JP2008149578A - 成形方法及び成形型装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形型21,22を開いたときに、その合わせ面に結露が生じることを防止する。
【解決手段】成形方法は、一対の成形型21,22の合わせ面21a,22a同士を密着させて閉じることにより、その内部にキャビティ28を形成する工程、キャビティ28内に溶融材料を充填する工程、少なくとも溶融材料をキャビティ28内に充填しているときに、合わせ面21a,22aの近傍を冷却する工程、溶融材料の充填後に冷却を停止する工程、及び、冷却の停止によって合わせ面近傍の温度が所定温度以上になった後に、一対の成形型21,22を開き、硬化した成形品を取り出す工程を含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、溶融材料を成形型のキャビティ内に充填して成形する成形方法及びその成形方法に用いる成形型装置に関する。
従来より、射出成形等において成形品の外観品質を向上させるべく、例えば特許文献1には、合わせ面近傍を冷却することによって、バリの発生を防止する技術が開示されている。
すなわち、この特許文献に開示された成形方法は、溶融樹脂をキャビティ内に充填するときには、成形型の温度を高めて溶融樹脂の粘度を低下させ、それによってキャビティ表面の転写を良好にして外観品質を高めることを前提としている。しかしながら、この成形方法では、溶融樹脂の充填時やその充填後の保圧時に、樹脂の粘度が低いことに起因して、一対の成形型の合わせ面同士の隙間に樹脂が浸みだし、それによってバリが発生する虞がある。
そこで、前記特許文献に開示された成形方法では、充填時や保圧時に、その合わせ面近傍は冷却することによって、その合わせ面近傍の溶融樹脂の粘度を高め、それによって合わせ面同士の隙間に樹脂が浸みだすことを防止するようにしている。
特開2005−207386号公報
しかしながら、本発明者が検討した結果、前記従来の成形方法では、成形型を開いて合わせ面が外気に触れたときに、その合わせ面に結露が生じる場合があるということが判明した。これは、充填時や保圧時に合わせ面近傍を冷却することによって、成形型を開いたときの合わせ面の温度が低すぎる状態になっていることに起因している。
こうした結露が発生した場合には、次に成形型を閉じたときにキャビティ内に水分が入って成形品の品質を低下させたり、例えばその結露の発生する状態が長期間続いた場合には合わせ面に錆等が発生することで、成形型の合わせ不良に起因するバリの発生等を招いたりするという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、成形型を開いたときに、その合わせ面に結露が生じることを防止することにある。
本発明の一側面によると、成形方法は、一対の成形型の合わせ面同士を密着させて閉じることにより、その内部にキャビティを形成する工程、前記キャビティ内に溶融材料を充填する工程、少なくとも前記溶融材料をキャビティ内に充填しているときに、前記合わせ面の近傍を冷却する工程、前記溶融材料の充填後に前記冷却を停止する工程、及び、前記冷却の停止によって前記合わせ面近傍の温度が所定温度以上になった後に、前記一対の成形型を開き、硬化した成形品を取り出す工程、を含む。
この構成により、キャビティ内に溶融材料を充填しているときに、その合わせ面の近傍を冷却することによって、合わせ面近傍の溶融材料の粘度が高くなり、合わせ面同士の隙間に溶融材料が浸みだすことが防止される。つまり、成形品にバリが発生することが防止される。
そして、前記の構成では、溶融材料の充填後に前記の冷却を停止する。これによって、合わせ面近傍の温度は次第に上昇する。そうして、合わせ面近傍の温度が所定温度以上になった後に、一対の成形型を開き、硬化した成形品を取り出す。ここで、所定温度は、成形型を開いて合わせ面が外気に触れたときに、その合わせ面に結露が生じない温度として、雰囲気温度及び湿度等に応じて適宜設定すればよい。そうすることによって、成形型を開いたときに、その合わせ面に結露が生じることが防止される。
