JPS596061A - 生体組織癒着防止膜 - Google Patents

生体組織癒着防止膜

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JPS596061A
JPS596061A JP57113987A JP11398782A JPS596061A JP S596061 A JPS596061 A JP S596061A JP 57113987 A JP57113987 A JP 57113987A JP 11398782 A JP11398782 A JP 11398782A JP S596061 A JPS596061 A JP S596061A
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alcohol
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寺松 孝
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は1合成系ヒドロゲルからなる生体組織の癒着防
止用膜に係り、特に、従来の天然系または合成系のヒド
ロゲルには見られない優れた諸特性を有するヒドロゲル
からなる生体組織癒着防止膜に関する。
胸部心臓血管外柵((III(lr肛ICeill’f
l I(l V+LS151山Lrsurgery )
 、脳外科(cert+bral surgt+ry 
’)+  I11形外科(01川門++LC山しsur
gery )等の領域において1手術または外傷(もl
’+LllIlllL )に因り、横隔膜(市+Lll
lll’iLglll )。
6膜(心嚢) (peri+i+を山間1)、脳硬膜(
+l+ra m;tl、e+e++eel而山)、腹膜
(面1+cril、(■cum ) 、 腸間膜(圃s
e++ Ll!−r iu+o ) 、関節嚢(eal
lsl山L arLicularis)等の広範囲の切
除(reSeeLiou )を余儀なくされる場合も多
く。
これにより組織欠損(tissue dc[eeも)を
きたす。
このような広範囲欠損を補填するに十分な自家組織(a
ul、ogcnous Li5suc )の調達は困難
であることから9例えばテフロン、ポリエチレン、ポリ
プロピレンなどの合成(旧も山cial )高分子膜(
ままたは網)が用いられるが(J、 A、 Wabll
+aus+:B t+もal、 J、Trauma、 
6.332 (1966)+光野孝雄他2手術口、 7
15 (1963)、沢井端明1ロ外会誌、邸。
579 (1965) 、吉田忠、外科の領域、 7.
678(1950)。
松木守海9京大胸部研紀要; 14. I (1981
))、組織反応の比較的少ない(low I、1ssu
e reaeLivil、y)と言われるテフロン(J
、1111arriso++、 8urg、 0yue
eol、 UIJsl、、 。
584(1,957))、ポリエチレ7 (J、 A、
 Waldbausc++ t+l、 alJ、 l’
rauma、 6.332(1966)、  吉田忠、
外柵の領域、+678(1959))、ポリビニルアル
コール(西重敬、医学研究、 30. +t:3o(t
96o))等においても、なお炎症(io1’l肝uo
+i1.iolつが認められ、しかもその炎症が長期化
し、器質化(o+ρLlljZ4山引り の遅れる例が
指摘されている(松本守海1京大胸部研紀要 14.1
(1981)。
吉田忠、外科の領域、+  7,678(1959)、
  西重敬、医学研究、沖、 1.130(1960)
)ほか1例えば、ポリエチレンと金属網(タンタル、ニ
ッケル・クロム合金−Vil、allium  ステン
レス・スチール、アルミニウム、銀)は柔軟性1弾性(
伸展性)に欠け、ポリエチレン、セロハンでは被膜の肥
厚(1,ylosis 171e+1llsI+昆)を
きたし、また金属製網では疼痛(tlolt+r) 。
出血(In;morrhage ) 、  炎症を招き
(沢井端明1口外会誌、 65.579(1965)、
松本守海1京大胸部研紀要り、 +(+981)、吉田
忠、外科の領域、■678(+959))更に、ポリエ
チレン、セロハン、 金属m、  シリコン、ポリプロ
ピレン、ポリウレタンなどは、いずれも、心1藏、肺、
肝臓あるいは、胸壁間などに強Lr1zal・ion 
’) 、  炎症などをきたす(清水慶彦、寺松孝、化
学の領域、増刊x34. H8(tOsz))。また。
ポリビニルアルコールならびに生体組織(血液)から製
造されるフィブリン膜(1’1lJri++ rilm
 )は2体内において新生組織(IK++1山LSもo
cyl、c )が再生される以前に膨化(泥状化)また
は消失する傾向かあるほか、フィブリン膜は抗張力に劣
り、縫合が難しいなどの問題もある(沢井端明1口外会
誌、す。
579 (1965)、西重敬、臨床整外、Σ、 (6
) 437 (1970)。
医学研究、 30.1130(1960))。
前記の広範囲の組織欠損を補填する目的には。
生体組織に害を与えることなく、シかも癒着防止能が万
全で、かつ弾性に富む膜が望まれるが(西重敬、医学研
究、 30.1130(1960)、吉田忠、外Hの領
域、ヱ、 678 (1959)) 、上記のとおり、
いずれもなお十分ではない。
本発明は、前記広範囲の組織欠損の補填あるいは鍵手術
(1,c+oli+凹市tSLy’)においても求めら
れる癒着防止能の高く、シかも組織反応性(1’ore
igI+ 1朋1yreaeLiviLy )の低い人
工膜を提供する。
本発明者は、上記用途に適する合成高分子膜。
即ち、生体組織への損傷をきたさず、しかも近隣生体組
織と癒着しない高分子膜を探索した結果。
新たに、ポリビニルアルコールを原料とする新規高含水
ヒドロゲルを得、これが、上記目的に適する性能を有す
ることを見いだし1本発明を完成した。
生体組織の大部分には多量の水分が包埋されており、こ
の生体水分が生体の生命活動上きわめて重大な意義を有
するととは、既にしばしば指摘されているとおりである
(山ロ辰良、゛応用微生物研究セミナー1 ” + p
、55 (1979’)技報堂、上平恒。
表面+ 13.297 (1975) 、 W、 I)
rost−41aoseu、 Feder+山曲。
1’rf++5.+ 30 +  1539 (197
1) 、 J、IJ、A+ulrILtle cl、 
al 、  i’r+u+s。
Am、 Soe、 ArLi1’、I++I、+;n+
、 Org+u+S、 19+ 1 (1973L  
山村雄−2″新医化学”’ I+、 313 (198
1)南山堂)。
したがって、形成外科および整形外柵等の分野における
生体修復用埋入材の選定にあたり、生体組織の高含水性
に着目し、含水高分子物質(ヒドロゲル)が生体親和性
(適合性)に優れると期待されている(田辺達三他、゛
°人ロ血管” 11.56 (1977)南江堂。
S、 1)、 13roek、 J、Bion+cd、
 MILt、cr、 RcS、、 ’7+ 387 (
1973) +lid、 JLt+s、 (11) 2
4 (1973)、種目」洋、高分子、す、587(1
975’)、丹沢宏、外科診療、翻、 (1) l (
1978))。
しかし、従来のヒドロケルは、たしかに、生体組織への
損傷は少ないものの1機械的強度に劣る重大な欠点を有
するため、用途はきわめて制限されている(丹沢宏、外
科診療、翻、 (t) 1(1978)。
妹尾学編、゛医用高分子“’、 11.81 (1,9
78)  共立出版。
11、Si++gh el、吐、 J、 8ci、 a
l、lnd、ItcS、 39. Marcl+、  
I’62(1980)、A、S、klo汀ma++ (
+L at、 Tr+ins、Am、Soc、 ArL
ifl 1nLer++。
Organs、  18+ 10 (1972)、 8
.1)、13ruck、J、1liou+et19M+
山+r、Res、、 6.173(1’972))。
機械的強度の劣るヒドロゲル(またはゲル素材)を、ポ
ルムアルデヒド、グルタルアルテヒド、テレフタルアル
デヒド、ヘキサメヂレンジアミン等により処理する硬化
手段(強度向上策)が多数提案されてきたが、これらの
化学処理は、生体への有害試薬を使用するため、これら
を医用材料に用いた場合1種々の障害をきたすことが周
知で1例えばポリビニルアルコールのポルマリン架橋生
成物(Ivaloo )製人工血管(arl、1ric
i+ll vasta市Lr gral’1. )が生
体内(inl、r+ccorporcal )  で破
断さ、れた他、隆房形成材(mam+no−proSL
besis )としてポリ上ニルアル1コールのホルマ
リン架橋生成物を用いるときは。
生体内において収縮することなどが指摘され、現在では
、これらは使用に耐えないとされている(田辺達三他、
゛人工臓器資料集成” 11.330口)、88(19
76)ライフサイエンスセンター、 J、 lu Le
wis。
1’1asL、 Rcconsl、r、 S++rg、
、、 35.51 (1965)+  武藤端雄1日木
臨床外柵誌、  26.25(1965)、  Jj3
.川umbcrg tel、 al。
Au+1.Surg、、  151. 409(196
0)、  J、11.I−J+Lrriso++。
Surg、0yncco1.0bsLeL、、   5
84(1957)、   D、L、M+1cKcnzi
c++L at、、  Arel+、  Surg、 
 77、 965(1958)、   L、J3rov
vn cも 111゜山id、、  79.72(19
59))。
また、これらの化学処理により、ヒドロゲルの優れた特
徴(高含水性)が大幅に減退するのが通例で、この化学
処理に多くを期待し難い。化学処理を行うことなく、軟
弱なヒドロケルを硬化させる唯一の手法として、放射線
照射法が期待されている (N、 A、 I’eppa
s  cl、 a、1.、  J、Bio+ucd、 
MaLt=r、 JL++S、 、 4. 423(1
977)、  11.8i++gl+ cl、 +L1
.. J、 S引、 lud、且138..  陳、 
(M−arcl+ )。
するうえ、その効果の著しくないことから、一般に、実
用困難で、また放射線照射により、ヒドロゲル本来の優
れた特徴の消失(または減退うする例も多い。
本発明は、上述の化学処理または放射線照射のいずれを
も回避して製造した機械的強度の優れたヒドロゲルから
なる生体適合性に優れた生体′m織の癒着防止膜を初め
て提供する。
本発明は、生体組織癒着防止膜としての高含水(ヒドロ
)ゲルの合成原料として、ボリヒニルアルコールヲ用い
る。もっとも、ポリビニルアルコールのゲル化法(ヒド
ロゲル合成法)にっ・いては既に多くの処決が提案され
ている。しかし、下記に要約するとおり、いずれにも、
操作上または生成物の性状に難がある。
(1)  ポリビニルアルコール水溶液を風乾すること
により、湿潤皮膜または乾燥皮膜が得られるが。
これらは耐水性に劣り、水中における剛直性を全く有し
ない軟弱なフィルムにすぎず(特公昭40−!+52:
3)+  西重敬、医学研究、沖、 +t3o(t96
oン)関節形成手術(artbrol市Lst、y)に
おける癒着防止膜とじ−C家ウつキの体内に用いた結果
、4〜8週後には形くずれが激しく泥状と化すことが報
告されている(西重敬、医学研究 隠、 +130(1
960))。
(2)  ポリビニルアルコールとテl−ラエチルシリ
ケー!・を含む懸濁水溶液に酸を加え、風乾する方法に
よっても、やはり、上記+11と同様の皮膜が得られる
にすぎない。この場合、懸濁水溶液に酸を加え2凍結・
乾燥する提案もあるが、生成する皮膜の強度はかえって
低下し、はとんど成型不能である(特公昭55−303
58.特公昭55−11311)。
まtこ、Iことえ、この材料を生体内へ埋植しても。
組織反応が激しく1周囲組織を刺激し、炎症を起こすた
め、医用材料として好ましくない。
(3)ホリヒニルアルコール水溶Hへ、コバルト60(
r線)を照射するゲル化法が周知である。しかしこの場
合、特殊な施設(放射線照射施設)を不可欠とするうえ
、照射経費もかさみ、しかも得られるゲルが軟弱で、し
ばしば他の硬化手段(2次的硬化処理)を要する。した
がって、この方法で得られるゲルは1人工硝子体(眼球
内光てん液)(arl、il’1ciYLIVil、r
cous body )などの、高粘性液(または軟質
ゲル)が望まれる特殊用途以外には利用し難い(J、M
aLcrial Sci、、  1974.1815+
特開昭5O−55647)。
(4)  ポリビニルアルコール水溶液へホウ酸(また
はホウ酸水溶液)あるいはホウ砂(またはポ゛つ砂水溶
液)(注ニホウ砂=四ホウ酸すトリウム+水和物)を加
えると、即座にゲル化することも古くから著名である。
しかし、得られるケルは、軟弱で、流動性を有し、しか
も単に指先でつまむことにより直ちに千切れるため、成
型後の形態は保持され難い(J、 Auu、 CI+p
、+n、Soe: 60.1045(1938)、フラ
ンス特許743942(1933))。また、このポウ
砂ゲルはアルカリ性雰囲気下では存在しうるが、  p
H8以下では、容易に崩壊する。したがって特殊用途以
外には利用し難く、バイオ・メティヵルボリマーきして
の価値に乏しい。
(517エ7−ル、ナフト−ル、コンゴ−・レッド等0
)フェノール類またはアミン化合物、あるいはチタン、
クロム、ジルコニウム等の金属化合物によるポリビニル
アルコールのゲル化法も多数提案されているが、いずれ
も上記(4)と同様の難点がある(ロ木化学雑誌、荏、
 1058(1951)、特公昭4〇−952:3. 
