JP2008150353A - 新規なキナゾリン誘導体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】式(I)
(式中、Phはフェニル基を示し、Rは水素原子等を示し、mは0〜3を示し、
nは0〜1を示し、m及びnの少なくとも一方は0ではなく、X1及びX2はそれぞれ同一又は異なり、塩素原子等を示し、mが2以上の場合X1は同一又は異なる。ただし、
a)mが1で、X1が5-塩素原子等であり、Rがメチル基を示す場合、nは1を示し、又は
b)nが1で、下記のいずれかの条件を満たす場合、mは1〜3を示す。
(1)X2が塩素原子であり、Rが水素原子等の中から選ばれる基である。
(2)X2が臭素原子であり、Rが2-ヒドロキシエチル基等の中から選ばれる基である。
(3)X2がニトロ基であり、Rが3-ヒドロキシプロピル基である。)
で表される化合物又はその農学的に許容される塩等。
【選択図】なし
Description
即ち、本発明は、
(1)式(I)
(式中、Phはフェニル基を示し、Rは水素原子、ホルミル基、C1-6アルキル基、C3-6アルケニル基又はC3-6アルキニル基を示し、ここで前記のアルキル基、アルケニル基及びアルキニル基はヒドロキシル基、C1-3アルコキシ基、C1-3アルコキシカルボニル基、シアノ基、2-フリル基及び2-テトラヒドロフリル基の中から少なくとも1つ以上選ばれる置換基で置換されていてもよく、
mは0〜3の整数を示し、
nは0〜1の整数を示し、
m及びnの少なくとも一方は0ではなく、
X1及びX2はそれぞれ同一又は異なり、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基を示し、
mが2以上の場合X1は同一又は異なる。
ただし、
a)mが1であり、X1が5-塩素原子又は7-塩素原子であり、Rがメチル基を示す場合、nは1の整数を示し、又は
b)nが1であり、下記(1)〜(3)のいずれかの条件を満たす場合、mは1〜3の整数を示す。
(1)X2が塩素原子であり、Rが水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、3-ヒドロキシプロピル基、2,2-ジメトキシエチル基及びシアノメチル基の中から選ばれる基である。
(2)X2が臭素原子であり、Rが2-ヒドロキシエチル基、3-ヒドロキシプロピル基及び2-メトキシエチル基の中から選ばれる基である。
(3)X2がニトロ基であり、Rが3-ヒドロキシプロピル基である。)
で表される化合物又はその農学的に許容される塩(以下、本発明化合物と記すこともある。);
(2)Rが水素原子、ホルミル基、メチル基、エチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-メトキシエチル基、フルフリル基、メトキシカルボニルメチル基又はエトキシカルボニルメチル基を示し、mが0であり、nが1であり、X2が塩素原子又はニトロ基を示す前項1記載の化合物又はその農学的に許容される塩;
(3)Rが水素原子、ホルミル基、メチル基、エチル基、2-ヒドロキシエチル基、3-ヒドロキシプロピル基、2-メトキシエチル基、フルフリル基、メトキシカルボニルメチル基又はエトキシカルボニルメチル基を示し、mが1であり、nが1であり、X1が8-塩素原子であり、X2が塩素原子又はニトロ基を示す前項1記載の化合物又はその農学的に許容される塩;
(4)mが1〜3の整数であり、nが0である請求項1記載の化合物又はその農学的に許容される塩;
(5)Rがホルミル基、C4-6アルキル基、C3-6アルケニル基又はC3-6アルキニル基を示し、ここで前記のアルキル基、アルケニル基及びアルキニル基はヒドロキシル基又はC1-3アルコキシ基で置換されていてもよく、またRがC1-3アルコキシカルボニルメチル基、C1-3アルコキシC1-3アルキル基又はフルフリル基を示し、
mが0であり、
nが1であり、
X2が塩素原子である前項1記載の化合物又はその農学的に許容される塩;
(6)nが1である前項1記載の化合物又はその農学的に許容される塩;
(7)mが1〜3であり、nが1である前項1記載の化合物又はその農学的に許容される塩;
(8)RがC1-3アルコキシカルボニルメチル基又はフルフリル基である前項1、4、6又は7に記載の化合物又はその農学的に許容される塩;
(9)nが1であり、X2がトリフルオロメチル基又はシアノ基である請求項1記載の化合物又はその農学的に許容される塩;
等を提供するものである。
尚、本明細書では、上記の項番1〜9記載の化合物又はその農学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする植物成長調節剤を、本植物成長調節剤と記すこともある。また、本植物成長調節剤の有効量を、植物又はその生息場所に施用することを特徴とする植物成長調節方法を、本植物成長調節方法と記すこともある。
等を提供するものである。
ここで前記の「C1-6アルキル基」、「C3-6アルケニル基」、「C3-6アルキニル基」及び「C4-6アルキル基」は、ヒドロキシル基、C1-3アルコキシ基、C1-3アルコキシカルボニル基、シアノ基、2-フリル基及び2-テトラヒドロフリル基の中から1つ以上選ばれる置換基を置換可能な位置に1つ以上、好ましくは1ないし3つ有していてもよく、置換基数が2つ以上の場合には各置換基は同一又は異なっていてもよい。
これらの置換基として示される「C1-3アルコキシ基」としては、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシが用いられ、「C1-3アルコキシカルボニル基」としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロピルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニルが用いられる。