その結果、次に成形型を閉じたときにキャビティ内に水分が入って成形品の品質を低下させたり、合わせ面に錆等が発生することで、成形型の合わせ不良に起因するバリの発生等を招いたりすることが、防止される。
前記の成形方法は、前記冷却の停止後でかつ前記一対の成形型を開く前に、前記合わせ面近傍の加熱を開始し、それによって、前記一対の成形型を開くときの前記合わせ面近傍の温度を、前記所定温度以上にする工程をさらに含んでもよい。
こうすることで、冷却された合わせ面近傍の温度を確実に上昇させて、型開き時の結露の発生が確実に防止されると共に、合わせ面近傍の温度の上昇速度が高まるため、溶融材料の充填後、型開きまでの時間が短縮される。
前記材料は樹脂である、としてもよく、この場合、合わせ面の近傍の冷却によるバリの発生防止と、成形型の型開き時における合わせ面の結露の防止とが両立することによって、高品質の樹脂成形品が安定して得られるようになり、特に有効である。
本発明の他の側面によると、成形型装置は、第1成形型、前記第1成形型の合わせ面に密着される合わせ面を有しかつ、前記第1成形型と共にその内部にキャビティを形成する第2成形型、及び、前記合わせ面近傍の温度を調節する温度制御手段を備える。
そして、前記温度制御手段は、前記第1及び第2成形型の少なくとも一方の合わせ面付近に配設された流体通路及び、該流体通路内に冷却媒体を供給する冷却媒体供給手段を含みかつ、少なくとも前記第1及び第2成形型を閉じて前記キャビティ内に溶融材料を充填するときには、前記冷却媒体供給手段によって前記流体通路内に冷却媒体を供給し、前記溶融材料の充填後、前記第1及び第2成形型を開く前の期間において前記流体通路内への冷却媒体の供給を停止し、それによって前記第1及び第2成形型を開くときの前記合わせ面近傍の温度を所定温度以上にする。
この構成によると、第1及び第2成形型を閉じてキャビティ内に溶融材料を充填するときには、冷却媒体供給手段によって、第1及び第2成形型の少なくとも一方の合わせ面付近に配設された流体通路内に冷却媒体が供給される。このため、その合わせ面近傍が冷却されることになり、前述の通り、バリの発生が防止される。
また、溶融材料の充填後、第1及び第2成形型を開く前の期間において流体通路内への冷却媒体の供給が停止されることで合わせ面近傍の温度が次第に上昇する。そうして、合わせ面近傍の温度が所定温度以上となった後に、第1及び第2成形型を開くことで、合わせ面に結露が発生することが防止される。その結果、次に成形型を閉じたときにキャビティ内に水分が入って成形品の品質を低下させたり、合わせ面に錆等が発生することで、成形型の合わせ不良に起因するバリの発生等を招いたりすることが、防止される。
前記温度制御手段は、少なくとも前記冷却媒体の供給停止後でかつ前記第1及び第2成形型を開く前の期間において、前記合わせ面近傍の加熱を開始する加熱手段をさらに含む、としてもよい。
こうすることで、冷却された合わせ面近傍の温度が確実に上昇して、第1及び第2成形型を開いたときに、合わせ面に結露が発生することが確実に防止されると共に、合わせ面近傍の温度の上昇速度が高まるため、溶融材料の充填後、型開きまでの時間が短縮される。
以上説明したように、本発明によると、キャビティ内に溶融材料を充填しているときには、その合わせ面の近傍を冷却することによって、成形品にバリが発生することが防止される一方、溶融材料の充填後には前記の冷却を停止して、合わせ面近傍の温度を高めることによって、成形型を開いたときに、その合わせ面に結露が生じることを防止することができる。その結果、成形品の品質を高く保つことができると共に、錆の発生を防止して成形型の寿命の向上をも図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の成形型装置2が適用された射出成形装置1の全体図を示しており、この射出成形装置1は、溶融樹脂を、後述するキャビティ28内に充填させて硬化させることにより、例えば車両のバンパー等の樹脂成形品を製造するための装置である。
