以下、本発明の実施例の詳細について説明する。図1は、本発明の遊技機の電源装置が適用される回胴式遊技装置の一例を示す図、図2は図1の回胴式遊技装置を並設させた、いわゆる遊技機島を示す平面図である。
これらの図に示すように、回胴式遊技装置であるスロットマシン1は、遊技者側に面する、いわゆるフロントマスクを構成する前扉3が略矩形状の箱体である筐体2の開口側に対し図示しない蝶番機構により左側端部側を回動支点として開閉可能に取り付けられている。このようなスロットマシン1は、図2のように、コイン貸出機400を挟んで並設され、いわゆる遊技機島を構成している。前扉3は、上パネル部3Aと下パネル部3Bとに概ね分けられ、これらは化粧板として視覚効果を高めてデザインされた硬質プラスチックにより一体的に形成されている。
そして、ホールスタッフ等がメンテナンス作業や出玉管理作業等を行う場合、前扉3の図示しない専用鍵によりロックを解除すると、図2のように前扉3が左端部側を支点として片開きされ、筐体2の開口が開放されるようになっている。また、図2に示す符号340は、筐体2を正面から見たとき、筐体2内部の左下付近にあってその左側板2aに近接する位置に固定された後述の主電源装置340を示している。
上パネル部3Aと下パネル部3Bとの間には、遊技者側に若干突出し、ゲーム操作を行うためのスイッチ類等である、後述のベットボタン14、スタートレバー15及びストップボタン16a,16b,16c等が配置された操作卓4が一体的に設けられている。また、前扉3の下部には、メダルを貯留するための受皿部を形成する受皿ユニット5が設けられている。
前扉3の上パネル部3Aには、高輝度発光ダイオードを内蔵した上部ランプ6及びサイドランプ7a,7bが配置され、リーチや大当たり等の際に点灯又は点滅して遊技者の視覚に訴える演出を行っている。また、上パネル部3Aには、左右にスピーカを内蔵した演出用放音部8a,8bが設けられ、これらの演出用放音部8a,8bによりゲームの進行に応じて選択される効果音や楽音等による演出が行われる。
さらに、演出用放音部8a,8bの間には、表示窓が形成されており、その表示窓から液晶表示部9aが見えるように液晶表示ユニット9が配置されている。液晶表示ユニット9は、ゲームの進行に応じて選択された動画像を表示して、当該ゲームにストーリー性を与えたり、また、遊技者に内部当選結果を暗示して期待感を惹起させたりする等の演出を行っている。
上パネル部3Aの中央には、略長方形の透明な表示窓11aと、遊技状態等をランプ表示する情報表示部とが形成されたパネル板11が取り付けられている。そして、筐体2内に設けられている3個の円筒状のリール12a,12b,12cが表示窓11aを通して目視されるように構成されている。
すなわち、筐体2内には、リール12a,12b,12cを回転軸方向に並設してユニット化したリールユニット10が配置され、また、リール12a,12b,12cの各リールの外周面には、所定数(たとえば21個)の図柄が付された長尺状のプラスチックシートであるリールテープがそれぞれ捲装されて貼り付けられている。そして、表示窓11a側に臨む縦3個、横3列の図柄が当該表示窓11aを通して遊技者側から目視されるように構成されている。
前扉3の中段には、ゲームに使用するメダルを投入するための投入口を有するメダル投入部13と、コインをベットするベットボタン14と、ゲームの操作を指示するスタートレバー15と、各リール12a,12b,12cをストップさせるストップボタン16a,16b,16cとがそれぞれ配設されている。
ベットボタン14は、スロットマシン1の当該ゲームに賭けるメダルの枚数を提示するための押圧式の操作スイッチである。すなわち、ゲーム停止中にメダル投入部13の投入口からコインを投入すると、その投入枚数に応じてコインがコインがクレジット(最大50枚まで)されるようになっており、MAXベットボタンと呼ばれるベットボタン14を操作すると、そのクレジットされているコインのうち3枚がベットされるようになっている。
スタートレバー15は、リール12a,12b,12cを一斉に回転させる指示をするためのレバースイッチであり、先端に設けられている球形の操作ノブを上下左右のいずれかの方向に傾倒操作するとオン作動し、その操作ノブから手が離されるとスプリングの付勢力によって自動的に元の位置に戻ってオフするように構成されている。
ストップボタン16a,16b,16cは、各リール12a,12b,12cの回転停止を個別に指示するための押圧式スイッチであり、各リール12a,12b,12cの配列に対応してそれぞれ並設されている。
前扉3に形成された下パネル部3Bには、スロットマシン1のモデルタイプ等を遊技者へ認識させるため、たとえば登場キャラクターの絵等を表示するパネル17が設けられている。
受皿ユニット5には、入賞時等においてメダルを排出するメダル排出口18と、後述するスピーカを内蔵しゲームの進行に応じて演出効果音を発生させる演出効果音部19a,19bがそれぞれ配設されている。
