JP2008150261A - 酸素ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】安定した精製力を発揮し、しかも精製処理能力の増大を図ることができる酸素ポンプを提供する。
【解決手段】酸イオン伝導性を有する固体電解質筒状体30と、固体電解質筒状体30の内面及び外面に配置される電極と、固体電解質筒状体を加熱する加熱手段31を備えた酸素ポンプである。複数本の固体電解質筒状体30を、所定ピッチで並設する。複数の固体電解質筒状体30にて構成される筒状体群29の前面側と後面側との少なくともいずれか一方に、加熱手段31を構成する平面状ヒータ43を相対面させて配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸素ポンプに関するものである。
従来から、固体電解質を含む電気化学的な酸素ポンプを有する酸素分圧制御装置により、酸素分圧を制御した雰囲気ガスを用いて、単結晶試料等を作成する方法が知られている(特許文献1)。
図3に示す酸素分圧制御装置は、バルブ2を通った不活性ガスの流量を設定値に制御するマスフローコントローラ(MFC)3と、このマスフローコントローラ3を通った不活性ガスを目的の酸素分圧に制御可能な電気化学的な酸素ポンプ4と、酸素ポンプ4で制御された不活性ガスの酸素分圧をモニタして試料育成装置などの次工程(装置)に供給する供給ガス用の酸素センサ5を有する。
さらにこの装置は、所望の酸素分圧値を設定する酸素分圧設定部6と、酸素センサ5によるモニタ値を酸素分圧設定部6による設定値と比較して酸素ポンプ4から送り出される不活性ガスの酸素分圧を所定値に制御する酸素分圧制御部7と、酸素センサ5によるモニタ値を表示する酸素分圧表示部8を備える。なお、通常、不活性ガス中の酸素分圧は10-4atm程度である。
電気化学的な酸素ポンプ4は、図4に示すように、酸素イオン伝導性を有する固体電解質筒状体4aの内外両面に白金よりなる電極4b、4cを形成している。固体電解質筒状体4aは、例えばジルコニア系の固体電解質で、図示しないヒータで600℃程度に加熱される。固体電解質筒状体4aの一方の開口から他方の開口に向けて軸方向に不活性ガスを供給する。不活性ガスは、例えばAr+O(10−4atm)である。内外両面の電極4b、4c間に直流電源Eの直流電圧を印加する。外面の電極4cに+極を印加し、内面の電極4bに−極を印加して電流Iを流すと、固体電解質筒状体4a内を流れる不活性ガス中の酸素分子(O)が電気的に還元されてイオン(O2−)化され、固体電解質を通して再び酸素分子(O)として固体電解質筒状体4aの外部に放出される。固体電解質筒状体4aの外部に放出された酸素分子は、空気等の補助ガスと共に排気される。固体電解質筒状体4aに供給されたAr+O(10−4atm)の不活性ガスは、酸素分子が低減されて目的の酸素分圧に制御された処理済みガス(精製ガス)となり、次工程(装置)に給送される。
なお、図4の酸素ポンプ4は、固体電解質筒状体4aの内外両面の電極4b、4c間に上記と逆極性の直流電圧を印加してポンプ動作を行わせることも可能である。すなわち、外面の電極4cに−極を印加し、内面の電極4bに+極を印加すると、固体電解質筒状体4aの外面に沿って流れる空気などのガス中の酸素分子(O)が電気的に還元されてイオン(O2−)化され、固体電解質を通して再び酸素分子(O)として固体電解質筒状体4aの内部に放出される。この場合、固体電解質筒状体4aの内部を流れる不活性ガスの酸素分圧が上昇して、外部に給送される。
このような酸素ポンプにより酸素分圧を制御したガスを供給すれば、結晶育成、合金化、熱処理、半導体製造工程などが酸素分圧を制御した不活性ガスなどの雰囲気下で行うことができる。
特開2002−326887号公報
図4に示す酸素ポンプでは、1本の円形パイプ状の固体電解質筒状体を使用している。すなわち、この1本の固体電解質筒状体の内部空間に軸方向に被処理ガスを流し、固体電解質筒状体内を流れる間に固体電解質隔壁内外でイオン導電のポンプ作用を行う。
しかし、固体電解質筒状体を使用するものでは、ガスポンプが処理できるガス流量は、被処理ガスと固体電解質筒状体内外面との接触面積に比例する。従って、ガス流量を増大させるため(処理能力を増大させるため)には、被処理ガスと固体電解質筒状体外面との接触面積を増大させる必要がある。
