JP2008159157A - 光ディスク装置および光ディスク装置のフォーカスサーチ方法 - Google Patents

光ディスク装置および光ディスク装置のフォーカスサーチ方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多焦点対物レンズを有して構成される光ディスク装置において簡単な構成によって、精度良く、確実に、所望の合焦点を検出する技術を提供する。
【解決手段】光ディスク装置10は、多焦点対物レンズを有する光ピックアップ13に備えられた光学変換素子と演算増幅ユニット15とによって合焦点の近傍で発生するフォーカスエラー信号を検出し、多焦点対物レンズと光ディスク媒体11との離間距離を対物レンズアクチュエータユニット14によって変化させ、複数のフォーカスエラー信号を発生させ、サーボDSP20によってこの複数のフォーカスエラー信号の中から所定の時間窓の範囲で検出されるフォーカスエラー信号を所望するフォーカスエラー信号であるとして検出するようにしている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ディスク装置および光ディスク装置のフォーカスサーチ方法に関する。
音声または画像を記録または再生する民生用装置として、また、コンピュータの端末機器としてのデータストレージデバイスとして、光ディスク媒体に記録された情報を読み出し、または、情報を光ディスク媒体に記録し、さらには、光ディスク媒体に記録された情報を読み出すとともに情報を光ディスク媒体に記録する(以下、上述した動作をおこなうことを、光ディスク媒体の記録・再生をおこなうと総称する)光ディスク装置(光ディスク再生装置、光ディスク記録装置、光ディスク記録再生装置を総称する)が、近年広く用いられている。ここで、光ディスク媒体としては、コンパクトディスク(Compact Disc:CD)、デジタル多用途ディスク(Digital Versatile Disc:DVD)、ブルーレイディスク(Blue−ray Disc(登録商標):BD)が広く流通している。また、光ディスク媒体の一方の面はCDとして構成され、他方の面はDVDとして構成されたデュアルディスクも流通している。
ここで、CDの記録・再生をおこなうに際しては、780nm(ナノメータ)付近の波長を有するレーザビームが用いられ、DVDの記録・再生をおこなうに際しては、650nm付近の波長を有するレーザビームが用いられ、BDの記録・再生をおこなうに際しては、405nm付近の波長を有するレーザビームが用いられる。また、光ディスク媒体の保護表面層から記録・再生のための信号層(記録・再生層)までの距離は、CDでは1.2mm(ミリメータ)、デュアルディスクのCD側では0.9mm、DVDでは0.6mm、BDでは0.1mmに各々、設定されている。また、レーザビームを集光する対物レンズの開口数(NA)の値は、CDにおいては、0.45、DVDにおいては0.60、BDにおいては0.85とされている。すなわち、CD、デュアルディスクのCD側、DVD、BDは、その媒体が有する光学特性が相互に異なることとなる。
このような、光学特性が相互に異なる種々の光ディスク媒体の記録・再生をおこなうに際して、ユーザの便宜を考慮して、少なくとも2種類以上の光ディスク媒体の記録・再生をおこなう光ディスク装置が、提供されている。この場合には、上述したようなレーザビームの波長の異なり、光ディスク媒体の保護表面層から記録・再生のための信号層までの距離の異なりに対して、ひとつの光学ピックアップで対応するようにして、光ディスク装置の小型化、低価格化が図られている。このような光ディスク装置に用いる光学ピックアップの光学部の一例として、図16に示すような光学部100が開示されている(非特許文献1を参照)。この光学部100では、785nm、660nmまたは405nmの波長のレーザビームのいずれかを選択的に出射することができる3波長レーザダイオード110と、該当する波長のレーザビームをCD、DVD、BDのいずれかである光ディスク媒体120に集光するための共通の光学部材である多焦点対物レンズ130と、光ディスク媒体からの戻り光を検出して電気信号に変換する光学変換素子(Opto Eletronic Integrated Circuit:OEIC)と、を備える。図16に示す例では、光学変換素子としてDVD/CD用光学変換素子140およびBD用光学変換素子150を具備している。
また、1つのピックアップで光学特性が異なる複数の方式の光ディスクに対応可能な多焦点光ピックアップを用いる場合におけるフォーカシングサーボ制御の技術が開示されている(特許文献1を参照)。特許文献1では、従来の1焦点光ピックアップで行っていたフォーカスS字信号(フォーカスエラー信号)のゼロ(零)クロス点とRF信号(光ディスクからの反射光量に比例した信号)の極大点の組とを検出して行うフォーカス引き込み制御方法では偽の合焦信号の組が出現する多焦点光ピックアップにおいて真の合焦点だけを検出することができないことが開示されており、このことによって、フォーカスサーボ制御を行うことはできないことを解決課題として、その解決手段としては、フォーカスサーチ動作中に、フォーカスS字信号、RF信号、ウォブルされたトラッキングエラー信号を検出し、これらの情報を基に合焦点の真偽の判断を行う技術が開示されている。ここで、特許文献1においては、偽の合焦信号の組が出現する理由としては、多焦点光ピックアップでは従来の1焦点光ピックアップとは異なり、常時複数個の焦点を形成しているため表面反射光によるS字波形は同時に形成している焦点の数だけ発生することが容易に推測できるためであるとの旨が記載されている。
特開2003−157545号公報 ソニー プレスリリース、"ブルーレイディスク・DVD・CDに対応する3波長記録再生用光学ヘッドを開発"、[online]、平成16年5月17日、[平成18年12月1日検索]、インターネット<URL:http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press_Archive/200405/04-026/>
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ウォブルされたトラッキングエラー信号を検出するために、トラッキング方向に光ビームを振る制御回路および制御機構を必要とし、光ディスク装置の構成が複雑となる。また、トラッキングエラー信号は、フォーカスS字信号の狭い範囲に対応する範囲でしか発生しないために、トラッキングエラー信号の検出には困難を伴い、合焦点の真偽の検出精度を高める上で問題がある。さらに、光ディスク媒体の情報の記録・再生をおこなう面に傷をつけるのを避けるために、光ディスク媒体の最内周または最外周のミラー部でフォーカスサーチをおこない、その後、フォーカスサーボをおこなう場合には、トラッキングエラー信号を検出することができないのであるから、このような領域ではこのような技術を採用しての合焦点の真偽の検出はできないという問題がある。
本発明は、このような課題を解決し、異なる光学特性を有する複数の光ディスク媒体からひとつの光ディスク媒体を任意に選択して、記録・再生をおこなうために複数の合焦点を形成する多焦点対物レンズを有して構成される光ディスク装置において、上述した背景技術と比較して、より簡単な構成によって、より精度良く、より確実に、所望の合焦点を検出することができる、光ディスク装置およびフォーカスサーチ方法を提供することを目的としている。
本発明の光ディスク装置は、相互に異なる光学特性を有する複数の光ディスク媒体のいずれかに記録・再生をおこなうためにレーザビームの合焦点を複数形成する多焦点対物レンズと、複数の前記合焦点の近傍で発生する各々のフォーカスエラー信号を検出するフォーカスエラー信号検出手段と、前記多焦点対物レンズと前記光ディスク媒体との離間距離を変化させる対物レンズ位置制御手段と、複数の前記フォーカスエラー信号から所望するフォーカスエラー信号を検出する所望フォーカスエラー信号検出手段と、を備える光ディスク装置において、前記対物レンズ位置制御手段は、前記多焦点対物レンズの位置を時間の経過に応じて特定するように制御し、前記所望フォーカスエラー信号検出手段は、前記離間距離の変化に応じて順次発生する前記フォーカスエラー信号の一つが所定閾値を越えた時点を基点時間として、前記基点時間から所定時間の経過後に検出される前記フォーカスエラー信号をフォーカスサーボに用いる所望フォーカスエラー信号として検出する。
この光ディスク装置では、レーザビームの合焦点を複数の個数形成する多焦点対物レンズを備えるので、相互に異なる光学特性を有する複数の光ディスク媒体のいずれかに記録・再生をおこなうことができる。また、フォーカスエラー信号検出手段を備え、対物レンズ位置制御手段を備え、所望フォーカスエラー信号検出手段を備える。そして、対物レンズ位置制御手段は、多焦点対物レンズの位置を時間の経過に応じて特定するように制御するので、経過時間によって、多焦点対物レンズと光ディスク媒体との離間距離の変化を略特定できる。また、離間距離の変化に応じて順次発生するフォーカスエラー信号はフォーカスエラー信号検出手段から検出できる。また、所望フォーカスエラー信号検出手段は、順次発生するフォーカスエラー信号の一つが所定閾値を越えた時点を基点時間として、基点時間から所定時間の経過後に検出されるフォーカスエラー信号をフォーカスサーボに用いる所望フォーカスエラー信号として検出する。ここで、所定閾値、所定時間の各々は、特定の光ディスク媒体に対して所望するフォーカスエラー信号を得るための条件として特定されるものである。よって、複数の前記フォーカスエラー信号から所望するフォーカスエラー信号を検出することができる。
本発明の光ディスク装置のフォーカスサーチ方法は、相互に異なる光学特性を有する所定の複数の光ディスク媒体のいずれかに記録・再生をおこなうためにレーザビームの合焦点を複数形成する多焦点対物レンズを有する光ディスク装置のフォーカスサーチ方法において、時間の経過に応じて前記多焦点対物レンズと前記光ディスク媒体との離間距離を変化させ、前記離間距離の変化に応じて順次発生する前記フォーカスエラー信号の一つが所定閾値を越えた時点を基点時間として検出し、前記基点時間から所定時間の経過後に検出される前記フォーカスエラー信号をフォーカスサーボに用いる所望フォーカスエラー信号として検出する。
