JP2008160532A - 無線通信装置及び無線通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理時間が少なく簡易的な方法で最適なアンテナ制御を行うことが可能な無線通信装置を提供する。
【解決手段】複数のアンテナを用いてデータを送受信する無線通信装置であって、受信に用いられるアンテナ110の制御パターンを切り替えるアンテナ制御部156と、制御パターン毎に受信電力を測定する受信電力測定部152と、受信される信号に基づいて制御パターンに対応するチャネルを推定するチャネル推定部154と、を備える無線通信装置100が提供される。受信電力測定部152は、データの受信開始前に、全ての制御パターンにおける受信電力を測定し、アンテナ制御部156は、受信電力が大きい順に制御パターンを切り替え、チャネル推定部154による推定結果に基づいて制御パターンを切り替える。
【選択図】図2

Description

本発明は、無線通信装置及び無線通信方法に係り、特に、複数の送受信アンテナを用いてデータを送受信する無線通信装置及び無線通信方法に関する。
従来より、無線通信において高速伝送を実現するための様々な方法が提案されており、中でも高い周波数利用効率を実現可能とされるMIMO(Multi-Input Multi-Output)方式が注目されている。MIMOは、複数のアンテナを用いて、複数のデータを同一周波数により同時に送受信する空間多重伝送技術であり、同時に複数のデータを送信可能なことから、理論上はアンテナの数に比例して通信速度を高速化させることが可能といわれている。また、同一周波数によりデータを伝送可能なことから、多重化のために広い周波数帯域を確保する必要がなく、周波数の利用効率にも優れている。
このようなMIMO方式による伝送では、基地局や端末局で使用されるアンテナ条件や、周囲の伝搬環境により伝送特性が大きな影響を受けることが知られている。従って、高い通信品質を確保するために、伝搬環境に応じて受信時に用いられるアンテナの組み合わせやアンテナの特性(指向性等)を制御することが行われており、効果的な制御を行うための方法が研究されている。
このようなアンテナの制御パターン(使用するアンテナの組み合わせや、指向性パターン等の組み合わせ)を選択するために、受信装置側で受信される信号からチャネル容量や受信電力等を求め、それらの値によって最適な制御パターンを選択する方法がとられている。例えば、非特許文献1には、チャネル推定を行ってチャネル容量を求め、最も高いチャネル容量が得られた場合におけるアンテナを選択したり、あるいは同じアンテナ特性が得られるようにアンテナ特性を制御する方法が記載されている。この方法では、アンテナの制御パターンを選択するのにチャネル容量を用いるため、最もチャネル容量を大きくすることができる制御パターンを選択することができ、理想的なアンテナ制御が行えることが期待できる。
また、チャネル容量の代わりに全ての制御パターンにおける受信電力を測定し、最も高い受信電力が得られる制御パターンを選択する方法もある。受信電力は、最初に受信されるフレームのパイロットキャリア等から測定することができるため、チャネル容量を用いる方法よりも簡単であり、また、処理時間も短縮できるというメリットがある。
また、特許文献1には、チャネル行列の固有値を用いてアンテナの指向性を制御する方法が開示されている。この方法では、受信した信号から伝送路の伝送特性を表すチャネル行列Hを求め、チャネル行列Hとチャネル行列の共役転置行列との積で表される固有値λiを計算する。そして、全ての固有値λiが固有値の平均値λaveに近い所定の範囲内の値になるようにチャネル行列H’を計算し、実際のチャネル行列がH’に近づくように、アンテナの指向性を制御する。
特開2005−45351号公報 A.F.Molisch,"MIMOSystems with Antenna Selection",IEEE microwave magazine, March 2004, pp.46-56
非特許文献1に記載の方法を用いる場合、チャネル推定を行うためには、チャネル行列Hを求めた後、行列計算を行う必要があり、計算処理量が増大するという問題がある。一方、受信電力を用いる方法の場合、チャネル容量を用いる場合と比較すると、計算処理量の点では大きなメリットがあるものの、伝搬環境によっては性能が劣化する可能性があり、アンテナ制御を最適に行うことができない場合がある。
また、特許文献1に記載の方法では、非特許文献1の方法と同様に行列計算を必要とする。また、チャネル行列から固有値を計算し、さらに、固有値からチャネル行列H’を逆算する必要があるため、非特許文献1の方法以上に処理時間が増大する可能性がある。また、特許文献1に記載の方法では、実際のチャネル行列がH’に近づくようにアンテナを制御するために、到来方向推定をする必要がある。到来方向推定を行うためには、少なくとも4〜8本程度のアンテナを必要とし、ハードウェア構成が複雑化する可能性があるため、移動端末への適用が難しいという問題がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、処理時間が少なく簡易的な方法で最適なアンテナ制御を行うことが可能な、新規かつ改良された無線通信装置及び無線通信方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数のアンテナを用いてデータを送受信する無線通信装置であって、受信に用いられるアンテナの制御パターンを切り替えるアンテナ制御部と、制御パターン毎に、受信される信号に対応する受信電力を測定する受信電力測定部と、受信される信号に基づいて制御パターンに対応するチャネルを推定するチャネル推定部と、を備える無線通信装置が提供される。さらに、受信電力測定部は、データの受信開始前に、全ての制御パターンにおける受信電力を測定し、アンテナ制御部は、受信電力測定部により測定された受信電力が大きい順に制御パターンを切り替え、チャネル推定部による推定結果に基づいて制御パターンを切り替える。
