JP2008147519A - 半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 自然放出光の漏れ光の発生が抑制される半導体発光素子を提供する。
【解決手段】 基板11と、下部DBR層15と、所定の発光スペクトルで発光する活性層21と、下部DBR層15とともに所定の共振波長を有する垂直共振器を構成する上部DBR層25とを備え、活性層21から放出されて垂直共振器で共振された光が、素子上面から外部へと出射されるように発光素子1Aを構成する。また、上部DBR層25の第2反射スペクトルの反射帯域の短波長側帯域端が、下部DBR層15の第1反射スペクトルの反射帯域の短波長側帯域端よりも短波長側に位置するとともに、基板11を含む基板部が、上部DBR層25で反射されて下部DBR層15を通過した光を吸収する光吸収部として機能する構成とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、垂直共振器型のレーザ構造を有する半導体発光素子に関するものである。
半導体レーザ素子や発光ダイオード等の半導体発光素子は、光通信システムをはじめとする様々な分野において広く利用されている。このような半導体発光素子の一例として、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)が知られている。VCSELは、活性層の上下に半導体ミラー層を設けることによって、半導体基板に対して垂直方向に共振器が構成される発光素子である(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2000−252582号公報 特開2004−165435号公報
上記した面発光レーザでは、例えばAlGaInP系の赤色発光素子などのレーザ素子において、その材料的な性質から、温度上昇に伴って活性層の発光スペクトルが長波長側にシフトすることが知られている。この場合、レーザ素子の使用開始時においては、素子は低温動作状態にあるが、時間の経過とともに温度が上昇して高温動作状態となる。このように、レーザ素子の温度状態が変化することにより、それに伴って発光スペクトルなどの動作状態が変化する。
特許文献1には、このような発光スペクトルの長波長側へのシフトに対し、低温動作時の発光のピーク波長を共振波長よりも短波長側に設定する構成が記載されている。しかしながら、このような構成では、活性層からの発光スペクトルのうちで短波長側の自然放出光が、半導体ミラー層の反射スペクトルにおける反射帯域よりも短波長となって外部へと出射されるという問題がある。このような自然放出光の漏れ光は、例えば、レーザ素子の単色性の劣化などの原因となる。
一方、特許文献2には、混晶中のIn組成を増大させて発振波長を長波長化した場合に短波長側のスペクトル成分が広がってしまうという問題に対し、半導体ミラー層の反射スペクトルの反射帯域の短波長側帯域端の近傍に発振波長を設定することで短波長成分の発振を抑制することが記載されている。しかしながら、このような構成では、上記した自然放出光の漏れ光の問題がより顕著になる可能性がある。
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、温度状態の変化等にかかわらず、自然放出光の漏れ光の発生を抑制することが可能な半導体発光素子を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明による半導体発光素子は、(1)半導体基板と、(2)半導体基板上に第1の導電型を有して形成され、その反射スペクトルが第1反射スペクトルとなっている下部半導体ミラー層と、(3)下部半導体ミラー層上に形成され、電流が供給されることによって所定の発光スペクトルで発光する活性層と、(4)活性層上に第2の導電型を有して形成され、下部半導体ミラー層とともに所定の共振波長を有する垂直共振器を構成し、その反射スペクトルが第2反射スペクトルとなっている上部半導体ミラー層とを備え、(5)活性層から放出され、垂直共振器で共振された光は、上部半導体ミラー層側の素子上面から外部へと出射されるように構成され、(6)上部半導体ミラー層の第2反射スペクトルは、その反射帯域の短波長側帯域端が、下部半導体ミラー層の第1反射スペクトルの反射帯域の短波長側帯域端よりも短波長側に位置するとともに、(7)下部半導体ミラー層に対して活性層とは反対側にある、半導体基板を含む部分である基板部は、上部半導体ミラー層で反射されて下部半導体ミラー層を通過した光を吸収する光吸収部として構成されていることを特徴とする。
上記した半導体発光素子においては、光出射面となる素子上面側に位置する上部半導体ミラー層について、その反射スペクトルにおける反射帯域を、下部半導体ミラー層の反射スペクトルの反射帯域よりも短波長側にシフトさせた構成としている。このような構成では、活性層からの発光スペクトルのうちで短波長側の自然放出光が上部ミラー層で確実に反射されるように構成することができる。これにより、例えば素子の低温動作状態(素子の使用開始時のように室温の状態)においても、短波長側の自然放出光を上部ミラー層で確実に反射して、素子上面側から外部への自然放出光の漏れ光の発生を防止することが可能となる。
