JP2008159226A - ディスクドライブ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディスク状記録媒体を等速回転させるディスクドライブ装置に関し、等速回転させたディスク状記録媒体のレーベル面にインク滴を吐出して文字、絵柄等の可視情報を印刷可能なディスクドライブ装置を提供する。
【解決手段】光ディスクのレーベル面に印刷を行う際に、制御部が、複数のアドレスのうち所定のアドレスを等速回転アドレスとすると共にその等速回転アドレスを光ピックアップにより連続して再生させるディスク等速回転処理を行うようにした。
【選択図】図3

Description

本発明は、ディスク状記録媒体を等速回転させるディスクドライブ装置に関し、例えば、等速回転させたディスク状記録媒体のレーベル面にインク滴を吐出して文字、絵柄等の可視情報を印刷可能なディスクドライブ装置に関するものである。
従来の、ディスクドライブ装置としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、光ディスクのデータ記録面にデータを記録する機能と光ディスクのレーベル面にレーベル印刷を行う機能とを備えた光ディスクドライブ装置に関するものが記載されている。この特許文献1に記載された光ディスクドライブ装置は、「光ディスクを保持し軸回転させるディスク駆動機構と、前記光ディスクにデータを記録または再生すべく、前記ディスク駆動機構に保持された光ディスクのデータ記録面に臨ませて設けられたデータ用ヘッドと、前記データ用ヘッドを前記ディスク駆動機構に保持された光ディスクの半径方向に往復移動させるデータ用ヘッド駆動機構と、前記ディスク駆動機構に保持された光ディスクのレーベル面に臨ませて設けられたレーベル印刷用ヘッドと、前記レーベル印刷用ヘッドを前記ディスク駆動機構に保持された光ディスクの半径方向に往復移動させる印刷用ヘッド駆動機構とを備え、前記光ディスクを回転させつつ、前記データ用ヘッドと前記レーベル印刷用ヘッドとを移動させて、前記データ記録面にデータを記録または再生するとともに前記レーベル面に印刷を行うように構成した」ことを特徴としている。
このような構成を有する特許文献1に記載の光ディスクドライブ装置によれば、「光ディスクの半径方向に往復移動する1次元の自由度しかもたない安価な構成のレーベル印刷用ヘッドを用い、データ記録または再生中の光ディスクの回転を利用して、2次元平面であるレーベル面の全面に印刷することが可能な光ディスクドライブ装置を実現できる(段落[0008]を参照)」等の効果が期待される。
従来のこの種のディスクドライブ装置の他の例としては、例えば、特許文献2に記載されているようなものもある。特許文献2には、ラベル面に図や文字(イメージ)を記録(形成)する際の記録位置を正確に決定するディスクドライブ装置に関するものが記載されている。この特許文献2に記載されたディスクドライブ装置は、「ラベル面にガイドのためのピットを所定のピッチで設けてピット列を配設するラベル面を有する記録ディスクの情報面に情報を記録或いは再生し、ラベル面に画像もしくは文字を記録或いは形成するディスクドライブ装置において、前記ディスク装置の各機器を制御するシステム制御回路と、レーザ光の照射によって記録ディスクの情報面に情報を記録し、再生し、或いはラベル面に画像・文字形成を行うための光ピックアップと、前記システム制御回路の指令により、フォーカスエラー信号に基づき、前記光ピックアップのフォーカスアクチュエータを駆動して、フォーカス制御を行うフォーカスサーボ回路と、前記システム制御回路の指令により、データの記録または再生の際は、トラッキングエラー信号に基づき、前記光ピックアップのトラッキングアクチュエータを駆動して、トラッキング制御を行い、ラベル面印刷の際は、配設されたピットに基づいてラベル面印刷トラッキング制御を行うトラッキングサーボ回路とを具備する」ことを特徴としている。
このような構成を有する特許文献2に記載のディスクドライブ装置によれば、「記録ディスクラベル面に図や文字(イメージ)を記録(形成)する場合に、ピットの配置から、その基準位置を検出し任意の記録開始位置を正確に決定できる(段落[0033]を参照)」という効果が期待される。
特開2001−291235号公報 特開2005−346778号公報