接触面積を増大させるためには、固体電解質筒状体を長くすることや、パイプ径を大きくすることが考えられる。酸素イオン伝導性固体電解質を有効に利用するためには、酸素ポンプの抵抗値をできる限り低くして、酸素ポンプの酸素透過能力を高くすることが必要である。酸素ポンプの抵抗値には、固体電解質の形状(表面積と厚さ)、電極膜、リード端子などが影響する。この中で固体電解質の形状は表面積が大きく、薄いほど抵抗値は小さくなる。すなわち、筒状体を考えると、その直径と長さが大きく、厚みの薄い形状がよい。しかし、固体電解質筒状体を製造する容易さや、加熱・高温保持状態で使用される固体電解質筒状体の強度を考慮すると、直径と長さと厚みには限界がある。また、パイプ径を大きくするほど、固体電解質筒状体の中心部を流れる被処理ガスのイオン伝導反応が急減して、結果的に中心部を流れる被処理ガスが反応なしで素通りすることになり、酸素分圧などの制御精度が低下する。このようなことから、固体電解質筒状体のパイプ径を単純に大きくするには自ずと限界がある。従って、上記の方法で被処理ガスと固体電解質筒状体との接触面積を増大するには限界がある。そのため、ガスポンプが実質的有効に処理できるガス流量が制限され、酸素分圧を制御したガスを供給する用途が制限されていた。
固体電解質筒状体は、酸素ポンプとして効率良く動作するために加熱することが必要である。しかし、必要以上に温度を高くすることは、固体電解質筒状体の寿命を短くする。また固体電解質筒状管に温度分布があると、熱応力によって疲労・破損するおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みて、安定した精製力を発揮し、しかも精製処理能力の増大を図ることができる酸素ポンプを提供する。
本発明の酸素ポンプは、酸素イオン伝導性を有する固体電解質筒状体と、この固体電解質筒状体の内面及び外面に配置される電極と、固体電解質筒状体を加熱する加熱手段を備えた酸素ポンプにおいて、複数本の固体電解質筒状体を所定ピッチで並設するとともに、複数の固体電解質筒状体にて構成される筒状体群の前面側と後面側との少なくともいずれか一方に、前記加熱手段を構成する平面状ヒータを相対面させて配置したものである。
本発明の酸素ポンプによれば、複数本の固体電解質筒状体を所定ピッチで並設したので、ガス処理能力の向上を図ることができる。しかも、加熱手段を構成する平面状ヒータを相対面させて配置したものであるので、コンパクトな酸素ポンプを構成できる。
前記平面状ヒータによる固体電解質筒状体に対する加熱温度が、その加熱範囲において均一となるように、平面状ヒータは面内で発熱量の分布を持つ。このため、各固体電解質筒体を均等に加熱することができる。特に、平面状ヒータを複数の直線部を平行に配設した電熱線にて構成し、この直線部の配設ピッチを外側から中央にかけて漸増させることによって、固体電解質筒状体に対する加熱温度を、その加熱範囲において均一とすることができる。すなわち、外側からの熱影響も考慮されて、このヒータにて加熱される各固体電解質筒体の中間部における温度分布を端部と同様とできる。直線部を備えた平面状ヒータとしては、1本の電熱線を蛇行させて形成しても、複数の電熱線を平行に配置して形成してもよい。
本発明の他の酸素ポンプは、酸素イオン伝導性を有する固体電解質筒状体と、この固体電解質筒状体の内面及び外面に配置される電極と、固体電解質筒状体を加熱する加熱手段を備えた酸素ポンプにおいて、複数本の固体電解質筒状体を所定ピッチで並設するとともに、複数の固体電解質筒状体にて構成される筒状体群の外周側と内周側との少なくともいずれか一方に、前記加熱手段を構成するヒータを相対面させて配置してもよい。
本発明の他の酸素ポンプによれば、筒状体群を外周側や内周側から加熱することができ、固体電解質筒状体の加熱を向上させることができる。しかも、前記酸素ポンプと同様、複数本の固体電解質筒状体を所定ピッチで並設したので、ガス処理能力の向上を図ることができる。
