JP2008153141A - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008153141A
JP2008153141A JP2006342065A JP2006342065A JP2008153141A JP 2008153141 A JP2008153141 A JP 2008153141A JP 2006342065 A JP2006342065 A JP 2006342065A JP 2006342065 A JP2006342065 A JP 2006342065A JP 2008153141 A JP2008153141 A JP 2008153141A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic
layer
electrode
point temperature
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006342065A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomonari Horikiri
智成 堀切
Naoto Fukuda
直人 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2006342065A priority Critical patent/JP2008153141A/ja
Publication of JP2008153141A publication Critical patent/JP2008153141A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】絶縁層や画素分離膜から有機EL層へ侵入する水分量を低減する。
【解決手段】基板上のTFTを覆う絶縁膜と平坦化膜からなる絶縁層や、電極、画素分離膜等を含むインターフェースを形成する工程において、露点温度を−60℃以下に管理した環境下で脱水処理を行う。さらに、脱水処理以後の、有機EL層を形成するまでの全工程を、露点温度を−60℃以下に管理された環境下で行う。脱水後のインターフェースの水分吸収を防ぎ、有機EL層の含水による性能劣化を回避する。
【選択図】図3

Description

本発明は、フラットパネルディスプレイ等に用いられる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に関するものである。
近年、フラットパネルディスプレイとして、自発光型素子である有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)が注目されている。
最近では、高画質、動画対応への要求の対応として、TFT(Thin Film Transistor)を備える基板(TFT基板)を用いた有機EL素子の開発が進められている。このTFT基板には、各画素を分離する目的で各画素の周囲に配置する画素分離膜や、TFTによる凹凸を低減させる目的で配置する平坦化膜を含む絶縁層が形成される。これらを形成する材料として、コスト、製造容易性の観点から有機材料が用いられている。
しかし、一般的に含水量が高いことが知られている有機材料によって画素分離膜や平坦化膜を形成すると、画素領域の周辺から発光強度が低下する現象が顕著に現れ、パネル表示特性を低減させる。この原因として、有機材料からなる平坦化膜や画素分離膜中の水分が有機EL素子の有機EL層(有機エレクトロルミネッセンス層)に侵入し、性能劣化を引き起こしていることが考えられている。
素子内部の水分による性能劣化を解決するため、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層等の薄膜層からなる有機EL層を形成する前に加熱乾燥処理等を行い、所定の水分量まで下げる方法が、例えば特許文献1に開示されている。
この方法は、上記薄膜層の形成前に基板を80℃以上に加熱することで絶縁層を脱水処理したり、上記薄膜層形成前の基板を減圧雰囲気下に10分以上置くことで絶縁層を脱水処理したりするものである。すなわち、図9の作製フローに示すように、有機EL層を形成する前の基板にTFT、平坦化膜、電極、画素分離膜等のインターフェースを形成するインターフェース形成プロセスと、有機EL層形成工程との間に、前記脱水処理工程が挿入される。
特登録3531597号公報
しかし、特許文献1に開示された有機EL作製方法では、インターフェース中の水分を十分に低減しにくいという未解決の課題がある。その理由は、インターフェース形成プロセス後に大気に暴露するため、インターフェース中に新たな水分を吸着し、含水してしまうからである。
本発明は上記従来の技術の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであり、インターフェースからの含水による有機EL層の性能劣化を効果的に抑制できる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、有機エレクトロルミネッセンス素子の素子基板上に絶縁層を形成する工程と、絶縁層上に電極を形成する工程と、絶縁層または電極の脱水処理を行う工程と、電極の周囲に画素分離膜を形成する工程と、電極上に有機エレクトロルミネッセンス層を形成する工程と、を有し、前記脱水処理および前記脱水処理以後の全工程を、露点温度を−60℃以下に管理した環境下で行うことを特徴とする。
