JP2008150875A - 制振用ダンパー - Google Patents

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Abstract

【課題】構造が簡単で施工コストが安い制振用ダンパーを得ることを課題とする。
【解決手段】柱14Aに固定された固定片18Aと、柱14Bに固定された固定片18Bが、固定片18A、18Bよりも小さい剛性の変形部20によって連結され、また、固定片18A、18B及び変形部20は一体成形されている。これにより、架構12が振動エネルギーを受けると、柱14A、14Bが相対変位し、固定片18A、18Bを介して変形部20が変形して、架構12の振動を減衰する。また、固定片18A、18Bと変形部20を一体成形することで、制振用ダンパー10を架構12に取り付ける工程が簡単になり、施工コストを低く抑えることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、建築物等の耐風性や耐震性及び耐微動制を改良するために、建築物等に装着される制振用ダンパーに関する。
風や地震、また、交通振動などによる建物の揺れや振動を減衰するため、建物の梁にダンパーを装着する制振工法がある(特許文献1参照)。
特許文献1では、図5に示すように、建物の対向するそれぞれの梁102A、102Bにブレース104A、104Bが取り付けられ、このブレース104A、104Bの間にダンパー100を取り付けることで、梁102A、102Bの揺れや振動を、ダンパー100で吸収する構成となっている。
しかし、特許文献1では、建物の変形をダンパー100に適切に伝えるため、高い剛性のブレース104A、104Bが必要となる。このため、建物の建築費用に対してダンパー100の設置費用が占める割合が高くなり、全体的にコスト高となってしまう。
特開2006−45975号公報
本発明は上記事実を考慮し、構造が簡単で施工コストが安い制振用ダンパーを得ることを課題とする。
請求項1に記載の発明は、架構を構成する構造部材に取り付けられて振動エネルギーを吸収する制振用ダンパーにおいて、一の前記構造部材に固定される第1固定部と、他の前記構造部材に固定される第2固定部と、前記第1固定部及び前記第2固定部と一体成形されると共に、該第1固定部及び該第2固定部を連結し、該第1固定部及び該第2固定部よりも小さい剛性の変形部と、を有することを特徴としている。
請求項1に記載の制振用ダンパーでは、一の構造部材に固定された第1固定部と、他の構造部材に固定された第2固定部が、第1固定部及び第2固定部よりも小さい剛性の変形部によって連結され、また、第1固定部、第2固定部及び変形部は一体成形されている。
これにより、構造部材が振動エネルギーを受けると、一の構造部材と他の構造部材が相対変位し、第1固定部及び第2固定部を介して、剛性が小さい変形部が変形して構造部材の振動を減衰する。
また、第1固定部及び第2固定部と変形部を一体成形することで、制振用ダンパーを構造部材に簡単取り付けることができ、施工コストを低く抑えることができる。
請求項2に記載の発明は、前記第1固定部及び前記第2固定部は、対向する前記構造部材に複数箇所で固定されることを特徴としている。
請求項2に記載の制振用ダンパーでは、第1固定部及び第2固定部を、対向する構造部材に複数箇所で固定することで、構造部材に対する第1固定部及び第2固定部のがたつきを少なくすることができる。これにより、構造部材の変位が確実に変形部に伝わる。
請求項3に記載の発明は、前記第1固定部及び前記第2固定部は、前記変形部の中心を通る線に対して線対称に設けられていることを特徴としている。
請求項3に記載の制振用ダンパーでは、第1固定部と第2固定部が、変形部の中心を通る線に対して線対称に設けられており、構造部材の変位は、第1固定部と第2固定部を介して、同じ大きさで変形部に伝わる。これにより、左揺れでも右揺れでも、制振効果が同じになる。
請求項4に記載の発明は、前記変形部は、複数設けられていることを特徴としている。
請求項4に記載の制振用ダンパーでは、変形部を複数設けることで、変形部の総断面積が大きくなる。これにより、大きな振動エネルギーを変形部で吸収できるので、大きな揺れがきても構造部材の揺れを抑えることができる。
請求項5に記載の発明は、前記第1固定部、前記第2固定部及び前記変形部は、一枚のプレートからなることを特徴としている。
請求項5に記載の制振用ダンパーでは、第1固定部、第2固定部及び変形部を、一枚のプレートで構成している。これにより、制振用ダンパーの加工が容易となる。
請求項6に記載の発明は、前記変形部の中央には、該変形部を二分し該変形部よりも剛性の大きい分割部材が設けられていることを特徴としている。
請求項6に記載の制振用ダンパーでは、変形部の中央に分割部材を設け、変形部を二分している。このように、変形部の中央に分割部材を設けることで、変形部の数や位置を自由に調整できる。
