JP2008149975A - 取付け体の取付け構造 - Google Patents

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Tatsuo Ushiki
達夫 牛木
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Abstract

【課題】被取付け体に形成された取付け孔に樹脂製の取付け体に一体成形された係着部材を係着するに際して、係着部材の取付け孔への脱着力の調整を容易にして、被取付け体への取付け体の取付け作業を容易にすると共に、取付け後は容易に取付け体が外れないように意図した。
【解決手段】サイドシルに形成された取付け孔2aにキッキングプレーと3に一体成形された係着部材4を係着して、サイドシル2にキッキングプレート3を取付ける場合、係着部材4が、一端側がキッキングプレート3側に起立形成された一対の脚片部5,6を有し、両脚片部5,6の他端先端部を連結片部8にて連結し、両脚片部5,6の他端先端部以外の部位を切り離した状態で構成した。
【選択図】図4

Description

本発明は被取付け体に形成された取付け孔に樹脂製の取付け体に一体成形された係着部材を係着して、被取付け体に取付け体を取付ける取付け体の取付け構造に関する。
かかる取付け体としては、例えば、自動車のキッキングプレート、ピラーガーニッシュ、ルーフサイドガーニッシュ、プルハンドル、リアパーセルトレイ、インストルメントロアパネル、ラゲージサイドトリム、ラジェータグリル、リアエスカッションパネル或いはバンパーフィニッシャの開口部を閉塞する蓋体等、車室内外に使用される板状部材が挙げられる。
この種の取付け体の取付け構造は、一般に、図1に示すように、例えば、自動車の車室内外の出入口であるドア開口部1におけるサイドシル部2を美装すると共に保護するステッププレートである取付け体としてのキッキングプレート3を被取付け体としてのサイドシル部2に取付ける場合に適用されている。
そして、キッキングプレート3をサイドシル部2に取付けるために、従来の技術では、図8および図9に示すように、サイドシル部2におけるキッキングプレート3を取付ける所定部位に、取付け孔2aを形成すると共に、サイドシル部2の裏面側に、取付け孔2aに係着する係着部材4を突設している。
係着部材4は、一端側がキッキングプレート3の裏面に起立形成された一対の脚片部5,6を有し、一方の脚片部5には、その外側に突出する爪片部5aが形成されており、他方の脚片部6には、その外側に突出するように取付け孔2a内における位置規制リブ6aが形成されている。
さらに、両脚片部5,6は、その内面側において、キッキングプレート3の裏面側に形成された補強リブ7によって、連結されている。
補強リブ7は、その先端が両脚片部5,6におけるキッキングプレート3の裏面側に寄った部分で切れており、この結果、両脚片部5,6の先端部は互いに分離されている。
かかる構成を有する従来技術において、キッキングプレート3をサイドシル部2に取付けるには、キッキングプレート3をサイドシル部の所定部位に位置合わせしながら、係着部材4を取付け孔2a内に挿入することによって行う。
係着部材4は、取付け孔2a内に挿入されると、爪片部5aが取付け孔2aを挿通して、サイドシル部2の裏面側に係着されることになり、この時、位置決めリブ6aが、取付け孔2aにおける爪片部5aの係着側に対向する部位に当接することによって、係着部材4の取付け孔2a内の位置決めがなされている。
そして、補強リブ7は、このような係着部材4の取付け孔2a内への係着過程において、両脚片部5,6の弾性変形力を調整していると共に、係着部材4の取付け孔2a内に係着された後においては、係着部材4の脱着力の調整機能を果たすことになる。
このように構成する場合、補強リブ7は、両脚片部5,6におけるサイドシル部2側に偏った部位に形成することによって両脚片部5,6の先端部分の切り離し距離を大きくして、係着部材4の脱着力を比較的小さく設定することによって、係着部材4の取付け孔2aへの挿入作業を容易にすべく意図している。
このために、係着部材4における取付け孔2aに対する脱着力は小さくなってしまい、係着部材4の取付け孔2a内への挿入過程において節度感が少なく、また、係着後においては係着力が少なくなって、キッキングプレート3が使用中にサイドシル部2より外れやすくなってしまう。
そこで、係着部材4の脱着力を高めると共に、係着部材4の取付け孔2aへの挿入過程において節度感を大きくするために、図10に示すように、補強リブ7を両脚片部5,6の先端近くまで延在形成する対策(即ち、図9に示す補強リブ7の先端部が図10の二点鎖線視までの寸法しかない場合に比して、補強リブ7の高さ寸法を大きくする対策)を採ることになる。
