JP2008160968A - モータの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータの構成が複雑化することを抑制しつつ適切に誘起電圧定数を可変とする。
【解決手段】第2切換弁32は、電動オイルポンプ30に接続された第1ライン通路44からの導入圧を制御圧として、この制御圧と反力スプリング32aによる付勢力とのバランスによって、電動オイルポンプ30から第1ライン通路44を介して供給される作動液、または、蓄圧装置35から蓄圧ライン通路45を介して供給される作動液を切り換えて、第1切換弁31に供給する。第1切換弁31は、第3切換弁33から信号ライン通路41を介して制御ポート31bに供給される作動液の圧力を制御圧として、この制御圧と反力スプリング31aによる付勢力とのバランスによって、第2切換弁32から供給される作動液を進角側給排通路26または遅角側給排通路27に振り分ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータの制御装置に関する。
従来、例えば電動機の回転軸の周囲に同心円状に設けた第1および第2回転子を備え、電動機の回転速度に応じて、あるいは、固定子に発生する回転磁界の速度に応じて第1および第2回転子の周方向の相対位置つまり位相差を制御する永久磁石回転電動機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この電動機では、例えば電動機の回転速度に応じて第1および第2回転子の位相差を制御する場合には、遠心力の作用により径方向に沿って変位する部材を介して第1および第2回転子の周方向の相対位置を変更するようになっている。また、例えば固定子に発生する回転磁界の速度に応じて第1および第2回転子の位相差を制御する場合には、各回転子が慣性により回転速度を維持する状態で固定子巻線に制御電流を通電して回転磁界速度を変更することによって、第1および第2回転子の周方向の相対位置を変更するようになっている。
特開2002−204541号公報
ところで、上記従来技術の一例に係る電動機において、例えば電動機の回転速度に応じて第1および第2回転子の位相差を制御する場合には、電動機の作動状態つまり回転速度に応じた遠心力が作用する状態でのみ第1および第2回転子の位相差を制御可能であり、電動機の停止状態を含む適宜のタイミングで位相差を制御することができないという問題が生じる。そして、この電動機を駆動源として車両に搭載した場合のように、この電動機に外部からの振動が作用し易い状態においては、遠心力の作用のみによって第1および第2回転子の位相差を適切に制御することが困難であるという問題が生じる。しかも、この場合には、電動機に対する電源での電源電圧の変動に拘わらずに位相差が制御されることから、例えば電源電圧と電動機の逆起電圧との大小関係が逆転してしまうという不具合が生じる虞がある。
また、例えば固定子に発生する回転磁界の速度に応じて第1および第2回転子の位相差を制御する場合には、回転磁界速度が変更されることから、電動機の制御処理が複雑化してしまうという問題が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、モータの構成が複雑化することを抑制しつつ、適切に誘起電圧定数を可変とすることが可能なモータの制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の発明のモータの制御装置は、互いに同軸かつ相対回動可能に配置され、各々に周方向に配置された永久磁石を具備する内周側回転子および外周側回転子と、前記内周側回転子と前記外周側回転子との相対位相を変更する位相変更手段とを備えるモータの制御装置であって、前記内周側回転子および前記外周側回転子の何れか一方はモータ出力軸(例えば、実施の形態での回転軸4)に一体に固定され、前記位相変更手段は、内部に導入された作動流体(例えば、実施の形態での作動液)の圧力により、前記内周側回転子および前記外周側回転子の何れか他方を一方に対して進角方向に相対回動させる進角側圧力室(例えば、実施の形態での進角側作動室24)と、前記作動流体の供給源である作動流体供給源(例えば、実施の形態での電動オイルポンプ(EOP)30)と、前記作動流体を貯留する蓄圧装置(例えば、実施の形態での蓄圧装置35)と、前記進角側圧力室に対する前記作動流体の供給と排出とを切り換える第1切換弁(例えば、実施の形態での第1切換弁31)と、前記第1切換弁に対して前記作動流体供給源と前記蓄圧装置とを切り換えて接続する第2切換弁(例えば、実施の形態での第2切換弁32)とを備え、前記第2切換弁は、前記第1切換弁と前記作動流体供給源との接続状態での前記作動流体供給源の異常時に、前記第1切換弁と前記作動流体供給源との接続状態を解消し、前記第1切換弁と前記蓄圧装置とを接続させることを特徴としている。
さらに、請求項2に記載の発明のモータの制御装置では、前記第1切換弁の切換動作は、前記第1切換弁に具備される制御ポート(例えば、実施の形態での制御ポート31b)に供給される前記作動流体の圧力に応じて制御され、前記制御ポートに対して前記作動流体供給源と前記蓄圧装置とを切り換えて接続する第3切換弁(例えば、実施の形態での第3切換弁33)を備え、前記第3切換弁は、前記第2切換弁の切換動作に連動して、前記制御ポートと前記作動流体供給源との接続状態での前記作動流体供給源の異常時に、前記制御ポートと前記作動流体供給源との接続状態を解消し、前記制御ポートと前記蓄圧装置とを接続させることを特徴としている。
さらに、請求項3に記載の発明のモータの制御装置は、前記第3切換弁から前記第1切換弁の前記制御ポートに供給される前記作動流体の圧力を制御する圧力制御弁(例えば、実施の形態での電磁弁34)を備えることを特徴としている。