 特公昭4O−23204)。
(6)  アルテヒド、ジアルテヒド、不飽和= +−
リル。
シイノンアナ−1−、、l−リメチロールメラミン、エ
ビクロロヒドリン、ヒス−(β−ヒドロキシエチル)ス
ルポン、ポリアクリル酸、ジメチロール尿素。
無水マレイン酸等の架橋剤または共重合成分によるポリ
ビニルアルコールのゲル化も周知であるが。
いずれも化学試薬を用いる操作を要するほか。
含水性の強固なケルは得難い(TexL市几部、 J、
 、 (3)。
189(19(52)、  英国特許742900(1
,958))。
(7)  ポリビニルアルコール水溶液を40°C以下
、特に5〜18°C以下の低温に放置することにまりケ
ル化させる手法も古くから著名である(小南他、高分子
化学1坪、 218(1955’)、前田他、高分子化
学。
室温刊近において生成するゲルは寒天、カラゲナンのよ
うにもろく、シかも、これは単に激しくかきまぜるか、
水を加えてかきまぜるが、あるいは若干部めることによ
り溶解する(小南他、高分子化学1坪、 218(+9
55)、高橋、桜田、高分子化学。
13、502(1956))。この、ポリビニルアルコ
ール水溶液の放冷ゲルを得るのに、低温が好ましいこと
も周知で1例えば18°C1更にはo′cあるいは0 
’C以下の低温で実施する例も知られている(前田他。
高分子化学1坪、 193(1956)、特公昭47−
12854゜高橋他、  Po1y+oer J、、 
6.103(1974))。しかし、いずれにしても、
得られるゲルは、寒天、カラゲナン。
ゼリ一様の軟弱量(または粘液)であり、激しいべ1へ
ツキ(粘着性)を示すうえ、耐水性に乏しく。
水中では著しく膨潤し、更に軟化すると共に、一部は水
中に溶出し、残部は糊状と化す。また水中あるいは40
〜50°Cの温水中では、更に迅速に形くずれし、水中
に分散・溶解するなどの難点を有し、工業用、医用材料
としての用途はきわめて制約されざるを得ない。
(8)  ポリビニルアルコールをポルマール化して得
られるスポンジ状生成物も古くから著名であるが必ずし
も安定ではなく1分解、変質に伴い、有害作用を周囲に
及ぼすため、近年その用途はきわめて限定されるに到っ
ている(田辺達三他、″人工臓Ml t 料集成”、 
 330(1976)ライフサイエンスセンター、1司
 88(1976)、  、J、 几、Lewis、I
’1as1.、J、LecousLr、Surg。
35、 51(1965)、  J、 B、 131p
mbcrg t+L +d、、 Ann。Surg1L
!す、。
409(1960)+   J、11.l1trris
on、  5ure 0ynceol、  01JSL
el、。
584 (1957)+ D、 L、 Macl(eu
zie eL al、、 Arclt Surg、、 
77、965(1958)+   L、  J3row
++  pL  al、1bid、、   η9. 7
2(+959))。
(9)  ゲル化能を有する水溶性高分子9例えばアカ
ロース(+1g1LI’O3e ) 、寒天(ag+L
r) 、 7”、ルブ; 7(albu+uin)。
アルギン酸塩、カードラン(間rtl l+t++ )
 、カラケナン(C旧1゛叩(3(”、1HAll)、
カゼイン(Cコxst!i+Q、  CMC(sodi
umearl〕oxyo+el、I+y cellul
ose)、  77−セレラン(1°urcelbtr
+uI)セラチア (gelaLin)、  )チ7レ
−t= 71/ o −7,(+oeLl+yl −e
clb+Iose ) 、ペクチン(pceLi+す、
殿粉(5LYLrcl+ )、  タマリンドカム(1
,am+Lr1od gtno)、サンタンガム(XI
Lll 1.lI+mglll11 ) 、 l−ラガ
ン1−ガム(1,ragacILnLI+ gtno 
)、グアーガム(gu旧’ glllll)等の水溶液
へ少量のポリビニルアルコールを添加後、これを放冷す
るか、ケル他剤含有浴(凝固浴)へ浸漬するか、あるい
はこれを凍結・乾燥する手法も知られているか(フレグ
ランスジャーナル、盈、 (7) (58(1971)
、特公昭56−25210゜2−5211)、このよう
な手法によっても、やはり軟弱で耐水性の乏しい粘液ま
たは非流動性ケル、あるいはパサパサした水溶性の乾燥
粉末(凍結・′乾燥粉)が得られるにすぎない。
本発明は、ポリビニルアルコ−・ルを原料とし。
これに有害物(化学試薬)を加えることなく機械的緒特
性に優れた水不溶性の、生体適合性の良好な高含水性ゲ
ルを、安価且つ安定に製造する方法を開発すべく検討し
た結果、特定性状のポリビニルアルコールを5wl・%
以上含有する水溶液を、予め凍結・成型後、これに1部
分的真空脱水を施すことにより1弾性に富み1機械的強
度と生体適合性に優れた水不溶性の高含水ゲルが得られ
ることを見いだし、しかも、このヒドロケルが生体組織
への刺激が無く、シかも生体組織の癒着防止膜として優
れるとの知見を得、ここに効果の顕著な本発明を完成し
た。
即ち木発明は、けん化度が97モル%以」二、粘度平均
重合度が1,800以上のポリビニルアルコールを6w
l・%以上含有する水溶液を任意形状の容器または成型
用鋳型へ注入後、これを−15°Cより低い温度で冷却
・同化・成型し、しかる後、この成型体を融解させるこ
とな、<、脱水率(冷却・固化体の重量減少率)5wl
・%以上に到達するまで2部分的に脱水し、必要に応じ
水中に浸漬・することにより。
含水率20〜92Wシ%(湿潤体基準)に到達させて得
たヒドロゲルからなる生体適合性のすくれた生体修復用
癒着防止膜を提供するものである。
木発明によれば、ポリビニルアルコール水溶液を冷却・
固化・成型し、これを部分的に真空脱水することにより
2機械的強度の優れた所望の形状の高含水性ゲルが得ら
れる。本発明はゲル化の過程ならびにその前処理工程に
おいて、従来合成高分子のケル化に常用されている酸、
アルカリ、ラジカル源、放射線、有機溶媒9反応試薬お
よび水星外の無機溶媒などを全く用いず、更に、2次的
硬化処理(後処理)も要しない。しかも本発明で得られ
るゲルは、含水率が高く、ゴム状の弾性とすぐれた機械
的強度をも兼備している。また、木発明のケルは、水ま
たは温水に不溶で、粘着性を示さず、この点においても
、前記のポリビニルアルコール水溶液の放冷ゲルとは全
く異なる。すなわち1本発明は、従来のポリヒニルアル
コー゛ル水溶液の放冷ケル化、あるいは従来知られたポ
リビニルアルコール水溶液の化学的処理によるゲル化な
どに関する知見とは全く異なる新規ケルを提供するもの
であることを意味する。
木発明に用いるポリビニルアルコールのけ/し化度は、
97モル%以上、好ましくは98モル%以上を要する。
けん化度80〜88モル%、特に85モル%以下のポリ
ビニルアルコールを用いても、軟弱なケルが得られるに
すぎず2本発明の目的は達成されない。
本発明に用いるポリビニルアルコールの重合度は、  
1.1300以上を要する。重合度300〜1,500
未満、特に1,400以下では粘稠液または軟弱ゲルが
生成するにすζない。木発明においては1例えば重合度
1.800〜3,300程度のポリビニルアルコールが
使用できるが9通常市販されている高重合度品(重合度
1,800〜2,600)をそのまま用いるのが良い。
本発明では、まずポリビニルアルコールの濃度6W1・
%以上の水溶液全調合する。したがって、ポリビニルア
ルコールの濃度としては1例えば6〜25WL%とする
ことができる。この濃度を更に例えば90%程度まで高
めることもできるが、常温における水溶液の粘度が10
,000 cP以上にも達し、また貯蔵中に粘度」二昇
あるいはゲル化をきたすこともあり、若干、取扱い難い
。この濃度を例えば5Wし%より低くすることもできる
が、後述の脱水所要時間が長びき、経費(脱水動力費)
がかさむうえ、得られるヒドロゲルの機械的強度が低下
する傾向にある。
本発明においては、上記ポリビニルアル6−ル濃度5 
wL%以上の水溶液に、必要に応じ多価アルコールを添
加・混合することができる。本発明においては、この多
価アルコールを必ずしも併用する必要はないが、後述す
るとおり、特に薄い膜を得ようとする場合9部分脱水操
作中に、脱水が過度に進行して膜面に若干のわん曲、波
状化をきたすのを回避するのに、少量の難揮発性の水溶
性有機化合物が有効で、特に生体に無害な炭素数3〜6
の多価アルコールを併用するのが至便である。必要に応
じ1本発明に用いる上記難揮発性の水溶性有機化合物と
しては、グリセリン、1.2−プロピレングリコール、
グルコース、ソルビトール(グルシドール、ソルビット
)が最も好ましい。
これらは9発癌性、急性毒性、亜急性毒性、慢性毒性等
に関する動物実験結果(Nlll、1011111 C
1■Ct+r111S1.、U、 S、 A、、1発癌
性データ調査レボ−1−” p、旧7゜p、 147.
 p、 265(1975)海外技術資料研究所7石橋
武二、″食品添加物の全貌”、11.140〜1/14
.11.120〜123(1971)南江堂1石館守三
、°′食品添加物公定書解説書”、 11.8843.