しかし、補強リブ7を両脚片部5,6の先端部近くまで延在形成したために、確かに、係着部材4の取付け孔2aに対する脱着力は高めることができる反面、脱着力が大きすぎて、サイドシル部2へのキッキングプレート3の取付け時に、図11に示すように、補強リブ7には、縦方向に白化部7aが形成されてしまうことがあり、一旦白化部7aが形成されてしまうと、係着部材4の脱着力は著しく低下してしまうことになる。
そこで、上記のような課題を解決するために、例えば、特許文献1に開示されているような樹脂パネルの取付け構造が知られている。
特開平11−42982号公報。
かかる樹脂パネルの取付け構造によれば、取付け部材としての樹脂パネルの裏面に突設した係着部材を、円弧部と一対の平板部とからなる断面長円形状をなした筒状挿入部により構成し、筒状挿入部の相対する平板部の外周面に、それぞれ係着爪を一体に突設し、平板部における係着爪の周縁部の肉厚を他の部位に比べて薄肉に形成して構成している。
従って、かかる特許文献1に記載の技術は、両平板部を円弧部によって連結することによって、係着部材の脱着力を高めようと意図している。
しかし、上記特許文献1に記載の係着部材は、断面長円形状を呈しているために、平板部の全長に渡って連結されていることになり、例えば係着爪が取付け孔を挿通するに際して、縮む方向に弾性変形をする必要があるが、平板部が円弧部によって全体が連結されていることから、弾性変形しにくい形状となっており、このために、係着爪の周縁部の肉厚を他の部位に比べて薄肉することによって、脱着力を調整しようとしているのであるが、この係着爪の周縁部の肉厚寸法の調整のみによって、係着部材の脱着力の多寡を設計するには、製造時の成形誤差等を考慮すると、非常に設計管理を難しくしている。
そこで、本発明は、かかる点に鑑み、被取付け体に形成された取付け孔に樹脂製の取付け体に一体成形された係着部材を係着するに際して、係着部材の取付け孔への脱着力の調整を容易にして、被取付け体への取付け体の取付け作業を容易にすると共に、取付け後は容易に取付け体が外れないように意図した取付け体の取付け構造を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る取付け体の取付け構造は、被取付け体に形成された取付け孔に樹脂製の取付け体に一体成形された係着部材を係着して、前記被取付け体に前記取付け体を取付ける場合、前記係着部材が、一端側が前記取付け体側に起立形成された一対の脚片部を有し、該両脚片部の他端先端部のみを連結片部にて連結して構成したことを特徴とするものである。
上記のように構成する本発明において、両脚片部は、その他端先端部のみ同士を連結片部にて連結するだけで、ほぼ全体的には互いに切り離されて構成されていることになり、連結片部の肉厚寸法或いは形状を調整することによって、係着部材の脱着力を管理でき、しかも、連結片部は両脚片部を連結するだけの長さ寸法を有しておればよいことから、肉厚寸法或いは形状の調整範囲を小さくすることができ、この点から、成形時の製造誤差を少なくすることができ、この面から、設計管理を容易にできることになる。
以下、図を用いて、本発明を実施するための最良の実施の形態について説明する。
図1は自動車における一般的なドア開口部の一部分を描画した斜視図、図2は本発明にかかる第1の実施の形態における図1のA−A断面図、図3は同じく係着部材付近を拡大して描画したキッキングプレートの一部斜視図である。なお、従来に対応する部位には、同一符号を付して説明することとする。
先ず、図1において、本発明にかかる第1の実施の形態による取付け体の取付け構造は、自動車の車室内外の出入口であるドア開口部1におけるサイドシル部2を美装すると共に保護するステッププレートである取付け体としてのキッキングプレート3を被取付け体であるサイドシル部2に取付ける場合に適用されている。
そして、キッキングプレート3をサイドシル部2に取り付けるために、本発明にかかる第1の実施の形態による取付け体の取付け構造では、図2および図3に示すように、サイドシル部2におけるキッキングプレート3を取付ける所定部位に、取付け孔2aを形成すると共に、サイドシル部2の裏面側に、取付け孔2aに係着する係着部材4を突設している。
係着部材4は、一端側がキッキングプレート3の裏面に起立形成された一対の脚片部5,6を有し、一方の脚片部5には、その外側に突出する爪片部5aが形成されており、他方の脚片部6には、その外側に突出するように取付け孔2a内における位置規制リブ6aが形成されている。
さらに、両脚片部5,6は、その他端先端部において、外向き凸円弧状に形成された連結片部8によって連結されており、他端先端側以外の部位では互いに切り離された状態となっている。