また、上記した下部、上部半導体ミラー層の構成においては、下部ミラー層の反射スペクトルの反射帯域が上部ミラー層の反射スペクトルの反射帯域よりも長波長側にシフトしている。このため、特に素子の使用開始時において、発光スペクトルの短波長側の自然放出光が下部ミラー層で反射されずに基板へ向かい、外部への漏れ光の原因となる可能性がある。これに対して、上記した半導体発光素子では、半導体基板を含む部分である基板部を、上部ミラー層で反射されて下部ミラー層を通過した光を吸収する光吸収部として構成している。
ここで、上部ミラー層で反射されて下部ミラー層を通過した光、とは、上部ミラー層の反射スペクトルの反射帯域のうちの短波長側の成分で、下部ミラー層の反射スペクトルの反射帯域から外れている成分に相当する。したがって、上記のような構成とすることにより、活性層からの発光スペクトルの短波長側の自然放出光で下部ミラー層を通過した光成分についても、基板を含む光吸収部で吸収されることとなり、外部に漏れ光として出射されることが防止される。
上記構成において、第1反射スペクトル及び第2反射スペクトルのそれぞれについて、その反射帯域の短波長側帯域端(スペクトル端)は、反射強度Iがピーク反射強度Iに対してI=I/eとなる波長によって定義されることが好ましい。
また、第2反射スペクトルの反射帯域の短波長側帯域端は、第1反射スペクトルの反射帯域の短波長側帯域端よりも3nm以上、短波長側に位置することが好ましい。このように、上部ミラー層の反射スペクトルの反射帯域の下部ミラー層に対する短波長側へのシフト量を3nm以上とすることにより、上記した上部ミラー層での自然放出光の漏れ光の発生の防止を確実に実現することができる。
また、活性層の発光スペクトルについては、低温動作時における活性層の発光スペクトルの短波長側スペクトル端は、第1反射スペクトルの反射帯域の短波長側帯域端と、第2反射スペクトルの反射帯域の短波長側帯域端との間に位置することが好ましい。このような構成によっても、上記した上部ミラー層での自然放出光の漏れ光の発生の防止を確実に実現することができる。
上記構成において、活性層の発光スペクトルの短波長側スペクトル端は、反射スペクトルの場合と同様に、発光強度Iがピーク発光強度Iに対してI=I/eとなる波長によって定義されることが好ましい。
また、垂直共振器の共振波長は、第1反射スペクトルの反射帯域の中心波長と、第2反射スペクトルの反射帯域の中心波長との間に位置することが好ましい。この場合、特に、共振波長は、第1反射スペクトルの反射帯域の中心波長と、第2反射スペクトルの反射帯域の中心波長との中心に位置することが好ましく、また、第1反射スペクトルの反射帯域及び第2反射スペクトルの反射帯域の重複部分の中心に位置することが好ましい。
また、垂直共振器の共振波長は、高温動作時における活性層の発光スペクトルのピーク波長と略一致するように設定されていることが好ましい。これにより、レーザ素子の使用開始時から一定の時間が経過した定常的な高温動作状態において、活性層から放出された光を垂直共振器によって好適かつ安定的に発振させることが可能となる。
また、光吸収部として機能する基板部の構成については、光吸収部を構成する半導体基板が、上部半導体ミラー層で反射されて下部半導体ミラー層を通過した光を吸収する半導体材料で形成されている構成を用いることができる。あるいは、光吸収部が、半導体基板と、半導体基板上に上部半導体ミラー層で反射されて下部半導体ミラー層を通過した光を吸収する半導体材料で形成された光吸収層とを有する構成を用いることができる。
本発明の半導体発光素子によれば、上部ミラー層の反射スペクトルの反射帯域を、下部ミラー層よりも短波長側にシフトさせるとともに、半導体基板を含む基板部を、上部ミラー層で反射されて下部ミラー層を通過した光を吸収する光吸収部として構成することにより、自然放出光の外部への漏れ光の発生を防止して、温度状態の変化等にかかわらず、単色性等の素子特性が向上された発光素子を実現することが可能となる。
以下、図面とともに本発明による半導体発光素子の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
図1は、本発明による半導体発光素子の一実施形態の構成を示す上面図である。また、図2は、図1に示した半導体発光素子の断面構成を示すI−I矢印側面断面図である。図1及び図2に示した半導体発光素子1Aは、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)であり、ベース部10と、ベース部10上に設けられたメサ部20とによって構成されている。本実施形態では、メサ部20は、図1に示すように水平断面が円形の円柱状に形成されている。
本半導体発光素子1Aは、図2に示すように、半導体基板11と、下部DBR(DistributedBragg Reflector)層15と、活性層21と、電流狭窄層22と、上部DBR層25とを有している。これらの各層のうち、ベース部10は、半導体基板11と、下部DBR層15の下側部分とを含んで構成されている。また、メサ部20は、下部DBR層15の上側部分と、活性層21と、電流狭窄層22と、上部DBR層25とを含んでいる。ここで、図2においては、DBR層15、25については、その構成を一部省略して模式的に図示している。