図3は、前扉3の裏面構造と、筐体2の内部構造とを示す図である。なお、図3は、前扉3を筐体2から開けた状態を表している。同図において、前扉3の裏面上部には、上部ランプ6の光源である高輝度発光ダイオード31が配列されるとともに、上述の演出用放音部8a、8bに対向してスピーカ34a,34bが取り付けられている。
また、図3には示されてはいないがスピーカ34a,34bの間に上述した液晶表示ユニット9が位置しており、その液晶表示部9aが表示窓に向けて取り付けられている。さらに、液晶表示部9aの裏面側に、電気回路基板で形成された副制御基板310が取り付けられている。
なお、詳細は後述するが、スロットマシン1全体の動作は、筐体2側に設けられている主制御基板320によって統括制御されている。また、副制御基板310は、液晶表示部9aの表示制御、及び上部ランプ6、スピーカ34a,34bの制御等、ゲームの演出に係る制御を主に行っている。
副制御基板310の下方には、筐体2側のリール12a,12b,12cを目視させるための表示窓11aを有するパネル板11が取り付けられている。
パネル板11の下方には、中央表示基板330と呼ばれる電気回路(中継)基板が設けられている。中央表示基板330には、上述した操作卓4に設けられているベットボタン14、スタートレバー15、ストップボタン16a,16b,16c等のスイッチ類が電気的に接続されており、これらスイッチ類の出力信号が筐体2側の主制御基板320に転送されるように配線接続されている。
中央表示基板330の下方には、上述のメダル投入部13より投入される投入物を正規のメダルか異物かを判別して振り分けるセレクト機構36で振り分けられたメダルを筐体2内に設けられているホッパ装置38へ案内するガイド部材38aと、セレクト機構36で振り分けられた異物を排出口36aへ案内するガイド部材36bとが設けられている。また、排出口36aの両側には、上述したスピーカ34a,34bに対向してスピーカ37a,37bが取り付けられており、これにより上述した演出用放音部19a,19bを介して演出効果音を出力するように構成されている。
一方、筐体2内の略中央には、リール12a,12b,12cを備える回胴装置39が設けられている。回胴装置39は、前扉3が筐体2側に閉じられると表示窓11aにリール12a,12b,12cが対向するように、筐体2の所定フレーム(符号略)に位置決めして取り付けられている。なお、回胴装置39の上側には、リール12a,12b,12cを回転駆動させる後述のステッピングモータ48a〜48cを制御するための電気回路基板である後述の回胴装置基板810が設けられている。
回胴装置39の上方には、スロットマシン1の全体動作を集中制御する主制御基板320が取り付けられている。回胴装置39の下方には、ホッパ装置38と、ホッパ装置38から溢れたメダルを収容するための補助貯留部325と、主電源装置340とが設けられている。主電源装置340の側面には、いわゆる配電盤に相当する後述の電源装置基板820が設けられている。さらに、筐体2の内壁の一端には、遊技場等に設置されている「ホールコンピュータ」と呼ばれる管理用コンピュータと接続可能な後述する外部集中端子基板840が取り付けられている。
そして、上述の主制御基板320、副制御基板310、中央表示基板330、回胴装置基板810、電源装置基板820、外部集中端子基板840は、いずれも導電性配線パターンの形成された絶縁性樹脂基板上に集積回路(IC)やトランジスタ、抵抗、コンデンサ等の電子部品が搭載されて配線接続されたいわゆる電気回路基板として形成されている。なお、主制御基板320と副制御基板310とは、それぞれ硬質プラスチックのケースに収納されたユニット構造となっている。
図4は、スロットマシン1に設けられている制御システムを説明するためのブロック図である。制御システムは、主として主制御基板320、副制御基板310、回胴装置基板810、中央表示基板330、電源装置基板820、外部集中端子基板840を備え、それぞれが配線ケーブルによって接続されている。
主制御基板320は、CPU(Central Processing Unit) 、半導体メモリであるROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えている。そして、CPUにより、ROMに予め記憶されているシステムプログラムとスロットマシンゲーム用のプログラムとを読み込んで所定の制御が実行されると、副制御基板310、回胴装置基板810、中央表示基板330、電源装置基板820に設けられているそれぞれの制御部によって所定の指令を行う分散制御が行われる。
また、主制御基板320は、内部抽選した役の情報を副制御基板310へ供給し、その役に相当する演出を上述した上部ランプ6、サイドランプ7a,7b、スピーカ34a,34b,37a,37b、液晶表示部9aを介して行う。