しかしながら、特許文献1に記載された光ディスクドライブ装置においては、データ用ヘッドの位置により光ディスクの回転速度が変化するため、インク射出タイミング制御処理を行う構成となっていた。このインク射出タイミング制御処理では、レーベル印刷用ヘッドの射出タイミングを補正し、その後インク射出処理を実行させる。即ち、インク射出タイミング制御処理は、まず、射出タイミング補正処理を実施して光ディスクの回転の原点角を検出し、再度射出タイミング補正処理を実施してインク射出開始角になったかどうかを判断する。そして、インク射出開始角になったら再度射出タイミング補正処理を行って射出タイミングを補正した後、インク射出処理を実行する。このように、インクの射出タイミングを線速度一定とされた光ディスクの回転に同期させると、射出タイミングの補正を頻繁に行う必要があった。そのため、射出タイミングの制御が複雑になるという問題があった。
また、特許文献2に記載されたディスクドライブ装置においては、ラベル面に画像や文字を形成する際に、周波数発生器(FG)から発生されるFGパルスが一定の周波数となるようにスピンドルモータをCAV(回転数一定)制御する構成となっていた。そのため、スピンドルモータの回転軸に直結される周波数発生器(FG)を設ける必要があり、装置のコストアップを招くという問題があった。
更に、特許文献2に記載されたディスクドライブ装置は、記録ディスクのピット列を検知することにより、回転駆動された記録ディスクの位置情報を得る構成となっていた。そのため、記録ディスクのラベル面に図や文字(イメージ)を記録する前に、光ピックアップによってラベル面にピット列を配設する必要があった。
解決しようとする問題点は、従来のこの種のディスクドライブ装置では、ディスク状記録媒体の回転(線速度一定)に同期させてインクの射出タイミングを補正するため、射出タイミングの制御が複雑になる、という点である。また、ディスク状記録媒体を一定の速度で回転させるために周波数発生器(FG)を用いてスピンドルモータをCAV(回転数一定)制御すると、装置のコストアップを招くと共に、ディスク状記録媒体の位置情報を得るためにそのディスク状記録媒体に特別な加工が必要になる、という点である。
本発明のディスクドライブ装置は、情報記録面に複数のアドレスが記録されたディスク状記録媒体を回転させる回転駆動部と、回転駆動部により回転されるディスク状記録媒体の情報記録面に対して情報信号の記録及び/又は再生を行う光ピックアップと、回転駆動部を介してディスク状記録媒体の回転を制御する制御部とを備えて構成されている。そして、制御部は、複数のアドレスのうち所定のアドレスを等速回転アドレスとし、その等速回転アドレスを光ピックアップにより連続して再生させるディスク等速回転処理を行うことを最も主要な特徴とする。
本発明のディスクドライブ装置によれば、ディスク等速回転処理を行うことにより、ディスク状記録媒体の位置情報を得ながら、ディスク状記録媒体を一定の速度で回転させることができる。その結果、印刷ヘッドを設けてディスク状記録媒体のレーベル面に可視情報の印刷を行う場合に、インク滴の吐出のタイミングを一定にすることができ、そのタイミングの制御を簡単にすることができる。
周波数発生器(FG)等の特別な部品を用いることなく、ディスク状記録媒体を一定の速度で回転させることができると共に、その回転するディスク状記録媒体の位置情報を得ることができるディスクドライブ装置を簡単な構成によって実現した。
以下、本発明の背面投射型表示装置を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明するが、本発明は以下の形態に限定されるものではない。
図1〜図5は、本発明の実施の形態の例を説明するものである。即ち、図1は本発明のディスクドライブ装置の第1実施形態を示すブロック図、図2は印刷処理の手順を示すフローチャート、図3はディスク等速回転処理の手順を示すフローチャート、図4A及び図4Bは等速回転アドレスを説明する説明図である。図5は本発明のディスクドライブ装置の第2実施形態に係るディスク等速回転処理の手順を示すフローチャートである。
図1に示すディスクドライブ装置1は、CD−R(Compact Disc-Recordable)やDVD−RW(Digital Versatile Disc-Rewritable)等のディスク状記録媒体の一具体例を示す光ディスク101の情報記録面に対して、新たに情報信号を記録(書込み)したり、予め記録されている情報信号を再生(読出し)したりすることが可能であると共に、光ディスク101のレーベル面101aに、文字、絵柄等の可視情報を印刷できるようにしたものである。
