JP2008155014A - 癒着阻止用医用材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】いかなる組織、部位であっても確実に癒着を阻止できる医用材料の提供。
【解決手段】生体親和性基材からなる構造物を骨格とし、そこに多価アルコールを40重量%以上含有癒着阻止用医用材料。該生体親和性基材としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、シリコーン樹脂、フッ素含有ポリマーから選ばれる生体内非分解吸収性物質、またはコラーゲン、セルロース、カルボキシメチルセルロース、キチン、キトサン、澱粉、アミロース、アミロペクチン、デキストリン等の多糖類、ポリビニールアルコール、ポリエチレングリコール、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリ酪酸、ポリグリコール酸、ポリカブロン酸、ポリメチレン・カーポネート等の生体内分解吸収性物質から選ばれる基材であることが好ましい。該多価アルコールとしては、ポリエチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、グリセリン等が好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、創傷部とその周囲組織との間に生じる癒着を阻止する医用材料に関し、より詳しくは、本発明は生体内親和性基材からなる構造物として、生体内親和性基材として生体内非吸収性物質を用いた場合には、癒着を阻止した後に生体の構造物として機能させることができ、また生体内親和性基材として生体内分解吸収性物質を用いた場合には、生体内に植え込まれると、癒着防止を達成できるまでの一定期間経過後に分散し分解吸収される癒着阻止用医用材料に関する。
癒着阻止用医用材料には、現在臨床では主としてGenzyme Corporationが製造する癒着防止材料が使用されている。これはヒアルロン酸とカルボキシメチルセルロース(CMC)を脱水剤であるカルボジイミドを用いて架橋を導入したポリアニオン系の親水性生分解性ポリマーからなり、SeprafilmTRの名で発売されている。本製品は腹部手術での癒着防止を目的とした製品である。しかし本製品は胸部外科領域での癒着防止は製品の適応外であり、実際動物実験で胸部外科領域に用いても効果は見られない。しかし、なぜ腹部で効果を発揮し、胸部では効果がないのかは明らかにされていない。
従来の癒着予防に関する技術としては、大きく3に分けられると考えられる。一つは癒着予防が必要な部位に、物理的障壁として挿入し癒着を予防する(非特許文献、および特許文献1〜3)、二つ目はその材料自身に細胞を排除する性質を持たせることで、癒着を予防するもので、細胞を排除するための形状面での工夫も行われている(特許文献4〜6)。最後はその材料から癒着を予防し得る物質を放出することで、その周囲の癒着を予防するものである(特許文献7,8)。
非特許文献1にはシリコーンを用いた癒着防止が述べられている。
特許文献1にはPTFEを用いた透明性の高い癒着防止材料が開示されている。
特許文献2にはセルロース誘導体を原料とした癒着防止材料が開示されている。
特許文献3には生体内分解性ポリマーである乳酸とグリコール酸からなる癒着防止材料が開示されている。
特許文献4には親水性ポリマーによる被覆によって、癒着を予防する手段が開示されている。
特許文献5にはポリイオンコンプレックスからなる癒着防止材料が開示されている。
特許文献6には生体内分解性ポリマーの繊維構造体による癒着防止材料が開示されており、繊維の太さ、窪みのサイズが規定されている。
特許文献7にはヘパリンが含有された癒着防止バリアーが開示されている。
特許文献8にはTIMP1に対する抗体あるいはアンチセンスによる癒着防止方法が開示されている。
特許文献9にはヒアルロン酸の如き、ポリアニオン系ポリマーのハイドロジェルで癒着が阻止できると記載されている。
臨床消化器内科8巻4号579-584ページ(1993年3月発行) 特開平10−24461号公報 特開平1−301624号公報 特開昭60−14861号公報 特表平3−504602号公報 特開2000−116765号公報 JPWO 2004−089433号公報 特開昭63−102752号公報 特表2002−526556号公報 特表昭61−502729号公報
