JP2008156286A - 化粧料 - Google Patents

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Yasuko Takeda
康子 武田
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公靖 丸藤
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Abstract

【課題】
本発明によれば、安息香酸, 安息香酸塩類などの各種化学合成品系の防腐剤を用いなくとも、細菌、カビ、酵母等によって品質が劣化しない、香りの良い化粧料(但し、洗浄剤組成物を除く)を提供する。
【解決手段】
本発明は、特別の香気を持つ天然精油と、強い抗菌活性を有する香料とを組み合わせることにより、全体として香りをまろやかにし、化粧品の防腐剤として使用可能とし、それらを用いた外用化粧料を得ることである。更にダマスコン、ムスク類、シス−3−ヘキセン−1−オール、ピネンから選ばれる少なくとも1種以上を更に含むことを特徴とする化粧料(但し、洗浄剤組成物を除く)であり、更に詳しくはシンナミックアルデヒドの含有量が0.005〜0.5%であることを特徴とする化粧料(但し、洗浄剤組成物を除く)である。
【選択図】なし

Description

本発明は薬事法指定の防腐剤を含有しない化粧料(但し、洗浄剤組成物を除く)に関するものである。更に詳しくは、特定の香料を使用した、薬事法指定の防腐剤を含有しない化粧料(但し、洗浄剤組成物を除く)に関する。
通常、化粧料は、製造から使用開始まで比較的長期間倉庫や店頭などで保存される場合が多く、また使用開始後も少量ずつ使用されるため、製造から全量使用し終わるまで長期間品質が安定している必要がある。従って化粧料の腐敗に伴う変質の防止は、その商品価値を損なわないためにきわめて重要である。
その為、従来化粧料には品質の劣化防止の目的で各種の化学合成品系の防腐剤が用いられている。このような化学合成品系の防腐剤としては、安息香酸及びその塩、イソプロピルメチルフェノール、パラオキシ安息香酸エステル(パラベン)、フェノキシエタノール、ソルビン酸及びその塩、デヒドロ酢酸及びその塩、塩化ベンザルコニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、感光素などが挙げられる。中でもパラオキシ安息香酸エステルやフェノキシエタノールは化粧料用防腐剤として汎用されている。(非特許文献1)
一般にこれらの化学合成品系の防腐剤は、規定量の添加ではカビ、酵母の発生を防止するには未だ充分ではなく、カビや酵母の発生を充分防止することができるようにするため添加量を多くしたり、顕著な効果を示すものを使用したりすると、皮膚刺激の問題が生じる場合もある。また、化粧料中で発育しやすい大腸菌や緑膿菌等は耐性菌ができやすいため、規定量添加しても腐敗を生ずる恐れがある。
また、天然物、特に植物由来からの抽出物を有効成分とする食品用保存料や、化粧料用防腐剤の開発が進められている。例えば、アルニカ、アロエ、ウイキョウ、エイジツ、オウバク、オウレン、オトギリソウ、カミツレ、クジン、ゲンノショウコ、サルビア、サンザシ、サンショウ、シコン、シソ、シャクヤク、シラカバ、スイカズラ、スギナ、セイヨウキズタ、セイヨウノコギリソウ、セージ、タイム、チャ、チョウジ、トウキ、ドクダミ、ニンニク、ハマメリス、ビワ、ホップ、ムクロジ、メリッサ、ユーカリ、ラベンダー、レモン、ローズマリー等から水や有機溶媒により抽出したものなどが挙げられる。(特許文献1)
しかし、上記の植物抽出物は安全性の点ではクリアするものの、ある特定の菌のみにしか効果が得られなかったり、また抗菌性が比較的弱かったりなど、化学合成品系の防腐剤と同等の防腐効果は得られない。また植物抽出物の中には特異な臭気を有するものが多く、2種類以上の植物抽出物の併用や、植物抽出物と化学合成品系の防腐剤とを併用することにより強い防腐効果を発揮することができても、外用化粧料へ配合した場合にその臭気などの点より商品価値が低下するため、有効な抗菌活性を示す量を配合することができないなどの問題があった。
また、化粧品の保存性を高める方法として、銀、銅、亜鉛などの抗菌性金属イオンをゼオライトにイオン交換させて抗菌性ゼオライトをつくり、これを有機系防腐剤の代替として頭髪化粧品に利用する技術が知られている(特許文献2)。また、微粒子状の抗菌性ゼオライト、2価以上の多価アルコールもしくは糖類または両者併用した混合物、有機酸もしくはその塩類または両者併用した混合物および水を必須成分として、抗菌性ゼオライトが再凝集や沈殿しにくくした抗菌性化粧料も提案されている。(特許文献3)
しかし、抗菌性ゼオライトは抗菌性の点では優れているが、化粧品用防腐剤として用いると皮膚刺激性が強く、実用性に乏しいという問題があった。