図1に示すように、ディスクドライブ装置1は、光ディスク101を回転させる回転駆動部の一具体例を示すスピンドルモータ2と、このスピンドルモータ2により回転された光ディスク101の情報記録面に情報の書き込み及び/又は読み出しを行う光ピックアップ3と、回転された光ディスク101のレーベル面101aにインク滴を吐出して文字や画像などの可視情報の印刷を行う印刷ヘッド4と、光ピックアップ3や印刷ヘッド4を制御する制御部5等を備えて構成されている。
スピンドルモータ2の回転軸の先端には、ターンテーブル11が設けられている。このターンテーブル11は、光ディスク101の中心孔に着脱可能に嵌合されるディスク嵌合部を有しており、このディスク嵌合部が光ディスク101の中心孔に嵌合されることにより、光ディスク101がターンテーブル11と一体的に回転可能な状態となる。そして、スピンドルモータ2を回転駆動することにより、光ディスク101がターンテーブル11と一体的に回転される。
スピンドルモータ2の上方には、ターンテーブル11に装着された光ディスク101を上から押えるチャッキングプレート12が設けられている。このチャッキングプレート12は、図示しない支持板に回転可能に支持されており、回転される光ディスク101と一体に回転する。これにより、チャッキングプレート12とターンテーブル11が光ディスク101を挟持して、ターンテーブル11のディスク嵌合部が光ディスク101の中心孔から外れることを防止している。
光ピックアップ3は、光検出器と、対物レンズと、この対物レンズを光ディスク101の情報記録面(レーベル面101aと反対側の面)に臨ませる二軸アクチュエータ等を有している。この光ピックアップ3は、光検出器から光ビームを出射し、その光ビームを対物レンズにより集光して光ディスク101の情報記録面に照射すると共に、その情報記録面で反射された戻りの光ビームを光検出器で受光する。これにより、光ピックアップ3は、情報信号を記録(書込み)したり、予め情報記録面に記録されている情報信号を再生(読取り)したりすることができる。
光ピックアップ3は、図示しないピックアップベースに搭載されていて、このピックアップベースと一体的に移動される。ピックアップベースは、図示しないピックアップモータを有するピックアップ移動機構により、光ディスク101の半径方向に移動可能とされている。このピックアップベースの移動時に、光ピックアップ3が光ディスク101の情報記録面に対して情報信号を記録したり、情報記録面に記録された情報信号を再生したりする。
ピックアップベースを移動させるピックアップ移動機構としては、例えば、送りネジ機構を適用することができる。しかしながら、本発明に係るピックアップ移動機構としては、送りネジ機構を適用することに限定されるものではなく、例えば、ラック・ピニオン機構、ベルト送り機構、ワイヤ送り機構その他の機構を適用することもできる。
印刷ヘッド4は、光ディスク101のレーベル面101aに対向されている。図示しないが、印刷ヘッド4のレーベル面101aに対向される面には、インク滴が吐出される複数の吐出ノズルが設けられている。印刷ヘッド4の複数の吐出ノズルは、所定の色のインク滴を吐出するノズル群により構成されている。本実施の形態では、シアン(C)のインク滴を吐出するシアンノズル群と、マゼンタ(M)のインク滴を吐出するマゼンタノズル群と、イエロー(Y)のインク滴を吐出するイエローノズル群と、ブラック(K)のインク滴を吐出するブラックノズル群の4つのノズル群が設けられている。
印刷ヘッド4には、互いに平行とされた2本のガイド軸14a,14bが摺動可能に挿通されている。2本のガイド軸14a,14bは、光ディスク101の半径方向に延在されており、それぞれ軸方向の両端が図示しないガイド軸支持部材に固定されている。そして、印刷ヘッド4は、ヘッド駆動モータ15を有するヘッド移動機構により、2本のガイド軸14a,14bに沿って移動可能とされている。このヘッド移動機構としては、ピックアップ移動機構と同様に、送りネジ機構、ラック・ピニオン機構、ベルト送り機構、ワイヤ送り機構その他の機構を適用することができる。
また、ディスクドライブ装置1は、制御部5と、インターフェース部21と、記録制御回路22と、モータ駆動回路23と、信号処理部24と、インク吐出駆動回路25と、ヘッド駆動回路26等を有している。
インターフェース部21は、パーソナルコンピュータ等の外部装置とディスクドライブ装置1とを電気的に接続する接続部である。このインターフェース部21は、外部装置から供給された信号を制御部5に出力したり、制御部5から供給された信号を外部装置出力したりする。外部装置から供給される信号としては、例えば、光ディスク101の情報記録面に記録する記録情報に対応した記録データ信号や、光ディスク101のレーベル面101aに印刷する可視情報に対応した画像データ信号を挙げることができる。また、制御部5から供給される信号としては、例えば、光ディスク101の情報記録面から読み出した再生データ信号を挙げることができる。