なお、ベース部10とメサ部20との区分については、図2に示した構成例に限られるものではなく、例えば、下部DBR層15の全体がベース部10に含まれる構成、あるいは下部DBR層15の全体がメサ部20に含まれる構成としても良い。また、以下においては、主に第1の導電型をn型、第2の導電型をp型として素子の構成を説明するが、一般には、第1の導電型をp型、第2の導電型をn型として構成することも可能である。
半導体基板11としては、例えば、n型(第1の導電型)を有するGaAs基板が用いられる。また、基板11上に形成された下部DBR層15は、n型を有して形成され、その反射スペクトルが第1反射スペクトルとなっている下部半導体ミラー層である。具体的には、n型の下部DBR層15は、組成が異なる化合物半導体層を交互に積層して構成された半導体多層ミラー層であり、例えば、Al組成比が異なるAlGaAs層が交互に積層された半導体多層構造を用いることができる。
活性層21は、下部DBR層15上に形成され、電流が供給されることによって所定の発光スペクトルで発光する発光層である。このような活性層21としては、例えば、AlGaInP/GaInPの半導体積層構造で構成された多重量子井戸(MQW:MultipleQuantum Well)活性層が用いられる。
また、活性層21上に形成された上部DBR層25は、p型(第2の導電型)を有して形成され、その反射スペクトルが第2反射スペクトルとなっている上部半導体ミラー層である。このp型の上部DBR層25としては、n型の下部DBR層15と同様に、Al組成比が異なるAlGaAs層が交互に積層された半導体多層構造を用いることができる。そして、これらの活性層21の下部に設けられたDBR層15と、上部に設けられたDBR層25とによって、本発光素子1Aにおける垂直共振器が構成されている。また、本実施形態の発光素子1Aは、活性層21から放出され、DBR層15、25によって構成される垂直共振器で共振された光が、上部DBR層25側の素子上面から外部へと出射される上面発光型の構成となっている。
また、図2に示す構成例においては、下部DBR層15と、活性層21との間に、n型の下部クラッド層31、及びノンドープ層33が設けられている。また、活性層21と、上部DBR層25との間に、p型の上部クラッド層32、及び電流狭窄層22が設けられている。これらの電流狭窄層22、クラッド層31、32、及びノンドープ層33は、個々の発光素子の構造において、必要に応じて設けられる。
ここで、電流狭窄層22は、活性層21に対する電流を狭窄する半導体層であり、AlGaAsなどのAlを含む化合物半導体から形成される。電流狭窄層22のうちで外周側の所定領域は、AlGaAsが酸化されることによって高抵抗化された酸化領域22aとなっている。そして、この酸化領域22aの内周で囲まれた領域は、電流狭窄領域22bとなっている。
上部DBR層25上には、p型のGaAsコンタクト層23が設けられている。また、コンタクト層23の中心部分には、垂直共振器からの光出射用の開口部23aが形成されている。また、このコンタクト層23に対し、コンタクト層23上から、メサ部20の側面、及びベース部10の上面にかけて絶縁層35が形成されている。この絶縁層35は、コンタクト層23の開口部23aを含む内側部分が円形状に露出するように形成されている。そして、コンタクト層23及び絶縁層35の上部に、p側電極として、コンタクト層23と電気的に接続されたリング状のコンタクト電極26と、コンタクト電極26に電気的に接続されて絶縁層35上に形成されたアノード電極27とが設けられている。
また、図1に示した構成例では、このアノード電極27に対して、さらにボンディング電極部28が設けられている。このようなボンディング電極部28は、例えば、メサエッチによって取り除かれたメサ部20の周りを半導体や樹脂で埋め戻し、その上に電極部を形成する構成を用いることができる。また、このようなボンディング電極部については、不要であれば設けなくても良い。
また、ベース部10のn型GaAs基板11の下部には、基板11と電気的に接続されたn側電極であるカソード電極16が全面に設けられている。これらの素子下面側の電極16と、上面側の電極26、27との間に所定の電圧が印加されて電流が流れると、活性層21は、その電流が供給されることによって発光する。また、この発光に含まれる光成分のうちで、DBR層15、25による垂直共振器での共振波長に対応する光成分は、垂直共振器によって発振し、レーザ光としてコンタクト層23の開口部23aを介して素子上面から外部へと出射される。
図3は、本実施形態の半導体発光素子1Aの波長特性について示す図である。ここで、図3のグラフ(a)、(b)において、横軸は波長λ(nm)を示し、縦軸は強度Iを示している。また、縦軸の強度Iについては、反射スペクトルの場合は反射強度を、共振スペクトルの場合は共振強度(発振強度)を、また、発光スペクトルの場合は発光強度を示している。また、それぞれのスペクトルにおいて、強度が最大となるピーク強度をIとする。
