JP2008163368A - パーティクル発生の少ない高密度磁気記録媒体膜形成用スパッタリングターゲット - Google Patents
パーティクル発生の少ない高密度磁気記録媒体膜形成用スパッタリングターゲット Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】酸素:2〜40原子%、Cr:5〜20原子%、Pt:5〜25原子%、Ta:0.5〜15原子%を含有し、残部:Coおよび不可避不純物からなる成分組成を有する焼結体からなるターゲットにおいて、前記ターゲット素地中にCr、Taおよび酸素からなる酸化物粒子が均一分散している組織を有し、前記Cr、Taおよび酸素からなる酸化物粒子は、Cr、Taおよび酸素の合計を100原子%とした場合、Cr:12〜20原子%、Ta:14〜22原子%を含有し、残部が酸素からなる酸化物粒子であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
このスパッタリングターゲットは、市販のCrおよびPtを含むCo基合金粉末または急冷凝固して作製したCrおよびPtを含むCo基合金粉末と酸化タンタル粉末を配合し混合したのち、真空ホットプレスまたは熱間静水圧プレスすることにより作製されることが考えられる。
(a)酸素:2〜40原子%、Cr:5〜20原子%、Pt:5〜25原子%、Ta:0.5〜15原子%を含有し、残部:Coおよび不可避不純物からなる成分組成を有する焼結体からなる高密度磁気記録媒体膜形成用スパッタリングターゲットにおいて、Cr、Taおよび酸素からなる酸化物粒子を素地中に均一分散させたターゲットは、マグネトロンスパッタリングに際しパーティクルの発生が格段に少なくなる
(b)前記Cr、Taおよび酸素からなる酸化物粒子は、Cr、Taおよび酸素の合計を100原子%とした場合、Cr:12〜20原子%、Ta:14〜22原子%を含有し、残部が酸素からなる酸化物粒子である、
(c)前記素地中に均一分散しているCr、Taおよび酸素からなる酸化物粒子は微細であるほど好ましく、絶対最大長(粒子の輪郭線上の任意の2点間の距離の最大値)が25μmを超える酸化物粒子数が5%以下の粒度分布を有することが好ましい、
(d)前記高密度磁気記録媒体膜形成用スパッタリングターゲットは、前記焼結体の密度が理論密度に近いほど好ましく、相対密度が95%以上を有する焼結体からなることがいっそう好ましい、などの知見を得たのである。
(1)酸素:2〜40原子%、Cr:5〜20原子%、Pt:5〜25原子%、Ta:0.5〜15原子%を含有し、残部:Coおよび不可避不純物からなる成分組成を有する焼結体からなるターゲットにおいて、前記ターゲット素地中にCr、Taおよび酸素からなる酸化物粒子が均一分散している組織を有しており、前記Cr、Taおよび酸素からなる酸化物粒子は、Cr、Taおよび酸素の合計を100原子%とした場合、Cr:12〜20原子%、Ta:14〜22原子%を含有し、残部が酸素からなる酸化物粒子であるパーティクル発生の少ない高密度磁気記録媒体膜形成用スパッタリングターゲット、
(2)前記Cr、Taおよび酸素からなる酸化物粒子は、絶対最大長が25μmを超える酸化物粒子数が5%以下の粒度分布を有する前記(1)記載のパーティクル発生の少ない高密度磁気記録媒体膜形成用スパッタリングターゲット、
(3)前記焼結体は相対密度が95%以上を有する焼結体である前記(1)または(2)記載のパーティクル発生の少ない高密度磁気記録媒体膜形成用スパッタリングターゲット、に特徴を有するものである。
なお、前記(3)記載の焼結体の相対密度は、焼結体の嵩密度を理論密度で割って100をかけた値であり、焼結体の理論密度は、各元素、分子が均一に混合し、反応、拡散などが起こらないものと仮定して以下のようにして計算した値である。すなわち、焼結体の組成がCoaCrbPtc(Ta2O5)d(a,b,c,dは重量%)と表されるとき、焼結体の理論密度ρtは、
ρt=100/(a/ρCo+b/ρCr+c/ρPt+d/ρTa2O5)(ここでρCo=8.92、ρCr=7.19、ρPt=21.45、ρTa2O5=4.25でこれらは各元素、酸化物の理論密度である)で求められる。
したがって、焼結体の相対密度Rは、焼結体の嵩密度ρと理論密度ρtからR=ρ/ρt×100により求められる。
また、Ta:14〜22原子%とした理由は、Taが14原子%未満ではスパッタリング膜の磁気特性が低下するので好ましくなく、一方、Taが22原子%を越えると、パーティクルの発生数が多くなるので好ましくないからである。
ターゲット中に分散させる酸化物粒子をTa2O5からCrとTaを含む酸化物とすることによりパーティクルの発生が少なくなる理由は、酸化物粒子がCrを含むことにより、母相であるCrを含有するCo合金との密着性が改善され、酸化物粒子がスパッタ中に剥離、脱落しにくくなるためと推測される。