この光ディスク装置のフォーカスサーチ方法では、時間の経過に応じて多焦点対物レンズと光ディスク媒体との離間距離を変化させ、多焦点対物レンズを有する光ディスク装置から順次発生するフォーカスエラー信号を得る。そして、順次発生するフォーカスエラー信号の一つが所定閾値を越えた時点を基点時間として検出する。そして、基点時間から所定時間の経過後に検出されるフォーカスエラー信号を所望フォーカスエラー信号として検出できる。そして、この所望フォーカスエラー信号をフォーカスサーボに用いることができる。
本発明によれば、異なる光学特性の光ディスク媒体の記録・再生をおこなう合焦点を複数形成する多焦点対物レンズを有して構成される光ディスク装置において、簡単な構成によって、精度良く、確実に、所望の合焦点を検出することができる、光ディスク装置およびフォーカスサーチ方法を提供できる。
以下、本発明の最良の形態である実施形態の光ディスク装置および光ディスク装置のフォーカスサーチ方法の概要を説明する。
実施形態の光ディスク装置は、相互に異なる光学特性を有する複数の光ディスク媒体のいずれかに記録・再生をおこなうために複数のレーザビームの合焦点を形成する多焦点対物レンズを備え、合焦点の近傍で発生するフォーカスエラー信号を検出するフォーカスエラー信号検出手段を備え、多焦点対物レンズと光ディスク媒体との離間距離を変化させる対物レンズ位置制御手段を備え、複数のフォーカスエラー信号から所望するフォーカスエラー信号を検出する所望フォーカスエラー信号検出手段を備えるものである。そして、対物レンズ位置制御手段は、多焦点対物レンズの位置を制御し、所望フォーカスエラー信号検出手段は、この離間距離の変化に応じて順次発生するフォーカスエラー信号の一つが所定閾値を越えた時点を基点として、その後に検出されるフォーカスエラー信号をフォーカスサーボに用いる所望フォーカスエラー信号として検出する。ここで、順次発生するフォーカスエラー信号から所望フォーカスエラー信号を検出するに際しては、例えば、対物レンズ位置制御手段によって多焦点対物レンズの位置を時間の経過に応じて特定するように制御し、所望フォーカスエラー信号検出手段は、離間距離の変化に応じて順次発生する前記フォーカスエラー信号の一つが所定閾値を越えた時点を基点時間として、基点時間から所定時間の経過後に検出されるフォーカスエラー信号を所望フォーカスエラー信号としてフォーカスサーボに用いるようにしても良いものである。また、例えば、対物レンズ位置制御手段によって、時間の経過に応じて多焦点対物レンズと光ディスク媒体との離間距離を単調に減少または増加するように制御して、離間距離の変化に応じて順次発生するフォーカスエラー信号の発生回数が所定回数に達した後に検出されるフォーカスエラー信号を所望フォーカスエラー信号としてフォーカスサーボに用いるようにしても良いものである。
後述する実施形態では、光ピックアップに配された光学変換素子と、演算増幅ユニットとが、フォーカスエラー信号検出手段の一実施形態を構成するものとされ、光ピックアップに配された対物レンズアクチュエータユニットと、サーボ用電力増幅器と、サーボDSPとが、対物レンズ位置制御手段の一実施形態を構成するものとされ、サーボDSPが所望フォーカスエラー信号検出手段の一実施形態を構成するものとされている。
実施形態の光ディスク装置のフォーカスサーチ方法は、相互に異なる光学特性を有する所定の複数の光ディスク媒体のいずれかに記録・再生をおこなうためにレーザビームの合焦点を複数形成する多焦点対物レンズを有する光ディスク装置のフォーカスサーチ方法である。このフォーカスサーチ方法は以下の処理を有している。時間の経過に応じて多焦点対物レンズと光ディスク媒体との離間距離を変化させる処理。この離間距離の変化に応じて順次発生する前記フォーカスエラー信号の一つが所定閾値を越えた時点を基点時間、(または、基点となる基点回数)として検出する処理。基点時間(または、基点回数)から所定時間(または、所定回数)の経過後に検出されるフォーカスエラー信号を所望フォーカスエラー信号として検出する処理。この所望フォーカスエラー信号をフォーカスサーボに用いるようにする処理。
以下、図面を参照して実施形態を具体例としてより詳細に説明をする。
図1は、実施形態の光ディスク装置10の概要を示すものである。図1に示す光ディスク装置10は、光ディスク媒体に記録された情報を読み出すとともに情報を光ディスク媒体に記録する光ディスク装置の一実施形態であり、機構部品としてのスピンドルモータ12、光学部品としての光ピックアップ13、光ピックアップ13に配される対物レンズアクチュエータユニット14、演算増幅ユニット15、デコーダ16、エンコーダ17、サーボ用電力増幅器19、サーボDSP(Digital Signal Processor)20、システム制御CPU(Centoral Processing Unit)21および媒体種類判別センサ22を備えている。以下、光ディスク装置10の全体について簡単に説明した後に、本実施形態の要部であるフォーカスサーチに関する部分について詳述する。
スピンドルモータ12は、スピンドルモータ12の回転軸12aにCD、デュアルディスク、DVD、BDを着脱して、いずれの光ディスク媒体をも固着できるようにされている。図1においては、上述した、CD、デュアルディスク、DVD、BDを代表する光ディスク媒体として光ディスク媒体11の符号を付している。また、スピンドルモータ12の固定部12bは、光ディスク装置10の機械的な基準面である筐体(図示せず)に固着され、これによって、光ピックアップ13と光ディスク媒体11との相対位置をタンジェンシャル方向(図1においては、紙面の表裏方向)に移動可能とされている。また、光ピックアップ13は、光ピックアップ移動機構(図示しない)によって光ディスク装置10の筐体に対してトラッキング方向(図1においては、紙面の左右方向)に比較的大きな距離を移動させるようになされ、これによって、光ピックアップ13と光ディスク媒体11との相対位置をトラッキング方向に移動可能とされている。その結果、光ピックアップ13からのレーザビームB1を光ディスク媒体11の所定位置に照射することができる。
光ピックアップ13は、図16に示す光学部100と略同様の機能を有する光学部(図示せず)を具備している。この光ピックアップ13を採用することによって、CD、デュアルディスク、DVD、BDの光学特性が異なる複数の光ディスク媒体の記録・再生をおこなうことができるようになされている。また、光ピックアップ13は、複数の光ディスク媒体の各々に対して合焦点を形成するための多焦点対物レンズ130と略同様の機能を有する多焦点対物レンズ(図示せず)を有している。また、光ピックアップ13は、この多焦点対物レンズをフォーカス方向(図1においては、紙面の上下方向)に移動させるフォーカスアクチュエータ、および、この多焦点対物レンズをトラッキング方向に比較的小さな距離を移動させるトラッキングアクチュエータを具備する対物レンズアクチュエータユニット14を具備している。対物レンズアクチュエータユニット14のフォーカスアクチュエータおよびトラッキングアクチュエータは、サーボ用電力増幅器19からの信号によって駆動されるようになされている。
また、光ピックアップ13は、背景技術に示すDVD/CD用光学変換素子140およびBD用光学変換素子150と略同様の機能を有する光学変換素子(図示せず)を有して形成されている。また、光ピックアップ13においては光ピックアップの技術分野においては、周知技術であるシリンドリカルレンズを用いたアスティグマ法によってフォーカスエラー信号を得、周知技術であるプッシュプル法によってトラッキングエラー信号を得る技術が採用されており、DVD/CD用光学変換素子とBD用光学変換素子との各々が、直交する2つの線分で4個に分割された4分割デテクタ(図示せず)を有して形成されている。
また、光ピックアップ13は、回路部を具備しており、回路部は、3波長レーザダイオード110と略同様の機能を有する3つの異なる波長のレーザビームを出射する3つのレーザダイオード(図示せず)の各々を制御するレーザダイオード制御回路(図示せず)と、各々の分割デテクタからの各々の電気信号を増幅する分割デテクタ増幅器(図示せず)と、を有している。各々のレーザダイオード制御回路を制御する信号は、エンコーダ17から出力され、分割デテクタ増幅器からの各々の電気信号は演算増幅ユニット15に対して出力されるようになされている。
演算増幅ユニット15は、加算および減算をおこなう複数の演算増幅器(図示せず)を有して形成されて、フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を得るように構成されている。フォーカスエラー信号は、4つの分割デテクタの一方の対角方向に位置する2個の分割デテクタからの電気信号を加算して第1の加算信号を得、4つの分割デテクタの他方の対角方向に位置する2個の分割デテクタからの電気信号を加算して第2の加算信号を得、第1の加算信号と第2の加算信号との差を得て、アスティグマ法によって検出するようにされている。また、トラッキングエラー信号は、4つの分割デテクタの隣接方向に位置する2個の分割デテクタからの電気信号を加算して第3の加算信号を得、4つの分割デテクタの他の2個の隣接方向に位置する分割デテクタからの電気信号を加算して第4の加算信号を得、第3の加算信号と第4の加算信号との差を得るプッシュプル法によって検出するようにされている。フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号は、サーボDSP20に対して出力されるようになされている。
また、演算増幅ユニット15は、4つの分割デテクタのからのすべての電気信号を加算して、和信号(RF信号)を得て、和信号をデコーダ16に対して出力するようになされている。この和信号は、光ディスク装置10が再生装置として機能する場合において用いられる。