制御部5は、中央制御部31と、ドライブ制御部32と、プリント制御部33から構成されている。中央制御部31は、ドライブ制御部32及びプリント制御部33の制御をする部分である。この中央制御部31は、インターフェース部21から供給される記録データ信号をドライブ制御部32へ出力すると共に、インターフェース部21から供給される画像データ信号をプリント制御部53に出力する。また、中央制御部31は、ドライブ制御部32から供給される光ディスク101の位置情報を示す位置データ信号をプリント制御部53に出力する。
ドライブ制御部32は、制御信号をモータ駆動回路23に出力し、スピンドルモータ2と図示しないピックアップ駆動モータの回転を制御する。また、ドライブ制御部32は、制御信号を光ピックアップ3に出力し、光ピックアップ3から照射される光ビームが光ディスク101のトラックを追跡するようにトラックサーボ及びフォーカスサーボを制御する。更に、ドライブ制御部32は、信号処理部24から供給される位置データ信号を中央制御部31に出力する。
記録制御回路22は、ドライブ制御部32から供給される再生データ信号にエンコード処理や変調等の処理を行って、その処理した再生データ信号をドライブ制御部32に出力する。モータ駆動回路23は、ドライブ制御部32から供給される制御信号に基づいてスピンドルモータ2を駆動させる。これにより、スピンドルモータ2のターンテーブル11に装着された光ディスク101が回転される。また、モータ駆動回路23は、ドライブ制御部32からの制御信号に基づいてピックアップ駆動モータを駆動させる。これにより、光ピックアップ3がピックアップベースと一体に、光ディスク101の半径方向へ移動される。
信号処理部24は、光ピックアップ3から供給されるRF(Radio Frequency)信号の復調及び誤り検出等を行って再生データ信号を生成する。また、信号処理部24は、RF信号に基づいて同期信号等の特定パターンを有する信号や光ディスク101の位置情報を示す信号として位置データ信号を検出する。そして、信号処理部24は、再生データ信号及び位置データ信号をドライブ制御部32に出力する。
プリント制御部33は、印刷ヘッド4及びヘッド駆動モータ15等を制御して光ディスク101のレーベル面101aに可視情報の印刷を実行させる。このプリント制御部33は、中央制御部31から供給された画像データ信号に基づいてインク吐出データを生成する。そして、プリント制御部33は、生成したインク吐出データと中央制御部31から供給される位置データ信号に基づいて印刷ヘッド4及びヘッド駆動モータ15を制御する制御信号を生成し、その制御信号をインク吐出駆動回路25とヘッド駆動回路26に出力する。
インク吐出駆動回路25は、プリント制御部33から供給された制御信号に基づいて印刷ヘッド4を駆動させる。これにより、印刷ヘッド4の複数の吐出ノズルからインク滴が吐出され、回転された光ディスク101のレーベル面101aに滴下される。また、ヘッド駆動回路26は、プリント制御部33から供給された制御信号に基づいてヘッド駆動モータ15を駆動させる。このヘッド駆動モータ15が駆動することにより、印刷ヘッド4が光ディスク101の半径方向へ移動される。
図2は、ディスクドライブ装置1によって光ディスク101のレーベル面101aに可視情報を印刷する際の処理手順を示すフローチャートである。光ディスク101のレーベル面101aに可視情報を印刷するには、まず、ドライブ制御部32が、スピンドルモータ2を制御して光ディスク101を回転させる(ステップS1)。次に、ドライブ制御部32が、光ピックアップ3を制御して光ディスク101のリードイン領域を再生(ステップS2)する。
次に、ドライブ制御部32が、スピンドルモータ2を制御して光ディスク101を一定の速度で回転させるディスク等速回転処理を行う(ステップS3)。この際、信号処理部24は、光ディスク101の位置情報を示す位置データ信号を検出し、その位置データ信号がドライブ制御部32及び中央制御部31を介してプリント制御部33に供給される。
次に、プリント制御部33が、位置データ信号とインク吐出データに基づいてインク吐出駆動回路25及びヘッド駆動回路26を制御し、光ディスク101のレーベル面101aに可視情報を印刷する(ステップS4)。このとき、印刷ヘッド4は、一定の速度で回転される光ディスク101のレーベル面101aに対してインク滴を吐出するため、インク滴の吐出のタイミングを一定にすることができ、プリント制御部33によるインク吐出駆動回路25及びヘッド駆動回路26の制御を簡単にすることができる。