前記射出成形装置1は、前記成形型装置2と、成形型装置(金型)の温度を調節する金型温調機4と、溶融樹脂を射出する射出装置5と、を備えている。また、前記成形型装置2は、第1及び第2成形型としての、固定側金型21及び可動側金型22の2つの金型と、後述するように、各金型21,22の合わせ面21a,22a近傍の温度を調節する温度制御手段6と、を備えている。尚、前記固定側金型21及び可動側金型22は、分割されたスライド金型を含むものであってもよい。
固定側金型21は、図1,2に示すように、起立した姿勢で配置されており、可動側金型22が当接される当接側とは反対側の面に、前記射出装置5が取り付けられている。また固定側金型21の内部には、前記当接側の面とその反対側の面との間を貫通するスプルー23が形成されており、このスプルー23は、射出装置5の射出孔に連通している。
可動側金型22は、固定側金型21に対して相対して、この固定側金型21と同様に起立して配置されると共に、図2の(b)に示す固定側金型21に対して当接した状態(型閉じ状態)と、図2の(a)に示す固定側金型21から離れた状態(型開き状態)との間で移動可能に配設されている。可動側金型22における前記固定側金型21に対して当接する側には、所望の成形品形状に対応する形状を有する凹部24と、型閉じ状態において固定側金型21のスプルー23に連通するランナー25と、前記凹部24とランナー25とを互いに連通するゲート26と、が形成された金型本体27が取り付けられている。この金型本体27の表面は、可動側金型22の表面よりも若干突出しており、これによって可動側金型22と固定側金型21とを型閉じ状態にしたときには、その金型本体27の表面(つまり、合わせ面22a)と固定側金型21の表面(つまり、合わせ面21a)とが互いに密着すると共に、前記凹部24によってキャビティ28が形成されることになる。そうして、前記射出装置5から射出された溶融樹脂は、スプルー23、ランナー25及びゲート26の順に通ってキャビティ28内に充填されることになる。
固定側金型21及び可動側金型22のそれぞれには、温調管29が内蔵されており、各金型21,22の温調管29は、その型閉じ状態においてキャビティ28を挟んだ両側それぞれに位置するようになっている。この温調管29は、金型温調機4に対して断熱ホース30を介して接続されており、後述するように、射出成形時には、この金型温調機4から温調管29内に媒体(例えば25〜30℃程度の温水)が常時供給(循環)されることによって、キャビティ28の表面温度が一定温度(例えば40℃程度)に保たれるようになっている。
また、固定側金型21及び可動側金型22のそれぞれには、その合わせ面21a,22aにおける前記キャビティ28の下方位置に、温度制御手段6を構成する要素の一つとしてのパート面温度制御用配管31,32が埋設されており、各金型21,22のパート面温度制御用配管31,32は、温度制御手段6を構成する要素の一つとしてのパート面温度制御回路7に接続されている。尚、パート面温度制御用配管31,32は、キャビティ28の周囲を略取り囲むように埋設することが好ましい。
前記パート面温度制御回路7は、図1に示すように、冷却媒体供給源71aを含む冷却媒体循環回路71と、加熱媒体供給源72aを含む加熱媒体循環回路72と、冷却媒体又は加熱媒体を各金型21,22のパート面温度制御用配管31,32に供給する供給回路73と、各金型21,22のパート面温度制御用配管31,32から冷却媒体又は加熱媒体を冷却媒体供給源71a又は加熱媒体供給源72aに戻す戻し回路74と、を含む。