かかる構成により、受信アンテナの制御パターン切り替えを2段階に分けて実行し、第1段階で受信電力による短時間での制御を行い、第2段階で最小固有値による精度の高い制御を行うことができる。受信電力に基づいて制御を行う場合、最大のチャネル容量を得ることは出来ない可能性があるが、通信に必要なSNR(Signal to Noise Ratio)は十分確保できる。また、受信電力は、チャネル推定や固有値計算と比較して、短時間で測定が可能であるため、通信開始までにかかる時間を短縮することができる。さらに、受信が進行するに従って受信電力が大きい順にチャネル推定を行っていくことにより、よりチャネル容量を増加させることが可能な制御パターンに順次切り替えて通信性能を向上させることができる。
また、アンテナ制御部は、複数のアンテナのうち、信号を送受信するために用いられるアンテナの組み合わせを切り替えることにより上記制御パターンを切り替えるようにしてもよい。あるいは、アンテナ制御部は、各々のアンテナの指向性パターンの組み合わせを切り替えることにより上記制御パターンを切り替えるようにしてもよい。これにより、複数のアンテナのうちのいくつかのアンテナを選択して送信データを受信する場合や、受信アンテナの指向性を制御する場合に、伝搬環境に最も適したアンテナの組み合わせや指向性パターンの組み合わせを選択することができ、通信品質を向上させることができる。
また、アンテナ制御部は、チャネル推定部による推定結果から求められる最小固有値が、他の制御パターンの最小固有値よりも大きい場合、チャネル推定部による推定結果から求められる最小固有値に対応する制御パターンに切り替えるようにしてもよい。あるいは、アンテナ制御部は、チャネル推定部による推定結果から求められるチャネル容量が、他の制御パターンのチャネル容量よりも大きい場合、チャネル推定部による推定結果から求められるチャネル容量に対応する制御パターンに切り替えるようにしてもよい。これにより、受信電力等を用いる場合に比べて、よりチャネル容量を増加させることが可能な制御パターンを選択することができる。
また、アンテナ制御部は、各フレームの受信前に制御パターンを切り替え、チャネル行列計算部は、アンテナ制御部により切り替えられた制御パターンにより受信された既知の符号パターンであるトレーニング信号に基づいて、フレームの受信中にチャネル推定を行うようにしてもよい。これにより、計算量の多いチャネル行列や固有値の計算をデータの受信と並行して行うことができ、計算処理にかかる時間を短縮することが可能となる。
また、アンテナ制御部は、最初のフレームの受信前に、受信電力が最大となる制御パターンに切り替えるようにしてもよい。上述したように、受信電力の測定は、チャネル推定や固有値計算と比較して短時間で行うことが可能である。また、受信電力に基づく制御は、チャネル容量や最小固有値の場合と比べて精度が落ちるものの、伝搬環境によってはこれらと同程度の効果をあげることが可能であるため、最初に受信電力に基づいた制御を行うことにより、短時間で効果的に制御を行うことができる。
また、アンテナ制御部は、2番目以降のフレームの受信前に、現在の制御パターンの次に受信電力が大きい制御パターンに切り替え、トレーニング信号受信後に、切り替え前の制御パターンに再度切り替えるようにしてもよい。このように、トレーニング信号を受信するときだけまだ固有値やチャネル容量の計算が終わっていない制御パターンに切り替えることにより、データの受信は、受信電力やそれ以前に計算された最小固有値等に基づいて選択された制御パターンを用いて行う一方で、別の制御パターンに対応する固有値の計算を並行して行うことができる。
また、アンテナ制御部は、受信電力が所定の閾値以下の制御パターンには切り替えを行わないようにしてもよい。これにより、SNRが極めて低い場合の制御パターンは除外することができるため、通信に必要なSNRは確保でき、トレーニング信号が復調できずに通信が断絶する恐れがなくなる。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数のアンテナを用いてデータを送受信する無線通信方法であって、データの受信開始前に、受信に用いられるアンテナの全ての制御パターンにおいて、受信される信号に対応する受信電力を測定する受信電力測定ステップと、各フレームの受信前に、受信電力が大きい順に制御パターンを切り替えて既知の符号パターンであるトレーニング信号を受信するトレーニング信号受信ステップと、フレームの受信中に、受信されるトレーニング信号に基づいて制御パターンに対応するチャネルを推定するチャネル推定ステップと、チャネル推定ステップにおける推定結果に基づいて制御パターンを切り替える制御パターン切替ステップと、を含む無線通信方法が提供される。
かかる構成により、受信アンテナの制御パターン切り替えを2段階に分けて実行し、第1段階で受信電力による短時間での制御を行い、第2段階で最小固有値による精度の高い制御を行うことができる。受信電力に基づいて制御を行う場合、最大のチャネル容量を得ることは出来ない可能性があるが、通信に必要なSNRは十分確保できる。また、受信電力は、チャネル推定や固有値計算と比較して、短時間で測定が可能であるため、通信開始までにかかる時間を短縮することができる。さらに、受信が進行するに従って受信電力が大きい順にチャネル推定を行っていくことにより、よりチャネル容量を増加させることが可能な制御パターンに順次切り替えて通信性能を向上させることができる。また、計算量の多いチャネル行列や固有値の計算を、データの受信と並行して行うことができ、計算処理にかかる時間を短縮することが可能となる。