その後、可視情報の印刷が終了すると、ドライブ制御部32が、スピンドルモータ2を制御して光ディスク101の回転を終了させる(ステップS5)。これにより、光ディスク101のレーベル面101aに対する可視情報の印刷が終了する。
次に、光ディスク101を一定の速度で回転させるディスク等速回転処理について図3及び図4を参照して説明する。図3は、ディスク等速回転処理の手順を示すフローチャートである。図3に示すように、ディスク等速回転処理が開始されると、まず、中央制御部31が、ドライブ制御部32から供給された再生データ信号に基づいて光ディスク101の種類を検出する(ステップS11)。この光ディスク101の種類は、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)、Blu−ray Disc(ソニー株式会社の登録商標)等に分類されるディスク規格、一層式(SL)や片面二層式(DL)等に分類されるディスク種別、記録可能な容量、メーカ、型番等から総合して判断される。
次に、中央制御部31が、光ディスク101の種類に基づいて暫定アドレスと目標回転数を決定する(ステップS12)。ここで、目標回転数と暫定アドレスについて説明する。目標回転数とは、光ディスク101を一定の速度で回転させる際に目標とする回転数(rpm)である。また、暫定アドレスとは、光ピックアップ3により連続して再生させるアドレスであって、目標回転数で光ディスク101を回転させるために仮に定めたものである。
光ディスク101の情報記録面には複数のアドレスが記録されており、これら複数のアドレスは、情報記録面上におけるそれぞれの絶対位置(半径位置)が決まっている。そのため、複数のアドレスのうちの1つのアドレスを連続して再生(線速度一定)することにより、光ディスク101を一定の速度で回転させることができる。
図4A及び図4Bは、光ディスク101の複数のアドレスのうち所定のアドレスを等速回転アドレスとし、その等速回転アドレスを連続して再生した状態を模式的に示す説明図である。図4Aに示す等速回転アドレスMの半径位置はR1であり、この等速回転アドレスMを線速度Vで連続して再生したときの光ディスク101の回転数をω1とする。
この光ディスク101を回転数ω1より大きい回転数で等速回転させるには、等速回転アドレスMよりも内周側にあるアドレスを等速回転アドレスとする。即ち、図4Bに示すように、半径位置R1より小さい半径位置R2のアドレスNを等速回転アドレスとし(R1>R2)、この等速回転アドレスNを線速度Vで連続して再生する。これにより、等速回転アドレスMを再生する場合よりも等速回転アドレスNを再生する場合の方が、光ピックアップ3(図1を参照)に対応する光ディスク101の周方向の長さが短くなる。その結果、等速回転アドレスNを連続して再生したときの光ディスク101の回転数は、回転数ω1よりも大きい回転数ω2となる。
なお、アドレスを再生する際の線速度は、光ディスクの種類(ディスク規格、ディスク種別、容量、メーカ、型番等から総合して判断される)によって異なるが、ディスク規格が共通であれば、それらの線速度は近い値となる。例えば、一層式のDVDの線速度は、約3.49m/sとされており、二層式のDVDの線速度は、約3.84m/sとされている。そして、光ディスクの回転数は、再生するアドレスの半径位置と線速度によって決定されるため、本実施の形態では、同じディスク規格の光ディスクに対して共通の目標回転数を設定する。
また、情報記録面に記録されたアドレスの絶対位置(半径位置)は、光ディスクの種類毎に異なる。そのため、暫定アドレスは、それぞれの目標回転数に基づいて光ディスクの種類毎に設定する。そして、光ディスクの種類毎に設定した暫定アドレスと、光ディスクのディスク規格毎に設定した目標回転数は、中央制御部31の図示しないメモリに予め記憶させておく。この中央制御部31のメモリに記憶させる暫定アドレス及び目標回転数の例を表1に示す。
Figure 2008159226
ステップS12における暫定アドレス及び目標回転数の決定は、中央制御部31が光ディスク101に対応する暫定アドレス及び目標回転数をメモリから読み出すことにより実行される。例えば、光ディスク101のディスク規格がDISK−Cであり、ディスク種別がSL(一層式)であって記録容量がY(Byte)であった場合、中央制御部31は、暫定アドレスC0000000及び目標回転数C(rpm)をメモリから読み出す。