冷却媒体循環回路71は、所定温度の冷却媒体を吐出する冷却媒体供給源71aと、この冷却媒体供給源71aの上流側及び下流側のそれぞれに配設された上流側及び下流側3方弁71b,71cを互いに連結する断熱管71dと、を含んで構成された閉回路であって、冷却媒体供給源71aから吐出された冷却媒体は、上流側3方弁71b、断熱管71d、及び下流側3方弁71cの順にこれらを通って、再び冷却媒体供給源71aに戻るように構成されている。
同様に、加熱媒体循環回路72は、所定温度の加熱媒体を供給する加熱媒体供給源72aと、この加熱媒体供給源72aの上流側及び下流側のそれぞれに配設された上流側及び下流側3方弁72b,72cを互いに連結する断熱管72dと、を含んで構成された閉回路であって、加熱媒体供給源72aから吐出された加熱媒体は、上流側3方弁72b、断熱管72d、及び下流側3方弁72cの順にこれらを通って、再び加熱媒体供給源72aに戻るように構成されている。
供給回路73は、その上流側が分岐して、前記冷却媒体循環回路71の上流側3方弁71b及び加熱媒体循環回路72の上流側3方弁72bにそれぞれ接続されると共に、その下流側が分岐して、固定側及び可動側金型22のパート面温度制御用配管31,32にそれぞれ接続される断熱管からなる。一方、戻し回路74は、その上流側が分岐して、固定側及び可動側金型22のパート面温度制御用配管31,32にそれぞれ接続されると共に、その下流側が分岐して、前記冷却媒体循環回路71の下流側3方弁71c及び加熱媒体循環回路72の下流側3方弁72cにそれぞれ接続される断熱管からなる。これによって、前記冷却媒体循環回路71及び加熱媒体循環回路72それぞれの上流側3方弁71b,72b及び下流側3方弁71c,72cの切り換え操作によって、冷却媒体及び加熱媒体が選択的に固定側及び可動側金型22のパート面温度制御用配管31,32に供給され、その後、冷却媒体供給源71a及び加熱媒体供給源72aに戻るようになっている。
前記冷却媒体供給源71a、加熱媒体供給源72a、及び各3方弁71b,71c,72b,72cはそれぞれ、制御装置8によって制御されており、この制御装置8による制御によって、冷却媒体及び加熱媒体が選択的に各金型21,22のパート面温度制御用配管31,32に供給され、それによって、合わせ面21a,22a近傍の冷却及び加熱が行われるようになっている。尚、冷却媒体又は加熱媒体が固定側及び可動側金型21,22のパート面温度制御用配管31,32に供給されている間、加熱媒体又は冷却媒体は、加熱媒体循環回路72又は冷却媒体循環回路71内を循環している。
ここで、冷却媒体及び加熱媒体について説明すると、冷却媒体は、各金型21,22の合わせ面21a,22a近傍を25℃以下、例えば23〜24℃程度にするために、パート面温度制御用配管31,32に供給される媒体であり、その温度としては、例えば−30℃程度とすることが好ましい。一方、加熱媒体は、各金型21,22の合わせ面21a,22a近傍を25℃を超える温度、例えば26〜27℃程度にするために、パート面温度制御用配管31,32に供給される媒体であり、その温度としては、例えば40℃程度とすることが好ましい。この冷却媒体及び加熱媒体としては、例えばフッ素系流体を採用することが可能であり、例えばパーフルオロポリエーテル(PFPE)が具体例として挙げられる。
次に、前記射出成形装置1による成形手順について、図3を参照しながら説明する。尚、図3は、前記射出成形装置1による成形手順と、前記温度制御手段6による温度制御の結果として変化する、合わせ面21a,22a近傍の温度変化を示す図である。
先ず、型開き状態から、可動側金型22を移動させて型閉じ状態にする(型閉じ工程)。このときに金型温調機4は稼働状態にあり、各金型21,22の温調管29には、25〜30℃程度の温水が供給されている。一方、各金型21,22のパート面温度制御用配管31,32には、制御装置8により、各3方弁71b,71c,72b,72cが切り換え操作されて、冷却媒体循環回路71から金型21,22に、供給回路73を介して冷却媒体が供給されている。これによって、キャビティ28表面温度は約40℃に保たれている一方で、合わせ面21a,22a近傍の温度は次第に低下することになる。
