JP2008163086A - 光学フィルム、光学フィルムの製造方法、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

光学フィルム、光学フィルムの製造方法、偏光板及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、透明性に優れ、充分な耐熱性を所持したまま最適な波長分散特性を有する光学フィルムを提供することにあり、該光学フィルムの製造方法、該光学フィルムを用いた偏光板、及び液晶表示装置を提供することにある。
【解決手段】脂環式構造を有する重合体樹脂中に、下記一般式(1)で表される重量平均分子量(Mw)が1000〜30000である化合物を0.1〜30質量%含有することを特徴とする光学フィルム。
一般式(1)
−[CH2−C(−R1)(−CO22)]m−[CH2−C(−R3)(−CO24−OH)−]n
(式中、R1、R3、はHまたはCH3、R2、R4はCH2またはC24またはC36、m、nは繰り返し単位を表す)
【選択図】なし

Description

本発明は、光学フィルム、光学フィルムの製造方法、該光学フィルムを用いた偏光板及び液晶表示装置に関し、より詳しくは透明性に優れ、充分な耐熱性を所持したまま最適な波長分散特性を有する光学フィルムに関する。
従来、液晶表示装置において、透過光の位相差及びその波長依存性(波長分散性ともいう)を制御することにより、液晶ディスプレイの色抜け、着色を防止し、全方位で高いコントラスト比が得られることが知られている。具体的には、光学補償フィルムの位相差(リターデーション)を、長波長になるに伴い大きく、短波長になるに従って小さくなるように制御することにより色抜け、着色防止が達成される。また、このように位相差を制御する手段として、脂環式構造を有する熱可塑性樹脂に、スチレン系ポリマーやアクリル系ポリマーを添加する方法が知られている(例えば、特許文献1〜5参照。)。
しかしながら、スチレン系ポリマーやアクリル系ポリマーを添加した場合、充分な波長分散性を得るまで添加すると、樹脂の耐熱性が著しく低下してしまうという問題があった。また、脂環式構造を有する熱可塑性樹脂に添加した場合には、相溶性が悪く透明性が失われる場合があった。
特許第3325560号公報 特開2001−337222号公報 特開2002−40258号公報 特開2004−325523号公報 特開2006−58540号公報
従って本発明の目的は、透明性に優れ、充分な耐熱性を所持したまま最適な波長分散特性を有する光学フィルムを提供することにあり、該光学フィルムの製造方法、該光学フィルムを用いた偏光板、及び液晶表示装置を提供することにある。
本発明の上記課題は以下の構成により達成される。
1.脂環式構造を有する重合体樹脂中に、下記一般式(1)で表される重量平均分子量(Mw)が1000〜30000である化合物を0.1〜30質量%含有することを特徴とする光学フィルム。
一般式(1)
−[CH2−C(−R1)(−CO22)]m−[CH2−C(−R3)(−CO24−OH)−]n
(式中、R1、R3、はHまたはCH3、R2、R4はCH2またはC24またはC36、m、nは繰り返し単位を表す)
2.前記光学フィルムのリターデーション値が、下記式(a)、(b)を満たすことを特徴とする前記1に記載の光学フィルム。
式(a) 0.70≦Re(480)/Re(630)≦0.99
式(b) 0.70≦Rth(480)/Rth(630)≦0.99
式中、Re(480)、Re(630)、Rth(480)、Rth(630)は、各々波長480nmもしくは630nmで測定した時の、フィルム面内のリターデーション(Re)、フィルム厚み方向のリターデーション(Rth)を表す。
3.前記脂環式構造がノルボルネン骨格を有することを特徴とする前記1または2に記載の光学フィルム。
4.前記1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルムを少なくとも一方の面に用いたことを特徴とする偏光板。
5.前記4に記載の偏光板を少なくとも一方の面に用いたことを特徴とする液晶表示装置。
6.前記1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法であって、該光学フィルムが溶融流延法によって製造されることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
本発明により、透明性に優れ、充分な耐熱性を所持したまま最適な波長分散特性を有する光学フィルム、該光学フィルムの製造方法、該光学フィルムを用いた偏光板、及び液晶表示装置を提供することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明は、固有複屈折値が正及び負のポリマーをブレンドしたポリマーブレンドからなるフィルムを使用することにより、各ポリマーが単独で示すリターデーションの波長分散特性を互いに軽減させ、可視光全域の入射光に対して、本発明の式(a)、式(b)で表される波長分散性を与えることを可能とするものである。
即ち、本発明の光学フィルムは、固有複屈折値が正のポリマーの少なくとも一種類と、固有複屈折値が負のポリマーの少なくとも一種類とを含むポリマーブレンドからなるフィルムに配向を付与して形成される。
前記「固有複屈折値が正のポリマー」とは、分子が一軸性の配向をとって形成された層に光が入射したとき、前記配向方向の光の屈折率が前記配向方向に直交する方向の光の屈折率より大きくなるポリマーをいう。一方、前記「固有複屈折値が負のポリマー」とは、分子が一軸性の配向をとって形成された層に光が入射したとき、前記配向方向の光の屈折率が前記配向方向に直交する方向の光の屈折率より小さくなるポリマーをいう。
前記したように、従来の固有複屈折値が負のポリマーであるスチレン系ポリマーやアクリル系ポリマーを波長分散調整剤として、固有複屈折値が正のポリマーである、例えばノルボルネン系樹脂等の脂環式構造を有する重合体樹脂に充分な効果が得られるまで添加すると、耐熱性が著しく低下し、また、脂環式構造を有する重合体樹脂にアクリル系の材料を添加した際には、相溶しない場合があった。
本発明者らは、上記問題について鋭意検討を加えた結果、本発明の一般式(1)で表され、平均分子量(Mw)が1000〜30000である化合物を用いることにより、驚くべきことに脂環式構造を有する重合体樹脂と相溶し易く、耐熱性を損なうことなく波長分散性を最適化した光学フィルムを作製することが可能になることを見出したものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
《一般式(1)で表される化合物》
一般式(1)
−[CH2−C(−R1)(−CO22)]m−[CH2−C(−R3)(−CO24−OH)−]n
(式中、R1、R3、はHまたはCH3、R2、R4はCH2またはC24またはC36、m、nは繰り返し単位を表す)
本発明の一般式(1)で表される化合物は重量平均分子量が1000〜30000であるから、オリゴマーから低分子量ポリマーの間にあると考えられるものである。
本発明の一般式(1)で表される化合物は、下記エチレン性不飽和モノマーXaの1種、及び下記エチレン性不飽和モノマーXbの1種とを共重合して得られたポリマーであることが好ましい。
−(Xa)m−(Xb)n− (m、nは繰り返し単位を表す)
本発明の一般式(1)で表される化合物を構成するモノマー単位としてのモノマーを下記に挙げるがこれに限定されない。
エチレン性不飽和モノマーXaは、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル(i−、n−)、アクリル酸ブチル(n−、i−、s−、t−)、アクリル酸ペンチル(n−、i−、s−)、アクリル酸ヘキシル(n−、i−)、アクリル酸ヘプチル(n−、i−)、アクリル酸オクチル(n−、i−)、アクリル酸ノニル(n−、i−)、アクリル酸ミリスチル(n−、i−)、アクリル酸(2−エチルヘキシル)、アクリル酸(ε−カプロラクトン)、アクリル酸(2−エトキシエチル)等、または上記アクリル酸エステルをメタクリル酸エステルに変えたものを挙げることができる。中でも、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル(i−、n−)であることが好ましい。
