JP2008159205A - 記憶装置、記憶装置用ヘッドの異常検出方法、異常検出プログラム - Google Patents

記憶装置、記憶装置用ヘッドの異常検出方法、異常検出プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 長期信頼性を確保することができる記憶装置等を提供する。
【解決手段】 本発明の記憶装置は、所定の電気パラメータが付与されて、記録媒体からデータを読み取る読み取り部と、前記読み取り部に付与された互いに大きさの異なる複数の前記所定の電気パラメータに対する前記読み取り部の所定の指標である複数の特性値を検出する特性検出部と、前記所定の電気パラメータと前記特性検出部により取得される複数の特性値から前記所定の電気パラメータと前記特性値との関係を特性関係として取得する特性関係取得部と、前記特性関係取得部により取得された特性関係に基づいて、前記読み取り部の異常の有無を判断する判断部とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、記憶装置、記憶装置用ヘッドの異常検出方法、異常検出プログラム等に係り、特に、例えばヘッドとしてトンネル効果型MRヘッド(TuMRヘッド)を備えて磁気ディスクなどの記録媒体から情報を読み取ることができる記憶装置、記憶装置用ヘッドの異常検出方法、異常検出プログラムに関するものである。
記憶装置として、例えば、ディスクトップ・パソコン、ノートブック、サーバ、AV機器、自動車製品等多種の製品へ近年使用されているHDDにおいては、その記録密度の向上(面密度の向上)に伴い、線密度(BPI)/転送速度が向上しており、近年ではそのテクノロジー向上のため、より高速転送向きの磁気ディスク用ヘッドが開発され、製品化されている。
その中の一つとしてトンネル効果を応用したTuMRヘッドが知られる(例えば特許文献1参照)。この磁気記録再生装置は、磁気再生ヘッドとしてのTuMRヘッドと、このTuMRヘッドに信号検出用の電流及び電圧を供給し、かつTuMRヘッドから得られた信号を増幅ないし加工する信号処理回路とを有する。信号処理回路で処理された検出信号のSNRがTuMRヘッドの印加電圧の所定の範囲で最大値を有する場合は、TuMRヘッドの駆動を電圧駆動回路で行い、それ以外の場合は、TuMRヘッドの駆動を電流駆動回路で行うようにしたものである。かかるTuMRヘッドは、磁気記録再生装置における記録方式が水平記録であるか垂直記録であるかの如何にかかわらず、磁気記録再生装置の読み取りヘッドとしての主流をなしている。
WO2002/093564号公報
しかしながら、このTuMRヘッドは、それが開発されてからの期間がまだ短く、品質検証時間の短縮をせざるを得ない今日の状況の中においては、製品寿命に対する長期信頼性についての課題を残している。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、例えばTuMRヘッドを読み取りヘッドとした記憶装置の長期信頼性を確保することができる記憶装置、ヘッドの異常検出方法、及び異常検出プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、所定の電気パラメータが付与されて、記録媒体からデータを読み取る読み取り部と、前記読み取り部に付与された互いに大きさの異なる複数の前記所定の電気パラメータに対する前記読み取り部の所定の指標である複数の特性値を検出する特性検出部と、前記所定の電気パラメータと前記特性検出部により取得される複数の特性値から前記所定の電気パラメータと前記特性値との関係を特性関係として取得する特性関係取得部と、前記特性関係取得部により取得された特性関係に基づいて、前記読み取り部の異常の有無を判断する判断部とを備えてなるものである。
また、本発明の記憶装置において、前記特性検出部は経時的に前記特性値を検出すると共に、前記特性関係取得部は経時的に検出された前記特性値に基づいて前記特性関係を経時的に取得し、前記特性関係取得部は前記特性関係の経時変化に基づいて、前記読み取り部の異常を判断することを特徴とする。
