JP2008159910A - レーザ照射装置およびレーザ照射方法 - Google Patents

レーザ照射装置およびレーザ照射方法 Download PDF

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Abstract

【課題】DOEのデフォーカスの影響を抑制したレーザ照射装置およびレーザ照射方法を提供する。
【解決手段】レーザ照射装置20は、第1レーザ照射部材と第2レーザ照射部材とを備える。第2レーザ照射部部は2つの照射光学系を有する。2つの照射光学系の各々は回折光学素子としてのDOE10、11を含む。2つの照射光学系のそれぞれに含まれるDOE10、11は、互いに同じ光学特性を有する。2つの照射光学系のそれぞれから照射される第2レーザ光L1、L2は、互いに同じ強度を有する。第2レーザ光L1、L2が基板12の表面に対して斜め方向から入射するとともに、基板12の表面に対する入射角度θが同じであって互いに反対方向から当該表面に入射し、第2レーザ光L1、L2の照射領域が一致するように、2つの照射光学系は配置されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、レーザ照射装置およびレーザ照射方法に関し、より特定的には、半導体膜の結晶化に用いられるレーザ照射装置およびレーザ照射方法に関する。
従来、高性能TFT(Thin Film Transistor)に用いられる結晶薄膜の作製技術として、非晶質半導体薄膜(非晶質シリコン膜)を結晶化するレーザアニール技術が知られている。このレーザアニール技術には、種々の改良を加えることが可能であり、たとえば特許文献1には、エキシマレーザと炭酸ガスレーザとを併用したレーザアニール技術が記載されている。以下、特許文献1に記載のレーザアニール技術について説明する。
図14は、特許文献1に記載されたレーザアニール技術を説明するための模式図である。図14に示すように、特許文献1に開示されたレーザアニール技術では、二酸化シリコンを主成分とするガラス基板130上に形成されたシリコン薄膜132にXeClエキシマレーザ101を照射する。このXeClエキシマレーザ101の照射と同時またはその前後に、炭酸ガスレーザ102をガラス基板130に向けて照射する。この場合に、たとえば、ガラス基板130とシリコン薄膜132との間に、ガラス基板130より二酸化シリコンの純度が高い、二酸化シリコン層等が存在していてもよい。また、シリコンに価電子制御を目的とした不純物が添加されていてもよい。
上述のように、シリコン薄膜132にXeClエキシマレーザ101を照射することにより、シリコン薄膜132の溶融再結晶化による改質を行なうことができる。なお、シリコン薄膜132の改質とは、たとえば、非晶質シリコン膜から多結晶シリコン膜への結晶化、小粒径シリコン膜から大粒径シリコン膜への結晶粒巨大化、結晶欠陥が多い膜から結晶欠陥が少ない膜への欠陥低減などが挙げられる。
ここで、該特許文献1では、上記XeClエキシマレーザ101による結晶化プロセス中に、同時に炭酸ガスレーザ102を照射している。この炭酸ガスレーザ102の照射により、シリコン薄膜132とガラス基板130との間の界面、または、シリコン薄膜132とガラス基板130との間に配置された二酸化シリコン層が高温に加熱される。このため、シリコン薄膜132の再結晶化過程の冷却速度が遅くなり、その結果得られるシリコン薄膜132を構成する多結晶シリコンの粒径の増大が可能になる。
なお、該特許文献1では、XeClエキシマレーザ101と同時に炭酸ガスレーザ102を照射するため、アニール装置の構造上の制約から、図14に示すように、XeClエキシマレーザ101をガラス基板130に対して垂直方向から照射する一方、炭酸ガスレーザ102をガラス基板130の表面に対して斜め方向から照射している。なお、このようにレーザを基板の表面に対して斜め方向から照射する技術としては、たとえば特許文献2に開示されたような技術も存在する。特許文献2では、光源から出射されたレーザ光を分割手段により複数に分割し、その後周期的なエネルギー分布を有するレーザ光の形成手段であるミラーによって当該レーザ光を反射し、それぞれの分割されたレーザ光を基板表面に斜め方向から左右対称な方向から照射することで、複数のレーザ光が合成されて干渉が生じ、結果的に周期的なエネルギー分布を有するレーザ光を形成するとしている。
上記特許文献1に示したようなレーザアニールにおいて、これらのレーザはガラス基板130の表面を走査させながら、繰り返し照射される。そのため、XeClエキシマレーザ101および炭酸ガスレーザ102は、ビームプロファイルが矩形状かつ照射強度が均一になるように照射される必要がある。このため、前記XeClエキシマレーザ101および炭酸ガスレーザ102などのレーザの発振器後段には、レーザの強度分布を均一にする光学系を配置することが一般的である。
XeClエキシマレーザなどの均一照射を行なうためには、一般にフライアイ型レンズによるホモジナイザが用いられており、既に実用化されている。一方、炭酸ガスレーザについては、発振器から出力されるレーザ光のビームプロファイルがガウス分布となっており、また、可干渉距離が長いため、上述したフライアイ型レンズによるホモジナイザとは異なる新たな光学系が均一照射のために必要となる。このような炭酸ガスレーザのガウス分布状のビームプロファイルを、矩形形状かつ強度が均一なものに整形するための一手法として、特許文献3の[0004]には、均一照射光学系として回折光学素子(Diffractive Optical Element:DOE)を用いることが記載されている。
特開平11−307450号公報 特開2003−158089号公報 特開2005−257823号公報
特許文献3に開示されているDOEは、炭酸ガスレーザを均一に照射するのに非常に有用なものであるが、一方、特許文献1や特許文献2に記載されているように、炭酸ガスレーザを斜方から入射する場合には、部分的にデフォーカスが生じるという問題があった。この問題を、図15を参照して説明する。図15は、従来の問題を説明するための模式図である。
DOEから出射されたビーム102は、図15のx方向に幅を持っており、基板112に照射される際には、光軸に垂直な断面の強度分布が基板面に投影されることになる。図15に記されているように、基板上の線分bb’がビーム102の焦点位置となるように基板112を配置したとすると、線分aa’にはビーム102の焦点面(ビーム102の進行方向に対して垂直な線分bb’を含む面)よりビーム102の進行方向において手前側にデフォーカスしたビームが照射される。また、基板112上の線分cc’には焦点面よりビーム102の進行方向において後方にデフォーカスしたビームが照射される。この結果、基板112の表面におけるビームの強度分布は不均一なものになる。なお、ここでは、像面が正しい焦点位置からずれることをデフォーカスと表現している。
DOEは、ガウス分布のレーザを入射、回折して、拡散、収束させることにより、焦点位置においてレーザの強度分布を均一な強度分布に変換するものである。そのため、上記のように斜方照射(照射対象である基板の表面に対して傾斜した方向からのレーザの照射)を行なう場合、レーザの照射方向においてレーザの焦点よりも手前あるいは後方に像面がずれることによりビーム乱れが生じて、基板表面においてレーザが照射される領域での強度分布が不均一になる。図16〜図18は、このことを模式的に示すグラフである。
具体的には、図16は、図15のA断面におけるx方向でのレーザの強度分布を示すグラフである。図17は、図15のB断面におけるx方向でのレーザの強度分布を示すグラフである。図18は、図15のC断面におけるx方向でのレーザの強度分布を示すグラフである。なお、ここでA断面とは、レーザの光軸に垂直で線分aa’を含む断面を意味する。また、B断面とは、レーザの光軸に垂直で線分bb’を含む断面を意味する。また、C断面とは、レーザの光軸に垂直で線分cc’を含む断面を意味する。