また、以下においては、DBR層の反射スペクトルについて、反射強度が高くなっている反射帯域の短波長側帯域端、及び長波長側帯域端を、それぞれスペクトル(帯域)の短波長側、及び長波長側において反射強度Iがピーク反射強度Iに対してI=I/eとなる波長によって定義されるものとする。活性層の発光スペクトルについても、同様に、発光強度Iがピーク発光強度Iに対してI=I/eとなる波長によってスペクトル端が定義されるものとする。このように各スペクトルにおける帯域端(バンドエッジ)、及びスペクトル端を定義することにより、発光素子1Aの波長特性を好適に設定、評価することができる。また、DBR層の反射スペクトルについては、さらに、反射スペクトルの反射帯域の短波長側帯域端(バンドエッジ)と、長波長側帯域端(バンドエッジ)との中心の波長を、その反射帯域の中心波長(バンドセンター)とする。
図3において、グラフ(a)は、垂直共振器を構成する下部DBR層15の第1反射スペクトルR1、上部DBR層25の第2反射スペクトルR2、及び垂直共振器における共振スペクトルS0を示すグラフである。また、反射スペクトルR1、R2について、その反射帯域の短波長側帯域端をλR1a、λR2a、長波長側帯域端をλR1b、λR2b、中心波長をλR1c、λR2cとする。また、共振スペクトルS0の共振波長をλS0とする。
図1及び図2に示した発光素子1Aにおいては、図3のグラフ(a)に示すように、上部DBR層25の第2反射スペクトルR2の反射帯域の短波長側帯域端λR2aが、下部DBR層15の第1反射スペクトルR1の反射帯域の短波長側帯域端λR1aよりも短波長側に位置するように、DBR層15、25のそれぞれが構成されている。また、このときの帯域端λR1aからλR2aまでの短波長側への波長シフト量Δλについては、好ましくは3nm以上のシフト量(Δλ≧3nm)に設定される。
また、これらの第1、第2反射スペクトルR1、R2に対して、垂直共振器の共振波長λS0は、下部、上部DBR層15、25の両者で反射される波長となる反射スペクトルR1、R2の反射帯域の重複部分内の波長に設定される。すなわち、共振波長λS0は、第1反射スペクトルR1の反射帯域の短波長側帯域端λR1aと、第2反射スペクトルR2の反射帯域の長波長側帯域端λR2bとの間に位置する(λR1a<λS0<λR2b)ように設定される。
上記構成を有する半導体発光素子1Aのさらに具体的な構成例について説明する。図3において、グラフ(b)は、グラフ(a)に示した反射スペクトルR1、R2、共振スペクトルS0に加えて、活性層21の低温動作時における発光スペクトルS1、及び高温動作時における発光スペクトルS2を示すグラフである。また、低温動作時における発光スペクトルS1について、その短波長側スペクトル端をλS1aとする。
ここで、発光素子1Aの動作状態について、低温動作状態は、レーザ素子の使用開始時の状態に相当する。また、高温動作状態は、レーザ素子の使用開始からある程度の時間が経過して温度が上昇した定常動作時の状態に相当する。このグラフ(b)に示すように、活性層21を含む発光素子1Aの温度上昇に伴って、活性層21の発光スペクトルは長波長側にシフトする。
図3のグラフ(b)に示す構成例においては、上記した発光スペクトルの長波長側へのシフトに対し、低温動作時の発光スペクトルS1の短波長側スペクトル端λS1aが、第1反射スペクトルR1の反射帯域の短波長側帯域端λR1aと、第2反射スペクトルR2の反射帯域の短波長側帯域端λR2aとの間に位置する(λR2a<λS1a<λR1a)ように設定されている。このような構成において、発光スペクトルS1のうちの短波長側の一部の光成分は、上部DBR層25では反射されるが、下部DBR層15では反射されずに通過することとなる。
また、発光素子1Aの高温動作時については、長波長側にシフトした高温動作時の発光スペクトルS2のピーク波長が、垂直共振器の共振波長λS0と略一致するように設定されている。
このような発光素子1Aの波長特性に対し、下部DBR層15に対して活性層21とは反対側にある基板11は、上部DBR層25で反射されて下部DBR層15を通過した光を吸収する半導体材料(本構成例ではGaAs)で形成されている。これにより、この基板11は、上部DBR層25で反射されて下部DBR層15を通過した光を吸収する光吸収部として機能する。
本実施形態による半導体発光素子1Aの効果について説明する。
図1〜図3に示した半導体発光素子1Aにおいては、活性層21に対して基板11側に下部半導体ミラー層として下部DBR層15を設けるとともに、基板11とは反対側に上部半導体ミラー層として上部DBR層25を設け、これらのDBR層15、25によって垂直共振器を構成している。そして、光出射面となる素子上面側に位置する上部DBR層25について、その反射スペクトルR2の反射帯域を、下部DBR層15の反射スペクトルR1の反射帯域よりも短波長側にシフトさせた構成としている。