絶縁層、電極、画素分離膜等のインターフェース形成プロセスにおいて、絶縁層または電極の脱水処理を行う。さらに、脱水処理以後の、有機エレクトロルミネッセンス層を形成するまでの全工程を、露点温度を−60℃以下に管理した環境下で行うことにより、インターフェースからの水分が拡散等により有機EL層に侵入してくるのを防ぐ。
このようにして、水分による有機エレクトロルミネッセンス素子の特性劣化や、ダークスポットおよび画素周辺の輝度の劣化等を効果的に抑制する。
本発明者らは、絶縁層を形成する平坦化膜や、画素分離膜等に用いられる有機材料(アクリル系レジスト)をシリコンウエハーに塗布し、常圧昇温脱離ガス分析装置(APIMS−TDS)にて各種環境下に置いたサンプル中に含まれる水分量を測定した。まず、大気中に保管して一定昇温速度で200℃まで加熱したものをサンプルAとした。サンプルAを測定後、気温23℃、露点温度10℃の大気中に30分暴露した後に、一定昇温速度で200℃まで加熱したものをサンプルBとした。また、サンプルAを測定後、露点温度−60℃の乾燥窒素雰囲気の装置内で冷却した後に、一定昇温速度で200℃まで加熱したものをサンプルCとした。
前記装置による測定データおよび算出された水分量を図10に示す。この測定結果から判るように、サンプルAは、大気中に保管しているだけで、水分を多く吸着し、含水している。サンプルBでは、加熱による脱水処理をしても大気中に暴露してしまうと、短時間の暴露でも水分を多く吸収し、例えばサンプルCの約40倍の水分量を吸着し、含水してしまう。なお、サンプルBの条件は特許文献1による作製工程が該当する。サンプルCは、脱水処理とその後の全工程において露点温度を管理することが、水分の吸着や含水の低減に有効であることを示唆している。
そこで本発明は、脱水処理および脱水処理以降の全工程を露点温度を管理した環境下で行うことで、有機EL層(有機エレクトロルミネッセンス層)に含まれる水分量を抑制することを提案するものである。
本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、一実施形態によるトップエミッション型の有機EL素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)の膜構成を示す。有機EL素子の素子基板である基板1はTFT2を有し、その上に、絶縁膜3および平坦化膜4からなる絶縁層が積層形成され、さらにその上に画素単位で電極5が形成され、各画素を分離する目的で各画素の周囲を覆う画素分離膜6が形成されている。このインターフェース上に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層等の薄膜層を順次積層し、有機EL層7を形成する。そして、その上に透明電極8を形成し、さらに、取り出し電極(不図示)を除き、透明電極8、有機EL層7、画素分離膜6、平坦化膜4を完全に覆うようにパッシベーション膜9を形成する。そしてパッシベーション膜9の上部をカバーガラス11で覆い、カバーガラス11の周辺をシール材で封止する。カバーガラス11とパッシベーション膜9との間には、充填材10が挿入される。
平坦化膜4は、TFT2で形成された段差を緩和させる目的と、TFT2と電極5間の寄生容量を低減させる目的のために必要である。絶縁膜3および平坦化膜4には、TFT2と電極5を電気的に繋ぐためのスルーホールが形成される。
画素分離膜6は、電極5と透明電極8との短絡を防ぐ目的と、有機EL層7を蒸着で形成する時に用いるマスクが、蒸着した有機EL層7に接触するのを防ぐ目的で設けられる。
これらを構成する材料としては、種々の無機材料および有機材料が用いられる。無機材料としては、酸化ケイ素をはじめとして酸化マンガン、酸化バナジウム、酸化チタン、酸化クロムなどの酸化物材料、ケイ素、ガリウム砒素などの半導体材料、ガラス材料、セラミック材料などを用いる。また、有機材料としては、ポリビニル系、ポリイミド系、ポリスチレン系、ノボラック系、シリコーン系などのポリマー材料などがある。
絶縁層の形成には既知の種々の形成方法を適用することができるが、特に、感光性樹脂を利用したフォトリソグラフィー法が好ましい。フォトリソグラフィー法は、感光性樹脂からなるレジストを塗布し、プレベーク、露光、現像、ポストベーク等の各工程を行うことが一般的である。
本実施形態は、絶縁層から画素分離膜6までのインターフェース形成プロセス中に、露点温度を管理した環境下で加熱による脱水処理を行う工程を含む。さらに、この脱水処理以後、有機EL層7を形成するまでの全工程を、露点温度を管理した環境下で行う。
露点温度が管理された環境下での脱水処理は、インターフェース形成プロセス中であれば、特に限定しないが、好ましくはインターフェースにおいて有機材料を用いた工程中やパターニングに水を用いる工程で行うのがよい。すなわち、平坦化膜4および/または電極5、あるいは画素分離膜6の形成中である。特に、平坦化膜4や画素分離膜6をフォトリソグラフィー法により感光性樹脂で形成する場合、ポストベーク時に脱水処理を並行させて行うことが好ましい。