また、本発明の記憶装置において、前記特性関係は複数ポイントの前記所定の電気パラメータに対する前記特性値の傾きであることを特徴とする。
また、本発明は、記憶装置用ヘッドの異常検出方法であって、複数の互いに大きさの異なる所定の電気パラメータを付与して、読み取り部により記録媒体からデータを読み取る読み取りステップと、前記読み取りステップにおいて付与された前記所定の電気パラメータに対する前記読み取り部の所定の指標である特性値を検出する特性検出ステップと、前記所定の電気パラメータと前記特性検出ステップにより取得される複数の特性値から前記所定の電気パラメータと前記特性値との関係を特性関係として取得する特性関係取得ステップと、前記特性関係取得ステップにより取得された特性関係に基づいて、前記読み取り部の異常の有無を判断する判断ステップとを備えてなる。
また、本発明は、記憶装置用ヘッドの異常検出方法をコンピュータに実行させる異常検出プログラムであって、複数の互いに大きさの異なる所定の電気パラメータを付与して、読み取り部により記録媒体からデータを読み取る読み取りステップと、前記読み取りステップにおいて付与された前記所定の電気パラメータに対する前記読み取り部の所定の指標である特性値を検出する特性検出ステップと、前記所定の電気パラメータと前記特性検出ステップにより取得される複数の特性値から前記所定の電気パラメータと前記特性値との関係を特性関係として取得する特性関係取得ステップと、前記特性関係取得ステップにより取得された特性関係に基づいて、前記読み取り部の異常の有無を判断する判断ステップとをコンピュータに実行させるものである。
本発明によれば、長期信頼性を確保することができる記憶装置、ヘッドの異常検出方法、及び異常検出プログラムを提供することができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態を記憶装置として磁気ディスク装置に例をとって説明する。
図1は、本発明の実施の形態における磁気ディスク装置(HDD)1を示すブロック図である。このHDD1は、HDDの制御並びにHOST Interfaceとの交信制御を行うプリント板回路PCA2側に、主にインターフェース・プロトコル制御、データバッファ制御、ディスク・フォーマット制御を行うHDC(Hard Disc Controller)3と、後述するHDC、RDC、SVCを制御すると共にRAM(Random Access Memory)4、ROM(Flash ROM)5を管理するMCU(Micro Control Unit)6とを備える。また、データの書き込み/読み出し制御(データ変調/復調)を行うRDC(Read Chanel)7と、後述するVCM制御、SPM制御を行うSVC(Servo Control IC)8とを備える。
また、HDD1は、ディスク筐体9側にヘッドに対して書き込み動作及びヘッドからのリード動作等を行う固定アンプであり、ヘッドの本数(N)に応じてチャネルをもつプリアンプ(Pre Amprifier)10を備えている。
プリアンプ10においては、ライトドライバ(Write Driver)11、ヒータドライバ(HEATER Driver)12、リードプリアンプ(Read Preamplifier)13とその制御回路14を備えている。
また、このHDD1は、ヘッドを支えるアクチュエータの動作制御を行うボイスコイルモータ(Voice Coil Motor)VCM15と、データの書き込みが行われ記録保持される記録媒体(Media)である磁気ディスク16を保持するスピンドル軸の回転制御を行うSPM(Spindle Motor)17と、データの書き込み用ライトヘッドおよび読み出し用MRヘッドをもつ複合型ヘッドであるヘッド18とを備えている。実施の形態におけるHDD1は本発明の記憶装置に対応し、実施の形態におけるヘッドは本発明の読み取り部に対応している。そして、本発明の特性検出部と、特性関係取得部と、判断部とは、ヘッド18、プリアンプ10、RAM4、ROM5及びMCU6等により構成される。