このような構成では、活性層21からの発光スペクトルのうちで短波長側の自然放出光が上部DBR層25で確実に反射されるように構成することができる。特に、上記のように温度上昇に伴う活性層21の発光スペクトルの長波長側へのシフトが問題となる場合、低温動作状態にある発光素子1Aの使用開始時においては、図3のグラフ(b)に示したように、発光スペクトルS1は定常動作時よりも短波長側にある。このとき、素子の使用開始時において、発光の短波長成分がDBR層で反射されずに素子上面から出射されて、外部への漏れ光となる可能性がある。特に、例えばAlGaInP系の赤色発光素子の場合、DBR層を構成するAl0.50Ga0.50AsとAl0.90Ga0.10Asとの組成差を大きくすることができない。このため、このような発光素子では、DBR層での2層の屈折率差が小さくなって反射スペクトルにおける反射帯域が狭くなり、漏れ光の問題がより顕著になる。
これに対して、上記したように光出射面側の上部DBR層25の反射スペクトルR2の反射帯域を短波長側にシフトさせる構成とすることにより、そのような短波長側の自然放出光を上部DBR層25で基板11側へと確実に反射して、素子上面側から外部への自然放出光の漏れ光の発生を防止することが可能となる。これにより、レーザ素子の単色性、発光効率などの素子特性が向上される。また、下部DBR層15の反射スペクトルR1の反射帯域が上部DBR層25の反射スペクトルR2の反射帯域よりも長波長側にシフトしていることにより、発光スペクトルの短波長成分の発振等を抑制することが可能となる。
また、上記した下部、上部DBR層15、25の構成では、その反射スペクトルの設定により、特に素子の使用開始時において、発光スペクトルS1の短波長側の自然放出光成分が下部DBR層15で反射されずに基板11へ向かい、外部への漏れ光の原因となる可能性がある。これに対して、上記した半導体発光素子1Aでは、半導体基板11を、上部DBR層25で反射されて下部DBR層15を通過した光を吸収する光吸収部として構成している。
ここで、上部DBR層25で反射されて下部DBR層15を通過した光とは、上部DBR層25の反射スペクトルR2の反射帯域のうちで短波長側の成分で、下部DBR層15の反射スペクトルR1の反射帯域から短波長側に外れている光成分に相当する。したがって、このような構成とすることにより、特に素子の使用開始時において、活性層21からの発光スペクトルの短波長側の自然放出光で下部DBR層15を通過した光成分についても、光吸収部として機能する半導体基板11で吸収されることとなり、外部に漏れ光として出射されることが防止される。
また、反射スペクトルの反射帯域の波長シフト量Δλについては、上記したように、第2反射スペクトルR2の反射帯域の短波長側帯域端λR2aは、第1反射スペクトルR1の反射帯域の短波長側帯域端λR1aよりも3nm以上短波長側に位置することが好ましい。このように、上部DBR層25の反射スペクトルの反射帯域の下部DBR層15に対する短波長側へのシフト量を3nm以上とすることにより、上記した上部DBR層25による自然放出光の漏れ光の発生の防止を確実に実現することができる。
また、活性層21の発光スペクトルについては、低温動作時における活性層の発光スペクトルS1の短波長側スペクトル端λS1aは、図3のグラフ(b)に示したように、第1反射スペクトルR1の反射帯域の短波長側帯域端λR1aと、第2反射スペクトルR2の反射帯域の短波長側帯域端λR2aとの間に位置することが好ましい。このような構成では、発光スペクトルのスペクトル端λS1aがλR2aよりも長波長側にあることにより、自然放出光の短波長成分が上部DBR層25によって確実に反射され、素子上面側への漏れ光の発生が確実に防止される。また、発光スペクトルのスペクトル端λS1aがλR1aよりも短波長側にあることにより、低温動作時における発光スペクトルの短波長成分の発振等を確実に抑制することができる。
なお、特許文献2には、上記したように、半導体ミラー層の反射スペクトルに対して、反射帯域の短波長側帯域端の近傍に共振波長を設定する構成が記載されている(図4のグラフ参照)。しかしながら、このような構成では、共振波長が帯域端近傍にあるために、温度変化による共振強度などの動作条件の変動が大きくなるという問題がある。また、図4に示すように、低温動作時の発光スペクトルの短波長成分がDBR層で反射されずに、外部への漏れ光となる可能性がある。これに対して、上記構成の半導体発光素子1Aによれば、DBR層15、25の反射スペクトルR1、R2の反射帯域に対して適切に共振波長λS0を設定することにより、安定的に動作可能な発光素子1Aを実現することが可能である。
DBR層15、25による垂直共振器での共振波長λS0については、DBR層15、25の反射スペクトルR1、R2に対して、共振波長λS0は、図3のグラフ(a)に関して上述したように、第1反射スペクトルR1の反射帯域の短波長側帯域端λR1aと、第2反射スペクトルR2の反射帯域の長波長側帯域端λR2bとの間に位置するように設定することが好ましい。