デコーダ16は光ディスク装置10が再生装置として機能する場合において用いられる。デコーダ16は、アナログ信号として得られる和信号をデジタル信号に変換した後、このデジタル信号をコーディング規則に基づき復調(デコード)して、さらに、誤り訂正処理をして、記録データを再生する。この記録データは、システム制御CPU21に対して送出される。
システム制御CPU21は、記録および再生に際して情報処理の中核となる部分である。また、サーボDSP20は、フォーカス方向におけるレーザビームの合焦点の位置制御であるフォーカスサーボ、トラッキング方向におけるレーザビームの合焦点の位置制御であるトラッキングサーボおよびタンジェンシャル方向におけるレーザビームの合焦点の位置制御であるスピンドルサーボの各々のサーボ処理の中核となる部分である。そして、システム制御CPU21の管理下において、サーボDSP20はシステム制御CPU21と協調動作をするようにされている。
システム制御CPU21は、その内部にいずれも図示しない、論理演算ユニット(ALU)、ラム(RAM)、ロム(ROM)、外部装置とのインターフェイス回路およびサーボDSP20とのインターフェイス回路を具備して形成されている。ALUは、システム制御CPU21において演算処理をおこなう部分であり、システム制御CPU21でおこなう処理の手順は、ROMにプログラム(ソフトウエア)として記憶されており、ALUは随時、RAMに対して読み書きをおこない処理を実行する。
システム制御CPU21は、再生装置として情報処理をおこなう場合においては、再生された記録データを外部装置とインターフェイス可能な形態に加工して外部装置に対して出力をする。例えば、外部装置が民生用のオーディオ増幅器である場合には、システム制御CPU21は、記録データを、ディジタルアナログ変換(D/A変換)し、音響アナログ信号として、オーディオ増幅器に送出する。例えば、外部機器が映像モニタである場合には、システム制御CPU21は、記録データを映像モニタが対応可能なフォーマットに変換して映像モニタに送出する。例えば、外部機器がコンピュータの中央演算ユニット(CPU)である場合には、システム制御CPU21は、バスラインを介して、所定フォーマットのデジタルデータをコンピュータのCPUに送出する。
また、システム制御CPU21は、記録装置として情報処理をおこなう場合においては、外部装置から供給される種々の情報を記録データに変換して、エンコーダ17に対して送出する。例えば、外部装置が民生用のオーディオマイクロフォンである場合には、システム制御CPU21は、アナログディジタル変換(A/D変換)し、音響アナログ信号をデジタルデータである記録データとして、エンコーダ17に対して送出する。例えば、外部機器がCCDカメラである場合には、システム制御CPU21は、映像信号に応じた記録データをエンコーダ17に対して送出する。例えば、外部機器がコンピュータの中央演算ユニット(CPU)である場合には、システム制御CPU21は、バスラインを介して、コンピュータのCPUからの所定フォーマットのデジタルデータを受け取り、デジタルデータを記録データに変換して、エンコーダ17に対して送出する。
エンコーダ17は光ディスク装置10が記録装置として機能する場合において用いられる。エンコーダ17は、システム制御CPU21からの記録データを光ディスク媒体11で代表されるCD、DVD、BDの各々に特有の記録フォーマットに基づき変調(エンコード)して、このエンコードされたデジタル信号を光ピックアップ13のレーザダイオード制御回路に送出し、このエンコードされたデジタル信号に応じて3つのレーザダイオードのいずれかから出射されるレーザビームの強度を制御する。
サーボDSP20は、その内部にいずれも図示しない、積和演算を中心とする処理をおこなうALU、アナログディジタル変換器(A/D)変換器、ディジタルアナログ変換器(D/A)変換器、RAMおよびROMを内蔵して、積和演算および論理演算を高速におこなうことができるようになされている。A/D変換器は、演算増幅ユニット15からの種々のアナログ信号を受け取るインターフェイスとして機能し、D/A変換器は、サーボ用電力増幅器19に対するインターフェイスとして機能する。また、ROMにはサーボDSP20でおこなう処理の内容がプログラム(ソフトウエア)として格納されている。上述したように、サーボDSP20は、フォーカスサーボ、トラッキングサーボおよびスピンドルサーボの各々のサーボ処理の中核となる部分であり、その処理の内容の概要は以下に説明をするものである。
フォーカスサーボについては、サーボDSP20は、演算増幅ユニット15からフォーカスエラー信号を得て、後述するフォーカスサーチの動作をおこなうとともに、所望の合焦点に達したときに、フォーカスサーボを動作させるフォーカスサーボの制御則の管理およびフォーカスサーボのループ特性(一巡伝達関数特性)を最適化する、例えば、ゲイン補償、位相補償等の制御演算処理をおこない、演算処理後のフォーカスエラー信号(以下、演算後フォーカスエラー信号と称する)をサーボ用電力増幅器19に対して送出する。
また、トラッキングサーボについては、サーボDSP20は、演算増幅ユニット15からトラッキングエラー信号を得て、トラッキングサーボのループ特性(一巡伝達関数特性)を最適化する、例えば、ゲイン補償、位相補償等の制御演算処理をおこない、演算処理後のトラッキングエラー信号(以下、演算後トラッキングエラー信号と称する)をサーボ用電力増幅器19に対して送出するとともに、システム制御CPU21で得た光ディスク媒体11からのアドレス信号に基づき、所望のトラッキング方向にレーザビームを移動させるアクセス制御をおこなうためのアクセス信号をサーボ用電力増幅器19に対して送出する。
また、スピンドルサーボについては、演算増幅ユニット15に配された、図示しないフェーズロックループ(PLL)によって和信号からクロック信号を検出し、サーボDSP20は、演算増幅ユニット15からのクロック信号に基づいてスピンドルモータを制御するためのスピンドルエラー信号を得て、スピンドルサーボのループ特性(一巡伝達関数特性)を最適化する制御演算処理をおこない、演算処理後のスピンドルエラー信号(以下、演算後スピンドルエラー信号と称する)をサーボ用電力増幅器19に対して送出する。
サーボ用電力増幅器19は、演算後フォーカスエラー信号を電力増幅器で増幅して、フォーカスアクチュエータに供給し、演算後トラッキングエラー信号を電力増幅器で増幅して、トラッキングアクチュエータに供給し、演算後スピンドルエラー信号を電力増幅器で増幅して、スピンドルモータ12に供給して、各々のサーボ系を動作させる。なお、演算後トラッキングエラー信号は高周波領域成分と低周波領域成分とに周波数分割され、高周波領域成分がトラッキングアクチュエータに供給に供給され、小さなトラッキング方向の位置はトラッキングアクチュエータによって変化させられるようになされる。また、低周波領域成分が上述した光ピックアップ移動機構に供給され、大きなトラッキング方向の位置は光ピックアップ移動機構によって変化させられるようになされる。
媒体種類判別センサ22は、記録・再生をおこなう光ディスク媒体11が、CDであるか、DVDであるか、デュアルディスクのCD側であるか、デュアルディスクのDVD側であるか、BDディスクであるかを検出して、この検出結果をサーボDSP20に送出する。
光ディスク装置10では、光ピックアップ13に配された光学変換素子と演算増幅ユニット15とが、フォーカスエラー信号検出手段の一実施形態を構成するものとされ、光ピックアップ13に配された対物レンズアクチュエータユニット14とサーボ用電力増幅器19とハードウエアおよびソフトウエアを有して構成されるサーボDSP20とが、対物レンズ位置制御手段の一実施形態を構成するものとされ、ハードウエアおよびソフトウエアを有して構成されるサーボDSP20が所望フォーカスエラー信号検出手段の一実施形態を構成するものとされている。
以下に本実施形態の要部である、フォーカスサーチの動作に関連する各部について詳細に説明をする。
まず、図2を参照して一種類の光ディスク媒体のみに対して記録・再生をおこなうために、一個の焦点のみを有する対物レンズを備える光ディスク装置(以下、一焦点光ディスク装置と称する)におけるフォーカスサーチの概念について説明をする。フォーカスサーチとは、フォーカスエラー信号が合焦点の近傍でしか得られないことによって生じる欠点を補い、フォーカスエラー信号が得られる位置となるように、初期的に光ディスク媒体と対物レンズとの離間距離を調整する動作をいうものである。
一焦点光ディスク装置は、1個のレーザダイオードと、上述したように一個の焦点のみを有する対物レンズとを備える点以外においては、上述した光ディスク装置10と異なる点はないので、上述した光ディスク装置10の構成部を引用して、一焦点光ディスク装置のフォーカスサーチの動作を説明する。
フォーカスサーチは、レーザビームを対物レンズに入射させて、フォーカスアクチュエータによって、対物レンズをフォーカス方向に移動させることによりおこなう。対物レンズと光ディスク媒体との離間距離を最初は遠くなるように設定し、離間距離をゆっくりと近づけると、図2に示すように、フォーカスエラー信号Sfc1とフォーカスエラー信号Sfc2とが得られる。フォーカスエラー信号Sfc1は保護表面層で反射するレーザビームによって得られるフォーカスエラー信号であり、フォーカスエラー信号Sfc2は信号層で反射するレーザビームによって得られるフォーカスエラー信号である。ここで、フォーカスエラー信号Sfc2が発生している範囲において、フォーカスサーボのループを閉じることによって、フォーカスエラー信号Sfc2の零クロス点(図2における丸印の点)においてフォーカスサーボの動作がおこなわれることとなる。なお、以下の図3、図4、図6、図9、図10、図11、図12の各々において白抜きの丸印の各々は所望のフォーカスエラー信号の零クロス点を表すものとする。