11.1s251.11.1586(1979)圧用書
店)においても9問題は無いとされており2例えばプロ
ピレングリコールは、中華、めノしに添加されるほか1
食品着香料9着色料、保存料の溶剤と。
しても用いられ9弱い静菌作用をも有する食品用。
医薬用添加物として知られる(石橋武二、゛食品添加物
の全貌”、 11.140〜1,14 (1971)、
石橋武二、゛ゞ食品添加物カイドフソク“+、 11.
178(1972)南江堂2石館守三、゛食品添加物公
定書解説書” 、  I+、 1384:3(1979
)  広川書店)。、また、グリセリンは、パン。
ケーキ、カステラの湿潤剤、保湿剤、あるいは清#合成
n4酒、マシュマロ、チュ・−インガム、セラチンテ→
ノート、肉製品、キャンチーへの添加物として知られる
(石橋武二、゛食品添加物の全貌゛11.120〜12
3.11. +40.1.143(19”71)1石館
守三、1食品添加物公定書解説書”、 1113251
(1979)広川書店)。
D−ソルヒト−ル(6価アルコール)はビタミン剤。
アミノ酸製剤、カステラ、ケーキ、パン、羊か/い目゛
納豆1合成酒、マヨネーズ、ハム、ソーセージ。
清涼飲料水、みそ、しょう油1食酢、奈良漬けなどに添
加されている(石橋武二、′°食品添加物カイトフック
”、 i)、 35 (1972)  南江堂9石館(
i979ン)。
Cれらの多価アルコールは化粧品、ローション、軟′目
′剤2錠剤結合材などにも用いられている(石館守三、
゛°食品添加物公定書解説四″。
+1.B590. 11.B846(1979)圧用1
店、”化粧品原料基準追補注解”、l’、 275. 
11.68. P−261゜11、277、 11.2
78 (1971)薬事日報社、゛化粧品用原料標準規
格”、11.53.lン−56+ l’ 57.l’−
5り+11、62 (1965)  日本化粧品工業、
連合会)。
また、1.4−ブタンジオールも、 毒性はきわめて低
いとされ、1,4−ブタンジオールの経口投与による動
物試験の旧)50(白ネスミ)は2g/kqで、プロピ
レングリコール、D−ソルヒト−ルには及ばないものの
、毒性のきわめて弱いことは一般に認められるところで
ある。したがって本発明の水溶性多価アルコールとして
は、上述のプロピレンゲルコール、 グリセリン、ソル
ヒト−ル、1,4−ブタンジオールを用いることができ
る。食品に供されているアルギン酸すトリウム、ペクチ
ン酸、グルコース、フルク1−一ス、スクロース、更に
は各種単糖類(エリ1−リト−ル、アラヒノース、キシ
ロース、キシリl−−ルウグルコース、クルコン酸、ク
ルクロン酸、クルカル酸、ガラクツロン酸、フルク1−
−ス、グルコサミン)、  二1tf類(セロヒオース
 ラクト−ス)、三糖類(ラフィノース)、水溶性多糖
類(アカロース、アミワース、カラゲナン、アルギン酸
ナトリウム、グリコーゲン、コンドロイチン。
フンドロイチン硫酸、デキストう・ン、アルギン酸ブロ
ビレンク1jコールエステル、l−ラカンl−・カム、
プルラン、コンドロイチン硫酸すトリウムなど)を用い
ることもできるが、前述したとおり。
既にわが国において1食品への多量添加が許可されてい
る1、2−プロピレングリコール(プロピレングリコー
ル)、グリセリン、D−ソルビI・−ルが最も好ましい
本発明において、これらの多価アルコールを併用する場
合の添加量としては、前記ポリビニルアルコール濃度6
w(・%以上の水溶液に対し、2倍量以下、好ましくは
等量以下とすることができ1例えば1/2〜l/4量以
下とすることができる。この混合水溶液のポリビニルア
ルコール濃度を高めるとともに、後述の操作を経て得ら
れる本発明のヒドロゲルの機械的強度(硬度)が高まる
。一方。
混合水溶液中の多価アルコール濃度5QwL%以上では
、ヒドロゲルの強度が低下する傾向にある。したがって
、ポリビニルアルコール水溶液への多価アルコールの添
加量は等量以下が好ましく、また1/7量程度以上加え
ることによりIその添加効果が十分に発揮され、過度の
乾燥を防止することができる。
この場合、多価アルコールの添加量に応じ、混合水溶液
のポリビニルアルコール濃度は当然のことながら低下す
る。しかし、上述のとおり、多価アルコールの添加量を
配慮することにより、混合水溶液のポリヒニルアルコー
ル濃度2wL%以上が確保され、本発明を実施すること
ができる。
本発明において、ポリビニルアルコール及び多価アルコ
ールの双方を含む水溶液を調合するには水中ヘホリヒニ
ルアルコールと多価アルコールとを添加・溶解させる方
式のほか、あらかじめ水中ヘボリヒニルアルコールを溶
解し、しかる後、これを多価アルコール(またはその水
溶液)と混合する方式、あるいは多価アルコール(また
はその水H液)へポリビニルアルコール水溶液またはポ
リビニルアルコール粉末を添加・溶゛°解させる方式な
どを採ることかで)、いずれの方式においても最終的に
、ポリビニルアルコール濃度2〜lQwl。
%、多価アルコール濃度13〜67Wシ%に調整するの
か好ましい。
これらの場合、ポリビニルアルコールは、水星外の溶剤
に難溶であることから 多価アルコールの水溶液中にお
いて、しばしば透明なミクロゲル黴粒子の分散した状態
(透明懸濁水溶液状態)をとるが、これは本発明の実施
になんら差し支えない。
本発明においては、上記ポリビニルアルコール(及び多
価アルコール)に滅菌操作を施す。この操作は、ポリビ
ニルアルコール(、!:多価アルコールの双方)を含む
水溶液につき実施することができるほか、ポリビニルア
ルコール水溶液と多価アルコ−ル水m# または、ポリ
ビニルアルコールド多411iアルコール、あるいはポ
リビニルアルコール水溶液と多価アルコールなどにつき
分割実施後。
これらを無菌室において混合(調合)することもできる
。これらの滅菌には、高圧スチーム滅菌法か至便で、し
かも有効である。
本発明においては、上記ポリビニルアルコール水溶液(
または、必要に応じ多価・アルコールを添加・混合した
水溶液)を、任意形状の容器または所望の成型用鋳型へ
注入し、冷却・同化・成型する。この場合、冷却剤とし
ては例えば1食塩−氷(23ニア7) (−21°C)
、塩化カルシウム−氷(30ニア0)(−55°C)な
どの寒剤、あるいは、ドライアイス−メチルアルコール
(−72°c)、液体窒素(−196”C)などを用い
、−15°Cより低い温度に冷却し、固化させる。冷却
が不十分であると、後述する脱水工程を経て得られるゲ
ルの形状が、当初予期した形態、すなわら、ポリビニル
アルコール水溶液注入容器または成型用鋳型の形状と合
致し難いほか。
ケルの機械的強度に劣るため1本発明に好ましくない。
また、液体ヘリウムを用いれば一269°Cまで冷却で
きるが、不経済であるうえ、ゲルの品位に利点はなく、
実用上は、フレオン冷凍機を用い例えば−20〜−80
°Cに冷却するのが良い。この冷却温度は後述の脱水工
程を経−C得られるケルの強度に影響する。特に堅いゴ
ム弾性のゲルを望む場合は、−20°C以下9例えば−
20〜−55°Cが好ましく。
−6〜−20’Cでは、ゲルの強度が若・干低下する。
この冷却・同化・成型を省略するときは、水中において
剛直性を全く欠く、単なるポリビニルアルコールフィル
ム・ケルが生成する°、にすぎず1本発明の弾性に富む
高含水性の、耐水性コム状ヒドロゲルは得られない。
本発明における冷却・固化・成型時の冷却速度としては
、0.1〜7°C/1曲−の緩慢冷却、あるいは7〜1
.000°C/聞11の急速冷却のいずれでも差支えな
い。
本発明による冷却・同化・成型においては、ポリビニル
アルコール水溶液は任意の形状の鋳型内で固化・成型さ
れる。この容器または鋳型へ注入されたポリビニルアル
コール水溶液が冷却・固化成型されたことを確認後、こ
れを融解させることなく、必要に応じ、鋳型の上面カバ
ーまたは下面カバー(あるいはその双方)を取りはずし
、成型体の形状を保持しつつ、これに真空脱水処理を施
す。この場合、冷凍室から冷却・固化・成型体を取り出
し、これを真空脱水室へ移し、直ち゛に吸引・脱水する
ならば、水分の除去(昇華)に伴い試料が冷却されるの
で、特に外・部冷却を施さなくとも、冷却・固化・成型
体が融解することはない。また、冷却・固化・成型体が
融解しない程度に加熱することは差支えなく、これによ
り脱水を促進することができる。つまり脱水工程の温度
としては、冷却・同化・成型体を融解させないかぎり、
特に制限はなく、これがゲルの品位に特に影響すること
はない。ここで言う真空脱水は減圧で脱水することで、
減圧の度合は特に限定されないが、たとえばt o m
m i1g以下、好ましくはi mm up以−巳さら
にはO,l mm F17以下で行なうことができる。
この脱水工程においては、脱水率を5wL%以上とする
すなわち9本発明においては、ポリビニルアルコール水
溶液の濃度のいかんにかかわらず、冷却・同化・成型体
に脱水処理を施す。脱水率としては5 Wl・%以上、
更には1QWi、%以上が採用される。1悦水が進行す
るとともに、ゲル強度が著しく高まり。
しかも非粘着性、耐水性などの諸性状が著しく改善され
ることから、この部分脱水処理は木発明にとり不可欠で
ある。もっとも2本発明においては。
注射薬液の凍結乾燥あるいはコー・ヒー、ミルク。