金型21,22を型閉じ状態にすれば、射出装置5から溶融樹脂を射出して、キャビティ28内に溶融樹脂を充填する(射出工程)。このときにも各金型21,22のパート面温度制御用配管31,32には、冷却媒体が供給されて続けており、これによって、合わせ面21a,22a近傍の温度はさらに低下することになる。
そうして、溶融樹脂の射出充填後に、キャビティ28内の樹脂圧を保つ保圧を行う(保圧工程)。この保圧工程においては、キャビティ28表面の温度が約40℃に保たれ、それによって溶融樹脂の粘度が低下して、キャビティ28表面の転写等が良好になる一方で、合わせ面21a,22a近傍の温度は23〜24℃程度にされることで、その合わせ面21a,22a近傍の溶融樹脂の粘度は高まり、合わせ面21a,22a同士の隙間に樹脂が浸みだすことが防止される。
また、この保圧工程の最中には、制御装置8によって冷却媒体循環回路71の各3方弁71b,71cの切り換え操作がなされ、それによって、パート面温度制御用配管31,32への冷却媒体の供給は停止される。これによって、合わせ面21a,22a近傍の温度は徐々に高まる。
前記の保圧工程の終了後は、成形された成形品の形状が安定するまで冷却する冷却工程(例えば15〜30秒程度)を行う。この冷却工程の開始時には、制御装置8によって、加熱媒体循環回路72の各3方弁72b,72cの切り換え操作がなされ、それによって、供給回路73を介してパート面温度制御用配管31,32に加熱媒体の供給が開始される。これによって、合わせ面21a,22a近傍の温度はさらに高まる。
そうして、冷却工程の終了と共にパート面温度制御用配管31,32への加熱媒体の供給が停止され、その後、可動側金型22を移動させて、金型21,22を型開き状態とする(型開き工程)。このときに、合わせ面21a,22a近傍の温度は例えば26〜27℃程度となっている。この温度は合わせ面21a,22aが外気に触れたときに、その合わせ面21a,22aに結露が生じない温度となっている(図3の破線参照)。
そうして型開き状態の金型21,22から成形品が脱型され(取出工程)、その後、次の成形のために、再び金型21,22が型閉じ状態とされると共に、制御装置8により、冷却媒体循環回路71の各3方弁71b,71cが切り換え操作されて、冷却媒体循環回路71から供給回路73を介して金型21,22に冷却媒体が再び供給される。
以上説明したように、本構成の成形型装置2を用いた成形方法によると、金型21,22の型閉じ時からキャビティ28内に溶融樹脂を充填している間は、冷却媒体供給源71aからの冷却媒体をパート面温度制御用配管31,32に供給し、それによって、保圧工程時においては、両金型21,22の合わせ面21a,22aの近傍の温度を低下させておくことによって、合わせ面21a,22a近傍の溶融樹脂の粘度を高くして、合わせ面21a,22a同士の隙間に樹脂が浸みだすことを防止することができる。その結果、樹脂成形品にバリが発生することが防止される。
一方、保圧工程後の冷却工程においては、加熱媒体供給源72aからの加熱媒体をパート面温度制御用配管31,32に供給し、それによって両金型21,22の合わせ面の近傍の温度を上昇させることによって、金型21,22の型開き時には、合わせ面21a,22a近傍の温度を結露が生じない温度にすることができ、その結果、金型21,22を開いたときに、その合わせ面21a,22aに結露が生じることを防止することができる。これによって、次に金型21,22を閉じたときにキャビティ28内に水分が入って成形品の品質を低下させたり、合わせ面21a,22aに錆等が発生することで、金型21,22の合わせ不良に起因するバリの発生等を招いたりすることが、防止される。