しかし、例えばシリコーン膜を癒着予防が必要な臓器あるいは組織の間に置くことで癒着組織形成を阻止できる場合もあるが、いかなる部位でも癒着阻止が達成できず、さらに創傷部位と周囲組織間を隔てるために置くための材料自体が問題となる場合があった。例えばシリコーン膜を使用した場合には、それを取り囲んで被包組織が形成され、その被包組織よる癒着や瘢痕性の収縮などの障害が生じていた。
その様な問題を克服するために、生体内で吸収可能な物質による癒着防止が計られるようになった。生体内で吸収される生分解性の医用材料は、縫合糸を始め、多くの領域で使用されてきており、その多くは生体内に植え込まれた後に3ケ月程度で、例えば縫合糸の場合では力学的強度が低下し、かなりの部分が劣化して吸収が開始されるなどの特性を持つ。現在、臨床の場ではポリ乳酸やポリグリコール酸、ポリカプロン酸などが使用され、メッシュ状や膜状の材料として使用されている実績のある材料ではあるが、これらの多くの材料は疎水的な性質を持つ材料であって、材料自体の生体との親和性に問題が残っている。
生分解性物質のうち、親水性ポリマーで生分解性の特性が利用されているが、これらのポリマーを用いたin vitroのテストでは、48時間までの間は、細胞の侵入が阻止されていることが示されているが、それ以降は細胞が侵入しており、癒着の阻止は困難と考えられる。
これら生体内非吸収性または生体内吸収性物質による癒着防止は、材料自身によって創傷部と周囲組織の接触を遮断することで癒着を防止することを基本としている。しかし、この方法では完全に細胞の侵入を抑えることが難しく、確実な癒着阻止を達成することは困難、あるいは材料自身の問題が課題として残っている。
またポリアニオン系ポリマーのハイドロジェルによる癒着防止も知られているが、ハイドロジェルの形態維持性の低さが問題となり、圧迫などに抗して確実に創傷部と周囲組織の接触を予防する能力は低い。
一方、癒着防止材料より癒着を予防する物質、具体的にはヘパリンを用いた癒着防止も試みられている。ヘパリンを用いることによってフィブリン網の形成が阻害されるため、遊走細胞は足場であるフィブリン網が無いために、癒着が形成されないとの仮定に基づくものである。しかしながら、この方法の欠点として、ヘパリンを徐放出させ続けねばならない事にある。そのために手術後にヘパリンによる副作用のため出血が生じる恐れから使用に制限があり、出血をそれほど気にしない部位、もしくはその様な手術にしか使用できない問題があった。さらには癒着防止の効果を十分に得ることができなかった。
原料物質としての課題の他に、その効果について癒着阻止が困難な部位、組織等で重大な課題がある。
従来の癒着防止材料では癒着防止効果、特に腹腔内の手術で癒着防止効果が見られる場合がある。たとえば、小腸漿膜表面の傷であれば、癒着組織が形成される前段階として傷の上にフィブリンのネットワークが形成される。そしてそのネットワークが周囲の腸管もしくは腹腔壁との間を結びつけて、そこに線維芽細胞が侵入し、コラーゲン線維を産生して癒着組織を作り始める。この現象は、3日から始まり7日程度で極めて活発となる。
しかしながら多くの腹腔内での手術、小腸の手術の後では、術後2ないし3日目には腸管の蠕動運動が始まる。そうなると、腸管が大きく動くので、その力によって、創傷部と周囲組織との間に形成されたフィブリンのネットワークは容易にちぎられて、周囲組織との間の結合が剥がれ、その結果、その部位での癒着組織の形成にまでは至らない。術後2ないし3日目には、線維素溶解現象によってフィブリンのネットワークが溶かされるので、フィブリン網は弱くなり、ちぎれやすくなっている。つまり、組織に活発な動きがある場合には、その動きのために癒着のきっかけとなるフィブリン網が壊されるため、癒着が形成されず、使用した癒着防止材料による効果とは言い難い。
腹腔内で自由に動く小腸の影響があるところではそのような現象が期待され、癒着は生じにくい。しかしながら、骨盤内の傷や、大腸の後腹膜に固定された領域に近いあたりの傷、腹腔内の大網組織が傷の全面に位置した場合等では、腸管の自由な動きによる癒着組織形成の自然な阻止作用が及ばないので、癒着を生じやすい。
また腹腔内にある大網組織では、腸管のような大きな蠕動運動がないので形成されたフィブリン網がちぎれるような動きが期待できないことから、癒着は発生しやすい。
更には胸腔内や頭蓋内、心膜内、硬膜内などにおいては、術後2ないし3日後に始まる腸管の大きな動きというのは無いのでその部位にフィブリンのネットワークができてしまえば、線推素溶解現象が進むのが早いか、それとも線維芽細胞の侵入によってコラーゲン繊維網が形成されるのが早いかの競争となり、後者が勝ればその部に癒着組織が形成される。