副制御基板310には、照明制御部310a、音響制御部310b、画像制御部310cが設けられている。照明制御部310aは、上述の上部ランプ6及びサイドランプ7a,7bの照明制御を行う。音響制御部310bは、上述のスピーカ34a,34b,37a,37bの音響制御を行う。画像制御部310cは、CPU、ROM、RAM及び液晶表示部9aに映像を表示させる制御を行うためのVDP(Video Display Processor)を有し、上述の液晶表示部9aの表示制御を行う。
ここで、副制御基板310は、主制御基板320から演出開始を示唆する制御信号が供給されると、上部ランプ6、サイドランプ7a,7bとスピーカ34a,34b,37a,37bとを駆動したり、液晶表示部9aに演出映像を表示したりするようになっている。これにより、遊技者の視覚と聴覚に訴える演出を行うことができる。
回胴装置基板810には、リール12a,12b,12cを回転駆動するステッピングモータ48a,48b,48cと、リール12a,12b,12cの各回転位置を検出する回転位置検出装置である、たとえばフォトセンサ91a,91b,91cとが接続されている。
回胴装置基板810の制御部は、フォトセンサ91a,91b,91cからの検出信号と、ステッピングモータ48a,48b,48cへ出力した駆動パルス信号のパルス数との情報に基づいて、リール12a,12b,12cの回転と制動、及び停止の制御を適切に行うようになっている。
また、回胴装置基板810の制御部は、上述したスタートレバー15、ストップボタン16a,16b,16c等の操作に伴って、主制御基板320からリール12a,12b,12cのそれぞれの回転又は停止させるべき旨の制御信号が供給されると、フォトセンサ91a,91b,91cからの検出信号を取り込みながら、各リール12a,12b,12cの回転位置を適切に把握しつつ、ステッピングモータ48a,48b,48cへの駆動パルス信号を制御して各リール12a,12b,12cの回転動作を制御する。
中央表示基板330には、上述したベットボタン14、スタートレバー15及びストップボタン16a,16b,16cが接続されている。中央表示基板330は、これらベットボタン14、スタートレバー15及びストップボタン16a,16b,16cからの出力信号を主制御基板320へ転送する中継基板として機能する。また、中央表示基板330は、セレクト機構36に設けられている図示しない遊技メダル検出センサからの出力信号を主制御基板320へ転送し、上述のメダル投入部13に投入されたメダル枚数を知らせるとともに、異物の投入や目詰まりの発生等を知らせる。
そして、主制御基板320は、ベットボタン14又はセレクト機構36のコインセンサが動作し、当該ゲームへの賭け枚数を検知し、スタートレバー15がオン操作されると、リール回転開始の指示がなされたことを検知する。さらに、ストップボタン16a,16b,16cが任意の順番でストップ操作されると、その順番でリール12a,12b,12cを停止させるべき指示がなされたことを検知する。
ここで、主制御基板320が上述のスタートレバー15がオン操作されたことを検知すると、内部役抽選を行った後、上述のリール12a,12b,12cを回転させるべく回胴装置基板810に指令するとともに、副制御基板310に指令して、上部ランプ6及びサイドランプ7a,7bと、スピーカ34a,34b,37a,37bと、液晶表示部9aとによる演出を行わせる。
また、ストップボタン16a,16b,16cが任意の順番でストップ操作されると、主制御基板320は、各リール12a,12b,12cをそのストップ操作の順番で停止させ、かつ上述したように抽選した役に相当する図柄を正面のライン上に揃えるべく回胴装置基板810に指令する。また、主制御基板320は、副制御基板310に指令して、ストップボタン16a,16b,16cが押圧操作される毎に、上部ランプ6及びサイドランプ7a,7bと、スピーカ34a,34b,37a,37bと、液晶表示部9aとによる演出を様々に変化させ、ゲームの進行状況等を遊技者に告知する。
電源装置基板820には、主電源装置340で発生される各種電源電圧をホッパ装置38等の各所に配電する配電回路が形成されており、かかる配電回路からスロットマシン1の動作に必要なシステム電源を供給する。また、電源装置基板820は、主制御基板320からメダルの払い出しをすべき旨の指令を受けると、ホッパ装置38を制御してメダルの払い出しを行わせる。
外部集中端子基板840は、主制御基板320から出力されるスロットマシン1の状態信号又はゲームの進行状況等を示す信号を、上述のホールコンピュータへ送出するための端子基板である。