本実施形態の光ディスク装置10の多焦点対物レンズは、上述したように、対物レンズの開口数を0.45として保護表面層から信号層までの距離が1.2mmのCD(以下、1.2mmCDと称す)、対物レンズの開口数を0.45として保護表面層から信号層までの距離が0.9mmのCD(デュアルディスク、以下、保護表面層から信号層までの距離を明瞭とする場合には0.9mmCDの用語も用いる)、対物レンズの開口数を0.6として保護表面層から信号層までの距離が0.6mmのDVD(以下、0.6mmDVDと称す)、対物レンズの開口数を0.85として保護表面層から信号層までの距離が0.1mmのBD(以下、0.1mmBDと称す)の4種類の光ディスク媒体の記録・再生を1個の対物レンズでおこなう多焦点対物レンズとして設計されている。すなわち、多焦点対物レンズは、このように、物理的な異なる構造を有し、その結果として光学的にも異なる特性を有する複数の光ディスク媒体の各々に対して、異なる光学集光特性を有すように構成されている。
図3は、このような光ディスク装置10において、1.2mmCDを光ディスク媒体11としてレーザダイオードからのレーザビームの波長を780nmとする場合における、フォーカスサーチで得られるフォーカスエラー信号を示し、図4は、0.9mmCDを光ディスク媒体11としてレーザダイオードからのレーザビームの波長を780nmとする場合における、フォーカスサーチで得られるフォーカスエラー信号を示す。
図3に示すフォーカスエラー信号は、多焦点対物レンズと1.2mmCDである光ディスク媒体11との最初の離間距離を、複数のフォーカスエラー信号のすべてを漏れなく検出できる程度に遠くなるように設定し、離間距離をゆっくりと近づける場合に得られるものである。ここで、多焦点対物レンズと光ディスク媒体との離間距離を最初は遠くなるように設定する理由は、多焦点対物レンズと光ディスク媒体とが接触してしまう万一の危険性を回避して光ディスク媒体11の保護を万全のものとするためである。図3に示すフォーカスエラー信号Sfn1、フォーカスエラー信号Sfn2、フォーカスエラー信号Sfn3およびフォーカスエラー信号Sfn4は、所謂、フェイク信号(偽信号)であって、1.2mmCDを780nmの波長によって記録・再生をおこなう場合の所望のフォーカスエラー信号ではない。また、フォーカスエラー信号Sfn1は保護表面層で反射するレーザビームによって得られるフォーカスエラー信号である。
ここで、1.2mmCDに対応する所望のフォーカスエラー信号はフォーカスエラー信号Sfn5であるが、上述したフェイク信号である、フォーカスエラー信号Sfn1、フォーカスエラー信号Sfn2、フォーカスエラー信号Sfn3およびフォーカスエラー信号Sfn4の処理を適切におこなわなければ、フォーカスサーチの過程において、いずれかのフェイク信号によってフォーカスサーボがおこなわれてしまい、光ディスク媒体11が1.2mmCDフォーマットを有する場合に記録・再生をすることができない。
図4に示すフォーカスエラー信号は、多焦点対物レンズと0.9mmCDである光ディスク媒体との離間距離を最初は遠くなるように設定し、離間距離をゆっくりと近づける場合に得られるものである。図4に示すフォーカスエラー信号Sfn9が所望のフォーカスエラー信号であり、フォーカスエラー信号Sfn6、フォーカスエラー信号Sfn7およびフォーカスエラー信号Sfn8は、フェイク信号であって、0.9mmCDを780nmの波長によって記録・再生をおこなう場合の所望のフォーカスエラー信号ではない。また、フォーカスエラー信号Sfn6は保護表面層で反射するレーザビームによって得られるフォーカスエラー信号である。
光学ピックアップ13と複数の種類の光ディスクの各々との組み合わせについてはフォーカスエラー信号の性質は光ディスク媒体ごとに異なる(例えば、図3または後述する図6(A)、図4または後述する図9(A)、後述する図10(A)、後述する図11(A)の各々を参照)。光学ピックアップ13と同一種類の光ディスク媒体の各々との組み合わせについてはフォーカスエラー信号の性質は同一のものとなる。したがって、上述した各々のフォーカスエラー信号の発生の傾向を予め知っておけば、容易に所望のサーボエラー信号、すなわち、保護表面層(ターンテーブル基準面31)から適切な離間距離にある信号層に適切な波長のレーザビームを集光させることができることとなる。
図3(光ディスクはCD、レーザビームの波長780nm)、図4(光ディスクはデュアルディスクCD側、レーザビームの波長780nm)の実験結果に加えて、図10(A)(光ディスクはDVD、レーザビームの波長650nm)、図11(A)(光ディスクはBD、レーザビームの波長405nm)、に示す4例の実験結果から、本願発明者はフォーカスサーチおよびフォーカスサーボを以下の手順で行えば良好なる動作が得られるとの結論を導くに至った。
(1)光ディスク装置10に装着された記録・再生をおこなう光ディスク媒体11の種類を調べる。
(2)その光ディスク媒体11に該当するレーザビームの波長の設定をおこなう。
(3)光ディスク媒体11に応じて、予め、実験結果として得た所望のフォーカスエラー信号の発生の時間または順番を、サーボDSP20のRAMから読み出す。
ここで、光ディスク媒体にレーザビームを照射してフォーカスサーチをするに際しては、多焦点対物レンズと光ディスク媒体との離間距離が単調に減少または単調に増加するものとするのが望ましい。離間距離が単調に減少または単調に増加するものとする場合には、同一のフォーカスエラー信号が2度以上得られ、フォーカスサーボ信号の発生の順番が入れ替わり、同一のフォーカスエラー信号を複数回数に渡り検出することを防止することができる。さらには、多焦点対物レンズと光ディスク媒体との離間距離が時間に比例して変化することがより望ましい。多焦点対物レンズと光ディスク媒体との離間距離が時間に比例して変化する場合には、極めて簡便に、時間経過と離間距離との関係が得られるからである。また、多焦点対物レンズと光ディスク媒体との離間距離が近づく方向にフォーカスサーチをおこなう場合においては、フォーカスサーチを開始する時点での離間距離は、光ディスク媒体の保護表面層にいずれかの合焦点が位置するような離間距離よりも大きなものとしている。
(4)基点とする時間から所定時間の経過後、または、所定回数のフォーカスエラー信号の発生後に検出されるフォーカスエラー信号をフォーカスサーボに用いる所望フォーカスエラー信号として検出する。
(5)所望のフォーカスエラー信号が零クロスした後にフォーカスサーチの処理からフォーカスサーボの処理に切り替える。
なお、本実施形態では、実験結果として得た所望のフォーカスエラー信号の発生の時間または順番は、各々の光ディスク媒体の構造から特定される時間または順番と一致をしている。すなわち、スピンドルモータ12に設けられたターンテーブル基準面31(図5を参照)から各々の光ディスク媒体の信号層までの各々の離間距離を、小さい順に並べる、その順序に従って2を先頭として、3、4、と1個ずつ増加する番号を該当する光ディスク媒体の各々に付した場合の数は、所望のフォーカスエラー信号の発生の時間の長さの短い順番、または、所望のフォーカスエラー信号の発生の順番と一致している。図5は、本実施形態において用いる種々の光ディスクの装着時の態様を示す図である。具体的には、図5(A)に示すように、BDでは、ターンテーブル基準面31から信号層までの離間距離は0.1mmであり、図5(B)に示すように、デュアルディスクDVD側では、ターンテーブル基準面31から信号層までの離間距離は0.6mmであり、図5(C)に示すように、DVDでは、ターンテーブル基準面31から信号層までの離間距離は0.6mmであり、図5(D)に示すように、デュアルディスクCD側では、ターンテーブル基準面31から信号層までの離間距離は0.9mmであり、図5(E)に示すように、CDでは、ターンテーブル基準面31から信号層までの離間距離は1.1mmである。また、ターンテーブル基準面31から対応可能な各々の光ディスク媒体の光ディスク媒体の保護表面層までの離間距離は1.2mmまたは1.5mmである。
従って、本実施形態の記録・再生をする光ディスク媒体の所望のフォーカスエラー信号が発生するまでの時間は、短い順に、2番がBD、3番がデュアルディスクDVD側およびDVD、4番がデュアルディスクCD側、5番がCDとなる。すなわち、このように付された時間順序は、図3(図6(A))、図4(図9(A))、図10(A)、図11(A)から得られた実験結果と一致している。また、所望のフォーカスエラー信号が発生するまでの本実施形態の記録・再生をする光ディスク媒体におけるフォーカスエラー信号の発生の順番は、2番がBD、3番がデュアルディスクDVD側およびDVD、4番がデュアルディスクCD側、5番がCDとなる。すなわち、このように付された発生順番は、図3(図6(A))、図4(図9(A))、図10(A)、図11(A)から得られた実験結果と一致している。
次に、上述した知見に基づいたフォーカスサーチの技術について説明をする。
フォーカスサーチは、フォーカスアクチュエータをサーボ用電力増幅器19からの信号によって駆動することによっておこなわれる。ここで、フォーカスアクチュエータは機械系としては、復元力を生じさせるバネを有する2次系である。したがって、この2次系の共振の周期よりも長い周期で変化する鋸波状の駆動電流または駆動電圧(図6(C)を参照)をサーボ用電力増幅器19からフォーカスアクチュエータに供給することによって、フォーカスアクチュエータの可動部に固着される多焦点対物レンズを等速度でフォーカス方向に移動させることができ、時間の経過に比例した多焦点対物レンズと光ディスク媒体との離間距離を得ることができる。ここで、鋸波状の信号は、サーボDSP20において発生される。
フォーカスサーチをおこない所望のフォーカスエラー信号を検出する技術、さらには、所望のフォーカスエラーを検出後にフォーカスサーボに切り替える技術については、本実施形態においては、種々の技術を採用できるが、代表的な実施例を以下に示す。
(第1実施例)