図16〜図18では、いずれも横軸がx方向(幅方向)での位置を示し、縦軸がレーザの強度を示している。図17は、B断面、すなわちレーザの焦点を含む平面でのレーザの強度分布を示している。図17では、x方向においてレーザの強度がほぼ一定になっていることが分かる。一方、図16はA断面、すなわちレーザの焦点よりレーザの光軸方向において手前側の平面でのレーザの強度分布を示している。図16から分かるように、幅方向でのレーザの強度分布は不均一になっている。また、図18はC断面、すなわちレーザの焦点よりレーザの光軸方向において後方側の平面でのレーザの強度分布を示している。図18から分かるように、幅方向でのレーザの強度分布は不均一になっている。このように、DOEを用いた場合には、焦点を含む平面からずれた位置の平面におけるレーザの強度分布が不均一になる。
図16や図18に示したようなレーザの強度分布が不均一になることは、上記DOEが、フライアイ型ホモジナイザ等、重畳方式の光学素子とは異なり、デフォーカスが生じると極端にレーザのプロファイル(強度分布)が悪化するという特有の性質を持つことに起因する。つまり、DOEを用いた場合には、焦点を含む平面からずれた位置の平面では、図16や図18に示すように、レーザの強度分布は激しい凹凸が繰り返されるプロファイルとなる。これは、単に像面がぼやけるだけの他の光学素子によるデフォーカスとは全く異なり、DOEを用いた場合の特徴的な現象である。このようなDOEのデフォーカスを解消する手法については、上述した特許文献1〜特許文献3のいずれにも開示も示唆もされておらず、従来全く知られていなかった。
そして、図16や図18に示しているように、DOEのデフォーカスに起因して基板の表面(レーザの照射面)での炭酸ガスレーザの照射強度が不均一になることにより、当該炭酸ガスレーザとエキシマレーザとの併用によるレーザアニールが不均一となる。つまり、特許文献1および特許文献2を組み合わせた従来の結晶化技術では、レーザアニールが不均一となることにより均質な結晶が得られないという問題があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、DOEのデフォーカスの影響を抑制したレーザ照射装置およびレーザ照射方法を提供することである。
この発明の1の局面に従ったレーザ照射装置は、第1レーザ照射部材と第2レーザ照射部材とを備える。第1レーザ照射部材は、第1レーザ光を被処理物に照射して、被処理物に第1照射領域を形成する。第2レーザ照射部材は、第2レーザ光を被処理物に照射して、当該被処理物に、第1照射領域の少なくとも一部と重複する第2照射領域を形成する。第2レーザ照射部材は、複数組の第2レーザ光を基板に照射する複数組の照射光学系を有する。複数組の照射光学系の各々は、回折現象によりビームプロファイルを整形する回折光学素子を含む。複数組の照射光学系のそれぞれの組を構成する2つの照射光学系に含まれる回折光学素子は、互いに同じ光学特性を有する。それぞれの組を構成する2つの照射光学系から被処理物に照射される第2レーザ光は、互いに同じ強度を有する。それぞれの組を構成する2つの照射光学系から被処理物に照射される第2レーザ光が被処理物の表面に対して斜め方向から入射するとともに、被処理物の表面に対する入射角度が同じであって互いに反対方向から当該表面に入射し、2つの照射光学系のそれぞれから被処理物に照射される第2レーザ光の照射領域が一致するように、2つの照射光学系は配置されている。
このようにすれば、2つの照射光学系のそれぞれから被処理物に斜め方向から照射される第2レーザ光について、デフォーカスの影響により被処理物表面での強度分布が不均一になっている場合に、2つの照射光学系のそれぞれから照射される第2レーザ光を反対方向から同じ角度で被処理物表面に照射することにより、第2レーザ光のそれぞれのデフォーカスの影響による強度分布の不均一な状態を同様にすることができる。そして、その2つの第2レーザ光を反対方向から被処理物に照射することでそれぞれの不均一な強度分布を互いに打ち消すことができる。このようにして、第2レーザ光のデフォーカスの影響を軽減することができる。この結果、第2レーザ光により照射される第2照射領域でのレーザ光の強度分布を均一なものとすることができるので、第2レーザ光により第2照射領域全体を均一に加熱することができる。この結果、第1レーザ光と第2レーザ光との併用による被処理物の加熱処理(たとえばアニール処理)を均一に行なうことができるので、被処理物の加熱処理の品質を向上させることができる。
この発明の他の局面に従ったレーザ照射装置は、第1レーザ照射部材と第2レーザ照射部材とを備える。第1レーザ照射部材は、第1レーザ光を被処理物に照射して、被処理物に第1照射領域を形成する。第2レーザ照射部材は、2本の第2レーザ光を被処理物に照射して、当該被処理物に、第1照射領域の少なくとも一部と重複する第2照射領域を形成する。第2レーザ照射部材は、2本の第2レーザ光を基板に照射する2つの照射光学系を有する。2つの照射光学系の各々は、回折現象によりビームプロファイルを整形する回折光学素子を含む。2つの照射光学系のそれぞれに含まれる回折光学素子は、互いに同じ光学特性を有する。2つの照射光学系のそれぞれから被処理物に照射される第2レーザ光は、互いに同じ強度を有する。2つの照射光学系のそれぞれから被処理物に照射される第2レーザ光が被処理物の表面に対して斜め方向から入射するとともに、被処理物の表面に対する入射角度が同じであって互いに反対方向から当該表面に入射し、2つの照射光学系のそれぞれから被処理物に照射される第2レーザ光の照射領域が一致するように、2つの照射光学系は配置されている。
このようにすれば、2つの照射光学系のそれぞれから被処理物に斜め方向から照射される第2レーザ光について、デフォーカスの影響により被処理物表面での強度分布が不均一になっている場合に、2つの第2レーザ光を反対方向から同じ角度で被処理物表面に照射することにより、第2レーザ光のそれぞれのデフォーカスの影響による強度分布の不均一な状態を同様にすることができる。そして、その2つの第2レーザ光を反対方向から被処理物に照射することでそれぞれの不均一な強度分布を互いに打ち消すことができる。このようにして、第2レーザ光のデフォーカスの影響を軽減することができる。この結果、第2レーザ光により照射される第2照射領域でのレーザ光の強度分布を均一なものとすることができるので、第2レーザ光により第2照射領域全体を均一に加熱することができる。この結果、第1レーザ光と第2レーザ光との併用による被処理物の加熱処理(たとえばアニール処理)を均一に行なうことができるので、被処理物の加熱処理の品質を向上させることができる。
また、第2レーザ照射部材が2つの照射光学系を備えることから、上述した効果を最小限の装置構成で実現することができる。つまり、極力簡略化した装置構成で本発明によるレーザ照射装置を実現できる。
上記他の局面に従ったレーザ照射装置において、第2レーザ照射部材は、2本の第2レーザ光を互いに異なるタイミングで被処理物に照射してもよい。この場合、2本の第2レーザ光が重なることなく、それぞれ独立して被処理物の第2照射領域に照射される。そのため、2本の第2レーザ光が被処理物に到達する前に重なることを防止できる。そのため、2本の第2レーザ光が被処理物に到達する前に重なることに起因する、第2レーザ光の干渉による強度分布の不均一化といった問題の発生を防止することができる。
上記他の局面に従ったレーザ照射装置において、第2レーザ照射部材は、2本の第2レーザ光の光軸に垂直な断面におけるビームプロファイルを、焦点位置においてトップフラット形状としてもよい。この場合、第2レーザ光の第2照射領域での強度分布をより均一なものとすることができる。
上記1の局面または他の局面に従ったレーザ照射装置において、第1レーザ照射部材は、第1レーザ光を被処理物の表面に対して垂直方向から照射してもよい。この場合、第2レーザ光との干渉を極力抑制した状態で第1レーザ光を被処理物の表面に照射することができる。
上記他の局面に従ったレーザ照射装置において、第2レーザ照射部材は、1つのレーザ光源と分岐光学系とを含んでいてもよい。分岐光学系は、レーザ光源から出射したレーザ光を分岐し、当該分岐したレーザ光のそれぞれを第2レーザ光として2つの照射光学系の回折光学素子に入射させてもよい。2つの照射光学系では、回折光学素子から被処理物の照射領域までの第2レーザ光のそれぞれの軌跡長さが同じに設定されていてもよい。この場合、1つのレーザ光源から2つの第2レーザ光を生成するので、第2レーザ光それぞれについて個別にレーザ光源を準備する場合よりもレーザ照射装置の装置構成を簡略化することができる。