本発明者は癒着組織の問題について攻究し、次のような知見を得た。
即ち、癒着が生じている部分では、組織修復部位の細胞から細胞成長因子などのサイトカインが多量に産生されていること、及び、癒着防止材料の内部に侵入したマクロファージなどの貪食細胞が多量のサイトカインを産生している。これらのサイトカインが局所に高濃度に貯留することによって周囲から組織修復を行う線維芽細胞などが活発に遊走、侵入し、それらの細胞が多量のコラーゲン線維を産生するため、急速に癒着組織が形成されることが判明した。従って、高濃度に貯留するサイトカインを、その部位から取り除き、健常な部分へ分散させ、更には創傷部位に侵入してくるマクロファージの活動を抑え、マクロファージが産生するサイトカインも健常部位に分散させる事が必要となる。そしてサイトカインの処理を行いつつ、癒着阻止材料を用いて創傷部位を保持し、周囲組織から遠ざけ、治癒を自然に行わせ創傷部位が完全に治癒させることで、癒着を防止できると考えるに至った。この機能を有する材料であれば、従来癒着防止が困難であった蠕動運動によるフィブリン網の破壊が期待できない部位の癒着も予防できる材料となりうると考え、上記知見を実現する手段を開発し本発明を完成させた。
本発明はいかなる組織、部位であっても確実に癒着を阻止できる医用材料を提供することを目的に開発されたものである。
本発明の要旨は生体親和性基材からなる構造物を骨格とし、そこに多価アルコールを40重量%以上含むことを特徴とする癒着阻止用医用材料である。
即ち、損傷部において細胞が各種のサイトカインを産生するのは自然の働きであり、それを阻止することは不可能である。従ってこの問題を解決するには、本発明の生体内親和性基材からなる構造物より多価アルコールが基材周囲に放散し、それが水分と混和することによって、生体内親和性基材の周囲に一層の水分層が形成される。その水分層には周囲から細胞が侵入することが無く、また創傷部位に形成されたフィブリン網周囲に産生されたサイトカイン類の影響を受けることが無く、創傷部位で産生されたコラーゲンによる癒着を予防できるのである。当然、癒着阻止材料にも細胞が侵入することはない。
本発明にかかる癒着阻止材料は創傷を受けた部位と周囲組織との間隙へ挿入し、癒着阻止材料が間隙に存在することで間隙がフィブリン網によって結びつくことを阻止し、創傷部と周囲組織間の癒着組織形成を抑える事ができる。具体的には本発明にかかる癒着阻止材料は特に腹腔内、胸腔内、頭蓋内、心嚢内等において、癒着を防ぎつつ組織修復を誘導する部位や、心筋内、血管内、肝臓内、眼球周囲、眼球内、鼻腔内、結合組織内、腱鞘内、硬膜内、脊髄腱内、気管内、気管枝内等において損傷を受けた壁面や組織内に穿った管腔壁面などの創傷治癒促進などにおいて好適に使用可能である。さらには従来の癒着防止材料では予防が困難であった蠕動運動の少ない組織等においても確実に癒着を予防することが可能となる。具体的には腹腔内でも腸の蠕動運動の少なくて癒着の生じやすい部位においても、また胸腔内や頭蓋内のような癒着の生じやすい部位においても癒着を阻止することが可能となる。
また癒着を防止した後も、膜等の形状が機能として必要な場合には生体内非吸収性物質を基材として使用し、癒着防止後に残留が問題になると予想される部位では、生体内吸収性物質を基材として用いると言うように、用途によって材料を選択することができる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられる生体内親和性基材は、従来知られている埋植に用いられる材料を使用でき、さらには生体内非吸収性物質であっても、生体内吸収性物質のいずれも使用することができる。
生体内非吸収性物質としては、合成高分子であるポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、シリコーン樹脂、フッ素含有樹脂等を用いることができる。
生体内分解吸収性物質としては天然由来高分子であるコラーゲン、セルロース、キチン、キトサン、多糖頬、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、その分解生産物アミロース、アミロペクチン、デキストリン、合成アミロース等、合成高分子であるポリビニールアルコール、ポリエチレングリコール、ポリカブロラクトン、ポリ乳酸、ポリ酪酸、ポリグリコール酸、ポリカブロン酸、ポリアラキドン酸、ポリパラドキ酸、ポリメチレン・カーボネート及び、それらの誘導体等を用いることができる。