エチレン性不飽和モノマーXbは、アクリル酸またはメタクリル酸エステルが好ましく、例えば、アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(3−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(4−ヒドロキシブチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシブチル)、またはこれらアクリル酸をメタクリル酸に置き換えたものを挙げることができ、好ましくは、アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)及びメタクリル酸(2−ヒドロキシエチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(3−ヒドロキシプロピル)である。
Xa、Xbのモル組成比m:nは99:1〜65:35の範囲が好ましく、更に好ましくは95:5〜75:25の範囲である。
Xaのモル組成比が多いと脂環式構造を有する重合体樹脂との相溶性が良化するがフィルムの耐熱性が低下する。Xbのモル組成比が多いと上記相溶性が悪くなる。また、Xbのモル組成比が上記範囲を超えると製膜時にヘイズが出る傾向があり、これらの最適化を図りXa、Xbのモル組成比を決めることが好ましい。
本発明の一般式(1)で表される化合物の重量平均分子量は1000〜30000であり、より好ましくは8000〜25000である。
重量平均分子量を1000以上30000以下とすることにより、蒸発や揮発することなく樹脂との相溶性がより向上し好ましい。
重量平均分子量の測定方法は下記方法によることができる。
(重量平均分子量測定方法)
重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した。
測定条件は以下の通りである。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いる。
一般式(1)で表される化合物を合成するには、通常の重合では分子量のコントロールが難しく、分子量を余り大きくしない方法でできるだけ分子量を揃えることのできる方法を用いることが望ましい。かかる重合方法としては、クメンペルオキシドやt−ブチルヒドロペルオキシドのような過酸化物重合開始剤を使用する方法、重合開始剤を通常の重合より多量に使用する方法、重合開始剤の他にメルカプト化合物や四塩化炭素等の連鎖移動剤を使用する方法、重合開始剤の他にベンゾキノンやジニトロベンゼンのような重合停止剤を使用する方法、更に特開2000−128911号または同2000−344823号公報にあるような一つのチオール基と2級の水酸基とを有する化合物、或いは、該化合物と有機金属化合物を併用した重合触媒を用いて塊状重合する方法等を挙げることができ、何れも本発明において好ましく用いられるが、特に、分子中にチオール基と2級の水酸基とを有する化合物を連鎖移動剤として使用する重合方法が好ましい。
この場合、一般式(1)で表される化合物の末端には、重合触媒及び連鎖移動剤に起因する水酸基、チオエーテルを有することとなる。この末端残基により、一般式(1)で表される化合物と脂環式構造を有する重合体樹脂との相溶性を調整することができる。
また、重合温度は通常室温から130℃、好ましくは50℃から100℃で行われるが、この温度または重合反応時間を調整することで分子量のコントロールが可能である。
また、一般式(1)で表される化合物の水酸基価は30〜150[mgKOH/g]であることが好ましい。
(水酸基価の測定方法)
この測定は、JIS K 0070(1992)に準ずる。この水酸基価は、試料1gをアセチル化させたとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数と定義される。具体的には試料Xg(約1g)をフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬(無水酢酸20mlにピリジンを加えて400mlにしたもの)20mlを正確に加える。フラスコの口に空気冷却管を装着し、95〜100℃のグリセリン浴にて加熱する。
1時間30分後、冷却し、空気冷却管から精製水1mlを加え、無水酢酸を酢酸に分解する。次に電位差滴定装置を用いて0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液で滴定を行い、得られた滴定曲線の変曲点を終点とする。更に空試験として、試料を入れないで滴定し、滴定曲線の変曲点を求める。
水酸基価は、次の式によって算出する。
水酸基価={(B−C)×f×28.05/X}+D
(式中、Bは空試験に用いた0.5mol/Lの水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)、Cは滴定に用いた0.5mol/Lの水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)、fは0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液のファクター、Dは酸価、また、28.05は水酸化カリウムの1mol量56.11の1/2を表す)
一般式(1)で表される化合物は、脂環式構造を有する重合体樹脂中に0.1〜30質量%含有させることが必要であり、好ましくは1〜25質量%、より好ましくは3〜20質量%、特に好ましくは5〜15質量%である。
一般式(1)で表される化合物は、下記脂環式構造を有する重合体樹脂と一緒に後述する溶融流延法によって均一に混練溶融され、光学フィルムを形成する。
(シクロオレフィンポリマー)
本発明に用いられるシクロオレフィンポリマーは脂環式構造を有する重合体樹脂からなるものである。
好ましいシクロオレフィンポリマーは、シクロオレフィンを重合または共重合した樹脂である。シクロオレフィンとしては、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、エチルテトラシクロドデセン、エチリデンテトラシクロドデセン、テトラシクロ〔7.4.0.110,13.02,7〕トリデカ−2,4,6,11−テトラエンなどの多環構造の不飽和炭化水素及びその誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン、シクロヘプテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの単環構造の不飽和炭化水素及びその誘導体等が挙げられる。これらシクロオレフィンには置換基として極性基を有していてもよい。極性基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシル基、エポキシ基、グリシジル基、オキシカルボニル基、カルボニル基、アミノ基、エステル基、カルボン酸無水物基などが挙げられ、特に、エステル基、カルボキシル基またはカルボン酸無水物基が好適である。
好ましいシクロオレフィンポリマーは、シクロオレフィン以外の単量体を付加共重合したものであってもよい。付加共重合可能な単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテンなどのエチレンまたはα−オレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどのジエン等が挙げられる。
シクロオレフィンは、付加重合反応或いはメタセシス開環重合反応によって得られる。重合は触媒の存在下で行われる。付加重合用触媒として、例えば、バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる重合触媒などが挙げられる。開環重合用触媒として、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる重合触媒;或いは、チタン、バナジウム、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる重合触媒などが挙げられる。重合温度、圧力等は特に限定されないが、通常−50℃〜100℃の重合温度、0〜490N/cm2の重合圧力で重合させる。
