JP2008147066A - 燃料電池システムの制御方法及び燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】外気温度が低い環境において燃料電池スタックの発電を開始する時であっても、燃料電池スタックを発電不能とすることなく発電を継続させる。
【解決手段】燃料電池スタックの第一電極に燃料ガスを供給すると共に第二電極に酸化剤ガスを供給する第一状態と、第一電極に酸化剤ガスを供給すると共に第二電極に燃料ガスを供給する第二状態とが切り換え可能であり、且つ電気負荷に対する第一電極及び第二電極の電気的な正極と負極とが切り換え可能な燃料電池システムを、第一状態と第二状態との間で切り換える所定の条件を満たしているか否かを判断する判断ステップ(S12〜S16)と、第一状態と第二状態とを切り換えるガス切り換えステップ(S17)と、電気負荷に対する第一電極及び第二電極の電気的な正極と負極とを切り換える電極切り換えステップ(S17)と、燃料電池スタックの発電を開始する発電開始ステップ(S18)とを有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、燃料電池の発電を開始させる燃料電池システムの制御方法及び制御装置に関し、特に、外気環境が氷点下である時に燃料電池が発電不能となることを回避する燃料電池システムの制御方法及び燃料電池システムに関する。
従来より、氷点下環境で燃料電池スタックの発電を開始させるときに、当該燃料電池スタックの発電に伴って発生した熱により十分に燃料電池スタックの温度が上昇しない場合がある。このような場合、燃料電池スタックの発電により発生した水が触媒層内部で凍結し始めて、反応ガスが電極触媒反応部へ到達するのを阻害してしまう。このような状態では、燃料電池スタックの発電電圧が低下して、燃料電池スタックの発電が停止してしまうという問題があった。
これに対し、従来においては、下記の特許文献1のように燃料電池スタックの熱容量を下げることにより、燃料電池スタックの昇温を促進させることや、下記の特許文献2のように、氷点下の温度で起動するときに、燃料電池スタックの発電の停止時での燃料電池スタック内の保有水分量を算出し、十分に昇温ができる範囲で氷点下での電流値を決定し、電圧の低下を防ぐことが提案されている。
特開2005−85578号公報 特開2006−100093号公報
しかしながら、燃料電池スタックの発電を開始させるときの外気温が例えば−30℃といった氷点下であり、且つ発電を停止していた燃料電池スタック内の保有水分量が多い場合には、燃料電池スタックの熱容量を小さくしても、十分に燃料電池スタックの温度が上昇しない。また、氷点下環境において燃料電池スタックの保有水分量が多い場合に、どのような電流値を設定しても十分に燃料電池スタックの温度が上昇しない。このように燃料電池スタックの温度が上昇しないと、燃料電池スタックの発電が停止してしまう。特に、例えば氷点下環境において燃料電池スタックの発電を開始した後、燃料電池スタックが所定温度以上に上昇する前に発電を終了した場合には、燃料電池スタック内の保有水分量が多いために、燃料電池スタックの発電が行えない。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、外気温度が低い環境において燃料電池スタックの発電を開始する時であっても、燃料電池スタックを発電不能とすることなく発電を継続できる燃料電池システムの制御方法及び燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明では、電解質膜と当該電解質膜を挟持する第一の電極及び第二の電極とからなる燃料電池セルを複数積層してなる燃料電池スタックに燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、前記燃料電池スタックに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置とを備えた燃料電池システムの制御方法であって、上述の課題を解決するために、前記第一の電極に燃料ガスを供給すると共に前記第二の電極に酸化剤ガスを供給する第一の状態と、前記第一の電極に酸化剤ガスを供給すると共に前記第二の電極に燃料ガスを供給する第二の状態とが切り換え可能であり、且つ電気負荷に対する前記第一の電極及び前記第二の電極の電気的な正極と負極とが切り換え可能な燃料電池システムを、前記第一の状態と前記第二の状態との間で切り換える所定の条件を満たしているか否かを判断する判断ステップと、前記所定の条件を満たしていると判断した場合に、前記第一の状態と前記第二の状態とを切り換えるガス切り換えステップと、前記電気負荷に対する前記第一の電極及び前記第二の電極の電気的な正極と負極とを切り換える電極切り換えステップと、前記燃料電池スタックの発電を開始する発電開始ステップとを有する。
