JP2008150180A - シート体移送装置、シート体移送方法及びシート体加工システム - Google Patents

シート体移送装置、シート体移送方法及びシート体加工システム Download PDF

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佳和 花田
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Abstract

【課題】より簡単な構成でシート体の移送を可能とするシート体移送装置、シート体移送方法及びシート体加工システムを提供する。
【解決手段】シート束44(60)の中央部の底面を把持部材118の上面154で支持し、前記中央部の上面を把持部材110a、110bの底面150a、150b及び押さえ部材108の底面152で押さえた状態で、該シート束44(60)を把持する。前記上面154は、上方に湾曲(上方に凸)した円弧状に形成され、前記底面150a、150b、152は、前記上面154に対向して下方に湾曲(下方に凹)した円弧状に形成される。これにより、シート束44(60)は、前記中央部から隅部に向かって下方に湾曲(上方に凸)した状態で把持される。
【選択図】図12

Description

本発明は、シート体を把持した状態で移送するシート体移送装置、シート体移送方法及び前記シート体移送装置が組み込まれたシート体加工システムに関し、より詳細には、長尺なシートから所定形状に加工されたシート体の移送に好適なシート体移送装置、シート体移送方法及びシート体加工システムに関する。
従来より、長尺なシートを所定形状(例えば、A3サイズ、A4サイズ)に加工してシート体を形成し、このシート体を上下方向に複数枚集積してシート束を形成する加工システムにおいて、前記シート束を移送する場合に、作業者が該シート束を取り出して移送用の台車に載置し、該台車に載置された前記シート束が所定数に到達したときに、前記作業者は、前記台車を下流の内装工程にまで移送する。
近年では、このような人手によるシート束の移送を、ロボットによる移送に置き換えることが検討されており、特許文献1には、ロボットハンドによりシート束の両端を把持した状態で移送することが開示されている。
特開2003−182845号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示されているロボットハンドでは、シート束の両端を把持した状態で該シート束を移送するので、集積スペース内で上下方向にシート体を積み上げて形成された複数のシート束が水平方向に沿って隙間なく配置されている場合には、前記各シート束を取り出すことができない。
また、加工システムで長尺なシートから種々のサイズのシート体を形成する場合には、それぞれのサイズのシート体に対応してロボットハンドを構成する必要があるので、該ロボットハンドの構造が複雑化する。
そこで、シート束の両端ではなく、ロボットハンドにより前記シート束における前記両端の間を片持ち状態で把持し、該シート束における把持部分から前記両端に向かって前記シート体が上向きに湾曲(上方向に凹)した状態で移送させることが検討されている。この場合、把持時における前記シート束の湾曲状態を維持するために、前記ロボットハンドの両側にて、2つの支持部材により前記シート束の底面を支持する。
しかしながら、前述した湾曲状態で前記シート束を移送すると、前記シート束の隅部が自重で垂れ下がって前記シート束に折れクニック(前記隅部と前記把持部分との間に形成される折れ目)が発生し、さらに、前記シート束における前記支持部材の先端部との接触箇所で応力集中が発生して該シート束に押し痕が発生するおそれがある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、より簡単な構成でシート体の移送を可能とするシート体移送装置、シート体移送方法及びシート体加工システムを提供することを目的とする。
本発明に係るシート体移送装置は、シート体の一辺側の中央部を上方から押さえる第1把持部材と、前記中央部を下方から支持し且つ該中央部を支持する上面が前記一辺に沿って凸状に湾曲する第2把持部材とを有し、前記中央部の底面を前記第2把持部材の上面で支持し、前記中央部の上面を前記第1把持部材の下面で押さえて、前記第1把持部材及び前記第2把持部材により前記シート体を把持した状態で、該シート体を移送させることを特徴とする。
また、本発明に係るシート体移送方法は、シート体の一辺側の中央部を第1把持部材の下面で上方から押さえると共に、前記中央部を前記一辺に沿い凸状に湾曲した第2把持部材の上面で下方から支持して、前記第1把持部材及び前記第2把持部材により前記シート体を把持した状態で該シート体を移送させることを特徴とする。
さらに、本発明に係るシート体加工システムは、シート材が巻芯に対しロール状に巻き取られた原反から前記シート材を送出する送出装置と、前記送出されたシート材を所定形状に加工してシート体を形成する加工装置と、前記シート体を移送するシート体移送装置とを有し、前記シート体移送装置では、前記加工されたシート体が収容される集積トレイからコンベアラインにまで該シート体を移送し、前記シート体のサイズに応じて前記コンベアラインの搬送方向を切り替えるシート体加工システムであって、前記シート体移送装置は、前記シート体の一辺側の中央部を上方から押さえる第1把持部材と、前記中央部を下方から支持し且つ該中央部を支持する上面が前記一辺に沿って凸状に湾曲する第2把持部材とを有し、前記中央部の底面を前記第2把持部材の上面で支持し、前記中央部の上面を前記第1把持部材の下面で押さえて、前記第1把持部材及び前記第2把持部材により前記シート体を把持した状態で該シート体を前記集積トレイから前記コンベアラインにまで移送させることを特徴とする。
上記の各発明によれば、前記中央部の底面を前記第2把持部材の上面で支持し且つ前記中央部の上面を前記第1把持部材の下面で押さえて前記第1把持部材及び前記第2把持部材により前記シート体を把持することで、前記シート体は、前記中央部から隅部に向かって下方に湾曲(上方に凸)した状態で把持される。これにより、自重で前記シート体の隅部が下方に垂れる方向と、前記第1把持部材及び前記第2把持部材により前記中央部を把持した際に前記隅部が前記中央部に対して湾曲する方向とが一致するので、前記シート体を把持して移送する際に、該シート体での折れクニックの発生を防止することができる。
また、前記中央部から前記隅部に向かって上方に湾曲(上方に凹)した状態で把持する場合と比較して、前記折れクニックに起因する該シート体の屈曲を発生させることなく、該シート体を移送することができる。