また、請求項4に記載の発明のモータの制御装置は、互いに同軸かつ相対回動可能に配置され、各々に周方向に配置された永久磁石を具備する内周側回転子および外周側回転子と、前記内周側回転子と前記外周側回転子との相対位相を変更する位相変更手段とを備えるモータの制御装置であって、前記内周側回転子および前記外周側回転子の何れか一方はモータ出力軸(例えば、実施の形態での回転軸4)に一体に固定され、前記位相変更手段は、内部に導入された作動流体(例えば、実施の形態での作動液)の圧力により、前記内周側回転子および前記外周側回転子の何れか他方を一方に対して進角方向に相対回動させる進角側圧力室(例えば、実施の形態での進角側作動室24)と、前記作動流体の供給源である作動流体供給源(例えば、実施の形態での電動オイルポンプ(EOP)30)と、前記作動流体を貯留する蓄圧装置(例えば、実施の形態での蓄圧装置35)と、前記進角側圧力室に対する前記作動流体の供給と排出とを切り換える第1切換弁(例えば、実施の形態での第1切換弁31)と、前記第1切換弁に具備される制御ポート(例えば、実施の形態での制御ポート31b)に供給される前記作動流体の圧力を制御する圧力制御弁(例えば、実施の形態での電磁弁34)とを備え、前記第1切換弁の切換動作は、前記圧力制御弁から前記制御ポートに供給される前記作動流体の圧力に応じて制御され、前記圧力制御弁は、前記作動流体供給源の異常時に、前記蓄圧装置から供給される前記作動流体を前記制御ポートに供給して前記第1切換弁の切換動作を制御することを特徴としている。
本発明のモータの制御装置によれば、作動流体供給源の異常時であっても、蓄圧装置から第1切換弁に所望圧力の作動流体を供給することができ、蓄圧装置に所定量以上の作動流体が貯留されている期間に亘って進角側圧力室への作動流体の供給を確保することができ、この期間においてモータを適切な状態、例えば進角側圧力室への作動流体の供給が停止された状態においてモータに許容される最高回転数以下の回転数の状態等となるように設定することができ、作動流体供給源の異常の発生に伴ってモータが不適切な状態となってしまうことを的確に防止することができる。
さらに、請求項2に記載の発明のモータの制御装置によれば、作動流体供給源の異常時であっても、蓄圧装置から第1切換弁の制御ポートに所望圧力の作動流体を供給することができ、蓄圧装置に所定量以上の作動流体が貯留されている期間に亘って第1切換弁の切換動作を制御可能とすることができ、例えばこの期間に亘って進角側圧力室への作動流体の供給を確保することで、この期間においてモータを適切な状態、例えば進角側圧力室への作動流体の供給が停止された状態においてモータに許容される最高回転数以下の回転数の状態等となるように設定することができ、作動流体供給源の異常の発生に伴ってモータが不適切な状態となってしまうことを的確に防止することができる。
さらに、請求項3に記載の発明のモータの制御装置によれば、作動流体供給源の異常時であっても、蓄圧装置から第1切換弁の制御ポートに所望圧力の作動流体を供給することができ、蓄圧装置に所定量以上の作動流体が貯留されている期間に亘って第1切換弁の切換動作を制御可能とすることができ、作動流体供給源の異常の発生に伴ってモータが不適切な状態となってしまうことを的確に防止することができる。
また、請求項4に記載の発明のモータの制御装置によれば、作動流体供給源の異常時であっても、蓄圧装置から第1切換弁の制御ポートに所望圧力の作動流体を供給することができ、蓄圧装置に所定量以上の作動流体が貯留されている期間に亘って第1切換弁の切換動作を制御可能とすることができ、例えばこの期間に亘って進角側圧力室への作動流体の供給を確保することで、この期間においてモータを適切な状態、例えば進角側圧力室への作動流体の供給が停止された状態においてモータに許容される最高回転数以下の回転数の状態等となるように設定することができ、作動流体供給源の異常の発生に伴ってモータが不適切な状態となってしまうことを的確に防止することができる。
以下、本発明のモータの制御装置の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。
この実施の形態によるモータの制御装置100は、例えば図1に示すように、ECU100aと、PDU100bと、油圧制御装置100cとを備えて構成され、例えば走行駆動源としてモータ1を備える燃料電池車両や電動車両等に搭載され、例えばモータ1および内燃機関Eを駆動源として備えるパラレルハイブリッド車両(以下、単に、車両と呼ぶ)では、モータ1と、内燃機関Eと、トランスミッションT/Mとは直列に直結され、少なくともモータ1または内燃機関Eの駆動力はトランスミッションT/Mを介して駆動輪Wに伝達されるようになっている。
そして、この車両の減速時に駆動輪W側からモータ1に駆動力が伝達されると、モータ1は発電機として機能して、いわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギー(回生エネルギー)として回収する。また、内燃機関Eの出力がモータ1に伝達された場合にもモータ1は発電機として機能して発電エネルギーを発生する。
PDU(パワードライブユニット)100bは、例えばトランジスタのスイッチング素子がブリッジ接続されたブリッジ回路を用いてパルス幅変調(PWM)を行うPWMインバータを備え、モータ1と電気エネルギーの授受を行う高圧系のバッテリに接続されている。
そして、PWMインバータは、例えばモータ1の駆動時等において、ECU100aから入力されるスイッチング指令であるゲート信号(つまり、パルス幅変調信号)に基づき、PWMインバータにおいて各相毎に対を成す各トランジスタのオン(導通)/オフ(遮断)状態を切り換えることによって、バッテリから供給される直流電力を3相交流電力に変換し、3相のモータ1の固定子巻線2aへの通電を順次転流させることによって、各相の固定子巻線2aに交流のU相電流Iu、V相電流IvおよびW相電流Iwを通電する。
ECU(電子制御ユニット)100aは、モータ1の駆動または回生制御において、例えば回転直交座標をなすdq座標上で電流のフィードバック制御を行うものであり、例えば運転者のアクセル操作に係るアクセル開度を検出するアクセルペダル開度センサの検出結果に基づいて算出されるトルク指令値Tqに基づきd軸電流指令Idc及びq軸電流指令Iqcを演算し、d軸電流指令Idc及びq軸電流指令Iqcに基づいて各相出力電圧Vu,Vv,Vwを算出し、各相出力電圧Vu,Vv,Vwに応じてPDU100bへゲート信号であるPWM信号を入力すると共に、実際にPDU100bからモータ1に供給される各相電流Iu,Iv,Iwの何れか2つの相電流をdq座標上の電流に変換して得たd軸電流Id及びq軸電流Iqと、d軸電流指令Idc及びq軸電流指令Iqcとの各偏差がゼロとなるように制御を行う。