果汁、めん類等の含水食品の凍結乾燥に見られる十分な
る脱水(乾燥)処理を行う必要はなく、上述のとおりの
部分脱水処理により、十分本発明の目的が達成されるが
、上記のとおり、脱水が進行するに伴いゲル強度が著し
く高まることから、所望のケル強度に応じ、脱水量を選
定することができる。
いずれにしても、この冷却・同化・部分脱水処理は木発
明に不可欠で、きわめて重大な意義を有するため、これ
を省略するとき1本発明に述べる非流動性、非粘着性、
かつ高含水性で、しかも機械的強度と生体適合性に優れ
るヒドロゲルは決して得られない。
本発明においては1次に、冷却・固化・成型・部分脱水
体を1例えば常温放置し、融解(解凍)させることによ
り2弾性に富むゲルが得られる。
融解速度としては1〜3°C/11曲の緩慢゛融解、ま
たは3〜1.000°C/I■I+の急速融解のいずれ
によるととも差支えない。ポリビニルアルコール水溶液
を。
0〜30°C程度で放置(貯蔵)する・場合に得られる
ゲルの融点が15〜29°C前後であるのに反し9本発
明のゲルの融点は100°C以1に及ぶため、温水また
は温風による急速融解も差支えないが9本発明のゲルも
熱湯中では溶解すること、60°C以上では表面に硬質
皮膜が急速に発生することなどから高温融解は避けなけ
ればならず、40〜50°C以下で融解させるのが望ま
しい。
この融解操作後、容器または鋳型の支持部からゲルを容
易に取りはずすことができる。これは水中において吸水
し、含水率50〜95Wシ%(湿潤体基準)に達するが
、なお強固な弾性体である。
本発明のヒドロゲルは、含水率が上述のとおり50〜9
5W1・%で、生体組織の含水率(例:成人皮IR6o
〜vし%、赤血球(eryLI+rocyl、c ) 
72 WL%、血小板(1市山!leL )  77〜
88Wし%、心臓76〜80Wし%。
横隔膜80〜841%、小腸粘膜74〜80W(%、肝
11M (1+cpar ) 69〜73 wL%、肺
(1u’Ig ) 80〜35 wl。
%ツ胸腺(C1ay聞I8 ) 76 WL%)にほぼ
合致することを特徴とする特異な高含水ゲルである。し
かも。
ソノ強度ノ点テモ1人間、動物等の筋肉質(n+oSc
ulari1.y)に類似する。木発明のゲルはこのよ
うに多量の水分を含むにかかわらず1強固な弾性を示し
、堅く握りしめても、一時的に変形す、るが、直ちに元
の形状に復し、形くずれしない。また1本発明の。
含水率88%の板状ゲル上へ成人が片足または両足によ
り直立しても、やはり一時的変形をきたすものの、直ち
に元の形状に復し、形くずれしない。
高含水性と機械的強度とは、従来から医用高分子を開発
するうえで9両立し難(・難題とされているが9本発明
のゲルは、上述の高含水性と強度とを有し、従来のポリ
ビニルアルコール水溶液を風乾して得られる皮膜あるい
は前述のポリビニルアルコール水溶液を単に0〜30°
Cに貯蔵する場合に生成する水溶性ゲルとは全く異なる
新規ケルである。
本発明のゲルに圧力を加えても、含有水分の浸出はほと
んど見られず1例えば、含水率90〜vl、%のゲルに
4に’j/ciの圧縮応力を課しても浸出(流出)水量
は、含有水の2%以下にすぎない。
本発明のゲルには、粘着性がな・い。膜状(8mm×8
間×1πrN)に成型したゲルを50m/の水中で40
日間かきまぜても、相互イ」着、形くずれ等の現象は全
く認められない。なお、生理食塩水中に1年間浸漬した
が溶解せず2弾性および強度も変らない(これは2例え
ばこんにゃくを数日間水道水に浸漬しtコ場合、激しい
形くずれが起こるのと、きわめて対照的である)。また
、ポリビニルアルコール水溶液の単なる放冷ゲル(凍結
ゲル)が著しい粘着性を示し、しばしば流動性粘液状あ
るいは、たかだかゼリー、プリン、寒天状で、しかも耐
水性に乏しく、水中で分散・溶解しやすいのときわめて
対照的である。
木発明のケルの外見(色相)は、イカの刺身。
餅、ういろ(白色)、かまぼこ、鮮魚(白身)に近い。
本発明のケルの感触きしては、入間、動物等の肉、イカ
の刺身、魚肉、餅(もち)、ちくわ、はんぺん、シュウ
マイ9.ソーセージに類似する。本発明においては、ポ
リビニル−アルコール水溶液の注入容器または鋳型の形
状を任意・に選定し、所望の形状のヒドロゲル膜とする
ことができる。即ち最終目的物の形状に合わせて成型し
てもよいし。
一旦得た任意形状の成型体を切°、削等により膜状に成
型してもよい。
本発明においては、このようにして膜状ヒドロゲルが得
られるほか、必要に応じ網状ヒドロゲルを得ることもで
きる。従来、テフロン、ポリエチレン、ステンレススチ
ール、タンタルなどの網ヲ横隔膜、心膜、胸壁(cl+
csl、 w+泪)、腹壁(abtlomin+LIW
+出)などに用いる試みが報告されているが、いずれに
も種々の難点のあったことは前述したとおりである。木
発明において得られる網状ヒドロケルは、上記の各種網
状生体修復膜にかわり用いることができ、生体組織への
損傷をきたさず、しかも近隣生体組織と癒着しない網状
膜とすることができる。
本発明において、網状ヒドロゲルを得るには。
滅菌済みのボリヒニルアルコール水溶液(ま1こはこれ
に多価アルコールを加えた混合水溶液)を。
予め滅菌した突起配列板へ注ぎ、・面上に塗布し。
しかる後、これを冷却・固化させ、真空部分脱水する。
これに用いる突起配列板としては、成型後のヒドロゲル
・ネッ1、(本発明の網状膜)の網目に新生組織(11
eol市ふsl、ocyl、e )が喰い込み、しかも
この網状膜全体が薄い新生組織により包被されることを
意図して+17#’あたり3万〜20万個の突起を設け
た平板または曲板(波板)が用いられろ。突起密度が過
小の場合は、網目を通じて行われる新生組織の進展被覆
が遅れる。したがって、突起相互間距離としては1通常
25個以下、好ましくは0.6α以下とし。
その個数はI ytiあたり3万個以上、好ま、シ<は
5万個以上とする。また、突起密度が過大の場合は、ヒ
ドロケル成型体(膜)の機械的強度が低下、する。
突起の太さについては、過小の場合、ヒドロケル成型体
(網目状膜)の網目径が過小のため、新生組織の喰い込
みが妨げられる。しt、=がって、突起の太さは2通常
(mm以上、好ましくは1,5yam以上とし、しかも
、新生組織の喰い込み・被覆進展の観点から突起部分の
占める合計面積を全板面の10%以上とする。また2本
発明の網状膜の網目を通して異なる生体組織の癒着する
のを防止する必要上。
上記突起の太さはl cm以下、好ましくは7間以下と
し、突起数は、1m゛あたり20万個以下、また。
突起部の占める合計面積は、全板面の70%以下とする
のが良い。
本発明においては突起部の合81面積は好ましくは20
〜50%である。
まjコ、突起の高さは、所望するケル成品型の厚みに応
じ決定されるが1例えば0.01〜5問とすることがで
きる。
突起および突起(−J設平板の材質としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレン、テフロン、M鉄
、アルミニウム、鋳鉄、シリコーンナどに代表される任
意の成型材を用いることができる。
本発明においては、上記突起付設板へ、前記ボリヒニル
アルコール(またはボリヒニルアルコールと多価アルコ
ールきの混合)水溶液を注ぐ゛か。
あるいはへら等を用い突起付設板面に塗布する。
塗布の厚さは05〜5闘、好ましぐは1〜3 amであ
る。この場合、突起と同一の高さにまで塗布して差支え
ない。すなわち、ボリヒニルアルコールを含む水溶液の
塗布後、木発明により、これを冷却・固化・成型9部分
脱水した場合、厚さ方向への収縮率は、約3〜8%であ
り、これにより、突起密度に対応した開孔が達成される
。しかしながら。
突起の高さを超えて厚く塗布した場合、しばしば開孔(
多孔板状ケルの成型)の目的を達成することができない
ので注意を要する。
木発明においては、上記の塗布操作後、この塗布面を、
既に述へた方法により冷却、・固化・成型する。
本発明においては、術部(r>per+LLetJ +
1rea )の化膿防止(1+yoSい11・1es)
、治療などの観点から、医薬をヒドロケル膜内へ包埋さ
せることができる。即ち。
前記ポリビニルアルコールを含む水溶液へ、あらかじめ
医薬品を添加した後、これに本発明の冷却・固化・成型
・真空脱水操作を施すことにより。
ケル内に医薬が包埋される。
この添加操作は、ポリビニルア・ルコールを含む水溶液
の滅菌後に実施するのが至便であるが、耐熱性医薬品に
ついては、上記水溶液へあらかしめ添加後、これを加圧
水蒸気滅菌し、しかる後、前述した木発明のゲル化手法
(冷却・同化・真空部分脱水)を同様に適用することに
より、やはり生体組織に対する癒着防止能に優れ、しか
も弾性に富む膜が得られる。包埋対象とする医薬品々し
ては、化膿防止の観点から1例えば、サルファジアジy
 (5ulradi+tzine ) 、銀サルファジ
アン7 (5ilvtyrst由;1diay、iuc
 ) 、ベンザルコニウムクロリド(benz+Llk
o++iumel+Ioritle ) 、 メチJl
/ t< ンセトニウム(mcl、I+ylL+cn1
.eLbo−静= )+ 硫酸ネオ7 イシ7 (ne
omyeiu 5ulra1.e )、 ヘキサクo 
ロア エン(lu]x+ieMorol山1!I11!
