JP2004504887A - 医療技術製品、その製造方法、およびその外科用用途 - Google Patents

医療技術製品、その製造方法、およびその外科用用途 Download PDF

Info

Publication number
JP2004504887A
JP2004504887A JP2002515340A JP2002515340A JP2004504887A JP 2004504887 A JP2004504887 A JP 2004504887A JP 2002515340 A JP2002515340 A JP 2002515340A JP 2002515340 A JP2002515340 A JP 2002515340A JP 2004504887 A JP2004504887 A JP 2004504887A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pva
product
molecular weight
medical technology
product according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002515340A
Other languages
English (en)
Inventor
フォルカー フリードリッヒ
エリッヒ カー オデルマット
クリスティーネ ヴァイス
Original Assignee
アエスクラップ アーゲー ウント コー カーゲー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from DE10117099A external-priority patent/DE10117099A1/de
Application filed by アエスクラップ アーゲー ウント コー カーゲー filed Critical アエスクラップ アーゲー ウント コー カーゲー
Publication of JP2004504887A publication Critical patent/JP2004504887A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L31/00Materials for other surgical articles, e.g. stents, stent-grafts, shunts, surgical drapes, guide wires, materials for adhesion prevention, occluding devices, surgical gloves, tissue fixation devices
    • A61L31/04Macromolecular materials
    • A61L31/048Macromolecular materials obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Prostheses (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

手術後の体における細胞融合を防止するための、15,000〜400,000g/モルの分子量を有する非架橋PVA、架橋PVAおよびそれらの混合物からなる群より選択される1以上のPVA(ポリビニルアルコール)からなる癒着防止用医療技術製品。PVAまたは混合物の分子量は、腎臓を通して実質的にPVA分子が分解することなく排出され得るように選択される。PVAが20,000〜400,000g/モルの分子量を有する。PVAが低分子量成分と高分子量成分との混合物からなり、その中の1以上がPVAであって、高分子量成分が特に高分子量PVAである。15,000〜400,000g/モルの分子量を有するPVAを化学的に架橋結合させる。