請求項7に記載の発明は、前記第一固定部、前記第二固定部及び前記変形部は、硬質プラスチックスAからなる海相と、前記海相内に分散して前記硬質プラスチックスAよりも低硬度のプラスチックスBからなる島相と、を有する海島構造を持つプラスチックスで成型されていることを特徴としている。
請求項7に記載の制振用ダンパーでは、硬質プラスチックスAからなる海相と、この海相内に分散して硬質プラスチックスAよりも低硬度のプラスチックスBからなる島相からなる海島構造を持つプラスチックスで、第1固定部、第2固定部及び変形部を成型している。これにより、第1固定部、第2固定部及び変形部は、プラスチック特有の脆性的な破壊挙動をすることなく、延性的な応力歪挙動を取るので、繰り返し変形に耐え、力学的な高減衰性を発現する。また、減衰性能の耐久性も良好であり、生産性が高く、製造作業性にも優れる。
請求項8に記載の発明は、前記プラスチックスは、前記硬質プラスチックスAと前記硬質プラスチックスBとの相容化剤を含むことを特徴としている。
請求項8に記載の制振用ダンパーでは、硬質プラスチックスAと硬質プラスチックスBの相容化剤を含んでいる。これにより、硬質プラスチックスAと硬質プラスチックスBの相容性が高められる。
請求項9に記載の発明は、前記硬質プラスチックスAがポリエチレンテレフタレートであり、前記硬質プラスチックスBがポリエチレンであることを特徴としている。
請求項10に記載の発明は、前記相容化剤としてスチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体を含むことを特徴としている。
請求項10に記載の制振用ダンパーでは、相容化剤として、ポリエチレンテレフタレートからなる高硬度プラスチックスAと、ポリエチレンからなる低硬度プラスチックスBの双方になじみがよい、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体を用いる。
請求項11に記載の発明は、前記硬質プラスチックスAがポリアミドであり、前記硬質プラスチックスBがポリエチレンであることを特徴としている。
請求項12に記載の発明は、前記相容化剤として無水マレイン酸変性のスチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体を含むことを特徴としている。
請求項12に記載の制振用ダンパーでは、相容化剤として、ポリアミドからなる高硬度プラスチックスAと、ポリエチレンからなる低硬度プラスチックスBの双方になじみがよい、無水マレイン酸変性のスチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体を用いる。
請求項13に記載の発明は、前記硬質プラスチックスAがポリブチレンテレフタレートであり、前記硬質プラスチックスBがポリブテンであることを特徴としている。
請求項14に記載の発明は、前記硬質プラスチックスAがポリエチレンナフタレートであり、前記硬質プラスチックスBがポリエチレンであることを特徴としている。
本発明は上記構成としたので、構造が簡単で施工コストが安い制振用ダンパーを得ることができる。
以下に、図面を参照して本発明の第1の実施の形態に係る制振用ダンパー10について説明する。
図1に示すように、制振用ダンパー10は、柱14A、14Bと梁16A、16Bとで構成された架構12に取り付けられている。
制振用ダンパー10は、架構12を構成する垂直方向に設けられた柱14A、14Bにそれぞれ固定される薄板状の固定片18A、18Bと、この固定片18A、18Bを連結する変形部20とで構成されている。
固定片18A、18Bは、柱14A、14Bの表面に取り付けられる一辺を底辺とし、変形部20が連結された側を頂点とする略三角形状とされている。そして、固定片18Aの頂点と固定片18Bの頂点が、矩形状の変形部20で連結されて、略H字状とされている。
固定片18A、18B及び変形部20は、同一材料によって一体成形されている。なお、固定片18A、18B及び変形部20を構成する材料の詳細については後述する。
固定片18A、18Bは同一形状とされ、制振用ダンパー10は、梁16A、16Bの中心を通る中心線(変形部20の中心線)に対して、線対称となるように構成されている。
これにより、梁16A、16Bに直交する面で切断される制振用ダンパー10の断面積は、底辺側(柱14A、14B近傍)から変形部20に向かうにしたがって徐々に小さくされて、変形部20において最小となるように構成されている。つまり、制振用ダンパー10は、固定片18A、18Bの底辺側から変形部20に向かうにしたがって、剛性が小さくなるように構成されており、変形部20で剛性が最小となっている。
固定片18A、18Bの底辺近傍には、底辺に沿って複数の孔22が形成されている。この孔22にネジ24を挿通して、柱14A、14Bに穿設されたネジ孔26に螺合させることで、図2(A)に示すように、制振用ダンパー10の両側(固定片18A、18B)が、柱14A、14Bに固定されるようになっている。
次に、本発明の制振用ダンパー10を構成するのに好適なプラスチックス材料について説明する。