モータ1は、例えば図2〜図5に示すように、円環状の固定子2の内周側に回転子ユニット3が配置されたインナロータ型のブラシレスモータとされている。
固定子2は複数相の固定子巻線2aを有し、回転子ユニット3は軸芯部に回転軸4を有している。モータ1の回転力はトランスミッションT/Mを介して駆動輪Wに伝達される。
回転子ユニット3は、例えば円環状の外周側回転子5と、この外周側回転子5の内側に同軸に配置される円環状の内周側回転子6を備え、外周側回転子5と内周側回転子6とが所定の設定角度の範囲で相対的に回動可能とされている。
外周側回転子5と内周側回転子6は、各回転子本体である円環状のロータ鉄心7,8が例えば焼結金属によって形成され、その各ロータ鉄心7,8の外周側に偏寄した位置に、複数の磁石装着スロット7a,8aが円周方向等間隔に形成されている。各磁石装着スロット7a,8aには、厚み方向に磁化された2つの平板状の永久磁石9,9が並列に並んで装着されている。同じ磁石装着スロット7a,8a内に装着される2つの永久磁石9,9は同方向に磁化され、各隣接する磁石装着スロット7a,7a、及び、8a,8aに装着される永久磁石9の対同士は磁極の向きが逆向きになるように設定されている。即ち、各回転子5,6においては、外周側がN極とされた永久磁石9の対と、S極とされた永久磁石9の対が円周方向に交互に並んで配置されている。なお、各回転子5,6の外周面の隣接する磁石装着スロット7a,7a、及び、8a,8aの各間には、永久磁石9の磁束の流れを制御(例えば、磁路短絡の抑制等)するための切欠き部10が回転子5,6の軸方向に沿って形成されている。
外周側回転子5と内周側回転子6の磁石装着スロット7a,8aは夫々同数設けられ、両回転子5,6の永久磁石9,…,9が夫々1対1で対応するようになっている。したがって、外周側回転子5と内周側回転子6の各磁石装着スロット7a,8a内の永久磁石9の対を互いに同極同士で対向させる(異極配置にする)ことにより、回転子ユニット3全体の界磁が最も弱められる弱め界磁の状態(例えば、図5,図6(b)参照)を得ることができるとともに、外周側回転子5と内周側回転子6の各磁石装着スロット7a,8a内の永久磁石9の対を互いに異極同士で対向させる(同極配置にする)ことにより、回転子ユニット3全体の界磁が最も強められる強め界磁の状態(例えば、図3,図6(a)参照)を得ることができる。
また、回転子ユニット3は、外周側回転子5と内周側回転子6を相対回動させるための回動機構11を備えている。この回動機構11は、両回転子5,6の相対位相を任意に変更するための位相変更手段12の一部を構成するものであり、非圧縮性の作動流体である作動液(例えば、トランスミッションT/M用の潤滑油、エンジンオイル等でもよい)の圧力によって操作されるようになっている。
位相変更手段12は、例えば図1に示すように、回動機構11と、この回動機構11に供給する作動液の圧力を制御する油圧制御装置100cとを主要な要素として備えて構成されている。
回動機構11は、例えば図2〜図5に示すように、回転軸4の外周に一体回転可能にスプライン嵌合されるベーンロータ14と、ベーンロータ14の外周側に相対回動可能に配置される環状ハウジング15とを備え、この環状ハウジング15が内周側回転子6の内周面に一体に嵌合固定されるとともに、ベーンロータ14が、環状ハウジング15と内周側回転子6の両側の側端部を跨ぐ円板状の一対のドライブプレート16,16を介して外周側回転子5に一体に結合されている。したがって、ベーンロータ14は回転軸4と外周側回転子5に一体化され、環状ハウジング15は内周側回転子6に一体化されている。
ベーンロータ14は、回転軸4にスプライン嵌合される円筒状のボス部17の外周に、径方向外側に突出する複数のベーン18が円周方向等間隔に設けられている。一方、環状ハウジング15は、内周面に円周方向等間隔に複数の凹部19が設けられ、この各凹部19にベーンロータ14の対応するベーン18が収容配置されるようになっている。各凹部19は、ベーン18の先端部の回転軌道にほぼ合致する円弧面を有する底壁20と、隣接する凹部19,19同士を隔成する略三角形状の仕切壁21によって構成され、ベーンロータ14と環状ハウジング15の相対回動時に、ベーン18が一方の仕切壁21と他方の仕切壁21の間を変位し得るようになっている。
この実施の形態においては、仕切壁21はベーン18と当接することにより、ベーンロータ14と環状ハウジング15の相対回動を規制する規制部材としても機能する。なお、各ベーン18の先端部と仕切壁21の先端部には、軸方向に沿うようにシール部材22が設けられ、これらのシール部材22によってベーン18と凹部19の底壁20、仕切壁21とボス部17の外周面の各間が液密にシールされている。
また、内周側回転子6に固定される環状ハウジング15のベース部15aは一定厚みの円筒状に形成されるとともに、例えば図2に示すように、内周側回転子6や仕切壁21に対して軸方向外側に突出している。このベース部15aの外側に突出した各端部は、ドライブプレート16に形成された環状のガイド溝16aに摺動自在に保持され、環状ハウジング15と内周側回転子6が、外周側回転子5や回転軸4にフローティング状態で支持されるようになっている。
外周側回転子5とベーンロータ14を連結する両側のドライブプレート16,16は、環状ハウジング15の両側面(軸方向の両端面)に摺動自在に密接し、環状ハウジング15の各凹部19の側方を夫々閉塞する。したがって、各凹部19は、ベーンロータ14のボス部17と両側のドライブプレート16,16によって夫々独立した空間部を形成し、この空間部は、作動液が導入される導入空間23となっている。各導入空間23内は、ベーンロータ14の対応する各ベーン18によって夫々2室に隔成され、一方の部屋が進角側作動室24、他方の部屋が遅角側作動室25とされている。