Description

【0001】
本発明は、手術後の体内における組織融合を防止するための癒着予防用医療技術製品、その製造方法およびその外科用用途(供給)に関する。
【0002】
患者の腹腔内の外科手術では、大抵、望ましくない傷跡が残る恐れがある。この作用は、腹膜に外傷を負わせたことを意味し、フィブリンの滲出を伴う炎症反応を引き起こす。結果として起こる組織融合は、腹腔内に適度なフィブリン溶解活性があれば消滅し、その場合患者には何の永続的不満も残らない。しかしながら、患者の酵素反応がフィブリン沈着物を溶解させるに十分でない場合、固着した、永続的な癒着が生じ、痛み、傷治癒の遅れ、または問題である患者の腹部器官の機能不全を生じさせることがある。
【0003】
例えば、一般的な外科および婦人科領域における腹腔鏡検査でも、組織融合は、下腹部痛および不妊のよくある原因となっている。
【0004】
過去数年の間に、再手術、人工弁の置き換え、または大動脈冠動脈のバイパスの装着等が、心臓外科手術において多く行われるようになってきた。最初の外科手術が原因で起こった心臓周囲の癒着は、出血する合併症または大動脈冠動脈バイパスの疾患等による死亡率の増加を伴い、患者への重大なリスクを意味する。
【0005】
連続的に巡回腹膜透析を行う場合には、腎臓において腹膜癒着が起こり得る。腸管領域における組織融合により、頻繁に通過障害が観察される。
【0006】
患者の自覚症状の他に、このような合併症は、余分な医療処置、慢性的な苦痛およびコスト増加を招く。
【0007】
処置手段および外科手術の改良によって、医療分野では、組織癒合およびそれに伴う合併症の防止を長く試みてきた。しかしながら、これらは適当ではなく、手術後の癒着を予防するために、効果的な追加手段が必要である。
【0008】
腹膜癒着の予防には、多くの手段が提案されてきた。例えば、子牛の眼の硝子液またはオリーブオイル等である。抗凝血物質およびフィブリン溶解物質は、組織融合を軽減し得るが、手術後の出血のリスクが、診療所への普及を妨げている。抗生物質の局所適用は、癒着形成をかなり増加させた。最もよく知られている癒着予防物は、腹膜の外傷を治癒中に周囲組織から分離させるために用いられる。
【0009】
本発明の問題は、外科手術に用いる医療技術製品、詳細には、望ましくない癒着を防ぐ医療技術製品であって、従来の医療技術製品の欠点を克服し、簡易かつ安価で製造でき、一般的な外科的手段に実際に用いる場合に取り扱いの容易な医療技術製品を提供することである。
【0010】
この問題は、手術後の体内における組織融合を防止するための、癒着予防用医療技術製品であって、15,000〜400,000g/モルの分子量を有する非架橋PVA、架橋PVAおよびそれらの混合物からなる群から選択される1以上のPVA(ポリビニルアルコール)を含む医療技術製品によって解決される。本発明による医療技術PVA製品は、フィルム、膜、溶液、泡、ゲル、スプレーまたは粉の形態で都合よく供給できる。その優れた生体適合性ゆえに、PVAは、特に患者の体内に用いることに適している。例えば、PVAは、インビボで変化せず、炎症反応を起こさず、体内器官の限られた範囲にのみ蓄積される。原則として、PVAは、炭素−炭素主鎖を有する生物分解性、合成ポリマーである。酵素分解のメカニズムは、数日間続くことが知られている。水酸基は、酸化されて、ケトン基になり、メチルケトンおよびカルボン酸に加水分解され、同時に炭素−炭素結合が開裂する。
【0011】
分解しないPVAの排出が、主に腎臓を通して起こり、その排出率は、分子量に依存する。分子量が15,000g/モル未満のPVAは、数時間で体内から排出されてしまうので、これは癒着予防に用いるには速すぎる。
【0012】
本発明で用いるPVAは、20,000〜400,000g/モルの分子量を有することで、より顕著な利点をもつ。一態様では、PVAは、低分子量成分と高分子量成分との混合物から形成されていてもよく、詳細には、高分子量成分はPVAである。
【0013】
水酸基を有するため、ポリビニルアルコールは水溶性である。ポリマーの溶解性、およびその他の化学的および物理的特性を、変化させてもよい。PVAの変化は、化学的変化、物理的変化または変化の組み合わせの形であってよい。化学的変化の例としては、共重合、分岐、および化学的架橋結合が挙げられる。物理的変化の例としては、物理的架橋結合、配向性分子構造の形成、ハイドロゲルおよびクリスタリット形成が挙げられる。
【0014】
未加工PVAの化学的架橋結合は、一般にアルコール基へのジイソシアネートの付加反応または多官能性酸との縮合反応によって起こり得る。架橋結合により逆転して不溶になることは、生物的PVA排出または除去には好ましい。本発明の製品を医療用に供給するにあたり特に重要なことは、毒性または害のある物質が、生理的条件下で患者の体内に全く形成しないことである。従って、本発明は、加水分解可能な架橋結合、特に多価カルボン酸の、例えば無水物の形体による架橋結合が好ましい。しかしながら、酵素的に開裂可能な架橋結合であってもよい。架橋結合は、開裂可能な結合、例えばエステル結合をもつ代謝可能なジイソシアネートとの反応であってもよい。従って、体内で分解せず、または分解に長時間かかるウレタン橋状結合は、全くおこならい。
【0015】
本発明の一態様において、15,000〜400,000g/モルの分子量を有するPVAを、化学的に架橋結合させてもよい。好ましくは、本発明の製品は、架橋剤によって架橋結合を起こすことを特徴とし、これにより、インビボで可逆的な架橋結合、詳細には化学的加水分解によって可逆反応する架橋結合となる。吸収性ポリマーの場合、架橋結合ポイントは、化学的加水分解が可能であり、酵素的に開裂しないことが好ましい。好ましい態様において、本発明の製品と関連して、癒着予防のために化学的架橋結合を、エステル化によって起こしてもよい。
【0016】
本発明の好ましい架橋剤は、多価ジカルボン酸および/またはそれらの誘導体である。PVAのアルコール基のジカルボン酸によるエステル化は、可逆架橋結合反応であることを特徴とする。詳細には、カルボン酸無水物を架橋剤として用い得る。このような架橋剤には、例えばコハク酸無水物またはシュウ酸無水物が挙げられる。開環エネルギーがフリーになるため、コハク酸無水物はコハク酸よりも反応性がある。
【0017】
2以上の官能基を有するその他の架橋剤も使用可能である。架橋剤は二重結合を有する化合物からなっていてもよく、例えばイミド類およびアクリレート類が例として挙げられる。
【0018】
架橋結合反応が溶液中で起こった場合、より短鎖の架橋剤が有利である。これは、単一のポリマー鎖のみで、分子内反応が起こる可能性が制限されるためである。従って、本発明では、シュウ酸およびその誘導体が、より分子鎖が短いために好ましい。
【0019】
本発明のその他の態様では、15,000〜400,000g/モルの分子量を有するPVAを、物理的に架橋結合させてもよい。好ましくは、物理的架橋結合は、クリスタリット形成によって行われる。このような物理的架橋結合では、PVA分子の3次元網が形成され、クリスタリットによって物理的架橋結合ポイントとして結合する。
【0020】