さらに、前記第1把持部材及び前記第2把持部材は、面接触の状態で前記シート体を把持するので、前記シート体での応力集中に起因する押し痕の発生を防止することができる。
さらにまた、前記シート体の一辺側の中央部を前記第1把持部材及び前記第2把持部材により把持するので、特許文献1に開示されているロボットハンドと比較して、より簡単な構成でシート体を移送することができる。
そのため、本発明では、これまでの人手によるシート体の移送を、前記第1把持部材及び前記第2把持部材によるシート体の把持及び移送に置き換えることで、シート体の加工システムにおける省人化と、前記シート体の移送時間の短縮化と、前記シート体の移送コストの削減とを共に実現することができる。
ここで、前記第1把持部材の下面は、前記第2把持部材の上面に倣って凹状に湾曲していることが好ましい。
これにより、前記第1把持部材及び前記第2把持部材により前記シート体を確実に把持することが可能になると共に、前記シート体での押し痕の発生を効果的に防止することができる。
また、前記中央部に上方から接触し且つ該中央部に接触する下面が前記一辺に沿って凹状に湾曲する第3把持部材をさらに有し、前記中央部の底面を前記第2把持部材の上面で支持する際に、前記第1把持部材で前記中央部の上面を押さえ、前記第1把持部材及び前記第2把持部材により前記シート体を押圧した状態で、前記中央部の上面を前記第3把持部材の下面で押さえることが好ましい。
これにより、前記第3把持部材で前記中央部の上面を押さえる前に、前記第1把持部材及び前記第2把持部材により前記シート体の中央部が上下方向から押圧されるので、把持時における前記第2把持部材及び前記第3把持部材に対する前記シート体の位置ずれを確実に防止することができる。
また、前記第2把持部材の上面及び前記第3把持部材の下面は、前記一辺に沿って円弧状に形成され、前記第1把持部材は、前記第2把持部材の前記円弧の中心位置と対向するように前記中央部の上面を押さえ、前記第3把持部材は、前記第1把持部材を囲繞するように前記中央部の上面を押さえることが好ましい。
これにより、前記第2把持部材及び前記第3把持部材で前記シート体を把持した際に、該シート体は円弧状に湾曲するので、前記シート体での折れクニックの発生を確実に防止することができる。また、前記第1把持部材は、前記第2把持部材の前記円弧の中心位置と対向するように前記中央部の上面を押さえるので、把持時における前記第2把持部材及び前記第3把持部材に対する前記シート体の位置ずれを効率よく防止することができる。
また、前記第1〜第3把持部材により前記シート体を把持する際に、前記一辺側を位置決めする位置決め部材をさらに有することが好ましい。
これにより、前記シート体の一辺側が予め位置決めされるので、前記第1〜第3把持部材で前記シート体の一辺側の中央部を確実に把持することができる。
また、前記シート体に対して前記第1把持部材を進退可能に駆動させる第1駆動手段と、前記シート体に対して前記第2把持部材及び前記位置決め部材を進退可能に駆動させる第2駆動手段とをさらに有することが好ましい。
これにより、前記シート体の把持と、移送後における前記シート体の把持状態の解除とを効率よく行うことができる。
さらに、前記第1〜第3把持部材、前記位置決め部材、前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段をロボットハンドに装着すれば、前記シート体の把持と移送と把持状態の解除とを一層効率よく行うことができる。
また、前記第1〜第3把持部材により移送された前記シート体が載置される載置部と、前記載置部に前記シート体が載置される際に上方から前記シート体を押さえる変位防止部材とをさらに有し、前記変位防止部材で前記シート体の上面を押さえることにより前記シート体が前記載置部に位置決めされた際に、前記第1〜第3把持部材は、前記シート体の把持状態を解除することが好ましい。
これにより、前記シート体を前記載置部に載置する際に、前記変位防止部材により前記シート体が前記載置部上で位置決めされるので、前記載置部上での前記シート体の位置ずれを防止することができる。従って、前記シート体を前記載置部を介して下流の内装工程にまで効率よく移送することができる。
また、複数枚の前記シート体を集積して形成されたシート束を収容可能なシート束収容部をさらに有し、前記シート束収容部に収容された前記シート束の下方を前記第2把持部材の上面で支持し、前記シート束の上方を前記第1及び前記第3把持部材の下面で押さえて、前記第1〜第3把持部材により前記シート束を把持した状態で、前記シート束収容部から前記シート束を移送させることが好ましい。
これにより、前記シート束であっても、前記シート体の場合と同様に、該シート束を把持して移送する際に、該シート束での折れクニックの発生を防止することができる。また、前記シート束での応力集中に起因する押し痕の発生を防止することができる。さらに、特許文献1に開示されているロボットハンドと比較して、より簡単な構成でシート束を移送することができる。
さらに、前記第1〜第3把持部材の前記一辺に直交する方向に沿った全長は、50mm〜300mmであることが好ましく、さらに、前記第2把持部材の前記一辺に沿った幅は、100mm〜200mmであることが好ましい。
これにより、A4サイズ等のシート体を把持する場合に、前記直交方向が長手方向となるように用紙を把持すれば、該シート体を効率よく移送することができる。
また、前記第2把持部材の上面の曲率半径を30mm〜500mm、好ましくは50mm〜400mm、より好ましくは70mm〜300mmに設定すれば、折れクニックを発生させることなく前記シート体を効率よく移送することができる。
本発明によれば、第1把持部材及び第2把持部材によりシート体の一辺側の中央部を把持して移送する際に、前記シート体は、前記中央部から隅部に向かって下方に湾曲した状態で把持されるので、前記シート体における折れクニックの発生や該シート体での応力集中に起因する押し痕の発生を防止することができると共に、より簡単な構成で前記シート体を移送することができる。
本発明に係るシート体移送装置について、シート体移送方法及びシート体加工システムとの関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る移送装置(シート体移送装置)16が組み込まれた加工システム(シート体加工システム)10の概略斜視図である。
この加工システム10は、長尺なシート材24を巻芯20にロール状に巻き取った原反22から該シート材24を送出する送出装置12と、前記送出されたシート材24を所定形状(例えば、Lサイズ、葉書サイズ、A3サイズ、A4サイズ)に加工してシート体42(例えば、インクジェット用紙)を形成する加工装置14と、シート体42を複数枚集積してシート束44を形成し、このシート束44を下流の内装工程にまで移送する移送装置(シート体移送装置)16とから構成される。
