の影響を受けることが少ない状態で、以下の冷却動作が行われる。
すなわち、サーモモジュール20を通電制御することにより、その吸熱面からヒートシンク25を介して前記インバータ8における伝熱面部材19を冷却する。
さらに、前記ヒートシンク25は、その面積が前記伝熱面部材19の面積よりも若干大きく形成されているため、前記インバータ8の伝熱面部材19と接触していない部分での吸熱作用によって内部空間24の温度上昇を抑制し、発熱面で前記ヒートシンク28を介して電動圧縮機1の外部へ放熱を行う。
上述の如く、前記インバータ8は、サーモモジュール20の吸熱面からの熱伝導に伴う冷却作用を主体に冷却され、それに加えて吸入冷媒10の熱による内部空間24の温度上昇抑制作用により周辺回路を含めての温度上昇が抑制されるものである。
すなわち、周知の如く前記サーモモジュール20は、通電量(電流量)を制御することによって吸熱量、発熱量が制御できるもので、前記通電量を最適値に制御することにより、前述の冷却作用によって前記インバータ8の温度上昇を抑制することができるものである。
換言すると、本実施の形態1によるインバータ8の冷却は、インバータケース22を断熱性材料で構成しているため、電動圧縮機1の外部からの熱の侵入作用および前記蓋体7からインバータケース22への熱伝導が抑制でき、サーモモジュール20の熱負荷の増加を極力抑えることができるものである。そして、インバータ8を直接冷却する構成に加えて、内部空間24の温度上昇を抑制する作用によってインバータ8の制御回路部18bを構成する回路部品もその影響を受け、熱による劣化の加速が抑制されるものである。
さらに、前記インバータケース22によって前記サーモモジュール20、インバータ8および回路基板18等の埃、雨水等からの保護をはかっている。
また、前記サーモモジュール20の放熱面を、前記インバータケース22の外面に、吸熱面を内部空間24にそれぞれ面して取付け、前記各面にヒートシンク25、28を取付けた構成であっても、前記インバータケース22が断熱性の材料で形成されているため、サーモモジュール20における放熱面から吸熱面への熱のリークが抑制された構造が得られ、その結果、熱負荷に対するサーモモジュール20の能力設定が求め易くなる。したがって、前記サーモモジュール20の吸熱面と放熱面の温度差を小さくする設計が行い易くなり、サーモモジュール20を高い効率(正規のもしくはそれに近い効率)で運転することができ、インバータ部品の熱による劣化加速が抑制できるものである。
特に、前記サーモモジュール20の放熱面に設けたヒートシンク28は、その外表面に放熱フィン28aを複数設け、放熱能力を向上させているため、前記サーモモジュール20における吸放熱作用の均衡化をはかりやすい構成とすることができ、前記サーモモジュール20の熱変換効率動作を高め、冷却動作を安定させることができる。
さらに、前記インバータケース22に吸気口30と排気口31を設けているため、特に、ケースの内部空間24の温度がインバータケース22外の温度よりも高い場合は、冷気と暖気の自然対流を利用してインバータケース22内での熱のこもりが抑制でき、しかも、前記排気口31を前記吸気口30よりも高い位置に設けているため、図1の矢印で示す如く冷気と暖気の自然対流による給排気が行え易く、前記吸気口30も最下部ではなく中間位置に設けたことによって冷気の逃げが抑制できて換気効率の向上が期待できるものである。
また、前記サーモモジュール20は、弾性体27、29の付勢力によって挟持状態で前記固定具26の間に固定される構成であり、加えて前記蓋体7の突出壁7bによる回路基板18の離反規制機能も作用することにより、前記ヒートシンク25、28の熱膨張、熱収縮に追従してインバータ8との密着が維持される。その結果、前記サーモモジュール20の冷却作用(吸放熱作用)が継続して行え、安定したインバータ8の冷却とインバータケース22における内部空間24の温度上昇の抑制が行えるものである。