物理的架橋結合を効果的にするため、PVAの水溶液を−20℃にて6時間から48時間凍結させ、その後25℃にて2時間から6時間解凍してもよく、それにより望ましい架橋結合が得られる。本発明において、PVAハイドロゲルの調製を、凍結/解凍サイクルによって行ってもよく、数回繰り返すと好都合である。凍結/解凍サイクルによる物理的架橋結合の場合、相の違いは、温度の違いと関連し得る。詳細には、凍結/解凍サイクルによってナノ粒子がつくられ得る。
【0021】
PVA鎖を、数個のPVA水酸基のみが付加ラジカルと、好ましくはエステルおよび/またはエーテル基を経由して結合するように変化させてもよい。炭素鎖CからC16の脂肪酸および/またはアルコールが、このような変化には特に適 している。アミノ酸またはペプチドと結合させることも可能である。PVA一分子あたり、1〜10、特に1〜2のラジカルを有すれば十分である。変化の過程で、PVA溶液を体温にまで加熱するとゲル化する。仮にPVA溶液を室温で、例えばスプレー等で適用した場合、体温(37℃)にまで加熱すると、フィルムが形成され、望ましい癒着予防効果が得られる。
【0022】
その他の態様では、PVAが、PVAではない高分子量成分との混合物中に含まれていてもよい。このような高分子量成分は、0.5〜4重量%、特に1〜2重量%の量であってよい。高分子量成分を、PVAに二重層として適用してもよい。このような層の構造は、例えば高分子量成分をPVA膜上に噴霧することによって得られる。PVAから形成されていない高分子量成分を、追加の薬剤吸収体として供給してもよい。
【0023】
糖ポリマーを高分子量成分として本発明のPVAに加えると都合がよい。糖ポリマーは、詳細には、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルスターチ、キチンおよび/またはヘパリンからなる群から選択され得る。
【0024】
本発明の態様では、癒着予防用製品は、1以上の単層フィルムの形態であってもよい。PVAフィルムは、押し出し成形によって工業的に生産できる。詳細には、PVAフィルムをキャスティング方法で製造してもよい。詳細には、約5〜7μmの層厚の均一薄膜をスピンキャスティング方法で製造し得る。
【0025】
本発明において、フィルムを単層のみに形成してもよい。本発明のその他の態様において、フィルムを2層、つまり二重層に形成してもよい。このような二重層の例としては、PVAを主成分とする2層、またはPVAと、炭水化物、脂質およびタンパク質並びにそれらの誘導体からなる群から選択されるその他の成分との組み合わせからなる2層が挙げられる。PVAとCMC(カルボキシメチルセルロース)との二重層が好ましい。本発明のその他の態様では、フィルムは、3層を含む、いわゆる三重層であってもよい。例としては、PVAとCMCとの サンドウィチ状の組み合わせで、例えばCMC/PVA/CMC、PVA/CMC/PVA、CMC/PVA/PVAまたはCMC/CMC/PVAの配列の層、およびPVA、CMCと、炭水化物、脂質およびタンパク質並びにそれらの誘導体からなる群より選択されるその他の成分とからなる組み合わせが挙げられる。
【0026】
サンドウィッチ状構造では、PVA、CMCおよび任意によるその他の成分から形成された層を、例えば接合または溶接によって相互に連結できる。使用可能な接着剤は、水、PVAまたはCMCの水性溶液である。溶接は、望ましくは部分的溶接の形態での加熱、または超音波によって成し得る。
【0027】
PVA層に連結した第2層が、開孔材料、例えば好ましくはフリース、更に好ましくは凍結乾燥によって得られた材料である場合には、開構造によって自己接着するため、サンドウィッチまたは二重層構造物を患者の組織に固定する特別な処置が不要である。
【0028】
癒着予防用層状製品は、非型込み成形品であってもよい。その他の態様において、癒着予防用層状製品は、型込み成形品であってもよい。型込め成形により、特に、エンボス加工等の表面模様を施すことが可能になる。
【0029】
本発明においては、フィルムは一面以上に模様を施してよい。このような模様は、例えば模様を施す面へのキャスティング、またはエンボス加工等によって形成できる。幾何学的な形に模様付けすることが好ましい。このような表面模様は、層状製品の両面で異なるものであってもよい。
【0030】
本発明のその他の態様では、癒着予防製品は、泡または泡の前駆体であってもよい。好ましい態様においては、1層以上を、泡または泡前駆体の形態にしてよい。
【0031】
本発明のその他の態様においては、癒着予防製品は溶液の形態であってもよく、噴霧をすることが好ましい。
【0032】
本発明の更にその他の態様においては、癒着予防製品は、ゲル、特に微小ゲルの形態であってもよい。3次元安定性ハイドロゲルの形態が好ましい。微小ゲルは、適当な高圧ガスでスプレーでき、これによりスプレーゲルとして癒着予防に用いることができる。
【0033】
本発明のPVAは、特にナノメーター領域の直径を有する微小粒子、いわゆるナノ粒子であることが望ましい。ナノ粒子は、医療技術製品として様々な形態で供給できる。例えば、ゲル、フィルムまたはスプレー等の上述の適用形態が挙げられる。フィルム面上に、微小粒子および特にナノ粒子を供給することも可能である。
【0034】
本発明の医療技術製品は、水性媒体によって膨張するという点で、好都合な特徴がある。弱い架橋結合の下、乾燥ポリマーの膨張が水性媒体または適当な溶剤中で起こり、膨張は表面で始まり、内部にまで進行する。膨張率は、膨張剤の拡散係数に影響されず、ポリマーの切片の拡散率による。膨張が進行する程、架橋結合したポリマー鎖の砕屑性回復力が顕著になる。ゲルは、粘弾特性を有する。膨張は最大まで起こる。水性溶液から様々な濃度で調整され得る非架橋ポリマーの場合と異なり、化学的架橋結合をしたポリマーは、溶解しない。
【0035】
本発明の癒着予防製品は、層流で乾燥させた膜の形態であってもよく、膨張により液体を多量に、例えば製品重量あたり20%の水分を吸収し得る。膨張中の液体の吸収により、ゲルが形成され、これは摩擦抑制機能を発揮する。癒着予防製品は、ハイドロゲルの形態で水分80%であってもよい。本発明の癒着予防への適用により、体腔上皮機能の代わりにもなり得る。
【0036】
癒着予防用には、膜もゲルも硬すぎないことが望ましい。ゲルの硬さは、弾性力によって決まり、弾性網鎖の濃度に直接比例する。共有結合で架橋したゲルは、d=3の大きさを有する。弾性力は、濃度の上昇と共に、式E=kc9/4に従 い増加する。
【0037】
共有結合的および物理的に架橋結合したゲルは、濃度および重合度により弾性力が異なる。主として、物理的網は、スパゲッティーの皿のように見え、互いにからまりあっている。どちらの場合にも、弾性力は網目ポイントの濃度によって調整される。共有結合網では、膨張率および必然的にゲル中の架橋剤の濃度のみが影響する。重合度は、非常に高く、切り込みによっても変化しない。重合度が、変化しないで保持されるため、このことは通常の体の動きにおいて、主要な役割を果たす。共有結合網においては、鎖のスライドがあってはならない。物理的網においては、切り込みに伴い、網目ポイントは壊れ、再び連結する。物理的架橋結合ポリマーのみが、一定の条件下で表面を更に洗うことができ、そのため、体への限られた滞留時間および限られた処置期間が求められる外科での使用に適している。共有結合架橋ポリマーの特に優れた点は、それらの特徴を望ましく調節できることである。
【0038】