また、複数のアンテナのうち、信号を送受信するために用いられるアンテナの組み合わせを切り替えることにより制御パターンを切り替えるようにしてもよい。あるいは、各々のアンテナの指向性パターンの組み合わせを切り替えることにより制御パターンを切り替えるようにしてもよい。これにより、複数のアンテナのうちのいくつかのアンテナを選択して送信データを受信する場合や、受信アンテナの指向性を制御する場合に、伝搬環境に最も適したアンテナの組み合わせや指向性パターンの組み合わせを選択することができ、通信品質を向上させることができる。
制御パターン切替ステップにおいて、チャネル推定ステップにおける推定結果から求められる最小固有値が、他の制御パターンの最小固有値よりも大きい場合、推定結果から求められる最小固有値に対応する制御パターンに切り替えるようにしてもよい。あるいは、制御パターン切替ステップにおいて、チャネル推定ステップにおける推定結果から求められるチャネル容量が、他の制御パターンのチャネル容量よりも大きい場合、推定結果から求められるチャネル容量に対応する制御パターンに切り替えるようにしてもよい。これにより、受信電力等を用いる場合に比べて、よりチャネル容量を増加させることが可能な制御パターンを選択することができる。
また、トレーニング信号受信ステップにおいて、最初のフレームの受信前に、受信電力が最大となる制御パターンに切り替えるようにしてもよい。上述したように受信電力の測定は、チャネル推定や固有値計算と比較して短時間で行うことが可能である。また、受信電力に基づく制御は、チャネル容量や最小固有値の場合と比べて精度が落ちるものの、伝搬環境によってはこれらと同程度の効果をあげることが可能であるため、最初に受信電力に基づいた制御を行うことにより、短時間で効果的に制御を行うことができる。
また、トレーニング信号受信ステップにおいて、2番目以降のフレームの受信前に、現在の制御パターンの次に受信電力が大きい制御パターンに切り替え、トレーニング信号受信後に、切り替え前の制御パターンに再度切り替えるようにしてもよい。このように、トレーニング信号を受信するときだけまだチャネル推定が終わっていない制御パターンに切り替えることにより、データの受信は、受信電力やそれ以前に計算された最小固有値等に基づいて選択された制御パターンを用いて行う一方で、別の制御パターンに対応する固有値の計算を並行して行うことができる。
また、受信電力が所定の閾値以下の制御パターンには切り替えを行わないようにしてもよい。これにより、SNRが極めて低い場合の制御パターンは除外することができるため、通信に必要なSNRは確保でき、トレーニング信号が復調できずに通信が断絶する恐れがなくなる。
以上説明したように本発明によれば、処理時間が少なく簡易的な方法で最適なアンテナ制御を行うことが可能となる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(MIMO方式無線通信システムの構成例)
まず、本発明の好適な実施形態にかかる無線通信装置を用いた、MIMO方式の無線通信システムの構成例について、図1を参照して簡単に説明する。図1は、本実施形態にかかる無線通信装置を用いた、MIMO方式の無線通信システムの構成例を示すブロック図である。図1に示すように、MIMO方式無線通信システム10は、送信側の無線通信装置200と、受信側の無線通信装置100とにより構成される。ここで、本発明にかかる無線通信装置は、主に受信側に特徴を有するものであるため、以下の説明においては、受信側の無線通信装置100を中心に説明する。
なお、本実施形態に係る無線通信通信システム10は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式を併用したMIMO_OFDM通信システムである。OFDM変調方式は、各サブキャリアがシンボル区間内で相互に直交するように各サブキャリアの周波数を設定したマルチキャリア伝送方式である。
(送信側の無線通信装置200)
まず、送信側の無線通信装置200について説明する。無線通信装置200は、M本(M≧2)の送信アンテナ210−1〜210−mを備え、M系統の信号を送信する装置である。無線通信装置200は、外部から入力される送信データをM系統に分離し、分離された各々のデータの先頭にトレーニング信号を付与する。トレーニング信号は、各送信アンテナに対して互いに直交する符号で変調された信号であって、システムにおいて既知の符号パターンである。トレーニング信号は、例えば、M系列やHadamard系列が用いられてもよい。
さらに、無線通信装置200は、トレーニング信号が付与された各系統の信号を変調し、所定の無線周波数帯の信号に周波数変換し、所定のレベルに増幅して出力する。このようにして出力されたM系統の出力信号は、各々送信アンテナ210−1〜210−mによってRF(Radio Frequency)信号として送信される。なお、図示していないが、無線通信装置200は受信手段を同時に備えるものであってもよい。
(受信側の無線通信装置100)
次に、受信側の無線装置100について説明する。無線通信装置100は、N本(N≧2)の受信アンテナを用いて、無線通信装置200より送信されたM系統の信号を受信する。従って、無線通信装置200及び無線通信装置100の各アンテナ間にはN×M個の伝送路が存在する。ここで、第i送信アンテナから送信され第j受信アンテナで受信される場合の伝達関数をhjiとすると、これを第(j,i)成分とするN行M列の行列がチャネル行列である。以下、チャネル行列をHと表記する。
図2を参照して、本実施形態にかかる無線通信装置100について説明する。図2は、本実施形態にかかる無線通信装置100の概略構成を示すブロック図である。本実施形態にかかる無線通信装置100は、複数の指向性パターンを切替可能な複数の受信アンテナを含み、伝搬環境に応じて最適な指向性パターンの組み合わせを切り替えることを特徴とする。