このプラスチックス材料は、硬質プラスチックス(以下「高硬度プラスチックス」とする)Aよりなる海相と、この海相内に分散する硬質プラスチックスAよりも低硬度のプラスチックス(以下「低硬度プラスチックス」とする)Bよりなる島相とで、海島構造を形成している。
高硬度プラスチックスAとしては、JIS K 7113の引張弾性率硬度が120kgf・mm−2以上、好ましくは280〜420kgf・mm−2程度のものが好ましい。
なお、プラスチックスAの引張弾性率硬度が120kgf・mm−2未満では、低硬度プラスチックスBとの複合化で海島構造をとることによる良好な減衰性能を得ることができない場合がある。
このような高硬度プラスチックスAとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(ナイロン)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一方、低硬度プラスチックスBとしては、JIS K 7113の引張弾性率硬度が10〜120kgf・mm−2(120kgf・mm−2未満)、好ましくは17〜111kgf・mm−2程度のものが好ましい。
なお、プラスチックスBの引張弾性率硬度が120kgf・mm−2を超えると、高硬度プラスチックスAとの複合化で海島構造をとることによる良好な減衰性能を得ることができない場合があり、10kgf・mm−2未満のプラスチックスは材料調製上実現が困難である。
このような低硬度プラスチックスBとしては、ポリエチレン、ポリブテン、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、高硬度プラスチックスA、低硬度プラスチックスBは、上記のものをそれぞれ1種ずつ用いても良く、いずれか一方又は双方を2種以上混合して用いても良い。
このプラスチックス材料は、高硬度プラスチックスAと低硬度プラスチックスBとの相溶性を高めるための相容化剤を含有していても良い。この場合、相容化剤は、高硬度プラスチックスAと低硬度プラスチックスBとの組み合せにより、双方のプラスチックスになじみの良いものが適宜選択使用されるが、例えば、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体、或いはその無水マレイン酸変性物等を用いることができる。
また、このプラスチックス材料は、海相を構成する高硬度プラスチックスAの含有量が、プラスチックス材料の90〜10体積%で、島相を構成する低硬度プラスチックスBの含有量が、プラスチックス材料の10〜90体積%であることが好ましい。高硬度プラスチックスAの割合が10体積%未満で低硬度プラスチックスBが90体積%を超えると材料の減衰力が不十分であり、高硬度プラスチックスAの割合が90体積%を超え低硬度プラスチックスBが10体積%未満であると大変形に耐えられず、脆性的に破壊してしまう。
相容化剤を用いる場合、相容化剤の含有量は、制振用ダンパー10材料の全量に対して1.0〜20.0重量%であることが好ましい。この割合が1.0重量%未満では、相容化剤を添加したことによる十分な相溶化効果を得ることができず、20.0重量%を超えると系が低硬度化して十分な減衰性が得られない。
このプラスチックス材料は、具体的には、次のような高硬度プラスチックスAと低硬度プラスチックスBの組み合せの海島構造とすることができる。
(1) プラスチックスAがポリエチレンテレフタレート(PET)で、プラスチックスBがポリエチレン。相容化剤としてスチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体を含んでいても良い。
(2) プラスチックスAがポリアミド、即ち、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のナイロンで、プラスチックスBがポリエチレン。相容化剤として無水マレイン酸変性のスチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体や無水マレイン酸変性のポリエチレンを含んでいても良い。
(3) プラスチックスAがポリブチレンテレフタレート(PBT)で、プラスチックスBがポリブテン。
(4)プラスチックスAがポリエチレンナフタレート(PEN)で、プラスチックスBがポリエチレン。
高硬度プラスチックスAの海相中に形成される低硬度プラスチックスBの島相の大きさは、大き過ぎても小さ過ぎても、これらの海島構造とすることによる良好な減衰効果を得ることができないことから、低硬度プラスチックスBによる島相の平均大径、即ち、島相を平行に配置した2枚の平板で挟んだ場合、その距離が最も離隔する場合の長さの平均値が0.1〜100μm程度であることが好ましい。
また、低硬度プラスチックスBによる島相の1個当たりの体積の平均値は(0.1)〜(100)μmであることが好ましい。なお、この低硬度プラスチックスBによる島相の形状は、制振用ダンパー10材料の製造条件等によっても異なるが、通常は球状、ラグビーボール形状、アメーバ状、層状等である。