本発明によれば、所定の条件を満たしていると判断した場合に、第一の状態と第二の状態とを切り換えることにより、第一の電極と第二の電極とのガスを入れ替え、電気負荷に対する第一の電極及び第二の電極の電気的な正極と負極とを切り換えるので、例えば外気温度が低い環境において燃料電池スタックの発電を開始する時であっても、燃料電池スタックを発電不能とすることなく発電を継続できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明は、例えば図1に示すような燃料電池セルが積層された燃料電池スタック1を備え、図2に示すように構成された燃料電池システムに適用される。
図1に、本発明を適用した燃料電池システムに用いられる燃料電池セルの構造を示す模式断面図を示す。図1において、燃料電池スタック1の一単位である燃料電池セルは、含水すると水素イオン伝導性を有する固体高分子を用いた高分子電解質膜101と、この高分子電解質膜101を挟持するように形成された第一の電極111の触媒層102及び第二の電極112の触媒層105と、これら触媒層102,105の外側にそれぞれ配設された第一の電極111のガス拡散層103及び第二の電極112のガス拡散層106と、これらのガス拡散層103,106へガスを供給する第一の電極111のガス流路104及び第二の電極112のガス流路107とを備えている。
高分子電解質膜(MEA)101は、パーフルオロスルホン酸ポリマー、ナフィオン、フッ素系樹脂等の固体高分子材料によりプロトン伝導性の膜として形成されている。この膜の両面に配設される二つの電極111,112は、カーボン担持白金触媒とナフィオン溶液を混合したペーストを塗布した触媒層102、105と、ガス拡散層103、106からなり、触媒の存在する面が高分子電解質膜101と接触するように形成されている。ガス流路104、107は、ガス不透過である緻密性カーボン材等の片面、または両面に配置された多数のリブにより形成され、酸化剤ガス、燃料ガスはそれぞれのガス入口から供給され、ガス出口から排出される。このガス流路104,107は、セパレータが配置されることによって形成されて、高分子電解質膜101全体にガスが行き渡るようになっている。
燃料電池システムの低温環境下における起動時においては、高分子電解質膜101が湿潤であることに加え、第一の電極111の触媒層102にも、発電時に電気随伴水として第二の電極112に移動する水分に相当する水分を蓄えていることを必要とし、一方、第二の電極112の触媒層105、双方の電極111,112のガス拡散層103,106及びガス流路104,107には水分が含まれていないことが望ましい。
このような燃料電池セルの電極111,112は、水素を含む燃料ガスが供給される燃料極、酸素を含む酸化剤ガスが供給される酸化剤極の両電極として機能する。燃料極、酸化剤極において進行する電極反応は、以下の化学式に示す通りである。
燃料極 : 2H → 4H+ 4e (1)
酸化剤極 : 4H+ +4e +O →2HO (2)
そして、燃料極に燃料ガスが供給されると、燃料極では反応式(1)の反応が進行して水素イオンを生成する。この生成した水素イオンが水和状態で高分子電解質膜101を透過(拡散)して酸化剤極に至り、電子は燃料極から外部回路(負荷、例えば図2のモータ負荷17)を介して酸化剤極に至る。この酸化剤極に酸素含有ガス、例えば空気が供給されていると、酸化剤極では反応式(2)の反応が進行する。この反応式(1)、(2)の電極反応が各極で進行することで、燃料電池セルは起電力を生じることとなる。
このような燃料電池セルを積層した燃料電池スタック1を備えた燃料電池システムは、水素を含む燃料ガスを燃料電池スタック1に供給するための水素タンク2及び圧力調整弁3と、酸素を含む酸化剤ガスを燃料電池スタック1に供給するためのコンプレッサ4及び圧力調整弁5とを備える。圧力調整弁3は、コントローラ22からの制御信号に従って開度が制御されて燃料電池スタック1に供給する燃料ガスの流量を調整する。圧力調整弁5は、コントローラ22からの制御信号に従って開度が制御されて燃料電池スタック1に供給する酸化剤ガスの流量を調整する。圧力調整弁3を通過した燃料ガス及び圧力調整弁5を通過した酸化剤ガスは、第1〜第4の三方バルブ6,7,8,9からなるガス供給用バルブ群を通過して、燃料電池スタック1に供給される。