ポストベーク時にレジスト自身の架橋反応や重合、脱水縮合などが伴うことで脱水量が多く露点温度を管理できない場合は、ポストベークの途中の、露点温度を管理できる段階から脱水処理を行ってもよい。電極5のパターニングにウエットエッチングを用いる場合は、エッチング後のベーク時に脱水処理を並行させて行うことが好ましい。脱水量が多く露点温度を管理できない場合は、ポストベークの途中の、露点温度を管理できる段階から脱水処理を行ってもよい。
上記の露点温度は、インターフェース中にある水分が有機EL層7に影響を及ぼさない量まで脱水するための露点温度であることが必須である。具体的には−60℃以下、好ましくは−80℃以下であることである。この露点温度環境を実現する手段として、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥不活性ガスなどの乾燥ガス雰囲気下にすることや、減圧雰囲気下にすることが挙げられる。脱水処理は、インターフェースからの水の脱離を促すための加熱、冷却(凍結乾燥)等を行ってもよい。
なお、露点温度の管理には、一度所望の露点温度に到達させ、その後の露点温度の調整を行わない管理の仕方と、常に所望の露点温度になるように継続的に調整する管理の仕方などがあげられる。このなかから、有機EL素子からの脱水のし易さなどに基づいて適宜選択すればよいが、好ましくは、後者の常に所望の露点温度になるように継続的に調整する管理の仕方である。
脱水処理後は、有機EL層を形成するまでの全工程を、露点温度を管理した環境下で行う。この際の露点温度は、脱水処理時の露点温度と同等かそれ以下であることが好ましい。これにより、脱水処理を行ったインターフェース中の含水量を維持したまま有機EL層7を形成することができ、水分による特性劣化を効果的に抑えることができる。
有機EL素子の製造装置は、図2に示すように、各工程ごとに露点温度を管理できるチャンバー13、14等と、露点温度を管理しながら各チャンバー間を搬送できる搬送機構15とを備えているのが望ましい。すなわち、脱水処理を行うための加熱機構を有するチャンバー13、有機EL層7の各薄膜層を蒸着するためのチャンバー14、透明電極8を蒸着するためのチャンバー16、プラズマCVDを備えたチャンバー17およびグローブボックス18を直結する。そして、それぞれのチャンバー間を露点温度が管理された状態で搬送できる搬送機構15を設ける。
インターフェース形成プロセスでは、例えば、加熱機構を有するチャンバー13に投入されて画素分離膜6の形成と脱水処理が行われる。続いて搬送機構15を経由して、有機EL層7の各薄膜層を蒸着するチャンバー14に導入されて有機EL層7が形成される。その後搬送機構15を経由して、チャンバー16にて透明電極8を形成し、プラズマCVDを備えたチャンバー17にてパッシベーション膜9を形成する。そして、チャンバー17を乾燥窒素等で常圧に戻した後に、搬送機構15を経由してグローブボックス18に導入され、カバーガラス11の貼り合わせが行われる。
加熱機構を有するチャンバー13は、画素分離膜6のポストベークと脱水処理を同時に行うことを目的としたチャンバーである。そして、チャンバー内の露点温度を計測する機構、乾燥ガスを導入、排出する機構や、チャンバー内を減圧させることが可能な真空ポンプ機構を有する。なお、有機EL層7を形成する各チャンバー14、透明電極8を蒸着するチャンバー16、プラズマCVDを備えたチャンバー17およびグローブボックス18は公知の有機EL素子製造装置と同様でよい。
図3は、本実施形態による有機EL素子の作製フローを示す。また、図4には、図3による画素分離膜形成工程を細分化したフローを示す。図3に示すように、本実施形態においては、基板1のTFT形成工程、平坦化膜形成工程、電極形成工程、画素分離膜形成工程を経て有機EL層形成工程に至る。
画素分離膜6を有機材料から形成する場合は、画素分離膜形成中に脱水処理を行うことが好ましい。特に、画素分離膜6が感光性樹脂からなる場合は、図4に示すように、ポストベーク時に脱水処理を並行させて行うことが好ましい。なお、ポストベーク時にレジスト自身の架橋反応や重合、脱水縮合などが伴うことで脱水量が多く露点温度を管理できない場合は、ポストベークの途中から(露点温度を管理できる段階から)脱水処理を行ってもよい。
また、平坦化膜4が有機材料からなる場合や、平坦化膜4が有機材料で画素分離膜6が無機材料からなる場合は、平坦化膜形成中に脱水処理を行うことができる。この場合の有機EL素子の作製フローを図5に、図5における平坦化膜形成工程を細分化したフローを図6に示す。平坦化膜4が感光性樹脂からなる場合は、図6に示すようにポストベーク時に脱水処理を並行させて行うことが好ましい。なお、ポストベーク時にレジスト自身の架橋反応や重合、脱水縮合などが伴うことで脱水量が多く露点温度を管理できない場合は、ポストベークの途中から(露点温度を管理できる段階から)脱水処理を行ってもよい。
脱水処理後の電極形成工程や画素分離膜形成は露点温度管理下で形成する必要がある。電極形成工程では、例えば画素単位にパターニングしたシャドウマスクを用い、真空蒸着法により電極を形成する方法などを用いることで、露点温度を管理した環境下で作製することができる。また、画素分離膜形成工程では、用いる材料で作製法が異なる。無機材料から形成される場合は、例えば、画素単位にパターニングしたシャドウマスクを用い、真空蒸着法により電極を形成する方法などを用いることで作製することができる。有機材料から形成される場合は、ネガ型レジストを用い、現像液に水を含まない有機溶剤を用いることで、露点温度を管理した環境下で作製することができる。