上記1の局面または他の局面に従ったレーザ照射装置において、被処理物の表面には複数の層が形成されていてもよい。第1レーザ照射部材は、第1レーザ光として複数の層のうちの1つの層に吸収される波長を有するレーザ光を被処理物の表面に照射してもよい。第2レーザ照射部材は、第2レーザ光として複数の層のうちの上記1つの層と異なる他の層に吸収される波長を有するレーザ光を被処理物の表面に照射してもよい。
この場合、第1レーザ光により上記1つの層を熱処理(たとえばアニール処理)する場合に、第2レーザ光によって他の層を加熱することができるので、結果的に上記1つの層の冷却速度を調整できる(冷却速度を第2レーザ光の照射が無い場合より遅くすることができる)。このため、上記1つの層の熱処理条件を調整することができる。また、このとき上記1つの層に隣接して他の層が形成されていることが好ましい。
上記1の局面または他の局面に従ったレーザ照射装置において、第1レーザ照射部材は、1つの層としての半導体層に吸収される波長を有するレーザ光を第1レーザ光として前記被処理物の表面に照射してもよい。第2レーザ照射部材は、他の層としての酸化物層または窒化物層に吸収される波長を有するレーザ光を第2レーザ光として被処理物の表面に照射してもよい。
この場合、半導体層に対する第1レーザ光による熱処理を行なう際、第2レーザ光によって酸化物層または窒化物層を加熱することができるので、半導体層の冷却速度を調整することができる。
上記1の局面または他の局面に従ったレーザ照射装置において、1つの層はシリコンを含む層であってもよく、他の層は酸化シリコンを含む層であってもよい。第1レーザ照射部材は、第1レーザ光としてエキシマレーザを被処理物の表面に照射してもよい。第2レーザ照射部材は、第2レーザ光として9μm以上11μm以下の波長を有するレーザ光を被処理物の表面に照射してもよい。
この場合、1つの層としてのシリコンを含む層および他の層としての酸化シリコンを含む層を備える被処理物(たとえば基板)について、当該シリコンを含む層をアニールするときに、他の層としての酸化シリコンを第2レーザ光によって均一に加熱することができるので、第2レーザ光が照射された領域においてシリコンを含む層の冷却速度を均一に遅くすることができる。このため、シリコンを含む層のアニール後の結晶粒のサイズを、第2レーザ光による加熱を行なわない場合より大きくすることができる。
上記1の局面または他の局面に従ったレーザ照射装置を用いたレーザ照射方法であって、被処理物を準備する工程と凝固工程とを備える。凝固工程では、第1レーザ光を被処理物の第1照射領域に照射することにより、第1照射領域内の被処理物の表面を溶融後再凝固させる。凝固工程において、第1照射領域の少なくとも一部と重複する第2照射領域に第2レーザ光を照射する。
このようにすれば、第1レーザ光により被処理物の第1照射領域を熱処理するときに、第2レーザ光を(第1照射領域と重複する)第2照射領域に照射することによって当該部分の冷却速度を調整することができる。このため、第1レーザ光による熱処理の条件を第2レーザ光の照射によって調整することができる。
本発明によれば、第2レーザ光により照射される第2照射領域でのレーザ光の強度分布を均一なものとすることができるので、第2レーザ光により第2照射領域全体を均一に加熱することができる。この結果、第1レーザ光と第2レーザ光との併用による被処理物の加熱処理(たとえばアニール処理)を均一に行なうことができるので、被処理物の加熱処理の品質を向上させることができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明に従ったレーザ照射装置の実施の形態1の具体的な構成を示す模式図である。図2は、図1に示したレーザ照射装置の概略的な構成を示すブロック図である。図3は、図1に示したレーザ照射装置においてレーザを照射される基板の部分断面模式図である。図1〜図3を参照して、本発明に従ったレーザ照射装置の実施の形態1を説明する。
図1および図2を参照して、本発明に従ったレーザ照射装置20は、半導体薄膜の結晶成長装置であって、図2に示すように第1レーザ照射部21と、第2レーザ照射部22と基板保持部23とを備えている。第1レーザ照射部21は、具体的には図1の第1レーザ発振器1、可変減衰器2、集光レンズ3、ミラー14a、ホモジナイザ4、および投影レンズ5から構成されている。第2レーザ照射部22は、図1の第2レーザ発振器6、可変減衰器7、集光レンズ8、ビームスプリッタ9、ミラー14b〜14f、回折光学素子(DOE)10、11とから構成されている。基板保持部23は図1のステージ13を含む。ステージ13上には被処理物である基板12が搭載されている。基板12は、図3に示すようにベース基板30上に下地絶縁膜31が形成され、当該下地絶縁膜31上に半導体膜32が形成された多層構造を有している。これらの下地絶縁膜31や半導体膜32は、前工程においてベース基板30上に形成されたものである。
図1に示したレーザ照射装置20では、第1レーザ発振器1から出射した第1レーザ光が、基板12の表面に対して垂直方向から照射されるように、第1レーザ発振器1やミラー14aなどが配置されている。また、第2レーザ発振器6から出射した第2レーザ光は、基板12の表面に対して斜め方向から、かつ2つに分岐された第2レーザ光L1、L2がそれぞれ反対方向から(左右対称に)基板12の表面に照射されるように、第2レーザ発振器6やミラー14b〜14fが配置されている。なお、ミラー14a〜14fの配置や数量に特に制限は無く、レーザ照射装置20の光学設計や機構設計に応じて適宜配置することが可能である。
次に、第1レーザ照射部21について、具体的には第1レーザ発振器1から出射された第1レーザ光が基板12に照射されるまでの光路を説明する。第1レーザ発振器1から出射した第1レーザ光は、可変減衰器2により適当な出力に調整される。その後、第1レーザ光は集光レンズ3によりその断面サイズ(光路に対して垂直な方向での断面積)を適当な大きさとなるように調整される。次いで、第1レーザ光はミラー14aによりその進行方向が変更される(第1レーザ光の進行方向が90度曲げられる)。そして、フライアイ型レンズを用いたホモジナイザ4により、第1レーザ光の断面方向での強度分布が均一化される。強度分布を均一化した第1レーザ光は、投影レンズ5を介し、所定倍率に整形されて、基板12に垂直方向から入射する。この第1レーザ光が照射された領域を第1照射領域とする。尚、投影レンズ5を介して、所定倍率に整形された第1レーザ光は、投影マスクを通して、所定の形状に整形された後基板12に照射することも可能である。
次に、第2レーザ照射部22について、具体的には第2レーザ発振器6から出射された第2レーザ光が基板12に照射されるまでの光路を説明する。第2レーザ発振器6から出射した第2レーザ光は、可変減衰器7により適当な出力に調整された後、集光レンズ8によりその断面サイズが適当な大きさになるように調整される。次いで、ビームスプリッタ9により同一の2本の第2レーザ光L1、L2に分岐する。分岐した2本の第2レーザ光L1、L2は、それぞれミラー14b、14d、14eによって進行方向が変更された後、別個の回折光学素子(DOE)10、11に入射する。このDOE10、11において、第2レーザ光L1、L2はそれぞれ強度分布(ビームプロファイル)が矩形状に整形される。そして、第2レーザ光L1、L2は、ミラー14c、14fにより進行方向が変更された後、基板12の表面に対して斜め方向から照射される。このとき、2つの第2レーザ光L1、L2は、基板12の表面における同じ領域(第2照射領域)に照射される。また、第2レーザ光L1、L2は、上記照射領域の中央部に位置する法線に対して対称な方向から入射する。この2本の第2レーザ光L1、L2は、基板12の表面に同一位相で対称方向から斜方入射する。