第1〜第4の三方バルブ6,7,8,9は、ガスを通過させる開口a,bの開閉がコントローラ22によって制御される。なお、この第1〜第4の三方バルブ6,7,8,9(以下、総称する場合には、単に「ガス供給用バルブ群」とも呼ぶ。)の動作については後述する。
このように、水素タンク2,圧力調整弁3及びガス供給用バルブ群は、燃料電池スタック1に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段として機能し、コンプレッサ4,圧力調整弁5及びガス供給用バルブ群は、燃料電池スタック1に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段として機能する。
燃料電池スタック1によって発電反応に使用されずに電極111,112を通過した水素を含む燃料ガス及び酸素を含む酸化剤ガスは、燃料電池スタック1から排出される。この排出された燃料ガス及び酸化剤ガスは、ガス排出用バルブ群である第5〜第8の三方バルブ10,11,12,13(以下、総称する場合には、単に「ガス排出用バルブ群」とも呼ぶ。)に供給される。燃料電池スタック1から排出された燃料ガスは、ガス排出用バルブ群を通過して、水素循環制御装置14に供給される。一方、燃料電池スタック1から排出された酸化剤ガスは、ガス排出用バルブ群を通過して、酸化剤ガスの排出用配管を通過して外部へと排出される。第5〜第8の三方バルブ10,11,12,13は、ガスを通過させる開口a,bの開閉がコントローラ22によって制御される。なお、この第5〜第8の三方バルブ10,11,12,13の動作については後述する。
このような燃料電池システムにおいて、ガス供給用バルブ群及びガス排出用バルブ群を備える理由は、第一の電極111に供給するガスを燃料ガスと酸化剤ガスとの間で切り換えると共に第二の電極112に供給するガスを燃料ガスと酸化剤ガスとで切り換えて、燃料電池スタック1におけるアノード電極とカソード電極を入れ替えるためである。
水素循環制御装置14は、燃料電池スタック1から排出されてガス排出用バルブ群を通過した燃料ガスが供給される。この水素循環制御装置14は、圧力調整弁3と第1の三方バルブ6とを接続する配管に接続された水素循環用の配管と接続される。水素循環制御装置14は、燃料ガスに含まれる水素を再利用するために燃料ガスを水素循環用の配管に供給して、水素を圧力調整弁3と第1の三方バルブ6とを接続する配管に還流させる動作、又は、燃料ガスを水素燃焼器15に供給する動作を行う。水素循環制御装置14の動作は、コントローラ22からの制御信号によって制御される。
水素燃焼器15は、水素循環制御装置14から排出された燃料ガスに含まれる水素を燃焼させて、燃焼ガスを外部に排気する。
更に、燃料電池システムは、電気系として、燃料電池スタック1で発電した電力を消費するモータ負荷17を備える。なお、本例においては、燃料電池システムが車両等に搭載されて、燃料電池スタック1をモータ負荷17の駆動源として使用する場合について説明するが、これに限らず他の負荷であっても良い。
モータ負荷17は、燃料電池スタック1で発電した発電電流が第一配線20又は第二配線21、制御回路16を介して供給される。この第一配線20及び第二配線21は、燃料電池スタック1の触媒層102,105に接続されている。
制御回路16は、例えばリレー回路からなり、モータ負荷17に対する第一配線20及び第二配線21の電気的な正極と負極とを切り換える電極切り換え動作、断線・結線動作を行う。すなわち、制御回路16は、コントローラ22の制御に従って、燃料電池スタック1,第一配線20及び第二配線21に対するモータ負荷17の電気的導通を切断(断線)する動作、第一配線20と第二配線21との接続関係を入れ替えて燃料電池スタック1の正負を入れ替えて結線する動作を行う。
更に、燃料電池システムは、燃料電池スタック1を構成する燃料電池セル1aの電圧(セル電圧)を検出する電圧検出手段である電圧計18と、燃料電池スタック1の温度を測定する温度検出手段である熱電対19とを備える。熱電対19は、燃料電池スタック1のエンドプレート1bの付近の燃料電池セルの温度をモニタし、電圧計18は、エンドプレート1b付近のセル電圧をモニタする。電圧計18で検出したセル電圧は、センサ信号としてコントローラ22に読み込まれ、熱電対19で検出した燃料電池スタック1の温度はセンサ信号としてコントローラ22に読み込まれる。