送出装置12において、フィードローラ対28は、一対のローラ28a、28bにより原反22から引き出された長尺なシート材24を狭持し、該ローラ28a、28bの回転作用により前記シート材24を加工装置14側(矢印X1方向)に送出する。この場合、原反22とフィードローラ対28との間に配置された各ローラ26a〜26fと、フィードローラ対28と加工装置14との間に配置された各ローラ30a〜30eとは、原反22から引き出されたシート材24を順に巻き掛けることにより、該シート材24に所定量のテンションを付与する。
加工装置14は、矢印Y方向に沿って所定間隔(シート体42の幅)に配置され且つシート材24の上面に当接する複数の上スリット刃32と、これらの上スリット刃32と対になってシート材24の底面に当接する図示しない複数の下スリット刃と、シート材24を送出するフィードローラ対38と、シート材24の上方に矢印Y方向に沿って配置されたカット刃36と、このカット刃36に対向してシート材24の底面側に配置された下刃40とで構成されている。
フィードローラ対38は、一対のローラ38a、38bでシート材24を狭持し、該ローラ38a、38bの回転作用により前記シート材24を矢印X1方向に搬送する。この場合、前記各上スリット刃32がシート材24の上面に当接し且つ前記各下スリット刃がシート材24の底面に当接した状態で、前記各上スリット刃32及び前記各下スリット刃が回転すれば、前記シート材24は、前記所定間隔毎(シート体42の幅毎)に裁断される。
カット刃36及び下刃40は、ローラ38a、38bの回転作用により前記所定間隔で裁断されたシート材24がカット刃36及び下刃40の各刃先から所定長(シート体42の長さ)だけ下流側(矢印X1方向)に搬送されたときに、前記カット刃36を下刃40へ向けて下降することにより、前記カット刃36と前記下刃40との間でシート材24を狭持して該シート材24を矢印Y方向に沿って切断し、複数のシート体42を形成する。
移送装置16は、図1〜図6Bに示すように、カット刃36及び下刃40によるシート材24の切断により形成された複数のシート体42を収容可能な2つの集積トレイ(シート束収容部)80、82と、これらの集積トレイ80、82にシート体42が複数枚上下方向(矢印Z方向)に集積することにより形成されたシート束44を把持可能なロボットハンド56をそれぞれ備えた2台のロボット50と、該各ロボット50により移送されたシート束44が載置されるコンベアライン(載置部)64と、該コンベアライン64にシート束44が載置される際に、該シート束44をコンベアライン64に位置決めするシリンダ(変位防止部材)84と、シート束44を下流の内装工程にまで搬送するコンベアライン66、68とで構成される。なお、図1では、2台のロボット50が配置されている場合について図示されているが、1台のロボット50のみ配置することも可能である。
図2A〜図3B及び図5A〜図6Bに示すように、集積トレイ80は、コンベアライン64側の所定位置(図5A〜図6Bに示す位置)と、カット刃36及び下刃40側の所定位置(図2A〜図3Bに示す位置)との間を、図示しない搬送機構により略水平方向(矢印X方向)に移動可能であり、一方で、集積トレイ82は、コンベアライン64側の所定位置(図2A〜図3Bに示す位置)と、カット刃36及び下刃40側の所定位置(図5A〜図6Bに示す位置)との間を、前記搬送機構により斜め方向に移動可能である。
集積トレイ80、82内は、図4の断面図に示すように、水平方向(矢印Y方向)に沿って所定間隔で複数の側板90が矢印Z方向に沿って立設され、各側板90の間には前記矢印Y方向に対して所定角度傾斜した底板91が連結され、前記側板90と前記底板91とによって集積部94が形成される。また、前記底板91の中央部には、開口92が形成されている。従って、カット刃36及び下刃40側の所定位置に配置されている集積トレイ80、82の各集積部94には、カット刃36及び下刃40によりシート材24を所定長毎に切断して形成されたシート体42が順次集積されて複数のシート束44が形成される。
なお、図4では、一例として、集積トレイ80、82内に4つの集積部94が設けられている場合を図示しているが、図1に示す14個のシート束44を収容するために、該集積トレイ80、82内に14個の集積部94を設けるように構成することも可能であることは勿論である。
ロボット50は、図1〜図3B及び図5A〜図6Bに示すように、例えば、天井吊り下げ式の多関節ロボットとして構成され、回転台49に連結され且つ軸51を中心に回動可能な第1アーム52と、該第1アーム52の先端部に連結され且つ軸53を中心に回動可能な第2アーム54と、該第2アーム54の先端部に連結され且つ軸102を中心に回動可能な連結部57と、該連結部57に連結され且つロボットハンド56を装着可能な先端部55とで構成される。
ロボットハンド56は、複数のシート束44が収容された集積トレイ80又は集積トレイ82がコンベアライン64側に配置されているときに、1つのシート束44を把持して前記集積トレイ80又は前記集積トレイ82から取り出し、前記取り出したシート束44をコンベアライン64にまで移送して、該シート束44をコンベアライン64上に載置する。
シリンダ84は、コンベアライン64の上方に配置され、シリンダロッド86の先端に装着されたクランプ部材88を該シリンダロッド86の変位作用下に矢印Z軸方向に沿って進退可能である。なお、この場合、クランプ部材88の底面(コンベアライン64側の表面)は、樹脂又はゴム部材で被覆されている。また、コンベアライン64上に所定数のシート束44を載置した後に、該コンベアライン64を動作して前記各シート束44をコンベアライン66又はコンベアライン68に搬送する場合には、コンベアライン64の上方に矢印Y方向に沿って所定間隔に複数のシリンダ84が配置されていることが好ましい。
シリンダ84の下方にシート束44の一部が配置されるように、ロボットハンド56が前記シート束44をコンベアライン64に載置すると(図3A及び図6A参照)、シリンダロッド86が前記コンベアライン64に向かって矢印Z2方向に進行し、クランプ部材88がシート束44の上面(該シート束44の最上部に位置するシート体42の上面)を押さえる。このような状態において、シリンダロッド86の変位作用下に該シリンダロッド86及びクランプ部材88が矢印Z1方向に上昇すると、前記シート束44は、前記クランプ部材88による押圧状態から解放される。