また、抗菌性金属イオンを含有する特定の抗菌性燐酸塩も化粧品用防腐剤として提案されている。(特許文献4)
また、商品に香りを付与するために使用される調合香料を構成する多数の香料の中に、強い抗菌活性を有する数種の香料が存在することが知られており、シンナミックアルデヒドも強い抗菌活性を持つ香料であることが知られている。(非特許文献2)
しかし、強い抗菌活性を有する香料は、非常に強い、化粧品にそぐわない香りを有しており、化粧品に防腐剤として効力が発揮される有効濃度を配合すると、臭くて商品にならないという問題がある。
特開2002−241217号公報 特開昭60−174707号公報 特開2000−7520号公報 特開平5−155733号公報 化粧品の実際知識 東洋経済新報社 1987年発行 Jon J.KABARA,香料系防腐剤 抗菌剤としての精油と香料物質,香粧品・医薬品 防腐・殺菌剤の科学(189−220),フレグランスジャーナル社1990年発行
本発明が解決しようとする問題点は、皮膚刺激他の問題が生じる可能性のある各種化学合成品系の防腐剤を用いず、強い抗菌活性を有する香料を防腐剤として効力が発揮される濃度配合すると、臭気が強すぎて、実際に使用できる外用化粧料を得ることが困難な点である。
本発明者らは上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、特別の香気を持つ天然精油と、シンナミックアルデヒドを組み合わせることにより、全体として香りがまろやかになり、シンナミックアルデヒドが防腐剤として効果のある濃度を使用しても香りがまろやかな化粧料が得られることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、カモミールオイル、ダバナオイル、ガルバナムオイル、バイオレットリーフオイルからなる群から選ばれる1種又は2種以上の精油とシンナミックアルデヒドを含有し、薬事法指定の防腐剤を含まないことを特徴とする化粧料(但し、洗浄剤組成物を除く)であり、更にダマスコン、ムスク類、シス−3−ヘキセン−1−オール、ピネンから選ばれる少なくとも1種以上を更に含むことを特徴とする化粧料(但し、洗浄剤組成物を除く)であり、更に詳しくはシンナミックアルデヒドの含有量が0.005〜0.5%であることを特徴とする化粧料(但し、洗浄剤組成物を除く)であり、例えば、化粧水、乳液、クリーム、パック剤、ハンドクリーム、浴用剤、育毛剤等のなどの化粧料(但し、洗浄剤組成物を除く)である。
本発明の化粧料は、安息香酸、安息香酸塩類、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、感光素、クロルクレゾール、クロロブタノール、サリチル酸、サリチル酸塩類、ソルビン酸及びその塩類、デヒドロ酢酸及びその塩類、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル(別名トリクロサン)、パラオキシ安息香酸エステル及びそのナトリウム塩、フェノキシエタノール、フェノール、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、レゾルシン、亜鉛・アンモニア・銀複合置換型ゼオライト、安息香酸パントテニルエチルエーテル、イソプロピルメチルフェノール、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、オルトフェニルフェノール、オルトフェニルフェノールナトリウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クレゾール、クロラミンT、クロルキシレノール、クロルフェネシン、クロルヘキシジン、1,3―ジメチロール―5,5―ジメチルヒダントイン、臭化アルキルイソキノリニウム、チアントール、チモール、トリクロロカルバニリド、パラクロルフェノール、ハロカルバン、ヒノキチオール、ピリチオン亜鉛、メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液、N,N―メチレンビス[N―(3―ヒドロキシメチル―2,5―ジオキソ―4―イミダゾリジニル)ウレア]、ヨウ化パラジメチルアミノスチリルヘプチルメチルチアゾリウムなど薬事法(平13厚労告158・一部改正)に挙げられる防腐剤を用いなくとも、細菌、カビ、酵母等によって品質が劣化しないという利点がある。
本発明に使用するカモミールオイルは、Matricaria chamomilla L.もしくはAnthemis nobilis L.の乾燥した花を水蒸気蒸留して得られる。ダバナオイルはArtemisia pallensの乾燥した全草を水蒸気蒸留して得られる。ガルバナムオイルはセリ科のFerula galbanifluaおよび近縁植物の浸出物を水蒸気蒸留して得られる。バイオレットリーフオイルはViola odorate L.の新鮮な葉を石油エーテルなどで抽出して得られるコンクリートをアルコールで再び抽出して得られる。これら精油類の化粧料への添加量は重要であり、化粧料中に含有されるシンナミックアルデヒドの0.0001〜3倍量が適当であり、より好ましくは、0.001〜2.5倍量である。前記範囲を外れると化粧料の香りに違和感が生じる。