特に、前記弾性体27、29の付勢力によるサーモモジュール20の固定は、熱応力等に限らず、振動等に対しても有効であり、したがって、前記電動圧縮機1が車両に搭載される場合であっても適用できるもので、振動によってサーモモジュール20が脱落する、あるいは電極と熱電素子が剥離するといった故障、破損を防止することができる。
さらに、前記回路基板18には、インバータ8の制御回路部18bと前記サーモモジュール20の制御回路部20aが並設されているため、制御に必要な電動機4の回転信号や通電用の電源等が前記回路基板18で共用された構造となっている。そのため、回路構成の簡略化がはかれ、さらに電気回路系統の組込みが一括して行え、組立て作業性の向上をはかることができるものである。つまり、冷凍サイクル負荷(空調負荷)の変動に伴い電動機4の回転数が制御されるものであるが、その冷凍サイクル負荷の変動信号によってサーモモジュール20の通電を制御することができ、検出信号を共用化した状態とすることによって回路の簡略化がはかれるものである。
また、前記接続コネクタ21を回路基板18に固定し、そして予め前記回路基板18を前記インバータケース22に取付ける構成とした場合において、前記インバータケース22の蓋体7あるいはケーシング本体3への取付け位置に合わせて、前記接続コネクタ21の位置を、接続室4bに設けられた雄型の接続コネクタ(圧縮機ターミナル)4aの位置と一致するように設定することにより、前記インバータケース22のケーシング本体3側への組込み作業と一連して前記回路基板18と電動機4側の配線接続作業を行うことができ、組立て作業性の一層の向上が期待できるものである。
さらに、前記回路基板18を、予め蓋体7に取付けておき、前記蓋体7のケーシング本体3への取付けと一連して前記回路基板18と電動機4側の配線接続が行えるようにし、そしてインバータケース22の蓋体7との接合時に、前記サーモモジュール20のヒートシンク25とインバータ8の伝熱面部材19との熱的な接続が行える構成とすることも可能である。
換言すると、本実施の形態1における電動圧縮機1は、前記インバータケース22側とケーシング側を、それぞれ独立して組立て、最後にインバータケース22を組込む組立て方法が可能な構成であり、組立て作業性の向上が期待できるものである。
このように、本実施の形態1によれば、従来のインバータ内蔵式の電動圧縮機1において、サーモモジュール20という小型軽量部品の追加によって、前記電動圧縮機1のサイズ、重量を略維持したままでインバータ8の効果的な冷却が可能となり、また、前記電動圧縮機1を車載用とした場合であっても、インバータ部品の冷却の関係から圧縮機の取付け位置、方向性等が制約されるといったことも緩和され、設計の自由度が増し、車両への装着性を損なうこともない。
なお、上記実施の形態1おいて、インバータケース22の形状、構造等の細部において種々の変更が可能であり、これに伴ってサーモモジュール20の取付け構造に若干の変更が伴う場合もあるが、かかる場合においても本発明を逸脱するものではない。
また、上記実施の形態1においては、横向き設置型の圧縮機の場合について説明したが、前記吸入冷媒10の温度を利用してインバータケース22内を冷却する構成を具備した縦向き設置型の圧縮機、あるいは吸入冷媒温度を利用した冷却構成を具備していない縦向き設置型の圧縮機についても同様に実施が可能である。
以上のように、本発明にかかる電動圧縮機は、従来のインバータ制御装置内蔵の電動圧縮機と比較してインバータ制御装置を収納する空間の冷却手段を設けたことにより、電子部品の信頼性を向上でき、また、前記冷却手段の組立て作業性も容易であり、居室用の冷凍空調システム用に限らず、ハイブリッド車等の環境車両等の車両に幅広く適用でき、さらには、物品貯蔵用の冷凍システムとして幅広く適用できる。
本発明の実施の形態1における電動圧縮機の一部を切り欠いた正面図 同電動圧縮機のインバータ制御装置を具備する回路基板の斜視図 従来例を示す電動圧縮機の縦断面図
符号の説明
1 電動圧縮機
3 ケーシング本体
4 電動機
5 圧縮機構部
7 蓋体
7b 突出壁(規制手段)
8 インバータ(インバータ制御装置)
16 吸入通路
18 回路基板
19 発熱部
20 サーモモジュール
22 インバータケース
22a 貫通穴
24 内部空間