図5〜図11は、本発明の電源装置に係る、筐体2側に設けられている主電源装置340の詳細を説明するための図である。ここで、図5は主電源装置340の分解斜視図、図6は主電源装置340の正面図、図7はカバーパネルを開放した場合の主電源装置340の正面図、図8はカバーパネルを内側から見た正面図、図9は主電源装置340の平面図、図10は図6の主電源装置340をA−A線に沿って見た場合の部分拡大断面図、図11は図2の主電源装置340をC−C線に沿って見た場合に相当する部分拡大断面図である。
まず、図5に示すように、主電源装置340は、上述した電源装置基板820の配電回路を介してスロットマシン1の動作に必要なシステム電源を供給する電源基板ユニット350と、電源基板ユニット350を収容保持するボックス体としてのカバー側板361を有するカバー本体360と、種々の操作スイッチを有してカバー本体360の前面側に取り付けられる操作板370と、操作板370に横開き開閉可能に取り付けられるカバー体としてのカバーパネル380とを主体に構成される。
電源基板ユニット350の基板351には、電力生成に必要な複数の電子部品352と、満杯検知信号線コネクタ353aと、基板通信コネクタ353bと、ホッパコネクタ353cと、コインの払い出し、コインの出玉率の設定、電源のオン/オフ、エラーのリセット等に関わる回路素子354と、ヒートシンク355と、打ち止め処理の有無を設定する打止スイッチ356と、自動精算処理の有無を設定する自動精算スイッチ357とが少なくとも設けられている。
ここで、満杯検知信号線コネクタ353aには、上述のホッパ装置38から溢れたメダルを収容するための補助貯留部325でのメダルの貯留状態を検知する検知スイッチ又は検知センサからの検知信号を受ける図示しない検知信号線が接続される。なお、検知スイッチ又は検知センサからの検知信号は、補助貯留部325に貯留されたメダルが一杯になったときに出力されるようになっている。
また、基板通信コネクタ353bには、上述した主制御基板320等に電源を供給したり、主制御基板320からの信号(払出命令信号、リセット信号、設定モードオンオフ信号等)を受信したりする図示しないケーブルが接続される。また、ホッパコネクタ353cには、上述のホッパ装置38の動力をオンオフしたり、コインの払い出し信号等を受信したりする図示しないケーブルが接続される。また、電源基板ユニット350の基板351の四隅には、カバー本体360の内部に取り付けるための基板取付穴358が形成されている。
カバー本体360は、金属板材を用いて方形箱状に形成され、内部に電源基板ユニット350を収容保持し、同じく金属板材よりなるカバー側板361によって閉塞されるように構成される。カバー本体360の前面側における開口縁部には、操作板370をカバー本体360に取り付けるためのネジ穴362aを有する操作板取付部362が設けられている。また、カバー本体360の底部前面側には、図5及び図9に示すように、ネジ穴363aを有する板状の取付台座部363が設けられている。取付台座部363は、筐体2に固定されるものであり、そのネジ穴363aを介してネジ固定することにより、カバー本体360が筐体2に取付固定されるようになっている。
カバー本体360の上部には、図5及び図9に示すように、上述したコネクタ353a,353b,353cを外部に露出させるためのコネクタ開口部364a,364b,364cと、カバー側板361の取付部365のネジ穴365bと位置合わせしてネジ止めされるネジ穴365cと、筐体2に固定されるネジ穴366aを有する取付台座部366とが設けられている。ここで、カバー本体360の上面及び側面とカバー側板361には、カバー本体360の内部で発生した熱を外部に逃す開口部が形成されていないため、セルや針金等の道具をカバー本体360の内部に侵入させ難くなり、主電源装置340に対する不正行為を防止することができる。
一方、その熱を外部に逃す開口部は、カバー本体360の底面と背面に形成されている。すなわち、カバー本体360の底面の底面開口部367aは、カバー本体360の底部から下方に延びるとともに、その開口部が後方に向けられたルーバー形状に形成され、カバー本体360の内部で発生した熱が外部に放熱されるようになっている。これにより、底面開口部367aが筐体2の底部に向けられるとともに、その開口部がスロットマシン1の後方、すなわち遊技者側(前面側)とは反対側に向けて開口しているため、セルや針金等の道具を底面開口部367aからカバー本体360の内部に侵入させ難くなり、主電源装置340に対する不正行為を防止することができる。
また、カバー本体360の背面の背面開口部367bは、スロットマシン1の後方である、遊技者側(前面側)から最も奧に位置しているため、セルや針金等の道具をカバー本体360の内部に侵入させ難くなる。そのため、背面開口部367bは放熱効果や軽量化等を高めるために、たとえば円形に形成することができる。なお、背面開口部367bは、円形に限らず三角や四角等の他の形状であってもよく、さらには底面開口部367aと同様なルーバー形状としてもよい。