また化合物(I)がカルボキシル基、フェノール性ヒドロキシル基、活性メチレン基等の酸性基を有する場合に形成しうる塩としては、例えば、アルカリ金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)及びアルカリ土類金属塩(マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等)等の金属塩、アンモニウム塩、並びに、有機塩基(例えば、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ピぺラジン、ピロリジン、ピペリジン、2−フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピリジン、コリジン等)との付加塩が挙げられる。
このように、化合物(I)は、上記のような農学的に許容される塩の形態であってもよい。
化合物(I)が1つ以上の不斉中心を有する場合には、当該化合物には2つ以上の立体異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマ一等)が存在する。本発明化合物には、これらの立体異性体のすべて及びそれらのうちの任意の2つ以上からなる混合物が包含される。
また化合物(I)が二重結合等に基づく幾何異性を有する場合には、当該化合物には2つ以上の幾何異性体(例えば、E/Z又はトランス/シスの各異性体、S−トランス/S−シスの各異性体等)が存在する。化合物(I)には、これらの幾何異性体のすべて及びそれらのうちの任意の2つ以上からなる混合物が包含される。
(式中、Phはフェニル基を示し、Rは水素原子、ホルミル基、C1-6アルキル基、C3-6アルケニル基又はC3-6アルキニル基を示し、ここで前記のアルキル基、アルケニル基及びアルキニル基はヒドロキシル基、C1-3アルコキシ基、C1-3アルコキシカルボニル基、シアノ基、2-フリル基及び2-テトラヒドロフリル基の中から少なくとも1つ以上選ばれる置換基で置換されていてもよく、
m’は1〜3の整数を示し、
X1は塩素原子、臭素原子、トリフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基を示し、
m’が2以上の場合X1は同一又は異なる。
ただし、m’が1であり、X1が塩素原子であり、Rがメチル基を示す場合、X1は8-塩素原子である。)
で示される化合物を表す。
(式中、Phはフェニル基を示し、Rは水素原子、ホルミル基、C1-6アルキル基、C3-6アルケニル基又はC3-6アルキニル基を示し、ここで前記のアルキル基、アルケニル基及びアルキニル基はヒドロキシル基、C1-3アルコキシ基、C1-3アルコキシカルボニル基、シアノ基、2-フリル基及び2-テトラヒドロフリル基の中から少なくとも1つ以上選ばれる置換基で置換されていてもよく、
mは0〜3の整数を示し、
X1及びX2はそれぞれ同一又は異なり、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基を示し、
mが2以上の場合X1は同一又は異なる。
ただし、下記(1)〜(3)のいずれかの条件を満たす場合、mは1〜3の整数を示す。
(1)X2が塩素原子であり、Rが水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、3-ヒドロキシプロピル基、2,2-ジメトキシエチル基及びシアノメチル基の中から選ばれる基である。
(2)X2が臭素原子であり、Rが2-ヒドロキシエチル基、3-ヒドロキシプロピル基及び2-メトキシエチル基の中から選ばれる基である。
(3)X2がニトロ基であり、Rが3-ヒドロキシプロピル基である。)
で示される化合物を表す。
一般式(I)において、
(1)Rが水素原子、ホルミル基、メチル基、エチル基、2-ヒドロキシエチル基、3-ヒドロキシプロピル基、2-メトキシエチル基、フルフリル基、メトキシカルボニルメチル基又はエトキシカルボニルメチル基であり、mが0であり、nが1であり、X2が塩素原子又はニトロ基である化合物。
(2)Rが水素原子、ホルミル基、メチル基、エチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-メトキシエチル基、フルフリル基、メトキシカルボニルメチル基又はエトキシカルボニルメチル基であり、mが1であり、nが1であり、X1が8-塩素原子であり、X2が塩素原子又はニトロ基である化合物。
(3)mが1〜3の整数であり、nが0である化合物。
(4)Rがホルミル基、C4-6アルキル基、C3-6アルケニル基又はC3-6アルキニル基であり、ここで前記のアルキル基、アルケニル基及びアルキニル基はヒドロキシル基又はC1-3アルコキシ基で置換されていてもよく、またRがC1-3アルコキシカルボニルメチル基、C1-3アルコキシC1-3アルキル基又はフルフリル基であり、mが0であり、nが1であり、X2が塩素原子である化合物。
(5)nが1である化合物。
(6)mが1〜3であり、nが1である化合物。
(7)RがC1-3アルコキシカルボニルメチル基又はフルフリル基である化合物。
(8)nが1であり、X2がトリフルオロメチル基又はシアノ基である化合物。