前記ヒータによる固体電解質筒状体に対する加熱温度が、その加熱範囲において均一となるように、ヒータは発熱量の分布を持つ。このため、各固体電解質筒体を均等に加熱することができる。特に、ヒータを固体電解質筒状体を包囲状に巻設する電熱線にて構成して、この電熱線の軸方向ピッチを、軸方向端から軸方向中央にかけて漸増させることによって、固体電解質筒状体に対する加熱温度を、その加熱範囲において均一とすることができる。
複数の固体電解質筒状体を一鉛直面上に所定ピッチで配設したり、複数の固体電解質筒状体にて柱状の固体電解質筒状体束を構成したりてもよい。
加熱手段のヒータへの電力制御にて所定温度に維持することができ、ガス処理能力が安定する。
ところで、熱膨張等で、固体電解質の一部や電極の一部がはがれるおそれがある。そこで、固体電解質筒状体に下方からガスが流入するようにすれば、上方から処理済みガスが流出することになるので、剥がれたものはこの下方に留まって、処理済みのガス供給側へ流出させない。
本発明では、ガス処理能力の向上を図ることができ、しかも、各固体電解質筒体の中間部における温度分布を端部と同様とできるので、ガス処理能力が安定する。このため、目標の酸素分圧に制御された高品質の精製ガスを一度に大量に精製することができる。すなわち、本発明の酸素ポンプにおいては、固体電解質筒状管を加熱する長さ300mm、巾300mmの範囲において、温度600±15℃を実現して、酸素ポンプ性能の向上と固体電解質筒状体の長寿命化を両立させることを可能とした。さらに、加熱手段を構成する平面状ヒータを相対面させて配置したものであるので、コンパクトな酸素ポンプを構成でき、この酸素ポンプを使用する酸素分圧制御装置への組み込み性が向上する。
ヒータにて加熱される各固体電解質筒体の加熱範囲において温度の均一化を図ることができ、ガス処理精度が安定する。
また、加熱手段は筒状群を包囲状に巻設する電熱線からなるものでは、筒状群を外周側や内周側から加熱することができる。これによって、固体電解質筒状体を効率よく加熱することができる。
すなわち、複数の固体電解質筒状体にて柱状の固体電解質筒状体束を構成すれば、加熱手段としてこの固体電解質筒状体束の外周側に配置されて外周を包囲状とする電熱線(ヒータ)、内周側に配置されて内周を包囲状とする電熱線(ヒータ)、又は外周側と内周側の両者を包囲状とする電熱線(ヒータ)を使用することができる。このため、固体電解質筒状体束の各固体電解質筒状体をより効率よく加熱することができ、しかも、複数の固体電解質筒状体を備えるので、精製能力の向上を図ることができる。
固体電解質筒状体に下方からガスを供給することによって、剥がれたものはこの下方に留まって、処理済みのガス供給側へ流出させない。このため、純粋な精製ガスを供給することができ、ガス供給側の試料作成室等での作業が安定する。
以下本発明の実施の形態を図1と図2に基づいて説明する。本発明に係る酸素ポンプは、図1から図5に示すように、酸素イオン伝導性を有する固体電解質筒状体30と、この固体電解質筒状体30の内面及び外面に配置される電極(図示省略)と、固体電解質筒状体30を加熱する加熱手段31を備える。この場合、固体電解質筒状体30の内面及び外面に白金めっき等を施して、電極を構成する。この酸素ポンプは、複数本(図例では5本)の固体電解質筒状体30を有し、各固体電解質筒状体30は断熱構造体35に包囲されている。なお、各固体電解質筒状体30と断熱構造体35とは図示省略のケーシング内に収容されている。
断熱構造体35は、断熱材からなる半割体37、37とを備え、半割体37、37の合わせ面37a、37a間に所定寸の隙間40が形成される。すなわち、この隙間40を、固体電解質筒状体30の外径寸法よりも僅かに大きく設定し、隙間40に固体電解質筒状体30を半割体37に接触しないように配置する。
ここで、断熱材とは、熱エネルギーの移動を遮断する材料であり、無機質のものと有機質のものがある。一般に温度の高い場合には無機質材料が,温度の低い場合には有機質材料が使用される。無機質断熱材としては,セラミック繊維・ガラス繊維・アスベストなどを用いる繊維質断熱材,ケイ酸カルシウム・炭酸マグネシウムなどを用いる粉末質断熱材,パーライト・泡ガラスなどによる多孔質断熱材がある。このため、固体電解質筒状体30は600℃程度に加熱手段31にて加熱されるので、この温度に対応できるものから選択できる。