本発明の化粧料に含有されるシンナミックアルデヒドの量は化粧料に対して0.005〜0.5%であり、より好ましくは0.006〜0.1%である。本発明のシンナミックアルデヒドの割合は重要であり、前記下限範囲をはずれると十分な防腐効果は得られず、上限範囲を超えると化粧料の香りに違和感が生じる。
本発明の化粧料に含有されるダマスコン、ムスク類、シス−3−ヘキセン−1−オール、ピネンの量は、特に制限されるものではなく、防腐効果が減弱せず、且つ、化粧料の香りに違和感を生じさせない程度に使用することができ、ダマスコンは調合香料中に2〜10%含有、あるいは化粧料中に0.001〜0.5%添加、ムスク類は調合香料中に10〜30%含有、あるいは化粧料中に0.01〜1%添加、シス−3−ヘキセン−1−オールは調合香料中に1〜5%含有、あるいは化粧料中に0.001〜0.3%添加、ピネンは調合香料中に0.5〜10%含有、あるいは化粧料中に0.01〜0.5%添加することが好ましい。
本発明の化粧料に含有されるムスク類としては、ガラクソリド、トナリド、ファントリド、トラセオリド、ムスクケトン、シクロペンタデカノリド、ムスコン、アンブレットリド、シクロヘキサデカノリド、シクロペンタデカノン、エチレンブラシレート等が挙げられるが、特に好ましいものはガラクソリドである。また、ムスク類の量は、特に制限されるものではなく、防腐効果が減弱せず、且つ化粧料の香りに違和感を生じさせない程度に使用することができる。
本発明の化粧料は上記した必須構成成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲において通常の化粧料に用いられる他の成分、例えば、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、ワックス、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、多価アルコール、エタノール、エステル、シリコーン、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、エキス類、チンキ類、生薬、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、溶剤、水等を必要に応じて適宜配合し、目的とする剤形に応じて常法により製造することが出来る。
以下に実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
〔配合例1〕
カモミールオイル:シンナミックアルデヒドを70:30の割合で配合した香料1を作成した。
〔配合例2〕
ダバナオイル:シンナミックアルデヒドを70:30の割合で配合した香料2を作成した。
〔配合例3〕
ガルバナムオイル:シンナミックアルデヒドを70:30の割合で配合した香料3を作成した。
〔配合例4〕
バイオレットリーフオイル:シンナミックアルデヒドを70:30の割合で配合した香料4を作成した。
〔配合例5〕
ラベンダーオイル:シンナミックアルデヒドを70:30の割合で配合した香料5を作成した。
〔配合例6〕
カモミールオイル:チモールを70:30の割合で配合した香料6を作成した。
〔配合例7〕
カモミールオイル:ユゲノールを70:30の割合で配合した香料7を作成した。
〔配合例8〕
カモミールオイル:シンナミックアルデヒド:α−ダマスコン:α−ピネンを63:30:2:5の割合で配合した香料8を作成した。
〔配合例9〕
カモミールオイル:シンナミックアルデヒド:シス−3−ヘキセン−1−オール:ガラクソリドを61:30:1:8の割合で配合した香料9を作成した。
〔配合例10〕
ラベンダーオイル:シンナミックアルデヒド:α−ダマスコン:α−ピネンを63:30:2:5の割合で配合した香料10を作成した。
〔試験例1〕
香料1〜香料10の調合香料を用いて枯草菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌に対する生育阻害試験を行った。
試験に用いた微生物は以下の通りである。
学 名 和 名 IFO番号 ATCC番号
Bacillus subtilis 枯草菌 3134 6633
Escherichia coli 大腸菌 3972 8739
Staphylococcus aureus 黄色ブドウ球菌 12732 6538P
Pseudomonas aeruginosa 緑膿菌 13275 9027
使用培地は、Meueller-Hinton Broth Medium " Becton Dickinson and Company "(以下、MH)22gを精製水1000mlに溶かし、121℃、10分間加圧滅菌したものを用いた。