本発明の実施の形態のHDDは、自らヘッド(TuMR)不良判断を行い、製品出荷前に特性関係が閾値(所定範囲)を上回った場合、あるいはその特性関係が時間的に変動した場合に、それが製品出荷基準に満たないものとして、試験工程内で出荷対象から除去され得るようにしたものである。
なお、試験工程は、ヘッドの製造工程、ヘッドサスペンションアセンブリの部品状態における試験工程でも、ヘッドサスペンションアセンブリをアクチュエータアームに組み立てた後の試験工程など記憶装置の組み立て工程のどの段階であっても良い。従って、記憶装置に組み立てる前段階で異常なヘッドを除去することが可能である。それゆえ、高性能のヘッドを選別可能となり、選別された高性能のヘッドのみが記憶装置に搭載されることになり、記憶装置を高性能で信頼性が高い製品にすることが可能になる。
また本発明の実施の形態のHDDは、製品出荷後においてもある定期的な監視を自ら行い、特性関係が閾値(所定範囲)を上回った場合、あるいはその特性関係が時間的に変動(経時変化)した場合に、異常をアラームで知らせるようにし、常に書き込みヘッドであるTuMRの信頼性を確保できるようにしたものである。
それゆえ、記録再生が出来なくなる前に、前もってヘッドの異常を通知することができ、ユーザは修理に出したりデータの退避を行うことができ、記憶装置の信頼性を向上させることが可能になる。
なお、製品出荷後における定期的な監視においては、電源がオンされる電源投入回数やアクセス回数を履歴として記録するようにし、この電源投入回数やアクセス回数が所定の回数に達するごとに行われ、経時変化が判断される。
以下、動作について説明する。
図2にTuMRヘッドに印加されるバイアス電圧(所定の電気パラメータ)Vbと、ヘッドの抵抗値のモニター信号として出力される電圧(一つの特性値)BHVとの関係を示す。この場合、ヘッドの抵抗値Rmr=350[Ω]の場合を示している。
一般に磁気ディスク装置のヘッドを制御するヘッドIC(Pre Amp)は、式(1)で示されるようなモニター回路を有しており、ヘッドの抵抗値Rmrを測定するために使用される。
BHV=A*(Vb/Rmr) (1)
(Aは固定ゲイン)
また、ある一定バイアス電圧を印加した場合には、図3に示すようなモニター電圧BHVとヘッド抵抗値Rmrの関係があり、このBHV電圧よりヘッド抵抗値を求めることが可能である。図3は、バイアス電圧200[mV]時の関係を示している。
式(2)は、式(1)より逆算で求める場合を示している。
Rmr=A*(Vb/BHV) (2)
図3においてヘッド抵抗値Rmr=350[Ω]の場合、BHVは約740[mV]を示しており、BHVの変化でRmrの変化が検出できる。
本実施の形態では、上記の関係を使用することで、ヘッドの抵抗(特性値)とバイアス電圧(電気パラメータ)との関係(特性関係又は相関)を取得し、例えばヘッドの抵抗とバイアス電圧との関係を示す傾き、又はその傾きの経時変化を検出することで、異常の有無を判断し、異常があると判断された場合は、検出アラームを行うようにしたものである。
ヘッドの抵抗値は、素子の劣化等が発生しなければ、ほぼ一定の値のまま普遍である。しかしながら、その使用頻度においてその抵抗値が変化するものがある。モニター電圧BHVを監視することでヘッド抵抗値の経時変化を捉え、ある一定基準以内の変化率であるならば、正常使用可能として取り扱い、逆に基準以内に無いならば、異常状態としてアラーム検出を行うことで、単に傾きだけを検出して異常を判断する場合に比べ、異常検出における信頼性をより高めることができる。
この経時変化を用いる異常検出手段は、製品出荷工程内で初期状態を監視して、ヘッドの抵抗(特性値)とバイアス電圧との関係(特性関係)を取得しておき、さらに出荷試験終了後に再度(定期的に)傾きの測定を行うことで、製品出荷前に傾きの変化を検出して劣化検出を行うことができる。