コンベアライン64は、図1に示すように、矢印Y方向に沿って配置され、前記シート束44のうち比較的大きさサイズ(例えば、A3サイズ、A4サイズ)のシート束60(前記大きなサイズのシート体42を集積して形成されるシート束44)が載置され且つクランプ部材88(図2A〜図3B及び図5A〜図6B)による前記シート束60の押圧状態が解除されている場合には、図示しない駆動機構により前記シート束60を矢印Y2方向に向かってコンベアライン66にまで搬送する。一方、比較的小さなサイズ(例えば、Lサイズ、葉書サイズ)のシート束62(前記小さなサイズのシート体42を集積して形成されるシート束44)が載置され且つクランプ部材88によるシート束62の押圧状態が解除されている場合には、前記駆動機構により前記シート束62を矢印Y1方向に向かってコンベアライン68にまで搬送する。
コンベアライン66は、コンベアライン64から搬送されたシート束60を矢印X1方向に向かって下流の内装工程にまで搬送する。コンベアライン68は、コンベアライン64から搬送されたシート束62を矢印X1方向に向かって前記内装工程にまで搬送する。なお、前記内装工程では、コンベアライン66、68により搬送されたシート束60、62を袋詰めして、例えば、インクジェット用紙が収容された製品を製造する。
本実施形態に係る移送装置16が組み込まれた加工システム10の基本的な構成は、上述した通りであり、次に、前記加工システム10の基本的な動作について、図1〜図6Bを参照しながら説明する。
ここでは、先ず、コンベアライン64側に配置された集積トレイ82内のシート束44をロボットハンド56が把持してコンベアライン64に移送し(図2A〜図3B)、次に、カット刃36及び下刃40側に配置された集積トレイ80をコンベアライン64側にまで移動させ、一方で、集積トレイ82をカット刃36及び下刃40側に移動させ(図5A参照)、次に、集積トレイ80内のシート束44をロボットハンド56が把持してコンベアライン64に移送する場合(図5A〜図6B)について説明する。
図1に示すように、原反22から引き出された長尺なシート材24を各ローラ26a〜26f、30a〜30eに巻き掛け、フィードローラ対28のローラ28a、28bにより前記シート材24を狭持した状態で、該ローラ28a、28bを回転させると、前記シート材24は、原反22から引き出され、各ローラ26a〜26f、30a〜30eによりテンションが付与された状態で送出装置12から加工装置14に送出される。
加工装置14では、フィードローラ対38のローラ38a、38bがシート材24を狭持した状態で、該ローラ38a、38bの回転により前記シート材24が矢印X1方向に搬送される。さらに、各上スリット刃32をシート材24の上面に当接させ、一方で、前記各下スリット刃を該シート材24の底面に当接させた状態で、前記各上スリット刃32及び前記各下スリット刃を回転させると、前記シート材24は、前記所定間隔(シート体42の幅)に裁断される。
そして、前記所定間隔で裁断されたシート材24がカット刃36及び下刃40の刃先から所定長(シート体42の長さ)だけ矢印X1方向に搬送される毎に、前記カット刃36を前記下刃40へ向けて下降させると、シート材24は、矢印Y方向に沿って切断され、この結果、前記矢印Y方向に沿って複数のシート体42が形成されて、カット刃36及び下刃40の近傍に配置された集積トレイ80の各集積部94に順次集積される(図2A及び図4参照)。これにより、各集積部94には、複数のシート体42が上下方向(矢印Z方向)に集積されたシート束44が形成される。
移送装置16では、図2Aに示すように、集積トレイ80がカット刃36及び下刃40側に配置されて各集積部94(図4参照)内にそれぞれシート束44が収容され、一方で、集積トレイ82は、コンベアライン64側に配置されて各集積部94にそれぞれシート束44が収容されている。
この場合、ロボット50は、回転台49、第1アーム52及び第2アーム54の駆動作用下にロボットハンド56を集積トレイ82に進入させ、前記ロボットハンド56でシート束44を把持し、次いで、第1アーム52及び第2アーム54の上昇作用下に、前記シート束44を把持した状態でロボットハンド56を集積トレイ82の上方に移動させる(図2B参照)。次に、第1アーム52及び第2アーム54の駆動作用下に、ロボットハンド56をコンベアライン64の上方にまで移動させて、シート束44を該コンベアライン64にまで移送する(図3A参照)。
そして、ロボットハンド56によりコンベアライン64におけるシリンダ84の直下にシート束44の一部が載置された際に、シリンダロッド86が下方(矢印Z2方向)に進行し、この結果、前記シリンダロッド86の先端に装着されたクランプ部材88がシート束44の上面(シート束44の最上部のシート体42の上面)を押さえる。これにより、シート束44は、コンベアライン64上で位置決めされる。
クランプ部材88によりシート束44がコンベアライン64上で位置決めされた後に、ロボットハンド56は、シート束44の把持状態を解除して矢印X2方向に退避する(図3B参照)。これにより、シート束44は、クランプ部材88により上方から押圧された状態で、コンベアライン64上に載置される。
次に、カット刃36及び下刃40側に配置され且つ複数のシート束44が収容されている集積トレイ80を矢印X1方向に沿ってコンベアライン64側にまで移動させ(図3B及び図5A参照)、コンベアライン64側に配置され且つシート束44が収容されてない集積トレイ82を斜め上方のカット刃36及び下刃40側にまで移動させる。一方、コンベアライン64では、シリンダ84の駆動作用によりシリンダロッド86を矢印Z1方向に変位させて、クランプ部材88によるコンベアライン64上でのシート束44の押圧状態を解除し、該コンベアライン64上のシート束44をコンベアライン66又はコンベアライン68(図1参照)にまで搬送する。
この場合、前記シート束44が比較的大きなサイズのシート束60(図1参照)であれば、コンベアライン64は、前記シート束60をコンベアライン66にまで搬送し、該コンベアライン66は、前記シート束60を下流の内装工程にまで搬送する。一方、前記シート束44が比較的小さなサイズのシート束62であれば、コンベアライン64は、前記シート束62をコンベアライン68にまで搬送し、該コンベアライン68は、前記シート束62を前記内装工程にまで搬送する。
カット刃36及び下刃40側に移動した集積トレイ82には、カット刃36及び下刃40によるシート材24の切断によって形成された複数のシート体42が順次集積され(図4及び図5A参照)、この結果、該各集積部94には、複数のシート体42が集積されたシート束44が形成される。