検体の調製は、調合香料とTween80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)を同容量混合攪拌後、液体培地にて0.5%(V/V)となるように希釈したあと、2倍希釈列を作成する。パラオキシ安息香酸類はジメチルスルホキシド(以下、DMSO)に溶解して、検体液とし同様に行った。
菌液の調製は、各菌を1×107CFU/mlに調製した。
培養試験の方法は、検体100μl、菌液5μlをマイクロプレート上に取り、攪拌後密閉して37℃ 16〜18時間培養を行い、最小発育阻止濃度(MIC)判定を行った。
試験結果を表1に示す。
微量液体希釈法による調合香料とパラベン類のMIC%(W/V)
表1の結果から香料1〜10は化粧料の防腐剤として通常用いられる、パラベン類と比較して、枯草菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌に対して同等の生育阻害効果を示すことがわかる。
〔試験例2〕
香料1〜10の調合香料を用いてカンジダ、クロカビに対する生育阻害試験を行った。
試験に用いた微生物は以下の通りである。
学 名 和 名 IFO番号 ATCC番号
Candida albicans カンジダ 1594 10231
Aspergillus niger クロカビ 9455 16404
使用培地は、RPMI-1640 Medium " SIGMA "(以下、RPMI-1640 )10.4gと3-[N-morpholino] propanesulfonic acid “SIGMA” (以下MOPS)34.53gを精製水に溶かし、0.1N NaOHにてpHを7に調整し全量を1000mlとした後、フィルターにて滅菌したものを用いた。
検体の調製は、調合香料とTween80を同容量混合攪拌後、液体培地にて0.5%(V/V)となるように希釈したあと、2倍希釈列を作成する。パラオキシ安息香酸類はDMSOに溶解して、検体液とし同様に行った。
菌液の調製は、カンジダは2.5×103CFU/ml、クロカビは2.0×104CFU/mlに各々調製した。
試験の方法は、検体と菌液各50μl、マイクロプレート上に取り、攪拌後密閉して37℃ 46〜50時間培養を行い、最小発育阻止濃度判定を行った。結果を表2に示す。
微量液体希釈法のよる調合香料とパラベン類のMIC%(W/V)
表2の結果から香料1〜10は化粧料の防腐剤として通常用いられる、パラベン類と比較して、カンジダ、クロカビに対して同等の生育阻害効果を示すことがわかる。
各種化粧料の製造
本発明の化粧料に使用する各種化粧料ベースを作成した。以下に、その処方例(単位は全て質量部)を示すが、本発明の化粧料は、これらに限定されるものではない。また、各種化粧料ベースの作成は一般的な化粧料の製法に従って調製されるものである。
化粧水ベース
1,3−ブチレングリコール 3.0
グリセリン 2.0
オレイルアルコール 0.1
モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)
ソルビタン 0.5
ポリオキシエチレン(15)ラウリルエーテル 0.5
エチルアルコール 3.0
精製水 90.85
合計 99.95
上記処方により、以下の化粧水組成物を作成した。
クリームベース
ステアリン酸 2.0
ステアリルアルコール 6.0
水添ラノリン 4.0
スクワラン 9.0
オクチルドデカノール 10.0
1,3−ブチレングリコール 6.0
ポリエチレングリコール1500 4.0
ポリオキシエチレン(25)セチルエーテル 3.0
モノステアリン酸グリセリン 2.0
精製水 53.9
合計 99.9
上記処方により、以下のクリーム組成物を作成した。
〔試験例3〕
これら実施例1〜6ならびに比較例1〜8の各種化粧料のカビ及び菌に対する防腐効力試験を行った。
なお、試験は、第十四改正日本薬局方 第一追補 参考情報「保存効力試験法」を参考に行った。但し、試験菌は大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、カンジダ及びクロカビとした。
試験に用いた微生物は以下の通りである。
学 名 和 名 IFO番号 ATCC番号
Escherichia coli 大腸菌 3972 8739
Pseudomonas aeruginosa 緑膿菌 13275 9027
Staphylococcus aureus 黄色ブドウ球菌 12732 6538
Candida albicans カンジダ 1594 10231
Aspergillus niger クロカビ 9455 16404
試験方法
滅菌合成樹脂容器に入れた検体20gに別途調製した菌液0.1mlを添加、混合し、試料とした。試料を22.5℃±2.5℃で保存し、保存7、14、21、及び28日後に、大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、枯草菌はSCDLPA培地(日本製薬株式会社)、カンジダ、クロカビはGPLPA培地(日本製薬株式会社)を用いた寒天平板混釈法により生菌数を測定した。