操作板370は、板状の形態をなし、ポリカーボネート、メタクリル樹脂、ABS樹脂等の透明な樹脂材料を用いて射出成形等の成形手段により図示する形状に一体的に形成される。これにより、ホールスタッフ等が操作板370を通してカバー本体360内の電源基板ユニット350の各種部品や回路等の状態を外観確認することができるようになっている。また、操作板370には、図6及び図7に示すように、スロットマシン1を作動させる電源スイッチ371を取り付けるための取付穴371aと、スロットマシン1の出玉率を設定する鍵穴372bを有する設定スイッチ372を取り付けるための取付穴372aと、エラーの解除等を行うリセットボタン373を取り付けるための取付穴373aとが形成されている。
ここで、図11に示すように、操作板370には、この操作板370の面に対し設定スイッチ372をたとえば水平方向に傾けて取り付けるための取付穴372aを有する取付部372cが設けられている。このように、取付部372cに設定スイッチ372を傾けて取り付けることにより、その鍵穴372bが筐体2の正面に直交する方向に対してたとえば水平方向に傾けられることになる。この場合、操作板370に対する設定スイッチ372の取付方向は、筐体2の回動支点となる左側板2aとは逆向きとなるようにすることが好ましい。
つまり、図2及び図3に示したように、一種の不正行為の対策のために、主電源装置340を前扉3を開けた開け口から最も遠い位置となる筐体2の左下付近に配置してあるとき、設定スイッチ372を左側板2a側に向けるようにして取り付けると、鍵穴372bに対する設定スイッチ用鍵390の差込スペースが無くなり、設定スイッチ用鍵390が差し込み難くなる場合がある。これに対し、設定スイッチ372の鍵穴372bが回動支点となる左側板2aとは逆向きとなるように取り付けられると、鍵穴372bに対する設定スイッチ用鍵390の差込スペースが確保されるため、設定スイッチ用鍵390を何ら支障なく鍵穴372bに差し込むことができる。
また、このように、設定スイッチ372を傾けることで、ホールスタッフ等が出玉管理作業等を行うとき、図2のように前扉3を左端部側を支点として片開きし、さらにカバーパネル380を開けて設定スイッチ用鍵390を鍵穴372bに差し込むことになるが、前扉3及びカバーパネル380を全開放しなくても、設定スイッチ372の鍵穴372bに設定スイッチ用鍵390を容易に差し込むことができる。
なお、操作板370に対する設定スイッチ372の取付方向においては、筐体2の回動支点となる左側板2a側に設定スイッチ用鍵390の差込スペースが確保される場合、設定スイッチ372を左側板2a側に向けて取り付けてもよいことは勿論である。
また、操作板370に対する設定スイッチ372の取付方向においては、筐体2の正面に直交する方向に対してたとえば垂直方向で上又は下に傾けられるようにしてもよい。この場合、鍵穴372bが上又は下に向けられても鍵穴372bに対する設定スイッチ用鍵390の差込スペースが確保されるため、ホールスタッフ等による出玉管理作業等への支障をきたすことはない。
一方、筐体2を正面から見たとき、設定スイッチ372の鍵穴372bは筐体2の正面に直交する方向に対して傾けられることになり、筐体2の前扉3にドリル等で穴が開けられて、その穴からセルや針金等の不正行為治具が差し込まれても、セルや針金等の不正行為治具が差し込まれる方向と設定スイッチ372の鍵穴372bの向きとが一致しなくなる。すなわち、筐体2の前扉3にドリル等で穴が開けられる場合、電源装置340の操作板370の設定スイッチ372の大凡の位置の見当を付けて行われることになるが、そのときに開けられる穴は筐体2の正面に直交する方向となる。その際、開けられた穴からセルや針金等の不正行為治具が差し込まれて設定スイッチ372が不正に操作されようとしても、セルや針金等の不正行為治具が差し込まれる方向と設定スイッチ372の鍵穴372bの向きとが異なることで、設定スイッチ372が操作され難くなり、設定スイッチ372が不正に操作されてしまうことによる不正行為を防止できることになる。
また、操作板370には、上述した打ち止め処理の有無を設定する打止スイッチ356を操作するための操作穴374aと、上述した自動精算処理の有無を設定する自動精算スイッチ357を操作するための操作穴374bと、カバーパネル380の後述のロック片操作部385の凸状の背面部385dを嵌合する嵌合凹部375が形成されている。ここで、打止スイッチ356及び自動精算スイッチ357は、操作穴374a,374bの内部で上下に移動するように配置されており、これらの操作穴374a,374bから突出しないように構成されているので、セルや針金等の道具による打止スイッチ356及び自動精算スイッチ357に対する不正行為を防止することができる。