図6(A)は、1.2mmCDを光ディスク媒体11としてレーザダイオードからのレーザビームの波長を780nmとする場合において、上述したようにして、フォーカスサーチをおこなうときのフォーカスエラー信号を示すものであり、縦軸は演算増幅ユニット15から得られる電圧、横軸は時間を表すものである。また、横軸が縦軸と交わる点の電圧は電圧0(零)Vである。ここで、図6(C)に示す駆動電圧がフォーカスアクチュエータに印加されているので、多焦点対物レンズは等速度で移動している。したがって、時間軸を表すとともに横軸は、多焦点対物レンズと光ディスク媒体との離間距離をも示すものとなり、時間が経過するとともに、離間距離は減少する。なお、図6(A)に示す波形は、図3に示すものと同様の波形である。図6(A)に破線で示すのは第1閾値であり、一点鎖線で示すのは第2閾値である。第1閾値はフォーカスエラー信号の零電圧から正方向または負方向に電圧ΔV1を加算した電圧である(本実施形態では正方向に加算している)。また、第2閾値はフォーカスエラー信号の零電圧から正方向および負方向に電圧ΔV2を加算した電圧である(本実施形態では正方向に加算している)。第1閾値および第2閾値の各々は、サーボDSP20において設定されている。図6(B)のグラフについては、第2実施例として後述する。
図7は、サーボDSP20でおこなう、フォーカスサーチからフォーカスサーボに切り替える処理を含む第1実施例のフォーカスサーチ割込処理の内容をフローチャートで示すものである。
フォーカスサーチ割込処理は所定時間の経過ごとに規則正しく処理が進行する割込処理とされる。割込処理の周期は、所望するフォーカスエラー信号Sfn5の零クロス点(図6(A)で丸印を付した点)を十分な精度を有して検出できるようにされている。例えば、フォーカスエラー信号Sfn5のピークトーピーク値(P−P値)の1/10程度の範囲内の電圧を検出できる程度の周期とされている。また、ステップST10で処理するD/A変換器の出力電圧の初期値および1ステップの電圧値、ステップST12で処理するフォーカスサーボフラグの値、ステップST13で処理する第1閾値の値、ステップST14で処理する変数nの初期値およびステップST15で処理する整定数Nの値の各々は、図示しない初期設定ルーチンにおいて初期設定される。
初期設定においては、出力電圧の初期値は、多焦点対物レンズと光ディスク媒体との離間距離をすべてのフォーカスエラー信号が検出できるようにする適切な値、1ステップの電圧値は割込処理の所定時間との関係において、すべてのフォーカスエラー信号の検出ができる範囲の値、フォーカスサーボフラグの値は0、第1閾値の値は雑音と区別して、すべてのフォーカスエラー信号と第1閾値との交差点が検出できる値、変数nの値は0、1.2mmCDを光ディスク媒体11としてレーザビームの波長を780nmとする場合には整定数Nの値は5、と各々の値が設定される。
ステップST10では、D/A変換器の出力電圧を1ステップ分小さくする。これによって、1ステップ分の電圧の変化に応じて、多焦点対物レンズと光ディスク媒体との離間距離は減少する。
ステップST11では、A/D変換器でフォーカスエラー信号を取り込む。
ステップST12では、フォーカスサーボフラグの値が1であるか否かを判断する。
ステップST12における判断が肯定(Y)の場合には、処理はステップST13に移り、ステップST12における判断が否定(N)の場合には、処理はステップST17に移る。ステップST17における処理については後述する。
ステップST13では、A/D変換器で取り込んだフォーカスエラー信号の値が第1閾値を越える変化をしたか否かを判断する。
ステップST13における判断が肯定(Y)の場合には、処理はステップST14に移り、ステップST13における判断が否定(N)の場合には、処理は終了して、次の割込処理を待つ。
ステップST14では、変数nを変数n+1に置き換えるインクリメントの演算をおこなう。
ステップST15では、変数nの値が整定数Nであるか否かを判断する。
ステップST15における判断が肯定(Y)の場合には、処理はステップST16に移り、ステップST15における判断が否定(N)の場合には、処理は終了して、次の割込処理を待つ。
ステップST16では、フォーカスサーボフラグの値を1とし、処理は終了して、次の割込処理を待つ。
ステップST17では、フォーカスエラー信号の値が零クロスをしたか否かを判断する。ここで、零クロスをしたということは、フォーカスエラー信号Sfn5に付した丸印の点を通過したことと同意であり、フォーカスエラー信号Sfn5の極性が1ステップ前に較べて反転したことを検出する判断がおこなわれる。
ステップST17における判断が肯定(Y)の場合には、処理はステップST18に移り、ステップST17における判断が否定(N)の場合には、処理は終了して、次の割込処理を待つ。
ステップST18では、フォーカスサーボに切替える。すなわち、フォーカスサーボ処理の先頭番地を割込テーブルに書き込み処理はその後、終了する。これによって、所望のフォーカスエラー信号Sfn5を用いたフォーカスサーボが可能となる。
1.2mmCDを光ディスク媒体11としてレーザダイオードからのレーザビームの波長を780nmとする場合における第1実施例の変形例として、ステップST13における第1閾値を第2閾値に置き換え、整定数Nの値を2と置き換えることもできる。この変形例では第1閾値に変えて第2閾値を用いるので、雑音に対して、より、検出精度が高いものとできる。ここで、第1閾値は、すべてのフォーカスエラー信号を検出できる程度の大きさに上述した電圧ΔV1の値を設定して得られるものであるが、第2閾値は、所定振幅以上の顕著な大きさを有するフォーカスエラー信号を検出できる程度の大きさに上述した電圧ΔV2の値を設定して得られるものである。フォーカスエラー信号Sfn2が、他のフォーカスエラー信号であるフォーカスエラー信号Sfn1、フォーカスエラー信号Sfn3およびフォーカスエラー信号Sfn4に較べて大きなものであることは、本願発明者が実験に基づいて見出した事実である。
上述した、第1実施例は、複数の合焦点を形成する多焦点対物レンズと複数の合焦信号を得る受光素子を有して構成される光ディスク装置のフォーカスサーチの技術であって、フォーカス方向に多焦点対物レンズを移動させて、順次発生するフォーカスエラー信号の発生回数を計測し、発生回数が所定回数に達したときに、フォーカスサーボループに切替えるものである。このような原理と同一の原理によって、例えば、1.5mmのデュアルディスクのCD側の記録・再生をする光ディスク媒体を光ディスク媒体11とし、レーザダイオードからのレーザビームの波長を780nmとする場合、1.2mmのDVDを光ディスク媒体11とし、レーザダイオードからのレーザビームの波長を650nmとする場合、1.2mmのBDを光ディスク媒体11とし、レーザダイオードからのレーザビームの波長を405nmとする場合のいずれの場合においても、閾値の値および整定数Nの値を適宜に定めることによって、適用することが可能である。
(第2実施例)
上述した実施例1では、ステップST11において、A/D変換器でフォーカスエラー信号を取り込む処理を毎回の割込処理で必ずおこなっている。A/D変換器を用いる処理は処理時間が長く、この結果、フォーカスサーチ割込処理の時間も長くなり、割込処理の合間におこなうメインルーチンでの処理時間が十分に確保できない場合も生じる。第2実施例はこのような点を改善するものであり、A/D変換器を用いる処理の回数を少なくしてフォーカスサーチ割込処理の時間を削減するものである。以下、図6、図8を参照して第2実施例の説明をし、図9、図10、図11を参照して第2実施例の変形例の説明をする。
上述したように、図6(C)に示す鋸歯状の電流または電圧をフォーカスアクチュエータに印加することによって、フォーカスサーチはおこなわれる。ここで、フォーカスアクチュエータの移動量は鋸歯状の駆動電流または駆動電圧の大きさに略比例するものであるから、予め、フォーカスアクチュエータの移動量に対するサーボエラー信号の波形、すなわち、フォーカスアクチュエータの移動をおこなっている経過時間に対するサーボエラー信号の波形は、特定されることとなる。図6(B)は第2実施例の原理を示すための図である。図6(B)に示す時間T1はフォーカスエラー信号Sfn2が第2閾値よりも大きくなる時点を始期として、フォーカスエラー信号Sfn3およびフォーカスエラー信号Sfn4が発生する時間を経過後に終期を迎える時間である。また、図6(B)に示す時間T2はフォーカスエラー信号Sfn2が第2閾値よりも大きくなる時点を始期として、フォーカスエラー信号Sfn5が発生する時間を経過後に終期を迎える時間である。時間T1および時間T2の大きさは、鋸歯状の駆動電流または駆動電圧の大きさとの関係で予め特定されるものである。
図8は、サーボDSP20でおこなう、フォーカスサーチからフォーカスサーボに切り替える処理を含む第2実施例のフォーカスサーチ割込処理の内容を示すものである。
フォーカスサーチ割込処理は所定時間の経過ごとに規則正しく処理が進行する割込処理とされる。割込処理の周期は、所望するフォーカスエラー信号Sfn5の零クロス点(図6(A)で丸印を付した点)を十分な精度を有して検出できるようにされている。例えば、フォーカスエラー信号Sfn5のピークトーピーク値(P−P値)の1/10程度の範囲で検出できる程度の周期とされている。また、ステップST20で処理するD/A変換器の出力電圧の初期値および1ステップの電圧値、ステップST21で処理する第1カウントフラグの値、ステップST23で処理する第2カウントフラグの値、ステップST24で処理する第2閾値の値、ステップST25で処理する変数nT1と変数nT2の各々の初期値、ステップST27で処理する整定数NT1の値およびステップST29で処理する整定数NT2の値の各々は、図示しない初期設定ルーチンにおいて初期設定される。