ハイドロゲルの形態のポリビニルアルコールは、ゴム状材料であって、その弾性は、明白に限定した網目ポイントによって調節でき、柔軟な体組織または筋肉に非常に近いものである。同時に、PVAは強い引っ張り強度を有する。
【0039】
本発明において、PVAまたは混合物の分子量は、本質的にPVA分子が分解することなく腎臓を通して排出され得るように選択できる。所望により加水分解または架橋結合の除去に続けて、PVAを、本質的にPVA分子が分解することなく、腎臓を通して排出することもできる。
【0040】
本発明において、医療技術PVA製品の架橋度は、その処置期間が5〜21日、および特に5〜14日であるように調節できる。癒着予防用には、材料が腹膜腔内に5日以上残ることが望ましい。排出時間の調整は、PVA排出に影響するパラメータの設定により行われ得る。影響因子は、例えば化学的架橋結合、PVA材料の物理的架橋結合、層厚、混合物組成および糖ポリマー等の添加剤の添加等が挙げられる。
【0041】
好都合にも、本発明の医療技術製品の肉眼での消滅は、生理的条件下で、7日〜60日であり得る。PVAの体内での残留時間は、ポリマー分子の流体力学的径にも依存する。本発明において、PVAは好都合にも5〜15nm、特に5nmの流体力学径を有する。
【0042】
架橋結合したPVAの顕著な長所は、生理的環境において、都合よく湿潤作用を有することである。本発明の医療技術的癒着予防製品は、特に架橋結合したPVAが、生理的媒体において、小分子材料の交換が可能な構造を有するが、本質的に生理的物質、例えば詳細には血液および細胞の沈着を防ぐ点に特に特徴がある。
【0043】
本目的のために、医療技術製品の構造的特徴、例えばPVA膜の表面構造、孔構造および網の厚みを、小分子、例えば水、グルコースまたは栄養素等が透過でき、しかし大分子、例えば血液、体細胞、マクロファージまたは微生物、例えば病原性細菌等の沈着を防ぐように適応させてもよい。
【0044】
PVA溶液およびブレンドは、LCST(低臨界溶液温度)作用を有する。この臨界温度より下で、PVAは、液化する。この温度より上では、PVAポリマーは沈殿する。この相の作用は、修飾によって調節できる。このような修飾の例としては、炭素鎖C〜C16の短ラジカル、たとえばドデシルラジカルまたは短 鎖脂肪酸、炭水化物、アミノ酸、ペプチドまたはブレンド、すなわちその他のポリマーとの混合物との結合が挙げられる。この方法では、PVA溶液は、患者への適用後、例えば体温37℃で体組織に噴霧した後、室温において直ちにフィルムを形成する。
【0045】
本発明は、癒着予防用医療製品の製造方法であって、15,000〜400,000g/モルの分子量を有する非架橋PVA、架橋PVAおよびそれらの混合物からなる群から選択される1以上のPVAから形成されることを特徴とし、PVAまたはそれらの混合物の分子量を、任意で架橋結合を除去した後、PVA分子が分解することなく腎臓を通して実質的に排出され得るように選択する癒着予防用医療製品の製造方法にも関連する。
【0046】
本医療技術製品は、凍結乾燥させると、更に都合がよい。凍結乾燥により、本発明のPVAを、スポンジ構造に転換してもよい。このような構造は、医療技術製品の取り扱い特性を向上させる。
【0047】
本発明の一態様において、PVAを、特にクリスタリットの形成により、物理的に架橋結合させてもよい。物理的架橋結合は、凍結/解凍サイクルを、特に数回繰り返すことによって得られる。好ましくは、凍結/解凍サイクルによって、ナノ粒子を製造する。
【0048】
PVA粒子の製造には、油相水滴型エマルジョンをホモジナイズして、該エマルジョンを凍結させる。界面活性剤を加える必要はない。得られる粒子の径は、継続時間およびホモジナイザーの設定速度(回転/分)および通常はPVAの濃度に依存する。PVA粒子の径は、ナノメーターから、マイクロメーター、ミリメーターにまで調整できる。凍結/解凍サイクルの数により、クリスタリットの形成度合いおよびそれによる膨張作用が決まる。凍結サイクルの次に、PVAナノ粒子または微小粒子をろ過および乾燥により分離してもよい。このような粒子は、例えばスプレーの形態で噴霧できる。このような方法によりできたものは、癒着予防に都合よく用いることができる。
【0049】
本発明のその他の態様において、PVAを、化学的に架橋結合させてもよく、詳細には溶媒混合物中で架橋結合させてもよい。生理的条件下で、可逆的な架橋結合が望ましい。多価カルボン酸、特にそれらの誘導体による化学的架橋結合が望ましい。
【0050】
本発明において、消滅作用、特にPVA、好ましくは非架橋PVAまたは物理的架橋したPVAであって、15,000〜400,000g/モルの分子量を有するPVAの処置期間は、高分子量成分、特にPVAおよび/または糖ポリマーと混合することにより、望ましいレベルに調整してもよい。
【0051】
都合よく、架橋を望ましいレベルまで行い得る。本発明において、溶解作用、特に処置期間を架橋度によって調整し得る。
【0052】
本発明においては、酸触媒およびそれによるPH依存で起こるエステル化反応が望ましい。重要な工程のパラメーターは、水性反応液におけるPVAの濃度である。例えば、22,000g/モルの分子量を有するPVAでは、6重量%以上の水性溶液中濃度が必要である。温度が高い程、縮合反応は速く起こる。ゲル形成時間は、粘度上昇に依存する。ゲル形成時間は、温度が10℃上がることによって半減する。ゲル形成時間は、pHが増加するに従い数時間増え、例えばpHが1.2から2.9に変化した場合には、9時間から42時間になる。
【0053】
一態様において、架橋反応を、既製品上、特にPVAフィルム上で行ってもよい。水性溶液中のPVAからスピンキャスティングにより、均一フィルムを製造できる。このようなフィルムが、アセトン90%および水10%の混合溶剤中で乾燥させた後に得られたものであれば、水は、PVA膜を溶解させることなく膨張させ得る。このような方法で予め膨張させたPVA膜には、化学的架橋剤が容易に浸透でき、意図した反応が起こった場合に再び洗い流すことができる。
【0054】
本発明はまた、上記のような方法で、ヒトおよび獣医学の外科治療において、癒着の予防に用いるための医療技術製品の用途(供給)に関する。本発明のPVAを基とした製品は、医療的要求および望まれる使用方法の機能により、異なる形態で供給または調製できる。例えば、膜、溶液、泡、ゲルまたはスプレー等の形態であってよい。製品を全体的にまたは部分的に乾燥させてもよい。本発明の医療技術製品は、外科用材料、例えばインプラント等へのコーティングとして提供してもよい。
【0055】
医療技術製品を、膜の形態で、体内の組織層の物理的分離を目的として都合よく提供できる。
【0056】
その他の態様において、多層膜またはフィルムの形態の医療技術製品を体内の組織層の物理的分離に用いてもよく、好ましくは、片面が、組織付着を防ぐように構成され、もう片面が特に表面模様を通して、組織付着を助けるように構成されている。従って、外科手術中に、フィルムまたは膜を体内に固定するために縫合する必要がない。
【0057】
その他の態様において、溶液の形態の医療技術製品を体内の組織層の物理的分離に用いてもよい。
【0058】
その他の態様において、フィルムの形態の医療技術製品を体内の組織層の物理的分離に用いてもよい。
【0059】