次に、図4にヘッド抵抗値Rmrとある特定書き込み周波数でのその出力との関係を示している。特性関係における相関性は低いが、ヘッド抵抗値Rmrが大きいもの程出力電圧もまた大きくなる様相を呈している。一般的には出力値の大きいもの程SN比が良いのでそこから得られるエラーレイトも良いことが知られている。したがって、ヘッド抵抗値に変化があった場合には、そのヘッドに対するエラーレイトも影響を受け、変動するのが一般的である。
図5は、Pre AMPを介してヘッドにバイアス電圧Vbを与えた場合のエラーレイトとの相関を示している。図中VMMとは、エラーレイトを簡易的に指標するモニター方法の値を示している。図5では、Vbの変化に対してある一次相関の関係(特性関係)がある傾きを持って存在しているが、ヘッド抵抗値に変化が生じた場合、このような関係が保たれないことが判っている。なお、VMM(Viterbi Metric Margin)はCSM(Channel Statistics Measurement)と呼ばれることがあるが、本明細書においては、VMMという用語をもちいることとする。VMMは2つのパスによるメトリック値の差がある閾値を下回った場合の数で定義され、100セクタ(約40万ビット)読み出し時の総和で与えられる。
よって、図5に示すように、このバイアス電圧と簡易エラーレイトモニターVMMとの相関関係(特性関係)を取得し、まず、それが閾値を超える場合は、異常と判断すると共に、次に、異常と判断されない場合は、その初期値を保持しておき、時間の経過において、それが、ある一定基準を超えた場合には、経時変化による異常がヘッドに生じたものとしてアラームを出すようにすることができる。以下では特性値として、抵抗値に対応するVMMを使用した場合について説明する。
なお、図5では、複数の互いに大きさの異なる所定の電気パラメータであるバイアス電圧Vbの測定ポイント5点にてVMMを測定した場合を示している。測定ポイントは任意で良く、傾きが求められる2ポイント以上あれば良い。
上記の場合は、傾きがΔ1〜Δ4の場合を示している。一般には、Δx (x=2〜n , nは整数)となる。このΔxを傾きにおける(初期状態における)異常の有無の判断に用いるパラメータとすると共に、これらを傾きの経時変化による異常の有無の判断における初期値として格納しておき、ある閾値を設けて変化の有無を認識して、変化があった場合にはアラームを出力し、製品出荷前の試験工程で良否判断を行う。
また、製品出荷後のフィールド動作では、定期的に自動動作させることでユーザにアラームを上げることができるようにする。
以上の動作について、図6、図7のフローチャートを用いて説明する。図6は製品出荷前に行われる異常判断処理の動作を示すフローチャートである。
製品出荷試験が開始され(ステップS1)、電源が入ると(ステップS2)、所定の試験内容が実施され(ステップS3)、適宜本実施の形態の動作が開始される(ステップS4)。まず、測定するバイアス電圧について複数の電圧値(ポイント)が設定される(ステップS5)。各ポイントにおいてヘッド抵抗値に対応するVMM(特性値)が測定され(ステップS6)、各ポイントにおけるVMM値から傾きΔxを求める(ステップS7)。次いで、各傾きを初期値としてメモリに格納すると共に(ステップS8)、傾きが基準内にあるか否か(所定の閾値を超えるか否か)が判断され(ステップS9)、傾きが基準内にないと判断された場合(ステップS9、N)は異常(不良)と判断し、アラームを出力する(ステップS15)。傾きが基準内にあるあると判断された場合は異常がないものと判断する(ステップS9、Y)。
次に、本実施の形態の試験と異なる試験が行われた後(ステップS10)、再度ステップS5で定められた各ポイントに対するVMMを測定し(ステップS11)、ステップSと7同様に傾きΔxを求める(ステップS12)。そして、求められた傾きと、ステップS7において得られた傾きとの差を求め、その差が所定の基準内にあるか否かが判断され、所定の基準内に無いと判断された場合(所定の閾値を超えると判断された場合)には(ステップS13、N)、異常(不良)と判断し、アラームを出力する(ステップS16)。所定の閾値を超えない場合は(ステップS13、Y)、異常がないものとして処理を終了する(ステップS14)。