また、各合わせ面37a、37aに、矩形状の凹所41,41が設けられ、凹所41,41にて形成される空間42に、加熱手段31を構成する一対のヒータ43、43が配置されている。なお、凹所41、41にはカバー材39が装着される。このように、この酸素ポンプは、複数の固体電解質筒状体30を一鉛直面上に所定ピッチで配設するとともに、加熱手段31を構成する平面状のヒータ43,43にて、複数の固体電解質筒状体30にて構成された筒状体群29をサンドイッチ状に挟むことになる。
各ヒータ43は、図1に示すように、蛇行型のヒータである。すなわち、ヒータ43は導体上に絶縁層を被覆した電熱線であり、蛇行させて平面的に配線したものである。ヒータ43は、複数の直線部(水平方向部)45・・と、この水平方向部45・・を連結する端部連結部(円弧部)46・・とからなり、最上段の水平方向部45aから最下段の水平方向部45cまでジグザグに連続する。そして、ヒータ43にはリード線47が接続され、このリード線47を介して通電することによって、加熱することができる。この場合、図示省略の制御手段にて、例えば、電力制御を行って所定の温度に加熱する。
各ヒータ43は上下方向の一対の支持板50、50に付設され、この支持板50、50が半割体37,37に図示省略の固定具(例えば、ボルト部材とナット部材とからなる固定具)を介して固定されている。この場合、支持板50と固体電解質筒状体30とは接触しないように配置され、各ヒータ43を固体電解質筒状体30に接触させない。
各ヒータ43は、水平方向部45の配設ピッチを外側から中央にかけて漸増させている。すなわち、上方側及び下方側の水平方向部45の配設ピッチを小とするとともに、上下方向中間部の水平方向部45の配設ピッチを大きく設定している。例えば、最上段の水平方向部45aから7段目(上から7段目)の水平方向部45bまでの配設ピッチを一定の小ピッチP1で配設され、最下段の水平方向部45cから7段目(下から7段目)の水平方向部45dまでの配設ピッチを一定の小ピッチP1で配設される。
また、上から7段目の水平方向部45bとこの下の水平方向部45eとの間のピッチをP2とするとともに、下から7段目の水平方向部45dとこの上の水平方向部45fとの間のピッチをP2とし、水平方向部45eと水平方向部45fとの間のピッチをP3とする。そして、P1<P2<P3とする。このため、ヒータ43は上下方向中間線に関して上下対称に配設される。
このように、水平方向部45の配設ピッチを外側から中央にかけて漸増させていることによって、平面状ヒータ43による固体電解質筒状体30に対する加熱温度が、その加熱範囲において均一となるように、平面状ヒータ43は面内で発熱量の分布を持つことになる。特に、平面状ヒータ43を複数の直線部45を平行に配設した電熱線にて構成し、この直線部45の配設ピッチを外側から中央にかけて漸増させることによって、固体電解質筒状体30に対する加熱温度を、その加熱範囲において均一とすることができる。
各々のヒータ43における一方の支持板50には温度検出器52が付設され、ヒータ43の温度が監視される。温度検出器52に熱電温度計を使用している。 ここで、熱電温度計とは、熱電対を使った温度計である。すなわち、測温接点53を一方の支持板50に接続し、この測温接点53と基準接点との間の起電力を測ることになる。
各固体電解質筒状体30は、その上端側に合流路が接続されるとともに、下端側に分岐部に接続される。すなわち、分岐部に流入したガスはこの分岐部にて分岐されて各固体電解質筒状体30に流入する。各固体電解質筒状体30に流入すれば、酸素分子が低減されて目的の酸素分圧に制御された処理済みガス(精製ガス)となり、この処理済みガスが各固体電解質筒状体30の上方から合流路に流入し、この合流路にて合流して、図外の酸素センサ等へ流出する。
本発明によれば、複数本の固体電解質筒状体30を所定ピッチで並設したので、ガス処理能力の向上を図ることができる。しかも、各固体電解質筒体30の中間部における温度分布を端部と同様とできるので、ガス処理能力が安定する。このため、目標の酸素分圧に制御された高品質の精製ガスを一度に大量に精製することができる。さらに、加熱手段31を構成する平面状ヒータ43を相対面させて配置したものであるので、コンパクトな酸素ポンプを構成でき、この酸素ポンプを使用する酸素分圧制御装置への組み込み性が向上する。