更にその他の態様において、ゲル、特にスプレーゲルの形態の医療技術製品を体内の組織層の物理的分離に用いてもよい。
【0060】
その他の態様において、ナノ粒子の形態の医療技術製品を組織層の物理的分離に用いてもよい。
【0061】
その他の態様において、スプレーの形態の医療技術製品を組織層の物理的分離に用いてもよい。
【0062】
特別な態様において、独立した生体適合性成分と組み合わせた医療技術製品を組織層の物理的分離に用いてもよい。例として、PVAとイオン性成分との相互作用が挙げられ、それによって処置現場でそれらを組み合わせる間にゲルがイオン架橋によって形成され、癒着予防に用いられる。
【0063】
本発明の更なる特徴および詳細は、次の実施例で示した好ましい態様の記載から推測され得るものである。個々の内容を単独で実行しても、組み合わせて実行してもよい。実施例は単に本発明を説明するものであって、本発明を制限するものではない。
【0064】
PVAからの膜およびハイドロゲルの製造
実施例1
キャスティング工程
PVAをねじ留め可能なショットガラスに量りとり、脱イオン水を加え、乾燥オーブン中で90℃にて溶解させる。この方法において、本工程は極めて迅速に行うことで、泡立ちを避けることができる(ガス抜きが不必要となる)。溶液を使い捨てシリンジによって、滅菌フィルター(孔径0.45μm)を通してろ過し、テフロン(登録商標)上に注ぎ、層流にて乾燥させる。満たす量によって、望ましい膜厚に調節できる。4〜20%PVA水性溶液が最適である。膜を望ましい大きさにカットしてもよい。
【0065】
模様化した面が望ましい場合には、テフロン(登録商標)で望ましい構造を予め形作り、その後、製品に転写する。
【0066】
実施例2
PVA粘度
高分子量物質の溶解工程の決定的なパラメーターは、粘度である。8〜10%のPVA溶液をろ過することが可能であり、取り扱いも容易である。0.45μmのフィルターを用いる溶液のろ過では、粘度が25mPasまで可能であるが、より高い粘度のものについては、より大きな孔径フィルターを用いる必要がある。注入またはキャスティングは、50mPasまでは全く問題がないが、より高い粘度では、キャスティングが極めて遅くなり、空気の泡が発生する可能性があり、その泡は針で孔が開いたり、表面をなめらかに延ばすことにより端に移動することがあるかもしれない。
【0067】
実施例3
膜特性
膜は、なめらかで透明であるが、所望により、支持層構造を吸収して、その結果乳白色に見えてもよい。空気調整キャビネットにおける調整(すなわち水の吸収)で、これを再び除去するか、または調節することができる。膜は、均一で、1500倍にしても、孔が全く見られない。REMには穴が全くなく、画像を鮮明にするには、チリ粒子またはその類似物に焦点をあてることが必要である、
実施例4
膜の調整
PVA膜は、空気中での長い乾燥工程のために、比較的砕け易い。明白に限定した熱および水分条件下での調整が不可欠である。空気調整キャビネットを37℃および湿度100%に設定する。水分の作用下で、膜は、急速に柔軟かつフレキシブルになる。最適調整条件を見つけるために、異なる試料組成物からテスト片(4×1cm)を切り取り、空気調整キャビネットに、時間を変えて保存した。機械的特性に関する調査では、最初の3日以内に、キャビネット内で破断力が減少することが明らかになった。約7日後、膜を浸し、破断力を平坦値になるまで課す。破断力をその後、初期値の約半分にする。20の試料のそれぞれにおける、3バッチの誤差平均は、3日調整した後、10N/mmの誤差範囲である (δ=10N/mm)。試料の膨張率は、水の吸収で明らかに増加する。空気 調整キャビネットにおいて、3日後の誤差範囲は、30%(δ=30%)である。調整は試料の膨張率を500%にまで増加させ、すなわち、これに対応する期間、膜は破れることなく、動きや、それに付随した通常の体および内在的な動きの結果からなる膨張に耐える。1日のみ空気調整キャビネットに保存した後、フィルムの膨張率は、倍にまで増加し、平坦値は(破断力を測定した場合と同様に)6〜7日後に観察された。
【0068】
実施例5
添加剤
数%の高分子量PVAを混ぜると、膨張率に明らかに表れる。高分子量PVAをたった0.5〜1重量%添加するだけでも、膜の膨張率は、100%にまで増加する。異なる分子量を有する異なるPVAを混合することにより、増加が必然的におこり得る。
【0069】
実施例6
吸収作用
異なる厚み(0.06〜0.16mm)を有する膜の吸収性を、水性溶液中で、37℃にて調査した。種々の膜の時間による溶解は、組成物および厚みを変えることにより調節できる。比較的短鎖のPVA(分子量20,000g/モル)から作られた膜は、0.12mmの厚みで、4週間以上安定である。より薄いフィルムは、急速に溶解し、最初に大きめの断片に分解し、癒着を完全に防ぐことができない。ホモジナイズした混合物、すなわち、PVAと高分子量成分とのブレンドでは、厚さ0.1mm以上の膜が、4週間以上安定である。純粋PVAフィルムもブレンドも、溶液中では透明に見える。
【0070】
実施例7
添加剤の吸収への影響
カルボキシメチルセルロース(CMCと略す)またはその他の炭水化物の混合添加において、吸収率および分解メカニズムに変化がみられる。フィルムは、より膨張し、混濁して見えるが、大きめの断片に分解することはない。膜表面において、サイズを大きくする小さい孔が形成される。0.25重量%のCMCを加えるだけで、早くも膜の分解作用が変化する。
【0071】
実施例8
滅菌
ガンマ線放射、EtOx滅菌およびプラズマ滅菌を滅菌方法として試みた。滅菌中に起こるリスクは、材料中にラジカルが形成されることがあり、膜中に安定な炭素―炭素結合を生じさせ得ることである。そうなると、材料が非溶解性となり、吸収性を完全に変化させてしまう。材料中のこのような新たな結合は、粘度において劇的な効果を有する。従って、検査目的で滅菌した膜を再び溶解し、粘度計で測定した。ガンマ線で滅菌した後の膜の粘度は、初期値より小さく、このことは、フィルムが水分を含み、その結果ある程度、量った重さが変わったことで説明がつく。Co60の放射は、26.2〜30.4kGyの範囲で行った。プラズマ滅菌も真空乾燥段階があり、その結果、8%の初発溶液と粘度が極めて良好に一致した。架橋結合が検出されたケースは、全くなかった(数回バッチテストの結果)。すべての滅菌試料を滅菌でき、すなわち、3つの滅菌方法の全てが用いられ得る。
【0072】
実施例9
生体適合性
膜の生体適合性のテスト結果は非常に良好であった。例えば、マウスによる急性全身毒性テストでは、注射したコントロール溶液と比較して、全く差異は見られなかった。注射は、一部は静脈注射で、一部は腹膜内に注射した。注射後、4、24、48、72時間後に動物を観察した。同様に、例えばマウス神経芽細胞の細胞毒性テストを行ったところ、やはり良好な結果が現れた。細胞形態または毒性作用の兆候に変化は全く見られなかった。材料は、細胞毒性が全くなく、急性全身毒性を全くもたない。
【0073】
実施例10
ハイドロゲル
PVAハイドロゲルは、凍結−解凍工程にて製造できる。20%PVA溶液をペトリ皿に入れ、−20℃で凍結させた。この工程は、何度も繰り返し行うことができ、カバーをした状態で12時間凍結し、再び2時間解凍する。得られるPVAハイドロゲルは、3次元安定性で、粘着性である。PVAの分子量が大きいほど、得られるゲルは、より3次元安定性となる。