これらの生体親和性基材の構造物は膜状、球状、紐状、棒状、板状、管状、方形状等使用目的、部位に適した形態とすることができる。形状については使用される部位によって異なり、これらの形状のうち目的を達成できる形状であれば、いずれの形状であっても用いることができる。
これら生体親和性基材構造物の厚みは10〜2000ミクロンが好ましく、この厚さより薄い場合には物理的障壁としての機能が不十分であり、この厚さ以上の場合には生体組織の機能維持に障害となる。
生体親和性基材の構造物のうち、生体内非吸収性物質は癒着阻止が達成された後にも、その構造物の形状としての機能、物理強度等が求められる場合に用いられる。具体的には代用脳硬膜、代用心嚢膜等の用途が考えられる。
生体親和性物質の構造物のうち、生体内吸収性物質を用いる場合は、癒着阻止が達成された後に、その物質が残留することで問題を起こすと予想される場合、部位に使用される。予想される問題としては、構造物がいつまでも生体内に存在し続けた場合に、それを取り囲んで生体組織によるカプセルが形成され、そのカプセルが癒着の原因となりかねないため、ある程度の期間で消失する事が望ましい。
本発明ではその期間を検討した結果、生体内における材料の形態維持日数(T)が3<T<30であることが望ましい。この期間より短い場合には、十分な癒着防止効果を得ることができないが、これは前にも述べた通りフィブリン網の形成、コラーゲン線維形成が開始される3日以上は形態の維持が必要である。反対にこれより長い場合には、カプセルを形成しやすくなる等、問題が発生する可能性があるために、形態が崩壊することが望ましい。
形態維持日数を調節するためには、生体内吸収性物質に架橋処理を行い生体内である程度の不溶化することが行われる。この不溶化によって、生体内において一定期間の形態維持を得て、その後、分解吸収される。そのような物性を与えるための架橋処理としては、グルタールアルデヒドやフォルムアルデヒド、ポリエポキシ化合物、ヘキサメテレンジイソシアネート等の化学架橋剤による処理、ガンマー線、電子線などの照射、加熱による熱架橋、繰り返しの凍結・融解による架橋等の物理的手段を用いてもよい。これらの架橋化処理は架橋剤が残存して細胞毒性を生じるといった不都合がなければ、如何なる架橋方法でも問題はない。
この架橋によって、本発明の癒着阻止用医用材料が3日以上、30日以下の期間、その形態が維持させるよう、架橋の程度を調整することにより、癒着阻止を達成後、カプセル化等の問題を発生することなく、分解、吸収される癒着阻止用医療材料を得ることができる。
本発明の原理に沿って癒着を防止するには、基材が多価アルコールを40重量%以上保有する必要がある。望ましくはさらに50%以上、更に望ましくは60%以上それらを保持することで効果を発揮する。
このように多量の多価アルコールが構造物より周囲に放散され構造物表面に存在することで、周囲から大量の水を流入し保持された状態となる。この時、周囲にインターロイキン、コロニー刺激因子等の各種サイトカインが存在する際には細胞遊走を誘発するが、これらが構造物周囲に形成された多量の水層によって、細胞の遊走を防ぐことができる。
使用される多価アルコールとしては、本発明の癒着阻止材料を埋植した際に、構造物の周囲に放散する多価アルコールであればいかなる多価アルコールも用いることができる。具体的にはポリエチレングリコール、メチルグリセロール、ポリオキシエレングリコシド、マルチトール、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、バリン、プロピレングリコール、グリセロール、ポリグリセリン、グリセリン脂肪酸エステルの群から選ばれる少なくとも一つ以上であることが望ましいが、特にグリセロール、キシリトール、ソルビトール、低分子ポリエチレングリコールなど、医療分野や食品分野で使用されている多価アルコールが望ましい。
構造物である生体親和性基材が疎水性の場合には、本発明の癒着阻止材料を埋植した際に、多価アルコールと共に構造物の周囲に放散する生体系保湿剤を用いることはできる。これは構造物周囲に水層形成の目的の他に、構造物に柔軟性を持たせることを目的としたものである。