さらに、電極5の電極形成工程でウエットエッチング法を用いる場合は、電極形成工程中に脱水処理を行うことができる。この場合の有機EL素子の作製フローを図7に、図7における電極形成工程を細分化したフローを図8に示す。この場合は、図8のようにベーク時に脱水処理を並行させて行うことが好ましい。なお、脱水処理後の画素分離膜形成は露点温度管理下で形成する必要がある。画素分離膜6が無機材料から形成される場合は、例えば、画素単位にパターニングしたシャドウマスクを用い、蒸着により電極を形成する方法などを用いることで作製することができる。画素分離膜6が有機材料から形成される場合は、ネガ型レジストを用い、現像液に水を含まない有機溶剤を用いることで、露点温度を管理した環境下で作製することができる。
有機EL素子は、駆動方式の違いにより単一発光素子、セグメント型、単純マトリックス型、アクティブマトリックス型に分けられるが、本実施形態における有機EL素子はこれらすべての方式が当てはまる。
図1に示す構成の有機EL素子を作製した。
ガラス基板(基板1)上にTFTを形成し、TFTの保護膜(絶縁膜3)として窒化ケイ素の薄膜をCVD法により形成した。次にアクリル系ポジ型レジストをTFT基板上に塗布し、プレベークをした後に、スルーホールを形成する領域以外を遮光して露光し、エッチング液に浸して現像し、ポストベークすることにより、平坦化膜4を形成した。
次に、スルーホール部にアルミニウムを蒸着し、画素領域に合わせてクロムをスパッタ法により蒸着し、クロム電極(電極5)を形成した。
その後、画素分離膜6を形成する。ポリイミド系ポジ型レジストを塗布し、プレベークをした後に、画素分離膜領域のみ遮光して紫外線を照射し、エッチング液に浸して現像した。
このTFT基板を、脱水処理のための加熱機構を有するチャンバー13に投入し、投入後、乾燥窒素を導入しながら200℃に加熱し、30分後、露点温度が−60℃になるように流量を調整した。その後、加熱温度を230℃とし、乾燥窒素の導入を止めて真空ポンプ機構にて10-5Pa環境下にし、露点温度が−80℃になるように調整した。露点温度が−80℃に到達してから30分後に加熱をやめ冷却し、真空度を維持したまま、TFT基板を有機EL層7を形成するチャンバー14に搬送し、クロム電極上にホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の順で積層形成した。そして、チャンバー16内で、有機EL層7の上層にITOからなる厚さ200nmの透明電極8をスパッタ法により成膜した。さらに、プラズマCVDを備えたチャンバー17に搬送し、有機EL層7、透明電極8を覆うように保護層(パッシベーション膜9)として厚さ1μmの窒化シリコン膜をプラズマCVD法で形成した。その後乾燥窒素にて常圧に戻しグローブボックス18に搬送後、周囲にUV硬化型シール剤を塗布したカバーガラス11をTFT基板に貼り合わせ、紫外線を6分照射して紫外線硬化させ、有機EL素子を作製した。
実施例1と同様の膜構成の有機EL素子において、画素分離膜6が無機材料からなる有機EL素子を作製した。
ガラス基板上にTFTを形成し、TFTの保護膜(絶縁膜3)として窒化ケイ素の薄膜をCVD法により形成した。次にポリイミド系ネガ型レジストをTFT基板上に塗布し、プレベークをした後に、画素領域のみ遮光して紫外線を照射した。なお、画素領域内に電極への電力供給用のスルーホールを形成する時は、その領域は遮光しない。そして、エッチング液に浸して現像し、平坦化膜4を形成した。
このTFT基板を、加熱機構を有するチャンバー13に投入した。投入後、乾燥窒素を導入しながら250℃に加熱し、30分後、露点温度が−60℃になるように流量を調整した。その後、加熱温度はそのままで乾燥窒素の導入を止めて真空ポンプ機構にて10-5Paまで減圧して、露点温度を−80℃に調整した。露点温度が−80℃に到達してから300℃に加熱し、30分後に加熱を止めて冷却した。真空度を維持したまま、TFT基板を電極を蒸着するチャンバーに搬送し、画素領域とスルーホール部を開口したマスクを用いてクロムからなる厚さ100nmのクロム電極(電極5)をスパッタ法により成膜した。
続いてプラズマCVDを備えたチャンバーに搬送し、画素分離膜領域を開口したマスクを用い、画素分離膜6として厚さ0.5μmの窒化シリコン膜をプラズマCVD法で形成した。その後、有機EL層7を蒸着するチャンバー14に搬送し、クロム電極上にホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の順で積層形成した。そして電極を蒸着するチャンバー16に搬送し、有機EL層7の上にITOからなる厚さ200nmの透明電極8をスパッタ法により成膜した。さらに、プラズマCVDを備えたチャンバー17に搬送し、これらの有機EL層7、透明電極8を覆うように保護層(パッシベーション膜9)として厚さ1μmの窒化シリコン膜をプラズマCVD法で形成した。