一方、ロボット50は、前述した集積トレイ82内のシート束44の把持、移送及び載置の動作(図2A〜図3B参照)と同様に、第1アーム52及び第2アーム54の駆動作用下にロボットハンド56を集積トレイ80に進入させ、前記ロボットハンド56でシート束44を把持し、次に、前記シート束44を把持した状態でロボットハンド56を集積トレイ80の上方に移動させる(図5A及び図5B参照)。
次に、第1アーム52及び第2アーム54の駆動作用下に、ロボットハンド56をコンベアライン64の上方にまで移動させて、シート束44を該コンベアライン64にまで移送する(図6A参照)。そして、ロボットハンド56によりコンベアライン64におけるシリンダ84の直下にシート束44の一部が載置された際に、シリンダロッド86が矢印Z2方向に進行し、この結果、クランプ部材88がシート束44の上面を押さえて、該シート束44は、コンベアライン64上で位置決めされる。
次に、ロボットハンド56は、シート束44の把持状態を解除して矢印X2方向に退避し(図6B参照)、この結果、シート束44は、クランプ部材88により上方から押圧された状態で、コンベアライン64上に載置される。次に、カット刃36及び下刃40側に配置され且つ複数のシート束44が収容されている集積トレイ82を斜め下方のコンベアライン64側にまで移動させ(図2A及び図6B参照)、コンベアライン64側に配置され且つシート束44が収容されてない集積トレイ80を矢印X2方向に沿ってカット刃36及び下刃40側にまで移動させる。一方、コンベアライン64では、クランプ部材88によるコンベアライン64上でのシート束44の押圧状態を解除して、該コンベアライン64上のシート束44をコンベアライン66又はコンベアライン68(図1参照)にまで搬送する。
移送装置16では、前記内装工程に搬送されるシート束44(シート束60又はシート束62)が所定数に到達するまで、上記した図2A〜図3B及び図5A〜図6Bの動作を繰り返し行う。
本実施形態に係る移送装置16が組み込まれた加工システム10の基本的な構成及び動作は、上述した通りであるが、次に、前記移送装置16を構成するロボット50のロボットハンド56について、その特徴的な構成を図7〜図12Cを参照しながら説明する。なお、このロボットハンド56の説明では、必要に応じて図1〜図6Bも参照する。
ロボットハンド56は、図7〜図11に示すように、比較的大きなサイズのシート束60(例えば、A3サイズ、A4サイズのシート体42を集積して構成されるシート束44)を、把持部材(第2把持部材)118で下方から支持し、押さえ部材(第1把持部材)108で上方から押圧し、さらに、把持部材(第3把持部材)110a、110bで上方から押圧することにより該シート束60を把持し、前記シート束60を把持した状態で、集積トレイ80、82(図2A〜図6B参照)からコンベアライン64にまで移送して、該コンベアライン64に前記シート束60を載置するロボットハンドである。
この場合、ロボット50(図1参照)の先端部55に取り付けられた支持部材130の両側部に枠部材109a、109bが固定され、支持部材130及び枠部材109a、109bに対して上下方向(矢印Z方向)に沿ってシリンダボディ112が固定されている。このシリンダボディ112の矢印X1方向の側面には、矢印Z方向に沿ってガイドレール134が設けられ、このガイドレール134には、スライドテーブル114が前記矢印Z方向に沿って摺動自在に取り付けられている。
ここで、シリンダボディ112の下部から矢印Z2方向に延在する2本のシリンダロッド116a、116bの先端部は、スライドテーブル114の下部に連結されているので(図9及び図10参照)、前記スライドテーブル114は、シリンダロッド116a、116bの矢印Z方向への変位作用下に、ガイドレール134に沿って摺動可能である。
スライドテーブル114の下部における矢印X1方向の側部には、支持部材140、142を介して位置決め部材120b(図7〜図9及び図11参照)が取り付けられ、前記支持部材142を介して位置決め部材120a、120cが取り付けられている。また、スライドテーブル114の前記側部には、支持部材144を介して樹脂製の把持部材118が取り付けられている。
この場合、位置決め部材120a、120cは、位置決め部材120bに対し矢印Y方向に沿って所定距離(枠部材109a、109bの厚みよりも大きな距離)だけ離間して配置され、前記位置決め部材120a〜120cは、図9に示すように、側面視で、面一となるように支持部材142に取り付けられている。また、位置決め部材120bの幅は、枠部材109a、109bの間隔よりも狭く設定されている。さらに、把持部材118は、図7及び図9に示すように、矢印X2方向の側部が位置決め部材120bに当接するように支持部材144上に配置され、該把持部材118の上面154は、矢印Y方向に沿って上方に凸となるように湾曲した円弧状に形成されている(図7、図8及び図11参照)。
ここで、把持部材118及び位置決め部材120a〜120cが図7、図8及び図10に示す位置に配置されている場合において、シリンダロッド116a、116bの変位作用下に、スライドテーブル114がガイドレール134に沿って矢印Z1方向に摺動すると、把持部材118及び位置決め部材120a〜120cは、スライドテーブル114と一体的に矢印Z1方向に向かって上昇する。
この場合、前述したように、位置決め部材120bの幅が枠部材109a、109bの間隔よりも狭く設定され、位置決め部材120a、120cが位置決め部材120bに対し枠部材109a、109bの厚みよりも大きな距離だけ離間して配置されているので(図8及び図10参照)、スライドテーブル114の変位作用下に、位置決め部材120a〜120cが枠部材109a、109bの近傍にまで上昇すると、枠部材109a、109bの外側に位置決め部材120a、120cが配置され、枠部材109a、109b内に位置決め部材120bが配置される(図11参照)。
一方、枠部材109a、109bの外側面におけるシリンダボディ112近傍には、シリンダロッド116a、116bの変位作用下にスライドテーブル114の下部が矢印Z1方向に沿ってシリンダボディ112の近傍にまで上昇したときに、シリンダボディ112の下部と協働して前記スライドテーブル114の下部の幅方向を規制する規制部材146a、146bが配置されている(図7〜図11参照)。
また、枠部材109a、109bの矢印X1方向側には、支持部材132a、132bを介してシリンダ104が固定され、このシリンダ104の複数のシリンダロッド106a、106bの先端には、樹脂製の押さえ部材(第1把持部材)108が取り付けられている。また、枠部材109aの矢印X1方向側の下部には、樹脂製の把持部材(第3把持部材)110aが取り付けられ、一方で、枠部材109bの矢印X1方向側の下部には、樹脂製の把持部材(第3把持部材)110bが取り付けられている。