光ディスク101の種類に基づいて暫定アドレスと目標回転数を決定すると、中央制御部31は、決定した暫定アドレスをドライブ制御部32に出力する。そして、ドライブ制御部32が、光ピックアップ3とスピンドルモータ2を制御し、供給された暫定アドレスを連続して再生すると共に回転される光ディスク101の回転数を測定する(ステップS13)。次に、中央制御部31は、測定した光ディスク101の回転数が目標回転数と等しいか否かを判断する(ステップS14)。そして、測定した光ディスク101の回転数が目標回転数と等しい場合、中央制御部31は、再生しているアドレス、即ち、暫定アドレスを等速回転アドレスとする(ステップS16)。
また、測定した光ディスク101の回転数が目標回転数と等しくない場合、中央制御部31は、再生するアドレスを変更し、そのアドレスをドライブ制御部32に出力する。この際、中央制御部31は、測定した光ディスク101の回転数が目標回転数より小さい場合には暫定アドレスよりも内周側のアドレスを再生するアドレスとし、光ディスク101の回転数が目標回転数より大きい場合には暫定アドレスよりも外周側のアドレスを再生するアドレスとする。そして、ドライブ制御部32が、光ピックアップ3とスピンドルモータ2を制御し、変更されたアドレスを連続して再生すると共に回転される光ディスク101の回転数を測定する(ステップS15)。
その後、ステップS14に戻り、中央制御部31が、変更したアドレスを再生することで回転された光ディスク101の回転数が目標回転数と等しいか否かを判断する。そして、光ディスク101の回転数が目標回転数と等しくなるまでステップS14とステップS15が繰り返す。光ディスク101の回転数が目標回転数と等しくなると、中央制御部31は、そのときに再生しているアドレスを等速回転アドレスとする(ステップS16)。
次に、中央制御部31は、決定した等速回転アドレスと、回転させた光ディスク101の種類とをメモリに保存する(ステップS17)。これにより、光ディスク101が目標回転数で等速回転され、ディスク等速回転処理が終了する。このように、決定した等速回転アドレスをメモリに保存することにより、その後、同じ種類の光ディスク101に対してディスク等速回転処理を行う場合に、中央制御部31は、保存した等速回転アドレスを暫定アドレスとして読み出すことができる。その結果、暫定アドレスを再生したときの光ディスク101の回転数が目標回転数と等しくなる可能性が高くなり、処理時間の短縮を図ることができる。
また、ディスク等速回転処理において、光ピックアップ3が等速回転アドレスを連続して再生するため、信号処理部24は、再生する等速回転アドレスを基準とした光ディスク101の位置情報を位置データ信号として検出することができる。これにより、プリント制御部33は、位置データ信号に基づいてインク吐出駆動回路25及びヘッド駆動回路26を制御することができ、光ディスク101のレーベル面101aに可視情報を印刷することができる。
図5は、本発明のディスクドライブ装置の第2実施形態を説明するもので、ディスク等速回転処理の手順を示すフローチャートである。本発明の第2実施形態を示すディスクドライブ装置は、第1実施形態のディスクドライブ装置1と同一の構成を有しており、ディスクドライブ装置1と異なるところは、ディスク等速回転処理である。そのため、ここでは、第2実施形態に係るディスク等速回転処理についてのみ説明する。
図5に示すように、本発明の第2実施形態を示すディスクドライブ装置において、ディスク等速回転処理が開始されると、まず、中央制御部31がドライブ制御部32から供給された再生データ信号に基づいて光ディスク101の種類を検出する(ステップS21)。この光ディスク101の種類は、第1実施形態に係る光ディスク101の種類と同様に、光ディスクの規格、種別、容量、メーカ、型番等から判断される。
次に、中央制御部31が、検出した光ディスク101の種類に基づいて等速回転アドレスを決定する(ステップS22)。この等速回転アドレスは、光ディスクのディスク規格毎にそれぞれ設定した目標回転数に基づいて光ディスクの種類毎に設定される。即ち、第2実施形態に係るディスク等速回転処理では、第1実施形態に係る暫定アドレスを等速回転アドレスとして処理する。そして、ディスクの種類毎に設定した複数の等速回転アドレスは、第1実施形態と同様に、中央制御部31の図示しないメモリに予め記憶させておく。この中央制御部31のメモリに記憶させる等速回転アドレスの例を表2に示す。
Figure 2008159226