対称方向から入射する2本の第二レーザ光L1、L2により形成される第2照射領域は、上記第1照射領域を含むように設定されている。なお、第2照射領域は、第1照射領域の少なくとも一部と重なるように設定されていてもよい。
また、図1に示したレーザ照射装置20では、ビームスプリッタ9からDOE10、およびビームスプリッタ9からDOE11までの光路長が等しくなるように、上記ビームスプリッタ9やDOE10、11などの配置を設定することが好ましい。また、図1に示したレーザ照射装置20では、DOE10、11から基板12の表面までの光路長が等しくなるようにDOE10、11およびミラー14c、14fの配置が設定されている。
なお、図1および図2に示したレーザ照射装置20では、第1レーザ光がたとえばエキシマレーザであり、第2レーザ光がたとえば炭酸ガスレーザであってもよい。第2レーザ発振器6から出射した第2レーザ光としての炭酸ガスレーザの断面プロファイル(強度分布)を図4に示す。ここで、図4は、第2レーザ発振器6から出射した第2レーザ光としての炭酸ガスレーザの強度分布を示す図である。図4では、横軸が第2レーザ光の進行方向に垂直な幅方向での位置を示しており、縦軸が強度を示している。図4に示すように、第2レーザ発振器6から出射した第2レーザ光としての炭酸ガスレーザの断面プロファイル(強度分布)はガウス型プロファイルを示している。
このようなガウス型プロファイルを示す第2レーザ光としての炭酸ガスレーザは、DOE10、11を通過することにより、図5に示すような断面プロファイル(強度分布)に変換される。図5は、DOEを通過した後の炭酸ガスレーザの強度分布を示す図である。図5では、図4と同様に、横軸が第2レーザ光の進行方向に垂直な幅方向での位置を示しており、縦軸が強度を示している。図5に示すように、DOE10、11を通過することにより、炭酸ガスレーザの断面プロファイルは、矩形状であってその強度が均一なプロファイルに変換される。
図1および図2に示したレーザ照射装置20では、2本の第2レーザ光L1、L2としての炭酸ガスレーザを基板12に対して斜方から(基板の表面に対して傾斜した方向から)互いに対称に照射している点に特徴がある。このような構成により、従来のDOEを用いて炭酸ガスレーザを基板12に斜方から照射する系において課題であったデフォーカスの影響を解消することが可能となる。図6〜図9を参照して、以下、具体的に説明する。
図6は、炭酸ガスレーザがDOE10、11を通過してから、基板12に照射されるまでの光路を示した模式図である。図7は、図6の炭酸ガスレーザL1aの強度分布を示す図である。図8は、図6の炭酸ガスレーザL2aの強度分布を示す図である。図9は、図7および図8に示した炭酸ガスレーザL1a、L2aを合成した強度分布を示す図である。
図6を参照して、第2レーザ発振器6(図1参照)から出射した第2レーザ光としての炭酸ガスレーザは、ビームスプリッタ9によって2本の第2レーザ光L1、L2に分岐された後、DOE10、11を通過することにより強度分布が図5に示すような矩形状に整形される。そして、図6に示すように、基板12の表面となす角θである斜め方向から基板12の表面に入射する。なお、図6は、基板12の表面に斜め方向から入射する第2レーザ光L1、L2の軌跡を横方向から見た模式図になっている。
基板12の表面に入射する第2レーザ光L1、L2としての炭酸ガスレーザは、図6のx方向に幅を有している。図6は、DOE10を通過した炭酸ガスレーザL1a、L1b、L1cが、基板12の表面上のaライン、bライン、cラインにそれぞれ入射し、DOE11を通過した炭酸ガスレーザL2a、L2b、L2cが、基板12の表面上のaライン、bライン、cラインにそれぞれ入射する様子を示している。炭酸ガスレーザL1a、L1b、L1cの間は距離Wだけ離れている。炭酸ガスレーザL1a、L1b、L1cは互いに平行になるように基板12に対して照射されている。
図6に示すように、照射領域(aラインとcラインとの間の領域)の中心ラインであるbラインを、DOE10、11からの焦点位置となるように、基板を配置する。この場合、aラインには、焦点面よりも手前に長さ(W/tanθ)だけデフォーカスした炭酸ガスレーザL1aと、焦点面より後方に長さ(W/tanθ)だけデフォーカスした炭酸ガスレーザL2aが入射する。また、cラインには、焦点面よりも後方に長さ(W/tanθ)だけデフォーカスした炭酸ガスレーザL1cと、焦点面より手前に長さ(W/tanθ)だけデフォーカスした炭酸ガスレーザL2cが入射する。焦点面より手前、あるいは後方にデフォーカスした炭酸ガスレーザが基板に入射した場合、基板面における強度分布は、不均一になる。そして、その不均一の程度は、焦点面からのずれ量(手前または後方への照射面の位置ずれ量、以下デフォーカス量とも言う)に比例する。しかし、照射領域内のいずれの位置においても焦点面からの手前のデフォーカス量と後方のデフォーカス量が等しい、2本の第2レーザ光を(同時に)照射することにより、この強度分布の不均一を解消することができる。以下、図7〜図9を用いてより詳しく説明する。
図7〜図9において、横軸は幅方向(x軸方向)での位置を示し、縦軸はレーザの強度を示している。図7に示したaラインに入射する炭酸ガスレーザL1aのx方向の強度分布と、図8に示したaラインに入射する炭酸ガスレーザL2aのx方向の強度分布とは、ちょうど強度についての強弱の変動が逆の位相になっていることが分かる。そして、炭酸ガスレーザL1aと炭酸ガスレーザL2aとを図6に示すようにaライン上に逆方向から同じ角度で照射すると、その結果aライン上での炭酸ガスレーザL1a、L2aの合成強度分布は図9に示したような均一な分布となる。
また、bラインに入射する炭酸ガスレーザL1b、L2bは、ともに図9に示すようなx方向での強度分布を示す。図9に示した強度分布は、矩形状であってその強度がほぼ均一になっている。そのため、bラインに炭酸ガスレーザL1b、L2bを照射した場合の、両者を合成した強度分布(合成強度分布)も図9に示した強度分布と同様になる。
また、cラインに入射する炭酸ガスレーザL1cは、図8に示すようなx方向の強度分布を示し、cラインに入射する炭酸ガスレーザL2cは図7に示すようなx方向の強度分布を示す。そのため、図6に示すように炭酸ガスレーザL1cと炭酸ガスレーザL2cとをcライン上に逆方向から同じ角度で照射すると、cライン上での炭酸ガスレーザL1c、L2cの合成強度分布は図9に示したような均一な分布となる。
このように、レーザの照射方向における前後に同じ量デフォーカスした炭酸ガスレーザを2本、基板12の表面の同じ場所に入射させることによって、基板12の表面における炭酸ガスレーザの強度分布を均一にすることが可能となる。すなわち、基板12の表面に対して対称方向から、2本の炭酸ガスレーザを入射させることにより、デフォーカスの影響を解消することが可能となる。この結果、基板12の表面に、結果的に矩形で均一な強度分布のレーザを照射した場合と同様に、基板12の表面をレーザによって均一に加熱することができる。このため、当該レーザを用いて基板12の表面において材料の溶融・再結晶によって結晶を形成する場合、レーザの照射領域における加熱条件を均一化できることから、均質な結晶を得ることが可能となる。
なお、上記レーザ照射装置でのレーザ照射を行なう条件としては、たとえば第1レーザ光として波長308nmのエキシマレーザを、パルス幅50ns、エネルギー密度を200mJ/cm以上500mJ/cm以下という条件で照射することができる。また、この場合、第2レーザ光として、波長10.6μmの炭酸ガスレーザを、パルス幅20μs以上200μs以下、エネルギー密度を750mJ/cm以上1000mJ/cm以下という条件で照射することができる。また、上記照射条件は一例であり、照射に際しては基板12の表面に形成される半導体膜32(図3参照)の凝集や基板損傷が発生しないようなエネルギー量を設定することが好ましく、半導体膜32の材質や種類、膜厚等、基板12の条件に合わせて適当なエネルギー量を設定すればよい。