【0074】
実施例11
ナノ粒子
実施例10の凍結−解凍サイクルによって、PVA粒子も製造できる。PVAまたはPVA混合物(異なる分子量)を水またはpH7.4のリン酸バッファーに溶解する。体積で2〜20%の水性溶液を過剰のシリコンオイル中に加える。この混合物をホモジナイザーで、5分間、10,000回転/分にてホモジナイズし、油中水滴型エマルジョンにする。1〜10回の凍結サイクルを−20℃にて行った後、PVA粒子を、アセトンを用いて体積比1:10で抽出する。PVA粒子をろ過して、アセトンで洗浄し、真空乾燥させる。ナノ粒子はほとんど丸く、ラフな面を有する。PVAハイドロゲルナノ粒子は平均で、680±40nmである。
【0075】
実施例12
組織付着の向上
層流で乾燥させたPVA膜、または凍結/解凍サイクルによって製造した3次元安定性PVAハイドロゲルの組織付着に関する調査を行った。
【0076】
PVA製品の付着作用は、表面がラフであることにより、向上し得る。これを明白に限定した面を有する支持層にPVAをキャスティングすることにより行ってもよい。本目的のために、波型になった支持層を用いてもよい。続いて、PVA面に、例えばマイクロメーター領域のニードルを用いてまたはパターンに型込み成形することによって中断面を作ってもよい。
【0077】
組織付着性は、架橋傾斜形成によって向上させてもよい。これはゲル形成中に異なる温度に設定することにより達成される。
【0078】
付着性は、PVAの化学的変化によっても向上する。膜表面の親水性は、カルボキシル基等の官能基を取り入れることにより増加する。PVA膜の親水性は、キャスティングした支持層の性質によっても影響される。したがって、ガラス等の多孔性面へのキャスティングは、親水性を上昇させる。
【0079】
凍結−解凍サイクルによって製造したPVAハイドロゲルの場合、凍結乾燥装置による凍結乾燥で、スポンジ構造にしてもよい。このようなスポンジ構造は、効果を損なうことなく、取り扱い性および湿った組織上への付着性を向上させる。
【0080】
成形等の処理工程を行って、スポンジ構造物の作用を組織に適応させてもよい。
【0081】
溶剤の蒸発によって製造したPVA膜は、PVA溶液を噴霧してから凍結乾燥させてもよい。形成される二重層は、一方で完全な膜の特性を有し、他方で、生体付着性スポンジ構造を有する。
【0082】
凍結−解凍サイクルによって製造したPVAハイドロゲルに温度勾配を与えてもよく、それによって材料に生体付着特性が形成される。この有利な特性は、勾配による物理的網目ポイントの厚みの差から生ずるものである。
【0083】
PVA溶液を、ノズルを用いて噴霧し、この方法でフリースに加工してもよく、これは癒着予防には都合よく用いられる。
【0084】
実施例13
PVAコーティング
外科手術において、ポリプロピレンの網織物がインプラントとして用いられ、しばしば腹部内臓と直接接触して、体組織が傷つけられたときに、組織融合が起こることがある。既成のPP網に、本発明の抗癒着PVAコーティングをコーティングすると、このような組織融合が妨げられる。組織が治るまで、約7日間層はその場に残り、その後吸収される。
【0085】
網のコーティングはPVA溶液に浸すことにより得られる。PP網上のコーティングの厚みは、PVA溶液の濃度または浸入時間によって調節できる。
【0086】
ナノメーター領域の非常に薄いコーティングは、網を1%のPVA溶液に約80℃にて浸すことにより得られる。コーティング過程と関連して、PVA分子量による決定的な部分は全くない。しかしながら、体への吸収時間は、分子量と直接結びつく。したがって、非常に薄いコーティングには、約200,000g/モルの分子量を有する高分子量PVAを用いることが好ましく、それによってコーティングが直ちに再び溶解することなく、引き続き癒着に対する保護を提供することはない。非常に薄いコーティングは、網の材料特性を変えることなく、PVA層は、透明である。
【0087】
マイクロメーター領域の厚めの層では、コートする網を、1回以上、3〜10%のPVA溶液に浸漬し、凍結させる。1〜5回の凍結−解凍サイクルで、望ましい強さとなり、PVAハイドロゲルが形成される。PVAハイドロゲルは、より厚い層であっても、弾性で、網の材料特性を変えることはない。吸収時間は、この物理的架橋結合によって明らかに延長する。分子量が高い程、ハイドロゲルは安定である。吸収時間の正確な設定のために、低分子量と高分子量のPVAの混合物を用いることも可能である。PVA層は透明である。
【0088】
予防結果
動物実験における外科的使用
実施例14
野うさぎの盲腸を動物モデルとして用いた。盲腸の表面をガーゼの包帯で15分間侵食した。残る回旋腸管に面する内臓腹膜を5分間侵食した。テストは、腹膜壁の傷ついた面と盲腸面上の内臓腹膜との組織融合面の割合、組織融合の強さおよび腹部壁欠損付近の組織学的状態により行った。
【0089】
層流で乾燥させた8%溶液からなり0.09〜0.1mmの厚みを有するPVAフィルム(AAF1)、凍結−解凍サイクルにて製造した0.15mmの厚みを有する重量比60:40のPVA1/PVA2からなるPVAハイドロゲル、および参考までに市販の抗癒着フィルムを、癒着予防用に用いた。
【0090】
本発明のハイドロゲルは、分子量約20,000g/モルの比較的短鎖のPVAからなるPVA1、および分子量約200,000g/モルの比較的長鎖のPVA2からなる。ハイドロゲルは、20%水性溶液から、凍結−解凍過程を3回繰り返し行って製造した。3次元安定性ハイドロゲルは、約80%の水分を含む。
【0091】
予防的な処置をしていないコントロール群の動物12匹は、全表面の100%まで癒着を示した。AAF1およびAAF2試料は、市販の抗癒着フィルムよりも良好な効果を示した。
【0092】
AAF1を用いた予防の場合には、12匹中8匹が完全に癒着せず、4匹は、全表面の50、15、2および10%の癒着を示す。AAF2を用いた予防の場合には、12匹中6匹が3〜10%の限られた表面領域で癒着を示した。分析方法の一つの分散テストにおけるデータの統計学的分析(ANOVA)では、コントロール群と比較して有意な差を示した。市販の抗癒着フィルムと比較して、AAF1およびAAF2は、癒着面を減少させた。AAF1およびAAF2は、共に有意な差がなかったが、市販のフィルムと比較した差は有意であった。
【0093】
AAF1およびAAF2で処理した動物群の場合、癒着は起こっても、全て繊細で、容易に接する組織構造に溶解する程度までである。したがって、PVAフィルムは、癒着予防には効果的である。
【0094】
実施例15
用いた動物モデルには、野うさぎの子宮角状突起を用い、これは長く定着した癒着系を有するものであった。
【0095】
子宮角状突起上の漿膜を、新しい外科用メスを用いて、長さ5cm分引っかく。これにより、点状に出血箇所ができる。全ては、野うさぎ12匹で行った。8匹は、AAF2で予防的処理をして、4匹をコントロール群とした。全ての動物は、急性毒性を示さず、その体重は維持またはわずかに増加した。癒着予防を施した8匹中7匹が癒着を全く示さなかったが、1匹は、表面領域の約25%を超えるわずかな組織融合を示した。PVA癒着予防によって、明らかに癒着減少が成し遂げられた。