25 ヒートシンク(伝熱促進手段)
26 固定具
27 弾性体
28 ヒートシンク(伝熱促進手段)
29 弾性体
30 吸気口
31 排気口

Claims (11)

  1. 冷媒の吸入、圧縮および吐出を行う圧縮機構部と前記圧縮機構部を駆動する電動機を内蔵したケーシングと、断熱材料で形成され、前記電動機を駆動するインバータ制御装置を内蔵したインバータケースと、前記インバータ制御装置の発熱部の冷却手段として、放熱面と吸熱面を具備するサーモモジュールを用いた電動圧縮機において、前記サーモモジュールの吸熱面を、前記インバータ制御装置の発熱部と熱伝導あるいは熱伝達あるいは輻射によって熱が伝わるように前記インバータケースに取付け、さらに前記サーモモジュールの放熱面を、前記インバータケースの外部と熱交換可能に配置した電動圧縮機。
  2. 冷媒の吸入、圧縮および吐出を行う圧縮機構部と前記圧縮機構部を駆動する電動機を内蔵したケーシングと、断熱材料で形成され、前記電動機を駆動するインバータ制御装置を内蔵したインバータケースと、前記インバータ制御装置の発熱部の冷却手段として、放熱面と吸熱面を具備するサーモモジュールを用い、さらに前記インバータケース内部の空間の冷却に、吸入冷媒温度を利用した電動圧縮機において、前記サーモモジュールの吸熱面を、前記インバータ制御装置の発熱部と熱伝導あるいは熱伝達あるいは輻射によって熱が伝わるように前記インバータケースに取付け、さらに前記サーモモジュールの放熱面を、前記インバータケースの外部と熱交換可能に配置した電動圧縮機。
  3. 前記インバータケースと隣接するケーシング側に、前記インバータ制御装置における発熱部の前記サーモモジュールからの離反を規制する規制手段を設けた請求項1または2に記載の電動圧縮機。
  4. 前記サーモモジュールの少なくとも放熱面に、その放熱作用を促進する伝熱促進手段を設けた請求項1から3のいずれか一項に記載の電動圧縮機。
  5. 前記インバータケースに、前記伝熱促進手段を前記サーモモジュールと密着する方向に付勢する弾性体を設けた請求項4に記載の電動圧縮機。
  6. 前記ケーシングを、一面が開口し、内部に前記圧縮機構部および前記電動機を収納したケーシング本体と、前記開口一面を閉塞する蓋体を具備する構成とし、前記蓋体に、前記インバータ制御装置側に突出し、前記規制手段を構成する突出部を設けた請求項3から5のいずれか一項に記載の電動圧縮機。
  7. 前記インバータケースに、該インバータケースの内外を連通する換気手段を設けた請求項1から6のいずれか一項に記載の電動圧縮機。
  8. 前記換気手段を、少なくとも前記インバータケースに設けた吸気口と排気口および前記インバータケース内の空間より構成した請求項7に記載の電動圧縮機。
  9. 前記吸気口と排気口の少なくとも一方を、他方よりも高い位置に設けた請求項8に記載の電動圧縮機。
  10. 前記インバータケースの壁面に貫通穴を設け、前記貫通穴に前記サーモモジュールを配置し、前記サーモモジュールを前記インバータケースに固定する固定具を設けた請求項1から9のいずれか一項に記載の電動圧縮機。
  11. 前記伝熱促進手段と前記固定具の間に、弾性体を介在した請求項10に記載の電動圧縮機。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102220980A (zh) * 2010-04-19 2011-10-19 株式会社荏原制作所 干式真空泵设备及冷却干式真空泵设备的方法
JP2016008526A (ja) * 2014-06-23 2016-01-18 アイシン精機株式会社 電動ポンプ
US10804765B2 (en) 2015-11-27 2020-10-13 Hitachi, Ltd. Electromechanical integral motor
CN116045715A (zh) * 2023-01-09 2023-05-02 浙江志高动力科技有限公司 一种节能螺杆空压机

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