また、上記レーザ照射装置20では、レーザを照射する被処理物として図3に示すようにベース基板30上に下地絶縁膜31と半導体膜32とを積層させて形成した半導体デバイスにレーザを照射する。ベース基板30は絶縁性であることが好ましく、ガラス基板や石英基板を用いることができる。特に、安価であることと大面積基板を容易に入手し得る観点からベース基板30としてガラス基板を用いることが好ましい。
下地絶縁膜31には、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜などを用いることができる。その膜厚は50nm以上500nm以下にすることが好ましいが、当該膜厚はこのような値に限定されない。この下地絶縁膜31を形成することにより、主としてレーザによる溶融、再結晶化の際に、溶融した半導体膜32の熱影響がベース基板30に及ばないようにすることが可能となる。さらに、下地絶縁膜31に、ベース基板30から半導体膜32への不純物拡散を防止するバッファ層の働きをさせることが可能となる。この下地絶縁膜31は、原料化合物をプラズマエンハンスド化学気相堆積(PECVD)、蒸着あるいはスパッタリングなどを用いて堆積することによって形成し得る。
半導体膜32は、膜厚が10nm以上100nm以下となるように、プラズマエンハンスド化学気相堆積(PECVD)、触媒化学気相堆積(Catalytic Chemical Vapor Deposition:Cat−CVD)、蒸着あるいはスパッタリングなどの手法を用いて堆積することによって形成できる。半導体膜32の材料としては、半導体特性を示す従来公知のものであれば特に限定されないが、後の工程で結晶化された際に結晶成長距離を長くでき、種々の特性が顕著に向上する非晶質シリコン膜を用いることが好ましい。
次に、図1に示したレーザ照射装置20を用いたレーザ照射方法である結晶成長方法を簡単に説明する。図10は、図1に示したレーザ照射装置を用いたレーザ照射方法である結晶成長方法を説明するためのフローチャートである。
図10に示すように、本発明による結晶成長方法では、まず基板準備工程(S10)を実施する。この工程(S10)では、図3に示すようなベース基板30上に下地絶縁膜31および半導体膜32を形成した基板12を準備する。そして、この基板12を、図1に示したレーザ照射装置20のステージ13上に搭載する。
次に、レーザ照射工程(S20)を実施する。この工程(S20)では、基板12の表面に第1レーザ発振器1から出射した第1レーザ光を照射するとともに、第2レーザ発振器6から出射した第2レーザ光L1、L2を基板12の表面に同時に照射する。第1レーザ光により基板12の半導体膜32を溶融後、再凝固させることにより、半導体膜32において結晶を生成させる。また、このとき、第2レーザ光によって主に下地絶縁膜31が加熱されることによって、半導体膜32の冷却速度を遅くすることができる。このため、半導体膜32において形成される結晶の粒径を大きくすることができる。また、上述したように第2レーザ光L1、L2が照射される領域(第2照射領域)では、第2レーザ光L1、L2が照射された結果としての合成強度分布を均一なものとすることができるので、第2照射領域の全体を均一に加熱することができる。このため、当該領域の下地絶縁膜31を均一に加熱することができるので、結果的に当該領域に位置する半導体膜32の冷却条件を均一にすることができる。このため、半導体膜32において結晶粒の粒径分布がばらつくことを抑制できる(つまり、半導体膜32において結晶粒を均一に大きくすることができる)。
(実施の形態2)
図11は、本発明に従ったレーザ照射装置を用いたレーザ照射方法の実施の形態2を説明するためのフローチャートである。図12は、図11に示したレーザ照射方法における第2レーザ光の照射タイミングを示すタイミングチャートである。図11および図12を参照して、本発明によるレーザ照射方法の実施の形態2を説明する。
本発明によるレーザ照射方法の実施の形態2は、結晶成長方法であって、基本的には図1および図2に示したレーザ照射装置を用いており、図10に示したレーザ照射方法と同様の構成を備えるが、レーザ照射工程の具体的な内容が異なっている。すなわち、図10で説明したレーザ照射方法では、上記2本の第2レーザ光L1、L2を同時に照射していた。このように第2レーザ光L1、L2を同時に照射する場合よりも、更にレーザの強度分布の均一性を向上させる必要がある場合には、可能な限り2本の第2レーザ光L1、L2を基板12の表面に到達する前に重ねない方が好ましい。この実施の形態2では、上記のように第2レーザ光L1、L2を極力重ねないようにしたレーザ照射方法を説明する。
まず図10の基板準備工程(S10)を実施する。その後、レーザ照射工程として図11に示すような工程を実施する。具体的には、第1レーザ発振器1(図1参照)から出射した第1レーザ光を基板12の表面に照射する第1レーザ照射工程(S21)を実施する。また、並行して、第2レーザの一方を照射する工程(S22)を実施する。このとき、具体的にはたとえば第2レーザ光L1(図1参照)を基板12の表面に照射する。そして、第2レーザ光L1を所定時間照射した後、第2レーザの他方を照射する工程(S23)を実施する。具体的には、たとえば第2レーザ光L2(図1参照)を基板12の表面に所定時間だけ照射する。このとき、第2レーザ光L2を照射する領域の基板12の表面における位置は、第2レーザ光L1を照射した領域の位置と同じとする。
次に、第1レーザ照射工程(S21)が終了したかどうかを判定する工程(S24)を実施する。この工程(S24)では、たとえば第1レーザ発振器1の動作状態を電源電力などの値から判別し、第1レーザ光の照射が終わっているかどうかを確認する。そして、工程(S24)においてNOと判定された場合(つまり、第1レーザ光の照射がまだ続いている場合)には、再び工程(S22)および工程(S23)を繰返す。一方、工程(S24)においてYESと判定された場合(つまり、第1レーザ光の照射が終了している場合)には、熱処理が完了するためにレーザ照射工程を終了する。
図12を参照して、工程(S22)および工程(S23)での2本の第2レーザの一方および他方である第2レーザ光L1、L2の照射タイミングについて説明する。図12の横軸は時間を示し、縦軸は第2レーザの一方(第2レーザ光L1)および第2レーザの他方(第2レーザ光L2)のそれぞれについてのON/OFFの状態を示している。
図12では、図11において工程(S22)〜工程(S24)が繰返されている状態、つまり第2レーザ光L1と第2レーザ光L2とが交互に照射される場合を示している。すなわち、図12の時点T1において、第2レーザの一方(第2レーザ光L1)の照射が開示される。この時点T1は、図11の工程(S22)が開始された時点に対応する。そして、第2レーザの一方の照射が時間P1だけ続いた後、時点T2において第2レーザの一方の照射が終了する。この時点T2は、図11における工程(S22)が終了した時点に対応する。
次に、上述した時点T1から時間P2だけ経過した時点T3において、第2レーザの他方(第2レーザ光L2)の照射が開示される。この時点T3は、図11の工程(S23)が開始された時点に対応する。そして、第2レーザの他方の照射が所定の時間(たとえば上記時間P1と同じ時間)だけ続いた後、時点T4において第2レーザの他方の照射が終了する。この時点T4は、図11における工程(S23)が終了した時点に対応する。
そして、時点T4から所定時間が経過した後(あるいは、時点T3から上記時間P2だけ経過した後)の時点T5において、時点T1と同様に第2レーザの一方の照射が再び開始される。以下、上記した時点T1〜時点T4について説明した工程と同様の工程が、図11の工程(S24)においてYESと判断されるまで(つまり第1レーザ照射工程(S21)が終了するまで)順番に繰返される。
なお、一回のレーザ照射時間に対応する上記時間P1(パルス幅)や第2のレーザの一方と他方との照射開始タイミングのインターバルに対応する時間P2は、交互に照射される該2本の第2レーザ光L1、L2によって、基板12に蓄熱を生じ、基板12の表面における均一な温度分布を維持できるよう適当に設定できる。