Claims (47)

  1. 手術後の体内における細胞融合を防止するための、癒着予防用医療技術製品であって、15,000〜400,000g/モルの分子量を有する非架橋PVA、架橋PVAおよびそれらの混合物からなる群から選択される1以上のPVA(ポリビニルアルコール)を含む医療技術製品。
  2. PVAが20,000〜400,000g/モルの分子量を有することを特徴とする請求項1の製品。
  3. PVAが低分子量成分と高分子量成分との混合物からなり、その中の1以上がPVAであって、高分子量成分が特に高分子量PVAであることを特徴とする請求項1または2の製品。
  4. 15,000〜400,000g/モルの分子量を有するPVAを化学的に架橋結合させることを特徴とする先の請求項のいずれかの製品。
  5. 化学的架橋結合をエステル化架橋により行うことを特徴とする請求項4の製品。
  6. 架橋剤を用いて化学的架橋結合をさせ、該架橋剤は、インビボで可逆的な架橋結合および特に化学的加水分解に可逆的な架橋結合を与える架橋剤であることを特徴とする請求項4または5の製品。
  7. 架橋剤として、多価カルボン酸および/またはそれらの誘導体を用いることを特徴とする先の請求項のいずれかの製品。
  8. 15,000〜400,000g/モルの分子量を有するPVAを物理的に架橋結合させることを特徴とする先の請求項のいずれかの製品。
  9. 物理的架橋結合を、クリスタリット形成により行うことを特徴とする請求項8の製品。
  10. PVAを水酸基にラジカルを結合させることにより変化させることを特徴とする先の請求項のいずれかの製品。
  11. PVA一分子あたり1〜10、好ましくは1〜2のラジカルが存在することを特徴とする請求項10の製品。
  12. ラジカルが炭素原子をC〜C16含み、特に炭水化物、脂 肪酸および/またはアルコールラジカルであることを特徴とする請求項10または11の製品。
  13. PVAを、PVAではない高分子量成分と混合することを特徴とする先の請求項のいずれかの製品。
  14. 高分子量成分が0.5〜4重量%、特に1〜2重量%含まれていることを特徴とする請求項13の製品。
  15. 糖ポリマーを高分子量成分としてPVAに加えることを特徴とする請求項13または14の製品。
  16. 糖ポリマーが、カルボキシメチルセルロース、デキストランおよび/またはヒドロキシメチルセルロースからなる群から選択されることを特徴とする請求項15の製品。
  17. 1層以上のフィルムの形態であることを特徴とする先の請求項のいずれかに記載の製品。
  18. フィルムが、二重層または三重層の形態であって、特にPVAおよびカルボキシメチルセルロースからなることを特徴とする請求項17の製品。
  19. フィルムが1面以上に模様を有することを特徴とする先の請求項のいずれかの製品。
  20. 特に1以上の層が泡または泡前駆体の形態であることを特徴とする先の請求項のいずれかの製品。
  21. 溶液の形態であることを特徴とする先の請求項のいずれかの製品。
  22. ゲル、特に微小ゲルの形態であることを特徴とする先の請求項のいずれかの製品。
  23. 3次元安定性ハイドロゲルの形態であることを特徴とする先の請求項のいずれかの製品。
  24. 微小粒子、特にナノ粒子の形態であることを特徴とする先の請求項のいずれかの製品。
  25. 水性媒体により膨張する形態であることを特徴とする先の請求項のいずれかの製品。
  26. 製品重量の20%までの量の液体を乾燥膜中に膨張によって吸収することを特徴とする先の請求項のいずれかの製品。
  27. PVAまたは混合物の分子量を、任意で加水分解または架橋結合の除去をした後に、PVA分子が腎臓を通して実質的に分解することなく排出されるように選択することを特徴とする先の請求項のいずれかの製品。
  28. 処置範囲における機能期間が5〜21日、特に5〜14日であることを特徴とする先の請求項のいずれかの製品。
  29. 生理的条件下での肉眼的消滅が7〜60日であることを特徴とする先の請求項のいずれかの製品。
  30. 癒着防止用医療技術製品の製造方法であって、15,000〜400,000g/モルの分子量を有する非架橋PVA、架橋PVAおよびそれらの混合物からなる群から選択される1以上のPVA(ポリビニルアルコール)を含み、PVAまたは混合物の分子量を、任意で架橋結合の除去をした後にPVA分子が腎臓を通して実質的に分解することなく排出されるように選択することを特徴とする医療技術製品の製造方法。
  31. 医療技術製品を凍結乾燥することを特徴とする請求項30の方法。
  32. PVAを、特にクリスタリットの形成によって、物理的に架橋結合させることを特徴とする請求項30または31の方法。
  33. 物理的架橋結合を、凍結−解凍サイクルを特に数回繰り返すことによって形成することを特徴とする請求項30〜32のいずれかの方法。
  34. 凍結−解凍サイクルによってナノ粒子を製造することを特徴とする請求項30〜33のいずれかの方法。
  35. PVAを、特に溶剤混合物中で化学的に架橋結合させ、好ましくは生理的条件下で可逆的な架橋結合であることを特徴とする請求項30または31の方法。
  36. 多価カルボン酸、特にそれらの誘導体を架橋剤として用いることを特徴とする請求項30または35の製品。
  37. 消滅作用および特にPVA、好ましくは非架橋結合PVAまたは物理的架橋結合PVAであって、15,000〜400,000g/モルの分子量を有するPVAの機能期間を、高分子量成分、特にPVAおよび/または糖ポリマーとの混合によって、望ましいレベルに設定することを特徴とする請求項30〜36のいずれかの方法。
  38. 消滅作用、特に機能期間を、架橋度により設定することを特徴とする請求項30〜37のいずれかの方法。
  39. 既製品、特にフィルムまたはシートの形態のPVAを架橋結合させることを特徴とする請求項30、31または35〜38のいずれかの方法。
  40. ヒトおよび獣医学の外科における癒着予防のための、請求項1〜29のいずれかの医療技術製品の用途。
  41. 膜の形態の医療技術製品を組織層の物理的分離に用いることを特徴とする請求項40の用途。
  42. 多層膜またはフィルムの形態である医療技術製品を組織層の物理的分離に用い、好ましくは片面が組織付着を防ぐように構成され、他方が特にその表面模様によって組織付着を助けるように構成されていることを特徴とする請求項40の用途。
  43. 溶液の形態の医療技術製品を組織層の物理的分離に用いることを特徴とする請求項40の用途。
  44. 泡の形態の医療技術製品を組織層の物理的分離に用いることを特徴とする請求項40の用途。
  45. ゲル、特にスプレーゲルの形態の医療技術製品を組織層の物理的分離に用いることを特徴とする請求項40の用途。
  46. ナノ粒子の形態の医療技術製品を組織層の物理的分離に用いることを特徴とする請求項40の用途。
  47. スプレーの形態の医療技術製品を組織層の物理的分離に用いることを特徴とする請求項40の用途。
JP2002515340A 2000-08-02 2001-07-28 医療技術製品、その製造方法、およびその外科用用途 Pending JP2004504887A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE10037601 2000-08-02
DE10117099A DE10117099A1 (de) 2000-08-02 2001-04-06 Medizintechnisches Produkt, Verfahren zu seiner Herstellung und Bereitstellung für die Chirurgie
PCT/EP2001/008768 WO2002009789A2 (de) 2000-08-02 2001-07-28 Medizintechnisches produkt, verfahren zu seiner herstellung und bereitstellung für die chirurgie