 ) 、 、:r−オシン(eosiut+ )。
ペニシリン(J (pcnieilli++ Q)、セ
ファロチン(eel而市面thin)、セファロリシン
(cel山aloridiue )、  テ1−ラサイ
クリン(LeLraeycli++tつ、す7 :17
4 シン(lincomycin)。
ナイスメチy (nysLaLin)、カー1−フィシ
y (k+Lnamycin) 。
ペニシリナーゼ抵抗性ベニシリy (penieill
ioase −resisl、ani、 penici
ll■)、硫酸フラジオ・マイシン(1°radio−
myci++ srra1.c)、  乳酸銀(5il
ver f+L+山山二)などの単独使用または併用が
挙げられる。抗菌薬のうち9例えば、すl・リウムスル
ファジアジンの、水に対する溶解度は5Qwl、%にも
及ぶが、スルファジアジンでは13,000+g/の水
に1gが溶解するにすぎない。
しかし、木発明においては、抗菌薬を必ずしも水溶液と
して用いる必要はなく、粉末あるいはその懸濁水を、前
述のポリビニルアルコール(多価アルコールの混合)水
溶液へ添加混合することにより本発明のゲル(膜)内に
包埋させることができる。
催眠鎮痛剤(11y門oLieS、 aniL1gel
・i(二S)七してのバルビツール(13)LrbiL
al、 5.5− dieLbyllJarbiLur
ic acid L ’解゛熱鎮痛消炎剤にL1山11
y rb L j LS! l”II’LIgG Lj
LS+ +Ll山pl+Iogis−しieS )とし
てのスルピリン(St由+yri++、 11山c++
yl −2,3−山o+eLbyl −5−1+yra
zoloo −4−mcLbylau山to+ucLI
+ansull’o−oic +Lcid SO山tI
In sal L ) 、ペンタゾシン(penl、a
zocine )(12,3,4,s、 6−1+cx
)Lbydro−6,1l−di+ocLhyl −3
−(3−mel、I+yl−2−buLenyl)−2
,6−mel市ILIIO−3−bcuzazoci+
+  −B −01)、アザビンクラン(A7.4山1
cyclane) (9β−1111! Ll+oxy
−9α−1山++oyl −3−uu!LI+yl −
3−azaljicyolo (3,3) ++ona
++eei 1.ra l、c ) 、局所麻酔剤(1
ocILl +Lncsl、l+cl、1cs)、  
筋弛緩剤(uu+5ele relax+Ln 1.s
 )としてのメタンスルホン酸プリ ジノ −ル (P
r1di++ol met市1LllDslI自聞ルI
、e)  (1,1−tlil山−enyl  −3−
piperidine  1+ropanol  −l
 −u+el、ba++esull’ooaLc )。
メトカルバモール(MeLhoearba+ool )
 (3−(0−mcLI+oxy−phenoxy )
 −2−114Y山’OXJ 1lrol)yl −1
−ellrL)iNlliLL+3 ) 、止血剤(s
l=y+山es)と七でのクララテン(cla+n1c
n ) 、 ヒタミンKa(2−聞う1.l+yl −
1,4−■司山1山(叩+i++one )なども同様
にして、必要に応じ木発明のヒドロゲル膜中に包理・徐
放することができる。
木発明におけるポリビニルアルコールを含む水溶液への
医薬品の添加量としては、ポリビニルアルコールの15
倍型重量下とすることができ1例えハ、硫酸フラジオマ
イシン02〜4W1・%、サルファジアジン1〜25W
1・%、ペニシリンUU、2〜1wl・%などとするこ
とができる。本発明のゲルに包埋された医薬は、短時間
で流失することはなく、長時間にわたり包埋・徐放され
る。例えば、ボIJ Eニルアルコールと多価アルコー
ルの混合水溶液へサルファジアジン・すトリウムを3・
帆%溶解後、本発明の処決を適用して得られるゲル5y
を、5mlの生理食塩水に6時間浸漬した場合のサルフ
ァジアジン・ナトリウムの流失(損失)は、約30%で
あり、その後、新たな生理食塩水5 mlに3日間浸漬
しても、なおサルファジアジンの放出が持続し。
当初包埋量の15%は、なおもゲル内に残存する。
したがって2本発明におい−Cは、各種医薬それぞれの
徐放速度ならびに治療(または予防)対象を配慮しつつ
、医師の指示により医薬の包理型を選定するのが良い。
木発明においては、ヒドロゲルの合成過程に。
有害化学試薬、有害溶媒等を全く使用しないことから、
単にポリヒニルアルコールを含む水溶液の加圧スチーム
滅菌を入念に実施し、しかも、これを無菌的に冷却・固
化・真空部分脱水するかぎり本発明のヒドロケルへの有
害物随伴を懸念する必要かない。まjコ1本発明のケル
に医薬を包埋させる場合にも、医薬の種別とその包埋量
に配慮するかぎり有害物随伴の懸念はなく、むしろ、こ
れにより、予防または治療促進効果が・発揮される。
本発明のヒドロゲルは、多量の水を包埋し、水または生
理食塩水に1〜16時間浸漬することにより、含水率5
0〜92帆%にまで賽易に到達する。特に、木発明にお
ける原料水溶液のボリヒニルアルコール濃度を6〜2Q
wl、%に選定して冷却・同化・成型・部分脱水を施し
、更に水または生理食塩水に浸漬して得られるヒドロゲ
ルの含水率は70〜92W1、%にも及ぶ。したがって
9本発明の高含水ゲルは、前述の優れた機械的強度を有
するゴム状弾性体であるにもかかわらず、生体組織に対
しては単なる水(あるいは生理食塩水)同然の挙動を示
し、生体へのJff傷はきわめて軽微である。従来。
親水性(または含水性)医用材料として最もtト目され
ているヒドロゲル、すなわち、ポリ(2−ヒドロキンエ
チルメタクリレ−1・)の含水率は通常38〜40Wシ
%て−あり、しかも機械的強度に劣る(田辺達三、パ人
工血管”11.56(1977)南江堂、田辺達三9人
工臓器、  5.245(1976)、  丹沢宏、乍
業材料、蔓、 70(1977)、丹沢宏、外科診療、
四、 (1) 3(1978)+  S、 D、 Br
++ek、 J、 13io+++cd、 Maote
r、 Res、、  7.389(1973)、丹沢宏
、化学工業、  1258(197/I))。 その含
水率を60W1・%まで高めることも提案されたが。
含水率を高めるとともに機械的強度は更に低下する難点
がある( J、 D、Antlradc(cd、)、 
” llydrogcls forAit++l1ca
l abut 1LclaLed Apl山caLio
++s”11.23(1976)AC8Symp、  
Set’、 31.青竹−1″人工;藏器資ネ91集成
111、116 (197G’)ワイフサイエンスセン
ター、丹沢宏。
外科診療、神、 (1) 1 (1978))。 これ
に反し9本発明においては、含水率70〜92Wシ%、
更には80〜92wL%の含水ゲルが容易に得られる。
しかもその機械的強度も優れることから、従来公知の非
親水性、親水性および含水性の医用材料のいずれに゛も
勝る癒着防止膜としての価値を有し、交通事故。
外傷、先天性奇形(b+sus n+LLu目0)等に
よる脳硬膜。
横隔膜、腹膜、心膜、関節嚢、縦隔(■0山+Ls l
、i+um1)胸膜(1市!1ira)、胸壁、結腸間
膜(+oeSoeolon )などの修復(補修)、及
び術部の癒着防止に、必要に応じ用いることができる。
本発明のヒドロゲルは、水、多価アルコール。
食塩、グルコース、乳酸、抗生物・質等の水溶性低分子
化合物を透過させるが、細菌、酵母、かびの侵入を阻止
する。したがって1本発明のヒドロケルを無菌的に合成
した後、万一・非無菌的取扱いを受けることかあっても
、汚染は単にヒドロケルの表面にかぎられ、これを医用
材料として使用するに先立ち、単にヒドロゲルの表面を
紫外線照射するか、あるいはプロピレンオキシド、エチ
レンオキシド、オゾン、塩素1次亜塩素酸塩、過酸化水
素、ホルムアルデヒド、グルタルアルテヒド、エヂルア
ルコ〜ル(70〜90%)、イソプロピルアルコール(
30〜50%)、クロールヘキシジン、ヘンサルコニウ
ムクロリドなどのいずれかにより表面を滅菌後、清浄な
水または生理食塩水を用い洗浄することにより、再び無
菌のヒドロゲルを得ることができる。
本発明のゲルには、可塑剤または安定剤を添加する必要
がない。従来の医用材料の多くが生体組織を損傷する原
因の代表例として、医用材料中の可塑剤と安定剤がしば
しば挙げられているこ゛と(小島幸−他、高分子論文集
、 34.2G7.270(1977)。
増原英−他、 MOL、 (12) 51(1979)
)からも、これらを全く必要としない本発明のヒドロケ
ルは、医用材料として優れている。
本発明において、ポリヒニルアルコールを含む水溶液を
単に冷却・固化・成型・真空部分脱水するこきにより、
従来公知のポリヒニルアルコール系ゲルとは全く異なる
ゲルの得られる理由は明らかでないが、冷却・同化なら
びに、これに続く部分的脱水処理時に、ポリヒニルアル
コールの分子内および分子間にきわめて多数の水素結合
が形成され、特に1部分脱水時にゲル組織の結晶化度が
高まり2機械的強度と弾性の向上をきたすことに因ると
推察される。
いずれにしても、この種のボリヒニルアルコールの冷却
・同化・真空部分脱水ゲル及びその製法ならびに、この
ケルからなる膜(または網状膜)が生体組織癒着防止に
優れることは本発明者が初めて見いjごしたものである
実施例1 市販ボリヒニルアルコール(Lj A、 化度99.4
 モル%、粘度平均重合度2,600.4%水溶液の粘
度(20”C)66cl’)の粉末65g(含水率3w
L%)を、水9351に溶解し、6帆%とした。この水
溶液170gをポリエチレン製ビーカー(底面直径8c
m )に注ぎ、これに高圧水蒸気滅菌処理(120°C
X 30 Ill jll )を施し9次に一50°C
X0.71+の冷却(凍結・成型)を施した。しかる後