図2に示すように、無線通信装置100は、上述した無線通信装置100と同様に、N本の受信アンテナ110−1〜110−n(以下、まとめて受信アンテナ110という)と、アンテナパターン切替部120と、N個の無線部130−1〜130−n(以下、まとめて受信無線部130という)と、N個のAD変換部140−1〜140−n(以下、まとめてAD変換部140という)と、信号処理部150と、により構成される。なお、図示していないが、無線通信装置100は、送信手段を同時に備えるものであってもよい。以下、無線通信装置100の各部について説明する。
受信アンテナ110は、無線信号を受信するためのものである。なお、ここでは、受信アンテナ110は、信号の受信にのみ用いられるものとするが、信号の送信にも用いられるものであってもよい。受信アンテナ110の各々は、指向性を制御することが可能なアレーアンテナであり、複数の指向性パターンを切り替え可能に構成される。本実施形態においては、各受信アンテナ110は、それぞれL個の指向性パターンを有するものとし、各パターンをP〜Pと表す。従って、N本のアンテナから選択可能な指向性パターンの組み合わせはL個となる。
アンテナパターン切替部120は、受信アンテナ110の各々の指向性パターン切り替えるための機能部である。アンテナパターン切替部120は、信号処理部150によって制御され、受信アンテナ110各々の指向性パターンを切り替える。アンテナパターン切替部120は、例えば、RFスイッチおよびその駆動回路等で構成されてもよい。
受信アンテナ110によって受信された信号は、アンテナパターン切替部120を経由して、無線部130に入力される。無線部130は、受信アンテナ110からそれぞれ出力されるRF信号を各受信系統毎に、所定帯域でフィルタリングし、所定の増幅及び周波数変換等を行ってベースバンド信号に変換する。変換されたベースバンド信号は、AD変換部140によって各受信系統毎にデジタル信号に変換され、信号処理部150に入力される。無線部130は、例えば、RFフィルタ、低雑音増幅器、周波数変換器等で構成され、AD変換部140は、例えばAD変換器等で構成される。
信号処理部150は、受信アンテナ110によって受信され、無線部130及びAD変換部140−1によって処理されたN系統の信号を受け取って、最適なアンテナの指向性パターンを決定し、アンテナを制御するための機能部である。図2に示すように、信号処理部150は、トレーニング信号検出部151と、受信電力測定部152と、受信電力テーブル記憶部153と、チャネル推定部154と、固有値計算部155と、アンテナ制御部156とにより構成される。以下、信号処理部150の各構成要素について説明する。
トレーニング信号検出部151は、受信される各フレームに含まれるトレーニング信号を検出するための機能部である。トレーニング信号検出部151は、各フレームの先頭に付加されているトレーニング信号を検出し、フレーム同期を確立する。また、フレームタイミング信号によって、受信電力測定部152における受信電力測定のタイミングおよびチャネル推定部154におけるチャネル推定のタイミングが決定される。
受信電力測定部152は、トレーニング信号に基づいて各指向性パターンに対応する受信電力P(1≦i≦L)を測定するための機能部である。受信電力測定部152は、トレーニング信号検出部151によって最初のフレームに含まれるトレーニング信号が検出されると、アンテナ制御部156によりアンテナの指向性パターンの組み合わせが切り替えられる毎に、受信電力Pを測定する。あるいは、送信信号がIEEE802.11aのようなOFDM信号であれば、トレーニング期間でなくても、最初に受信したフレームのパイロットキャリアを用いて受信電力を測定するようにしてもよい。受信電力測定のタイミングは、トレーニング信号検出部151により決定される。測定された受信電力Pの値は、受信電力テーブル記憶部153に受信電力テーブルとして格納される。受信電力測定部152は、受信電力Pの値が大きい順にソートして受信電力テーブルを作成し、受信電力テーブルを作成するようにしてもよい。
受信電力テーブル記憶部153は、受信電力測定部152によって作成された受信電力テーブルを記憶するための記憶部である。受信電力テーブル記憶部153は、受信アンテナの各指向性パターンと受信電力P(1≦i≦L)とを対応付けて受信電力テーブル内に格納する。
チャネル推定部154は、トレーニング信号を用いてチャネル推定を行うための機能部である。チャネル推定部154は、受信した各フレームの先頭に付加されたトレーニング信号からチャネル推定を行い、チャネル行列H(1≦i≦L)を求める。チャネル推定部154は、各受信アンテナ110の出力信号に対し相関演算を行うことにより、チャネル行列Hの各要素を計算する。チャネル推定のタイミングは、トレーニング信号検出部151によって決定される。チャネル推定の処理は、データ信号の受信と並行して実行されてもよい。計算によって求められたチャネル行列は、固有値計算部155に与えられる。
固有値計算部155は、チャネル推定部154によって計算されたチャネル行列HからHの固有値λを計算し、最小固有値λi(1≦i≦L)を求める。固有値λは、以下の数式1により求められる値である。ここで、Eは、単位行列を表す。
Figure 2008160532
固有値計算部155における固有値の計算処理は、データ信号の受信と並行して行われる。計算によって求められた最小固有値λiの値は、アンテナ制御部156に与えられる。
アンテナ制御部156は、各受信アンテナ110の指向性パターンのL通りの組み合わせの中から1つを選択し、各受信アンテナ110の指向性パターンが選択された組み合わせに設定されるように、アンテナパターン切替部120に対して制御用の信号を送信する。アンテナ制御部156は、以下の2段階において、アンテナパターンの切替制御を行う。まず、第1段階で受信電力による短時間での制御を行い、第2段階で最小固有値による精度の高い制御を行う。