用いることのできる生体系保湿剤としては、NMF(自然保湿因子)、アクアライサーEJ、プロヂュウ、混合異性化糖(ベンタバイテン)、アミノ酸、L−アスパラギン酸、L一アスパラギン酸ナトリウム、Dレアラニン、L−アルギニン、L−イソロイシン、塩酸リジン(L−リジン塩酸塩)、グリシン(アミノ酢酸)、L−グルタミン、L−グルタミン酸、L−グルタミン酸ナトリウム、ガンマーアミノ絡酸(ピペリジン)、L−スレオニン(L−トレオニン)、セリシン、セリン、レチロシン(L−チロジン)、L−トリプトファン、L−バリン、L−ヒスチジン塩酸塩、L−ヒドロキシプロリン(L一オキシプロリン)、フェニルアラニン、L−プロリン、L―口イシン、DL−ピロリドンカルボン酸(PCA)、DL−ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、尿素、尿酸、酸性ムコ多糖類、臍帯抽出液、鶏冠抽出液、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、グルクロン酸、グルクロン、コラーゲン、可溶性コラーゲン、コラーゲン加水分解物(ゼラチン)、アテロコラーゲン、エラスチン、水溶性エラスチン、細胞間脂質、スフィンゴ脂質(セラミド)、HSオイル、ケラチン、加水分解ケラチン、ケラチンアミノ酸、シスチン、L−メチオニン、シスチン、核酸、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、グアノシン、グアニン、リン酸、アデノシン3リン酸(ATP)、トリプトファンアデノシン、リン酸リボフラビンナトリウム、リン脂質、レシチン、大豆リン脂質(大豆レシチン)、大豆リゾリン脂質(リゾレシチン)、卵黄レシチン(卵黄リン脂質)、酵素、植物性複合酵素、蛋白分解酵素、脂肪分解酵素(リパーゼ)、のグループの中から選ばれた少なくとも一つ以上を含むものを用いることができる。
これら生体系保湿剤の含有量は種類によって異なり制限はないが、癒着阻止材料が柔軟性を持つ量が必要となる。
本発明にかかる癒着阻止材料に用いられる多価アルコール、生体系保湿剤は構造物内部で化学的や物埋的な手段で固定化されている必要はなく、ただ単に含有されていれば良い。このようにして多量の多価アルコールや生体系保湿成分を含有した場合、その構造物は周囲から持続的に水を吸収し始めると同時に、多価アルコールや生体系保湿成分は癒着阻止材料の外に出始めて、材料の外部においても水を抱え込み、癒着防止の効果をもたらす。
また本発明の癒着阻止材料の形状は、適応する部位に最適な形状にして用いられる。具体的には膜状、球状、紐状、棒状、板状、管状、方形状等のいずれかの形態とすることができる。また、適用方法としてスプレーの様に噴霧する方法も可能である。具体的には本発明の癒着阻止材料を微細な粉体とし、それを加圧状態の容器より噴霧させる、あるいは粉体となった生体親和性基材からなる構造物とアルコールが、噴霧時に一体となるようにすること等の方法によって可能となる。
膜状物は癒着を要望したい組織の間に挿入し用いられ、大きさ、形は使用時に調整される。球状物、方状物については、癒着阻止が望まれる欠損部に充填し用いられ、充填に必要な量が用いられる。紐状物は、例えば癒着阻止が望まれる筒状部位の周囲に巻き付けて用いることができる。棒状物は、例えば癒着阻止が望まれる腔、瘻等に挿入して用いることができる。板状物は膜状と類似の用い方がなされるが、膜状と違い柔軟性を持たない形状である。管状物は、例えばドレナージ用チューブ等の管状で周囲との癒着を阻止したい場合に用いられる。
本発明の膜状物等各種形状について、多価アルコールを含む生体親和性膜状物の一方の面に、多価アルコールを透過することの無い膜状物を組み合わせ癒着阻止材料とすることもできる。
本発明の癒着阻止用医用材料は癒着防止の他に、血栓付着防止、細胞の付着防止の機能も持ち、腹腔内、胸腔内、頭蓋内、心嚢内、心室内、心筋内、血管内、肝臓内、眼球周囲、眼球内、涙管内、鼻腔内、結合組織内、腱鞘内、硬膜内、脊髄腔内、気管内、気管枝内、の何れかの部位において使用することができる。
本発明にかかる医用材料の製造方法においては、生体内親和性基材で、膜状、球状、紐状、棒状、板状、管腱状、方形状等の構造物に成型した後に多価アルコールを含有付着させる。生体内親和性基材が生体内吸収性物質である場合、構造物とした後に不溶化処理を行い、その後に多価アルコール、及び/又は、生体系保湿成分を含有付着させる。
更に生体内親和性基材が水に溶解できる物質である場合、膜状、球状、紐状、棒状、板状、管腔状、方形状等の構造物に成型する際に、水溶液とした基材の物質を所望の形状の型に入れた後に、それを凍結乾燥することによってスポンジ状の構造物を作ることができる。乾燥後それを不溶化し、その後スポンジ状構造物に再び液状物を流し込ませた後に乾燥させる製造することができる。