本発明に用いられるシクロオレフィンポリマーは、シクロオレフィンを重合または共重合させた後、水素添加反応させて、分子中の不飽和結合を飽和結合に変えたものであることが好ましい。水素添加反応は、公知の水素化触媒の存在下で、水素を吹き込んで行う。水素化触媒としては、酢酸コバルト/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリイソブチルアルミニウム、チタノセンジクロリド/n−ブチルリチウム、ジルコノセンジクロリド/sec−ブチルリチウム、テトラブトキシチタネート/ジメチルマグネシウムの如き遷移金属化合物/アルキル金属化合物の組み合わせからなる均一系触媒;ニッケル、パラジウム、白金などの不均一系金属触媒;ニッケル/シリカ、ニッケル/けい藻土、ニッケル/アルミナ、パラジウム/カーボン、パラジウム/シリカ、パラジウム/けい藻土、パラジウム/アルミナの如き金属触媒を担体に担持してなる不均一系固体担持触媒などが挙げられる。
シクロオレフィンポリマーとして、下記のノルボルネン系ポリマーが好ましい。ノルボルネン系ポリマーは、ノルボルネン骨格を繰り返し単位として有していることが好ましく、その具体例としては、特開昭62−252406号公報、特開昭62−252407号公報、特開平2−133413号公報、特開昭63−145324号公報、特開昭63−264626号公報、特開平1−240517号公報、特公昭57−8815号公報、特開平5−39403号公報、特開平5−43663号公報、特開平5−43834号公報、特開平5−70655号公報、特開平5−279554号公報、特開平6−206985号公報、特開平7−62028号公報、特開平8−176411号公報、特開平9−241484号公報等に記載されたものが好ましく利用できるが、これらに限定されるものではない。また、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、前記ノルボルネン系ポリマーの中でも、下記構造式(I)〜(IV)のいずれかで表される繰り返し単位を有するものが好ましい。
Figure 2008163086
前記構造式(I)〜(IV)中、A、B、C及びDは、各々独立して、水素原子または1価の有機基を表す。
また、前記ノルボルネン系ポリマーの中でも、下記構造式(V)または(VI)で表される化合物の少なくとも1種と、これと共重合可能な不飽和環状化合物とをメタセシス重合して得られる重合体を水素添加して得られる水添重合体も好ましい。
Figure 2008163086
前記構造式中、A、B、C及びDは、各々独立して、水素原子または1価の有機基を表す。
ここで、上記A、B、C及びDは特に限定されないが、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、一価の有機基、または、少なくとも2価の連結基を介して有機基が連結されてもよく、これらは同じであっても異なっていてもよい。また、AまたはBとCまたはDは単環または多環構造を形成してもよい。ここで、上記少なくとも2価の連結基とは、酸素原子、イオウ原子、窒素原子に代表されるヘテロ原子を含み、例えばエーテル、エステル、カルボニル、ウレタン、アミド、チオエーテル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、上記連結基を介し、上記有機基は更に置換されてもよい。
また、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のα−オレフィン、及びこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン、及びこれらの誘導体;1、4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;などが用いられる。これらの中でも、α−オレフィン、特にエチレンが好ましい。
これらの、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーは、それぞれ単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用することができる。ノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとを付加共重合する場合は、付加共重合体中のノルボルネン系モノマー由来の構造単位と共重合可能なその他のモノマー由来の構造単位との割合が、質量比で通常30:70〜99:1、好ましくは50:50〜97:3、より好ましくは70:30〜95:5の範囲となるように適宜選択される。
合成したポリマーの分子鎖中に残留する不飽和結合を水素添加反応により飽和させる場合には、耐光劣化や耐候劣化性などの観点から、水素添加率を90%以上、好ましくは95%以上、特に好ましくは99%以上とする。
この他、本発明で用いられるシクロオレフィンポリマー(樹脂)としては、特開平5−2108号公報段落番号[0014]〜[0019]記載の熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂、特開2001−277430号公報段落番号[0015]〜[0031]記載の熱可塑性ノルボルネン系ポリマー、特開2003−14901号公報段落番号[0008]〜[0045]記載の熱可塑性ノルボルネン系樹脂、特開2003−139950号公報段落番号[0014]〜[0028]記載のノルボルネン系樹脂組成物、特開2003−161832号公報段落番号[0029]〜[0037]記載のノルボルネン系樹脂、特開2003−195268号公報段落番号[0027]〜[0036]記載のノルボルネン系樹脂、特開2003−211589号公報段落番号[0009]〜[0023]脂環式構造含有重合体樹脂、特開2003−211588号公報段落番号[0008]〜[0024]記載のノルボルネン系重合体樹脂若しくはビニル脂環式炭化水素重合体樹脂などが挙げられる。
具体的には、日本ゼオン(株)製ゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製アートン、三井化学(株)製アペル(APL8008T、APL6509T、APL6013T、APL5014DP、APL6015T)などが好ましく用いられる。
本発明で使用されるシクロオレフィンポリマーの分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法で測定したポリイソプレンまたはポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常、5000〜500000、好ましくは8000〜200000、より好ましくは10000〜100000の範囲である時に、成形体の機械的強度、及び成形加工性とが高度にバランスされて好適である。
シクロオレフィンポリマーは、フィルム成形する際に一般的に樹脂フィルムに配合することができる添加剤を含有していてもよい。そのような添加剤としては、熱安定剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、及び充填剤などが挙げられ、その含有量は本発明の目的を損ねない範囲で選択することができる。
例えば、シクロオレフィンポリマー100質量部に対して、低揮発性の酸化防止剤を0.01〜5質量部の割合で配合すると、成形加工時のポリマーの分解や着色を効果的に防止することができる。
酸化防止剤としては、20℃における蒸気圧が10-5Pa以下、特に好ましくは10-8Pa以下の酸化防止剤が望ましい。蒸気圧が10-5Paより高い酸化防止剤は、押出成形する場合に発泡したり、また、高温にさらされた時に成形品の表面から酸化防止剤が揮散するという問題が起こる。