より具体的には、上記の共振波長λS0は、第1反射スペクトルR1の反射帯域の中心波長λR1cと、第2反射スペクトルR2の反射帯域の中心波長λR2cとの間に位置することが好ましい。この場合、特に、共振波長λS0は、第1反射スペクトルR1の反射帯域の中心波長λR1cと、第2反射スペクトルR2の反射帯域の中心波長λR2cとの中心に位置することが好ましく、また、第1反射スペクトルR1の反射帯域と第2反射スペクトルR2の反射帯域との重複部分の中心に位置することが好ましい。このように、垂直共振器での反射スペクトルR1、R2の反射帯域に対して、中心位置またはその近傍に共振波長λS0を設定することにより、上記したように、安定的に動作可能な発光素子1Aを実現することができる。
また、垂直共振器の共振波長λS0は、図3のグラフ(b)に示したように、高温動作時における活性層21の発光スペクトルS2のピーク波長と略一致するように設定されていることが好ましい。これにより、レーザ素子の使用開始時から一定の時間が経過した定常的な高温動作状態において、活性層21から放出された光を垂直共振器によって好適かつ安定的に発振させることが可能となる。また、このとき、素子上面側から外部へと出射されるレーザ光の強度を向上することができる。
また、上記構成の半導体発光素子1Aでは、半導体基板11を、上部DBR層25で反射されて下部DBR層15を通過した光を吸収する光吸収部として構成している。この光吸収部については、一般には、下部DBR層15に対して活性層21とは反対側にある、半導体基板11を含む部分である基板部を、上部DBR層25で反射されて下部DBR層15を通過した光を吸収する光吸収部として構成することが可能である。
図5は、図2に示した半導体発光素子の変形例を示す側面断面図である。この変形例では、図2に示した構成に加えて、半導体基板11と、下部DBR層15との間に半導体層17を設けている。また、この半導体層17は、基板11上に上部DBR層25で反射されて下部DBR層15を通過した光を吸収する半導体材料で形成された光吸収層となっている。このような構成では、半導体基板11と光吸収層17とによって、光吸収部として機能する基板部が構成される。このように、光吸収部については、基板11、または基板11を含む基板部によって、上部DBR層25で反射されて下部DBR層15を通過した光が吸収されて、漏れ光の発生が防止される構成となっていれば良い。
図1及び図2に示した実施形態による半導体発光素子1Aの具体的な構成の一例について説明する。本構成例では、基板11としてn型のGaAs基板を用いる。また、活性層21を(Al0.30Ga0.214In0.486P/Ga0.45In0.55P)の3周期MQW活性層とし、下部クラッド層31をn型のAl0.35Ga0.164In0.486P層、上部クラッド層32をp型のAl0.35Ga0.164In0.486P層によって構成し、また、ノンドープ層33をAl0.30Ga0.214In0.486P層によって構成する。また、酸化狭窄層22については、Al0.95Ga0.05Asによって構成する。また、コンタクト層23については、p型のGaAs層によって構成する。
垂直共振器を構成しているDBR層15、25については、下部DBR層15をn型の(Al0.5Ga0.5As/グレーデッド/Al0.90Ga0.10As/グレーデッド)の50周期半導体多層ミラー層によって構成する。また、上部DBR層25をp型の(Al0.5Ga0.5As/グレーデッド/Al0.90Ga0.10As/グレーデッド)の34周期半導体多層ミラー層によって構成する。
また、発光素子1Aのサイズについては、図1において、図中の横方向の素子幅をw1=250μmとし、縦方向の素子幅をw2=500μmとする。また、図2において、ベース部10の高さを200μm程度、メサ部20の高さを6μm程度、メサ部20の径をφ30μm程度、光出射用の開口部23aの径をφ10μm程度とする。
本構成例による半導体発光素子1Aの波長特性の一例を図6に示す。ここでは、下部DBR層15の反射スペクトルR1の反射帯域について、その短波長側帯域端をλR1a=652nm、長波長側帯域端をλR1b=702nm、中心波長をλR1c=677nmに設定している。また、上部DBR層25の反射スペクトルR2の反射帯域について、その短波長側帯域端をλR2a=647nm、長波長側帯域端をλR2b=697nm、中心波長をλR2c=672nmに設定している。
このとき、第2反射スペクトルR2の反射帯域の短波長側帯域端λR2a=647nmは、第1反射スペクトルR1の反射帯域の短波長側帯域端λR1a=652nmよりも3nm以上短波長側となる5nm短波長側に位置する。なお、このようなDBR層の反射スペクトルは、DBR層を構成する半導体層の組成、膜厚、積層構造等によって設定される。
活性層21の発光スペクトルについては、低温動作時の発光スペクトルS1は、その短波長側スペクトル端がλS1a=650nm、ピーク波長が660nmとなっている。このとき、発光スペクトルS1の短波長側スペクトル端λS1a=650nmは、第1反射スペクトルR1の反射帯域の短波長側帯域端λR1a=652nmと、第2反射スペクトルR2の反射帯域の短波長側帯域端λR2a=647nmとの間に位置している。また、高温動作時の発光スペクトルS2は、そのピーク波長が675nmとなっている。