、凍結・成型体を融解させることなく611の真空脱水
を施した後、無菌フィルターを通過させた清浄な空気を
用いて真空を破り。
成型体(円板)を取出し、無菌室に放置・融解して97
y(含水率f39wL%、脱水率43Wシ%)の白色不
透明な弾性に富むケルを得た。このゲル(Jワさ約2 
cm )を人工体液(已18.食塩07帆%、塩化カリ
ウムQ、2wL%、炭酸水素すトリウム2,4 wl・
%。
リン酸二水素すトリウム0.35Wl・%、120°C
×3011■1滅菌)100mlに6 h浸漬するこき
により、 このゲルは吸水して1s3f(含水率93W
1・%)に達した。これに41cg/clの荷重を課し
たが、水分浸出量は3ml<流失損失2%)にすぎなか
・った。また、この荷重を除くことにより、この弾性体
の形状は直ちに元に復し、さらに、このヒドロゲルの引
張り強度はl O/cり/aJに及ぶことを知った。
このヒドロケル円板から、  20mm×13mmx 
5πmの断片を切取り、生体内押入試験試料とする。
家兎(体重2.5 Icy )の背部皮膚を刺毛し、ク
ロルヘキシン(eborl+exidinc、 bis
−(1+−cl市1r01山enyl +Iiguan
田o)−bexanc)(l1ibiLane)の05
%エチルアルコール溶液を塗布し、さらに70%エチル
アルコールを用い゛C消毒後、皮膚を約1.5c+++
切開し、上記試験試料を理人後、皮病を縫合した。この
場合、皮膚切開線が埋入試料上に位置しないよう留意し
た。2411後の所見としては、皮膚発赤(1山01°
a・:i、ior+)とわずかな腫脹(1,uno:I
’aeLion、 oueoitles )を認め、埋
入試料を皮11町面上から指触すると試料は、皮下組織
の剥離部分を移動する。4日後、腫脹と発赤は消失し、
61」後抜糸した。9日後、試料は既に固定され、指触
しても移動しない。その後1カ月間、埋入局所に変化な
く、全身にわたりな/しらの症状も無い。
35日後、皮下組織をも含めて、試・料を摘出したか試
料は被包組織に包まれており、相互間の癒着は認めらA
1ないが、密着状態を呈していた。この被包組織を10
%ポルマリン処理、(固定)後、パラフィンに包埋し、
ヘマトキシリン・エオン/染Q3 (bem+tLnx
、yli+冒uul t+oSin sl、旧「1)と
ワンギーソン氏染色(vanGieSon 5Lain
 )を実施して観察しtこところ、偽好酸球(pseu
+Io−旧じ1doey L++ )と円形化組織球(
ro++u+I cell )が少数認められるものの
、細胞浸潤(eelb+I旧inl’il叶;山011
 )はきわめて軽度で、炎症(而’l +Lum1+山
(Ill)反応はほとんど入如している。
一方、縫合糸として用(・た(“+L1・glll・の
周囲には。
抜糸後も強度の異物性組織反応が認められた。また、比
較のため前記と同様の20mm×13mmX 5mmの
海綿を、同様に家兎背部皮下に埋入した場合2発赤と腫
脹の消失に14日を要し11力月後の摘出所、見によれ
ば、海綿の寸法がlO%程度減少し−Cおり。
海綿周辺部に強度の細胞浸潤と多数の異物性巨細胞(t
’orcign bo+Iy gi+iul、 cel
l )を認め、膿瘍化している。メチルメタクリレート
樹脂についても、同様に比較試験したが5発赤と腫脹の
消失に1週間を要し、偽好酸球の浸潤も著しい。すなわ
ち1本発明のヒドロゲルのほうか生体適合性の点におい
て、はるかに優れ、しかも癒着性の無いことか判っtこ
実施例2 市販ホリヒニルアルコール(けん化+!  !17モル
%、粘度平均重合度1.800.4%水溶液の粘度(2
0°C) 28 cP)の粉末86g(含水率7w1・
%)を水914gに溶解し、B、□Wl、%とした。
この水溶液41fを、実施例1に準じ滅菌し 凍結・成
型後、10bの真空脱水を施した。
解凍後8g(含水率58Wシ%、1悦水率−80Wシ%
)の白色不透明ケルを得た。これを滅菌済み生理食塩水
1 o meに(511浸漬することにより、このケル
は吸水して14g(含水率76〜′し%)に達した。こ
のゲル(厚さQ、 5 cm )に41cg10Jの荷
重を課したが、水分の浸出はほとんど見られなかった(
保水率99%)。
この円板状ヒドロゲルから、直径13mm、厚さ15間
の小円板状埋入試験試料を作成・する。家兎(体重2.
51ct7 )の膝関節内側(llH+山+il kl
lOD 、i囲+1.)面を縦方向に3 cm切開(i
++cisio+すし、大腿四頭筋(四頭股筋)内側(
曲つ市ul musclus quadricjH1+
s rculoris )面を縦切開(IongiLu
dinal 1ncisio■)シテ膝蓋骨(pate
lla )を外側へ脱臼(+l1slocal、ion
 )させ1肛門節(knee 、io…りを屈曲させて
関節前部(anterior 5url’ace )の
脂肪組織(a+l1posc Li5s+u; )を切
除(abScission ) シ+  交差靭帯(e
roSsetl ligament、u…)の切断(a
blal、io )後、後関節嚢(posLerior
 、1oinL capsule )以外の関節嚢及び
半月板(Il聞1!Set+S)を切除する。次に大腿
骨関節軟骨(1’cu+or ILIしl+rotli
+il e+u1.il+tgc、 )を削除し、コノ
軟骨に代えて上記試料を大腿骨関節面(1°(Xu■r
 arLie+山■5url’ace )へ挿入・固定
後、膝関節150度屈反照において大腿(Lhigb 
)上部から足部までギブス包帯を施し、3週間後にこれ
を除いた。この時点において、関節には軽度の1仙脹を
認めたが1発赤局所熱感は無く、−次性癒合(prim
+try eoal+L+Ll、io++ )も良好で
1分泌液は見られず、膝関節は約120反照曲位をとり
保護波性を示す。他動的可動範囲は150〜90°であ
った。組織標本(S凹ein+eu )につき、ポルマ
リン固定パラフィン包埋、ヘマトキンリン・エオシン染
色、マロリー・アサン染色(Δ4allory lL7
.1L11 staining ’)  を施し、鏡検
の結果、大腿骨造形関節面(arLic+山Lr 5u
rl+Lec +11’ I°t!+11111’ )
は結合組織(1+山L co++、i+u+cLive
 )により被覆されており、挿入試料による反応性骨質
増殖((ISS1田口1.1lll13j’−1山LS
i+L)と骨髄腔内炎症(1urla+mu+L1.i
on ol’ on!山山a 1ysp+Lce ) 
 はいずれも認められない。
一方、 同じ<1.57fflffの厚みのメチルメタ
クリレート樹脂につき、同様の比較試験を実施したとこ
ろ。
3週間後の所見として、関節に腫脹のほか2局所熱感を
認め、膝蓋上部に波動を触知した。ギブス包帯除去後の
膝関節には、他動的にわずかの可動性を認めるが、自動
的にはほとんど関節運動が認められない。また、大腿骨
関節面には、炎症性細胞(inflammatory 
cellular it山ILraLioo、 )と線
維性痩痕組織([市rous cicaLrizaLi
on )とが認められた。これらの所見から2本発明ヒ
ドロゲルの生体適合性の良いことが判明した。
実施例3 実施例2のポリヒニルアルコール粉末13g(含水率3
wt%)を水89gに溶解して得た11.6Wl・%水
溶液90gを+  1cmX1cmx5cInの板状体
(18枚分)成型用鋳型へ注入し、−53°CX 1 
bの冷却(凍結・成型)を施した後、鋳型を解体し、成
型体を取りはずすとともに、直ちに61Iの真空脱水を
施した結果、48f(含水率78WL%、脱水率47w
L%)のゲルを得た。このゲルの引張り試験において、
  6 kg / CTAの応力まで切断しなかった。
 このゲルを実施例2と同様に生体内に埋入して試験し
た結果、生体適合性の良いことが判明した。
実施例4 実施例3のボリヒニルアルコール粉末から調製した6w
L%水溶液1701を5等分し、それぞれをポリエチレ
ン製ヒーカー(50ml)に注ぎ、−50’CX111
の冷却(凍結・成型)を施し、続いて、そ゛れぞれに1
〜1411の真空脱水を施した。また脱水ケルを水中に
611浸漬後の重量を求め・tコ。
乾燥時間  脱水ゲル        浸漬ゲル(1+
)   U’)  含水率 脱水率 (g)  含水率
(%V 6%)    (WL%)         
   0・6%)1    27    92    
21    29   932    26    9
2    24    29    934    1
9    89    44    23   918
    5    62    85    11  
  8214    2.5   20    93 
   10   80また、浸漬後のゲルにつき、引張
り強度を測定し tこ 。
脱水時間(11)   強度(切断時、kL;I/aj
)1 2 3 5 14             6 なお、当該ゲルはいずれも水道水に浸漬し常温で90日
間以上放置しても、相互付着、形くずれはおこらず1強
度変化もほとんど起Cらなかっtこ。
これらのゲルを実施例2と同梗に生体内に埋入して試験
した結果、生体適合性の良いことが判明した。
比較例1 実施例2のポリビニルアルコール水溶液4Lfを13 
cm X 3 cmの底面の角形容器へ注ぎ、常温で2
日間放置しtコ結果、無色透明の軟弱な湿潤膜を得た。
この膜を水道水に61+浸漬したが、水中に一部溶解す
るうえ、膜自体粘着性を示す。実施例2の場合のような
ゴム状ゲルは全く生成しない。すなわちポリビニルアル
コール水溶液を単に乾燥させても本発明のゴム状高含水
性ゲルは得られない。
比較例2 実施例2のポリビニルアルコールのかわりに。
けん化度785モル%、粘度平均重合度1,800.’