進角側作動室24は、内部に導入された作動液の圧力によって内周側回転子6を外周側回転子5に対して進角方向に相対回動させ、遅角側作動室25は、内部に導入された作動液の圧力によって内周側回転子6を外周側回転子5に対して遅角方向に相対回動させる。この場合、「進角」とは、内周側回転子6を外周側回転子5に対して、図3,図5中の矢印Rで示すモータ1の回転方向に進めることを言い、「遅角」とは、内周側回転子6を外周側回転子5に対して、モータ1の回転方向Rと逆側に進めることを言うものとする。
また、各進角側作動室24と遅角側作動室25に対する作動液の給排は回転軸4を通して行われるようになっている。具体的には、進角側作動室24は、例えば図1に示す油圧制御装置100cの進角側給排通路26に接続され、遅角側作動室25は同油圧制御装置100cの遅角側給排通路27に接続されている。さらに、進角側給排通路26と遅角側給排通路27の一部は、例えば図2に示すように、夫々回転軸4に軸方向に沿って形成させた通路孔26a,27aによって構成されている。そして、各通路孔26a,27aの端部は、回転軸4の外周面の軸方向にオフセットした2位置に形成された環状溝26bと環状溝27bに夫々接続され、その各環状溝26b,27bは、ベーンロータ14のボス部17に略半径方向に沿って形成された複数の導通孔26c,…,26c,27c,…,27cに接続されている。進角側給排通路26の各導通孔26cは環状溝26bと各進角側作動室24とを接続し、遅角側給排通路27の各導通孔27cは環状溝27bと各遅角側作動室25とを接続している。
この実施の形態のモータ1において、内周側回転子6が外周側回転子5に対して最遅角位置にあるときに、外周側回転子5と内周側回転子6の永久磁石9が異極同士で対向して強め界磁の状態(例えば、図3,図6(a)参照)になり、内周側回転子6が外周側回転子5に対して最進角位置にあるときに、外周側回転子5と内周側回転子6の永久磁石9が同極同士で対向して弱め界磁の状態(例えば、図5,図6(b)参照)になるように設定されている。
なお、このモータ1は、進角側作動室24と遅角側作動室25に対する作動液の給排制御によって、強め界磁の状態と弱め界磁の状態を任意に変更し得るものであるが、このように磁界の強さが変更されると、これに伴って誘起電圧定数Keが変化し、この結果、モータ1の特性が変更される。即ち、強め界磁によって誘起電圧定数Keが大きくなると、モータ1として運転可能な許容回転速度は低下するものの、出力可能な最大トルクは増大し、逆に、弱め界磁によって誘起電圧定数Keが小さくなると、モータ1の出力可能な最大トルクは減少するものの、運転可能な許容回転速度は上昇する。
油圧制御装置100cは、例えば図1に示すように、オイルタンク30aから作動液を吸い上げて油圧回路系に吐出する電動オイルポンプ(EOP)30と、第1切換弁31と、第2切換弁32と、第3切換弁33と、電磁弁34と、蓄圧装置35と、逆止弁36と、リリーフ弁37と、圧力計38とを備えて構成されている。
なお、電動オイルポンプ30は、モータMと、このモータMをECU100aから出力される制御指令に応じて制御するインバータINVとを備えて構成されている。
第1切換弁31は、第3切換弁33から信号ライン通路41を介して制御ポート31bに供給される作動液の圧力を制御圧として、この制御圧と反力スプリング31aによる付勢力とのバランスによって、第2切換弁32から作動液供給路42を介して供給される作動液を進角側給排通路26または遅角側給排通路27に振り分けると共に、進角側給排通路26または遅角側給排通路27で不要な作動液をドレン通路43に排出する。
例えば、第1切換弁31は、第3切換弁33から供給される制御圧が所定圧以上である場合には、第2切換弁32から供給される作動液を進角側給排通路26に供給して、モータ1を弱め界磁方向に位相変更し、一方、第3切換弁33から供給される制御圧がゼロである場合には、第2切換弁32から供給される作動液を遅角側給排通路27に供給して、モータ1を強め界磁方向に位相変更するように設定されている。
また、第1切換弁31は、進角側給排通路26および遅角側給排通路27を閉塞可能であって、例えば第3切換弁33から供給される制御圧がゼロよりも大きく、かつ、所定圧未満の所定の値である場合に、進角側給排通路26および遅角側給排通路27を閉塞するように設定されている。
第2切換弁32は、電動オイルポンプ30に接続された第1ライン通路44からの導入圧を制御圧として、この制御圧と反力スプリング32aによる付勢力とのバランスによって、電動オイルポンプ30から第1ライン通路44を介して供給される作動液、または、蓄圧装置35から蓄圧ライン通路45を介して供給される作動液を切り換えて、作動液供給路42に供給する。
例えば、第2切換弁32は、第1ライン通路44からの導入圧が所定圧以上である場合には、電動オイルポンプ30から第1ライン通路44を介して供給される作動液を作動液供給路42に供給すると共に蓄圧ライン通路45を閉塞し、一方、第1ライン通路44からの導入圧が所定圧未満である場合には、蓄圧装置35から蓄圧ライン通路45を介して供給される作動液を作動液供給路42に供給すると共に第1ライン通路44を閉塞する。
第3切換弁33は、第2切換弁32の切換動作に連動して、電動オイルポンプ30から電磁弁34を介して供給される作動液、または、蓄圧装置35から蓄圧ライン通路45を介して供給される作動液を切り換えて、信号ライン通路41に供給する。
例えば、第3切換弁33は、第2切換弁32において電動オイルポンプ30から第1ライン通路44を介して供給される作動液を作動液供給路42に供給すると共に蓄圧ライン通路45を閉塞する場合に、電動オイルポンプ30から電磁弁34を介して供給される作動液を信号ライン通路41に供給すると共に蓄圧ライン通路45を閉塞し、一方、第2切換弁32において蓄圧装置35から蓄圧ライン通路45を介して供給される作動液を作動液供給路42に供給すると共に第1ライン通路44を閉塞する場合に、蓄圧装置35から蓄圧ライン通路45を介して供給される作動液を信号ライン通路41に供給すると共に電動オイルポンプ30から電磁弁34を介した作動液の導入を遮断する。