上述した本発明の実施の形態1、2の特徴的な構成を要約すれば、レーザ照射装置20は、第1レーザ照射部材としての第1レーザ照射部21と第2レーザ照射部材としての第2レーザ照射部22とを備える。第1レーザ照射部21は、第1レーザ光を被処理物としての基板12に照射して、基板12に第1照射領域を形成する。第2レーザ照射部22は、2本の第2レーザ光L1、L2を基板12に照射して、当該基板12に、第1照射領域の少なくとも一部と重複する第2照射領域(図6のaラインとcラインとに挟まれた領域)を形成する。第2レーザ照射部22は、2本の第2レーザ光L1、L2を基板12に照射する2つの照射光学系24a、24bを有する。2つの照射光学系24a、24bの各々は、回折現象によりビームプロファイルを整形する回折光学素子としてのDOE10、11を含む。2つの照射光学系24a、24bのそれぞれに含まれるDOE10、11は、互いに同じ光学特性を有する。2つの照射光学系24a、24bのそれぞれから基板12に照射される第2レーザ光L1、L2は、互いに同じ強度を有する。2つの照射光学系24a、24bのそれぞれから基板12に照射される第2レーザ光L1、L2が基板12の表面に対して斜め方向から入射するとともに、基板12の表面に対する入射角度θが同じであって互いに反対方向から当該表面に入射し、2つの照射光学系24a、24bのそれぞれから基板12に照射される第2レーザ光L1、L2の照射領域が一致するように、2つの照射光学系は配置されている。
このようにすれば、2つの照射光学系24a、24bのそれぞれから基板12に斜め方向から照射される第2レーザ光L1、L2について、デフォーカスの影響により基板12表面での強度分布が不均一になっている場合に、2つの第2レーザ光L1、L2を反対方向から同じ角度で基板12表面に照射することにより、第2レーザ光L1、L2のそれぞれのデフォーカスの影響による強度分布の不均一な状態を同様にすることができる。そして、その2つの第2レーザ光L1、L2を反対方向から基板12に照射することでそれぞれの不均一な強度分布を互いに打ち消すことができる。このようにして、第2レーザ光L1、L2のデフォーカスの影響を軽減することができる。この結果、第2レーザ光L1、L2により照射される第2照射領域でのレーザ光の強度分布を均一なものとすることができるので、第2レーザ光L1、L2により第2照射領域全体を均一に加熱することができる。この結果、第1レーザ光と第2レーザ光L1、L2との併用による基板12の加熱処理(たとえばアニール処理や溶融再結晶による結晶化処理)を均一に行なうことができるので、基板12の加熱処理の品質を向上させることができる。
また、第2レーザ照射部22が2つの照射光学系24a、24bを備えることから、上述した効果を最小限の装置構成で実現することができる。つまり、極力簡略化した装置構成で本発明によるレーザ照射装置20を実現できる。
上記レーザ照射装置20において、第2レーザ照射部22は、実施の形態2で示したように2本の第2レーザ光L1、L2を互いに異なるタイミングで被処理物に照射してもよい。この場合、2本の第2レーザ光L1、L2が重なることなく、それぞれ独立して基板12の第2照射領域に照射される。そのため、2本の第2レーザ光L1、L2が基板12に到達する前に重なることを防止できる。そのため、2本の第2レーザ光L1、L2が基板12に到達する前に重なることに起因する、第2レーザ光L1、L2の干渉による強度分布の不均一化といった問題の発生を防止することができる。
上記レーザ照射装置20において、第2レーザ照射部22は、2本の第2レーザ光L1、L2の光軸に垂直な断面におけるビームプロファイルを、焦点位置において図5に示すようなトップフラット形状としてもよい。この場合、第2レーザ光L1、L2の第2照射領域での強度分布をより均一なものとすることができる。
(実施の形態3)
図13は、本発明に従ったレーザ照射装置の実施の形態3の概略的な構成を示すブロック図である。図13を参照して、本発明に従ったレーザ照射装置の実施の形態3を説明する。なお、図13は図2に対応する。
図13を参照して、レーザ照射装置20は、基本的には図1および図2に示したレーザ照射装置20と同様の構成を備えるが、照射光学系24a、24b、25a、25bを1組ではなく2組備えている点が、図1および図2に示したレーザ照射装置20と異なる。図1および図2に示されたレーザ照射装置20に比べて追加されている1組の照射光学系25a、25bは、照射光学系24a、24bと同様に、互いに反対方向から、基板12の表面に対して斜め方向からそれぞれ第2レーザ光を照射する。また、照射光学系25a、25bの構成は、基本的に照射光学系24a、24bと同様である。このようにしても、照射光学系25a、25bから基板12の表面に照射した第2レーザ光について、合成強度分布を照射光学系24a、24bの場合と同様に均一化することができる。また、照射光学系24a、24bから照射される第2レーザ光とは異なる方向から基板12の表面に照射光学系25a、25bによる第2レーザ光を照射するので、基板12の表面での第2レーザ光に起因する加熱をより均一に行なうことができる。
なお、照射光学系の数は、図13に示したように2組(4つ)以上の任意の組数とすることができる。たとえば、3組(6つ)、4組(8つ)あるいは5組(10)以上とすることができる。
また、上記図13に示したレーザ照射装置20を用いたレーザ照射方法は、基本的には図10または図11を用いて説明したレーザ照射方法と同様である。なお、図11および図12を参照して説明したように、第2レーザ光が極力重ならないように基板へ第2レーザ光を照射する場合には、図13に示したレーザ照射装置を用いた場合であれば、たとえば照射光学系24a、24b、25a、25bというように順番に第2レーザ光を基板に照射する工程を複数回繰返すようにしてもよい。
上述した実施の形態3の特徴的な構成を要約すれば、レーザ照射装置20は、図13に示すように第1レーザ照射部材としての第1レーザ照射部21と第2レーザ照射部材としての第2レーザ照射部22とを備える。第1レーザ照射部21は、第1レーザ光を被処理物としての基板12に照射して、基板12に第1照射領域を形成する。第2レーザ照射部22は、第2レーザ光L1、L2を基板12に照射して、当該基板12に、第1照射領域の少なくとも一部と重複する第2照射領域(図6のaラインとcラインとに挟まれた領域)を形成する。第2レーザ照射部22は、複数組の第2レーザ光を基板12に照射する複数組の照射光学系24a、24b、25a、25bを有する。複数組の照射光学系24a、24b、25a、25bの各々は、回折現象によりビームプロファイルを整形する回折光学素子(DOE10、11)を含む。複数組の照射光学系24a、24b、25a、25bのそれぞれの組を構成する2つの照射光学系24a、24b、25a、25bに含まれる回折光学素子DOE10、11は、互いに同じ光学特性を有する。それぞれの組を構成する2つの照射光学系24a、24b、25a、25bから被処理物に照射される第2レーザ光L1、L2は、互いに同じ強度を有する。それぞれの組を構成する2つの照射光学系24a、24b、25a、25bから基板12に照射される第2レーザ光L1、L2が基板12の表面に対して斜め方向から入射するとともに、基板12の表面に対する入射角度θが同じであって互いに反対方向から当該表面に入射し、2つの照射光学系(照射光学系24a、24bまたは照射光学系25a、25b)のそれぞれから基板12に照射される第2レーザ光L1、L2の照射領域が一致するように、2つの照射光学系24a、24b、25a、25bは配置されている。
このようにすれば、2つの照射光学系24a、24b、25a、25bのそれぞれから基板12に斜め方向から照射される第2レーザ光L1、L2について、デフォーカスの影響により基板12表面での強度分布が不均一になっている場合に、2つの照射光学系24a、24b、25a、25bのそれぞれから照射される第2レーザ光L1、L2を反対方向から同じ角度で基板12表面に照射することにより、第2レーザ光L1、L2のそれぞれのデフォーカスの影響による強度分布の不均一な状態を同様にすることができる。そして、その2つの第2レーザ光L1、L2を反対方向から基板12に照射することでそれぞれの不均一な強度分布を互いに打ち消すことができる。このようにして、第2レーザ光L1、L2のデフォーカスの影響を軽減することができる。この結果、第2レーザ光L1、L2により照射される第2照射領域でのレーザ光の強度分布を均一なものとすることができるので、第2レーザ光L1、L2により第2照射領域全体を均一に加熱することができる。この結果、第1レーザ光と第2レーザ光L1、L2との併用による基板12の加熱処理(たとえばアニール処理や溶融再結晶による結晶化処理)を均一に行なうことができるので、基板12の加熱処理の品質を向上させることができる。