押さえ部材108は、把持部材118の中央部(上面154の円弧の中央部)と対向するように配置され、該押さえ部材108の底面(下面)152は、把持部材118の上面に倣って下方に凹となるように湾曲した円弧状に形成されている(図8及び図11参照)。この場合、押さえ部材108は、シリンダロッド106a、106bの変位作用下に、矢印Z方向に沿って把持部材118に対し進退可能である。
一方、把持部材110a、110bは、押さえ部材108を囲繞するように該押さえ部材108の外側に配置され、該把持部材110a、110bの底面(下面)150a、150bは、把持部材118の上面に倣って下方に凹となるように湾曲した円弧状に形成されている(図8、図10及び図11参照)。
ここで、押さえ部材108及び各把持部材110a、110b、118の矢印X方向に沿った奥行の長さ(全長)は、50mm〜300mmであることが好ましく、さらに、把持部材118の矢印Y方向に沿った幅は、100mm〜200mmであることが好ましい。
また、押さえ部材108の底面152の曲率半径、把持部材110a、110bの底面150a、150bの曲率半径及び把持部材118の上面154の曲率半径は、30mm〜500mm、好ましくは50mm〜400mm、より好ましくは70mm〜300mmに設定される。
ロボットハンド56の特徴的な構成は、上述した通りであり、次に、前記ロボットハンド56によるシート束60の把持と、集積トレイ80、82からコンベアライン64への前記シート束60の移送と、コンベアライン64への前記シート束60の載置とについて、図1〜図12Cを参照しながら説明する。
なお、図12A〜図12Cは、ロボットハンド56によるシート束60の把持を説明するための模式的部分正面図であり、理解を容易にするために、シート束60、押さえ部材108及び把持部材110a、110b、118以外の構成要素の図示を省略している。
先ず、シート束60(シート束44)が収容された集積トレイ80又は集積トレイ82がコンベアライン64側に配置されている場合(図2A及び図5A参照)に、ロボット50は、回転台49、第1アーム52及び第2アーム54の駆動作用下にロボットハンド56(図7〜図11参照)を集積トレイ80(82)に進入させる。
この場合、ロボットハンド56は、押さえ部材108、把持部材118及び位置決め部材120a〜120cの配置が図7、図8及び図10に示す配置状態で集積トレイ80(82)内に進入する。
その際に、ロボットハンド56は、シート束60の矢印X2方向の一辺側(シート束60における各シート体42の矢印X2方向の一辺側)が位置決め部材120a〜120cに当接した状態(図9参照)で、開口92(図4参照)を介してシート束60の底面(シート束60の最下部のシート体42の底面)を把持部材118の上面154で支持する(図12A参照)。
次に、シリンダ104の駆動作用下にシリンダロッド106a、106b(図7〜図11参照)を矢印Z2方向に下降させて押さえ部材108の底面152によりシート束60の一辺側の中央部を押圧する(図9及び図12B参照)。
次に、シリンダボディ112の駆動作用下にシリンダロッド116a、116bを矢印Z1方向に変位させると、該シリンダロッド116a、116bに連結されたスライドテーブル114は、ガイドレール134に沿って矢印Z1方向に摺動する。この場合、スライドテーブル114の矢印Z1方向への摺動に起因する把持部材118からシート束60への押圧力が、押さえ部材108からシート束60への押圧力よりも大きければ、把持部材118及び位置決め部材120a〜120cは、押さえ部材108からシート束60への前記押圧力に抗して、スライドテーブル114と一体的に矢印Z1方向に上昇する(図12C参照)。
従って、シート束60は、前記一辺側が位置決め部材120a〜120cにより位置決めされ、該シート束60の上面が押さえ部材108により下方に押圧され、その底面が把持部材118により上方に押圧された状態で、矢印Z1方向に上昇する。この場合、把持部材118の上面154が上方に凸となる円弧状に形成され、押さえ部材108の底面152が下方に凹となる円弧状に形成されているので、シート束60は、これらの円弧状の平面に沿って中央部から隅部(シート束60の四隅)に向かって下方に垂れ下がった状態で矢印Z1方向に上昇する。
そして、シート束60が上昇して把持部材110a、110bに接触すると、該把持部材110a、110bによりシート束60の上面が押さえられ、この結果、シート束60は、把持部材110a、110b、118及び押さえ部材108により上方に凸となる円弧形状で把持される。
このような状態で把持されたシート束60は、第1アーム52及び第2アーム54の上昇作用下に、集積トレイ80(82)の上方に移動され(図2B及び図5B参照)、さらに、第1アーム52及び第2アーム54の駆動作用下に、コンベアライン64にまで移送される(図3A及び図6A参照)。
そして、ロボットハンド56の移動作用下に、コンベアライン64におけるシリンダ84の直下にシート束60の一部が載置されると、シリンダロッド86が下方(矢印Z2方向)に進行し、この結果、前記シリンダロッド86の先端に装着されたクランプ部材88がシート束60の上面を押さえる。これにより、シート束60は、コンベアライン64上で位置決めされる。
次に、ロボットハンド56は、シート束60の把持状態を解除して矢印X2方向に退避する(図3B及び図6B参照)。これにより、シート束60は、クランプ部材88により上方から押圧された状態で、コンベアライン64上に載置される。
このように、ロボットハンド56が適用される移送装置16及びこの移送装置16が組み込まれた加工システム10によれば、シート束44(60)の一辺側における中央部の底面を把持部材118の上面154で支持し且つ前記中央部の上面を押さえ部材108の底面152及び把持部材110a、110bの底面150a、150bで押さえてシート束60を把持することで、該シート束60は、前記中央部から隅部に向かって下方に湾曲(上方に凸)した状態で把持されるので、自重によりシート束60の隅部が下方に垂れる方向と、押さえ部材108及び把持部材110a、110b、118により前記中央部を把持した際に前記隅部が前記中央部に対して湾曲する方向とが一致する。これにより、シート束60を把持して移送する際に、該シート束60での折れクニック(前記隅部と前記中央部との間に形成される折れ目)の発生を防止することができる。
また、前記中央部から前記隅部に向かって上方に湾曲(上方に凹)した状態で把持する場合と比較して、前記折れクニックに起因するシート束60での屈曲を発生させることなく、該シート束60をコンベアライン64にまで移送することができる。