電磁弁34は、この電磁弁34から第3切換弁33に供給される作動液の吐出圧を制御圧として、この制御圧とECU100aによって制御される電磁ソレノイド34aの進退動作とのバランスによって、電動オイルポンプ30から供給される作動液の第3切換弁33への供給、あるいは、電動オイルポンプ30から電磁弁34への作動液の導入の遮断および不要な作動液のドレン通路43への排出を切り換える。
例えば、電磁弁34は、電磁ソレノイド34aのオン状態において、電動オイルポンプ30から吐出される作動液の圧力が所定圧未満である場合には、電動オイルポンプ30から吐出される作動液を第3切換弁33に供給し、一方、電動オイルポンプ30から吐出される作動液の圧力が所定圧以上である場合には、電動オイルポンプ30から電磁弁34への作動液の導入を遮断すると共に、不要な作動液をドレン通路43に排出する。
また、例えば、電磁弁34は、電磁ソレノイド34aのオフ状態において、電動オイルポンプ30から電磁弁34への作動液の導入を遮断すると共に、不要な作動液をドレン通路43に排出する。
蓄圧装置35は、電動オイルポンプ30から蓄圧装置35に向かう方向を順方向とする逆止弁36を介して電動オイルポンプ30に接続され、この逆止弁36と電動オイルポンプ30との間には、電動オイルポンプ30から吐出される作動液の圧力を所定圧以下に規制すると共に、余剰分の作動液を各種機器の潤滑や冷却のための回路系に流出させるリリーフ弁37が設けられている。そして、蓄圧装置35は、逆止弁36を介して電動オイルポンプ30から供給される所定圧以下の作動液を貯留する。
また、蓄圧装置35に接続された蓄圧ライン通路45には、作動液の圧力を検出する圧力計38が設けられ、この圧力計38から出力される検出信号はECU100aに入力されている。
また、ECU100aには、例えばレゾルバ等の位相センサ51から出力される外周側回転子5と内周側回転子6との相対位相(例えば、ベーンロータ14の位相(ベーン位相)等)θの検出信号と、電動オイルポンプ30の異常状態の有無を通知するインバータINVから出力される信号(F_EOP_FAIL)とが入力されている。
この油圧制御装置100cにおいて、モータ1の位相が弱め界磁側、つまり内周側回転子6が外周側回転子5に対して進角側に設定される場合には、電動オイルポンプ30から油圧回路系に供給される作動液の吐出圧が所定圧以上となるようにインバータINVのモータMに対する通電切換動作が制御されると共に、電磁弁34の電磁ソレノイド34aがオン状態に設定される。
これにより、電動オイルポンプ30から第1ライン通路44を介して第2切換弁32に導入される作動液の導入圧が所定圧以上となり、電動オイルポンプ30から電磁弁34および第3切換弁33および信号ライン通路41を介して第1切換弁31に供給される制御圧が所定圧以上となり、電動オイルポンプ30から第2切換弁32を介して第1切換弁31に供給される作動液は、進角側給排通路26に供給される。
この状態において、電動オイルポンプ30を回転駆動するモータMに異常が発生した場合には、電動オイルポンプ30から第1ライン通路44を介して第2切換弁32に導入される作動液の導入圧が所定圧未満となり、第2切換弁32は、蓄圧装置35から蓄圧ライン通路45を介して供給される作動液を作動液供給路42に供給すると共に第1ライン通路44を閉塞する。これに伴い、第3切換弁33は、蓄圧装置35から蓄圧ライン通路45を介して供給される作動液を信号ライン通路41に供給すると共に電動オイルポンプ30から電磁弁34を介した作動液の導入を遮断する。
これにより、例えばモータMに異常が発生して電動オイルポンプ30の吐出圧が低下傾向に変化し始めた場合であっても、第1切換弁31は、蓄圧装置35から蓄圧ライン通路45および第3切換弁33および信号ライン通路41を介して第1切換弁31に供給される制御圧が所定圧未満に低下する時点までの期間においては、進角側給排通路26への作動液の供給を維持するようになっており、モータ1の位相が弱め界磁側から強め界磁側へと過剰に急激に変化してしまうことを防止している。
また、電動オイルポンプ30の正常な作動状態において、モータ1の位相が強め界磁側、つまり内周側回転子6が外周側回転子5に対して遅角側に設定される場合には、例えば電磁弁34の電磁ソレノイド34aがオフ状態に設定される。
これにより、電動オイルポンプ30から電磁弁34および第3切換弁33および信号ライン通路41を介して第1切換弁31に供給される制御圧がゼロとなり、電動オイルポンプ30から第2切換弁32を介して第1切換弁31に供給される作動液は、遅角側給排通路27に供給される。
なお、モータ1の位相が強め界磁側に設定される場合には、電動オイルポンプ30から電磁弁34および第3切換弁33および信号ライン通路41を介して第1切換弁31に供給される制御圧はゼロであってもよいことから、電動オイルポンプ30の作動液の吐出圧はゼロ近傍であってもよい。この場合、少なくとも、例えばモータ1等の各種機器の潤滑や冷却に必要とされる作動液が電動オイルポンプ30から回路系に供給されていればよい。
本実施の形態によるモータの制御装置100aは上記構成を備えており、次に、この制御装置100aの動作、特に、電動オイルポンプ30の異常状態における動作について説明する。
先ず、例えば図7に示すステップS01においては、例えばインバータINVから出力される信号F_EOP_FAILのフラグ値が「1」であるか否かを判定して、電動オイルポンプ(EOP)30が異常状態であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS01の処理を繰り返す。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS02に進む。