4%水溶液の粘度(20°C)36cl’の市販ポリビ
ニルアルコールを用い、同様に操作した。凍結・成型・
脱水体74y(含水率55wt%)が得られたが、解凍
後は5°Cにおいても軟弱化し、少量のケル層のほかに
多量のポリビニルアルコール濃厚水溶液が層分離するの
を認めた。すなわち、けん化度の低いポリビニルアルコ
ールを用いても9本発明の耐水性ゲルは得られない。
比較例3 実施例1のポリビニルアルコールのかわりに。
けん化度99.2モル%、粘度平均重合度500.4%
水溶液の粘度(20°C)5601’の市販ポリ、ビニ
ルアルコールを用い、その18Wシ%水溶液20fを、
同様に凍結・成型・脱水したが、寒天に似たもろいゲル
13g(含水率72W1・%)が得られたにすぎず、は
と/しど弾性は認められないことを知った。すなわち。
重合度の低いポリビニルアルコールを用いても。
本発明の機械的強度の優れたゴム状の弾性ゲルは得られ
ない。
比較例4 比較例3と同じ重合度500のポリビニルアルコール水
溶液の濃度を3Qwl、%まで高め、その水溶液120
9 ニー73°CX1l+の凍結・成型を施した後、6
11の真空脱水を施し?、=。凍結・成型・脱水体10
6 g(含水率(36Wシ、%)を解凍後、水中に8b
浸漬した結果、  120g(含水率70Wシ%)にま
で吸水するとともに著しく軟化し、その一部は形くずれ
(水中への溶解)を起こした。
比較例5 ポリビニルアルコール(けん化度99..1モル%。
粘度平均重合度2,600)の6wt%水溶液34yを
冷却(凍結・成型)後、常温で1 b放置した。
粘着性の軟質ゲル(34y、脱水率0%、含水率94w
1.%)を得たが2弾性を示さず、引張り強度としては
わずか1009/cノJで既に破断された。
また、前記ケルlogを水30m1に浸漬したところ。
約20時間で形がくずれだし、水層は濁り、しかも大部
分粘着性の水に変わった。
このように、たとえポリビニルアルコール水溶液に凍結
・成型を施し融解させても1強度が低く耐水性の乏しい
粘着性のケルが得られるにすぎず。
凍結・成型機融解をさせずに脱水を施さないかぎり、本
発明で8う強度の強い耐水性のあるケルは生成しない。
比較例6 実施例1のポリビニルアルコール粉末(含水率3wl・
%)とカルボキシメチルセルロースのそれぞれの0.5
gずつを水9(lに加え、  15聞11煮沸して溶解
させて後、室温まで放冷して激しくかきまぜ。
しかる後、これを−50’Cでjob放冷(凍結)シ。
1mちに真空乾燥することにより、乾燥体lyを得た。
これは2発泡スチロール状の、しがもこれより更にもろ
い白色のスポンジであり、水中で容易に粘着液と化した
すなわち、ボリヒ丑ルアルコール0.5%程度の水溶液
につき本発明に準する操作を実施しても。
単なる水溶性の凍結乾燥体が得ら・れるにすぎない。
実施例5 実施例1と同様の操作により得られるヒドロケル断片(
20X 13 X 5111m)を、生体内埋入試験試
料とする。
ペン1−パルヒタールナl−リウム(so+Iiu+n
 pe++L−barl+il、u++山s、 1+c
nLol++trbiLal、 1o+++l、ol+
arl泪、onto、 Ner曲1山11゜so+Ii
+on  5− eLbyl −5−(1−no+Lh
ylbuもyl ) Itarb山】race)の静脈
注射による麻酔を施した( 11+1(38Ll+e 
Lized wi Ll+m1ravenous so
+lium pent、obIlrbil、al )家
ウサギの背腰部の皮膚切開(5kirt 1ncisi
on )と筋膜切開(1’+Lsei+rLomy )
を加えて筋(C1LI’t1 )を露出させ、筋線維走
行方向に切開し、配子(エレバ1−リウム+’ l +
:v;山+r)によr) 創(1ncision )を
開きつつ、上述のヒドロケル膜を挿入し、皮膚縫合(s
ki++ 5uLurc )後、滅菌済みコロジオン(
5Lcrilc co!Io市聞1)令聞1した。
1力月後に、上記試料理植部からの採取1組織(cxe
isctl specimens )を肉眼観察しく 
ex+uni+u+d grosSly )。
更にヘマトキシリン・エオシン染色(be…;山+xy
li++a+ul eoSin 5LILi口)による
光学顕微鏡観察を実施したが、埋植試料の形くずれ、膨
化、変色1周囲組織との癒着は全く認められず、細胞浸
潤((2(泪萌訂inl’i It、rat、i曲)の
無いことを知った。また2周辺組織に、なんらの炎症反
応も認められなかった。
比較例7 市販ポリビニルアルコール(けん化度99.9 モル%
、粘度平均重合度1,500. 4%水溶液粘度(20
″C)25 cp ) (7)粉末t3of(含水率8
wl、%)を水870fに溶解し、12w1.%とした
。この水溶液2gをカラス板上に塗布し、アプリケータ
ーを用いてQ、3ffff。
の厚さとする。■昼夜風乾して得たポリビニルアルコー
ル膜(10c+++X 13cmX 30μ+n )か
ら、zoxi:inrmの裁断片を採り、試験試料きす
る。
実施例5と同様に、家兎背腰部を切開し、ここへ」二記
ボリヒニルアルコール膜(本発明のホIJヒニルアルコ
ールゲルとは異なる公知のポリビニルアルコール膜(0
,5CmX o、5cmmx 0.03WI )を埋植
した。
1力月後の採取組織につき、同様に観察したところ、試
料周囲に円形細胞(globoid eel l ) 
、  巨細側(gia++L cell )が見られた
ほか、試料自体が著しくIII 化し、大半が泥状と化
していた。
実施例6 リノし化度995モル%、粘度平均重合度2.600 
4%水溶液粘度(20°C)67ePのボリヒニルアル
コー ル0) 9.4 WL%水溶液50o1とプロピ
レングリコール500gとを混合し、プロピレングリコ
ール 50WI、%、ボリヒニルアルコール4,7゛w
l、%の水H液を得、これに120°C×30 +ni
++の加圧スチーム滅菌を施し、無菌室において放冷す
る。
この水溶液411を、予めカス消毒を施したポリエチレ
ン製の突起配列板(突起高さ1mm、突起密度74,0
00個7111”、突起形状:直径1.8間の円柱、突
起部合計面積占有率20%、突起配列板/18CJIX
17cm)に注ぎ、へらを用い、均一に塗布した(塗布
厚さ07問)。これに、−50°CX0.71+の冷却
(冷却・固化成型)を施した後、411の真空脱水を施
し。
24.6 ! (脱水率すなわち冷却・固化体の市■、
減少率−4Qw1.%)の白色不透明ゲル(ネット)を
得た。こノネノトの見かけの引張り強度はl Icti
 /litに達した。これは、こ/しにやく類似の弾性
と柔欲性を有し、しかも、こ/しにやくに勝る機械的強
度を有し耐圧縮強度10に9/cr1以上を示した。
この膜(多孔板ゲル)の孔径は1.Bmm、  開孔率
(面積比)は20%、厚みは約05朋であった。
これを、あらかじめプロピレンオキシド・カスを用いて
滅菌したポリエチレン製の袋(50X2Qcm)に収め
、密封した。
雑種成人(+1dulL mongrel dog )
 (体重11/cg)にベントバルヒタールナI・リウ
ム(SO山聞1 l1曲((市旧す山1−■;山3)の
静脈注射による麻酔を施し、気管内挿管((ジ面(山+
tel+cal Lul]C)による酸素供給下に、犬
の左胸(11!I’l、 el+(!sl、 )  第
9肋間(1,lu+ ni++l、I+ inL++r
−cost、+tlSpaet+ )を切開し、左横隔
膜(lel’L 1eaf’ of’ Llll! d
i+i−曲1’+1g111 )を露出させ、その約8
0%を切除(exeiSt+tl )した。この欠損部
を前記ヒドロケル膜(7cm×7cm×05朋月こより
補修(repair) (、、絹糸により縫合後ペニシ
リン(1朋+1cillio )を、術後1.週間(凹
sLo凹「−;山v+:ly)投5 (a+Iun而5
Lc面)l、た。1年後の蛍光透視X線観察(1’1u
oroscopie tool X−ray t+x+
uoi++aLunQ ニよれば、補填膜(Ii!IB
山゛(ジ+I +Ii+Ll+l+r叩1■1)の作動
は良好で。
右側横隔膜に比し、伺ら異常((山iv;山曲)を認−
めなかった。また、その犠牲死体から採取した組織標本
(S門cimens )につき、肉眼及び組織学的(1
+is Lologトeally)観察の結果、ヒドロ
ゲル膜は腹腔内臓に11()−c++1oal vi9
eera )と肺臓間に収まり、薄い線維組織(「1l
Jrous Li5SuLりに包被されでおり、肉芽(
顆粒)組織(gr+u+ulaLion )は認められ
ず1組織反応(I’or++ign実施例7 けん化度975モル%、粘度平均重合度2,200./
1%1mmの粘度(20°C) 56 el’のボリヒ
ニルアルコール63Qj’(含水率7wL%)を、水4
.80([に溶解し、  llJwl、%溶液とした。
この水溶液4,536Pとグリセリン2.4/13gと
を混合し、ボリヒニルアルコールiM 度7. /l 
wL%、グリセリン’lIC35wt%の水溶液を得、
これに120”CX30πmの加圧スチーム滅菌を施し
、無菌室において放冷する。この水溶液29fを、予め
スチーム滅菌したステンレス・スチール製の突起配列板
(突起高さ0.25朋、突起密度74,000個/yn
’、突起形状:直径18間の円柱、突起部合計面積占有
率20%、突起配列板48cm×27cm)へ注ぎ、ア
ルミ板(27cmX 4 CmX O,]cm)を用い
て均一に掃き(塗布し)、塗膜厚さ0.25 mmとし
た。これに−60°CX0.7bの冷却(同化・成型)
を施した後、511の真空脱水を施し、  19IC脱
水率33w1.%)の白色不透明ゲルを得た。このネッ
トの見かけの引張り強度は2kQ/caに達した。この
膜(多孔板ケル)の孔径は1.11屑、開孔率(面積2
>は20%、厚みは0.2mmであった。これを、あら
かじめプロピレンオキシド・ガスを用いて滅菌したポリ
エチレン製の袋(50×30cm)に収め密封した。
ペントバルヒタールナトリウムの静脈注射による麻酔を
施した家ウサギのアキレスl健(Acbille’s1
、cmbm、 1.t:utIn 1Lcl+1lli
s、 I、en市I C4Ll(ziLIll、!II
s )部を脱毛後。
1、5 cmの縦皮膚切開(Iot+gil、而it+
+LI 5kin 1neisio++ )を加えてI
LF?組織(1HLr+LLO11+111 )を露出
させ、線維走行方向に、前方1健帝組織と1肺を5 a
m切開し。
切開部を配子により支えて1肺を上下左右に圧迫摩擦す
る。しかg後、前記ヒドロゲル膜(03×0.5 X 
0.02cm)を切開部へ挿入し、前方鍵音組織と腓と
を一針縫合し、皮膚縫合(5kin 81山+rp’)
を終え、滅菌済みコロジオンを塗布した。術後の跳躍は
ほぼ正常で、3日後にはぞの機能に全く異常を認めない
。1力月後、そのアキレス脚部を採取シ、ヘマI−キシ
リン・エオシン染色後、光学顕微鏡を用いて観察した結
果、m組織とヒドロゲル周辺に巨細胞は見られず、細胞
浸潤の無いことを知った。また、血管の新生が見られ、
腔(lumen )形成も良好である。
比較例8 比較例7の方法に準して得られるボリヒニルアルコール
膜(本発明のヒドロゲルとは異なる旧来のボリヒニルア
ルコール膜)(0,3X0.5X0.02cm )を実
施例7に準じて、家ウサギのアキレスjm切開部へ挿入
した。1力月後の組織標本を観察した結果、試料は著し
く膨化し、原形をとどめず、しかも周囲組織に巨細胞が
認められ、細胞浸潤が著明で、結合組織(5beaLl
+)細胞間に難染色性物質としてのヒドロケルが散在し
、U線維の走行か結合組繊細胞の出現により乱されてい
た。
実施例8 実施例7に準じて得られるボリヒニルアルコールとグリ
セリンの混合水溶液を、予め滅菌したカラス板に塗布し
、アプリケーターを用いてQ、3ffWの厚さきし、こ
れに本発明の冷却(−300)固化・真空脱水(脱水率
35wt%)を施して得られるヒドロケル膜(2X2.