ここで「植物」とは、土壌における植物の固定、外部からの水分及び養分吸収等の重要な役割を根という器官を介して行うことができる高等植物を示し、花卉・観葉植物等の鑑賞用植物、穀類・野菜・果樹等の作物、繊維植物、樹木、芝等の植物があげられる。具体的には例えば、イネ、トウモロコシ等の穀物類、ベントグラス、コウライシバ等の芝類、トマト、ピーマン、トウガラシ、スイカ等のウリ類、キュウリ、カボチャ、メロン、スイカ等のウリ類、キャベツ、ブロッコリー、ハクサイ等の菜類、セロリ、パセリ、レタス等の生菜、香辛菜類、ネギ、タマネギ、ニンニク等のネギ類、ダイズ、インゲン、エンドウ、アズキ等の豆類、イチゴ等の果菜類、ダイコン、カブ、ニンジン、ゴボウ等の直根類、サトイモ、バレイショ、サツマイモ、ナガイモ等のイモ類、アスパラガス、ホウレンソウ、ミツバ等の柔菜類、トルコギキョウ、ストック、カーネーション、キク等の花弁類、ナタネ、ラッカセイ等の油料作物類、サトウキビ、テンサイ等の糖料作物類、ワタ、イグサ等の繊維料作物類、クローバー、ソルガム等の飼料作物類、リンゴ、ナシ、ブドウ、モモ、クリ等の落葉性果樹類、ミカン、レモン、グレープフルーツ等の柑橘類、サツキ、ツツジ、スギ等の木本類等を挙げることができる。
また「植物の生長」とは、種子の発芽に始まる植物の初期発生から、根、茎、葉の成長と発達、花の形成から種子の成熟に至るまでの過程において、すでにある栄養器官(根、茎、葉)を新たに作っては積み上げていくような一般的な過程をいうが、例えば、発芽、根の伸長、芽の伸長、茎の伸長、頂芽・腋芽の形成と伸長、枝・葉の展開、花芽の形成と開花、結実、種子の成熟等が挙げられる。
また「植物の分化」とは、例えば、分化全能性を獲得した植物細胞集団であるカルスから、根、茎、葉等の植物組織が形成されること(再分化)又は、根、茎、葉等の植物組織の細胞からカルスが形成されること(脱分化)を言う。
また「植物の生長の制御」には、例えば、「植物の芽の生長の制御」があり、これは頂芽若しくは腋芽の生長を促進又は抑制することである。例えば、頂芽優勢により生長が抑制されている腋芽の生長を開始させたり、頂芽を切除することにより生長を開始する腋芽の生長を抑制させたり、通常の頂芽の生長を抑制させたりすることである。
また「植物の生長の制御」には、例えば、「植物の根の生長の促進」がある。
また「植物の根」とは、双子葉植物、裸子植物の場合には、種子の胚にある幼根から発達した主根、主根から枝分かれして伸びる側根等を示す。また単子葉植物の場合には、種子の胚にある幼根(種子根)、種子根の成長停止後、上方部に生ずる不定根(いわゆるひげ根)、不定根から枝分かれして伸びる側根等を示す。また、根の表皮細胞が、外側に向かって長く伸びた根毛等を示す。植物の根は、土壌における植物の固定、外部からの水分及び養分吸収等、植物にとって重要な役割を担う器官である。また、植物の根は、植物ホルモンの生成場所としても非常に重要である。農業上においては、多くの作物は種子によって増殖する。従って、植物の生長の初期に均一に苗立ちが得られることは、高品質、高収量につながる非常に重要な要素である。植物の根の生長を促進させることにより、土壌への活着率の向上、苗立ちの改善等による生産性又は品質の向上、苗立ちの向上による早期の雑草防除コントロール、種子の供給源の効率化等、種々の利点が期待される。また、根張りが向上することにより、乾燥ストレス耐性の向上又は病害虫耐性の向上等、また養分吸収能力の向上による肥料量の削減等が期待される。
また「植物の根の生長」とは、根の細胞の分裂、伸長、重量増加により、根の長さ、根数が増加、又は、根量、太さ、活性等が増加すること等である。
また「植物の根の生長を促進させる」とは、植物の根の生長を従来よりも活発にし、無処理の場合と比較して、根の長さ、根数が増加、又は、根量、太さ、活性等が増加すること等である。
植物の生長若しくは分化を制御する能力を測定する方法の一つとして、例えば、植物に対する根部生長促進活性を測定する方法が挙げられる。具体的には例えば、以下の方法に従い測定することができる。
下記の組成(表1)からなる園試標準培地を調製する。クラスターチューブに化学物質のDMSO溶液を4μlずつ、終濃度0.001ppm〜10ppmになるように分注し、さらに滅菌した園試標準培地を600μlずつ分注した後、得られた溶液を充分に混合する。クラスタチューブ当り10〜20粒のシロイヌナズナ種子を前記クラスタチューブ内に播種し、22℃、明所にて10日間培養した後、シロイヌナズナ種子から生じた主根(平均的な主根)の長さを測定する。8反復の平均値を求め、下記の式により根部生長率を求める。
製剤化するに際し用いられる固体担体としては、例えば、粘土類(カオリナイト、珪藻土、合成含水酸化珪素、フバサミクレー、ベントナイト、酸性白土等)、タルク、その他の無機鉱物(セリサイト、石英粉末、硫黄粉末、活性炭、炭酸カルシウム等)化学肥料(硫安、燐安、硝安、塩安、尿素等)等の微粉末や粒状物が挙げられ、液体担体としては、例えば水、アルコール類(メタノール、エタノール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン等)、非芳香族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、ケロシン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、エーテル類(ジオキサン、ジイソプロピルエーテル等)、酸アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロエタン、トリクロロエチレン等)等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル類、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類及びそのポリオキシエチレン化物、ポリエチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステル類、糖アルコール誘導体等が挙げられる。