このような材料を製造する過程においては、多価アルコール、及び/又は、生体系保湿成分を保有させる際に、不溶化後に、まずは含水により構造物を膨潤させ、その後に多価アルコール、及び/又は、生体系保湿成分を保有する液体に構造物を触れさせ、水と多価アルコール、及び/又は、生体系保湿成分とを置換させて、構造物内に多量の多価アルコール、及び/又は、生体系保湿成分を残す、という順序を、製造過程の少なくとも一部に持つ事が好ましい。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例により制限されるものではない。
実施例1
平均分子量が約10万未満のカルボキシメチルセルロース(CMC)を用いて、癒着阻止用膜のテストサンプルを作成した。まず、このCMCを塩酸によってpH3.5として、重量濃度2.5%の溶液を作り、この溶液をテフロンシャーレの中に流して凍結乾燥させスポンジを作成した。作成後、120℃で12時間、減圧しつつ加熱して空気に曝さないように配慮し、熱架橋を導入したスポンジの板を作成した。
つぎにそのスポンジ板に、先ほど使用したCMC液を更に重層的に注いで、スポンジ内を充満させた。これを自然乾燥させて、CMCの膜を作成し、更に120℃で12時間、減圧して空気に曝さないように配慮して熱架橋を行い、CMCの熱架橋膜を作成した。このときの膜の乾燥重量を測定しておいた。
作成した膜を蒸留水の中で一昼夜洗浄して、酸性を中和、洗浄後、この膜を10%のグリセロールに浸漬させ、水とグリセロールを置換させた。この処置によって、厚み0.1mm、で大きさ6cm×12cmの膜を作成した。このときの重量を測定し、乾燥重量との対比によってこの膜の中に含まれるグリセロールの重量%を算出した結果、約70重量%であった。作成した膜は紫外線照射によって滅菌した。
実施例2
実施例1で作成した、グリセロールを浸漬させる前の膜に、常温で固形のキシリトールを浸漬させた。
キシリトールの粉未を水に溶解し、その水溶液を調製した。その中に乾燥した膜を浸漬させることによって、膜が水で膨潤し、その後にキシリトールを染み込増すことが可能であった。何回か浸漬させた後に乾燥させることによって、40%以上のキシリトールをしみ込ませた膜を作成した。
実施例3
実施例2において、キシリトールの代わりにソルビトールを用いることで、同様に40%以上のソルビトールをしみ込ませた膜を作成した。
実施例4
実施例2において、キシリトールの代わりに分子量300のポリエチレングリコールを用いることで、同様に40%以上のポリエチレングリコールをしみ込ませた膜を作成した。
実施例5
平均分子量10万のCMCを塩酸酸性によってpH3.5にして、重量濃度2.5%の溶液を作った。
次にその溶液をテフロンシャーレの中に流して凍結乾燥させ、その後に、120℃で12時間、減圧し加熱して空気に曝さないように配慮し、熱架橋を行って、不溶化されたフィルムを作成した。
つぎにそのフィルムに、先ほど使用したCMC液を更に重層的に注いだ後、それを自然乾燥させて、CMCの膜を作成し、更に120℃で12時間、減圧して空気に曝さないように配慮して熱架橋を行い、CMCの熱架橋膜を作成した。
できた不溶性の膜を蒸留水の中で一昼夜洗浄して、塩酸を洗浄し酸性を中和した。
つぎに洗浄した膜を100%のグリセリン液に一昼夜浸漬させて、水とグリセロールを置換させた。この処置によって、厚み0.1mm、広さ6cm×12cmの膜を作成した。この膜の中に含まれるグリセリンの量は、約90重量%であった。
このようにして作成した膜を紫外線照射によって滅菌した。
実施例6
実施例4においてグリセロールを保有させるプロセスの時間を調整することによって、グリセロールの含量を変えた膜を作成した。その結果、グリセロールの含有量が20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%の膜を作ることができた。
なお、グリセロールの定量は、液クロマトグラフィー法によっても行った。液クロマトグラフィー法は作成したグリセロール保有の膜からグリセロールを水で溶出し、その溶出液の中に含まれるグリセロールの量を液クロマトグラフィーで測定した。液体クロマトグラフィー(島津製作所)にカラム(昭和電工社製ShodexのSB802.5HQ)を用いてグリセロール量の定量を行った。
試験例1
