JP2008157266A - 車両用駆動装置の潤滑構造 - Google Patents

車両用駆動装置の潤滑構造 Download PDF

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Abstract

【課題】
車両被牽引時に潤滑必要箇所を十分潤滑可能な車両用駆動装置の潤滑構造を提供することである。
【解決手段】 車両用駆動装置の潤滑構造であって、トランスミッションケース内部にファイナルドリブンギヤにより掻き揚げられたオイルを捕獲するリブを設け、このリブから滴下するオイルを自動変速機の変速制御のための油圧回路が形成されているバルブボデイの上部に設けられたオイル受けで受ける。オイル受けで受けたオイルをバルブボデイ内部に形成された油路を介してカウンタシャフト内部に供給する。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両用駆動装置の潤滑構造、特に、被牽引時に潤滑必要箇所を十分潤滑可能な車両用駆動装置の潤滑構造に関する。
一般に、遊星歯車機構を有する自動変速機を搭載した自動車は、エンジン故障等により最寄の修理工場等へ牽引して移動する場合、自動変速機はニュートラル状態になっており、車輪からの回転に基づき自動変速機の一部が空転するだけで大部分の回転要素は停止状態にある。
従って、車両が被牽引状態にあっては、エンジン停止にともない、オイルポンプが停止することにより潤滑油の供給が断たれた状態にあるが、被牽引状態は、一般に、低速で且つその走行距離も短いので、空転する回転要素が無潤滑状態であっても、大きな支障を生じることはない。
しかし、バカンス等でトレーラ等により自分の自動車を牽引して高速で且つ長距離を走行する場合、無潤滑による回転要素の空転は、問題を生じる恐れがある。
一般的に、車両の被牽引時の潤滑は、エンジン停止にともないオイルポンプが停止しているため、出力軸系のギヤ、特にファイナルドリブンギヤによる掻揚げのみとなり、何らかの工夫を施さない限り十分な潤滑油の供給は困難となる。
特に、ベルト式無段変速装置(CVT)を搭載した自動車にあっては、クラッチがプライマリプーリのエンジン側に介在されており、被牽引時における車輪からの回転はプーリ装置に伝達され、且つCVTはプーリ装置が最もアンダードライブ状態で停止する関係上、車輪からの回転は、最も増速された状態でプーリ装置及び前後進切替装置等の回転要素に伝達され、無潤滑状態での該回転要素の回転には、焼き付き等の問題を発生し易い。
そこで、従来からCVTを搭載した自動車の被牽引時の潤滑については幾つかの提案がなされている。
特開平5−180309号公報 特開2001−165286号公報 特開2004−211801号公報 特開2005−83471号公報
ところで、平行軸式自動変速機の中には、カウンタシャフト上に例えば5速ドリブンギヤ及びリバースドリブンギヤを回転自在に配設し、軸方向に摺動可能なセレクタ機構によって5速ドリブンギヤ又はリバースドリブンギヤを選択的にカウンタシャフトに結合するタイプのものがある。
このようなタイプの平行軸式自動変速機においては、メインシャフト上には5速ドリブンギヤに噛合する5速ドライブギヤ及び該5速ドライブギヤと一体的に形成されたリバースドライブギヤが回転自在に配設され、5速−リバースクラッチによりメインシャフトに選択的に結合される。リバースドライブギヤはリバースアイドルギヤを介してリバースドリブンギヤに噛合している。
セレクタ機構は、ニュートラル状態で停止することはなく、右又は左に移動して5速ドリブンギヤ又はリバースドリブンギヤのいずれかをカウンタシャフトに結合した状態で停止する。
この平行軸式自動変速機では、Dレンジからセレクタレバーがニュートラルレンジにシフトされた場合には、セレクタ機構は5速ドリブンギヤをカウンタシャフトに結合した状態で停止する。また、Dレンジからパーキングレンジにシフトされた場合には、セレクタ機構はリバースドリブンギヤをカウンタシャフトに結合した状態で停止する。