本発明で使用できる酸化防止剤としては、例えば、次のようなものを挙げることができ、これらのうちの一種または数種を組み合わせて用いてもよい。
ヒンタードフェノール系:2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−α−メトキシ−p−ジメチル−フェノール、2,4−ジ−t−アミルフェノール、t−ブチル−m−クレゾール、4−t−ブチルフェノール、スチレン化フェノール、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、4,4′−ビスフェノール、4,4′−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−α−メチルシクロヘキシルフェノール)、4,4′−メチレン−ビス−(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,1′−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルナフトール)、4,4′−ブチリデン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチル−メタ−クレゾール)、2,2′−チオ−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ジ−o−クレゾールスルフィド、2,2′−チオ−ビス−(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオ−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオ−ビス−(2,3−ジ−sec−アミルフェノール)、1,1′−チオ−ビス−(2−ナフトール)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルエーテル、1,6−ヘキサンジオール−ビス−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシジェニル)プロピオネート〕等。
アミノフェノール類:ノルマルブチル−p−アミノフェノール、ノルマルブチロイル−p−アミノフェノール、ノルマルペラゴノイル−p−アミノフェノール、ノルマルラウロイル−p−アミノフェノール、ノルマルステアロイル−p−アミノフェノール、2、6−ジ−t−ブチル−α−ジメチル、アミノ−p−クレゾール等。
ハイドロキノン系:ハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、ハイドロキノンメチルエーテル、ハイドロキノンモノベンジルエーテル等。
ホスファイト系トリホスファイト、トリス(3,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4′−ビフェニレンフォスファナイト、2−エチルヘキシルオクチルフォスファイト等。
その他:2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩、ジカテコールボレート−ジ−o−トリルグアニジン塩、ニッケル−ジメチルジチオカーバメイト、ニッケル−ペンタメチレンンジチオカルバネート、メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール亜鉛塩等。
(ヒンダードアミン系安定剤)
ヒンダードアミン系安定剤を樹脂に添加することで、400nmといった短波長の光を継続的に照射した場合の白濁や、屈折率の変動等の光学特性変動を高度に抑制することができる。ヒンダードアミン系安定剤の含有量は、樹脂100質量部に対し、0.05〜2質量部であることが好ましく、より好ましくは、0.1〜1質量部である。
また、好ましいヒンダードアミン系安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、ビス(1−アクロイル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルデカン)ジオエート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−1−[2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等が挙げられる。
(帯電防止剤)
本発明の光学フィルムは帯電防止剤を含有することが好ましく、樹脂100質量部に対し、帯電防止剤を0.001〜2.0質量部含有することが好ましい。
帯電防止剤としては、特に制限はなく、公知の帯電防止剤を用いることができるが、その中でも、アニオン性帯電防止剤、カチオン性帯電防止剤、非イオン性帯電防止剤、両性イオン性帯電防止剤、高分子帯電防止剤及び導電性微粒子から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、更に好ましくは導電性微粒子であり、特に好ましくは酸化セリウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化アンチモン及び酸化シリコンから選ばれる少なくとも1種である。
アニオン性帯電防止剤としては、例えば、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、脂肪族アミン及び脂肪属アマイドの硫酸塩類、脂肪属アルコールリン酸エステル塩類、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩類、脂肪族アミドスルホン酸塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類、ホルマリン縮合のナフタリンスルホン酸塩類等が挙げられ、カチオン性帯電防止剤としては、例えば、脂肪族アミン塩類、第4級アンモニウム塩類、アルキルピリジニウム塩等が挙げられる。非イオン性帯電防止剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類等が挙げられ、両性イオン性帯電防止剤としては、例えば、イミダゾリン誘導体、ベタイン型高級アルキルアミノ誘導体、硫酸エステル誘導体、リン酸エステル誘導体等が挙げられ、具体的な化合物は、丸茂秀雄著「帯電防止剤 高分子の表面改質」幸書房、増補「プラスチック及びゴム用添加剤実用便覧 p333〜p455」化学工業社刊、特開平11−256143号、特公昭52−32572号、特開平10−158484号等に記載されている。
好ましい帯電防止剤としては、アニオン性帯電防止剤やカチオン性帯電防止剤といったイオン性高分子化合物を挙げることができる。イオン性高分子化合物としては、特公昭49−23828号、同49−23827号、同47−28937号にみられるようなアニオン性高分子化合物;特公昭55−734号、特開昭50−54672号、特公昭59−14735号、同57−18175号、同57−18176号、同57−56059号等にみられるような、主鎖中に解離基をもつアイオネン型ポリマー:特公昭53−13223号、同57−15376号、特公昭53−45231号、同55−145783号、同55−65950号、同55−67746号、同57−11342号、同57−19735号、特公昭58−56858号、特開昭61−27853号、同62−9346号にみられるような、側鎖中にカチオン性解離基をもつカチオン性ペンダント型ポリマー、特開平5−230161号にみられるようなグラフト共重合体等を挙げることができる。
また、本発明において特に好ましく用いることのできる導電性微粒子としては、金属酸化物の例としては、ZnO、TiO2、SnO2、Al23、In23、SiO2、MgO、BaO、CeO2、Sb23、MoO2、V25等、或いはこれらの複合酸化物が好ましく、特に、CeO2、In23、SnO2、Sb23、及びSiO2が好ましい。異種原子を含む例としては、例えば、ZnOに対してはAl、In等の添加、TiO2に対してはNb、Ta等の添加、またSnO2に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等の添加が効果的である。これら異種原子の添加量は0.01〜25mol%の範囲が好ましいが、0.1〜15mol%の範囲が特に好ましい。