癒着阻止の試験はJames W. Burns, M. Jude Colt, Laurette S. Burgess, Kevin C. Skinner: Preclinical Evaluation of SeprafilmTM Bioresorble Membrane.Eur J Surg, 163: Supple 577:40-48, 1997 及び James W. Burns, Laurett Burgess, Kevin Skinner, Rosalind Rose, M. Jude Colt, Michael P Diamond: A hyaluronate based gel for the prevention of postsurgical adhesion: evaluation in two aninal species. Fertility and Sterility 66: 5: 814−821, 1996.方法に準じて行った。
実施例1で作成した膜を、それぞれを3試料ずつラットの腹腔内に挿入し、腹壁と盲腸部分を擦過して傷を付けて、14日目に採取して、周囲との癒着と細胞の侵入を検査したところ、全ての例で癒着は認められなかった。
試験例2
胸部領域での抗癒着効果を観察する目的で、次の実験を行った。
ビーグル犬を全身麻酔下に気管内チューブを挿入して人工呼吸を施した後、左の第6肋間を開いて、肺を露出し、肺組織表面を自然乾燥させて肺表面の細胞に障害を与えた後に実施例5で作成した材料を肺組織と胸壁との間に置いて、術後の癒着状況を観察した。
材料を6cm×12cmの長方形として使用した。膜の厚さは約0.1mmであった。使用した動物は一つの試料につき3匹ずつであった。
術後2週間経過して、再び動物に全身麻酔をかけて、今度は第9肋間を開いて、前回手術の第6肋間の胸腔壁の手術創と肺組織との間の癒着状況を観察した。
このようにして胸部領域での癒着状態を観察してみると、40%、45%、50%、60%、70%のグリセリンの保有率を持つ膜では、全ての例で、癒着は見られなかったが、20%、30%、35%の膜ではそれぞれ3匹のうちで1匹ずつ肺組織の一部が胸壁に付着していた。使用した膜は全ての例で消失しており、その部位には存在していなかった。
光学顕微鏡による組織切片のへマトキシリン染色拭料の観察では、癒着していない部位では手術創部分は完全に修復され、その表面は連続した漿膜細胞、つまり中皮細胞の層が覆っていた20%、30%、35%のグリセロール保有の膜の癒着部分では、肺組織と胸壁との間は線維性の組織で結ばれ、線維芽細胞と毛細血管が多くみとめられた。
この実験の結果、グリセロールが少しでも保有されていると腹部領域では確実に癒着を防ぐことが明らかとなったが、胸部領域ではグリセリンの保有量が少なくとも40%以上保有していなければ、胸部領域では癒着を完全に阻止できない事が判明した。
試験例3
実施例2、3及び4で作成した、キシリトール、ソルビトール及び分子量300のポリエチレングリコールを含有する材料を用いて、試験例2と同じ試験を行ったところ、グリセロールとほぼ同じく、40%以上保有していれば、腹部領域と胸部領域で抗癒着効果を発揮する結果を得た。
比較例1
動物実験として、イヌを全身麻酔下に清潔操作で第6肋間を開いて肺を露出した。このとき、肺組織を1時間空気に曝して、肺表面の細胞に障害を与えて、その後に胸を閉じた。
胸を閉じるに当たって、3頭のイヌでは実施例1で作成した膜を傷の直下で、肺と胸腔壁との間に置いて閉胸した。また3頭のイヌでは、対照として市販のセブラフイルムを同様に傷の直下に置いた。真に対象の実験としては、3頭のイヌでは、それらの膜を置くことなく単純に閉胸した。
なお対照品として使用した市販のセブラフイルムは、ヒアルロン酸、CMC、をEDC(トエチルー3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)により架橋された膜であって、グリセロールは保有されていない。
手術後2週間経過して動物を全身麻酔にかけて、第8肋間から開胸して、傷への肺組織の癒着状況を観察した結果、作成した膜を使用した例は3頭とも全く肺組織の癒着は見られなかった。これに対して、セブラフイルムを使用した例の3頭と、膜を使用しなかった例の3頭では、全ての例において肺組織の胸腔壁への全面的な癒着が見られた。そしてその癒着組織は、鈍的に剥がすことは不可能であり、剪刀によって剥がしたが、この剥離作業によって肺組織の一部に欠損が生じた。すなわち、癒着によって、再手術時には肺組織を傷害する恐れのあることが示された。
比較例2
心膜における癒着防止が可能かどうかの検討を行った。
前述したイヌの実験と同じように、動物を全身麻酔下で清潔操作のもとで左第8肋間から開胸し、肺組織をガーゼでくるみ下方に押しやり、心臓を取り囲む心膜を露出した。
次に心膜を切開した後に、心臓を露出し、1時間空気に曝した後に、心臓表面を軽くガーゼで擦過し、表面に障害を与えた。そして心膜を元通りに縫合し、肺組織をさらに元の位置に戻して閉胸し、手術を終わった。