ステップS22における等速回転アドレスの決定は、中央制御部31が、回転させる光ディスク101に対応する等速回転アドレスをメモリから読み出すことにより実行される。例えば、光ディスク101のディスク規格がDISK−Cであり、ディスク種別がSL(一層式)であって記録容量がY(Byte)であった場合、中央制御部31は、暫定アドレスC0000000をメモリから読み出す。
光ディスク101の種類に基づいて等速回転アドレスを決定すると、中央制御部31は、決定した等速回転アドレスをドライブ制御部32に出力する。そして、ドライブ制御部32が、光ピックアップ3とスピンドルモータ2を制御し、供給された等速回転アドレスを連続して再生させる(ステップS23)。これにより、光ディスク101が目標回転数に略一致した回転数で等速回転され、ディスク等速回転処理が終了する。
上述したように、本発明の第2実施形態を示すディスクドライブ装置によれば、メモリに記憶させた複数の等速回転アドレスから、回転させる光ディスクに対応した等速回転アドレスを読み出す。そして、読み出した等速回転アドレスを光ピックアップ3により連続して再生させることにより、回転させる光ディスクの回転数をディスク規格毎にそれぞれ設定した目標回転数に略一致させることができる。
また、光ディスクの回転数を所定の回転数(目標回転数)に一致させる処理がないため、その処理を行う第1実施形態に係るディスク等速回転処理よりも処理時間を短くすることができる。しかも、第1実施形態のディスクドライブ装置1と比べてメモリの記憶可能容量を小さくすることができると共に、中央制御部31及びドライブ制御部32が消費する電力を少なくすることができる。
上述した実施形態1及び実施形態2では、暫定アドレスや等速回転アドレス等を記憶させるメモリを中央制御部31に設ける構成としたが、本発明に係るメモリとしては、これに限定されるものではない。本発明に係るメモリとしては、例えば、ドライブ制御部32に設けてもよく、また、中央制御部31やドライブ制御部32とは別の記憶部として設けてもよい。
また、実施形態1及び実施形態2では、ディスク規格が共通の光ディスクに対して共通の目標回転数を設定したが、本発明に係る目標回転数としては、これに限定されるものではない。本発明に係る目標回転数としては、例えば、全ての種類の光ディスクに対して共通の目標回転数としてもよく、また、光ディスクの種類ごとに目標回転数を設定してもよい。
更に、前述した実施形態においては、光ディスク101のレーベル面101aに印刷を行う際にディスク等速回転処理を行って光ディスクを一定の速度で回転させたが、本発明に係るディスク等速回転処理は、印刷を行わない場合にも行うことができるものである。本発明に係るディスク等速回転処理としては、例えば、DNA等の生体物質の電気泳動分離、検出、記録、管理などを光ディスクで実現するDNAディスクへの適用において、プローブスポッティング、蛍光測定等を行う際に適用することができる。また、光ディスク上に流路を設けた化学分析などにおいて、例えば、流路中の液体移動の駆動力に遠心力を用い、その遠心力による液体の分離や、撹拌等を行う際に適用することができる。
以上説明したように、本発明のディスクドライブ装置によれば、ディスク状記録媒体のレーベル面にインク滴を吐出させて可視情報の印刷を行う際に、光ピックアップによって等速回転アドレスを連続して再生させるディスク等速回転処理を行う。これにより、レーベル面に印刷を行う際に必要なディスク状記録媒体の位置情報を得ながら、ディスク状記録媒体を一定の速度で回転させることができる。その結果、インク滴の吐出のタイミングを一定にして印刷を行うことができ、簡単な制御でインク滴の吐出を実行させることができる。
また、ディスク等速回転処理におけるディスク状記録媒体の目標回転数を設定し、その目標回転数に基づいて等速回転アドレスを設定するため、ディスク状記録媒体を所定の回転数で等速回転させることができ、インク滴を吐出するタイミングの制御を簡単なものにすることができる。
また、目標回転数及び等速回転アドレスをディスク状記録媒体の種類毎に設定するため、ディスク状記録媒体の種類によって等速回転アドレスが存在しないという心配が無く、どのような種類のディスク状記録媒体であっても確実に等速回転させることができる。しかも、ディスク規格が共通のディスク状記録媒体に対する目標回転数を同じ値に設定したため、それらのディスク状記録媒体には、共通のタイミングでインク滴を吐出することができ、インク滴を吐出するタイミングの制御を簡単なものにすることができる。
また、ディスク状記録媒体の回転数が目標回転数と一致したときに再生しているアドレスを等速回転アドレスとするため、ディスク状記録媒体の回転数を正確に制御することができる。その結果、ディスク状記録媒体のレーベル面に精度の高い印刷を行うことができる。