本発明においては、導電性微粒子の平均微粒子径が100nm以下であることが好ましく、より好ましくは5〜100nmである。導電性微粒子の平均微粒子径が100nm以下であれば、樹脂材料に含有した際に、十分な帯電特性を付与できると共に、樹脂材料の透明性を損なうことがないため好ましい。
特に好ましい帯電防止剤は、帯電防止性能と添加量の関係から、表面固有抵抗値が1×1010Ω以下のものが好ましい。表面固有抵抗値は、試料を23℃、50%RHの雰囲気で24時間調湿した後、超絶縁計を用いて、ASTM D257に準拠し測定する。
また、本発明において好ましく用いることのできる帯電防止剤は、特開平9−203810号に記載されているアイオネン導電性ポリマー或いは分子間架橋を有する第4級アンモニウムカチオン導電性ポリマー等である。
架橋型カチオン性導電性ポリマーの特徴は、得られる分散性粒状ポリマーにあり、微粒子内のカチオン成分を高濃度、高密度にもたせることができるため、優れた導電性を有しているばかりでなく、樹脂との相溶性が良く、高い透明性が選られることにある、更に低相対湿度下においても導電性の劣化は見られない。
帯電防止に用いられる架橋型のカチオン性導電性ポリマーである分散性粒状ポリマーは一般に約0.01〜0.3μmの微粒子サイズ範囲にあり、好ましくは0.05〜0.15μmの範囲の微粒子サイズが用いられる。
本発明において、上記で説明した各帯電防止剤は、脂環式構造を有する重合体樹脂100質量部に対して、0.001〜2.0質量部の範囲で添加することが好ましく、帯電防止剤の添加量が0.001質量部以上、2.0質量部以下である場合、樹脂材料への埃や塵の付着を効果的に抑制でき、樹脂材料の光透過率を所望の値に維持できる。尚、帯電防止剤の添加量は、脂環式構造を有する重合体100質量部に対して0.005〜1.0質量部であることが好ましく、0.01〜0.5質量部が更に好ましい。
本発明においては、上記帯電防止剤及び一般に防汚のために用いられるフッ素化合物を含有した層を樹脂に設けることによっても同様の効果を得られる。
また、本発明の光学フィルムの性能を得るために、帯電防止剤の少なくとも1種を含む層(帯電防止層)を光学フィルム表面に設けるようにしてもよい。
帯電防止層は、前述の帯電防止剤を有する混合物を光学素子表面に塗布することにより設けてもよいし、蒸着のような方法によって設けてもよい。尚、帯電防止層の厚さは、50μm以上、300μm以下であることが好ましい。
(その他の安定剤)
樹脂には、フェノール系安定剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤の中から選ばれた1種以上の安定剤を追加して添加してもよい。これら安定剤を適宜選択し、樹脂に添加することで、400nmといった短波長の光を継続的に照射した場合の白濁や、屈折率の変動等の光学特性変動をより高度に抑制することができる。
好ましいフェノール系安定剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレート等の特開昭63−179953号公報や特開平1−168643号公報に記載されるアクリレート系化合物;オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、トリエチレングリコール ビス(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート)等のアルキル置換フェノール系化合物;6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン基含有フェノール系化合物;等が挙げられる。
また、好ましいリン系安定剤としては、一般の樹脂工業で通常使用される物であれば格別な限定はなく、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のモノホスファイト系化合物;4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4′−イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)等のジホスファイト系化合物等が挙げられる。これらの中でも、モノホスファイト系化合物が好ましく、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等が特に好ましい。
また、好ましいイオウ系安定剤としては、例えば、ジラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3′−チオジプロピピオネート、ジステアリル3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。
これらの安定剤の配合量は、本発明の目的を損なわれない範囲で適宜選択されるが、樹脂100質量部に対して通常0.01〜2質量部、好ましくは0.01〜1質量部である。
(可塑剤)
樹脂としてノルボルネン樹脂を用いる場合には、可塑剤として、アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ビス(2−ブトキシエチル)、アゼライン酸ビス(2−エチルヘキシル)、ジプロピレングリコールジベンゾエート、クエン酸トリ−n−ブチル、クエン酸トリ−n−ブチルアセチル、エポキシ化大豆油、2−エチルヘキシルエポキシ化トール油、塩素化パラフィン、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジル、リン酸−t−ブチルフェニル、リン酸トリ−2−エチルヘキシルジフェニル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソヘキシル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジシクロヘキシル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、Santicizer 278、Paraplex G40、Drapex 334F、Plastolein 9720、Mesamoll、DNODP−610、HB−40等の公知のものが適用可能である。可塑剤の選定及び添加量の決定は、樹脂の透過性や環境変化に対する耐性を損なわないことを条件に適宜行なわれる。
本発明においては、上記の樹脂に更に他の樹脂を配合することもできる。他の樹脂は、本発明の目的を損なわない範囲内で添加される。
ここで、樹脂に添加し得る他の樹脂を以下に例示する。
(1)1個または2個の不飽和結合を有する炭化水素から誘導される重合体で、具体的には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルブタ−1−エン、ポリ4−メチルペンタ−1−エン、ポリブタ−1−エン及びポリスチレン等のポリオレフィンが挙げられる。尚これらのポリオレフィンは架橋構造を有していてもよい。
(2)ハロゲン含有ビニル重合体で、具体的にはポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリクロロプレン、塩素化ゴム等が挙げられる。
(3)α,β−不飽和酸とその誘導体から誘導された重合体で、具体的にはポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、または前記の重合体を構成するモノマーとの共重合体、例えばアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン・アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
(4)不飽和アルコール及びアミン、または不飽和アルコールのアシル誘導体またはアセタールから誘導される重合体で、具体的にはポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、ポリマレイン酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート、ポリアリルメラミン、または前記重合体を構成するモノマーとの共重合体、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