初期設定においては、出力電圧の初期値は、多焦点対物レンズと光ディスク媒体との離間距離を顕著な大きさを有するフォーカスエラー信号(図6のSfn2)を検出できるようにする適切な値、1ステップの電圧値は割込処理の所定時間との関係において、上述した顕著な大きさを有するフォーカスエラー信号の発生後のフォーカスエラー信号の検出ができる範囲の値、第1カウントフラグフラグおよび第2カウントフラグの値は0、第2閾値である電圧ΔV2の値は、第1実施例におけると同様にフォーカスエラー信号Sfn1、フォーカスエラー信号Sfn3およびフォーカスエラー信号Sfn4との交差点を検出することなく、フォーカスエラー信号Sfn2と第2閾値との交差点が検出できる値、変数nT1および変数nT2の値は0、整定数NT1の値は実験で求めた時間T1を割込処理周期で除した値、整定数NT2の値は実験で求めた時間T2を割込処理周期で除した値、と各々の値が設定される。
ステップST20では、D/A変換器の出力電圧を1ステップ分小さくする。これによって、1ステップ分の電圧の変化に応じて、多焦点対物レンズと光ディスク媒体との離間距離は減少する。
ステップST21では、第1カウントフラグフラグが1か否かを判断する。
ステップST21における判断が肯定(Y)の場合には、A/D変換器を作動させることなく、処理はステップST26に移り、ステップST21における判断が否定(N)の場合には、処理はステップST22に移る。
ステップST22では、A/D変換器でフォーカスエラー信号を取り込む。
ステップST23では、第2カウントフラグの値が1であるか否かを判断する。
ステップST23における判断が否定(N)の場合には、処理はステップST24に移り、ステップST23における判断が肯定(Y)の場合には、処理はステップST26に移る。ステップST26における処理については後述する。
ステップST24では、A/D変換器で取り込んだフォーカスエラー信号の値が第2閾値を越える変化をしたか否かを判断する。
ステップST24における判断が肯定(Y)の場合には、処理はステップST25に移り、ステップST24における判断が否定(N)の場合には、処理は終了して、次の割込処理を待つ。
ステップST25では、第1カウントフラグおよび第2カウントフラグを1として処理は終了して、次の割込処理を待つ。
ステップST26では、変数nT1を変数nT1+1に、変数nT2を変数nT2+1に置き換えるインクリメントの演算をおこなう。
ステップST27では、変数nT1が整定数NT1以上であるか否かを判断する。
ステップST27における判断が肯定(Y)の場合には、処理はステップST28に移り、ステップST27における判断が否定(N)の場合には、処理は終了して、次の割込処理を待つ。
ステップST28では、第1カウントフラグを0として、処理はステップST29に移る。
ステップST29では、変数nT2が整定数NT2以上であるか否かを判断する。
ステップST29における判断が肯定(Y)の場合には、処理はステップST32に移り、ステップST29における判断が否定(N)の場合には、処理はステップST30に移る。
ステップST30では、フォーカスエラー信号の値が零クロスをしたか否かを判断する。ここで、零クロスをしたということは、フォーカスエラー信号Sfn5に付した丸印の点を通過したことと同意であり、フォーカスエラー信号Sfn5の極性が1ステップ前に較べて反転したことを検出する判断がおこなわれる。
ステップST30における判断が肯定(Y)の場合には、処理はステップST31に移り、ステップST30における判断が否定(N)の場合には、処理は終了して、次の割込処理を待つ。
ステップST31では、フォーカスサーボに切替える。すなわち、フォーカスサーボ処理の先頭番地を割込テーブルに書き込み処理はその後、終了する。これによって、所望のフォーカスエラー信号Sfn5を用いたフォーカスサーボが可能となる。
ステップST32では、再サーチの設定がおこなわれる。すなわち、通常はステップST31においてフォーカスサーボがおこなわれるが、ステップST30において、零クロスをする点が検出できない場合には整定数NT2で定まる所定時間を経過した後に再び、上述した初期設定を再びおこない、フォーカスサーチの割込処理の先頭番地を割込テーブルに書き込み処理はその後、終了する。なお、ステップST30において、零クロスをする点が検出できない場合には、再サーチの設定をおこなうことなく、処理を終了させ、その旨をシステム制御CPU21に知らせるようにしても良いものである。
上述した、第2実施例は、複数の合焦点を形成する多焦点対物レンズと複数の合焦信号を得る受光素子を有して構成される光ディスク装置のフォーカスサーチの技術であって、フォーカス方向に多焦点対物レンズを移動させて、順次発生するフォーカスエラー信号の中から所定振幅以上の顕著な大きさを有するフォーカスエラー信号を検出後の所定時間経過後に発生するフォーカスエラー信号の零クロス点の近傍において、フォーカスサーボループに切替えるものである。このような原理と同様な原理に基づく変形例の説明を以下におこなう。
図9は、第2実施例の変形例を説明する図である。図9(A)は、上述した第2実施例と同一の原理によって、0.9mmCD(光ディスク媒体の厚さ1.5mmのデュアルディスク)のCD側の記録・再生をする光ディスク媒体を光ディスク媒体11とし、レーザダイオードからのレーザビームの波長を780nmとする場合において、上述したようにして、フォーカスサーチをおこなうときのフォーカスエラー信号を示すものであり、縦軸は電圧、横軸は時間を表すものである。また、横軸が縦軸と交わる点の電圧は電圧0Vである。なお、図9(A)に示す波形は、図4に示すものと同様の波形である。図9(A)に一点鎖線で示すのは第2閾値である。第2閾値はフォーカスエラー信号の零電圧から正方向および負方向に電圧ΔV3を加算した電圧である(本実施形態では正方向に加算している)。
1.5mmのデュアルディスクのCD側の記録・再生をする光ディスク媒体を光ディスク媒体11とし、レーザダイオードからのレーザビームの波長を780nmとする場合においても、図8に示すフローチャートの処理が適用できる。この場合において、ステップST24における第2閾値を図9(A)の一点鎖線で示す値とし、整定数NT1は時間T3を割込周期で除した数として設定し、整定数NT2は時間T4を割込周期で除した数として、適宜に設定することによって、フォーカスサーチの動作は適切におこなわれる。
図10は、第2実施例の別の変形例を説明する図である。図10(A)は、第2実施例と同一の原理によって、1.2mmのDVDを光ディスク媒体11とし、レーザダイオードからのレーザビームの波長を650nmとする場合において、フォーカスサーチをおこなうときのフォーカスエラー信号を示すものである。フォーカスエラー信号は上述したようにして、多焦点対物レンズとDVDとの離間距離を最初は遠くなるように設定し、離間距離をゆっくりと近づける場合に得られるものである。図10(A)に示すフォーカスエラー信号Sfn10およびフォーカスエラー信号Sfn11は、フェイク信号であって、1.2mmのDVDを650nmの波長によって記録・再生をおこなう場合の所望のフォーカスエラー信号ではない。このような、フェイク信号が発生する理由については、フォーカスエラー信号Sfn11は多焦点対物レンズを0.1mmBDに対応するようにしたことによって発生したものであると本願発明者は考えている。また、フォーカスエラー信号Sfn10は保護表面層で反射するレーザビームによって得られるフォーカスエラー信号である。
1.2mmのDVDを光ディスク媒体11とし、レーザダイオードからのレーザビームの波長を650nmとする場合においても、図8に示すフローチャートの処理が適用できる。この場合において、ステップST24における第2閾値を図10(A)の破線で示す第1閾値に変更し、整定数NT1は時間T5を割込周期で除した適宜の値に設定し、整定数NT2は時間T6を割込周期で除した適宜の値に設定することによって、所望のフォーカスエラー信号Sfn12によってフォーカスサーボをおこなうことができる。ここで、第1閾値は、合焦点の電圧(図10(A)の丸印)から電圧ΔV4離れた値として得られるものである。
図11は、第2実施例のさらに別の変形例の説明をする図である。図11(A)は、第2実施例と同一の原理によって、1.2mmのBDを光ディスク媒体11とし、レーザダイオードからのレーザビームの波長を405nmとする場合において、フォーカスサーチをおこなうときのフォーカスエラー信号を示すものであり、フォーカスエラー信号は上述したようにして、多焦点対物レンズとBDとの離間距離を最初は遠くなるように設定し、離間距離をゆっくりと近づける場合に得られるものである。図11(A)に示すフォーカスエラー信号Sfn13は、フェイク信号であって、保護表面層で反射するレーザビームによって得られるフォーカスエラー信号である。
1.2mmのBDを光ディスク媒体11とし、レーザダイオードからのレーザビームの波長を405nmとする場合においても、図8に示すフローチャートの処理が適用できる。この場合において、ステップST24における第2閾値を図11(A)の破線で示す第1閾値とし、整定数NT1および整定数NT2を時間T7および時間T8に応じて適宜に設定することによって、所望のフォーカスエラー信号Sfn12によってフォーカスサーボをおこなうことができる。ここで、第1閾値は、合焦点の電圧(図10(A)の丸印)から電圧ΔV5離れた値として得られるものである。
また、上述した、第1実施例または第2実施例において、時間T1ないし時間T8(総称して時間窓と称する)の各々を独立して設定することなく、より少ないパラメータによって処理をおこなうことができる。すなわち、時間T1と時間T2との比、時間T3と時間T4との比、時間T5と時間T6との比、時間T7と時間T8との比、の各々の値は略等しい値となる。これを用いる時間窓の別の設定方法について図12を参照して説明をする。図12(A)に示す時間ΔTは、他のフォーカスエラー信号と較べてその振幅が大きい顕著に発生するフォーカスサーボエラー信号であるフォーカスエラー信号Sfn2とフォーカスエラー信号Sfn5との各々が第2閾値と交差する時間の差の時間である。この場合には、図12(B)に示すように、所望のフォーカスエラー信号を得ることが可能となる始期時間である時間T1に替えて0.8×ΔTを用い、所望のフォーカスエラー信号を得ることが不可能となる終期時間である時間T2に替えて1.2×ΔTを用いることができる。このようにして、所望のフォーカスエラー信号が発生する時間を0.8×ΔTから1.2×ΔTの範囲として特定できる。