また、操作板370の嵌合凹部375の操作板370の縁側に寄った位置には、図10に示すように、先端にテーパ部376a及び係止段部376bを有するロック片376を水平方向に若干傾動させることが程度の遊嵌穴376cが形成されており、その遊嵌穴376cからロック片376の先端が外部に突出している。
また、操作板370の周部四箇所には、操作板370をカバー本体360の前面側に取り付けるための取付固定部376dが固定穴376eを有して形成されており、固定穴376eの位置をカバー本体360の前面側に形成された操作板取付部362のネジ穴362aに合わせ、図示しない操作板取付ネジを固定穴376eに通過させてネジ穴362aにネジ固定することにより、操作板370がカバー本体360の前面側に取り付けられる。また、操作板370の周囲に繋がって段差部377aが形成されており、操作板370の表面中央側が突出するように構成されている。なお、図7及び図10に示す符号377cは、嵌合凹部375の形成に伴い段差部377aと同一線上に形成されるリブである。
さらに、その段差部377aの周囲にはその段差部377aに沿うように第1リブ帯としての外リブ377bが形成されている。そして、その段差部377aと外リブ377bとの間の隙間にカバーパネル380の第2リブ帯としての周囲リブ381が収容されるようになっている。これにより、操作板370の外リブ377bによってカバーパネル380の周囲リブ381がガードされるため、針金等の道具によりカバーパネル380が引っ掛けられてカバーパネル380が開けられてしまうことがなくなり、主電源装置340に対する不正行為を防止することができる。
また、操作板370の左端部上下には、カバーパネル380を操作板370に横開き開閉自在に取り付けるための開閉支持部としてのカバー開閉支持部378aが棒状に形成されている。操作板370の左下端部には、付勢部材取付部としての棒状のコイルばね取付部378bが形成されており、カバーパネル380を操作板370の表面を覆う閉塞位置に付勢する図示しない付勢部材としてのねじりコイルばね等が取り付けられるように構成されている。また、操作板370の左下端部裏面側には、溝状の第1ねじりコイルばね受け部378cが形成されており、図示しないねじりコイルばねの一端側を受容するように構成されている。
ここで、操作板370の射出成形による加工の都合上、操作板370におけるカバー開閉支持部378a及びコイルばね取付部378bの形成位置には、図6及び図7に示すように、上下の開閉支持部開口378d及びばね取付部開口378eが形成される。ただし、これらの開閉支持部開口378d及びばね取付部開口378eは、上述した操作板370をカバー本体360に取り付けるためのネジ穴362aを有する操作板取付部362によって塞がれるようになっているため、セルや針金等の道具をカバー本体360の内部に侵入させることが防止されることから、主電源装置340に対する不正行為を防止することができる。
カバーパネル380は、操作板370と同様に、ポリカーボネート、メタクリル樹脂、ABS樹脂等の透明な樹脂材料を用いて射出成形等の成形手段により図示する形状に一体的に形成される。カバーパネル160の中央部には、図5及び図6に示すように、操作板370の表面中央側と位置整合して面部382が形成され、カバーパネル380が操作板370の表面を覆う状態で、ホールスタッフ等が面部382を通して操作板370に配設された各操作スイッチ等の状態を外観確認することができるようになっている。また、ホールスタッフ等がカバーパネル380の面部382及び操作板370を通してカバー本体360内の電源基板ユニット350の各種部品や回路等の状態を外観確認することができるようになっている。
カバーパネル380の左端部上下には、操作板370の上下のカバー開閉支持部378aにそれぞれ係合するカバー取付部383aとストッパー383bとが形成されている。そして、図6に示すように、カバー取付部383aがカバー開閉支持部378aに係合することで、カバーパネル380が操作板370に対し操作板370の表面を覆う閉塞位置から、図7に示すように、横開き開放位置まで開閉自在とされる。このとき、図8に示すカバーパネル380のストッパー383bが操作板370の表面に当接し、カバーパネル380の開放位置を規制するようになっている。
カバーパネル380の左下端部には、図6及び図8に示すように、溝状の第2ねじりコイルばね受け部383cが形成されており、図示しないねじりコイルばね等の他端側を受容するように構成されている。そして、図示しないねじりコイルばね等を操作板370のコイルばね取付部378bに取り付け、そのねじりコイルばね等の一端側を操作板370の第1ねじりコイルばね受け部378cに受容させるとともに、そのねじりコイルばね等の他端側を第2ねじりコイルばね受け部383cに受容させることで、操作板370とカバーパネル380とに跨って設けられたねじりコイルばね等によりカバーパネル380が操作板370の表面を覆う閉塞位置に付勢される。これにより、ホールスタッフ等がカバーパネル380を閉塞位置に位置させることを忘れても、図示しないねじりコイルばねの付勢力によりカバーパネル380が閉塞位置に位置するため、操作板370に配設された各操作スイッチに対する不正行為を防止することができる。