その他の製剤用補助剤としては、例えば、カゼイン、ゼラチン、多糖類(澱粉、アラビアガム、セルロース誘導体、アルギン酸等)、リグニン誘導体、ベントナイト、合成水溶性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等)等の固着剤や分散剤、PAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT(2,6−tert−ブチルー4−メチルフェノール)、BHA(2−/3−tert−ブチルー4メトキシフェノール)、植物油、鉱物油、脂肪酸、脂肪酸エステル等の安定剤が挙げられる。
製造法
(式中、Yは脱離基(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、例えば、メタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、p-トルエンスルホニルオキシ基等のアルカン若しくはアレーンスルホニルオキシ基、例えば、メタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、フェニルメタンメタンスルホニル等のアルカン、アレーン若しくはアレーンアルカンスルホニル基等)を示し、他の記号は前記と同意義を示す。)
上記反応は無溶媒で行ってもよく、溶媒を使用してもよい。溶媒としては、例えば、ペンタン、へキサン、へプタン、石油エーテル、シクロへキサン等の脂肪族炭化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル、ギ酸エチル、プロピオン酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の酸アミド類、1−メチル−2−ピロリドン等の環状アミド類、ヘキサメチルホスホルアミド等のリン酸アミド類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の環状尿素類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、スルホラン等のスルホン類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ピリジン、ピコリン、ルチジン、キノリン等の芳香族アミン類、及びこれらの混合溶媒、水、さらにはこれらと水との混合溶媒等が挙げられる。
水との混合溶媒が用いられ、反応が均一系でない場合には、相間移動触媒(例えば、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩、18-クラウン-6等のクラウンエーテル類等)を使用してもよい。
塩基としては、例えば、ナトリウムエチラート、ナトリウムメチラート、カリウムtert-ブトキシド等のアルカリ金属のアルコラート、例えば、ピリジン、ピコリン、ルチジン、キノリン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノビリジン、N,N−ジメチルアニリン等の有機塩基、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基、例えば、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の金属水素化物、例えば、ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド等の有機リチウム試薬等が挙げられる。
用いられる塩基の量は反応に悪影響を及ぼさない量であれば特に限定されず、溶媒を兼ねて大過剰量用いることもできる。
化合物(III)がアミン類である場合には、過剰量の化合物(III)を塩基及び溶媒を兼ねて使用することもできる。
反応温度は、通常−50〜200℃であり、好ましくは室温〜150℃である。
反応時間は、通常0.1〜96時間、好ましくは0.1〜72時間、より好ましくは0.1〜24時間である。
化合物(III)がアンモニア、メチルアミン、エチルアミン等の低沸点化合物である場合や反応の進行が遅い場合には、耐圧密閉容器を使用し、40〜150℃程度に加熱し、加圧下(例えば、1.1気圧〜100気圧)で反応させることもできる。
化合物(II)は、公知化合物を含み、公知又はそれに準じる方法で製造することができる。例えば、Yが塩素原子である化合物(IIa)は、例えば、以下の参考製造法1により、化合物(IV)をオキシ塩化リンと加熱することにより製造することができる。
参考製造法1
(式中の記号は前記と同意義を示す。)
上記反応は、反応に支障のない溶媒中で行ってもよいが、通常無溶媒で過剰量のオキシ塩化リン(化合物(IV)に対し5当量〜30当量)を使用する。
反応温度は、通常80〜200℃であり、好ましくは90℃〜還流(105℃)である。
反応時間は、通常0.1〜96時間、好ましくは0.5〜5時間、より好ましくは0.5〜2時間である。還流下でも反応の進行が遅い場合には、耐圧密閉容器を使用し、200℃程度まで加熱し、加圧下(例えば1.1気圧〜100気圧)で反応させることもできる。
文献例:Tetrahedron 42, 3697(1986)
参考製造法2
(式中、Zは塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子を示し、他の記号は前記と同意義を示す。)
上記反応では、まず化合物(V)と化合物(VI)とを反応させる。通常溶媒を使用し、例えば、ペンタン、ヘキサン、へプタン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、メチルtertブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類又はこれらの2種以上の混合物が用いられる。