3(Jl厚さ0.2 am )を試験試料とする。
ラボナール ((,1tiol川1山−IS()山川I
I、  1山曲+5−cl上yl  5−(1−mel
市yllJuLyl ) −2−Lbiob+Lrbi
1.ural、e)の静注(VDIIO−clysis
月こよる全身麻酔(gcncr+il antシs L
I+esia )を施した体重17 Icyの雑種成人
の頭皮(sc+由))を脱毛後。
右頭頂部(rigl+1. parieLal reg
ion)に7 cmの縦皮膚切開(long山n1io
al sc+Lll+ 1ncision )を加えて
側頭部(曲+5eul+Lrs tc+nporali
s)を剥離し1次に、ドリルを用いて頭頂骨に穿孔し、
骨組子(rollgoIIr )を用いて鶏卵大の骨欠
損を設け、1.5X2Cmの硬膜切除を加え、この部分
へmJ記ヒドロケル膜を当て四隅を縫合後、筋縫合(+
、e+opora、l聞+5cle Sul、ure 
)と頭皮縫合(S(1+由IFLIIII旧C)を施し
tこ。
6力月後の犠牲死体から、ヒドロケル膜及びその周囲硬
膜と脳実質(I)罰i+りを副出し、肉眼観察及びへ7
トキシリン畢工オシン染色(beIIIILl、oxy
l ir+コind eosi++ sl、ain )
による光学顕微鏡観察を実施したが、ヒドロゲル膜と脳
表面との癒゛着は認められなかった。また、ヒドロゲル
表面は被覆(Lb+iea 。
capsule )様組織により包囲されていたか1.
2軟膜(田)目ual。cr、、)への癒着はぼと/し
ど認められず、細胞浸潤及びグリア細胞(glint 
et!ll )の増殖なども見られなかった。
実施例9 ボリヒニルアルコール(けん化度995モル%。
粘度平均重合度2,600.4%水溶液の粘度(20’
C)66eP)の粉末30y、ソルヒ)−−ル、158
y、水292yを混合し、90°CX21+攪拌後、加
圧スチーム滅菌(120°Cx3omm)を施し無菌室
において放冷する。
ここへ抗菌薬としてのペニシリンOカリウム(I++1
−La5Sit朋凹n1cillin O)結晶粉末(
無菌乾燥品)20■(33,000単位)を溶解するこ
とにより、抗閑薬501111HI、ポリビニルアルコ
ール58Wし%、ソルヒト−ル33w1.%の水溶液を
得た。その45fIを、あらかじめプロピレンオキシド
・ガスを用いて滅菌したポリウレタン・ゴム製の突起配
列板(突起高さ0.5醋、突起密度74,000個/)
I?、突起形状:直径1.Bmmの円柱、突起部合計面
積占有率20%、突起配列板100Cm100C+++
)へ注ぎ、へらを用い、均一に塗布した(塗布厚さ0.
3 mm )。これニー58°CX O,71+ (7
)冷却(固化・成型)を施しtコ後、411の真空脱水
を施し、329C脱水率30wL%)の白色不透明膜(
ネット)を得た。このネットの見かけの引張り強度は3
1cq/cUに達した。このネットの孔径は18關、開
孔率20%、厚みは約0.2mmであった。これを、L
5)らかじめプロピレンオキシド・カスを用いて滅菌し
tこポリエチレン製の袋(100100cmX20に収
め。
密封した。
ペントバルヒクールの静脈麻酔(1nLrコAY(二1
1011Saneq l、besia )を施しjこ体
M13 Icyの雑種成人を開胸(LI+ora(Ya
tomy ) シ、左室側心膜CIcl’L peri
ca山on ) ニ。
縫い代を残す程度に及ぶ広範囲の切除を加え、こコニ、
上記ヒドロケル膜(5cmx5 cmx(J2mm)に
よる組織欠損部補填を施した。
6力月後の犠牲死体から得られる上記補填(卸IL−1
+Ierosis )部の切除標本(1lr1311a
raLI011 )につき、肉眼。
光字顕微鏡及び走査型電子顕微・鏡により観察しtコ結
果、心臓側における補填部との癒着は全く認められず、
ヒドロケル膜表面は、内皮様組織(e+ulo−1l+
elial l、iss、uC)により被覆され、平滑
であった。病理組織学(c)rLologra+n p
aLbologicILl +Lna1.omy)的に
も。
細胞反応は無く、心臓側に薄い内皮様組織が見られjこ
実施例IO 体重15 Icgの雑種成人につき、実施例9に準じて
開胸後、横隔膜崩性部に欠損(+l1al山r+咀聞L
L1etlel’c(シl、 )を作製し、実施例9の
ヒドロゲル膜(/I(JX6(JXo、2騎)により補
填(r1旧r)した。6力月後の犠牲死体から得た補填
部切除標本を観察した結果、補填部と肺との癒着は見ら
れなかった。
また、実施例9の場合と同様、薄い線維組織に包被され
ており1組織反応は見られなかった。
実施例11 実施例8と同様に操作して1本発明のヒドロケル膜(厚
さ0.2”+  1.3X1,2C++i) ヲ得り。
ペントバルヒタールナ1−リシムの=l 脈a 射によ
る麻酔を施した体重2.5 Icyの家ウサギの膝関節
(kee、凹削り部を脱毛後、膝部前面(anteri
or 5url’actりの外側(1IL1.eral
 ) ニ、 2cmの縦切開を加え、膝蓋骨(pal、
ell+L)を内側(n+e+1i+il ) ヘ脱臼
(tlisloe+Ll、ion )させ、膝部11j
l (paLcllar l、e++don )を残し
て、膝蓋骨外縁(IaLer+LI L+or+Icr
 )の軟部組織(porLio mollis )を切
開し、長指伸筋111!(L曲don (11’ 1.
tut exl、c++sor+l1g11.nrum
 1曲gus +nusclc)を離断して膝関節を開
き。
関節嚢(e+Lllsl山L arLict山triS
)、  交差靭帯(erosse+111glLu+e
nL ) 、半月板(口u:n1ScuS)等の関節内
軟部と関節軟骨(cart、ilago url、ic
+市10S)を、骨鉗子(r(ll1gl!II r 
)。
骨膜刀(pt+riosl、eol、ome )及びは
さみ(5cissorS)を用いて切除し、やすりを用
い関節面(1’aei+二s arLieo−1旧is
 p+t1.ellル(3)を研磨し、そこに、前記ヒ
ドロケル膜を挿入・被覆した。次に、膝蓋骨を整復(r
e+1ioL、叩I+山開)シ、関節嚢及び軟部を縫合
し、皮膚縫合後、関節を伸展位(++xLentle+
l )にてギフス固定した。1力月後の組織標本(Sp
eeimc++ )の肉眼観察及びヘマトキンリン・エ
オシン染色による顕微鏡観察の結果9手術関節(,1(
曲も)の腫脹(oneo曲!S)と炎症は認められず、
該膝関節は90°屈曲位をとり、他動的には160°〜
70°の可動域(電!Xfi旧°sim+ )か認めら
れる。関節面は結合織(sll+:+Lt・It8)に
、Lり被覆され、骨質増殖(ossei++ prt山
1(+++山開)、骨髄腔内(111111+3110
rbone marrowも+on+el )の炎症な
ども無く、健康関節面と類似の所見が得られた。
実施例12 体重10/cqの雑種成人に、ペントバルヒタールナト
リウム静脈麻酔を施し、その気管(L+ルehca )
に。
左右側肺活量測定用管(Car1曲’s c+LLlu
z1.er )を挿入した。肺活量(1回換気量(V曲
し1laLion+ ) )は、左肺(Iel’l、 
I曲g)85ml、右肺10071+/であった。
次に、この挿入管(t!11山+Lr+Lcl+eal
 1.III)(! )を人工呼吸器(res1山;山
+r)に接続して、肝吸管理のもとに。
胸骨正中部に縦切開を加え、開胸した。
まず、右胸腔(rigl+L L、l+oraeic 
teaν1cy)の壁側胸膜(1山)旧1L ll+1
口0シ;山S)を、ガーナにより擦過(ILIII°+
曲])し、史にタルク(L+Lle )粉末tyを散布
後、生理食塩水により胸腔内を洗浄した。
一方、左胸腔の壁側胸膜にも、同様の擦過とタルク粉散
布、洗浄を施した後、実施例1の方法に〆(1じ制作し
たヒドロゲル膜(25CmX 15cmX 2朋)を、
その四隅および中央部の計5個所にわたり。
胸膜−・縫合固定した。
前記胸骨り開部(sl、t+rpol・+1111)’
 )を、金属製手術用縫合線にノケル、モリブテン、銅
、マンガン。
けい素、すす系ステンレススチール)により結紮(Ii
g+tti曲)閉鎖した。
1カ月後、再び全身麻酔(general ;1nes
Ll+esia )を施し、気管内へ、左右側肺活量、
測定用チューフ(0+Lr1enIs cal、l+c
Ler )を挿入し、左右肺の1回換気量を測定した結
果、左肺80m1.右肺65m1であり。
右肺の換気量が著しく低下していることを知った。
この犬の犠牲死体の解剖所見によれば、右肺は胸膜と強
固に癒着していたのに反し、左肺の癒着は全く認められ
ない。
手続補正書(方式) %式% 1、事件の表示 昭和57年特許願第113987号 2、発明の名称 生体組織癒着防止膜 3、補正をする者 事件との関係  特許出願人 名称 (444)  日本石油株式会社昭和57年9月
28 6、補正の対象

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 けん化度97モル%以上、粘度平均重合度i、s o 
    。 以上のポリヒニルアルコールを6.4%以上溶解した水
    溶液に、必要に応じ炭素数3ないし6の多価アルコール
    を混合し、これを任意形状の容器または成型用鋳型へ注
    入後、これを−15°Cより低い温度で冷却・固化・成
    型し、しかる後、この成型体を融解させることなく、脱
    水率51%以上に到達するまで部分的に脱水し、必要に
    応じ水中に浸漬することにより含水率20〜92 Wl
    、%(ヒ到達させて、得たヒドロゲルから゛なる生体組
    織癒着防止膜。
JP57113987A 1982-07-02 1982-07-02 生体組織癒着防止膜 Granted JPS596061A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004504887A (ja) * 2000-08-02 2004-02-19 アエスクラップ アーゲー ウント コー カーゲー 医療技術製品、その製造方法、およびその外科用用途
JP2008155014A (ja) * 2006-11-30 2008-07-10 Yasuharu Noisshiki 癒着阻止用医用材料

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