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004504887A true JP2004504887A (ja) 2004-02-19

Family

ID=26006583

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002515340A Pending JP2004504887A (ja) 2000-08-02 2001-07-28 医療技術製品、その製造方法、およびその外科用用途

Country Status (8)

Country Link
US (2) US20030180251A1 (ja)
EP (1) EP1305062B1 (ja)
JP (1) JP2004504887A (ja)
AT (1) ATE344677T1 (ja)
AU (1) AU2002210436A1 (ja)
DE (1) DE50111415D1 (ja)
ES (1) ES2275739T3 (ja)
WO (1) WO2002009789A2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007529280A (ja) * 2004-03-17 2007-10-25 ジェンザイム・コーポレーション 癒着防止スプレー
WO2015163289A1 (ja) * 2014-04-24 2015-10-29 学校法人東海大学 高分子積層体
WO2020226157A1 (ja) * 2019-05-09 2020-11-12 国立大学法人横浜国立大学 Pvaハイドロゲルおよびその製造方法

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10136722A1 (de) * 2001-07-27 2003-02-13 Evotec Ag Verfahren zur Verhinderung der Adhäsion von Partikeln
DE10204819A1 (de) * 2002-01-31 2003-08-14 Aesculap Ag & Co Kg Blutstillungsmittel und seine Bereitstellung für die Medizin
DE10318801A1 (de) * 2003-04-17 2004-11-04 Aesculap Ag & Co. Kg Flächiges Implantat und seine Verwendung in der Chirurgie
DE102004014633A1 (de) * 2004-03-22 2005-10-13 Aesculap Ag & Co. Kg Zusammensetzung zur Adhäsionsprophylaxe
DE102004052203A1 (de) * 2004-10-20 2006-05-04 Aesculap Ag & Co. Kg Trägermaterial mit Silberpartikeln, Bereitstellung des Trägermaterials, medizintechnisches Produkt enthaltend das erfindungsgemäße Material und Verfahren zur Detektion des Trägermaterials sowie von Adhäsionen
US9119901B2 (en) 2005-04-28 2015-09-01 Warsaw Orthopedic, Inc. Surface treatments for promoting selective tissue attachment to medical impants
US8414907B2 (en) 2005-04-28 2013-04-09 Warsaw Orthopedic, Inc. Coatings on medical implants to guide soft tissue healing
DE102011007528A1 (de) 2011-04-15 2012-10-18 Aesculap Aktiengesellschaft Thixotrope Zusammensetzung, insbesondere zur postchirurgischen Adhäsionsprophylaxe
US10590257B2 (en) 2016-09-26 2020-03-17 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Biomimetic, moldable, self-assembled cellulose silica-based trimeric hydrogels and their use as viscosity modifying carriers in industrial applications
US11969526B2 (en) 2017-04-03 2024-04-30 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Adhesion prevention with shear-thinning polymeric hydrogels
US11975123B2 (en) 2018-04-02 2024-05-07 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Adhesion prevention with shear-thinning polymeric hydrogels

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS596061A (ja) * 1982-07-02 1984-01-13 日石三菱株式会社 生体組織癒着防止膜
JPS6211460A (ja) * 1985-07-06 1987-01-20 株式会社 バイオマテリアル・ユニバ−ス ポリビニルアルコ−ル含水ゲル医用材料
US5393528A (en) * 1992-05-07 1995-02-28 Staab; Robert J. Dissolvable device for contraception or delivery of medication
WO2001044307A2 (en) * 1999-11-15 2001-06-21 Biocure, Inc. Degradable poly(vinyl alcohol) hydrogels
WO2001068720A1 (en) * 2000-03-13 2001-09-20 Biocure, Inc. Embolic compositions

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4401652A (en) * 1980-12-31 1983-08-30 Allied Corporation Process for the preparation of stroma-free hemoglobin solutions
US4734097A (en) * 1981-09-25 1988-03-29 Nippon Oil Company, Ltd. Medical material of polyvinyl alcohol and process of making
US5017229A (en) * 1990-06-25 1991-05-21 Genzyme Corporation Water insoluble derivatives of hyaluronic acid
US5458884A (en) * 1992-09-10 1995-10-17 Britton; Peter Bioerodible device for administering active ingredients
US5658592A (en) * 1994-05-13 1997-08-19 Kuraray Co., Ltd. Medical crosslinked polymer gel of carboxylic polysaccharide and diaminoalkane
US5900245A (en) * 1996-03-22 1999-05-04 Focal, Inc. Compliant tissue sealants
EP0927214B2 (en) * 1996-09-23 2014-03-12 Genzyme Corporation Polymerizable biodegradable polymers including carbonate or dioxanone linkages
US5925683A (en) * 1996-10-17 1999-07-20 Target Therapeutics, Inc. Liquid embolic agents
US6099952A (en) * 1998-02-18 2000-08-08 Xomed Surgical Products, Inc. Medical sponge having mucopolysaccharide coating
US6710126B1 (en) * 1999-11-15 2004-03-23 Bio Cure, Inc. Degradable poly(vinyl alcohol) hydrogels

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS596061A (ja) * 1982-07-02 1984-01-13 日石三菱株式会社 生体組織癒着防止膜
JPS6211460A (ja) * 1985-07-06 1987-01-20 株式会社 バイオマテリアル・ユニバ−ス ポリビニルアルコ−ル含水ゲル医用材料
US5393528A (en) * 1992-05-07 1995-02-28 Staab; Robert J. Dissolvable device for contraception or delivery of medication
WO2001044307A2 (en) * 1999-11-15 2001-06-21 Biocure, Inc. Degradable poly(vinyl alcohol) hydrogels
WO2001068720A1 (en) * 2000-03-13 2001-09-20 Biocure, Inc. Embolic compositions

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007529280A (ja) * 2004-03-17 2007-10-25 ジェンザイム・コーポレーション 癒着防止スプレー
WO2015163289A1 (ja) * 2014-04-24 2015-10-29 学校法人東海大学 高分子積層体
JPWO2015163289A1 (ja) * 2014-04-24 2017-04-13 学校法人東海大学 高分子積層体
US10456503B2 (en) 2014-04-24 2019-10-29 Toray University Educational System Polymer laminate
WO2020226157A1 (ja) * 2019-05-09 2020-11-12 国立大学法人横浜国立大学 Pvaハイドロゲルおよびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP1305062B1 (de) 2006-11-08
US20090214667A1 (en) 2009-08-27
DE50111415D1 (de) 2006-12-21
ES2275739T3 (es) 2007-06-16
WO2002009789A2 (de) 2002-02-07
WO2002009789A3 (de) 2002-04-18
AU2002210436A1 (en) 2002-02-13
EP1305062A2 (de) 2003-05-02
ATE344677T1 (de) 2006-11-15
US20030180251A1 (en) 2003-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20090214667A1 (en) Medical technical product, method for producing the same and providing the same for surgery
US10195312B2 (en) Modified starch material of biocompatible hemostasis
Choi et al. Studies on gelatin-based sponges. Part III: A comparative study of cross-linked gelatin/alginate, gelatin/hyaluronate and chitosan/hyaluronate sponges and their application as a wound dressing in full-thickness skin defect of rat
AU2001255716B2 (en) Hemostatic compositions of polyacids and polyalkylene oxides and methods for their use
CA2230530C (en) Biomaterials for preventing post-surgical adhesions comprised of hyaluronic acid derivatives
CA2208939C (en) Bioabsorbable medical devices from oxidized polysaccharides
US20030073663A1 (en) Bioabsorbable medical devices from oxidized polysaccharides
AU782519B2 (en) Use of soluble cellulose derivative having been made hardly soluble in water and process for producing the same
AU2001255716A1 (en) Hemostatic compositions of polyacids and polyalkylene oxides and methods for their use
EP2203053A1 (en) Modified starch material of biocompatible hemostasis
JP2001506512A (ja) 多孔性の血管グラフト用の改良された生物学的に再吸収可能な密閉剤
WO2003020191A1 (en) Cellulose membranes for biodegradable scaffolds
JP4044291B2 (ja) 水膨潤性高分子ゲルおよびその製造法
ES2387032T3 (es) Producto médico-técnico, procedimiento para su fabricación y puesta a disposición para la cirugía
JP2003019194A (ja) ヒアルロン酸とカルボキシメチルセルロースからなる共架橋ゲル組成物
TR2022008927A2 (tr) Kri̇yojel/nanoli̇f hi̇bri̇t bi̇yomalzeme

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080703

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110920

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20111114

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20111121

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20111206

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20111213

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120120

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120313

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120626

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120725

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120801

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130129