乾燥窒素にて常圧に戻しグローブボックス18に搬送後、画素に対応してRGBを色分けしたカラーフィルター層が形成される。さらに、周囲にUV硬化型シール剤を塗布したカバーガラス11をTFT基板に貼り合わせ、紫外線を6分照射して紫外線硬化させ、有機EL素子を作製した。
(比較例1)
実施例1における画素分離膜をすべて大気中で作製し、その後減圧下に10分置いた以外は、実施例1と同じ工程により有機EL素子を作製した。
(比較例2)
実施例2にける平坦化膜をすべて大気中で作製した以外は、実施例2と同じ工程により有機EL素子を作製した。
実施例1、2および比較例1、2で作製した有機EL素子を、それぞれ、気温60℃、相対湿度90%の環境に放置し、240時間後のVI特性、輝度特性、ダークスポットの有無および画素周辺の輝度の劣化状況を観察した。
実施例1、2の有機EL素子の性能は変化がなかったが、比較例1、2の有機EL素子はVI特性の悪化、輝度の低下、ダークスポットや画素周辺の輝度の劣化が多数観察された。以上のことから、実施例1、2による有機形態EL素子の作製方法では、インターフェースや有機EL層に含まれる水分を低減し、性能劣化のない有機EL素子を得ることができることが判った。
一実施形態による有機EL素子の膜構成を示す図である。 有機EL素子製造装置の構成を示す模式図である。 一実施形態による有機EL素子の作製フローを示す図である。 図3の作製フローにおける画素分離膜形成工程を細分化したフローを示す図である。 第1の変形例による有機EL素子の作製フローを示す図である。 図5の作製フローにおける平坦化膜形成工程を細分化したフローを示す図である。 第2の変形例による有機EL素子の作製フローを示す図である。 図7の作製フローにおける電極形成工程を細分化したフローを示す図である。 一従来例による有機EL素子の製作フローを示す図である。 アクリル系レジストの常圧昇温脱離ガス分析の測定結果を示す図である。
符号の説明
1 基板
2 TFT(薄膜トランジスタ)
3 絶縁膜
4 平坦化膜
5 電極
6 画素分離膜
7 有機EL層
8 透明電極
9 パッシベ−ション膜
10 充填材
11 カバーガラス
13、14、16、17 チャンバー
15 搬送機構

Claims (3)

  1. 有機エレクトロルミネッセンス素子の素子基板上に絶縁層を形成する工程と、
    絶縁層上に電極を形成する工程と、
    絶縁層または電極の脱水処理を行う工程と、
    電極の周囲に画素分離膜を形成する工程と、
    電極上に有機エレクトロルミネッセンス層を形成する工程と、を有し、
    前記脱水処理および前記脱水処理以後の全工程を、露点温度を−60℃以下に管理した環境下で行うことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  2. 有機エレクトロルミネッセンス素子の素子基板上に絶縁層を形成する工程と、
    絶縁層上に電極を形成する工程と、
    電極の周囲に画素分離膜を形成する工程と、
    画素分離膜の脱水処理を行う工程と、
    電極上に有機エレクトロルミネッセンス層を形成する工程と、を有し、
    前記脱水処理および前記脱水処理以後の全工程を、露点温度を−60℃以下に管理した環境下で行うことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  3. 露点温度を−60℃以下に管理した環境が、減圧雰囲気、乾燥ガス雰囲気または乾燥ガスの減圧雰囲気を有することを特徴とする請求項1または2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
JP2006342065A 2006-12-20 2006-12-20 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 Pending JP2008153141A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006342065A JP2008153141A (ja) 2006-12-20 2006-12-20 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006342065A JP2008153141A (ja) 2006-12-20 2006-12-20 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008153141A true JP2008153141A (ja) 2008-07-03

Family

ID=39655092

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006342065A Pending JP2008153141A (ja) 2006-12-20 2006-12-20 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008153141A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140047529A (ko) * 2012-10-12 2014-04-22 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 반도체 장치의 제작 방법 및 반도체 장치의 제조 장치