本発明は、前述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、前記実施形態では、ディスク状記録媒体としてCD−RやDVD−RW等の光ディスクを用いた例について説明したが、光磁気ディスクや磁気ディスク等のディスク状記録媒体を用いたディスクドライブ装置に適用できるものである。
本発明のディスクドライブ装置の第1実施形態を示すブロック図である。 本発明のディスクドライブ装置の第1実施形態に係る印刷処理の手順を示すフローチャートである。 本発明のディスクドライブ装置の第1実施形態に係るディスク等速回転処理の手順を示すフローチャートである。 本発明のディスクドライブ装置の第1実施形態に係る等速回転アドレスを説明するもので、図4Aはディスク状記録媒体の1つのアドレスを等速回転アドレスとして連続して再生した状態を模式的に示す説明図、図4Bは図4Aに示す等速回転アドレスよりも内周側にある1つのアドレスを等速回転アドレスとして連続して再生した状態を模式的に示す説明図である。 本発明のディスクドライブ装置の第2実施形態を説明するもので、ディスク等速回転処理の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1…ディスクドライブ装置、 2…スピンドルモータ(回転駆動部)、 3…光ピックアップ、 4…印刷ヘッド、 5…制御部、 15…ヘッド駆動モータ、 21…インターフェース部、 22…記録制御回路、 23…モータ駆動回路、 24…信号処理部、 25…インク吐出駆動回路、 26…ヘッド駆動回路、 31…中央制御部、 32…ドライブ制御部、 33…プリント制御部

Claims (7)

  1. 情報記録面に複数のアドレスが記録されたディスク状記録媒体を回転させる回転駆動部と、
    前記回転駆動部により回転される前記ディスク状記録媒体の前記情報記録面に対して情報信号の記録及び/又は再生を行う光ピックアップと、
    前記回転駆動部を介して前記ディスク状記録媒体の回転を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記複数のアドレスのうち所定のアドレスを等速回転アドレスとし、当該等速回転アドレスを前記光ピックアップにより連続して再生させるディスク等速回転処理を行うことを特徴とするディスクドライブ装置。
  2. 前記回転駆動部により回転される前記ディスク状記録媒体のレーベル面にインク滴を吐出して可視情報の印刷を行う印刷ヘッドを設け、
    前記制御部は、前記ディスク状記録媒体の前記レーベル面に印刷を行う際に、前記ディスク等速回転処理を行うことを特徴とするディスクドライブ装置。
  3. 前記ディスク等速回転処理における前記ディスク状記録媒体の目標回転数を設定し、
    前記等速回転アドレスは、前記目標回転数に基づいて設定することを特徴とする請求項1記載のディスクドライブ装置。
  4. 前記目標回転数及び前記等速回転アドレスは、前記ディスク状記録媒体の種類毎に設定することを特徴とする請求項3記載のディスクドライブ装置。
  5. 前記ディスク状記録媒体の種類毎に設定した複数の等速回転アドレスを記憶するメモリを設け、
    前記制御部は、回転させる前記ディスク状記録媒体に対応する前記等速回転アドレスを前記メモリから読み出すことを特徴とする請求項4記載のディスクドライブ装置。
  6. 前記目標回転数に基づいて前記ディスク状記録媒体の種類毎に暫定アドレスを設定し、
    前記ディスク状記録媒体の種類毎に設定した複数の暫定アドレス及び複数の目標回転数を記憶するメモリを設け、
    前記制御部は、回転させる前記ディスク状記録媒体に対応する前記目標回転数及び前記暫定アドレスを前記メモリから読み出すと共に、当該暫定アドレスを前記光ピックアップにより連続して再生させ、
    前記ディスク状記録媒体の回転数が前記目標回転数と一致した場合には、前記暫定アドレスを前記等速回転アドレスとし、
    前記ディスク状記録媒体の回転数が前記目標回転数と一致しない場合には、再生するアドレスを変更し、前記ディスク状記録媒体の回転数が前記目標回転数と一致したときに再生しているアドレスを等速回転アドレスとすることを特徴とする請求項4記載のディスクドライブ装置。
  7. 前記制御部は、前記等速回転アドレスと、当該等速回転アドレスが対応する前記ディスク状記録媒体の種類を前記メモリに記憶することを特徴とする請求項6記載のディスクドライブ装置。
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