このようなプラスチックス材料は、高硬度プラスチックスAと低硬度プラスチックスB、更に必要に応じて添加される相容化剤、その他、充填材、滑剤、老化防止剤等の所定量を汎用の二軸混練り機やゴム用のニーダーなどを使用して混合して調製することができ、得られた制振用ダンパー10材料を射出成形、押出成形など種々の成形手法で成形し、制振用ダンパー10とすることができる。
次に、本発明の第1の実施形態に係る制振用ダンパー10の作用について説明する。
図2(B)に示すように、架構12が振動エネルギーを受けると、柱14A、14Bが相対変位し、固定片18A、18Bを介して、固定片18A、18Bよりも剛性が小さい変形部20が変形して、架構12の振動を減衰する。
また、固定片18A、18Bと変形部20を一体成形することで、制振用ダンパー10を架構12に取り付ける工程が簡単になり、施工コストを低く抑えることができる。
さらに、固定片18A、18Bを、柱14A、14Bに複数箇所で固定することで、架構12に対する制振用ダンパー10のがたつきを少なくすることができる。これにより、架構12の変位が確実に変形部20に伝わる。
また、梁16A、16Bの中心線に対して、固定片18Aと固定片18Bが線対称に設けられているため、架構12の変位は、固定片18A、18Bを介して、同じ大きさで変形部20に伝わる。これにより、左揺れでも右揺れでも、制振効果が同じになる。
さらに、制振用ダンパー10を一枚のプレートで構成することで、制振用ダンパー10の加工が容易となり、製造コストを削減できる。
なお、本実施形態では、固定片18A、18Bを三角形状として説明したが、必ずしも固定片18A、18Bが三角形状である必要はなく、例えば矩形状や台形状であってもよい。
また、本実施形態では、梁16A、16Bの中心線に対して、線対称となるように固定片18A、18Bが配置されて構成された制振用ダンパー10を例に採って説明したが、柱14A、14Bに固定される固定片よりも、固定片を連結する連結部の剛性が小さくなるように構成されていれば、必ずしも梁16A、16Bの中心線に対して制振用ダンパーが線対称である必要はない。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る制振用ダンパー30について説明する。なお、第1の実施形態と同様の部分についての説明は割愛する。
図3に示すように、制振用ダンパー30は、架構12を構成する柱14A、14Bにそれぞれ固定される薄板状の固定片32A、32Bを有しており、この固定片32A、32Bは、複数の変形部34で連結されている。
固定片32A、32BBは、柱14A、14Bの表面に取り付けられる一辺を底辺とする台形状とされており、固定片32Aの上辺側と、固定片32Bの上辺側が、所定の間隔で設けられた変形部34によって連結されている。
このような構成により、梁16A、16Bに直交する面で制振用ダンパー30を切断したとき、固定片32A、32Bの底辺側(柱14A、14B近傍)から変形部34に向かうにしたがって断面積は徐々に小さくされており、変形部34において最小となるように構成されている。つまり、制振用ダンパー30は、固定片32A、32Bの底辺側から変形部34に向かうにしたがって、剛性が小さくなるように構成されており、変形部34で剛性が最小となっている。
したがって、架構12が振動エネルギーを受けると、振柱14A、14Bが相対変位し、固定片32A、32Bを介して、固定片32A、32Bよりも剛性が小さい変形部34が変形して、架構12の振動を減衰する。
このように、固定片32A、32Bよりも剛性の小さい変形部34を複数設けることで、変形部34の総断面積が大きくなるので、大きな振動エネルギーを変形部34で吸収できる。したがって、大きな揺れがきても架構12の揺れを抑えることができる。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る制振用ダンパー40について説明する。なお、第1の実施形態と同様の部分についての説明は割愛する。
図4に示すように、制振用ダンパー40は、架構12を構成する柱14A、14Bにそれぞれ固定される長尺矩形状の固定片42A、42Bを有している。固定片42A、42Bは、固定片42A、42Bよりも断面積が小さい(剛性が小さい)複数(本実施形態では、5個)の変形部46で連結されている。
変形部46の中央には、5個の変形部46を連結するようにして、固定片42A、42Bよりも少し幅広とされた長尺矩形状の分割片44が設けられている。つまり、変形部46の中央には、変形部46よりも断面積が大きい(剛性が大きい)分割片44が設けられ、変形部46は分割片44によって、固定片42Aと分割片44を連結する変形部46Aと、固定片42Bと分割片44を連結する変形部46Bとに分割された状態となっている。
このような構成により、架構12が振動エネルギーを受けると、振柱14A、14Bが相対変位し、固定片42A、42Bを介して、固定片42A、42Bよりも剛性が小さい変形部46が変形して、架構12の振動を減衰する。