まず、第1段階の切替制御は、最初のフレームのトレーニング期間において行われる。トレーニング信号検出部151によって最初のフレームの先頭に付加されたトレーニング信号が検出された場合、アンテナ制御部156は、全ての指向性パターンの組み合わせにおける受信電力の測定を行うために、各受信アンテナの指向性を順次切り替えるようにアンテナパターン切替部120を制御する。指向性切り替えのタイミングは、受信電力測定部152によって各指向性パターンの組み合わせにおける受信電力の測定が完了したタイミングによって決定される。全ての指向性パターンの組み合わせの切り替えが終了すると、受信電力テーブル記憶部153から受信電力テーブルを取得する。
最初のフレームのトレーニング期間が終了しデータ信号を受信する前に、アンテナ制御部156は、取得した受信電力テーブルの中で受信電力Pの値が最大となる指向性パターンの組み合わせに切り替えるように、アンテナパターン切替部120を制御する。
次に、第2段階の切替制御は、2番目以降のフレームのトレーニング期間において行われる。まず、固有値計算に用いるトレーニング信号を受信するための切替制御を行う。トレーニング信号検出部151によって2番目以降のフレームに含まれるトレーニング信号が検出されると、アンテナ制御部156は、受信電力テーブルの中で、現在設定されている指向性パターンの組み合わせの次に受信電力が大きいパターンに切り替えるようにアンテナパターン切替部120を制御する。さらに、トレーニング期間が終了し、データ信号の受信が開始される前に、再び切替前の組み合わせに切り替えるように、アンテナパターン切替部120を制御する。
さらに、第2フレーム以降のデータ信号受信と並行して固有値計算部155で行われる最小固有値の計算処理終了後、計算された最小固有値を用いた切替制御が行われる。ここで、アンテナ制御部156は、固有値計算部155によって計算された最小固有値λと、現在の指向性パターンの組み合わせに対応する最小固有値λ(1≦k≦L)とを比較し、λの方が大きい場合、λに対応する指向性パターンの組み合わせに切り替えるように、アンテナパターン切替部120を制御する。一方、λの方が大きい場合、アンテナ制御部156は、パターン切替を行わない。
また、第2段階の切替制御においては、受信電力テーブル内で最小受信電力(閾値)を予め決定し、その値よりも受信電力Pの方が小さい組み合わせに対しては、切替を行わないようにしてもよい。このとき、受信電力の閾値には、例えば、システムで規定されたトレーニング信号を受信するために必要な最小受信電力の値を用いてもよい。例えば、IEEE Std.802.11a-1999, P31, Table91には、受信側の無線通信装置に要求される感度(Minimum sensitivity)、即ち信号を受信するために必要な最小受信電力が規定されている。この値は、データレートにより異なるが、トレーニング信号は確実に復調されることを目的として最低データレートで送られるので、6Mbpsとなり、このときの最小受信電力は−82dBmである。この値はあくまで規格値(最低性能)であり、実際には受信に用いられる無線通信装置の性能に応じて最小受信電力の値を決定するようにしてもよい。例えば上述した例の場合、受信電力の閾値として−90dBm等の値を採用するようにしてもよい。
以上、本実施形態にかかる無線通信装置100の構成について説明した。なお、無線通信装置100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や各種の記憶媒体等により構成されてもよい。なお、記憶媒体としては、例えば、半導体メモリ、光ディスク、磁気ディスクまたはその他の記憶媒体等であってもよい。また、信号処理部150を構成する各部の一部又は全部の機能は、上記のような記憶媒体に記憶されたプログラムに基づいてCPUにより実現されるものであってもよく、あるいは、上述した各機能を実行可能なプロセッサ等のハードウェアによりその機能が実現されてもよい。
(変形例)
次に、図3を参照して、上述した無線通信装置100の変形例である無線通信装置300について説明する。図3は、本実施形態の変形例にかかる無線通信装置300の概略構成を示すブロック図である。
送信側の無線通信装置200によってM系統の信号が送信される場合、受信側の無線通信装置300は、各系統の信号を各々1本の受信アンテナによって受信する。したがって、M<Nの場合、N本の受信アンテナ310のうち、信号の受信に用いられるアンテナはM本だけとなる。このような場合、N本の受信アンテナからM本を選択する組み合わせの数はであるが、このうち、最も受信状態の良い組み合わせを選択することによって、通信品質を向上させることができる。本変形例にかかる無線通信装置は、上述した実施形態と同様の方法を用いて、伝播環境に最も適したアンテナの組み合わせ選択の制御を行う。
本変形例にかかる無線通信装置300は、他の無線通信装置から2系統の信号を送信され、送信された信号を4本の受信アンテナのうちの2本により受信する場合の例を示したものである。この場合、無線通信装置300は、図3に示すように、4本の受信アンテナ310−1〜310−4(以下、まとめて受信アンテナ310という)を備え、4本の受信アンテナのうち受信に用いるアンテナの組み合わせを切り替えるアンテナ切替部320と、受信した2系統の信号に対応する無線部330−1及び330−2(以下、まとめて無線部330という)と、受信した2系統の信号に対応するAD変換部340−1及び340−2(以下、まとめてAD変換部340という)と、信号処理部350とにより構成される。
本変形例にかかる無線通信装置の中で、アンテナ切替部320のみが上述した実施形態の構成と異なる。上述の実施形態にかかるアンテナパターン切替部120が受信アンテナの指向性パターンの組み合わせを切り替えるものであったのに対し、本変形例にかかるアンテナ切替部320は、受信に用いられるアンテナの組み合わせを切り替えるための機能部である。アンテナ切替部320は、4本の受信アンテナ310−1〜310−4のうち、信号受信に用いられるアンテナ2本の組み合わせとして、=6通りの組み合わせのうち1つが選択されるように切替を行う。アンテナ切替部320において、どの受信アンテナを選択するかは信号処理部350から伝達される制御信号によって制御される。アンテナ切替部320は、例えば、RFスイッチおよびその駆動回路で構成されてもよい。