カバーパネル380の周囲には、図7及び図8に示すように、操作板370の段差部377aに当接するとともに、その段差部377aと外リブ377bとの間の隙間に嵌め合わされる周囲リブ381が形成されている。周囲リブ381は、段差部377a及び段差部377aと外リブ377bとの間の隙間に位置整合して、カバーパネル380の周囲に繋がってスロットマシン1の後方へ突出するように形成され、カバーパネル380を閉塞位置に位置させると段差部154及び外リブ377bに当接し、さらに段差部377aと外リブ377bとの間の隙間に収容される状態でカバーパネル380が操作板370の表面を覆うように構成される。
そのため、段差部377aによりセルや針金等の道具がカバーパネル380に覆われた操作板370の表面に入り込み難くなり、さらに外リブ377bによりカバーパネル380の周囲リブ381がガードされるため、針金等の道具によりカバーパネル380が引っ掛けられてカバーパネル380が多少なりとも開けられてしまうことがなくなり、セルや針金等の道具が操作板370の表面に入り込みに難くなって、操作板370に配設された各操作スイッチに対する不正行為を防止することができる。
カバーパネル380の内側には、図8に示すように、設定スイッチ372の周辺部に当接するスイッチ周りリブ384aと、リセットボタン373の周辺部に当接するスイッチ周りリブ384bとが形成されている。これらのスイッチ周りリブ384a,384bは、設定スイッチ372及びリセットボタン373の周辺部に位置整合して、スロットマシン1の後方へ突出するように形成され、カバーパネル380を閉塞位置に位置させると設定スイッチ372及びリセットボタン373の周辺部に当接し、この状態で設定スイッチ372及びリセットボタン373の表面側がスイッチ周りリブ384a,384bに囲まれるように構成される。そのため、これらのスイッチ周りリブ384a,384bによりセルや針金等の道具が設定スイッチ372及びリセットボタン373の表面側に入り込み難くなるため、設定スイッチ372及びリセットボタン373に対する不正行為を防止することができる。
また、カバーパネル380の右端中央部には、カバーパネル380の背面側に向けて窪むように形成されたロック片操作部385が設けられている。ロック片操作部385の右端には、上述した操作板370のロック片376の先端が挿入されるロック片挿入穴385aが形成されている。このロック片挿入穴385aは、ロック片376によるロック及びロック解除に伴う若干の傾動、すなわち、ロック片376の係止段部376bがロック片挿入穴385aの表面側の開口縁部385cに係止したり、その係止段部376bによる係止が解除されることに伴う傾動を許容する幅となるように形成されている。また、カバーパネル380の外周縁部のロック片操作部385に近接する位置には、カバーパネル380の表面側に向けて突出させた指係合片386が形成されている。
ここで、カバーパネル380を閉塞位置に位置させるとき、カバーパネル380の左端部上下に設けられているカバー取付部383aを支点としてカバーパネル380の右側部側を操作板370側に押し込むと、図10に示すロック片操作部385のロック片挿入穴385aの背面側の開口縁部385bが操作板370のロック片376の先端のテーパ部376aに当接する。この状態でさらにカバーパネル380の右側部側を操作板370側に押し込むと、ロック片376の先端が自らの弾性力に抗して右側に若干傾動し、カバーパネル380が閉塞位置に達すると、ロック片376の先端が弾性力によって元の位置に復帰し、ロック片376の係止段部376bがロック片操作部385のロック片挿入穴385aの表面側の開口縁部385cに係止する。
このとき、ロック片操作部385の凸状の背面部385dが上述した操作板370の嵌合凹部375に嵌合されるとともに、カバーパネル380がロック片376によって閉塞位置にロックされる。なお、図10に示す符号385eは、ロック片操作部385にロック片挿入穴385aが形成されるに伴って設けられた操作部リブであり、上述した操作板370側の段差部377aと同一線上に形成されたリブ377cの内側に収まるようになっている。
一方、ロック片376によるロックを解除するとき、ロック片操作部385のロック片挿入穴385aの表面側の開口縁部385cに係止しているロック片376の先端に親指を係合させ、併せて人差し指を指係合片386に係合させ、親指でロック片376の先端を指係合片386側に押し込むと、ロック片376の係止段部376bがロック片操作部385のロック片挿入穴385aの表面側の開口縁部385cから外される。この状態で、人差し指により指係合片386を手前側に引くと、カバーパネル380の左端部上下に設けられているカバー取付部383aを支点としてカバーパネル380が手前側に回動し、カバーパネル380が開放される。