化合物(V)に対し化合物(VI)は通常1〜5当量、好ましくは2〜2.5当量用いられる。
反応温度は、通常40〜100℃であり、好ましくは50〜70℃である。
反応時間は、通常0.2〜96時間、好ましくは0.5〜24時間、より好ましくは1〜3時間である。
次いでクロロ炭酸メチルを反応させる。化合物(V)に対しクロロ炭酸メチルは、通常1〜5当量、好ましくは1〜2当量用いられる。この段階ではまず0〜20℃に冷却してクロロ炭酸メチルを添加し、その後加熱するのが好ましい。加熱時の反応温度は、通常40〜200℃であり、好ましくは50〜70℃である。反応時間は合わせて通常0.2〜96時間、好ましくは0.5〜10時間、より好ましくは約1〜3時間である。
文献例:Chem. Pharm. Bull., 26, 1633 (1978)
参考製造法3
(式中の記号は前記と同意義を示す。)
前半の反応では、化合物(VII)に塩基の存在下で塩化トリクロロアセチルを反応させる。上記反応は無溶媒で行ってもよいが通常溶媒の存在下で行われる。このような溶媒としては前記製造法で記載された、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、エステル類、ケトン類、エーテル類、ニトリル類、酸アミド類、環状アミド類、リン酸アミド類、環状尿素類、スルホキシド類、スルホン類、ハロゲン化炭化水素類等、又はこれらの混合物が用いられる。
塩基としては、前記製造法で記載されたような塩基が用いられ、特に有機塩基、無機塩基が好ましく、中でもトリエチルアミンが汎用される。
反応温度は、通常−50〜100℃であり、好ましくは0〜20℃である。
反応時間は、通常約0.1〜96時間、好ましくは0.2〜5時間、より好ましくは0.5〜3時間である。
後半の反応では、前半の反応で製造された化合物(VIII)にアンモニア若しくは系中でアンモニアを発生する化合物を反応させる。このような化合物としては、炭酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム等のアンモニアの弱酸性物質との塩等が挙げられる。上記反応は、通常、前記製造法で記載されたような溶媒が用いられる。好ましい溶媒は、酸アミド類、環状アミド類、リン酸アミド類、環状尿素類、スルホキシド類、スルホン類等である。
反応温度は、通常20〜200℃であり、好ましくは50〜120℃である。
反応時間は、通常0.2〜96時間、好ましくは0.5〜10時間、より好ましくは1〜5時間である。
化合物(III)、化合物(V)、化合物(VI)及び化合物(VII)は、通常、公知化合物であり、市販されているか公知の方法で製造することができる。
特に化合物(VI)はグリニヤール試薬と称される化合物であり、市販品を使用してもよいが、公知の方法で使用前に製造し、単離・精製せずにそのまま用いることもできる。
このような製造法及び参考製造法1、2、3等により製造される各化合物は、公知の手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、抽出、転溶、結晶化、再結晶化、クロマトグラフィー等の方法によって単離・精製することができる。
本植物成長調節剤を農林用として用いる場合には、その施用量は通常1000m2の量で0.01〜1000gである。本植物成長調節剤が乳剤、水和剤、フロアブル剤、マイクロカプセル剤等に製剤化されたものである場合には、通常、有効成分濃度が0.001〜10000ppmとなるように水で希釈して散布することにより施用し、本植物成長調節剤が粒剤、粉剤等に製剤化されたものである場合には、通常そのまま施用する。
このようにして製剤化された本植物成長調節剤は、例えば、そのままで、又は、水等で希釈して、耕作地の土壌の植物の根の生長を促進させる目的で当該土壌に処理することにより使用してもよい。また、シート状やひも状等に加工した樹脂製剤を作物に巻き付ける、作物の近傍に張り渡す及び/又は株元の土壌表面に敷く等の方法で使用することもできる。また、本植物成長調節剤は植物に対して茎葉処理又は芽に処理することにより使用することができ、作物の苗を植え付ける前の苗床や植付けの時に植穴や株元に処理することにより使用することもできる。本植物成長調節剤は、対象植物に対して、1回又は複数回処理する。
本植物成長調節剤を植物体に茎葉処理することにより用いる場合又は土壌に処理することにより用いる場合には、その処理量は製剤形態、施用時期、施用方法、施用場所、対象植物により変わり得るが、1ヘクタール当り通常0.1〜10000gである。また、本植物成長調節剤を水に希釈して用いる場合の使用濃度としては、製剤形態、施用時期、施用方法、施用場所、対象植物により変わり得るが、通常0.001〜10000ppmで、好ましくは0.01〜1000ppmである。
また本植物成長調節剤は、移植前の植物に処理して使用することができる。移植前の植物に直接吸収させる場合には、その使用濃度として、0.001ppm〜10000ppmに希釈又は懸濁した液に、植物の根部若しくは全体を浸漬して使用することができる。
また、製剤化された本植物成長調節剤は、対象植物の種子に直接処理して使用することができる。例えば、植物の種子を本発明化合物の濃度が1〜10000ppmに調製された本植物成長調節剤に種子を浸漬する方法、植物の種子に本発明化合物の濃度が1〜10000ppmの本植物成長調節剤を噴霧若しくは塗沫する方法及び植物の種子に本植物成長調節剤を粉衣する方法が挙げられる。