(光ディスク媒体の種類を検出する技術について)
上述した、第1実施例または、第2実施例において、所望のフォーカスエラー信号を得て、フォーカスサーボをおこない、記録・再生をおこなうためには、予め、記録・再生をおこなう光ディスクが、BD、デュアルディスクDVD側、DVD、デュアルディスクCD側、CDのいずれであるかを知り、BDであればレーザビーム波長を405nm、デュアルディスクDVD側およびDVDであればレーザビーム波長を650nm、デュアルディスクCD側およびCDであればレーザビーム波長を780nmに予め設定しておくことが必要である。以下、図13ないし図15を参照して、光ディスク媒体11の種類を検出する技術の説明をする。
図13は、ターンテーブル基準面31と媒体種類判別センサ22と光ディスク媒体11の信号記録層との相互の位置関係を表している。保護表面層であるターンテーブル基準面31は、スピンドルモータ12の回転軸12aに固着されたターンテーブル面(図示せず)と接しており、スピンドルモータ12の固定部12bは光ディスク装置10の筐体と固着されており、媒体種類判別センサ22は、筐体と固着されている。この結果、ターンテーブル基準面31と媒体種類判別センサ22とは、光ディスク媒体ごとに所定の位置関係を保つようになされている。
図13に示すように、媒体種類判別センサ22は、光ビームを出射する発光部22aを有している。発光部22aは例えば発光素子(LED)を有して構成されている。光ビームは所定断面積を有するものであるが、図13では光ビームの中心部の1本の光線B2を図示している。媒体種類判別センサ22は、光ビームを受光する受光部22bおよび受光部22cを有している。受光部22bおよび受光部22cは同一平面に配置されている。
図14を参照して媒体種類判別センサ22の動作の説明をする。図14に示すように、光ビームを保護表面層であるターンテーブル基準面31で全反射することがない角度で、信号層aまたは信号層bのいずれかに入射させる場合の光ビームの中心部の光線を各々、光線B2aまたは光線B2bとして示している。信号層が保護表面層に近い場合には光線B2aは受光部22bに照射され、信号層が保護表面層に遠い場合には光線B2bは受光部22cに照射される。ここで、光ビームは所定断面積を有するので、信号層が保護表面層との距離の変化は、受光部22bと受光部22cとの各々で受光される光量の差としてあらわれるものとなる。
図15は、縦軸を信号層までの距離を検出する電圧である検出電圧とし、横軸を信号層と保護表面層との間の距離とするグラフである。検出電圧は、受光部22bから検出する光量に応じた電圧V22bから受光部22cから検出する光量に応じた電圧V22cを引き算して、電圧V22bと電圧V22cとの和で割って検出するものである。このようにして規格化した検出電圧は、発光部22aからの光ビームの強度、信号層の反射率に依存せず、信号層と保護表面層との間の距離にのみ依存するものとなる。横軸の値として0.1mmがBDに対応し、横軸の値として0.6mmがDVDまたはデュアルディスクのDVD側に対応し、横軸の値として0.9mmがデュアルディスクのDVD側に対応し、横軸の値として1.2mmがCDに対応するものである。実際の光ディスク媒体の識別に際しては、検出窓を設け、検出電圧が電圧VBDの範囲であればBD、検出電圧が電圧VDVDの範囲であればDVDまたはデュアルディスクのDVD側、検出電圧が電圧VDCDの範囲であればデュアルディスクのCD側、検出電圧が電圧VCDの範囲であればCD、と、光ディスク媒体11の識別ができる。
そして、光ディスク媒体11に特定された波長にレーザビームの波長を設定した後、上述した第1実施例では、すべてのフォーカスエラー信号を検出してフォーカスサーチをおこなう場合には第1閾値をそれが可能となるように設定し、検出電圧が電圧VBDの範囲であれば整定数Nの値を2、検出電圧が電圧VDVDの範囲であれば整定数Nの値を3、検出電圧が電圧VDCDの範囲であれば整定数Nの値を4、検出電圧が電圧VCDの範囲であれば整定数Nの値を5、と、各々設定し、上述した図7に示すフローチャートのフォーカスサーチ処理をおこなう。また、第1実施例で一部のフォーカスエラー信号を検出してフォーカスサーチをおこなう場合には、他のフォーカスエラー信号を検出することなく、一部のフォーカスエラー信号を検出するような第2閾値を適宜に設定し、整定数Nの値を適宜に設定する。また、上述した第2実施例では、整定数Nを用いることなく、上述した時間T1から整定数NT1、時間T2から整定数NT2を導出して、上述した図8に示すフローチャートのフォーカスサーチ処理をおこなう。
また、媒体種類判別センサ22は、光ディスク媒体11の面ぶれ(多焦点対物レンズと信号層との距離、すなわち、フォーカス方向の距離が、光ディスク媒体11の位置に応じて変化する現象を面ぶれと称する)を検出する面ぶれ検出センサとしても機能する。そして、媒体種類判別センサ22を面ぶれセンサとして機能させることによって、フォーカスサーチの精度補正をすることができる。すなわち、第2実施例では、面ぶれが生じないものとして、時間T1ないし時間T8によって時間窓を設定している。しかしながら、面ぶれがある場合には、当初に予定した多焦点対物レンズと信号層との離間距離が得られないこととなり、時間T1ないし時間T8で設定される時間窓と実際の各々のフォーカスエラー信号の発生時間との間に誤差が生じることとなる。したがって、この面ぶれの影響を排除できれば、より、精度の高いフォーカスサーチが可能となる。
一方、光ディスク媒体11にレーザビームが焦点を結ぶ位置は、光ディスク媒体11におけるレーザビームを照射する多焦点対物レンズを有する光ピックアップのトラッキング方向の位置(R座標)と、スピンドルモータ12で回転させられる光ディスクの回転角度(θ座標)と、によって特定される。したがって、R座標、θ座標に対する面ぶれ情報を予めサーボDSP20に記憶しておき、この面ぶれ情報に基づき割込処理ごとに整定数NT1を変更し、または、この面ぶれ情報に基づき割込処理ごとに整定数NT1および整定数NT2の値を変更する(変更された整定数NT1および整定数NT2の各々を、補正された整定数NT1および補正された整定数NT2と称する)ことによって、より良好なるフォーカスサーチの精度を得ることができる。ここで、光ディスク媒体11のR座標を固定して、θ座標を変化させながら(光ディスク媒体を回転させながら)フォーカスサーチをおこなう場合にはR座標に関する面ぶれ情報は不要となる。また、R座標に対する面ぶれの量が、θ座標に対する面ぶれの量よりも小さく、無視できる程度であれば、θ座標のみを用いることができる。また、光ディスク媒体11の回転を停止してフォーカスサーチをおこなう場合には、補正された整定数NT1および補正された整定数NT2の数は、各々1個である。
ここで、面ぶれ情報は、媒体種類判別センサ22からの光線B2を含む光ビームによって得られるものであり、フォーカスエラー信号はレーザビームB1によって得られるものであるので、最も望ましくは、光ディスク媒体11の光線B2を受光する面とレーザビームB1を受光する面が一致した面か、近接した面であることが望ましい。しかしながら、θ座標に関連した情報のみを用いる場合には、光ディスク媒体11の光線B2を受光する面とレーザビームB1を受光する面とはθ座標において略同一であれば十分であり、R座標に関連した情報のみを用いる場合には、光ディスク媒体11の光線B2を受光する面とレーザビームB1を受光する面とはR座標において略同一であれば十分であり、さらに、光ディスク媒体11と光ディスク装置10との組み合わせごとの時間T1ないし時間T8の各々のバラツキを問題とする場合には、媒体種類判別センサ22の取り付け位置と光ピックアップ13からのレーザビームB1の位置との間の特段の制約は必要とはされない。
面ぶれの検出においては、具体的にはサーボDSP20は以下のように機能する。まず、初期設定は以下のようにおこなう。初めにスピンドルモータ12の回転軸12aと接合された回転角度検出器(図示せず)から回転角度を検出し、このときの面ぶれ量を検出電圧から演算する。次に、この面ぶれ量に対する整定数NT1および整定数NT2のずれ量を演算して、補正された整定数NT1および補正された整定数NT2の値を演算する。この補正された整定数NT1および補正された整定数NT2の値は、例えば、時間T1および時間T2の値を補正するものである。そして、θ座標に対して、補正された整定数NT1および補正された整定数NT2の値を1回転分、RAMに格納する。
次に、フォーカスサーチ処理における面ぶれの影響を考慮した処理について説明をする。図8に示すフォーカスサーチ処理のステップST27において、その時点における角度検出器から検出するスピンドルモータ12の回転軸12aの回転角度(θ座標)をアドレスとして、そのアドレスで指定される補正された整定数NT1の値をRAMから読み出してこの値を整定数NT1の値として用いる。また、ステップST29において、その時点における角度検出器から検出するスピンドルモータ12の回転軸12aの回転角度(θ座標)をアドレスとして、そのアドレスで指定される補正された整定数NT2の値をRAMから読み出してこの値を整定数NT2の値として用いる。また、R座標も同時に用いる場合には面ぶれ補正の効果はさらに良好なものとなる。
上述したことから明白となるように、本実施形態の光ディスク装置は、複数の合焦点を形成する多焦点対物レンズと複数の合焦信号を得る受光素子とを有して構成される光ディスク装置であり、異なる種類の光ディスク媒体の記録・再生をおこなうことができる。特に、この光ディスク装置は、フォーカスサーチの技術に特徴を有するものである。そして、以下の利点を有している。