なお、大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、枯草菌は32.5℃±2.5℃、カンジダ、クロカビは22.5℃±2.5℃で5日間培養した。
試験結果を表3に示す。
表中の○、△、×は、生菌数の増減を示し、試験開始時の生菌数と比較して50%以上の減少率が見られた場合を○、50%未満の減少が見られた場合を△、5%未満の減少率が見られた場合、生菌数未変化ならびに生菌数の増加が見られた場合を×とした。
各種化粧料のカビ及び菌に対する防腐効力試験結果
実施例1〜6は、防腐剤としてメチルパラベンを配合した化粧水(比較例4)およびクリーム(比較例8)と遜色のない効果が確認され、特に試験開始から14日後においては、実施例1〜6の方が、メチルパラベンよりも効果がいち早く発現していることが判る。更に、クリームにおいてはクロカビに著しい効果が認められた。
〔試験例4〕
実施例1および3の化粧水組成物と実施例4および5のクリーム組成物について、化粧水組成物は比較例2および3、クリーム組成物は比較例5および7と比較して、それぞれのビン香及び手の甲に塗布時の香りの良さについて、一般パネル(n=7)を用いて官能により評価を行った。尚、参考として化粧料ベース99.95に対しシンナミックアルデヒドを0.05配合した化粧水組成物、クリームベース99.9に対し、シンナミックアルデヒドを0.1配合したクリーム組成物の評価も行った。
香りの評価基準は下記の通り。
3:全く違和感無くかげる香り。
2:違和感無くかげる香り。
1:違和感がありよくない香り。
0:非常に違和感がありよくない香り。
結果を表4に示す。
各種化粧料の官能評価結果
表4の結果から、本発明の化粧料である化粧水組成物実施例1および3ならびにクリーム組成物実施例4および5は、非常に違和感の無いかぎやすい香りであることがわかる。
本発明によれば、安息香酸, 安息香酸塩類などの各種化学合成品系の防腐剤を用いなくとも、細菌、カビ、酵母等によって品質が劣化しない、香りの良い化粧料(但し、洗浄剤組成物を除く)を提供できる。


Claims (4)

  1. カモミールオイル、ダバナオイル、ガルバナムオイル、バイオレットリーフオイルからなる群から選ばれる1種又は2種以上の精油とシンナミックアルデヒドを含有し、薬事法指定の防腐剤を含まないことを特徴とする化粧料(但し、洗浄剤組成物を除く)。
  2. 更に、ダマスコン、ムスク類、シス−3−ヘキセン−1−オール、ピネンから選ばれる少なくとも1種以上を含むことを特徴とする請求項1記載の化粧料(但し、洗浄剤組成物を除く)。
  3. 防腐剤が安息香酸、安息香酸塩類、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、感光素、クロルクレゾール、クロロブタノール、サリチル酸、サリチル酸塩類、ソルビン酸及びその塩類、デヒドロ酢酸及びその塩類、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル(別名トリクロサン)、パラオキシ安息香酸エステル及びそのナトリウム塩、フェノキシエタノール、フェノール、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、レゾルシン、亜鉛・アンモニア・銀複合置換型ゼオライト、安息香酸パントテニルエチルエーテル、イソプロピルメチルフェノール、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、オルトフェニルフェノール、オルトフェニルフェノールナトリウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クレゾール、クロラミンT、クロルキシレノール、クロルフェネシン、クロルヘキシジン、1,3―ジメチロール―5,5―ジメチルヒダントイン、臭化アルキルイソキノリニウム、チアントール、チモール、トリクロロカルバニリド、パラクロルフェノール、ハロカルバン、ヒノキチオール、ピリチオン亜鉛、メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液、N,N―メチレンビス[N―(3―ヒドロキシメチル―2,5―ジオキソ―4―イミダゾリジニル)ウレア]、ヨウ化パラジメチルアミノスチリルヘプチルメチルチアゾリウムである請求項1記載の化粧料(但し、洗浄剤組成物を除く)。
  4. シンナミックアルデヒドの含有量が0.005〜0.5%であることを特徴とする請求項1又は2記載の化粧料(但し、洗浄剤組成物を除く)。
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