なお、ヘッドが複数ある場合は、各ヘッドに対して同様の異常判断処理が行われる。
次に製品出荷後における異常判断処理について説明する。図7は製品出荷後に行われる異常判断処理の動作を示すフローチャートである。
まず、電源投入がなされシステム動作が開始されると(ステップS21)、HDDへのアクセス処理において、コマンドの受付処理でないアイドル時において(ステップS22、(23,N))、ヘッド(TuMRヘッド)の異常判断処理が開始される(ステップS24)。
なお、電源投入回数やアクセス回数についての履歴を保存しておき、それらが所定の回数(例えば電源投入回数が100回、1000回など)を超える場合のアイドル時に本処理を開始するようにしてもよい。
まず、図6のステップS5において定められた各ポイントに対するVMMを測定し(ステップS25)、各VMM値から傾きΔxを求め(ステップS26)、メモリに格納する(ステップS27)。そして、この傾きと、図6のステップS12において得られた傾きとの差を求め、その差が所定の閾値を超えた場合(所定の基準内に無い場合)には(ステップS28、N)、異常(不良)と判断し、アラームを出力する(ステップS30)。所定の閾値を超えない場合は(ステップS28、Y)、異常がないものとして処理を終了する(ステップS29)。
以下、図8〜図12は、ステップS13、S29において、異常と判断される場合の例を示している。図中、測定点が黒丸により示されるグラフはステップS6において取得された特性値の初期値を示しており、測定点が四角により示されるグラフはステップS11、ステップS26において取得された特性を示している。
図8では、初期値に対して感度が敏感になり、バイアス電圧Vbに対する傾きが急になる場合を示している。この場合、ある閾値内での変化であれば良いが、想定規格を超える場合にはアラーム対象となる。
図9は、全体的な平均傾きが右下がり特性(単調減少)から逆に右上がり特性(単調増加)に特性が変化した場合である。傾きの極性は逆になり、閾値を超えたとしてアラーム対象となる。
図10は、バイアス電圧Vbを変化させてVMM測定を行った場合に、測定毎にVMM特性が変動する場合を示している。この場合は、傾きの極性が+と-が存在し、特性値(部分的な傾き)が変動していることが認識できる。よって、特性不安定なヘッドになるので、アラーム対象となる。
図11と図12は、単調減少から単調増加に変化した場合(部分的な平均傾きの極性が変化した場合)、及び逆に単調増加から単調減少に変化した場合した場合を示す。これらの場合もTuMRのVbに対する感度が変化したものであり、特性不安定なヘッドとしてアラーム対象となり得る。
以上のようにTuMRヘッドの初期特性を測定しておき、その後の動作においてある一定期間後に再度特性を再測定した場合に、その初期特性が変化していた場合、またある一定許容範囲を超えてしまったような場合には、ヘッドの感度特性が変化したものと認識できる。
このような状態になった場合には、ヘッドの特性に何らかの異常状態が発生したものと認識できるので、信頼性に問題あるものと考えられる。したがって、このように感度特性が変化したものは、実用に耐えうるものとは考えられないので、不良処置すべきものと判断される。
また、製品出荷後においてもアラームを発信することで、早めの交換処置等を行う一助とすることが可能となる。以上のように製品出荷前にはおいては、特性変化するものは事前に処理することが可能であり、また、製品出荷後においても特性変化を早期発見することで、信頼性の高い磁気ディスク装置を提供することが可能になる。
本実施の形態においては、磁気ディスク装置について説明したが本発明は、磁気ディスク装置以外のフレキシブルディスク、光磁気ディスク等の装置についても適用できることは言うまでもない。