そして、ステップS02においては、位相センサ51から出力される相対位相(ベーン位相)θが所定の遅角側位相(つまり、モータ1が強め界磁状態である場合の相対位相)θrtdと同等であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合、つまりモータ1の位相が強め界磁側である場合には、後述するステップS05に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合、つまりモータ1の位相が弱め界磁側である場合には、ステップS03に進む。
そして、ステップS03においては、圧力計38から出力される検出信号に基づき、蓄圧装置35に貯留された作動液の圧力(蓄圧)Pacumが、所定の回転数制限開始閾圧Plimit以上であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS03の処理を繰り返す。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS04に進む。
なお、所定の回転数制限開始閾圧Plimitは、例えば、少なくともモータ1の位相を弱め界磁側に維持するために必要とされる所定の弱め位相維持閾圧Plimit(弱め)以上の適宜の圧力であって、モータ1の回転数Nmotをモータ1の位相が弱め界磁側である場合に許容される所定の弱め位相閾回転数Nlimit(弱め)未満に設定するための閾圧力とされている。
そして、ステップS04においては、蓄圧装置35の蓄圧Pacumに基づき、モータ1に対して許容される所定回転数(モータ最高回転数)Nlimitを、予め作成された蓄圧Pacumとモータ最高回転数Nlimitとの所定の対応関係を示すマップ等に対するマップ検索により算出する。
そして、ステップS05においては、モータ1の回転数Nmotがモータ最高回転数Nlimit以下であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS09に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS06に進む。
そして、ステップS06においては、モータ最高回転数Nlimitが、モータ1の位相が強め界磁側である場合に許容される所定の強め位相閾回転数Nlimit(強め)と同等であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS04に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS07に進む。
そして、ステップS07においては、蓄圧Pacumが、所定の弱め位相維持閾圧Plimit(弱め)以下であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS07の処理を繰り返す。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS08に進む。
そして、ステップS08においては、モータ1の位相が既に強め界磁側であると判断して、強め位相フェールモードの処理、つまり回転子ユニット3の界磁量を等価的に弱めるようにして固定子巻線2aに通電される電流位相を制御する弱め界磁制御を実行し、一連の処理を終了する。
また、ステップS09においては、PDU100bのPWMインバータのスイッチング素子をパルス幅変調によりオン/オフ駆動させるためのパルスのデューティ(DUTY)、つまりオン/オフの比率を低減させて、モータ1の出力トルクを所定値以下に制限することにより、モータ1の回転数Nmotを低減させ、一連の処理を終了する。
例えば図8に示すように、ベーン位相θが進角側の位相であって、モータ1の回転数(モータ実回転数)Nmotに対して許容されるモータ最高回転数Nlimitが、モータ1の位相が弱め界磁側である場合に許容される所定の弱め位相閾回転数Nlimit(弱め)と同等であって、誘起電圧定数Keが相対的に小さな値である状態において、電動オイルポンプ30の異常に伴い、油圧回路系に対する作動液の供給源が電動オイルポンプ30から蓄圧装置35へと切り換えられた時刻t1以降においては、蓄圧装置35の蓄圧Pacumが低下傾向に変化する。
そして、蓄圧Pacumが所定の回転数制限開始閾圧Plimitに到達した時刻t2以降においては、モータ最高回転数Nlimitが蓄圧Pacumに応じて所定の弱め位相閾回転数Nlimit(弱め)から低下傾向に変化させられる。ここで、モータ実回転数Nmotがモータ最高回転数Nlimitと同等になった時点以降においては、モータ実回転数Nmotはモータ最高回転数Nlimitに応じて低下傾向に変化する。
さらに、蓄圧Pacumが低下傾向に変化する状態で、モータ最高回転数Nlimitが、モータ1の位相が強め界磁側である場合に許容される所定の強め位相閾回転数Nlimit(強め)に到達した時刻t3以降において、モータ実回転数Nmotは所定の強め位相閾回転数Nlimit(強め)に固定される。
そして、蓄圧Pacumが少なくともモータ1の位相を弱め界磁側に維持するために必要とされる所定の弱め位相維持閾圧Plimit(弱め)に到達した時刻t4以降において、ベーン位相θが遅角側の位相に向かい変化させられ、誘起電圧定数Keが相対的に大きな値に向かい増大傾向に変化する。
上述したように、本実施の形態によるモータの制御装置100aによれば、電動オイルポンプ(EOP)30の異常時であっても、蓄圧装置35から第1切換弁31に所望圧力の作動液を供給することができ、蓄圧装置35に所定量以上の作動液が貯留されている期間に亘って進角側作動室24への作動液の供給を確保することができ、この期間においてモータ1を適切な状態、例えばモータ最高回転数Nlimitが、モータ1の位相が強め界磁側である場合に許容される所定の強め位相閾回転数Nlimit(強め)以下となる状態等となるように設定することができ、電動オイルポンプ(EOP)30の異常の発生に伴ってモータ1が不適切な状態、例えばモータ1の回転数Nmotが過剰に増大する状態等となってしまうことを的確に防止することができる。
なお、上述した実施の形態においては、電磁弁34を第3切換弁33と電動オイルポンプ30との間に配置するとしたが、これに限定されず、例えば図9に示す上述した実施の形態の第1変形例のように、電磁弁34を信号ライン通路41に配置してもよい。