一方、リバースレンジからセレクタレバーがニュートラルレンジ又はパーキングレンジにシフトされた場合には、セレクタ機構はリバースドリブンギヤをカウンタシャフトに結合した状態で停止する。
5速ドリブンギヤ及びリバースドリブンギヤはカウンタシャフトに回転自在に配設されているため、セレクタ機構のポジションによって、カウンタシャフトとリバースドリブンギヤ又はカウンタシャフトと5速ドリブンギヤの間に相対回転が生じることになる。
セレクタ機構が5速ドリブンギヤ側にあるときは、被牽引時に車輪の回転にともなってカウンタシャフトが回転されると、リバースドリブンギヤは、5速ドリブンギヤ、5速ドライブギヤ、リバースドライブギヤ及びリバースアイドルギヤを介して、カウンタシャフトと反対方向にカウンタシャフトに対して減速されて回転する。
一方、セレクタ機構がリバースドリブンギヤ側にあるときは、5速ドリブンギヤは、リバースドリブンギヤ、リバースアイドルギヤ、リバースドライブギヤ及び5速ドライブギヤを介して、カウンタシャフトと反対方向にカウンタシャフトに対して増速されて回転する。
例えば、セダン型車種を60km/hで牽引した場合には、カウンタシャフトの回転数は約2300rpmとなる。5速ドリブンギヤは約8100rpmでカウンタシャフトと反対方向に回転し、リバースドリブンギヤは約650rpmでカウンタシャフトと反対方向に回転する。
よって、5速ドリブンギヤとカウンタシャフトとの相対回転は10400rpmとなり、リバースドリブンギヤとカウンタシャフトの相対回転は2950rpmとなる。5速ドリブンギヤとリバースドリブンギヤとでは、カウンタシャフトに対する相対回転で比較すると7450rpmもの差が生じることになる。
よって、セレクタ機構がリバースドリブンギヤ側にあるときには、5速ドリブンギヤの軸受けはカウンタシャフトに対して高相対回転となるため、潤滑油の確保が必要である。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両の被牽引時に潤滑必要箇所に十分な潤滑油を供給可能な車両用駆動装置の潤滑構造を提供することである。
請求項1記載の発明によると、トルクコンバータを介してエンジンに連結されるメインシャフトと、該メインシャフトに回転自在に配設された高速段ドライブギヤと、該メインシャフトに回転自在に配設され前記高速段ドライブギヤと一体的に形成されたリバースドライブギヤと、前記メインシャフトと平行に配設されたカウンタシャフトと、該カウンタシャフトに回転自在に配設され前記高速段ドライブギヤと噛合する高速段ドリブンギヤと、該カウンタシャフトに回転自在に配設されリバースアイドルギヤを介して前記リバースドライブギヤと噛合するリバースドリブンギヤと、前記高速段ドリブンギヤ及び前記リバースドリブンギヤを選択的に前記カウンタシャフトに結合可能なセレクタ機構と、前記カウンタシャフトに回転不能に連結されたファイナルドライブギヤとを含んだ自動変速機と、該ファイナルドライブギヤに噛合するファイナルドリブンギヤを有するディファレンシャル装置とを備えた車両用駆動装置の潤滑構造であって、トランスミッションケース内部に前記ファイナルドリブンギヤにより掻き揚げられたオイルを捕獲するリブを設け、前記リブから滴下するオイルを自動変速機の変速制御のための油圧回路が形成されているバルブボデイの上部に設けられたオイル受けで受け、該オイル受けで受けたオイルを前記バルブボデイ内部に形成された油路を介して前記カウンタシャフト内部に供給するようにしたことを特徴とする車両用駆動装置の潤滑構造が提供される。
請求項2記載の発明によると、請求項1記載の発明において、前記バルブボデイ内の前記油路に、車両の被牽引時には前記オイル受けで受けたオイルの通過を許容し、通常走行時にはオイルポンプの作動により供給されるオイルが前記オイル受けに導かれるのを防止する逆止弁を設けたことを特徴とする車両用駆動装置の潤滑構造が提供される。