次に、図4及び図5に基づいて、上述の実施形態にかかる無線通信装置100の信号処理部150により実行される無線通信処理の一例を説明する。ここで、図4は、通信開始から第1フレーム受信終了までの無線通信処理の流れを示すフローチャートである。また、図5は、第2フレーム以降の受信時の無線通信処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態にかかる無線通信処理は、受信アンテナの制御パターン切り替えを2段階に分けて実行し、第1段階で受信電力による短時間での制御を行い、第2段階で最小固有値による精度の高い制御を行うことを特徴とする。ここで、受信アンテナの制御パターン(以下、単に制御パターンという)とは、受信アンテナの指向性パターンの組み合わせや、信号受信に用いられる受信アンテナの組み合わせ等を指す。
なお、以下では、制御パターン数をnとし、各制御パターンをT(1≦k≦n)と表す。ここで、kは、受信電力テーブル内で制御パターンを受信電力順にソートしたときの順番を表し、Tは受信電力が最大の制御パターンを表し、Tは受信電力が最小の制御パターンを表すものとする。また、各制御パターンTのときのチャネル行列をH、最小固有値をλと表す。また、受信されるフレームの番号をiと表し、フレーム数をmとする。
まず、通信が開始されると、ステップS400で、トレーニング信号検出部151がトレーニング信号を受信する。次いで、ステップS402で、受信電力測定部152がトレーニング信号から受信電力を測定する。あるいは、送信信号がIEEE802.11aのようなOFDM信号であれば、最初に受信したフレームのパイロットキャリアを用いて受信電力を測定するようにしてもよい。
次いで、ステップS404で、全ての制御パターンTについて受信電力の測定が終了したか否かを判定する。まだ終了していない場合は、アンテナ制御部156によって次の制御パターンへの切り替えを行い、ステップS402に戻る。このように、ステップS402〜S406をn回繰り返して、n個全ての制御パターンについて受信電力の測定が行われる。
ステップS404で、全ての制御パターンについての受信電力の測定が終了したと判定されたら、ステップS408に遷移し、測定された受信電力の値から、受信電力テーブルが作成され、受信電力テーブル記憶部153に記憶される。受信電力テーブル記憶部153には、受信電力と対応する制御パターンとが対応付けられた受信電力テーブルが記憶される。ここで、受信電力テーブルは、受信電力の大きい順にソートされて記憶されるようにしてもよい。
次いで、ステップS410で、アンテナ制御部156が、受信電力テーブル記憶部153から、受信電力が最大となる制御パターンTを読み出し、受信アンテナの制御パターンがTとなるようにアンテナパターン切替部120を制御する。さらに、ステップS412で、トレーニング信号検出部151は、第1フレームのトレーニング信号を受信する。
第1フレームのトレーニング期間が終了すると、ステップS414で第1フレームのデータ信号の受信処理と並行して、チャネル推定部154は、ステップS412で受信されたトレーニング信号に基づいてチャネル推定を行ってチャネル行列Hを求める。その後、固有値計算部155は、チャネル行列Hの最小固有値λを計算する。これにより、第1フレームのデータ信号受信中に、制御パターンTのときの最小固有値λが計算される。
次いで、図6を参照して、第2フレーム以降の受信処理について説明する。ステップS416で、アンテナ制御部156は、受信電力テーブル記憶部153に記憶された受信電力テーブルを参照して、制御パターンTの次に受信電力が大きい制御パターンTを読み出す。そして、受信アンテナの制御パターンがTとなるようにアンテナパターン切替部120を制御する。
次いで、ステップS418で、トレーニング信号検出部151は、第2フレームのトレーニング信号を受信する。第2フレームのトレーニング期間が終了すると、ステップS420で、アンテナ制御部156が、制御パターンをステップS416の前の状態、即ち制御パターンTに切り替える。
次いで、ステップS422で、ステップS418で受信されたトレーニング信号を基に、チャネル推定部154がチャネル推定を行ってチャネル行列Hを求め、固有値計算部155がチャネル行列Hの最小固有値λを計算する。またこのとき、チャネル行列及び固有値計算と並行して第2フレームのデータ信号が受信される。
次いで、ステップS424で、ステップS422で計算された最小固有値λを、第2フレームの受信時の制御パターンTのときの最小固有値λと比較する。ここで、最小固有値λの方が大きい場合、ステップS426に遷移して、次フレーム以降の受信時の制御パターンをTに切り替える。
一方、制御パターンTのときの最小固有値λの方が大きい場合は、ステップS428に遷移して、次フレームの受信時においても制御パターンTのまま受信する。
ステップS430で、全てのフレームの受信が終了したか否かを判断し、受信が終了していない場合はステップS416に戻って次のフレームを受信する。通信終了時、通信途絶時、またはBER劣化等で上位レイヤからの指示があった場合は、再びS400へ戻る。
このようにして、第2フレームから第mフレームまでステップS416〜S430の処理を繰り返し、作成した受信電力テーブルにしたがって、受信電力の大きい順に該当する制御パターンに切り替えてチャネル行列を計算し、最小固有値を求める。もし、最小固有値において、前のフレーム受信時に用いられた制御パターンのときよりも大きな値が得られたら、次のフレームからはその最小固有値に対応する制御パターンに切り替えて、通信を続行する。
ただし、SNRが極めて低い場合、トレーニング信号が復調できずに通信が断絶する恐れがあるので、あらかじめ受信電力の下限を定めておき、受信電力テーブルにおいて下限以下の受信電力であった制御パターンへの切り替えは行わないようにしてもよい。