ところで、熱膨張等で、固体電解質の一部や電極の一部がはがれるおそれがある。しかしながら、このような場合でも、本発明では、固体電解質筒状体30に下方からガスが流入するので、上方から処理済みガスが流出することになって、固体電解質等の剥がれたものはこの下方に留まって、処理済みのガス供給側へ流出させない。このため、純粋な精製ガスを供給することができ、ガス供給側の試料作成室等での作業が安定する。
平面状ヒータ43は、複数に水平方向部45と、水平方向部45の端部を連結する端部連結部46とからなる蛇行電熱線からなり、水平方向部の配設ピッチを外側から中央にかけて漸増させた。このため、外側からの熱影響も考慮されて、このヒータ43にて加熱される各固体電解質筒体30の中間部における温度分布を端部と同様とでき、ガス処理精度が安定する。
ヒータへの電力制御にて所定温度に維持することができ、ガス処理能力が安定する。
前記実施形態では、平面状ヒータとしては、1本の電熱線を蛇行させて形成していたが、複数の電熱線を平行に配置して形成してもよい。この場合であっても、加熱範囲の温度分布の均一化を図ることができる。また、平面状ヒータ43による固体電解質筒状体30に対する加熱温度が、その加熱範囲において均一となればよいので、水平方向部45を均一ピッチとなるように配設しても、水平方向部45の発熱量を相違させることによって、加熱範囲における均一化を図ることができる。
ところで、前記実施形態では、加熱手段31として平面状のヒータ43を使用したが、平面状のヒータ43を使用せずに、固体電解質筒状体30を包囲状とする電熱線(ヒータを用いてもよい。この場合、複数のリング状の電熱線を軸方向に沿って所定ピッチで配置したものであっても、1本の電熱線を固体電解質筒状体30の周り螺旋状(コイル状)に巻設したものであってもよい。この場合であっても、軸方向端から軸方向中央にかけて漸増させることになる。このように、包囲状とする電熱線を用いれば、固体電解質筒状体30を全周方向から加熱することができ、効率のよい加熱が可能となる。
また、前記実施形態では、各固体電解質筒状体30を一鉛直面上に配設しているが、他の実施形態として、複数の固体電解質筒状体30にて柱状の固体電解質筒状体束を構成してもよい。この場合、複数の固体電解質筒状体30を円周方向に沿って配設したり、複数本を束ねるように配設したりすることができる。また、円周方向に沿って配設する場合、複数の同心円上に配設したものであってもよい。
複数の固体電解質筒状体30にて柱状の固体電解質筒状体束を構成すれば、加熱手段31としてこの固体電解質筒状体束の外周側に配置されて外周を包囲状とする電熱線(ヒータ)、内周側に配置されて内周を包囲状とする電熱線(ヒータ)、又は外周側と内周側の両者を包囲状とする電熱線(ヒータ)を使用することができる。これらの場合も、ヒータによる固体電解質筒状体に対する加熱温度が、その加熱範囲において均一となるように、ヒータは発熱量の分布を持つ。このため、各固体電解質筒体を均等に加熱することができる。特に、ヒータを固体電解質筒状体を包囲状に巻設する電熱線にて構成して、この電熱線の軸方向ピッチを、軸方向端から軸方向中央にかけて漸増させることによって、固体電解質筒状体に対する加熱温度を、その加熱範囲において均一とすることができる。
このため、固体電解質筒状体束の各固体電解質筒状体30をより効率よく加熱することができ、しかも、複数の固体電解質筒状体を備えるので、精製能力の向上を図ることができる。なお、固体電解質筒状体束の外周側や内周側に配設される電熱線としても、その巻設ピッチを均等として、軸方向に沿って発熱量を相違させることによって、加熱範囲における均一化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、固体電解質筒状体30の数の増減は任意であるが、多すぎると、装置全体が大型化し、少なすぎると処理能力の向上を図ることができない。このため、固体電解質筒状体30の径寸法や長さ寸法等によって相違するが、図例のように5本程度が好ましい。