請求項3記載の発明によると、請求項1記載の発明において、前記バルブボデイ内の前記油路に、車両の被牽引時には前記オイル受けで受けたオイルの通過を許容し、通常走行時にはオイルポンプ作動圧に直結する油圧を信号圧としてスプールを移動し、該オイルポンプからの圧油が前記オイル受けに供給されるのをブロックする切替弁を設けたことを特徴とする車両用駆動装置の潤滑構造が提供される。
請求項4記載の発明によると、請求項2又は3記載の発明において、車両被牽引時に通常走行時と同一の前記バルブボデイ内部に形成された潤滑経路で潤滑を可能としたことを特徴とする車両用駆動装置の潤滑構造が提供される。
請求項1記載の発明によると、オイルポンプが回転しない車両牽引時においても、カウンタシャフト内部に潤滑油を確実に導くことができ、潤滑必要箇所の潤滑性を向上することができる。
請求項2記載の発明によると、オイルポンプが回転する通常走行時には、逆止弁によりオイルポンプからの圧油がオイル受けに供給されるのを防止することができるため、オイルポンプからの圧油により通常の潤滑を行うことができる。
請求項3記載の発明によると、オイルポンプが回転する通常走行時には、切替弁によりオイルポンプからの圧油がオイル受けに供給されるのをブロックすることができるため、オイルポンプからの圧油で通常の潤滑を行うことができる。
請求項4記載の発明によると、逆止弁又は切替弁を設けたことにより、車両被牽引時に通常走行時と同一の潤滑経路を利用した潤滑を行うことができ、製造コストを削減することができる。
以下、本発明を図面に示した実施形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の潤滑構造が適用されるのに適した車両用駆動装置の断面図を示している。
符号2はトランスミッションケース、4はトルクコンバータケースを示しており、トランスミッションケース2及びトルクコンバータケース4は合わせ面で合わされて、複数のボルトにより互いに締結される。
6はトルクコンバータであり、トルクコンバータ6のポンプインペラ8はエンジンのクランクシャフト12に連結され、タービンランナ14は自動変速機15のメインシャフト16に連結されている。
ここで注意すべきは、図1は自動変速機15の一部断面図を示したものであり、本発明の説明に直接関係しない中間シャフト(セカンダリシャフト)及び中間シャフトに配設されているギヤ、クラッチは省略されている。
メインシャフト16には、トルクコンバータ6側から順に、3速ドライブギヤ18、3速クラッチ20、5速−リバースクラッチ22、5速ドライブギヤ24及びリバースドライブギヤ26が配設されている。
3速ドライブギヤ18はメインシャフト16に対して回転自在に配設されており、3速クラッチ20を締結することにより、メインシャフト16に対して結合される。5速ドライブギヤ24とリバースドライブギヤ26は一体的に形成されており、メインシャフト16に対して回転自在に配設され、5速−リバースクラッチ22を締結することにより、メインシャフト16に対して結合される。
28はギヤポンプから構成されるオイルポンプであり、トルクコンバータ6のケース10を介してエンジンのクランクシャフト12に連結されており、エンジン回転中はエンジンにより常時駆動される。
30はカウンタシャフトであり、メインシャフト16に対して平行に配置されている。カウンタシャフト30には、トルクコンバータ6側から順に、ファイナルドライブギヤ32、1速ドリブンギヤ34、3速ドリブンギヤ36、5速ドリブンギヤ38及びリバースドリブンギヤ40が配設されている。
ファイナルドライブギヤ32、1速ドリブンギヤ34及び3速ドリブンギヤ36はカウンタシャフト30に対して回転不能に配設され、5速ドリブンギヤ38及びリバースドリブンギヤ40はカウンタシャフト30に対して回転自在に配設されている。