(5)エポキシドから誘導される重合体で、具体的にはポリエチレンオキシドまたはビスグリシジルエーテルから誘導された重合体等が挙げられる。
(6)ポリアセタール類で、具体的にはポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン、コモノマーとしてエチレンオキシドを含むようなポリオキシメチレン等が挙げられる。
(7)ポリフェニレンオキシド(8)ポリカーボネート(9)Sポリスルフォン(10)ポリウレタン及び尿素樹脂等が挙げられる。
(11)ジアミン及びジカルボン酸及び/またはアミノカルボン酸、または相応するラクタムから誘導されたポリアミド及びコポリアミドで、具体的にはナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12等が挙げられる。
(12)ジカルボン酸及びジアルコール及び/またはオキシカルボン酸、または相応するラクトンから誘導されたポリエステルで、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ1,4−ジメチロール・シクロヘキサンテレフタレート等が挙げられる。
(13)アルデヒドとフェノール、尿素またはメラミンから誘導された架橋構造を有した重合体で、具体的には、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、尿素・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
(14)アルキッド樹脂で、具体的にはグリセリン・フタル酸樹脂等が挙げられる。
(15)飽和及び不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとのコポリエステルから誘導され、架橋剤としてビニル化合物を使用して得られる不飽和ポリエステル樹脂ならびにハロゲン含有改質樹脂等が挙げられる。
(16)天然重合体で、具体的にはセルロース、ゴム、蛋白質、或いはそれらの誘導体例えば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、セルロースエーテル等が挙げられる。
(17)軟質重合体、例えば、環状オレフィン成分を含む軟質重合体、α−オレフィン系共重合体、α−オレフィン・ジエン系共重合体、芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン系軟質共重合体、イソブチレンまたはイソブチレン・共役ジエンからなる軟質重合体または共重合体等が挙げられる。
(18)側鎖に脂環式環状構造を有する炭化水素系重合体が挙げられる。
樹脂バインダーと、他の樹脂成分や添加剤等との混合方法としては、それ自体公知の方法が適用できる。例えば各成分を同時に混合する方法等である。
(溶融流延法)
本発明の光学フィルムは、脂環式構造を有する重合体樹脂と前記一般式(1)で表される化合物、更に各種添加剤とを好ましくは溶融混練し光学フィルムとするものである。
上記シクロオレフィンポリマーを用いたフィルムの成形方法は格別な限定はなく、加熱溶融成形法、溶液流延法のいずれも用いることができるが、本発明では加熱溶融成形法であることが好ましい。加熱溶融成形法は、更に詳細に、押し出し成形法、プレス成形法、インフレーション成形法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法などに分類できるが、これらの方法の中でも、機械強度、表面精度等に優れたフィルムを得るためには、押し出し成形法、インフレーション成形法、及びプレス成形法が好ましく、押し出し成形法が最も好ましい。成形条件は、使用目的や成形方法により適宜選択されるが、加熱溶融成形法による場合は、シリンダー温度が、通常150〜400℃、好ましくは200〜350℃、より好ましくは230〜330℃の範囲で適宜設定される。樹脂温度が過度に低いと流動性が悪化し、フィルムにヒケやひずみを生じ、樹脂温度が過度に高いと樹脂の熱分解によるボイド等が発生したり、フィルムが黄変するなどの成形不良が発生するおそれがある。フィルムの厚みは、通常5〜300μm、好ましくは10〜200μm、より好ましくは20〜100μmの範囲である。厚みが薄過ぎる場合は、積層時の取り扱いが困難となり、厚過ぎる場合は、積層後の乾燥時間が長くなって生産性が低下する。
フィルムの幅は1.4m以上が生産性の点から好ましい。より好ましくは1.4〜4mの範囲である。本発明によれば、1.4m以上の幅広のフィルムを用いても、ムラのない光学フィルムを形成することができる。
上記シクロオレフィンポリマーフィルムを本発明に係る光学フィルムに適用するには、シートを少なくとも一軸方向に延伸することが好ましく、より好ましくは幅方向に延伸することである。尚、実質的な一軸延伸、例えば、分子の配向に影響のない範囲で延伸した後、分子を配向させるべく一軸方向に延伸する二軸延伸であってもよい。好ましくは二軸延伸であり、延伸するにはテンター装置等を用いることが好ましい。
延伸倍率は1.1〜10倍、好ましくは1.2〜8倍であることが好ましい。延伸倍率が低過ぎると平面性が劣化したり所望の光学性能が発現しなかったり、高過ぎると破断することもある。
延伸は、通常、シートを構成する樹脂のTg〜Tg+50℃、好ましくはTg〜Tg+40℃の温度範囲で行われる。延伸温度が低過ぎると破断し、高過ぎると分子配向しないため、平面性の劣化や所望の光学性能が得られない。
この様にして得たフィルムは、延伸により分子が配向されて、所望の大きさのリターデーションを持たせることができる。
本発明では、光学フィルムのリターデーション値が、下記式(a)、(b)を満たすことにより、リターデーションの波長分散性を改善し、液晶ディスプレイの色抜け、着色を防止し、全方位で高いコントラスト比を実現するものである。
式(a) 0.70≦Re(480)/Re(630)≦0.99
式(b) 0.70≦Rth(480)/Rth(630)≦0.99
式中、Re(480)、Re(630)、Rth(480)、Rth(630)は、各々波長480nmもしくは630nmで測定した時の、下記式で定義されるフィルム面内のリターデーション(Re)、フィルム厚み方向のリターデーション(Rth)を表す。
式(i) Re=(nx−ny)×d
式(ii) Rth=((nx+ny)/2−nz)×d
(式中、フィルム面内の遅相軸方向の屈折率をnx、面内で遅相軸に直交する方向の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnz、dは各々の厚み(nm)を表す。)
リターデーションの測定は、例えば王子計測機器製KOBRA21ADHを用いて23℃、55%RHの環境下で行うことができる。また、厚み方向のリターデーションを計算する際には、アッベの屈折計を用いて各層の該当波長の屈折率を測定した値を用いた。
本発明の光学フィルムが上記式(a)、式(b)で表される波長分散性を満たすには、本発明に係る脂環式構造を有する重合体樹脂の種類や添加量、一般式(1)で表される化合物の種類や添加量を調整すること以外に、用いられる添加剤の種類や添加量、溶融流延時の温度、時間等の製造条件やフィルムの延伸操作により制御することが可能である。特にフィルムの延伸操作による制御を併用することが好ましい。
リターデーションは、延伸前のシートのリターデーションと延伸倍率、延伸温度、延伸配向フィルムの厚さにより制御することができる。延伸前のシートが一定の厚さの場合、延伸倍率が大きいフィルムほどリターデーションの絶対値が大きくなる傾向があるので、延伸倍率を変更することによって所望のリターデーションの位相差フィルムを得ることができる。
本発明の光学フィルムを位相差フィルムとして用いる場合、好ましいリターデーション値は、フィルム厚み方向のリターデーション値Rthが−300〜300nm、フィルム面内方向のリターデーション値Reが0〜100nmであり、更に好ましいReは0〜70nmである。