このように、変形部46の中央に分割片44を設け、変形部46を二分することで、変形部46の数や位置を自由に調整できる。
なお、本実施形態では、変形部46の中央に設けた1個の分割片44によって、変形部46を2分割する構成としたが、変形部46を2個以上の中央片で分割してもよい。
本発明の第1の実施形態の制振用ダンパーを架構に取り付けるときの分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態の制振用ダンパーを架構に取り付けた状態を示す正面図であり、(A)は通常の状態を示す図であり、(B)は架構に外力が作用した状態を示す図である。 本発明の第2の実施形態の制振用ダンパーを架構に取り付けた状態を示す正面図である。 本発明の第3の実施形態の制振用ダンパーを架構に取り付けた状態を示す正面図である。 従来の制振用ダンパーを架構に取り付けた状態を示す正面図である。
符号の説明
10 制振用ダンパー
12 架構
14A 柱(構造部材)
18A 固定片(第1固定部)
18B 固定片(第2固定部)
20 変形部
30 制振用ダンパー
32A 固定片(第1固定部)
32B 固定片(第2固定部)
34 変形部
40 制振用ダンパー
42A 固定片(第1固定部)
42B 固定片(第2固定部)
44 分割片(分割部材)
46 変形部

Claims (14)

  1. 架構を構成する構造部材に取り付けられて振動エネルギーを吸収する制振用ダンパーにおいて、
    一の前記構造部材に固定される第1固定部と、
    他の前記構造部材に固定される第2固定部と、
    前記第1固定部及び前記第2固定部と一体成形されると共に、該第1固定部及び該第2固定部を連結し、該第1固定部及び該第2固定部よりも小さい剛性の変形部と、
    を有することを特徴とする制振用ダンパー。
  2. 前記第1固定部及び前記第2固定部は、対向する前記構造部材に複数箇所で固定されることを特徴とする請求項1に記載の制振用ダンパー。
  3. 前記第1固定部及び前記第2固定部は、前記変形部の中心を通る線に対して線対称に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の制振用ダンパー。
  4. 前記変形部は、複数設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の制振用ダンパー。
  5. 前記第1固定部、前記第2固定部及び前記変形部は、一枚のプレートからなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の制振用ダンパー。
  6. 前記変形部の中央には、該変形部を二分し該変形部よりも剛性の大きい分割部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の制振用ダンパー。
  7. 前記第1固定部、前記第2固定部及び前記変形部は、硬質プラスチックスAからなる海相と、前記海相内に分散して前記硬質プラスチックスAよりも低硬度のプラスチックスBからなる島相と、を有する海島構造を持つプラスチックスで成型されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の制振用ダンパー。
  8. 前記プラスチックスは、前記硬質プラスチックスAと前記硬質プラスチックスBの相容化剤を含むことを特徴とする請求項7に記載の制振用ダンパー。
  9. 前記硬質プラスチックスAがポリエチレンテレフタレートであり、前記硬質プラスチックスBがポリエチレンであることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の制振用ダンパー。
  10. 前記相容化剤としてスチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体を含むことを特徴とする請求項9に記載の制振用ダンパー。
  11. 前記硬質プラスチックスAがポリアミドであり、前記硬質プラスチックスBがポリエチレンであることを特徴とする請求項7〜請求項10のいずれか1項に記載の制振用ダンパー。
  12. 前記相容化剤として無水マレイン酸変性のスチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体を含むことを特徴とする請求項11に記載の制振用ダンパー。
  13. 前記硬質プラスチックスAがポリブチレンテレフタレートであり、前記硬質プラスチックスBがポリブテンであることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の制振用ダンパー。
  14. 前記硬質プラスチックスAがポリエチレンナフタレートであり、前記硬質プラスチックスBがポリエチレンであることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の制振用ダンパー。
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