なお、本実施の形態で図示したフローチャートやステップに示された各動作をコンピュータにより実行させるプログラムを提供することにより、本発明の電子文書管理プログラムを提供することができる。これらプログラムはコンピュータにより読取可能な媒体に記録されてコンピュータにより実行させることができる。コンピュータは、パーソナルコンピュータのようなホスト装置、試験装置のコントローラ、記憶装置のMPUやCPUのようなコントローラなどを含む。
ここで、コンピュータにより読取可能な媒体としては、CD−ROMやフレキシブルディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカード等の可搬型記憶媒体や、コンピュータプログラムを保持するデータベース、或いは、他のコンピュータ並びにそのデータベースや、更に回線上の伝送媒体をも含むものである。
(付記1) 所定の電気パラメータが付与されて、記録媒体からデータを読み取る読み取り部と、
前記読み取り部に付与された互いに大きさの異なる複数の前記所定の電気パラメータに対する前記読み取り部の所定の指標である複数の特性値を検出する特性検出部と、
前記所定の電気パラメータと前記特性検出部により取得される複数の特性値から前記所定の電気パラメータと前記特性値との関係を特性関係として取得する特性関係取得部と、
前記特性関係取得部により取得された特性関係に基づいて、前記読み取り部の異常の有無を判断する判断部と
を備えてなる記憶装置。
(付記2) 付記1に記載の記憶装置において、
前記判断部は、前記特性関係取得部により取得された特性関係を定量化し、該定量化された関係が所定の閾値を超えることにより、前記読み取り部の異常を判断することを特徴とする記憶装置。
(付記3) 付記1に記載の記憶装置において、
前記特性検出部は経時的に前記特性値を検出すると共に、前記特性関係取得部は経時的に検出された前記特性値に基づいて前記特性関係を経時的に取得し、
前記特性関係取得部は前記特性関係の経時変化に基づいて、前記読み取り部の異常を判断することを特徴とする記憶装置。
(付記4) 付記1に記載の記憶装置において、
前記記憶装置は、磁気ディスク装置であり、前記読み取り部は磁気ヘッドであり、前記所定の電気パラメータはバイアス電圧であり、前記特性値は磁気ヘッドの抵抗値又はVMMであることを特徴とする記憶装置。
(付記5) 付記1に記載の記憶装置において、
前記特性関係は複数ポイントの前記所定の電気パラメータに対する前記特性値の傾きであることを特徴とする記憶装置。
(付記6) 付記5に記載の記憶装置において、
前記傾きは前記所定の電気パラメータに対する前記特性値の部分的な傾きを用いることを特徴とする記憶装置。
(付記7) 付記5に記載の記憶装置において、
前記傾きは前記所定の電気パラメータに対する前記特性値の平均傾きを用いることを特徴とする記憶装置。
(付記8) 付記1に記載の記憶装置において、
前記特性関係は前記所定の電気パラメータに対する前記特性値の傾きの変化を用いることを特徴とする記憶装置。
(付記9) 付記1に記載の記憶装置において、
前記読み取り部は、トンネル効果型再生ヘッドであることを特徴とする記憶装置。
(付記10) 記憶装置用ヘッドの異常検出方法であって、
複数の互いに大きさの異なる所定の電気パラメータを付与して、ヘッドにより記録媒体からデータを読み取る読み取りステップと、
前記読み取りステップにおいて付与された前記所定の電気パラメータに対する前記ヘッドの所定の指標である特性値を検出する特性検出ステップと、
前記所定の電気パラメータと前記特性検出ステップにより取得される複数の特性値から前記所定の電気パラメータと前記特性値との関係を特性関係として取得する特性関係取得ステップと、
前記特性関係取得ステップにより取得された特性関係に基づいて、前記ヘッドの異常の有無を判断する判断ステップと
を備えてなる記憶装置用ヘッドの異常検出方法。