そして、ターゲットの素地中に均一分散しているCr、Taおよび酸素からなる酸化物粒子は微細な粒子で分散しているほど好ましく、絶対最大長が25μmを超える酸化物粒子数が5%以下であることが好ましい。絶対最大長が25μmを超える酸化物粒子数が5%を超えると粒径の大きな酸化物粒子が多くなりすぎてパーティクルの発生が多くなるので好ましくないからである。
原料粉末として、市販の50%粒径:6μmのCo粉末、50%粒径:20μmのPt粉末、50%粒径:30μmのCr粉末、50%粒径:3μmのTa2O5粉末を用意した。
さらに前記Cr粉末の一部とTa2O5粉末をボールミルで混合し、得られた混合粉末を大気中、1000℃の温度にて24時間加熱の熱処理を行なったのち、さらに粉砕することにより、表1に示される成分組成および粒度を有する酸化物粉末A〜Kを作製し用意した。
この板状ホットプレス体を切削加工により直径:152.4mm、厚さ:5mmの板にしたのち、銅製のバッキングプレートに接合し、本発明ターゲット1〜10および比較ターゲット1〜3を作製した。
さらに、実施例で用意したCo粉末、Pt粉末、Cr粉末、Ta2O5粉末を表2に示される割合で配合し、酸化ジルコニウムのボールとともに10リットルの容器に投入し、この容器の雰囲気をArガスで置換したのち容器を密封した。この容器を16時間ボールミルにより回転させ、混合することにより混合粉末を作製した。このようにして得られた混合粉末を真空ホットプレス装置に充填し、真空雰囲気中、温度:1200℃、圧力:15MPa、3時間保持の条件で真空ホットプレスすることにより表2に示される成分組成を有する板状ホットプレス体を作製し、この板状ホットプレス体の相対密度を測定し、その結果を表2に示した。次に、この板状ホットプレス体を切削加工により直径:152.4mm、厚さ:5mmの板にしたのち、銅製のバッキングプレートに接合し、従来ターゲットを作製した。
さらに、素地中に均一分散している酸化物粒子の成分組成についてフィールドエミッションEPMA(日本電子社製JXA−8500F)により、加速電圧:15kV、照射電流:5×10−8A、分析スポット径の設定値:0(実質的な電子線径は約0.5μm)の条件にてCr、Ta、Oの組成定量分析を行い、その結果を表2に示した。
到達真空度:<5×10−5Pa、
電力:直流800W、
Arガス:6.0Pa、
ターゲット−基板間距離:60mm、
基板加熱:なし、
の条件で5時間プレスパッタを行い、ターゲット表面の表面加工層を除去したのち、一旦チャンバーを開放して防着板などのチャンバー部材の清掃を行い、その後、再び上記真空度に達するまで真空引きを行なった。真空引き後、30分のプレスパッタを行なって、ターゲット表面の大気吸着成分や金属酸化層の除去を行なった後、4インチSiウエハ上に高密度磁気記録媒体膜を成膜した。成膜後、のウエハについて市販の異物検査装置によりウエハ表面に付着した1μm以上のパーティクルの数を計測し、その結果を表2に示した。
Claims (3)
- 酸素:2〜40原子%、Cr:5〜20原子%、Pt:5〜25原子%、Ta:0.5〜15原子%を含有し、残部:Coおよび不可避不純物からなる成分組成を有する焼結体からなるターゲットにおいて、前記ターゲット素地中にCr、Taおよび酸素からなる酸化物粒子が均一分散している組織を有し、前記Cr、Taおよび酸素からなる酸化物粒子は、Cr、Taおよび酸素の合計を100原子%とした場合、Cr:12〜20原子%、Ta:14〜22原子%を含有し、残部が酸素からなる酸化物粒子であることを特徴とするパーティクル発生の少ない高密度磁気記録媒体膜形成用スパッタリングターゲット。
- 前記Cr、Taおよび酸素からなる酸化物粒子は、絶対最大長が25μmを超える酸化物粒子数が5%以下の粒度分布を有することを特徴とする請求項1記載のパーティクル発生の少ない高密度磁気記録媒体膜形成用スパッタリングターゲット。
- 前記焼結体は相対密度が95%以上を有する焼結体であることを特徴とする請求項1または2記載のパーティクル発生の少ない高密度磁気記録媒体膜形成用スパッタリングターゲット。
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JP2006045587A (ja) * | 2004-07-30 | 2006-02-16 | Mitsui Mining & Smelting Co Ltd | セラミックス−金属複合材料からなるスパッタリングターゲット材およびその製造方法 |
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