この第1変形例においては、例えば電動オイルポンプ30の吐出圧が低下することに伴い、第3切換弁33に導入される作動液の供給源が、電動オイルポンプ30から蓄圧装置35へと切り換えられた場合であっても、信号ライン通路41を介して第1切換弁31に供給される制御圧を電磁弁34によって制御することができる。
これにより、蓄圧装置35から蓄圧ライン通路45および第3切換弁33および電磁弁34および信号ライン通路41を介して第1切換弁31に供給される制御圧が所定圧未満に低下する時点までの期間においては、電磁弁34の電磁ソレノイド34aに対するデューティ制御によって、適宜のタイミングで進角側給排通路26または遅角側給排通路27に切り換えて第1切換弁31から作動液を供給することができ、モータ1の位相を適宜のタイミングで弱め界磁側または強め界磁側の何れかに所望の速度で変化させることができる。
また、上述した第1変形例においては、第2切換弁32および第3切換弁33を備えるとしたが、これに限定されず、例えば図10に示す上述した実施の形態の第2変形例のように、第2切換弁32および第3切換弁33を省略してもよい。そして、この第2変形例においては、例えば、リリーフ弁37は蓄圧装置35と逆止弁36との間に設けられ、圧力計38はリリーフ弁37と蓄圧装置35との間に設けられている。
この第2変形例においては、例えば電動オイルポンプ30の吐出圧が蓄圧装置35の蓄圧Pacum未満に低下すると、第1切換弁31および第3切換弁33に導入される作動液の供給源が、電動オイルポンプ30から蓄圧装置35へと切り換えられる。
また、信号ライン通路41を介して第1切換弁31に供給される制御圧は、上述した第1変形例と同様に、電磁弁34によって制御される。
以下に、上述した実施の形態の第1変形例または第2変形例に係るモータの制御装置100aの動作、特に、電動オイルポンプ30の異常状態における動作について説明する。
先ず、例えば図11に示すステップS11においては、例えばインバータINVから出力される信号F_EOP_FAILのフラグ値が「1」であるか否かを判定して、電動オイルポンプ(EOP)30が異常状態であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS11の処理を繰り返す。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS12に進む。
そして、ステップS12においては、位相センサ51から出力される相対位相θが所定の遅角側位相(つまり、モータ1が強め界磁状態である場合の相対位相)θrtdと同等であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合、つまりモータ1の位相が強め界磁側である場合には、後述するステップS18に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合、つまりモータ1の位相が弱め界磁側である場合には、ステップS13に進む。
そして、ステップS13においては、圧力計38から出力される検出信号に基づき、蓄圧装置35に貯留された作動液の圧力(蓄圧)Pacumを取得し、この蓄圧Pacumに基づき、モータ1に対して許容される所定回転数(モータ最高回転数)Nlimitを、予め作成された蓄圧Pacumとモータ最高回転数Nlimitとの所定の対応関係を示すマップ等に対するマップ検索により算出する。
そして、ステップS14においては、モータ1の回転数Nmotがモータ最高回転数Nlimit以下であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS16に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS15に進む。
そして、ステップS15においては、PDU100bのPWMインバータのスイッチング素子をパルス幅変調によりオン/オフ駆動させるためのパルスのデューティ(DUTY)、つまりオン/オフの比率を低減させて、モータ1の出力トルクを所定値以下に制限することにより、モータ1の回転数Nmotを低減させ、上述したステップS13に戻る。
また、ステップS16においては、モータ最高回転数Nlimitが、モータ1の位相が強め界磁側である場合に許容される所定の強め位相閾回転数Nlimit(強め)と同等であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS13に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS17に進む。
そして、ステップS17においては、電磁弁34の電磁ソレノイド34aに対するデューティ制御によって、ベーン位相θを徐々に遅角側位相θrtdに向かい変化させるようなフィードバック制御を実行し、遅角側給排通路27への作動液の供給を制御して、一連の処理を終了する
また、ステップS18においては、電磁弁34の電磁ソレノイド34aに対するデューティ制御によって、ベーン位相θが遅角側位相θrtdと同等になるようなフィードバック制御を実行し、遅角側給排通路27への作動液の供給を制御して、一連の処理を終了する。
例えば図12に示すように、ベーン位相θが進角側の位相であって、モータ1の回転数(モータ実回転数)Nmotに対して許容されるモータ最高回転数Nlimitが、モータ1の位相が弱め界磁側である場合に許容される所定の弱め位相閾回転数Nlimit(弱め)と同等であって、誘起電圧定数Keが相対的に小さな値である状態において、電動オイルポンプ30の異常に伴い、油圧回路系に対する作動液の供給源が電動オイルポンプ30から蓄圧装置35へと切り換えられた時刻t11以降においては、蓄圧装置35の蓄圧Pacumが低下傾向に変化する。
これに伴い、モータ最高回転数Nlimitが蓄圧Pacumに応じて所定の弱め位相閾回転数Nlimit(弱め)から低下傾向に変化させられる。ここで、モータ実回転数Nmotがモータ最高回転数Nlimitと同等になった時点以降においては、モータ実回転数Nmotはモータ最高回転数Nlimitに応じて低下傾向に変化する。