また、本植物成長調節剤は水耕栽培における水耕液に混合して用いてもよく、また組織培養における培地成分の1つとして用いてもよい。水耕栽培に使用する場合には、通常用いられる園試等の水耕栽培用の培地に培地中濃度として0.001ppm〜10000ppmの範囲で溶解又は懸濁して用いることができる。また組織培養や細胞培養時に使用する場合には、通常用いられるMS培地等の植物組織培養用の培地に、培地中濃度として0.001ppm〜10000ppmの範囲で溶解又は懸濁して用いることができる。この場合、定法に従い、炭素源としての糖類、各種植物ホルモン等を適宜加えることができる。
本植物成長調節剤は、他の殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤、植物生長調節剤及び/又は肥料と共に用いることもできる。
これらの施用量、施用濃度は、いずれも製剤の種類、施用時期、施用場所、施用方法、植物の種類、期待する効果程度等の状況によって異なり、上記の範囲にかかわることなく増減させることができ、適宜選択することができる。
本植物成長調節剤は、イネの直播栽培時の根部生育促進による苗立ちの向上、活着率の向上を目的として使用できる。また本植物成長調節剤は、イネ育苗箱栽培時の根部生育促進を目的としても利用できる。また本植物成長調節剤は、ゴルフ場のグリーンの根張り改善と耐暑・耐乾燥性の向上とを目的として使用できる。ダイズ、トウモロコシ、コムギ等の作物では、根張り向上、早期の苗立ちの確立による生産性の向上又は除草剤の削減を目的として使用できる。トマト、ペッパー等の栽培では移植時の活着率の向上を目的として使用できる。野菜等の苗生産においては、本植物成長調節剤の使用により均一な苗立ちの確立による機械移植の効率化が期待できる。
本植物成長調節剤を用いて、植物の頂芽優勢を制御することができる。例えば、本植物成長調節剤を用いてタバコ、バラ等の腋芽抑制に利用することができる。また、果樹作物、花卉植物等の花芽形成を制御することにより、摘花剤として利用することができる。また花芽を増やすことにより果樹作物の増収又は花卉植物の品質を向上させることができる。また、果樹作物等の枝の生長を抑制することにより枝数を減らし、又は促進することにより枝数を増やし、樹体生長の制御に利用することもできる。
本植物成長調節剤を用いて、カルスへの脱分化若しくはカルスからの再分化等の組織培養技術に利用することができる。例えば、本植物成長調節剤を用いて植物組織からのカルス化を促進することができる。またダイズ等の不定胚からの再分化効率を向上させることができる。
本植物成長調節剤を用いて植物の老化を制御するができる。例えば、本植物成長調節剤を用いてカーネーション等の花卉植物の切花の老化抑制、花持ち改良に利用することができる。また、野菜、果物等の成熟抑制に利用することもできる。また水稲の苗等における葉の老化を防止し、健苗育成することができる。またワタ等の植物の収穫前に処理することにより、葉の老化を促進させることができる。
実施例及び参考例において、「室温」とは、通常10-30℃を示す。「1H NMR」とは、プロトン核磁気共鳴スペクトルを示し、内部標準としてテトラメチルシランを用いて日本電子JNM-AL400型スぺクトロメーター(400MHz)で測定し、ケミカルシフト(δ)をppmで表記した。「Mp」とは、融点を示し、メトラー(Mettler)FP61型融点測定装置で測定した。下記の実施例、参考例、表2、表3、表4及び表5の中で用いられている記号は以下の意味を有する。「CDC13」:重クロロホルム、「DMSO-d6」:重ジメチルスルホキシド、「s」:シングレット、「d」:ダブレット、「t」:トリプレット、「q」:カルテット、「dd」:ダブルダブレット、「m」:マルチプレット、「br」:ブロード(幅広い)、「J」:カップリング定数、「Me」:メチル、「Et」:エチル、「Pr」:プロピル、「i-Pr」:イソプロピル、「t-Bu」:ターシャリーブチル、「Ph」:フェニル、「Ac」:アセチル、「THF」:テトラヒドロフラン、「DMF」:N,N-ジメチルホルムアミド、「DMSO」:ジメチルスルホキシド、「MTBE」:メチルターシャリーブチルエーテル。
2,6,8−トリクロロ−4−フェニルキナゾリン(化合物No. II-5)300mg、28%アンモニア水溶液30g及びアセトニトリル6mlの混合物を耐圧反応容器中、105℃で1.5時間反応させた。得られた反応液を冷却した後、これを水100mlに注ぎ加えた。当該混合物に酢酸エチル60mlを加え抽出し、得られた抽出物を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製することにより、230mgの標記化合物を得た。Mp. 212.7℃。1H NMR (CDCl3): 5.56 (2H, br. s), 7.54-7.60 (3H, m), 7.63-7.68 (2H, m), 7.74 (1H, d, J = 2.3 Hz), 7.79 (1H, d, J = 2.3 Hz).
2,6―ジクロロ−4―フェニルキナゾリン(化合物No. II-2)275mg及びフルフリルアミン486mgの混合物を85℃で40分間攪拌した後、これを水50mlに注ぎ加えた。当該混合物に酢酸エチルを加え抽出し、得られた抽出物を水洗後濃縮した。得られた残渣をエタノール再結晶することにより280mgの標記化合物を得た。Mp.142.0℃. 1H NMR (CDCl3): 4.77 (2H, d, J = 5.6 Hz), 5.70 (1H, br. t, J = 5.6 Hz), 6.29-6.32 (2H, m), 7.36 (1H, dd, J = 1.8, 0.9 Hz), 7.53-7.70 (7H, m), 7.78 (1H, d, J = 2.2 Hz).