かかる構成を有する第1の実施の形態において、キッキングプレート3をサイドシル部2に取付けるには、キッキングプレート3をサイドシル部の所定部位に位置合わせしながら、係着部材4を取付け孔2a内に挿入することによって行う。
係着部材4は、取付け孔2a内に挿入されると、爪片部5aが取付け孔2aを挿通して、サイドシル部2の裏面側に係着されることになり、この時、位置決めリブ6aが、取付け孔における爪片部5aの係着側に対向する部位に当接することによって、係着部材4の取付け孔2a内の位置決めがなされている。
従って、係着部材4における爪片部5aおよび位置規制リブ6aがそれぞれ形成された両脚片部5,6は、その他端先端部のみを連結片部8にて連結されているだけで、ほぼ全体的には互いに切り離されて構成されているために、連結片部8の肉厚寸法或いは形状を調整することによって、係着部材4の脱着力を管理することができ、しかも、連結片部8は両脚片部5,6を連結するだけの長さ寸法を有しておればよいことから、肉厚寸法或いは形状の調整範囲を小さくすることができ、この点から、成形時の製造誤差を少なくすることができ、この面から、設計管理を容易にできることになる。
そこで、図4乃至図7を用いて、係着部材4の脱着力の調整例を説明する。
即ち、図4に示す第2の実施の形態においては、連結片部8の肉厚寸法を、両脚片部5,6の肉厚寸法より薄く形成したもので、両脚片部5,6と連結片部8との境目付近の弾性力を小さくして、係着部材4の脱着力を調整したものである。
図5に示す第3の実施の形態においては、連結片部8の形状を波形に形成し、図6に示す第4の実施の形態においては、連結片部8の形状をW字状に形成し、図7に示す第5の実施の形態においては、丸W字状に形成して、それぞれ、連結片部8の弾性力を小さくすることによって変形しやすくして、係着部材4の脱着力を調整したものである。
なお、上記実施の形態においては、係着部材4の脱着力の調整は、連結片部8の肉厚寸法や形状を変更することによって行っていたが、さらにこれに加えて、例えば、爪片部5aが形成された一方の脚片部5の肉厚寸法を、他方の脚片部6の肉厚寸法に対して、薄くすることにより行うことも考えられる。
以上説明したように、本発明は、係着部材における爪片部および位置規制リブがそれぞれ形成された両脚片部が、その他端先端部のみを連結片部にて連結するだけで、ほぼ全体的には互いに切り離されて構成されていることになり、連結片部の肉厚寸法或いは形状を調整することによって、係着部材の脱着力を管理でき、しかも、連結片部は両脚片部を連結するだけの長さ寸法を有しておればよいことから、肉厚寸法或いは形状の調整範囲を小さくすることができ、この点から、成形時の製造誤差を少なくすることができ、この面から、設計管理を容易にできることになるために、被取付け体に形成された取付け孔に樹脂製の取付け体に一体成形された係着部材を係着して、被取付け体に取付け体を取付ける取付け体の取付け構造等に好適である。
自動車における一般的なドア開口部の一部分を描画した斜視図である。 本発明に係る第1の実施の形態における図1のA−A断面図である。 同じく係着部材付近を拡大して描画したキッキングプレートの一部斜視図である。 本発明にかかる第2の実施の形態における係着部材付近におけるキッキングプレートの縦断面図である。 本発明にかかる第3の実施の形態における係着部材付近におけるキッキングプレートの縦断面図である。 本発明にかかる第4の実施の形態における係着部材付近におけるキッキングプレートの縦断面図である。 本発明にかかる第5の実施の形態における係着部材付近におけるキッキングプレートの縦断面図である。 従来における図1のA−A断面図である。 同じく、係着部材付近を拡大して描画したキッキングプレートの一部斜視図である。 従来における変形例にかかる係着部材付近を拡大して描画したキッキングプレートの一部斜視図である。 従来における変形例にかかる図1のA−A断面図である。
符号の説明
2 サイドシル部(被取付け体)
3 キッキングプレート(取付け体)
4 係着部材
5 一方の脚片部
5a 爪片部
6 他方の脚片部
6a 位置決めリブ
8 連結片部

Claims (1)

  1. 被取付け体に形成された取付け孔に樹脂製の取付け体に一体成形された係着部材を係着して、前記被取付け体に前記取付け体を取付ける取付け体の取付け構造であって、
    前記係着部材は、一端側が前記取付け体側に起立形成された一対の脚片部を有し、該両脚片部の他端先端部のみを連結片部にて連結して構成したことを特徴とする取付け体の取付け構造。

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