さらに、蓄圧Pacumが低下傾向に変化する状態で、モータ最高回転数Nlimitが、モータ1の位相が強め界磁側である場合に許容される所定の強め位相閾回転数Nlimit(強め)に到達した時刻t12以降において、モータ実回転数Nmotは所定の強め位相閾回転数Nlimit(強め)に固定される。
そして、電磁弁34の電磁ソレノイド34aに対するデューティ制御によって、ベーン位相θが遅角側の位相に向かい徐々に緩やかに変化させられ、誘起電圧定数Keが相対的に大きな値に向かい徐々に緩やかに増大傾向に変化する。
本発明の実施の形態に係るモータの制御装置の構成図である。 本発明の実施の形態に係るモータの要部断面図である。 本発明の実施の形態に係るモータの最遅角位置に制御されている回転子ユニットの一部部品を省略した側面図である。 本発明の実施の形態に係るモータの回転子ユニットの分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係るモータの最進角位置に制御されている回転子ユニットの一部部品を省略した側面図である。 本発明の実施の形態に係るモータの内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石とが同極配置された強め界磁状態を模式的に示す図(a)と、内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石とが異極配置された弱め界磁状態を模式的に示す図(b)を併せて記載した図である。 本発明の実施の形態に係るモータの制御装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る蓄圧Pacumとモータ回転数Nmotとベーン位相θと誘起電圧定数Keとの時間変化の一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態の第1変形例に係るモータの制御装置の構成図である。 本発明の実施の形態の第2変形例に係るモータの制御装置の構成図である。 本発明の実施の形態の第1変形例および第2変形例に係るモータの制御装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態の第1変形例および第2変形例に係る蓄圧Pacumとモータ回転数Nmotとベーン位相θと誘起電圧定数Keとの時間変化の一例を示すグラフ図である。
符号の説明
1 モータ
4 回転軸(モータ出力軸)
5 外周側回転子
6 内周側回転子
9 永久磁石
24 進角側作動室(進角側圧力室)
30 電動オイルポンプ(作動流体供給源)
31 第1切換弁
31b 制御ポート
32 第2切換弁
33 第3切換弁
34 電磁弁(圧力制御弁)
35 蓄圧装置

Claims (4)

  1. 互いに同軸かつ相対回動可能に配置され、各々に周方向に配置された永久磁石を具備する内周側回転子および外周側回転子と、前記内周側回転子と前記外周側回転子との相対位相を変更する位相変更手段とを備えるモータの制御装置であって、
    前記内周側回転子および前記外周側回転子の何れか一方はモータ出力軸に一体に固定され、
    前記位相変更手段は、内部に導入された作動流体の圧力により、前記内周側回転子および前記外周側回転子の何れか他方を一方に対して進角方向に相対回動させる進角側圧力室と、
    前記作動流体の供給源である作動流体供給源と、
    前記作動流体を貯留する蓄圧装置と、
    前記進角側圧力室に対する前記作動流体の供給と排出とを切り換える第1切換弁と、
    前記第1切換弁に対して前記作動流体供給源と前記蓄圧装置とを切り換えて接続する第2切換弁とを備え、
    前記第2切換弁は、前記第1切換弁と前記作動流体供給源との接続状態での前記作動流体供給源の異常時に、前記第1切換弁と前記作動流体供給源との接続状態を解消し、前記第1切換弁と前記蓄圧装置とを接続させることを特徴とするモータの制御装置。
  2. 前記第1切換弁の切換動作は、前記第1切換弁に具備される制御ポートに供給される前記作動流体の圧力に応じて制御され、
    前記制御ポートに対して前記作動流体供給源と前記蓄圧装置とを切り換えて接続する第3切換弁を備え、
    前記第3切換弁は、前記第2切換弁の切換動作に連動して、前記制御ポートと前記作動流体供給源との接続状態での前記作動流体供給源の異常時に、前記制御ポートと前記作動流体供給源との接続状態を解消し、前記制御ポートと前記蓄圧装置とを接続させることを特徴とする請求項1に記載のモータの制御装置。
  3. 前記第3切換弁から前記第1切換弁の前記制御ポートに供給される前記作動流体の圧力を制御する圧力制御弁を備えることを特徴とする請求項2に記載のモータの制御装置。
  4. 互いに同軸かつ相対回動可能に配置され、各々に周方向に配置された永久磁石を具備する内周側回転子および外周側回転子と、前記内周側回転子と前記外周側回転子との相対位相を変更する位相変更手段とを備えるモータの制御装置であって、
    前記内周側回転子および前記外周側回転子の何れか一方はモータ出力軸に一体に固定され、
    前記位相変更手段は、内部に導入された作動流体の圧力により、前記内周側回転子および前記外周側回転子の何れか他方を一方に対して進角方向に相対回動させる進角側圧力室と、
    前記作動流体の供給源である作動流体供給源と、
    前記作動流体を貯留する蓄圧装置と、
    前記進角側圧力室に対する前記作動流体の供給と排出とを切り換える第1切換弁と、
    前記第1切換弁に具備される制御ポートに供給される前記作動流体の圧力を制御する圧力制御弁とを備え、
    前記第1切換弁の切換動作は、前記圧力制御弁から前記制御ポートに供給される前記作動流体の圧力に応じて制御され、
    前記圧力制御弁は、前記作動流体供給源の異常時に、前記蓄圧装置から供給される前記作動流体を前記制御ポートに供給して前記第1切換弁の切換動作を制御することを特徴とするモータの制御装置。
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