さらに、押さえ部材108及び把持部材110a、110b、118は、面接触の状態でシート束60を把持するので、シート束60での応力集中に起因する押し痕の発生を防止することができる。
さらにまた、シート束60の一辺側の中央部を押さえ部材108及び把持部材110a、110b、118により把持するので、特許文献1に開示されているロボットハンドと比較して、より簡単な構成でシート束60を移送することができる。
そのため、前記移送装置16では、これまでの人手によるシート束44(60)の移送を、押さえ部材108及び把持部材110a、110b、118によるシート束60の把持及び移送に置き換えることで、シート体42の加工システム10における省人化と、シート束60の移送時間の短縮化と、シート束60の移送コストの削減とを共に実現することができる。
また、押さえ部材108の底面152や把持部材110a、110bの底面150a、150bが把持部材118の上面154に倣って凹状に湾曲しているので、押さえ部材108及び把持部材110a、110b、118によりシート束60を確実に把持することが可能になると共に、該シート束60での押し痕の発生を効果的に防止することができる。
さらに、把持部材110a、110bでシート束60における前記中央部の上面を押さえる前に、押さえ部材108及び把持部材118によりシート束60の前記中央部が上下方向(矢印Z方向)に沿って押圧されるので、把持時における把持部材110a、110b、118に対するシート束60の位置ずれを確実に防止することができる。
また、把持部材110a、110bの底面150a、150b、把持部材118の上面154及び押さえ部材108の底面152をそれぞれ円弧状に形成することにより、押さえ部材108及び把持部材110a、110b、118でシート束60を把持した際に、該シート束60は円弧状に湾曲するので、シート束60での折れクニックの発生を確実に防止することができる。また、押さえ部材108は、把持部材118における上面154の円弧の中心位置と対向するように前記中央部の上面を押さえるので、把持時における把持部材110a、110b、118に対するシート束60の位置ずれを効率よく防止することができる。
また、押さえ部材108及び把持部材110a、110b、118による把持の前に、位置決め部材120a〜120cによりシート束60の一辺側が予め位置決めされるので、押さえ部材108及び把持部材110a、110b、118でシート束60の一辺側の中央部を確実に把持することができる。
また、シリンダ104の駆動作用下に押さえ部材108を矢印Z方向に変位させ、シリンダボディ112の駆動作用下に把持部材110a、110b及び位置決め部材120a〜120cを矢印Z方向に変位させるので、シート束60の把持と、移送後におけるシート束60の把持状態の解除とを効率よく行うことができる。
さらに、ロボットハンド56に、上述した把持部材110a、110b、118、位置決め部材120a〜120c、押さえ部材108、シリンダ104及びシリンダボディ112がそれぞれ装着されているので、シート束60の把持と移送と載置とを一層効率よく行うことができる。
また、シート束60をコンベアライン64に載置する際に、シリンダ84の駆動作用下にクランプ部材88がシート束60をコンベアライン64上に位置決めするので、コンベアライン64上でのシート束60の位置ずれを防止することができる。従って、シート束60をコンベアライン64、66を介して下流の内装工程にまで効率よく移送することができる。
さらに、押さえ部材108及び各把持部材110a、110b、118の矢印X方向に沿った奥行の長さ(全長)を50mm〜300mmに設定し、把持部材118の矢印Y方向に沿った幅を100mm〜200mmに設定することにより、例えば、A4サイズのシート体42で構成されるシート束60を把持する場合に、X方向がシート束60の長手方向となるように把持すれば、該シート束60を効率よく移送することができる。
また、押さえ部材108の底面152の曲率半径、把持部材110a、110bの底面150a、150bの曲率半径及び把持部材118の上面154の曲率半径を、30mm〜500mm、好ましくは50mm〜400mm、より好ましくは70mm〜300mmに設定することにより、折れクニックを発生させることなくA4サイズのシート体42から構成されるシート束60を効率よく移送することができる。
また、上述した移送装置16では、ロボット50が2台配置されているので、一方のロボット50にロボットハンド56を装着し、他方のロボット50にシート束62移送用のロボットハンド(図示せず)を装着して、各シート束60、62を構成するシート体42のサイズに応じて、各ロボット50を動作させて各シート束60、62の移送作業を行わせることも可能である。
さらに、各シート束60、62を構成するシート体42のサイズに応じて、各ロボット50の先端部55に装着されるロボットハンドを、図示しない取替装置によりロボットハンド56あるいは前記シート束62移送用のロボットハンドに自動的に取り替えることも可能である。
なお、本発明は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは勿論である。
本実施形態に係るシート体移送装置が組み込まれた加工システムの概略斜視図である。 図2A及び図2Bは、集積トレイからのシート束の取り出しを示す概略側面図である。 図3A及び図3Bは、ロボットハンドにより把持したシート束のコンベアラインへの載置を示す概略側面図である。 図2AのIV−IV線に沿った集積トレイの一部断面図である。 図5A及び図5Bは、集積トレイからのシート束の取り出しを示す概略側面図である。 図6A及び図6Bは、ロボットハンドにより把持したシート束のコンベアラインへの載置を示す概略側面図である。 ロボットハンドの斜視図である。 図7のロボットハンドの正面図である。 図7のロボットハンドの側面図である。 図7のロボットハンドの背面図である。 図7のロボットハンドにおいて、シート束を把持した状態を示す正面図である。 図12Aは、下側の把持部材によるシート束の支持を示す模式正面図であり、図12Bは、押さえ部材及び把持部材によるシート束の把持を示す模式正面図であり、図12Cは、各把持部材及び押さえ部材によるシート束の把持を示す模式正面図である。
符号の説明
10…加工システム 12…送出装置
14…加工装置 16…移送装置
42…シート体 44、60、62…シート束
56…ロボットハンド 64…コンベアライン
80、82…集積トレイ 84、104…シリンダ
88…クランプ部材 94…集積部
106a、106b、116a、116b…シリンダロッド