このように、カバーパネル380の開放には、ロック片376の先端を指係合片386側である水平方向に移動させてロックを解除する動作と、カバーパネル380をカバーパネル380の左端部上下に設けられているカバー取付部383aを支点としてカバーパネル380を手前側である、ロック片376によるロックを解除する方向に対して直交する方向に回動させる動作とが必要となる。
これにより、セルや針金等の道具を用いてこれらの二通りの動作を行い、カバーパネル380を開放させることは困難であるため、セルや針金等の道具が設定スイッチ372及びリセットボタン373の表面側に入り込み難くなり、設定スイッチ372及びリセットボタン373に対する不正行為を防止することができる。
なお、ロック片操作部385はカバーパネル380の右端中央部に設けられているが、これに限られるものではなく、カバーパネル380の右上下端部に設けてもよい。この場合、指係合片386と操作板370側のロック片376の取り付け位置をロック片操作部385の位置に合わせて変更すればよい。また、ロック片操作部385は1個に限られるものではなく2個以上であってもよい。この場合、操作板370側のロック片376も2個以上とすればよい。
このようにすれば、複数のロック片376によりカバーパネル380が閉塞位置でロック保持されることで、カバーパネル380の浮き上がりが防止され、セルや針金等の道具がカバーパネル380に覆われた操作板370の表面に一層入り込み難くなるため、操作板370に配設された各操作スイッチに対する不正行為を防止することができる。
このように、本実施例では、スロットマシン1の動作に必要な電力生成のための部品等が搭載されている電源基板ユニット350の基板351をボックス体としてのカバー側板361を有するカバー本体360に収容保持し、そのボックス体の前面側にスロットマシン1に所定作動を行わせるための電源スイッチ371、設定スイッチ372、リセットボタン373等の操作スイッチを有する操作板370を設け、さらにその操作板370の表面を開閉自在とされたカバーパネル380で覆うとともに、操作板370の鍵穴372bを有する設定スイッチ372が筐体2の正面に直交する方向に対して傾けられるようにした。
これにより、筐体2の前扉3にドリル等で穴が開けられて、その穴からセルや針金等の不正行為治具が差し込まれても、セルや針金等の不正行為治具が差し込まれる方向と設定スイッチ372の鍵穴372bの向きとが異なることで、セルや針金等の不正行為治具により設定スイッチ372が操作され難くなり、設定スイッチ372が不正に操作されてしまうことによる不正行為をより確実に防止することができる。
また、本実施例では、一種の不正行為の対策のために、主電源装置340を前扉3を開けた開け口から最も遠い位置となる筐体2の左下付近に配置してあるとき、設定スイッチ372が回動支点となる左側板2aとは逆向きとなるように取り付けられるようにしたので、ホールスタッフ等がスロットマシン1の出玉管理作業等を行う場合、前扉3及びカバーパネル380を全開放しなくても、設定スイッチ372の鍵穴372bに設定スイッチ用鍵390を容易に差し込むことができる。
なお、本実施例では、設定スイッチ372が回動支点となる左側板2aとは逆向きとなるように取り付けられる場合について説明したが、この例に限らず、筐体2の正面に直交する方向に対して上向き又は下向きとなるようにしてもよい。この場合、スロットマシン1の出玉管理作業等を行う際の設定スイッチ372の鍵穴372bへの設定スイッチ用鍵390の差込スペースを確保できるとともに、上記同様に、筐体2の前扉3にドリル等で穴が開けられて、その穴からセルや針金等の不正行為治具が差し込まれても、セルや針金等の不正行為治具が差し込まれる方向と設定スイッチ372の鍵穴372bの向きとが異なることで、セルや針金等の不正行為治具により設定スイッチ372が操作され難くなり、設定スイッチ372が不正に操作されてしまうことによる不正行為をより確実に防止することができる。
また、本実施例では、鍵穴372bを有する設定スイッチ372が筐体2の正面に直交する方向に対して傾けられるようにした場合について説明したが、この例に限らず、鍵穴を有しない電源スイッチ371、リセットボタン373、打止スイッチ356、自動精算スイッチ357等についても筐体2の正面に直交する方向に対して傾けられるようにしてもよい。この場合も、上記同様に、筐体2の前扉3にドリル等で穴が開けられて、その穴からセルや針金等の不正行為治具が差し込まれても、セルや針金等の不正行為治具が差し込まれる方向と上記各スイッチの向きとが異なり、不正行為を防止することができる。