そうして、転写等を良好にしつつバリの発生を防止して、成形品の品質を高く保つことができると共に、両金型21,22の合わせ面21a,22aに錆が発生することが防止されて金型21,22の寿命の向上をも図ることができる。
尚、前記の構成では、各金型21,22に一つのパート面温度制御用配管31,32を埋設して、当該パート面温度制御用配管31,32に、冷却媒体と加熱媒体とを選択的に供給するようにしていたが、例えば図4に示すように、各金型21,22に冷却媒体用のパート面温度制御用配管91と加熱媒体用のパート面温度制御用配管92との2つの配管を埋設して、それぞれの配管91,92に対して選択的に冷却媒体と加熱媒体とを供給するようにしてもよい。尚、図4に示す冷却媒体用のパート面温度制御用配管91と加熱媒体用のパート面温度制御用配管92の配設位置は一例であり、2つの配管91,92の配設位置は適宜設定することが可能である。また、図4に示す構成に応じてパート面温度制御回路7は、その構成が適宜変更される。
また、前記の構成では、合わせ面21a,22a近傍を加熱するために、加熱媒体をパート面温度制御用配管31,32に供給するようにしていたが、例えば図5に示すように、各金型21,22にヒータ93を埋設しておき、このヒータ93によって合わせ面21a,22a近傍を加熱するようにしてもよい。尚、図5に示すヒータの93の配設位置は一例であり、その配設位置は適宜設定することが可能である。また、図5に示す構成に応じてパート面温度制御回路7は、その構成が適宜変更される。
また、前記の構成では、固定側金型21と可動側金型22との双方の金型に、パート面温度制御用配管31,32を埋設していたが、例えば固定側金型21と可動側金型22とのいずれか一方の金型にのみ、パート面温度制御用配管31,32を埋設してもよい。また図4の構成においては、固定側金型21と可動側金型22とのいずれか一方の金型にのみ、冷却媒体用のパート面温度制御用配管91及び加熱媒体用のパート面温度制御用配管92を埋設してもよい。また、固定側金型21と可動側金型22とのいずれか一方には冷却媒体用のパート面温度制御用配管91、他方には加熱媒体用のパート面温度制御用配管92を埋設してもよい。この場合も、冷却媒体と加熱媒体とを選択的に金型21,22に供給することになる。こうした変形例は、図5に示すヒータ93を備えた構成においても同様にとり得る。
さらに、図3に示す合わせ面21a,22a近傍の温度制御は一例であり、冷却媒体の供給開始タイミングは、少なくとも溶融樹脂をキャビティ28内に充填しているときに合わせ面21a,22aの近傍が冷却されるのであれば、適宜変更することが可能であり、また、冷却媒体の供給停止タイミングも適宜変更することが可能である。同様に、加熱媒体の供給開始タイミングは、一対の金型21,22を開くときの合わせ面21a,22a近傍の温度が所定温度以上になるのであれば、適宜変更することが可能であり、また、加熱媒体の供給停止タイミングも適宜変更することが可能である。
加えて、前記の構成では加熱媒体を金型21,22に供給して、合わせ面21a,22a近傍の加熱を行うようにしているが、温水の供給により金型温度が一定に保たれていることを利用して、例えば加熱媒体の供給を行わず、冷却媒体の供給を停止することだけで合わせ面21a,22a近傍の温度を上昇させ、結露を防止するようにしてもよい。また、パート面温度制御用配管31,32に加圧エアを供給する加圧エア供給手段を選択的に接続可能にしておいて、加熱媒体の供給と冷却媒体の供給とをそれぞれ停止すると共に、前記加圧エア供給手段によりパート面温度制御用配管31,32に加圧エアを供給してもよい。そうすることによって、その内部の冷却媒体を加圧エアにより押し出して、合わせ面21a,22a近傍の温度を上昇させて、結露を防止するようにしてもよい。