108…押さえ部材 110a、110b、118…把持部材
112…シリンダボディ 114…スライドテーブル
120a〜120c…位置決め部材 134…ガイドレール
150a、150b、152…底面 154…上面

Claims (16)

  1. シート体の一辺側の中央部を上方から押さえる第1把持部材と、
    前記中央部を下方から支持し且つ該中央部を支持する上面が前記一辺に沿って凸状に湾曲する第2把持部材と、
    を有し、
    前記中央部の底面を前記第2把持部材の上面で支持し、前記中央部の上面を前記第1把持部材の下面で押さえて、前記第1把持部材及び前記第2把持部材により前記シート体を把持した状態で、該シート体を移送させる
    ことを特徴とするシート体移送装置。
  2. 請求項1記載のシート体移送装置において、
    前記第1把持部材の下面は、前記第2把持部材の上面に倣って凹状に湾曲している
    ことを特徴とするシート体移送装置。
  3. 請求項1又は2記載のシート体移送装置において、
    前記中央部に上方から接触し且つ該中央部に接触する下面が前記一辺に沿って凹状に湾曲する第3把持部材をさらに有し、
    前記中央部の底面を前記第2把持部材の上面で支持する際に、前記第1把持部材で前記中央部の上面を押さえ、前記第1把持部材及び前記第2把持部材により前記シート体を押圧した状態で、前記中央部の上面を前記第3把持部材の下面で押さえる
    ことを特徴とするシート体移送装置。
  4. 請求項3記載のシート体移送装置において、
    前記第2把持部材の上面及び前記第3把持部材の下面は、前記一辺に沿って円弧状に形成され、
    前記第1把持部材は、前記第2把持部材の前記円弧の中心位置と対向するように前記中央部の上面を押さえ、
    前記第3把持部材は、前記第1把持部材を囲繞するように前記中央部の上面を押さえる
    ことを特徴とするシート体移送装置。
  5. 請求項3又は4記載のシート体移送装置において、
    前記第1〜第3把持部材により前記シート体を把持する際に、前記一辺側を位置決めする位置決め部材をさらに有する
    ことを特徴とするシート体移送装置。
  6. 請求項5記載のシート体移送装置において、
    前記シート体に対して前記第1把持部材を進退可能に駆動させる第1駆動手段と、
    前記シート体に対して前記第2把持部材及び前記位置決め部材を進退可能に駆動させる第2駆動手段と、
    をさらに有する
    ことを特徴とするシート体移送装置。
  7. 請求項6記載のシート体移送装置において、
    前記第1〜第3把持部材、前記位置決め部材、前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段は、ロボットハンドに装着される
    ことを特徴とするシート体移送装置。
  8. 請求項3〜7のいずれか1項に記載のシート体移送装置において、
    前記第1〜第3把持部材により移送された前記シート体が載置される載置部と、
    前記載置部に前記シート体が載置される際に、上方から前記シート体を押さえる変位防止部材と、
    をさらに有し、
    前記変位防止部材で前記シート体の上面を押さえることにより、前記シート体が前記載置部に位置決めされた際に、前記第1〜第3把持部材は、前記シート体の把持状態を解除する
    ことを特徴とするシート体移送装置。
  9. 請求項3〜8のいずれか1項に記載のシート体移送装置において、
    複数枚の前記シート体を集積して形成されたシート束を収容可能なシート束収容部をさらに有し、
    前記シート束収容部に収容された前記シート束の下方を前記第2把持部材の上面で支持し、前記シート束の上方を前記第1及び前記第3把持部材の下面で押さえて、前記第1〜第3把持部材により前記シート束を把持した状態で、前記シート束収容部から前記シート束を移送させる
    ことを特徴とするシート体移送装置。
  10. 請求項3〜9のいずれか1項に記載のシート体移送装置において、
    前記第1〜第3把持部材の前記一辺に直交する方向に沿った全長は、50mm〜300mmである
    ことを特徴とするシート体移送装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のシート体移送装置において、
    前記第2把持部材の前記一辺に沿った幅は、100mm〜200mmである
    ことを特徴とするシート体移送装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のシート体移送装置において、
    前記第2把持部材の上面の曲率半径は、30mm〜500mmである
    ことを特徴とするシート体移送装置。
  13. 請求項12記載のシート体移送装置において、
    前記曲率半径は、50mm〜400mmである
    ことを特徴とするシート体移送装置。
  14. 請求項12又は13記載のシート体移送装置において、
    前記曲率半径は、70mm〜300mmである
    ことを特徴とするシート体移送装置。
  15. シート体の一辺側の中央部を第1把持部材の下面で上方から押さえると共に、前記中央部を、前記一辺に沿い凸状に湾曲した第2把持部材の上面で下方から支持して、前記第1把持部材及び前記第2把持部材により前記シート体を把持した状態で、該シート体を移送させる
    ことを特徴とするシート体移送方法。
  16. シート材が巻芯に対しロール状に巻き取られた原反から前記シート材を送出する送出装置と、前記送出されたシート材を所定形状に加工してシート体を形成する加工装置と、前記シート体を移送するシート体移送装置とを有し、
    前記シート体移送装置では、前記加工されたシート体が収容される集積トレイからコンベアラインにまで該シート体を移送し、前記シート体のサイズに応じて前記コンベアラインの搬送方向を切り替えるシート体加工システムであって、
    前記シート体移送装置は、
    前記シート体の一辺側の中央部を上方から押さえる第1把持部材と、前記中央部を下方から支持し且つ該中央部を支持する上面が前記一辺に沿って凸状に湾曲する第2把持部材とを有し、
    前記中央部の底面を前記第2把持部材の上面で支持し、前記中央部の上面を前記第1把持部材の下面で押さえて、前記第1把持部材及び前記第2把持部材により前記シート体を把持した状態で該シート体を前記集積トレイから前記コンベアラインにまで移送させる
    ことを特徴とするシート体加工システム。
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