(付記11) 付記10に記載の記憶装置用ヘッドの異常検出方法において、
前記判断ステップは、前記特性関係取得ステップにより取得された前記特性関係を定量化し、該定量化された関係が所定の閾値を超えることにより、前記ヘッドの異常を判断することを特徴とする記憶装置用ヘッドの異常検出方法。
(付記12) 付記10に記載の記憶装置用ヘッドの異常検出方法において、
前記特性検出ステップは経時的に前記特性値を検出すると共に、前記特性関係取得ステップは経時的に検出された前記特性関係に基づいて前記特性関係を経時的に取得し、
前記特性関係取得ステップは前記特性関係の経時変化に基づいて、前記ヘッドの異常を判断することを特徴とする記憶装置用ヘッドの異常検出方法。
(付記13) 付記10に記載の記憶装置用ヘッドの異常検出方法において、
前記記憶装置は、磁気ディスク装置であり、前記ヘッドは磁気ヘッドであり、前記所定の電気パラメータはバイアス電圧であり、前記特性値は磁気ヘッドの抵抗値又はVMMであり、前記特性関係は前記所定の電気パラメータに対する前記特性値の傾きであることを特徴とする記憶装置用ヘッドの異常検出方法。
(付記14) 付記10に記載の記憶装置用ヘッドの異常検出方法において、
前記特性関係は前記所定の電気パラメータに対する前記特性値の傾きであることを特徴とする記憶装置用ヘッドの異常検出方法。
(付記15) 付記10に記載の記憶装置用ヘッドの異常検出方法において、
前記特性関係は前記所定の電気パラメータに対する前記特性値の傾きの変化を用いることを特徴とする記憶装置用ヘッドの異常検出方法。
(付記16) 記憶装置用ヘッドの異常検出方法をコンピュータに実行させる異常検出プログラムであって、
複数の互いに大きさの異なる所定の電気パラメータを付与して、ヘッドにより記録媒体からデータを読み取る読み取りステップと、
前記読み取りステップにおいて付与された前記所定の電気パラメータに対する前記ヘッドの所定の指標である特性値を検出する特性検出ステップと、
前記所定の電気パラメータと前記特性検出ステップにより取得される複数の特性値から前記所定の電気パラメータと前記特性値との関係を特性関係として取得する特性関係取得ステップと、
前記特性関係取得ステップにより取得された特性関係に基づいて、前記ヘッドの異常の有無を判断する判断ステップと
をコンピュータに実行させる異常検出プログラム。
(付記17) 付記16に記載の記憶装置用ヘッドの異常検出プログラムにおいて、
前記判断ステップは、前記特性関係取得ステップにより取得された前記特性関係を定量化し、該定量化された特性関係が所定の閾値を超えることにより、前記ヘッドの異常を判断することを特徴とする異常検出プログラム。
(付記18) 付記16に記載の異常検出プログラムにおいて、
前記特性検出ステップは経時的に前記特性値を検出すると共に、前記特性関係取得ステップは経時的に検出された前記特性値に基づいて前記特性関係を経時的に取得し、
前記特性関係取得ステップは前記特性関係の経時変化に基づいて、前記ヘッドの異常を判断することを特徴とする異常検出プログラム。
(付記19) 付記16に記載の異常検出プログラムにおいて、
前記記憶装置は、磁気ディスク装置であり、前記ヘッドは磁気ヘッドであり、前記所定の電気パラメータはバイアス電圧であり、前記特性値は磁気ヘッドの抵抗値又はVMMであり、前記特性関係は前記所定の電気パラメータに対する前記特性値の傾きであることを特徴とする異常検出プログラム。
(付記20) 付記16に記載の異常検出プログラムにおいて、
前記特性関係は前記所定の電気パラメータに対する前記特性値の傾きであることを特徴とする異常検出プログラム。