また、DBR層15、25による垂直共振器での共振波長は、高温動作時の発光スペクトルS2のピーク波長と一致するように、λS0=675nmとなっている。このとき、共振波長λS0=675nmは、第1反射スペクトルR1の反射帯域の中心波長λR1c=677nmと、第2反射スペクトルR2の反射帯域の中心波長λR2c=672nmとの間に位置している。
このような構成において、第1、第2反射スペクトルR1、R2の反射帯域の短波長側帯域端の間(647nm〜652nm)にある発光成分のうち、光出射方向である素子上面の方向に向かった光は、上部DBR層25で反射されて基板11の方向へと向かう。一方、基板11の方向に向かった光は、第1反射スペクトルR1の反射帯域の短波長側帯域端よりも短波長であるため、下部DBR層15では反射されずに通過して、基板11に向かう。
GaAs基板11では、GaAsのバンドギャップに対応する波長873nmよりも短波長の光は基板に吸収されるので、上記の短波長の発光成分は光吸収部として機能する基板11で吸収されて、低温動作時においても外部への漏れ光の発生が防止される。また、例えば、活性層21に用いられる半導体材料が、850nmよりも短波長側で発光する材料であるGaAs、AlGaAs、AlGaInPなどの場合には、上記のGaAs基板が光吸収部として有効に機能する。
一方、例えば活性層21の半導体材料がIn0.76Ga0.24As0.550.45の場合には、その発光波長が1300nm程度である。このため、InP基板、またはGaAs基板等を基板11に用いた場合、バンドギャップに対応する波長がそれぞれ920nm、873nm程度であるため、発光成分を基板で吸収することはできない。この場合には、例えば図5に示した構成を用い、光吸収層17において1550nm程度にバンドギャップに対応する波長を有するIn0.65Ga0.35As0.790.21を用いることで、そのような発光成分を吸収可能な光吸収部を構成することができる。
半導体発光素子1Aの波長特性、及びその設計例について、具体的な例を示しつつさらに説明する。なお、以下の説明では、共振波長λS0の温度による変動については、充分に小さいものとして考慮していない。
上記構成の半導体発光素子1Aにおいて、活性層21の半導体材料がAlGaInPの場合には、発光波長変動の温度係数は0.18nm/℃程度であるので、0℃〜85℃での活性層の発光波長変動量は15nm程度である。また、発光スペクトルのピーク波長と短波長側スペクトル端との波長差は10nm程度である。このとき、85℃での高温動作時に発光ピーク波長を共振波長λS0=675nmと一致させる場合には、0℃での低温動作時のピーク波長を660nmに設定すれば良い(図6参照)。また、この場合、発光スペクトルの短波長側スペクトル端は650nm程度となるので、第2反射スペクトルR2の反射帯域の短波長側帯域端については、上記したように第1反射スペクトルよりも3nm以上短波長に設定すれば良い。
また、活性層21の半導体材料がGaAsの場合には、発光波長変動の温度係数は0.25nm/℃程度であるので、0℃〜85℃での活性層の発光波長変動量は21nm程度である。また、発光のピーク波長と、短波長側スペクトル端との波長差は20nm程度である。また、850nm波長帯のDBR層では、その反射スペクトルの反射帯域の中心波長を850nmとした場合、短波長側帯域端は815nm程度である。このとき、85℃での高温動作時に発光ピーク波長を共振波長と一致させる場合には、0℃での低温動作時のピーク波長を830nmに設定すれば良い。また、この場合、発光スペクトルの短波長側スペクトル端は810nm程度となるので、第2反射スペクトルの反射帯域の短波長側帯域端については、第1反射スペクトルよりも5nm以上短波長に設定することが好ましい。
また、活性層21の半導体材料がIn0.76Ga0.24As0.550.45の場合には、発光波長変動の温度係数は0.45nm/℃程度であるので、0℃〜85℃での活性層の発光波長変動量は38nm程度である。また、発光のピーク波長と、短波長側スペクトル端との波長差は40nm程度である。また、1300nm波長帯のDBR層では、その反射スペクトルの反射帯域の中心波長を1300nmとした場合、短波長側帯域端は1230nm程度である。このとき、85℃での高温動作時に発光ピーク波長を共振波長と一致させる場合には、0℃での低温動作時のピーク波長を1260nmに設定すれば良い。また、この場合、発光スペクトルの短波長側スペクトル端は1220nm程度となるので、第2反射スペクトルの反射帯域の短波長側帯域端については、第1反射スペクトルよりも10nm以上短波長に設定することが好ましい。
本発明による半導体発光素子は、上記した実施形態に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば発光素子の具体的な積層構成については、図2及び図5はその例を示すものであり、これ以外にも様々な構成を用いて良い。また、図1においては、メサ部の平面形状を円形状としたが、例えば矩形状など他の形状としても良い。また、発光素子の基板及び各半導体層を構成する半導体材料、及びその組合せについても、上記した構成例に限らず、様々な構成を用いて良い。また、半導体層の導電型については、基板側の第1の導電型をn型、光出射面側の第2の導電型をp型として素子の構成を説明したが、第1の導電型をp型、第2の導電型をn型として素子を構成することも可能である。