2,6―ジクロロ−4―フェニルキナゾリン(化合物No. II-2)550mg及びグリシンエチルエステル塩酸塩419mgにDMF 3ml及びトリエチルアミン607mgを加え、これを85℃で5.5時間攪拌した。得られた反応液を水100mlに注ぎ加えた後、酢酸エチルで抽出し、抽出物を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン: 酢酸エチル=6 : 1 〜3 : 1)で精製することにより標記化合物503mgを得た。Mp.146.1℃。1H NMR (CDCl3): 1.30 (3H, t, J = 7.2 Hz), 4.25 (2H, q, J = 7.2 Hz), 4.31 (2H, d, J = 5.2 Hz), 5.97 (1H, br. s), 7.54-7.63 (5H, m), 7.67-7.70 (2H, m), 7.79 (1H, s).
乾燥ホルムアミド54mgのDMF5ml溶液に水素化ナトリウム(60%)48mgを加え、これを室温で30分撹拌した。反応混合物に2,6−ジクロロ−4−フェニルキナゾリン(化合物No. II-2)275mgを加えた後、85℃に加温し、3時間撹拌した。得られた反応液を水100mlに注ぎ加えた後、酢酸エチルで抽出し、抽出物を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:3)で精製することにより64mgの標記化合物を得た。Mp. 252.1℃。1H NMR: 7.59-7.66 (3H, m), 7.72-7.81 (3H, m), 7.88 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.02 (1H, d, J = 2.0 Hz), 8.37 (1H, br. d, J = 10.4 Hz), 9.71 (1H, d, J = 10.4 Hz).
a) 1H NMR (CDCl3): 1.66-1.75 (1H, m), 1.86-2.08 (3H, m), 3.57-3.64 (1H, m), 3.75-3.83 (2H, m), 3.89-3.59 (1H, m), 4.13-4.20 (1H, m), 5.70 (1H, br. s), 7.52-7.60 (5H, m), 7.64-7.69 (2H, m), 7.75-7.76 (1H, m).
b) 1H NMR (CDCl3): 1.22 (3H, t, J = 7.0 Hz), 3.55 (2H, q, J = 7.0 Hz), 3.68 (2H, t, J = 5.2 Hz), 3.78 (2H, q-like, J = 5.2 Hz), 5.75 (1H, br. t), 7.53-7.60 (5H, m), 7.65-7.69 (2H, m), 7.75-7.77 (1H, m).
c) 1H NMR (CDCl3): 1.22 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.96 (2H, quintet, J = 6.3 Hz), 3.50 (2H, q, J = 7.0 Hz), 3.58 (2H, t, J = 6.3 Hz), 3.67 (2H, q-like, J = 6.3 Hz), 5.65 (1H, br. t), 7.53-7.60 (5H, m), 7.65-7.69 (2H, m), 7.74-7.76 (1H, m).
8−クロロ−4−フェニル−2(1H)―キナゾリノン(化合物No. IV-4)1.24gにオキシ塩化リン6.65gを加え、これを95℃で1時間攪拌した。得られた反応液を氷水200mlに注ぎ加えた後、これに重曹を加えてpH.9にした。次いで析出した結晶をろ取し、回収物をエタノールで再結晶することにより標記化合物1.07gを得た。Mp.154.4.℃。1H NMR (CDCl3): 7.52-7.65 (4H, m), 7.76-7.80 (2H, m), 8.02-8.08 (2H, m).
フェニルマグネシウムブロミド(32%THF溶液)7.10gに2―アミノ−3−クロロベンゾニトリル953mgのTHF7ml溶液を室温で滴下し、30分間加熱還流した。得られた反応物にクロロ炭酸メチル885mgを氷冷下滴下した後、これを40分間加熱還流した。得られた反応液を冷下時2N−塩酸40mlに注ぎ加えた後、これに重曹8g及びMTBE20mlを加え攪拌した。次いで析出した結晶をろ取することにより標記化合物1.30gを得た。1H NMR (DMSO-d6): 7.24(1H, t, J = 8.0 Hz), 7.57-7.70 (6H, m), 7.90-7.93 (1H, m), 11.45 (1H,br. s).
2−アミノ−5−トリフルオロメチルベンゾフェノン762mgをクロロホルム10mlに溶かし、これにトリエチルアミン349mgを滴下した後、氷冷下トリクロロアセチルクロリド627mgを滴下した。30分間同温で攪拌した後、これに水50mlを加え分液した。有機層を回収し、回収された有機層を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製することにより2’−ベンゾイル−2,2,2−トリクロロ−4’−トリフルオロメチルアセトアニリド1.08gを得た。1H NMR (CDCl3): 7.53-7.58 (2H, m), 7.66-7.75 (3H, m), 7.90-7.95 (2H, m), 8.81 (1H, d, J = 8.6 Hz), 12.38 (1H, br. s).