本発明の実施の形態における磁気ディスク装置(HDD)を示すブロック図である。 TuMRヘッドに印加されるバイアス電圧(所定の電気パラメータ)Vbと、ヘッドの抵抗値のモニター信号として出力される電圧(一つの特性値)BHVとの関係を示す図である。 モニター電圧BHVとヘッド抵抗値Rmrの関係を示す図である。 ヘッド抵抗値Rmrとある特定書き込み周波数でのその出力との関係を示す図である。 Pre AMPを介してヘッドにバイアス電圧Vbを与えた場合のバイアス電圧とエラーレイトとの相関を示す図である。 製品出荷前の異常判断処理の動作を示すフローチャートである。 製品出荷後の異常判断処理の動作を示すフローチャートである。 バイアス電圧とVMMの特性関係を示し、異常と判断される場合の例(その1)を示す図である。 バイアス電圧とVMMの特性関係を示し、異常と判断される場合の例(その2)を示す図である。 バイアス電圧とVMMの特性関係を示し、異常と判断される場合の例(その3)を示す図である。 バイアス電圧とVMMの特性関係を示し、異常と判断される場合の例(その4)を示す図である。 バイアス電圧とVMMの特性関係を示し、異常と判断される場合の例(その5)を示す図である。
符号の説明
1 磁気ディスク装置(HDD)、2 プリント板回路、3 HDC、4 RAM、5 ROM、6 MCU、7 RDC、8 SVC、10 プリアンプ、18 ヘッド。

Claims (5)

  1. 所定の電気パラメータが付与されて、記録媒体からデータを読み取る読み取り部と、
    前記読み取り部に付与された互いに大きさの異なる複数の前記所定の電気パラメータに対する前記読み取り部の所定の指標である複数の特性値を検出する特性検出部と、
    前記所定の電気パラメータと前記特性検出部により取得される複数の特性値から前記所定の電気パラメータと前記特性値との関係を特性関係として取得する特性関係取得部と、
    前記特性関係取得部により取得された特性関係に基づいて、前記読み取り部の異常の有無を判断する判断部と
    を備えてなる記憶装置。
  2. 請求項1に記載の記憶装置において、
    前記特性検出部は経時的に前記特性値を検出すると共に、前記特性関係取得部は経時的に検出された前記特性値に基づいて前記特性関係を経時的に取得し、
    前記特性関係取得部は前記特性関係の経時変化に基づいて、前記読み取り部の異常を判断することを特徴とする記憶装置。
  3. 請求項1に記載の記憶装置において、
    前記特性関係は複数ポイントの前記所定の電気パラメータに対する前記特性値の傾きであることを特徴とする記憶装置。
  4. 記憶装置用ヘッドの異常検出方法であって、
    複数の互いに大きさの異なる所定の電気パラメータを付与して、ヘッドにより記録媒体からデータを読み取る読み取りステップと、
    前記読み取りステップにおいて付与された前記所定の電気パラメータに対する前記読み取り部の所定の指標である特性値を検出する特性検出ステップと、
    前記所定の電気パラメータと前記特性検出ステップにより取得される複数の特性値から前記所定の電気パラメータと前記特性値との関係を特性関係として取得する特性関係取得ステップと、
    前記特性関係取得ステップにより取得された特性関係に基づいて、前記読み取り部の異常の有無を判断する判断ステップと
    を備えてなる記憶装置用ヘッドの異常検出方法。
  5. 記憶装置用ヘッドの異常検出方法をコンピュータに実行させる異常検出プログラムであって、
    複数の互いに大きさの異なる所定の電気パラメータを付与して、ヘッドにより記録媒体からデータを読み取る読み取りステップと、
    前記読み取りステップにおいて付与された前記所定の電気パラメータに対する前記ヘッドの所定の指標である特性値を検出する特性検出ステップと、
    前記所定の電気パラメータと前記特性検出ステップにより取得される複数の特性値から前記所定の電気パラメータと前記特性値との関係を特性関係として取得する特性関係取得ステップと、
    前記特性関係取得ステップにより取得された特性関係に基づいて、前記読み取り部の異常の有無を判断する判断ステップと
    をコンピュータに実行させる異常検出プログラム。
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