42はセレクタ機構(セレクタクラッチ)であり、カウンタシャフト30に軸方向摺動可能に配設されており、セレクタ機構42が右方向に摺動されると、5速ドリブンギヤ38がカウンタシャフト30に結合される。反対に、セレクタ機構42が左方向に摺動されると、リバースドリブンギヤ40がカウンタシャフト30に結合される。
44はディファレンシャル装置であり、ディファレンシャル装置44のディファレンシャルケース(デフケース)46に締結されたファイナルドリブンギヤ48がファイナルドライブギヤ32に噛合している。ディファレンシャル装置44の出力は左右の車軸50,52に伝達され、車軸に連結された左右の車輪を駆動する。
エンジンの駆動力で走行する通常走行時には、オイルポンプ28が常時駆動されて圧油を吐出する。この圧油はレギュレータバルブにより調圧されてライン圧PLを発生する。レギュレータバルブにおいてライン圧を調圧した余剰油は、バルブボデイ内に形成した油路に供給され、この油路を介してメインシャフト16、カウンタシャフト30及び他の図示しないシャフト内に供給されて、潤滑必要箇所を潤滑する。
一方、車両の被牽引時には、エンジンが停止された状態で牽引されるため、オイルポンプ28の作動は停止される。その結果、オイルポンプからの圧油を潤滑に使用することは期待できない。よって、車両被牽引時に潤滑を必要とする場合には、なんらかの工夫を施す必要があり、本発明は車両被牽引時の潤滑必要箇所の潤滑を提供する。
セレクタ機構42は、ニュートラル状態で停止することはなく、右又は左に摺動して5速ドリブンギヤ38又はリバースドリブンギヤ40のいずれかをカウンタシャフト30に結合した状態で停止する。
このような平行軸式自動変速機15では、Dレンジからセレクタレバーがニュートラルレンジにシフトされた場合には、セレクタ機構42は5速ドリブンギヤ38をカウンタシャフト30に結合した状態で停止する。また、Dレンジからパーキングレンジにシフトされた場合には、セレクタ機構42はリバースドリブンギヤ40をカウンタシャフト30に結合した状態で停止する。
一方、リバースレンジからセレクタレバーがニュートラルレンジ又はパーキングレンジにシフトされた場合には、セレクタ機構42はリバースドリブンギヤ40をカウンタシャフト30に結合した状態で停止する。
5速ドリブンギヤ38及びリバースドリブンギヤ40はカウンタシャフト30に回転自在に配設されているため、セレクタ機構42のポジションによって、カウンタシャフト30とリバースドリブンギヤ40又はカウンタシャフト30と5速ドリブンギヤ38との間に相対回転が生じることになる。
セレクタ機構42が5速ドリブンギヤ38側にあるときは、被牽引時に車輪の回転にともなってカウンタシャフト30が回転されると、リバースドリブンギヤ40は、5速ドリブンギヤ38、5速ドライブギヤ24、リバースドライブギヤ26及び図示しないリバースアイドルギヤを介して、カウンタシャフト30と反対方向にカウンタシャフト30に対して減速されて回転する。
一方、セレクタ機構42がリバースドリブンギヤ40側にあるときは、5速ドリブンギヤ38は、リバースドリブンギヤ40、図示しないリバースアイドルギヤ、リバースドライブギヤ26及び5速ドライブギヤ24を介して、カウンタシャフト30と反対方向にカウンタシャフト30に対して増速されて回転する。
例えば、セダン型車種を60km/hで牽引した場合には、カウンタシャフト30の回転数は約2300rpmとなる。このとき、セレクタ機構42がリバースドリブンギヤ40側にあるときには、5速ドリブンギヤ38は約8100rpmでカウンタシャフト30と反対方向に回転する。セレクタ機構42が5速ドリブンギヤ38側にあるときには、リバースドリブンギヤ40は約650rpmでカウンタシャフト30と反対方向に回転する。