加熱手段31のヒータ43として、前記実施形態では固体電解質筒状体30をサンドイッチ状に挟んだものであったが、前面側と後面側とのいずれか一方であってもよい。さらに、ヒータ43の水平方向部45の配設ピッチ及び数の変更は任意である。要は、各固体電解質筒状体30をその軸方向に沿って均等(均一)に所定温度(600℃程度)に加熱できればよい。また、実施形態では、端部連結部46を円弧部にて構成していたが、短直線部にて構成してもよい。
前記実施形態では、ヒータ43は、その直線部45が水平方向に沿って配設される水平方向部であるが、図2に示すものに対して、周方向に約90度回転させて、直線部45が鉛直方向に沿って配設されるものであってもよい。すなわち、前記実施形態では、固体電解質筒状体30の軸方向に対して直線部45が直交する方向に配置されていたが、固体電解質筒状体30の軸方向に対して直線部45が平行に配設されるものであってもよい。さらには、固体電解質筒状体30の軸方向に対して直線部45が所定角度(例えば、45度)に傾斜して配設されるものであってよい。また、各固体電解質筒状体30を上下方向に沿って配設することなく、水平方向等に沿って配設してもよい。
さらに実施形態では、各固体電解質筒状体30にはガスが下方から流入して処理された後、各固体電解質筒状体30の上方からその処理ガスが流出するものであるが、逆に、固体電解質筒状体30の上方から流入して、固体電解質筒状体30の下方から流出するようなものであってもよい。
本発明の実施形態を示す酸素ポンプの内部の要部正面図である。 前記酸素ポンプの断面側面図である。 従来の酸素分圧制御装置の簡略図である。 酸素ポンプの原理の説明図である。
符号の説明
29 筒状体群
30 固体電解質筒状体
31 加熱手段
43 ヒータ
45 水平方向部
46 端部連結部

Claims (10)

  1. 酸素イオン伝導性を有する固体電解質筒状体と、この固体電解質筒状体の内面及び外面に配置される電極と、固体電解質筒状体を加熱する加熱手段を備えた酸素ポンプにおいて、
    複数本の固体電解質筒状体を所定ピッチで並設するとともに、複数の固体電解質筒状体にて構成される筒状体群の前面側と後面側との少なくともいずれか一方に、前記加熱手段を構成する平面状ヒータを相対面させて配置したことを特徴とする酸素ポンプ。
  2. 前記平面状ヒータによる固体電解質筒状体に対する加熱温度が、その加熱範囲において均一となるように、平面状ヒータは面内で発熱量の分布を持つことを特徴とする請求項1の酸素ポンプ。
  3. 平面状ヒータは複数の直線部を平行に配設した電熱線からなり、この直線部の配設ピッチを外側から中央にかけて漸増させることを特徴とする請求項1又は請求項2の酸素ポンプ。
  4. 酸素イオン伝導性を有する固体電解質筒状体と、この固体電解質筒状体の内面及び外面に配置される電極と、固体電解質筒状体を加熱する加熱手段を備えた酸素ポンプにおいて、
    複数本の固体電解質筒状体を所定ピッチで並設するとともに、複数の固体電解質筒状体にて構成される筒状体群の外周側と内周側との少なくともいずれか一方に、前記加熱手段を構成するヒータを相対面させて配置したことを特徴とする酸素ポンプ。
  5. 前記ヒータによる固体電解質筒状体に対する加熱温度が、その加熱範囲において均一となるように、ヒータは発熱量の分布を持つことを特徴とする請求項4の酸素ポンプ。
  6. 前記ヒータは固体電解質筒状体を包囲状に巻設する電熱線からなり、この電熱線の軸方向ピッチを、軸方向端から軸方向中央にかけて漸増させることを特徴とする請求項4又は請求項5の酸素ポンプ。
  7. 複数の固体電解質筒状体を一鉛直面上に所定ピッチで配設したことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかの酸素ポンプ。
  8. 複数の固体電解質筒状体にて柱状の固体電解質筒状体束を構成したことを特徴とする請求項1〜請求項6の酸素ポンプ。
  9. 加熱手段のヒータへの電力制御にて所定温度に維持することを特徴とする請求項1〜請求項8の酸素ポンプ。
  10. 固体電解質筒状体を上下方向に沿って配設して、下方からガスが流入することを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかの酸素ポンプ。
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