なお、エンドプレート1bに近い燃料電池セル(エンドセル)の温度を計測する位置に熱電対19を接続したのは、放熱が主にエンドプレート1bから生じ、燃料電池スタック1の中央部の燃料電池セルに比べてエンドセルの方が温度の上昇が遅いことによる。例えば、燃料電池スタック1の中央部の燃料電池セルの温度が0℃以上でエンドセルの温度が0℃以下である場合に、燃料電池スタック1の発電を中断せずに続けると、燃料電池スタック1の中央部の燃料電池セルの発電を継続できてもエンドセルで発電不能になる場合があり、この場合には、エンドセルが抵抗体になり電力を消費してしまい、この結果、発電効率が低下してしまう。
また、本例において、燃料電池スタック1の電圧は、1個の燃料電池セルの電圧を測定する場合を説明するが、2個以上の燃料電池セルの電圧を測定して、1個の燃料電池セルあたりの平均の電圧を測定しても良い。また、熱電対19についても、2箇所以上の燃料電池スタック1の温度をモニタするようにして、後述する燃料電池スタック1の温度判断持において燃料電池スタック1内の温度分布を考慮しても良い。
コントローラ22は、電圧計18及び熱電対19から読み込んだセンサ信号に基づいて各種の演算を行い、上述した各部を制御する制御信号を出力する。コントローラ22は、モータ負荷17に供給する電力の調整、燃料電池スタック1に対する燃料ガス及び酸化剤ガスの供給量の調整、図示しない燃料ガス及び酸化剤ガスに対する加湿器の加湿量の調整や、図示しない燃料電池冷却機構で調整される燃料電池スタック1の温度の調整などを行う。
つぎに、上述したように構成された燃料電池システムの動作について図3のフローチャート及び図4のガス供給用バルブ群及びガス排出用バルブ群の状態説明図を参照して説明する。なお、図4中の矢印は、図2におけるガス通過方向を示している。
上述した燃料電池システムは、第一の電極111に燃料ガスを供給すると共に第二の電極112に酸化剤ガスを供給する第一の状態と、第一の電極111に酸化剤ガスを供給すると共に第二の電極112に燃料ガスを供給する第二の状態とを切り換えるために、図4のようなバルブ切り換えを行う。
なお、以下の説明においては、第一の電極111に燃料ガスを供給して第一の電極111をアノード(負極)とし、第二の電極112に酸化剤ガスを第二の電極112をカソード(正極)としている状態から、第一の電極111をカソードとし、第二の電極112をアノードに入れ替える例について説明する。
第一の状態と第二の状態とを切り換える所定の条件が満たされると(判断ステップ)、燃料電池システムは、ステップS1において、発電している燃料電池スタック1の発電を中断することを判断する。
図4に、燃料電池スタック1の発電時において開状態とする第1〜第8の三方バルブ6〜13の開口a,bを示す。燃料電池スタック1の発電時においては、コントローラ22の制御により、ガス供給用バルブ群である第1の三方バルブ6の開口a、第2の三方バルブ7の開口a、第3の三方バルブ8の開口b、第4の三方バルブ9の開口bを開状態とし、ガス排出用バルブ群である第5の三方バルブ10の開口a、第6の三方バルブ11の開口a、第7の三方バルブ12の開口b、第8の三方バルブ13の開口bを開状態にする。
これにより、圧力調整弁3を通過した燃料ガスは、第1の三方バルブ6,第2の三方バルブ7を通過して燃料電池スタック1の第一の電極111に供給され、第一の電極111から排出された燃料ガスは、第5の三方バルブ10,第6の三方バルブ11を通過して水素循環制御装置14に供給される。また、圧力調整弁5を通過した酸化剤ガスは、第3の三方バルブ8,第4の三方バルブ9を通過して燃料電池スタック1の第二の電極112に供給され、第二の電極112から排出された酸化剤ガスは、第7の三方バルブ12,第8の三方バルブ13を通過して外部に排出される。
次のステップS2において、コントローラ22は、燃料電池スタック1へのガス供給を停止するように、ガス供給用バルブ群の第2の三方バルブ7及び第4の三方バルブ9、ガス排出用バルブ群の第6の三方バルブ11及び第8の三方バルブ13を制御する。このとき、コントローラ22は、図4に示すように、ガス供給用バルブ群である第1の三方バルブ6の開口a、第2の三方バルブ7の開口b、第3の三方バルブ8の開口b、第4の三方バルブ9の開口aを開状態とし、ガス排出用バルブ群である第5の三方バルブ10の開口a、第6の三方バルブ11の開口b、第7の三方バルブ12の開口b、第8の三方バルブ13の開口aを開状態にする。