この心膜縫合に際して、膜を閉じる前に、実施例1で作成したCMC膜の6cm平方を心臓と心膜との間に挿入して膜を閉じる実験を3頭のイヌにおいて行った。また、同様に3頭のイヌにおいてはセブラフイルムを同じサイズに切ってその場に置いた。また3頭のイヌにおいては膜を置くことなく心膜の切開部を閉じた。
手術後2週間経過してイヌを全身麻酔下に開胸し、心膜部分を観察したところ、作成したCMC膜では全く癒着は認められなかった。これに対して、セブラフイルム群と膜を使用しなかった群では、全ての例において、心膜と心臓とが癒着していた。
これらの癒着例では、その癒着を剥離するためには、鈍的な手法では剥離することができなかったために、一部は剪刀をもちいて剥離したが、この時心臓組織の一部を損傷した。すなわち心臓手術にて再手術を行う必要があれば、前回の手術によって心膜と心臓との間で癒着がおきていることから、それを剥離するための操作において心臓組織を傷害する恐れのあることを示している。

Claims (9)

  1. 生体親和性基材からなる構造物を骨格とし、そこに多価アルコールを40重量%以上含有することを特徴とする癒着阻止用医用材料。
  2. 前記生体親和性基材がポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、シリコーン樹脂、フッ素含有ポリマーからなる群から選ばれた少なくとも1種の生体内非分解吸収性物質、またはコラーゲン、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、キチン、キトサン、澱粉又はその分解産物である多糖類、合成高分子である、ポリビニールアルコール、ポリエチレングリコール、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリ酪酸、ポリグリコール酸、ポリカブロン酸、ポリアラキドン酸、ポリパラドキ酸、ポリメチレン・カーポネート及びそれらの誘導体、アミロース、アミロペクチン、デキストリン、合成アミロースからなる群から選ばれた少なくとも1種の生体内分解吸収性物質の何れかである請求項1記載の癒着阻止用医用材料。
  3. 前記生体親和性基材からなる構造物の厚みが10〜2000ミクロンで、膜状、球状、紐状、棒状、板状、管状、方形状のいずれかの形態を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の癒着阻止用医用材料。
  4. 前記生体親和性基材が生体内分解吸収性物質であって、生体内における形態維持日数(T)が3<T<30であることを特徴とする請求項1〜3の何れかの項に記載の癒着阻止用医用材料。
  5. 前記多価アルコールがポリエチレングリコール、メチルグリセロール、ポリオキシエチレングリコーシド、マルチトール、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、ジプロビレングリコール、ブチレングリコール、バリン、プロピレングリコール、グリセロール、ポリグリセリン、グリセリン脂肪酸エステルからなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜4の何れかの項に記載の癒着阻止用医用材料。
  6. 前記多価アルコールと共に生体系保湿成分を含有することを特徴とする請求項1〜5の何れかの項に記載の癒着阻止用医用材料。
  7. 前記多価アルコールを含む生体親和性基材からなる膜状構造物の片面に、当該多価アルコールを透過することのない膜を積層したことを特徴とする請求項1〜6の何れかの項に記載の癒着阻止用医用材料。
  8. 生体内親和性基材を、膜状、球状、紐状、棒状、板状、管腔状、方形状から達ばれた少なくとも一つの形状の構造物に成型した後に多価アルコールを、若しくは多価アルコールと生体系保湿成分を含有付着させることを特徴とする請求項1〜7の何れかの項に記載の癒着阻止用医用材料の製造方法。
  9. 生体内分解吸収性物質を溶液状態とした後に、凍結乾燥によってスポンジ状の膜状、球状、紐状、棒状、板状、管腔状、方形状等から選ばれた少なくとも一つの形態の構造物を作り、それを不溶化し、次に不溶化後のスポンジ状構造物に再び前記溶液状の生体内吸収分散物質を流し込ませた後に自然乾燥させ、この状態で再び不溶化する工程、という順序を、製造過程の少なくとも一部に持つ事を特徴とする請求項1〜8の何れかの項に記載の癒着阻止用医用材料の製造方法。
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