上記図13に示されたレーザ照射装置20において、第2レーザ照射部22に含まれる複数組の照射光学系24a、24b、25a、25bのそれぞれの組を構成する2つの照射光学系(照射光学系24a、24bまたは照射光学系25a、25b)から基板12に照射される第2レーザ光L1、L2は、互いに異なるタイミングで基板12に照射されてもよい。この場合、2つの照射光学系24a、24bまたは照射光学系25a、25bのそれぞれから基板12に照射される第2レーザ光L1、L2が重なることなく、それぞれ独立して基板12の第2照射領域に照射される。そのため、2つの照射光学系24a、24bまたは照射光学系25a、25bからの第2レーザ光L1、L2を同時に照射することでこれらの第2レーザ光L1、L2が基板12に到達する前に重なることを防止できる。そのため、第2レーザ光L1、L2が基板12に到達する前に重なることに起因する、第2レーザ光L1、L2の干渉による強度分布の不均一化といった問題の発生を防止することができる。
上記レーザ照射装置20において、第2レーザ照射部22は、第2レーザ光L1、L2の光軸に垂直な断面におけるビームプロファイルを、焦点位置においてトップフラット形状としてもよい。この場合、第2レーザ光L1、L2の第2照射領域での強度分布をより均一なものとすることができる。
上記レーザ照射装置20において、第2レーザ照射部22は、複数組の照射光学系24a、24b、25a、25bのそれぞれの組(照射光学系24a、24bの組と、照射光学系25a、25bの組)について、1つのレーザ光源(第2レーザ発振器6)から出射したレーザ光を分岐し、当該分岐したレーザ光のそれぞれを第2レーザ光L1、L2としてそれぞれの組の照射光学系の回折光学素子(DOE10、11)に入射させる分岐光学系(ビームスプリッタ9)をさらに含んでいてもよい。それぞれの組の照射光学系24a、24b、25a、25bでは、DOE10、11から基板12の第2照射領域までの第2レーザ光L1、L2のそれぞれの軌跡長さが同じに設定されていてもよい。この場合、1つの第2レーザ発振器6から複数の第2レーザ光L1、L2を生成するので、第2レーザ光L1、L2それぞれについて個別にレーザ光源を準備する場合よりもレーザ照射装置20の装置構成を簡略化することができる。
また、上述した実施の形態1〜3に示したレーザ照射装置20において、第1レーザ照射部21は、第1レーザ光を基板12の表面に対して垂直方向から照射する。この場合、第2レーザ光L1、L2との干渉を極力抑制した状態で第1レーザ光を基板12の表面に照射することができる。
上述した実施の形態1〜3に示したレーザ照射装置20において、第2レーザ照射部22は、1つのレーザ光源(第2レーザ発振器6)と分岐光学系(ビームスプリッタ9)とを含んでいてもよい。ビームスプリッタ9は、第2レーザ発振器6から出射したレーザ光を分岐し、当該分岐したレーザ光のそれぞれを第2レーザ光L1、L2として2つの照射光学系24a、24b(および/または照射光学系25a、25b)のDOE10、11に入射させてもよい。2つの照射光学系24a、24bでは、DOE10、11から基板12の照射領域までの第2レーザ光L1、L2のそれぞれの軌跡長さが同じに設定されていてもよい。この場合、1つのレーザ光源である第2レーザ発振器6から2つの第2レーザ光L1、L2を生成するので、第2レーザ光L1、L2それぞれについて個別にレーザ光源を準備する場合よりもレーザ照射装置20の装置構成を簡略化することができる。
上述した実施の形態1〜3に示したレーザ照射装置20において、基板12の表面には図3に示すように複数の層(下地絶縁膜31および半導体膜32)が形成されていてもよい。第1レーザ照射部21は、第1レーザ光として複数の層のうちの1つの層(半導体膜32)に吸収される波長を有するレーザ光を基板12の表面に照射する。第2レーザ照射部22は、第2レーザ光L1、L2として複数の層のうちの上記1つの層と異なる他の層(下地絶縁膜31)に吸収される波長を有するレーザ光を基板12の表面に照射する。
この場合、第1レーザ光により上記半導体膜32を熱処理(たとえばアニール処理)する場合に、第2レーザ光L1、L2によって下地絶縁膜31を加熱することができるので、結果的に上記半導体膜32の冷却速度を調整できる(冷却速度を第2レーザ光L1、L2の照射が無い場合より遅くすることができる)。このため、上記半導体膜32の熱処理条件を調整することができる。また、このとき上記半導体膜32に隣接して(たとえば接触するように)他の層としての下地絶縁膜31が形成されていることが好ましい。
上述した実施の形態1〜3に示したレーザ照射装置20において、第1レーザ照射部21は、1つの層としての半導体層(半導体膜32)に吸収される波長を有するレーザ光を第1レーザ光として前記基板12の表面に照射する。第2レーザ照射部22は、他の層(下地絶縁膜31)としての酸化物層または窒化物層に吸収される波長を有するレーザ光を第2レーザ光L1、L2として被処理物の表面に照射してもよい。
この場合、半導体膜32に対する第1レーザ光による熱処理を行なう際、第2レーザ光L1、L2によって酸化物層または窒化物層(下地絶縁膜31)を加熱することができるので、半導体膜32の冷却速度を調整することができる。
上述した実施の形態1〜3に示したレーザ照射装置20において、1つの層(半導体膜32)はシリコンを含む層であってもよく、他の層(下地絶縁膜31)は酸化シリコンを含む層であってもよい。第1レーザ照射部21は、第1レーザ光としてエキシマレーザを基板12の表面に照射する。第2レーザ照射部22は、第2レーザ光L1、L2として9μm以上11μm以下の波長を有するレーザ光を基板12の表面に照射する。
この場合、半導体膜32としてのシリコンを含む層および下地絶縁膜31としての酸化シリコンを含む層を備える基板12について、当該シリコンを含む層をアニールするときに、他の層としての酸化シリコンを含む層を第2レーザ光L1、L2によって均一に加熱することができるので、第2レーザ光L1、L2が照射された領域においてシリコンを含む層の冷却速度を均一に遅くすることができる。このため、シリコンを含む層のアニール後の結晶粒のサイズを、第2レーザ光L1、L2による加熱を行なわない場合より大きくすることができる。
上記レーザ照射装置20において、照射光学系24a、24b、25a、25bの組が複数存在する場合、照射光学系24a、24b、25a、25bの個々の組を構成する2つの照射光学系24a、24bでの第2レーザ光L1、L2の基板12に対する照射方向を結ぶ線分を、各組の照射方向軸と規定した場合、各組の照射方向軸は1つの点(第2照射領域の中央部に位置する点:以下、中心点と呼ぶ)で交差し、その中心点にいて交差する照射方向軸のうち、隣接する照射方向軸の組の間の交差角度は、隣接する照射方向軸の各組について同じになっていることが好ましい。たとえば、照射光学系が2組(4つ)存在する場合、照射光学系24a、24bの組の照射方向軸と、照射光学系25a、25bの組の照射方光軸との交差する角度は90°とする。また、たとえば照射光学系が3組(6つ)存在する場合には、当該角度は60°とすることが好ましい。
上述した実施の形態1〜3に示したレーザ照射装置20を用いたレーザ照射方法であって、被処理物としての基板12を準備する工程と凝固工程(レーザ照射工程(S20))とを備える。レーザ照射工程(S20)では、第1レーザ光を基板12の第1照射領域に照射することにより、第1照射領域内の基板12の表面を溶融後再凝固させる。工程(S20)において、第1照射領域の少なくとも一部と重複する第2照射領域(図6のaラインとcラインとに挟まれた領域)に第2レーザ光L1、L2を照射する。