但し、合わせ面21a,22a近傍の加熱を行った場合は、合わせ面21a,22a近傍の温度を確実に上昇させて、型開き時の結露の発生を確実に防止することができると共に、合わせ面21a,22a近傍の温度の上昇速度が高まるため、溶融樹脂の充填後、型開きまでの時間を短縮することができる点で有利である。
また、本発明は、樹脂材料の射出成形に限らず、溶融材料をキャビティ内に充填して成形を行う成形方法及び成形型装置に広く適用することが可能である。
以上説明したように、本発明は、成形型の型開き時に、その合わせ面に結露が生じることを防止して、成形品の品質を高く保つことができると共に、合わせ面に錆が発生することを防止して成形型の寿命の向上をも図ることができるため、溶融材料をキャビティ内に充填して成形する成形方法及びそれに用いる成形型装置として有用である。
本発明の成形型装置が適用された射出成形装置の全体を示した概略構成図である。 成形型装置の断面図である。 合わせ面の温度変化を示す図である。 他の実施形態に係る成形型装置の断面図である。 さらに別の実施形態に係る成形型装置の断面図である。
符号の説明
2 成形型装置
21 固定側金型(第1成形型)
21a,22a 合わせ面
22 可動側金型(第2成形型)
28 キャビティ
31,32 パート面温度制御用配管(流体通路、加熱手段)
6 温度制御手段
7 パート面温度制御回路(冷却媒体供給手段、加熱手段)
71 冷却媒体循環回路(冷却媒体供給手段)
71a 冷却媒体供給源(冷却媒体供給手段)
72 加熱媒体循環回路(加熱手段)
72a 加熱媒体供給源(加熱手段)
73 供給回路(冷却媒体供給手段、加熱手段)
74 戻し回路(冷却媒体供給手段、加熱手段)
91 冷却媒体用のパート面温度制御用配管(流体通路)
92 加熱媒体用のパート面温度制御用配管(加熱手段)
93 ヒータ(加熱手段)

Claims (5)

  1. 一対の成形型の合わせ面同士を密着させて閉じることにより、その内部にキャビティを形成する工程、
    前記キャビティ内に溶融材料を充填する工程、
    少なくとも前記溶融材料をキャビティ内に充填しているときに、前記合わせ面の近傍を冷却する工程、
    前記溶融材料の充填後に前記冷却を停止する工程、及び、
    前記冷却の停止によって前記合わせ面近傍の温度が所定温度以上になった後に、前記一対の成形型を開き、硬化した成形品を取り出す工程、
    を含む成形方法。
  2. 請求項1に記載の成形方法において、
    前記冷却の停止後でかつ前記一対の成形型を開く前に、前記合わせ面近傍の加熱を開始し、それによって、前記一対の成形型を開くときの前記合わせ面近傍の温度を、前記所定温度以上にする工程をさらに含む成形方法。
  3. 請求項1又は2に記載の成形方法において、
    前記材料は樹脂である成形方法。
  4. 第1成形型、
    前記第1成形型の合わせ面に密着される合わせ面を有しかつ、前記第1成形型と共にその内部にキャビティを形成する第2成形型、及び、
    前記合わせ面近傍の温度を調節する温度制御手段を備え、
    前記温度制御手段は、前記第1及び第2成形型の少なくとも一方の合わせ面付近に配設された流体通路及び、該流体通路内に冷却媒体を供給する冷却媒体供給手段を含みかつ、
    少なくとも前記第1及び第2成形型を閉じて前記キャビティ内に溶融材料を充填するときには、前記冷却媒体供給手段によって前記流体通路内に冷却媒体を供給し、
    前記溶融材料の充填後、前記第1及び第2成形型を開く前の期間において前記流体通路内への冷却媒体の供給を停止し、それによって前記第1及び第2成形型を開くときの前記合わせ面近傍の温度を所定温度以上にする成形型装置。
  5. 請求項4に記載の成形型装置において、
    前記温度制御手段は、少なくとも前記冷却媒体の供給停止後でかつ前記第1及び第2成形型を開く前の期間において、前記合わせ面近傍の加熱を開始する加熱手段をさらに含む成形型装置。
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