本実施形態のフォーカスサーチの技術では、フォーカスサーチにおいて用いる信号はフォーカスエラー信号のみであるので、他の信号も併せて用いるフォーカスサーチの技術と比較する場合には、ハードウエア構成およびソフトウエア構成が簡単なものとできる。また、フォーカスエラー信号は差信号として得られるので、複数の光ディスク媒体からのサーボ信号の各々は0Vを中心に発生する特徴を有するので、その取り扱いが極めて容易である。さらに、例えば、光の回折の原理を用いることなくフォーカスエラー信号を得るアスティグマ法等を用いる場合には、レーザビームの波長に依存せずに良好なる信号レベルのフォーカスエラー信号を得ることができるので、精度の良いフォーカスサーチの動作が可能となる。すなわち、複数の光ディスク媒体の記録・再生をおこなう場合に誤ってフォーカスサーボをおこなうことがないものである。
また、本実施形態のフォーカスサーチの技術では、フォーカスエラー信号のみを用いるものであり、フォーカスエラー信号は、光ディスク媒体にレーザビームを反射する層が設けられていれば、どの様な部分からでも得られ、良好にフォーカスサーチの機能を奏することができる。例えば、ピットまたはグルーブを有しない情報の記録・再生をおこなう領域ではない光ディスク媒体の最内周部または最外周部においてもフォーカスサーチが可能であり、多焦点対物レンズの衝突によって情報領域を損傷する危険性の発生を防止できる。さらに、光ディスクを回転させることなく、フォーカスエラー信号は得られるので、光ディスクを回転させることなくフォーカスサーチが可能であり、さらに、光ディスク媒体を回転させることによる多焦点対物レンズの衝突によって情報領域を損傷する危険性を低減できる。
また、本実施形態の第1実施例のフォーカスサーチの技術では、フォーカスサーボエラー信号の発生回数をカウントすることによって簡便にフォーカスサーチが可能となる。また、本実施形態の第1実施例の変形例のフォーカスサーチの技術では、すべてのフォーカスサーボエラー信号の発生回数をカウントすることなく、信号レベルの大きさが他のフォーカスエラー信号に比較して大きい、特別に顕著に発生するフォーカスサーボエラー信号のみをカウントして、雑音信号に害されることなく、より精度の高いフォーカスサーチを可能とすることもできる。
また、本実施形態の第2実施例のフォーカスサーチの技術では、常時、フォーカスサーボエラー信号を監視することなく、時間窓を設けて、所望のフォーカスエラー信号のみを検出するようにして、ソフトウエア処理の速度を速くして、光ディスク装置の処理を軽減することができる。ここで、時間窓(時間T1ないし時間T8)は、光ディスク装置と光ディスクとの多数の組み合わせのバラツキの中心付近に設定することによって良好なる精度を得ることができる。また、光ディスク媒体を光ディスク装置に装着するごとに、面ぶれに対して、補正された時間窓(補正された時間T1ないし補正された時間T8)を用いると等価である補正された整定数NT1等および補正された整定数NT2等の値を用いる場合には、温度変化、光ディスク媒体の装着バラツキ、光ディスク装置の経時変化を補正して、フォーカスサーチの精度を向上させることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、その発明の技術的思想の範囲内で様々に変形して実施することが可能である。
実施形態の光ディスク装置の概要を示す図である。 一焦点光ディスク装置におけるフォーカスサーチの概念について説明をする図である。 実施形態の光ディスク装置において、1.2mmCDに対して780nmのレーザビームを照射する場合のフォーカスサーチで得られるフォーカスエラー信号を示す図である。 実施形態の光ディスク装置において、0.9mmCDに対して780nmのレーザビームを照射する場合のフォーカスサーチで得られるフォーカスエラー信号を示す図である。 本実施形態において用いる種々の光ディスクの装着時の態様を示す図である。 実施形態の光ディスク装置において、1.2mmCDに対して780nmのレーザビームを照射する場合のフォーカスサーチの動作を説明する図である。 実施形態のフォーカスサーチ割込処理の内容をフローチャートで示す図である。 実施形態の別のフォーカスサーチ割込処理の内容をフローチャートで示す図である。 実施形態の光ディスク装置において、0.9mmCDに対して780nmのレーザビームを照射する場合のフォーカスサーチの動作を説明する図である。 実施形態の光ディスク装置において、1.2mmDVDに対して650nmのレーザビームを照射する場合のフォーカスサーチの動作を説明する図である。 実施形態の光ディスク装置において、1.2mmBDに対して405nmのレーザビームを照射する場合のフォーカスサーチの動作を説明する図である。 実施形態のフォーカスサーチにおいて時間窓の別の設定方法を説明する図である。 実施形態におけるターンテーブル基準面と媒体種類判別センサと光ディスク媒体の信号記録層との相互の位置関係を示す図である。 実施形態の媒体種類判別センサの動作の説明をする図である。 実施形態における媒体種類判別センサの検出電圧と信号層と保護表面層との間の距離の関係を示す図である。 背景技術としての多焦点対物レンズを有する光ピックアップを示す図である。
符号の説明
10 光ディスク装置、11 光ディスク媒体、12 スピンドルモータ、12a スピンドルモータの回転軸、12b スピンドルモータの固定部、13 光ピックアップ、14 対物レンズアクチュエータユニット、15 演算増幅ユニット、16 デコーダ、17 エンコーダ、19 サーボ用電力増幅器、20 サーボDSP、21 システム制御CPU、22 媒体種類判別センサ、22a 発光部、22b、22c 受光部、31 ターンテーブル基準面、a、b 信号層、B1 レーザビーム、B2、B2a、B2b 光線、NT1、NT2 整定数、nT1、nT2 変数、Sfc1〜Sfn13 フォーカスエラー信号、T1〜T8、ΔT 時間、V22b、V22c、VBD、VCD、VDCD、VDVD、ΔV1〜ΔV5 電圧

Claims (8)

  1. 相互に異なる光学特性を有する複数の光ディスク媒体のいずれかに記録・再生をおこなうためにレーザビームの合焦点を複数形成する多焦点対物レンズと、複数の前記合焦点の近傍で発生する各々のフォーカスエラー信号を検出するフォーカスエラー信号検出手段と、前記多焦点対物レンズと前記光ディスク媒体との離間距離を変化させる対物レンズ位置制御手段と、複数の前記フォーカスエラー信号から所望するフォーカスエラー信号を検出する所望フォーカスエラー信号検出手段と、を備える光ディスク装置において、
    前記対物レンズ位置制御手段は、
    前記多焦点対物レンズの位置を時間の経過に応じて特定するように制御し、
    前記所望フォーカスエラー信号検出手段は、
    前記離間距離の変化に応じて順次発生する前記フォーカスエラー信号の一つが所定閾値を越えた時点を基点時間として、前記基点時間から所定時間の経過後に検出される前記フォーカスエラー信号をフォーカスサーボに用いる所望フォーカスエラー信号として検出することを特徴とする光ディスク装置。
  2. 前記対物レンズ位置制御手段は、
    すべての前記フォーカスエラー信号を漏れなく検出できる程度に前記多焦点対物レンズと前記光ディスク媒体との最初の離間距離を大きく設定し、時間経過とともに前記離間距離を小さくし、
    前記所望フォーカスエラー信号検出手段は、
    すべての前記フォーカスエラー信号を検出するように前記所定閾値が設定されることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  3. 前記対物レンズ位置制御手段は、
    所定振幅以上の顕著な大きさを有する前記フォーカスエラー信号を検出できる程度に、前記多焦点対物レンズと前記光ディスク媒体との最初の離間距離を設定し、時間経過とともに前記離間距離を小さくし、
    前記所望フォーカスエラー信号検出手段は、
    前記顕著な大きさを有する前記フォーカスエラー信号を検出するように前記所定閾値が設定されることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  4. 前記所望フォーカスエラー信号検出手段は、
    予め定める一定の時間を前記所定時間とすることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  5. 前記所望フォーカスエラー信号検出手段は、
    前記光ディスク媒体のフォーカス方向の面ぶれを検出する面ぶれセンサを具備し、
    前記面ぶれセンサによって検出される面ぶれの量に応じて補正した時間を前記所定時間とすることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  6. 前記所望フォーカスエラー信号検出手段は、
    前記所望フォーカスエラー信号が零クロスしたときにフォーカスサーボの動作を開始することを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  7. 保護表面層から信号層までの距離が1.2mmとされる第1光ディスク媒体と前記保護表面層から前記信号層までの距離が0.9mmとされる第2光ディスク媒体とが、前記複数の光ディスク媒体に含まれることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  8. 相互に異なる光学特性を有する所定の複数の光ディスク媒体のいずれかに記録・再生をおこなうためにレーザビームの合焦点を複数形成する多焦点対物レンズを有する光ディスク装置のフォーカスサーチ方法において、
    時間の経過とともに前記多焦点対物レンズと前記光ディスク媒体との離間距離を変化させ、
    前記離間距離の変化に応じて順次発生する前記フォーカスエラー信号の一つが所定閾値を越えた時点を基点時間として検出し、
    前記基点時間から所定時間の経過後に検出される前記フォーカスエラー信号をフォーカスサーボに用いる所望フォーカスエラー信号として検出する光ディスク装置のフォーカスサーチ方法。
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