よって、5速ドリブンギヤ38とカウンタシャフト30との相対回転は10400rpmとなり、リバースドリブンギヤ40とカウンタシャフト30の相対回転は2950rpmとなる。その結果、5速ドリブンギヤ38とリバースドリブンギヤ40とでは、カウンタシャフト30に対する相対回転で比較すると7450rpmもの差が生じることになる。
よって、セレクタ機構42がリバースドリブンギヤ40側にある被牽引時には、5速ドリブンギヤ38の軸受けはカウンタシャフト30に対して高相対回転となるため、潤滑油の確保が必要であり、本願発明は車両被牽引時の潤滑油の確保を提供する。
図2を参照すると、トランスミッションケース2内のメインシャフト16、カウンタシャフト30、セカンダリシャフト54及びディファレンシャル装置44の配置状態が示されている。
車両被牽引時には、車輪の回転にともないディファレンシャル装置44が回転するため、ファイナルドリブンギヤ48は矢印56方向に回転され、トランスミッションケース2内に貯留されているATF(オートマチック・トランスミッション・フルイド)を上方に掻き揚げる。
カウンタシャフト30は矢印58方向に回転され、セカンダリシャフト54は矢印60方向に回転される。よって、ファイナルドリブンギヤ44が掻き揚げたATFはセカンダリシャフト54に配設されているギヤ及びクラッチにより更に上方に矢印62に示すように掻き揚げられる。
このように、ギヤ等により掻き揚げられたATFは、図3に示すようにトランスミッションケース2の内壁に沿って流れることになる。よって本発明では、トランスミッションケース2の内壁に沿って流れるATFを捕獲する樋状のリブ66をトランスミッションケース2と一体的に形成している。
樋状のリブ66は図で右方向に僅かばかり傾斜しており、リブ66で受けられたATFはリブ66の端部から矢印68で示すように滴下する。トランスミッションケース2及びトルクコンバータケース4の内部には、図4に示すように複数の制御バルブに圧油を供給する油路が形成されたメインボデイ70及びレギュレータボデイ72が背中合わせに配置され、収容されている。
レギュレータボデイ72には、トランスミッションケース2の内壁と一体的に形成された樋状のリブ66から滴下するATFを受けるオイル受け74が一体的に形成されている。
オイル受け74の下部にはオイル供給穴が形成されており、このオイル供給穴を介してオイル受け74で受けたATFをレギュレータボデイ72内に形成された油路に導くようになっている。
次に、図5及び図6を参照して、本発明第1実施形態の車両通常走行時及び被牽引時の潤滑経路について説明する。まず、図5を参照して、通常走行時の潤滑経路について説明する。
通常走行時にはエンジンが回転しているため、オイルポンプ28は駆動されている。図5において、76はレギュレータバルブであり、86はリリーフバルブである。オイルポンプ28から吐出された圧油はレギュレータバルブ76でライン圧PLに調圧される。ライン圧PLを調圧した余剰油は油路80に供給され、更に油路82及び分岐油路83に供給される。
分岐油路83に供給された圧油によりボール84がメインボデイ70の壁部に押し付けられ、オイル受け74からの供給油路75を閉鎖する。このように、通常走行時にはオイルポンプ28からの圧油がボール84を使用した逆止弁によりオイル受け74に供給されることが防止される。
よって、レギュレータバルブ76からの余剰油は油路80,82及び供給穴88を介して、図8に示したトルクコンバータケース4に形成した油路98に供給され、矢印90で示すようにカウンタシャフト30の軸内に導かれ、潤滑必要箇所を潤滑する。
一方、車両被牽引時には、エンジンが停止するためオイルポンプ28の作動も停止される。よって、車両被牽引時には、車輪の回転により回転されるディファレンシャル装置44のファイナルドリブンギヤ48が掻き揚げたATFを潤滑に利用する。