(MIMO性能向上に対する効果)
ここで、MIMO性能の向上に対する、本実施形態による効果について説明する。図6に、切り替え時の判断基準として用られるパラメータとMIMO性能(チャネル容量)との関係を明らかにしたシミュレーション結果を示す。図6は、2×2MIMOにアンテナ指向性パターンの制御を行った場合の性能向上率(通常の2×2MIMOに比べた場合)と、パターン制御に使用したパラメータとの関係を表している。横軸は伝搬環境の変化を示している。また、Eigen valueとは、チャネル行列Hから求めた固有値であり、MIMOにより構成される空間パスの性能を表す。
図6によると、受信電力に基づいて指向性パターンの制御を行った場合、例えばNLOS45のときのように、伝搬環境によっては性能劣化が起きているのに対し、最小固有値(Minimum Eigen Value)を用いた場合は、ほとんど性能劣化は無く、チャネル容量による制御を行った場合と同程度の性能が得られることが分かる。従って、最小固有値を用いて制御を行う本実施形態の方法では、MIMO性能向上に対して極めて効果的なアンテナパターン制御を行うことができる。
但し、最小固有値の計算は計算量が多く、受信開始時に全てのパターンについて固有値計算を行うと処理速度の劣化を招く恐れがある。これに対し、本実施形態にかかる無線通信装置及び無線通信処理では、最初のフレームを受信する段階では短時間で計測可能な受信電力により制御を行い、受信中に計算された最小固有値に基づいて順次補正を行っていくため、処理時間におけるロスを最小限にとどめることができる。また、受信電力による制御を行った場合、最大のチャネル容量を得ることは出来ない可能性があるが、通信に必要なSNRは確保できているので、通信を開始することは十分可能である。また、図6に示すように、受信電力を用いた場合でも、伝搬環境によっては、最小固有値の場合と同程度の効果を得ることもできる。
(処理時間短縮に対する効果)
次に、処理時間短縮についての本実施形態による効果について説明する。まず、(1)全ての制御パターンについてチャネル推定を行ってチャネル容量または固有値を求め、最も高いチャネル容量が得られた場合における制御パターンを選択する(または、同じアンテナ特性が得られるようにアンテナを制御する)場合、性能向上効果は大きいが、計算量が大きく、処理時間の増加を招く。一方、(2)全ての制御パターンについて受信電力を測定し、最も高い受信電力が得られる場合における制御パターンを選択する(または、同じアンテナ特性が得られるようにアンテナを制御する)場合、測定時間や処理量は小さいものの、性能向上効果は比較的小さい。
本実施形態にかかる無線通信装置及び無線通信処理では、上記(1)の場合と同じ計算をデータ受信と並行して行うため、(1)にかかる処理時間は考慮しなくてもよい。従って、(2)の測定時間で(1)の性能を実現することができると考えることができ、通信開始までの時間短縮効果としては、(1)と(2)との比較により求められる。
まず、(1)の場合、トレーニング期間に全ての制御パターン(Lnまたは)のチャネル推定をおこなう必要がある。チャネル推定のためには送信側で各送信アンテナから互いに直交する符号(例えばアダマール符号など)で変調された信号をトレーニング信号として送信する必要がある。例えば、信号のシンボル長が4μ秒で、32次アダマール符号で変調した場合、1回のチャネル推定に必要な測定時間は、4μ秒×32=168μ秒となる。したがって、全ての組み合わせパターンについてチャネル推定を行うのに要する時間、すなわち通信開始までに要する時間は、Ln×168μ秒または×168μ秒である。L=4かつn=4の場合の例で計算すると、通信開始までに要する時間は、4×168μ秒=256×168μ秒=約43ミリ秒と計算できる。
一方、(2)の場合、全ての制御パターンに対して受信電力を測定し、ただ1つの組み合わせに対してチャネル推定を行うことで通信を開始することが出来る。例えば、1回の受信電力測定に要する時間を1μ秒とすると、通信開始までに要する時間は、Ln×1μ秒+168μ秒または×1μ秒+168μ秒である。上記(1)の場合の例と同様に、L=4かつn=4の場合の例で計算すると、通信開始までに要する時間は、4×1μ秒+168μ秒=256μ秒+168μ秒=約0.4ミリ秒と計算でき、(1)の場合と比べて通信開始までの時間を約100分の1に短縮することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、制御パターンの切り替えを判断するために最小固有値を用いたが、本発明はかかる例に限定されず、例えば、チャネル容量を用いて行ってもよい。
本発明の好適な実施形態にかかる無線通信装置を用いた無線通信システムの構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態にかかる無線通信装置の概略構成を示すブロック図である。 同実施形態にかかる無線通信装置の変形例の概略構成を示すブロック図である。 無線通信処理の流れを示すフローチャートである。 無線通信処理の流れを示すフローチャートである。 指向性パターンの制御を行った場合の性能向上率と、パターン制御に使用したパラメータとの関係を表すグラフである。
符号の説明
100、200、300 無線通信装置
110、310 受信アンテナ
120 アンテナパターン切替部
130、330 無線部
140、340 AD変換部
150、350 信号処理部
151 トレーニング信号検出部
152 受信電力測定部
153 受信電力テーブル記憶部
154 チャネル推定部
155 固有値計算部
156 アンテナ制御部
210 送信アンテナ
320 アンテナ切替部

Claims (17)

  1. 複数のアンテナを用いてデータを送受信する無線通信装置であって、
    受信に用いられるアンテナの制御パターンを切り替えるアンテナ制御部と、