JP2018026569A (ja) * 2009-09-04 2018-02-15 株式会社半導体エネルギー研究所 表示装置の作製方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018026569A (ja) * 2009-09-04 2018-02-15 株式会社半導体エネルギー研究所 表示装置の作製方法
JP2019075576A (ja) * 2009-09-04 2019-05-16 株式会社半導体エネルギー研究所 表示装置の作製方法
KR20140047529A (ko) * 2012-10-12 2014-04-22 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 반도체 장치의 제작 방법 및 반도체 장치의 제조 장치
JP2014096577A (ja) * 2012-10-12 2014-05-22 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置の作製方法及び半導体装置の製造装置
US9793410B2 (en) 2012-10-12 2017-10-17 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Method for manufacturing semiconductor device and manufacturing apparatus of semiconductor device
US10153376B2 (en) 2012-10-12 2018-12-11 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Method for manufacturing semiconductor device and manufacturing apparatus of semiconductor device
KR102226090B1 (ko) * 2012-10-12 2021-03-09 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 반도체 장치의 제작 방법 및 반도체 장치의 제조 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4458379B2 (ja) 有機el表示装置
JP4950673B2 (ja) 有機el表示装置
CN102386204B (zh) 有机发光显示装置及其制造方法
CN102106186B (zh) 有机电致发光显示面板
WO2017215063A1 (zh) 柔性oled的制作方法及柔性oled
KR101161443B1 (ko) 표시 장치 및 그의 제조 방법
US20160359054A1 (en) Array substrate and method of fabricating the same, display panel and display device
US20070194303A1 (en) Method for manufacturing organic light-emitting element, organic light-emitting device and organic EL panel
US9680134B2 (en) Packaging method, packaging structure and display device
JP2011008969A (ja) 表示装置
JP4448148B2 (ja) 有機発光装置
JP2001356711A (ja) 表示装置
JP2007012411A (ja) 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ及びその製造方法
JP2010218940A (ja) 有機発光装置及びその製造方法
JP2014044810A (ja) 有機el装置の製造方法
US20030030369A1 (en) Method for forming a passivation layer for organic light-emitting devices
TWI559589B (zh) 有機發光二極體之薄膜封裝
WO2014073534A1 (ja) 有機電界発光表示装置及びその製造方法
JP2009283242A (ja) 有機el表示装置
JP2008153141A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JP2008010243A (ja) 有機el素子およびその製造方法
JP2012038574A (ja) 表示装置の製造方法
JP4617749B2 (ja) 表示装置の製造方法
JP2007294413A (ja) 有機elパネル及びその製造方法
US9444073B2 (en) Organic light emitting display device and manufacturing method thereof

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20090527