ファイナルドリブンギヤ48が掻き揚げたATFはトランスミッションケース2の上方に掻き揚げられ、ケース内壁に沿って流れて樋状のリブ66に捕獲され、リブ66から滴下するATFは図6に示すようにオイル受け74に集められる。
オイルポンプ28が停止しているため、逆止弁を構成するボール84はメインボデイ70内壁から離れており、供給油路75と分岐油路83は連通している。よって、オイル受け74に集められたオイルは、供給油路75、分岐油路83、油路82及び供給穴92を介して図8に示すようにトルクコンバータケース4に形成した油路98に供給され、矢印90で示すようにカウンタシャフト30の軸内へ導かれ、潤滑必要箇所を潤滑する。
図7を参照すると、車両被牽引時の潤滑経路の断面図が示されている。トルクコンバータケース4とメインボデイ70の間にはメイン分離プレート94が介装されており、メインボデイ70とレギュレータボデイ72の間にはレギュレータ分離プレート96が介装されている。通常走行時には、レギュレータバルブ76の余剰油の圧力によりボール84はメインボデイ70の壁部に押し付けられ、供給油路75を閉鎖している。
車両被牽引時には、ボール84をメインボデイ70の壁部に押し付ける圧力がなくなるため、ボール84はメインボデイ70の壁部から離れ、供給油路75と分岐油路83は連通する。
よって、オイル受け74からのオイルは、複数の矢印に示すように供給油路75、分岐油路83及び油路82を介してトルクコンバータケース4に形成された油路98に供給される。
ボール84を設けたことにより、通常走行時と車両被牽引時の油路を共有することができ、被牽引時においても通常走行時と同様のカウンタシャフト30の軸内からの潤滑を可能としている。
次に、図9及び図10を参照して、本発明第2実施形態の車両通常走行時の潤滑経路及び被牽引時の潤滑経路について説明する。図9は通常走行時の潤滑経路を示しており、図10は車両被牽引時の潤滑経路を示している。
本実施形態では、通常走行時にオイル受け74への逆流防止に切替弁100を利用する。図9に示すように、レギュレータバルブ76でライン圧PLを調圧した余剰油は油路80に加えて油路102にも供給される。この油路102に供給された余剰油は油路104を介してトルクコンバータ6のロックアップ制御及び作動油供給に用いられる。
よって、トルクコンバータ6の圧油は油路106を介して切替弁100の左端のチャンバ108に導入され、スプール110を右方向に移動し、分岐油路83と供給油路75の連通をブロックする。
よって、車両の通常走行時には、レギュレータバルブ76の余剰油は油路80,82及び供給穴88を介して図8に示したトルクコンバータケース4に形成された油路98に供給され、カウンタシャフト30の軸内の潤滑必要箇所を潤滑する。
車両被牽引時には、レギュレータバルブ76の余剰油の供給がなくなるため、図10に示すように、切替バルブ100のスプール110はスプリング112の付勢力により左方向に移動され、供給油路75と分岐油路83が連通される。
よって、オイル受け74からのオイルは、供給油路75、切替バルブ100、分岐油路83、油路82及び供給穴92を介して図8に示したトルクコンバータケース4に形成された油路98に供給され、カウンタシャフト30の軸内の潤滑必要箇所を潤滑する。
切替弁100を設けたことにより、通常走行時と車両被牽引時の油路を共有することができ、被牽引時においても通常走行時と同様のカウンタシャフト30の軸内からの潤滑を可能としている。
上述した実施形態では、セレクタ機構42により5速ドリブンギヤ38とリバースドリブンギヤ40を選択的にカウンタシャフト30に結合しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、セレクタ機構42は5速以外の他の高速段ドリブンギヤとリバースドリブンギヤ40とを選択的にカウンタシャフト30に結合するように構成することもできる。