    前記制御パターン毎に、受信される信号に対応する受信電力を測定する受信電力測定部と、
    受信される信号に基づいて前記制御パターンに対応するチャネルを推定するチャネル推定部と、
    を備え、
    前記受信電力測定部は、データの受信開始前に、全ての前記制御パターンにおける前記受信電力を測定し、
    前記アンテナ制御部は、前記受信電力測定部により測定された受信電力が大きい順に前記制御パターンを切り替え、前記チャネル推定部による推定結果に基づいて前記制御パターンを切り替えることを特徴とする、無線通信装置。
  2. 前記アンテナ制御部は、前記複数のアンテナのうち、信号を送受信するために用いられる前記アンテナの組み合わせを切り替えることにより前記制御パターンを切り替えることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記アンテナ制御部は、各々の前記アンテナの指向性パターンの組み合わせを切り替えることにより前記制御パターンを切り替えることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信装置。
  4. 前記アンテナ制御部は、前記チャネル推定部による推定結果から求められる最小固有値が、他の制御パターンの最小固有値よりも大きい場合、前記チャネル推定部による推定結果から求められる最小固有値に対応する前記制御パターンに切り替えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の無線通信装置。
  5. 前記アンテナ制御部は、前記チャネル推定部による推定結果から求められるチャネル容量が、他の制御パターンのチャネル容量よりも大きい場合、前記チャネル推定部による推定結果から求められるチャネル容量に対応する前記制御パターンに切り替えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の無線通信装置。
  6. 前記アンテナ制御部は、各フレームの受信前に前記制御パターンを切り替え、
    前記チャネル行列計算部は、前記アンテナ制御部により切り替えられた前記制御パターンにより受信された、既知の符号パターンであるトレーニング信号に基づいて、前記フレームの受信中に前記チャネルの推定を行うことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の無線通信装置。
  7. 前記アンテナ制御部は、最初のフレームの受信前に、受信電力が最大となる前記制御パターンに切り替えることを特徴とする、請求項6に記載の無線通信装置。
  8. 前記アンテナ制御部は、2番目以降のフレームの受信前に、現在の前記制御パターンの次に受信電力が大きい制御パターンに切り替え、前記トレーニング信号受信後に、切り替え前の前記制御パターンに再度切り替えることを特徴とする、請求項6または7のいずれかに記載の無線通信装置。
  9. 前記アンテナ制御部は、前記受信電力が所定の閾値以下の前記制御パターンには切り替えを行わないことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の無線通信装置。
  10. 複数のアンテナを用いてデータを送受信する無線通信方法であって、
    データの受信開始前に、受信に用いられるアンテナの全ての制御パターンにおいて、受信される信号に対応する受信電力を測定する受信電力測定ステップと、
    各フレームの受信前に、前記受信電力が大きい順に前記制御パターンを切り替えて既知の符号パターンであるトレーニング信号を受信するトレーニング信号受信ステップと、
    前記フレームの受信中に、前記受信されるトレーニング信号に基づいて前記制御パターンに対応するチャネルを推定するチャネル推定ステップと、
    前記チャネル推定ステップにおける推定結果に基づいて前記制御パターンを切り替える制御パターン切替ステップと、
    を含むことを特徴とする、無線通信方法。
  11. 複数の前記アンテナのうち、信号を送受信するために用いられる前記アンテナの組み合わせを切り替えることにより前記制御パターンを切り替えることを特徴とする、請求項10に記載の無線通信方法。
  12. 各々の前記アンテナの指向性パターンの組み合わせを切り替えることにより前記制御パターンを切り替えることを特徴とする、請求項10に記載の無線通信方法。
  13. 前記制御パターン切替ステップにおいて、前記チャネル推定ステップにおける推定結果から求められる最小固有値が、他の制御パターンの最小固有値よりも大きい場合、前記推定結果から求められる最小固有値に対応する前記制御パターンに切り替えることを特徴とする、請求項10〜12のいずれかに記載の無線通信方法。
  14. 前記制御パターン切替ステップにおいて、前記チャネル推定ステップにおける推定結果から求められるチャネル容量が、他の制御パターンのチャネル容量よりも大きい場合、前記推定結果から求められるチャネル容量に対応する前記制御パターンに切り替えることを特徴とする、請求項10〜12のいずれかに記載の無線通信方法。
  15. 前記トレーニング信号受信ステップにおいて、最初のフレームの受信前に、受信電力が最大となる前記制御パターンに切り替えることを特徴とする、請求項10〜14のいずれかに記載の無線通信方法。
  16. 前記トレーニング信号受信ステップにおいて、2番目以降のフレームの受信前に、現在の前記制御パターンの次に受信電力が大きい制御パターンに切り替え、前記トレーニング信号受信後に、切り替え前の前記制御パターンに再度切り替えることを特徴とする、請求項10〜15のいずれかに記載の無線通信方法。
  17. 前記受信電力が所定の閾値以下の前記制御パターンには切り替えを行わないことを特徴とする、請求項10〜16のいずれかに記載の無線通信方法。
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