本発明は、温度状態の変化等にかかわらず、自然放出光の漏れ光の発生を抑制することが可能な半導体発光素子として利用可能である。
半導体発光素子の一実施形態の構成を示す上面図である。 図1に示した半導体発光素子の断面構成を示すI−I矢印断面図である。 半導体発光素子の波長特性について示す図である。 半導体発光素子の波長特性について示す図である。 図2に示した半導体発光素子の変形例を示す断面図である。 図3に示した半導体発光素子の波長特性の具体例について示す図である。
符号の説明
1A…半導体発光素子(VCSEL)、10…ベース部、11…半導体基板、15…下部DBR層、16…カソード電極、17…光吸収層、20…メサ部、21…活性層、22…電流狭窄層、23…コンタクト層、25…上部DBR層、26…コンタクト電極、27…アノード電極、28…ボンディング電極部、31…下部クラッド層、32…上部クラッド層、33…ノンドープ層、35…絶縁層。

Claims (9)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板上に第1の導電型を有して形成され、その反射スペクトルが第1反射スペクトルとなっている下部半導体ミラー層と、
    前記下部半導体ミラー層上に形成され、電流が供給されることによって所定の発光スペクトルで発光する活性層と、
    前記活性層上に第2の導電型を有して形成され、前記下部半導体ミラー層とともに所定の共振波長を有する垂直共振器を構成し、その反射スペクトルが第2反射スペクトルとなっている上部半導体ミラー層とを備え、
    前記活性層から放出され、前記垂直共振器で共振された光は、前記上部半導体ミラー層側の素子上面から外部へと出射されるように構成され、
    前記上部半導体ミラー層の前記第2反射スペクトルは、その反射帯域の短波長側帯域端が、前記下部半導体ミラー層の前記第1反射スペクトルの反射帯域の短波長側帯域端よりも短波長側に位置するとともに、
    前記下部半導体ミラー層に対して前記活性層とは反対側にある、前記半導体基板を含む部分である基板部は、前記上部半導体ミラー層で反射されて前記下部半導体ミラー層を通過した光を吸収する光吸収部として構成されていることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記第1反射スペクトル及び前記第2反射スペクトルのそれぞれについて、その反射帯域の短波長側帯域端は、反射強度Iがピーク反射強度Iに対してI=I/eとなる波長によって定義されることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  3. 前記第2反射スペクトルの反射帯域の短波長側帯域端は、前記第1反射スペクトルの反射帯域の短波長側帯域端よりも3nm以上短波長側に位置することを特徴とする請求項1または2記載の半導体発光素子。
  4. 低温動作時における前記活性層の前記発光スペクトルの短波長側スペクトル端は、前記第1反射スペクトルの反射帯域の短波長側帯域端と、前記第2反射スペクトルの反射帯域の短波長側帯域端との間に位置することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の半導体発光素子。
  5. 前記活性層の前記発光スペクトルの短波長側スペクトル端は、発光強度Iがピーク発光強度Iに対してI=I/eとなる波長によって定義されることを特徴とする請求項4記載の半導体発光素子。
  6. 前記垂直共振器の前記共振波長は、前記第1反射スペクトルの反射帯域の中心波長と、前記第2反射スペクトルの反射帯域の中心波長との間に位置することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の半導体発光素子。
  7. 前記垂直共振器の前記共振波長は、高温動作時における前記活性層の前記発光スペクトルのピーク波長と略一致するように設定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の半導体発光素子。
  8. 前記光吸収部を構成する前記半導体基板は、前記上部半導体ミラー層で反射されて前記下部半導体ミラー層を通過した光を吸収する半導体材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載の半導体発光素子。
  9. 前記光吸収部は、前記半導体基板と、前記半導体基板上に前記上部半導体ミラー層で反射されて前記下部半導体ミラー層を通過した光を吸収する半導体材料で形成された光吸収層とを有して構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載の半導体発光素子。
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