本発明の潤滑構造が適用される車両用駆動装置の一例の縦断面図である。 車両被牽引時のトランスミッションケース内の潤滑用オイルの流れを示す図である。 トランスミッションケースと一体的に形成したオイルを捕獲するリブ周辺を示す図である。 トランスミッションケースに形成したオイル捕獲用リブと、レギュレータボデイに形成したオイル受け周辺を示す図である。 通常走行時の本発明第1実施形態の潤滑経路を示す図である。 車両被牽引時の第1実施形態の潤滑経路を示す図である。 車両被牽引時の潤滑経路を示す断面図である。 メインボデイに形成した供給穴とトルクコンバータケースに形成した潤滑油路の関係を示す図である。 本発明第2実施形態の通常走行時の潤滑経路を示す図である。 本発明第2実施形態の車両被牽引時の潤滑経路を示す図である。
符号の説明
2 トランスミッションケース
4 トルクコンバータケース
6 トルクコンバータ
15 自動変速機
16 メインシャフト
22 5速−リバースクラッチ
24 5速ドライブギヤ
26 リバースドライブギヤ
28 オイルポンプ
30 カウンタシャフト
38 5速ドリブンギヤ
40 リバースドリブンギヤ
42 セレクタ機構
44 ディファレンシャル装置
48 ファイナルドリブンギヤ
66 リブ
70 メインボデイ
72 レギュレータボデイ
74 オイル受け
76 レギュレータバルブ
84 ボール
86 潤滑リリーフバルブ
100 切替バルブ

Claims (4)

  1. トルクコンバータを介してエンジンに連結されるメインシャフトと、該メインシャフトに回転自在に配設された高速段ドライブギヤと、該メインシャフトに回転自在に配設され前記高速段ドライブギヤと一体的に形成されたリバースドライブギヤと、前記メインシャフトと平行に配設されたカウンタシャフトと、該カウンタシャフトに回転自在に配設され前記高速段ドライブギヤと噛合する高速段ドリブンギヤと、該カウンタシャフトに回転自在に配設されリバースアイドルギヤを介して前記リバースドライブギヤと噛合するリバースドリブンギヤと、前記高速段ドリブンギヤ及び前記リバースドリブンギヤを選択的に前記カウンタシャフトに結合可能なセレクタ機構と、前記カウンタシャフトに回転不能に連結されたファイナルドライブギヤとを含んだ自動変速機と、
    該ファイナルドライブギヤに噛合するファイナルドリブンギヤを有するディファレンシャル装置とを備えた車両用駆動装置の潤滑構造であって、
    トランスミッションケース内部に前記ファイナルドリブンギヤにより掻き揚げられたオイルを捕獲するリブを設け、
    前記リブから滴下するオイルを自動変速機の変速制御のための油圧回路が形成されているバルブボデイの上部に設けられたオイル受けで受け、
    該オイル受けで受けたオイルを前記バルブボデイ内部に形成された油路を介して前記カウンタシャフト内部に供給するようにしたことを特徴とする車両用駆動装置の潤滑構造。
  2. 前記バルブボデイ内の前記油路に、車両の被牽引時には前記オイル受けで受けたオイルの通過を許容し、通常走行時にはオイルポンプの作動により供給されるオイルが前記オイル受けに導かれるのを防止する逆止弁を設けたことを特徴とする請求項1記載の車両用駆動装置の潤滑構造。
  3. 前記バルブボデイ内の前記油路に、車両の被牽引時には前記オイル受けで受けたオイルの通過を許容し、通常走行時にはオイルポンプ作動圧に直結する油圧を信号圧としてスプールを移動し、該オイルポンプからの圧油が前記オイル受けに供給されるのをブロックする切替弁を設けたことを特徴とする請求項1記載の車両用駆動装置の潤滑構造。
  4. 車両被牽引時に通常走行時と同一の前記バルブボデイ内部に形成された潤滑経路で潤滑を可能としたことを特徴とする請求項2又は3記載の車両用駆動装置の潤滑構造。
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