リターデーションのバラツキは小さいほど好ましく、位相差フィルムとしては、波長550nmのリターデーションのバラツキが通常±10nm以内、好ましくは±5nm以下、より好ましくは±1nm以下の小さなものである。
リターデーションの面内でのバラツキや厚さムラは、それらの小さな延伸前のシートを用いる他、延伸時にシートに応力が均等にかかるようにすることにより、小さくすることができる。そのためには、均一な温度分布下、好ましくは±5℃以内、更に好ましくは±2℃以内、特に好ましくは±0.5℃以内に温度を制御した環境で延伸することが望ましい。
また、液晶ディスプレイ用に使用される本発明の光学フィルムは、バックライトを効率的に利用する観点、及び表示の鮮明さの観点から低ヘイズであることが望まれる。延伸終了後のフィルムヘイズ値は1.5%以内が好ましく、1.0%以内がより好ましく、0.8%未満が最も好ましい。
光学フィルムのヘイズはJIS K−6714に従って、ヘイズメーター(1001DP型、日本電色工業(株)製)を用いて測定し、透明性の指標とした。
《偏光板》
偏光板は一般的な方法で作製することができる。本発明の光学フィルムの裏面側を、沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光膜の少なくとも一方の面に、プライマー溶液を介して貼り合わせることが好ましい。プライマー溶液としては、無水マレイン酸変性スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体の水素添加物を、溶媒に溶解させたものなどを好ましく用いることができる。もう一方の面には該フィルムを用いても、別の偏光板保護フィルムを用いてもよい。別の偏光板保護フィルムには、ハードコート層、防眩性ハードコート層、反射防止層、帯電防止層、防汚層等の機能性層を設けることが好ましい。市販のセルロースエステルフィルム(例えば、コニカミノルタタック KC8UX、KC4UX、KC5UX、KC8UCR3、KC8UCR4、KC8UY、KC4UY、KC12UR、KC4UE、KC8UE、KC4FR−1、KC8UY−HA、KC8UX−RHA、KC8UX−RHA−N、以上コニカミノルタオプト(株)製)も好ましく用いられる。
偏光板の主たる構成要素である偏光膜とは、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られている代表的な偏光膜は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムで、これはポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたものがある。偏光膜は、ポリビニルアルコール水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行ったものが用いられている。該偏光膜の面上に、本発明の光学フィルム、別の偏光板保護フィルムの片面を貼り合わせて偏光板を形成する。
《表示装置》
本発明の偏光板を表示装置に組み込むことによって、種々の視認性に優れた本発明の液晶表示装置を作製することができる。本発明の光学フィルムは反射型、透過型、半透過型LCD或いはTN型、STN型、OCB型、HAN型、VA型(PVA型、MVA型)、IPS型等の各種駆動方式のLCDで好ましく用いられる。特に波長分散性に優れている為、MVA型液晶表示装置、IPS型液晶表示装置に用いられ、顕著な効果が認められる。特に、色むら、ぎらつきや波打ちムラが少なく、長時間の鑑賞でも目が疲れないという効果があった。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
最初に実施例で用いる素材について記載する。
〈ポリマーX1の合成〉
攪拌機、2個の滴下ロート、ガス導入管及び温度計の付いたガラスフラスコに、メタクリル酸メチルと2−ヒドロキシエチルアクリレートを、モル比80:20の割合で混ぜて混合液40gを作り、連鎖移動剤のメルカプトプロピオン酸2g及びトルエン30gを仕込み、90℃に昇温した。その後、一方の滴下ロートから、上記混合比の混合液60gを3時間かけて滴下すると共に、同時にもう一方のロートからトルエン14gに溶解したアゾビスイソブチロニトリル0.4gを3時間かけて滴下した。その後更に、トルエン56gに溶解したアゾビスイソブチロニトリル0.6gを2時間かけて滴下した後、更に2時間反応を継続させ、ポリマーX1を得た。このポリマーX1の重量平均分子量は8000であった。
〈ポリマーX2の合成〉
上記ポリマーX1の合成において、2−ヒドロキシエチルアクリレートのかわりに2−ヒドロキシエチルメタクリレートを用いて同様な合成手順を行い、ポリマーX2を得た。このポリマーX2の重量平均分子量は8200であった。
〈ポリマーX3〜6の合成〉
上記ポリマーX2の合成において、連鎖移動剤のメルカプトプロピオン酸の添加量、アゾビスイソブチロニトリルの添加速度を変更して、分子量の異なるポリマーX3、X4、X5、X6を作製した。ポリマーX3、X4、X5、X6の重量平均分子量はそれぞれ500、1200、25000、35000であった。
(分子量測定)
重量平均分子量の測定は、高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。
測定条件は以下の通りである。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いる。
〈脂環式構造を有する重合体樹脂の合成〉
エチレン雰囲気下、容量1.6lのオートクレーブにノルボルネン濃度が20mol/lで、総液量が640mlとなるようにトルエンとフェニルノルボルネン−トルエン溶液を入れた。メチルアルミノキサン(アルベマール社製、MAO20%トルエン溶液)をAl基準で5.88mmol、メチレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド1.5μmolを添加し、エチレンを導入して圧力を0.2MPaに保持しながら、80℃で60分間反応させた。
反応終了後、放冷しながらエチレンを脱圧し、系内を窒素で置換した。その後、吸着水分量を10質量%に調整したシリカ(富士シリシア社製、グレード:G−3粒径:50μm)を3.0g加えて1時間反応させた。その反応液を濾紙(5C、90mm)とセライト(和光純薬工業社)をセットした加圧ろ過器(アドバンテック東洋株式会社、型式KST−90−UH)に入れ、窒素で加圧ろ過して重合液を回収した。その重合液を5倍量のアセトン中に少量ずつ滴下して析出させ、脂環式構造を有する重合体樹脂C1を得た。C1の重量平均分子量は142,000であり、またガラス転移温度は140℃であった。
実施例1
(光学フィルムF1の作製)
上記で合成した脂環式構造を有する重合体樹脂C1とポリマーX1を90:10の割合で混ぜ、空気を流通させた熱風乾燥機を用いて70℃で2時間乾燥して水分を除去した後に、65mmφのスクリューを備えた樹脂溶融混練機を有するTダイ式フィルム溶融押し出し成形機(Tダイ幅500mm)を使用し、溶融樹脂温度240℃、Tダイ温度240℃の成形条件にて、膜厚100μmの光学フィルムF1を押し出し成形した。
(光学フィルムF2の作製)
上記光学フィルムF1の作製において、ポリマーX1のかわりにポリマーX2を用いて同様の手順を行い、表1記載の膜厚の光学フィルムF2を得た。
(光学フィルムF3の作製)
上記光学フィルムF1の作製において、重合体樹脂C1のかわりにZEONOR1420(日本ゼオン社製)を用いて同様の手順を行い、表1記載の膜厚の光学フィルムF3を得た。
(光学フィルムF4の作製)
上記光学フィルムF1の作製において、重合体樹脂C1のかわりにアートンF(JSR社製)を用いて同様の手順を行い、表1記載の膜厚の光学フィルムF4を得た。
(光学フィルムF5の作製)
上記光学フィルムF1の作製において、ポリマーX1のかわりにスチレン−無水マレイン酸共重合体(積水化学工業(株)製、商品名:ダイラークD332)を用いて同様の手順を行い、表1記載の膜厚の光学フィルムF5を得た。