このようにすれば、第1レーザ光により基板12の第1照射領域を熱処理するときに、第2レーザ光L1、L2を(第1照射領域と重複する)第2照射領域に照射することによって当該部分の冷却速度を調整することができる。このため、第1レーザ光による熱処理の条件を第2レーザ光L1、L2の照射によって調整することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、特に基板上に形成された層についてレーザを用いた熱処理を行なうためのレーザ照射装置およびレーザ照射方法に適用でき、特に表面に複数の層が形成された基板についての熱処理を行なう場合に、効果的である。
本発明に従ったレーザ照射装置の実施の形態1の具体的な構成を示す模式図である。 図1に示したレーザ照射装置の概略的な構成を示すブロック図である。 図1に示したレーザ照射装置においてレーザを照射される基板の部分断面模式図である。 第2レーザ発振器6から出射した第2レーザ光としての炭酸ガスレーザの強度分布を示す図である。 DOEを通過した後の炭酸ガスレーザの強度分布を示す図である。 炭酸ガスレーザがDOE10、11を通過してから、基板12に照射されるまでの光路を示した模式図である。 図6の炭酸ガスレーザL1aの強度分布を示す図である。 図6の炭酸ガスレーザL2aの強度分布を示す図である。 図7および図8に示した炭酸ガスレーザL1a、L2aを合成した強度分布を示す図である。 図1に示したレーザ照射装置を用いたレーザ照射方法である結晶成長方法を説明するためのフローチャートである。 本発明に従ったレーザ照射装置を用いたレーザ照射方法の実施の形態2を説明するためのフローチャートである。 図11に示したレーザ照射方法における第2レーザ光の照射タイミングを示すタイミングチャートである。 本発明に従ったレーザ照射装置の実施の形態3の概略的な構成を示すブロック図である。 特許文献1に記載されたレーザアニール技術を説明するための模式図である。 従来の問題を説明するための模式図である。 図15のA断面におけるx方向でのレーザの強度分布を示すグラフである。 図15のB断面におけるx方向でのレーザの強度分布を示すグラフである。 図15のC断面におけるx方向でのレーザの強度分布を示すグラフである。
符号の説明
1 第1レーザ発振器、2,7 可変減衰器、3,8 集光レンズ、4 ホモジナイザ、5 投影レンズ、6 第2レーザ発振器、9 ビームスプリッタ、10,11 DOE、12 基板、13 ステージ、14a〜14f ミラー、20 レーザ照射装置、21 第1レーザ照射部、22 第2レーザ照射部、23 基板保持部、24a,24b,25a,25b 照射光学系、30 ベース基板、31 下地絶縁膜、32 半導体膜。

Claims (10)

  1. 第1レーザ光を被処理物に照射して、前記被処理物に第1照射領域を形成する第1レーザ照射部材と、
    第2レーザ光を前記被処理物に照射して、前記被処理物に、前記第1照射領域の少なくとも一部と重複する第2照射領域を形成する第2レーザ照射部材とを備え、
    該第2レーザ照射部材は、複数組の前記第2レーザ光を前記被処理物に照射する複数組の照射光学系を有し、
    該複数組の照射光学系の各々は、回折現象によりビームプロファイルを整形する回折光学素子を含み、
    前記複数組の照射光学系のそれぞれの組を構成する2つの照射光学系に含まれる前記回折光学素子は、互いに同じ光学特性を有し、
    前記それぞれの組を構成する2つの照射光学系から前記被処理物に照射される前記第2レーザ光は、互いに同じ強度を有し、
    前記それぞれの組を構成する2つの照射光学系から前記被処理物に照射される前記第2レーザ光が前記被処理物の表面に対して斜め方向から入射するとともに、前記被処理物の表面に対する入射角度が同じであって互いに反対方向から前記表面に入射し、前記2つの照射光学系のそれぞれから前記被処理物に照射される前記第2レーザ光の照射領域が一致するように、前記2つの照射光学系は配置されている、レーザ照射装置。
  2. 第1レーザ光を被処理物に照射して、前記被処理物に第1照射領域を形成する第1レーザ照射部材と、
    2本の第2レーザ光を前記被処理物に照射して、前記被処理物に、前記第1照射領域の少なくとも一部と重複する第2照射領域を形成する第2レーザ照射部材とを備え、
    該第2レーザ照射部材は、前記2本の第2レーザ光を前記被処理物に照射する2つの照射光学系を有し、
    前記2つの照射光学系の各々は、回折現象によりビームプロファイルを整形する回折光学素子を含み、
    前記2つの照射光学系のそれぞれに含まれる前記回折光学素子は、互いに同じ光学特性を有し、
    前記2つの照射光学系のそれぞれから前記被処理物に照射される前記第2レーザ光は、互いに同じ強度を有し、
    前記2つの照射光学系のそれぞれから前記被処理物に照射される前記第2レーザ光が前記被処理物の表面に対して斜め方向から入射するとともに、前記被処理物の表面に対する入射角度が同じであって互いに反対方向から前記表面に入射し、前記2つの照射光学系のそれぞれから前記被処理物に照射される前記第2レーザ光の照射領域が一致するように、前記2つの照射光学系は配置されている、レーザ照射装置。
  3. 前記第2レーザ照射部材は、2本の前記第2レーザ光を互いに異なるタイミングで前記被処理物に照射する、請求項2に記載のレーザ照射装置。
  4. 前記第2レーザ照射部材は、2本の前記第2レーザ光の光軸に垂直な断面におけるビームプロファイルを、焦点位置においてトップフラット形状とする、請求項2または3に記載のレーザ照射装置。
  5. 前記第1レーザ照射部材は、前記第1レーザ光を前記被処理物の表面に対して垂直方向から照射する、請求項2〜4のいずれか1項に記載のレーザ照射装置。
  6. 前記第2レーザ照射部材は、
    1つのレーザ光源と、
    前記レーザ光源から出射したレーザ光を分岐し、当該分岐したレーザ光のそれぞれを前記第2レーザ光として前記2つの照射光学系の回折光学素子に入射させる分岐光学系をさらに含み、
    前記2つの照射光学系では、前記回折光学素子から前記被処理物の前記照射領域までの前記第2レーザ光のそれぞれの軌跡長さが同じに設定されている、請求項2〜5のいずれか1項に記載のレーザ照射装置。
  7. 前記被処理物の表面には複数の層が形成され、
    前記第1レーザ照射部材は、前記第1レーザ光として前記複数の層のうちの1つの層に吸収される波長を有するレーザ光を前記被処理物の表面に照射し、
    前記第2レーザ照射部材は、前記第2レーザ光として前記複数の層のうちの前記1つの層と異なる他の層に吸収される波長を有するレーザ光を前記被処理物の表面に照射する、請求項2〜6のいずれか1項に記載のレーザ照射装置。
  8. 前記第1レーザ照射部材は、前記1つの層としての半導体層に吸収される波長を有するレーザ光を前記第1レーザ光として前記被処理物の表面に照射し、
    前記第2レーザ照射部材は、前記他の層としての酸化物層または窒化物層に吸収される波長を有するレーザ光を前記第2レーザ光として前記被処理物の表面に照射する、請求項7に記載のレーザ照射装置。
  9. 前記1つの層はシリコンを含む層であり、
    前記他の層は酸化シリコンを含む層であり、
    前記第1レーザ照射部材は、前記第1レーザ光としてエキシマレーザを前記被処理物の表面に照射し、
    前記第2レーザ照射部材は、前記第2レーザ光として9μm以上11μm以下の波長を有するレーザ光を前記被処理物の表面に照射する、請求項8に記載のレーザ照射装置。
  10. 請求項1〜9に記載のレーザ照射装置を用いたレーザ照射方法であって、
    被処理物を準備する工程と、
    前記第1レーザ光を前記被処理物の第1照射領域に照射することにより、前記第1照射領域内の前記被処理物の表面を溶融後再凝固させる凝固工程とを備え、
    前記凝固工程において、前記第1照射領域の少なくとも一部と重複する第2照射領域に前記第2レーザ光を照射する、レーザ照射方法。
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