これにより圧力調整弁3を通過した燃料ガスは、第1の三方バルブ6を通過して第2の三方バルブ7で遮断され、圧力調整弁5を通過した酸化剤ガスは、第3の三方バルブ8を通過して第4の三方バルブ9で遮断される。また、燃料電池スタック1から排出される燃料ガスは、第5の三方バルブ10を通過して第6の三方バルブ11で遮断され、燃料電池スタック1から排出される酸化剤ガスは、第7の三方バルブ12を通過して第8の三方バルブ13で遮断される。なお、コントローラ22は、ガス供給及びガス排出を停止する場合、圧力調整弁3及び圧力調整弁5を閉状態、コンプレッサ4、水素循環制御装置14及び水素燃焼器15の動作を停止しても良い。
次のステップS3において、コントローラ22は、モータ負荷17と燃料電池スタック1との電気配線を断線させる。すなわち、コントローラ22は、制御回路16内のリレーを開状態とすることにより、第一配線20及び第二配線21とモータ負荷17との導通を遮断させる。
次のステップS4において、燃料ガス配管と酸化剤ガス配管とを入れ替えて、第一の電極111と第二の電極112のぞれぞれのガスを燃料ガスと酸化剤ガスとで置換する(ガス切り換えステップ)。すなわち、ステップS1の時点で第一の電極111には燃料ガスが供給されていると共に第二の電極112には酸化剤ガスが供給されている第一の状態から、第一の電極111に酸化剤ガスを供給すると共に第二の電極112に燃料ガスを供給する第二の状態に切り換える。
このとき、コントローラ22は、先ず燃料ガスを第二の電極112に流して、第一の電極111及び第二の電極112の双方を水素リッチ雰囲気とした後に、第一の電極111に酸化剤ガスを流す。
第一の電極111及び第二の電極112の双方を水素リッチ雰囲気とする場合、コントローラ22は、第1の三方バルブ6の開口bを開状態とすると共に第5の三方バルブ10の開口bを開状態とするように切り換える。図4に示すように、ガス供給用バルブ群である第1の三方バルブ6の開口b、第2の三方バルブ7の開口b、第3の三方バルブ8の開口b、第4の三方バルブ9の開口aを開状態とし、ガス排出用バルブ群である第5の三方バルブ10の開口b、第6の三方バルブ11の開口b、第7の三方バルブ12の開口b、第8の三方バルブ13の開口aを開状態にする。
これにより、圧力調整弁3を通過した燃料ガスは、第1の三方バルブ6,第4の三方バルブ9を通過して燃料電池スタック1の第二の電極112に供給され、第二の電極112から排出されたガスは、第7の三方バルブ12を通過して、第8の三方バルブ13で遮断される。
この状態において、第一の電極111及び第二の電極112の両極を共に水素リッチ雰囲気とするために、両極の電位が共に0V付近となるように、燃料電池スタック1の電位を制御する。
これにより第二の電極112を水素リッチな状態とすると、次に、第一の電極111に酸化剤ガスの供給を開始する。このとき、コントローラ22は、第3の三方バルブ8の開口aを開状態とすると共に第7の三方バルブ12の開口aを開状態に切り換える。図4に示すように、ガス供給用バルブ群である第1の三方バルブ6の開口b、第2の三方バルブ7の開口b、第3の三方バルブ8の開口a、第4の三方バルブ9の開口aを開状態とし、ガス排出用バルブ群である第5の三方バルブ10の開口b、第6の三方バルブ11の開口b、第7の三方バルブ12の開口a、第8の三方バルブ13の開口aを開状態にする。
これにより、圧力調整弁5を通過した酸化剤ガスは、第3の三方バルブ8,第2の三方バルブ7を通過して燃料電池スタック1の第一の電極111に供給され、第一の電極111から排出されたガスは、第5の三方バルブ10を通過して、第8の三方バルブ13から外部に排出される。
なお、燃料ガスを第二の電極112に流す前に、第一配線20及び第二配線21を短絡又はダミー負荷を接続して、第二の電極112に存在している酸化剤ガスに含まれる酸素を消費させておくことが望ましい。