(光学フィルムF6の作製)
上記光学フィルムF1の作製において、ポリマーX1のかわりにポリスチレン(新日鉄化学製、HRM2211L)を用いて同様の手順を行い、表1記載の膜厚の光学フィルムF6を得た。
(光学フィルムF7の作製)
上記光学フィルムF1の作製において、ポリマーX1のかわりにアクリル樹脂であるダイヤナールBR108(三菱レイヨン社製)を用いて同様の手順を行い、表1記載の膜厚の光学フィルムF7を得た。
(光学フィルムF8〜14の作製)
上記光学フィルムF1の作製において、重合体樹脂の種類、及び重合体樹脂と混合するポリマーの種類、量を表1を基に調製し、光学フィルムF1の作製と同様の手順を行って表1記載の膜厚の光学フィルムF8〜F14を得た。
(光学フィルムF15〜18の作製)
上記光学フィルムF1の作製において、ポリマーX1のかわりにポリマーX3、X4、X5、X6を用いて同様の手順を行い、表1記載の膜厚の光学フィルムF15、F16、F17、F18を得た。
(光学フィルムF19、20の作製)
上記作製した光学フィルムF1及びF9を150℃で、テンター装置によりフィルム幅手方向に15%一軸延伸し、それぞれ表1記載の膜厚の光学フィルムF19、F20を得た。
〈評価〉
(リターデーションの測定)
自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、23℃、55%RHの環境下24時間放置したフィルムにおいて、同環境下、波長が590nmにおけるフィルムのリターデーション測定を行った。アッベ屈折率計で測定したフィルム構成材料の平均屈折率と膜厚dを入力し、面内リターデーション(Re)及び厚み方向のリターデーション(Rth)の値を得た。また、上記装置によって3次元屈折率nx、ny、nzの値が算出される。
式(i) Re=(nx−ny)×d
式(ii) Rth=((nx+ny)/2−nz)×d
(式中、フィルム面内の遅相軸方向の屈折率をnx、面内で遅相軸に直交する方向の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnz、dは各々の厚み(nm)を表す。)
次いで、測定波長を480nm、630nmに変えて、該当波長のリターデーション値Re(480)、Re(630)、Rth(480)、Rth(630)の値を得、Re(480)/Re(630)及び、Rth(480)/Rth(630)を求めた。結果を表1に示した。
Figure 2008163086
〈偏光板の作製〉
(プライマー溶液の調製)
無水マレイン酸変性スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体の水素添加物(タフテックM1913、旭化成工業社製;メルトインデックス値は200℃、49N荷重で4.0g/10分、スチレンブロック含有量30%、水素添加率80%以上、無水マレイン酸付加量2%)2部を、キシレン8部とメチルイソブチルケトン40部の混合溶媒に溶解し、孔径1μmのポリテトラフルオロエチレン製のフィルターでろ過してプライマー溶液とした。
(偏光板1〜20の作製)
厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを、沃素1kg、ホウ酸4kgを含む水溶液100kgに浸漬し50℃で6倍に延伸して膜厚25μmの偏光子を作った。
上記作製した光学フィルムF1〜F20と、上記作製した偏光子とを、調製したプライマー溶液を介して接着し、もう一方には40℃の2.5mol/L水酸化ナトリウム水溶液にて鹸化処理を施した4UY(コニカミノルタオプト(株)製)を、全鹸化型ポリビニルアルコール5%水溶液を粘着剤として貼り合わせ乾燥させて、偏光板1〜20を作製した。
〈評価〉
(ヘイズ測定)
上記作製した光学フィルムF1〜F20のヘイズを、ヘーズメーターNDH2000(日本電色工業社製)を用いて測定した。
(視野角変動)
〈液晶表示装置の作製〉
視野角測定を行う液晶パネルを以下のようにして作製し、液晶表示装置としての特性を評価した。
SONY製20型ディスプレイKLV−20AP2の予め貼合されていた裏側(バックライト側)の偏光板のみを剥がして、上記作製した偏光板1〜20を4UYがバックライト側になるようそれぞれ液晶セルのガラスに貼合した。その際、偏光板の貼合の向きは、予め貼合されていた偏光板と同一の方向に吸収軸が向くように行い、液晶表示装置1〜20を作製した。
以上のようにして作製した液晶表示装置1〜20を用いて下記の評価を行った。
23℃、55%RHの環境で、ELDIM社製EZ−Contrast160Dを用いて液晶表示装置の視野角測定を行った。続いて上記偏光板を60℃、90%RHで1000時間処理したものを同様に測定し、下記基準で3段階評価した。
◎:視野角変動がない
△:視野角変動が認められる
×:視野角変動が非常に大きい
(カラーシフト)
上記記載の視野角評価と同様に偏光板を貼り付け、液晶表示装置1〜20を作製した。次に、ディスプレイを黒表示にし、斜め45°の角度から観察した際の色変化を下記基準で評価した。
◎:色変化が全くない
○:色変化が僅かに認められる
×:色変化が非常に大きい
以上の評価の結果を表2に示す。
Figure 2008163086
表2から、本発明の光学フィルムは、ヘイズ値が低く脂環式構造を有する重合体樹脂とポリマーとの相溶性が良好である。表2から本発明の光学フィルム、それを用いた液晶表示装置は、比較例に対し、カラーシフト、視野角変動に優れており、充分な耐熱性を所持したまま最適な波長分散特性を有する光学フィルム、液晶表示装置であることが分かる。
実施例2
実施例1の視野角測定を行った液晶パネル SONY製20型ディスプレイKLV−20AP2の替わりに、IPS型液晶表示装置である日立製液晶テレビ Wooo W17−LC50の予め貼合されていた表側(観察者側)の偏光板のみを剥がして、実施例1で作製した偏光板1〜20を、光学フィルムF1〜F20がそれぞれ液晶セルのガラス面側になるように貼合した。
作製した液晶表示装置を用いて、実施例1と同様な視野角変動及びカラーシフトの評価を実施したところ、本発明の光学フィルムは、実施例1を再現し、カラーシフト、視野角変動に優れていることが確認できた。

Claims (6)

  1. 脂環式構造を有する重合体樹脂中に、下記一般式(1)で表される重量平均分子量(Mw)が1000〜30000である化合物を0.1〜30質量%含有することを特徴とする光学フィルム。
    一般式(1)
    −[CH2−C(−R1)(−CO22)]m−[CH2−C(−R3)(−CO24−OH)−]n
    (式中、R1、R3、はHまたはCH3、R2、R4はCH2またはC24またはC36、m、nは繰り返し単位を表す)
  2. 前記光学フィルムのリターデーション値が、下記式(a)、(b)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
    式(a) 0.70≦Re(480)/Re(630)≦0.99
    式(b) 0.70≦Rth(480)/Rth(630)≦0.99
    式中、Re(480)、Re(630)、Rth(480)、Rth(630)は、各々波長480nmもしくは630nmで測定した時の、フィルム面内のリターデーション(Re)、フィルム厚み方向のリターデーション(Rth)を表す。
  3. 前記脂環式構造がノルボルネン骨格を有することを特徴とする請求項1または2に記載の光学フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルムを少なくとも一方の面に用いたことを特徴とする偏光板。
  5. 請求項4に記載の偏光板を少なくとも一方の面に用いたことを特徴とする液晶表示装置。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法であって、該光学フィルムが溶融流延法によって製造されることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
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