2’−ベンゾイル−2,2,2−トリクロロ−4’−トリフルオロメチルアセトアニリド1.08g、DMSO10ml及び酢酸アンモニウム1.18gの混合物を75℃で1時間攪拌した。冷却後、これに水100mlを加え、析出した結晶をろ取した。得られた回収物をへキサン:酢酸エチル=1:1の混合液に溶かした後、これを無水硫酸マグネシウムを用いて脱水し、濃縮することにより標記化合物765mgを得た。1H NMR (CDCl3): 7.58-7.68 (3H, m), 7.75 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.79-7.83 (2H, m), 7.93 (1H, dd, J = 8.8, 1.7 Hz), 8.17 (1H, br. s), 13.37 (1H, br. s).
a) 1H NMR (DMSO-d6): 7.27 (1H, dd, J = 7.7, 1.0 Hz), 7.38 (1H, dd, J = 8.3, 1.1 Hz), 7.43-7.55 (5H, m), 7.69 (1H, t, J = 8.1 Hz), 12.18 (1H, br. s).
b) (単離精製せず。)
c) 1H NMR参考例2に記載。
d) 1H NMR (DMSO-d6): 7.52-7.72 (6H, m), 8.10-8.12 (1H, m), 11.69 (1H, br. s).
e) 1H NMR (DMSO-d6): 7.35 (1H, d, J = 9.2 Hz), 7.59-7.71 (6H, m), 7.91 (1H, dd, J = 9.2, 2.2 Hz), 12.08 (1H, br. s).
f) 1H NMR参考例3に記載。
g) 1H NMR (DMSO-d6): 7.48 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.60-7.68 (3H, m), 7.71-7.74 (2H, m), 8.05 (1H, s), 8.08-8.12 (1H, m), 12.36 (1H, br. s).
下記の組成(表6)からなる園試標準培地を調製した。クラスターチューブに化学物質のDMSO溶液を4μlずつ、終濃度0.001ppm〜10ppmになるように分注し、さらに滅菌した園試標準培地を600μlずつ分注した後、得られた溶液を充分に混合した。クラスタチューブ当り10〜20粒のシロイヌナズナ種子を前記クラスタチューブ内に播種し、22℃、明所にて10日間培養した後、シロイズナズナ種子から生じた主根(平均的な主根)の長さを測定した。8反復の平均値を求め、下記の式により根部生長率を求めることにより、有意な根部生長率(例えば根部生長率が120%以上)を示したものを根部生長促進活性有りとして判定可能であった。
また詳細な結果として、前記終濃度において最も高い根部生長率を示した値を表7に示した。
Claims (9)
- 式(I)
(式中、Phはフェニル基を示し、Rは水素原子、ホルミル基、C1-6アルキル基、C3-6アルケニル基又はC3-6アルキニル基を示し、ここで前記のアルキル基、アルケニル基及びアルキニル基はヒドロキシル基、C1-3アルコキシ基、C1-3アルコキシカルボニル基、シアノ基、2-フリル基及び2-テトラヒドロフリル基の中から少なくとも1つ以上選ばれる置換基で置換されていてもよく、
mは0〜3の整数を示し、
nは0〜1の整数を示し、
m及びnの少なくとも一方は0ではなく、
X1及びX2はそれぞれ同一又は異なり、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基を示し、
mが2以上の場合X1は同一又は異なる。
ただし、
a)mが1であり、X1が5-塩素原子又は7-塩素原子であり、Rがメチル基を示す場合、nは1の整数を示し、又は
b)nが1であり、下記(1)〜(3)のいずれかの条件を満たす場合、mは1〜3の整数を示す。
(1)X2が塩素原子であり、Rが水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、3-ヒドロキシプロピル基、2,2-ジメトキシエチル基及びシアノメチル基の中から選ばれる基である。
(2)X2が臭素原子であり、Rが2-ヒドロキシエチル基、3-ヒドロキシプロピル基及び2-メトキシエチル基の中から選ばれる基である。
(3)X2がニトロ基であり、Rが3-ヒドロキシプロピル基である。)
で表される化合物又はその農学的に許容される塩。 - Rが水素原子、ホルミル基、メチル基、エチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-メトキシエチル基、フルフリル基、メトキシカルボニルメチル基又はエトキシカルボニルメチル基を示し、mが0であり、nが1であり、X2が塩素原子又はニトロ基を示す請求項1記載の化合物又はその農学的に許容される塩。
- Rが水素原子、ホルミル基、メチル基、エチル基、2-ヒドロキシエチル基、3-ヒドロキシプロピル基、2-メトキシエチル基、フルフリル基、メトキシカルボニルメチル基又はエトキシカルボニルメチル基を示し、mが1であり、nが1であり、X1が8-塩素原子であり、X2が塩素原子又はニトロ基を示す請求項1記載の化合物又はその農学的に許容される塩。
- mが1〜3の整数であり、nが0である請求項1記載の化合物又はその農学的に許容される塩。
- Rがホルミル基、C4-6アルキル基、C3-6アルケニル基又はC3-6アルキニル基を示し、ここで前記のアルキル基、アルケニル基及びアルキニル基はヒドロキシル基又はC1-3アルコキシ基で置換されていてもよく、またRがC1-3アルコキシカルボニルメチル基、C1-3アルコキシC1-3アルキル基又はフルフリル基を示し、
mが0であり、
nが1であり、
X2が塩素原子である請求項1記載の化合物又はその農学的に許容される塩。 - nが1である請求項1記載の化合物又はその農学的に許容される塩。
- mが1〜3であり、nが1である請求項1記載の化合物又はその農学的に許容される塩。
- RがC1-3アルコキシカルボニルメチル基又はフルフリル基である請求項1、4、6又は7に記載の化合物又はその農学的に許容される塩。
- nが1であり、X2がトリフルオロメチル基又はシアノ基である請求項1記載の化合物又はその農学的に許容される塩。
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