第二の電極112内の酸素を消費させる理由としては、ダミー負荷、燃料電池スタック1内のセパレータなどで分散して発熱させることによって、酸素と燃料ガスに含まれる水素とが直接接触することにより、第二の電極112の触媒層105で局所過熱を引き起こすことを防ぐためである。例えば、制御回路16にダミー負荷を備えて、コントローラ22の制御によって、第一配線20と第二配線21と間にダミー負荷を接続することによって、第二の電極112における酸素を消費させることができる。また、酸素を取り除くために、第8の三方バルブ13に接続されて外部にガス排出する配管に減圧ポンプを設け、当該減圧ポンプを作動させて第二の電極112から酸化剤ガスを排気しても良い。
次のステップS5において、コントローラ22は、第一の電極111内に酸化剤ガスが供給されており且つ第二の電極112内に燃料ガスが供給されており、十分な水素が第二の電極112に満たされ且つ十分な酸素が第二の電極112に満たされてガスの置換が完了したか否かを判定する。このとき、コントローラ22は、第一配線20及び第二配線21をモータ負荷17から切断した状態であるセル電圧(無負荷電圧)を電圧計18から読み込む。次にコントローラ22は、当該無負荷電圧が所定電圧値以上であるか否かを判定する。この所定電圧値は、例えば1.0Vなど、ガス置換が完了していると判定できる値が実験等で設定されている。このとき、ガスの置換は必ずしも完全である必要はないが、燃料ガスと酸化剤ガスとが混合しているまま発電を行うと 発電効率が低下してしまうために、燃料ガスと酸化剤ガスとの割合が数%以内となっていることが判定できる所定電圧値を設定しておくことが望ましい。
なお、本例では電圧計18によって測定された無負荷電圧によってガス置換が完了したか否かを判定しているが、例えばガス濃度センサを用いて第一の電極111及び第二の電極112におけるガス濃度を計測し、ガスの置換が完了したか否かを判断することができることは勿論である。
このステップS5における判定の結果、無負荷電圧が所定電圧値以上である場合には、ステップS6に処理を進め、無負荷電圧が所定電圧値以上ではない場合には、ステップS4で行われた第一の電極111に酸化剤ガスを供給し第二の電極112に燃料ガスを供給している状態を維持させる。
ステップS6において、コントローラ22は、モータ負荷17と燃料電池スタック1との電気配線を入れ替えて結線させることにより、モータ負荷17に対する第一の電極111及び第二の電極112の電気的な正極と負極とを切り換える(電極切り換えステップ)。このとき、制御回路16は、第一の電極111を正極とし、第二の電極112を負極とするようにモータ負荷17と燃料電池スタック1との接続関係を切り換える。これにより、燃料電池スタック1は、ステップS7において発電を開始する。
なお、燃料電池スタック1の発電時に第一の電極111と第二の電極112との間でカソードとアノードとを切り換える動作は、短時間で完了することが望ましいが、燃料電池スタック1の熱容量が十分に大きいことから、短時間で完了しなくとも燃料電池スタック1の温度の低下幅は無視できる。
以上説明したように本発明を適用した燃料電池システムによれば、ステップS4により、第一の電極111に燃料ガスを供給すると共に第二の電極112に酸化剤ガスを供給する第一の状態と、第一の電極111に酸化剤ガスを供給すると共に第二の電極112に燃料ガスを供給する第二の状態とを切り換え、ステップS6により、モータ負荷17に対する第一の電極111及び第二の電極112の電気的な正極と負極とを切り換えることができる。
また、この燃料電池システムによれば、酸化剤ガスで満たされている第二の電極112に燃料ガスを供給し、当該燃料ガスの供給を開始した所定時間(第一の所定時間)後に、第一の電極111に酸化剤ガスを供給するので、燃料電池スタック1の発電を中断してガスを置換する際に、アノード及びカソードの両電極を水素リッチ雰囲気にすることができる。このように第一の電極111と第二の電極112の両方を水素リッチ雰囲気とすることにより、第一の電極111及び第二の電極112の電位を制御して、ほぼ0V(標準水素電位)にすることができるので、電極の劣化、すなわち白金の溶解やカーボンの腐食を抑えることができる。
(請求項2の効果)
更に、この燃料電池システムによれば、ステップS4において第一の電極111及び第二の電極112に供給するガスを入れ替える前に、ステップS3にて燃料電池スタック1とモータ負荷17との電気的な接続を切断し、ステップS4でガスを入れ替えて、ステップS5にてガスの置換が完了したと判定した後に、ステップS6にて第一の電極111及び第二の電極112に対するモータ負荷17の接続を切り換えて結線するので、動作させる対象のモータ負荷17に逆電圧がかかるのを防ぐことができ、モータ負荷17が逆電圧によって誤動作することを防ぐことができる。
(請求項3の効果)
更にまた、この燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1のセル電圧を検出する電圧計18により、燃料電池スタック1とモータ負荷17との電気的な接続を切断している時の無負荷電圧を検出し、当該無負荷電圧が所定電圧値以上となった場合に、ガスの置換が完了したと判定するので、簡単にガスの置換が完了したことを判断できる。この無負荷電圧は、ネルンストの可逆電位から、高分子電解質膜101を透過するガスに起因する内部電流による電圧降下(分極)を差し引いた電圧であり、無負荷電圧の測定からガスが入れ替わったかを判断できる。
ここで、燃料電池スタック1の発電を中断したときにアノードには水素が残留しており、カソードには酸素が残留している。この状態において、元アノードに酸化剤ガス、元カソードに水素を流すと、しばらくは双方の電極においてガスが混合している状態になる。ガスが混合している状態で、燃料電池スタック1をモータ負荷17に結線して発電を開始すると、電圧−電流発電性能が低下して、発電効率が低下する。このことから、ガス置換が確実に完了したことを判断した後に、燃料電池スタック1とモータ負荷17とを接続して燃料電池スタック1の発電を開始させることにより、発電効率の低下を抑えることができる。
(請求項4の効果)
つぎに、上述したように燃料電池システムにおいて、燃料電池スタック1の発電開始時に、第一の電極111と第二の電極112との間でアノードとカソードとを切り換える動作について図5を参照して説明する。
図5に示すように、先ず、ステップS11において、コントローラ22に、例えば燃料電池システムの始動キーをユーザが操作したことなどによる起動信号が入力されると、コントローラ22は、ステップS12において、熱電対19で計測している燃料電池スタック1の温度を読み込む。なお、この説明では、ステップS11で起動信号を入力する前であって前回に燃料電池スタック1の発電を停止させた時に、第一の電極111に燃料ガスを供給すると共に第二の電極112に酸化剤ガスを供給していたものとする。
燃料電池スタック1の温度を読み込んだ後、次のステップS13において、コントローラ22は、燃料電池スタック1の温度が0℃以下であるか否かを判定する。ここで、燃料電池スタック1の温度が0℃以下であるか否かを判定するのは、燃料電池スタック1内の水分が凍結している可能性があるか否かを判定するためであるので、他の所定値と燃料電池スタック1の温度とを比較しても良い。燃料電池スタック1の温度が0℃以下であると判定した場合にはステップS15に処理を進め、燃料電池スタック1の温度が0℃以下ではないと判定した場合にはステップS14に処理を進める。
ステップS14において、コントローラ22は、燃料電池スタック1内の水分が凍結している可能性はないものと判定し、燃料電池スタック1に燃料ガス及び酸化剤ガスを供給させると共に、燃料電池スタック1とモータ負荷17とを導通させて、燃料電池スタック1を通常発電させて、処理を終了する。
ステップS15において、コントローラ22は、ステップS12で読み込んだ燃料電池スタック1の温度が−30℃以下であるか否かを判定する。ここで、燃料電池スタック1の温度が−30℃以下であるか否かを判定するのは、燃料電池スタック1におけるアノードとカソードとを切り換える必要があるか否かを判断するためである。コントローラ22によって燃料電池スタック1の温度が−30℃以下であると判定した場合には、ステップS17に処理を進め、燃料電池スタック1の温度が−30℃以下ではないと判定した場合にはステップS16に処理を進める。
ステップS16において、コントローラ22は、燃料電池スタック1の発電を開始させた後に燃料電池スタック1の電圧の急激な低下が発生することが予測できるか否かを判定するために、予め作成して記憶しておいたマップを参照して、燃料電池セル(MEA)の吸水可能量が所定値以上であるか否かを判定する。例えばステップS11において起動信号が入力される前における燃料電池スタック1の発電停止時にカソードに水分が滞留しているために燃料電池スタック1内に氷が存在して、燃料電池スタック1の発電を開始しても、発電電圧の低下を引き起こす可能性があるか否かを予測する。
このとき、コントローラ22は、ステップS12で検出した燃料電池スタック1の温度、燃料電池スタック1からの取り出し電流、前回に燃料電池スタック1の発電を停止した時の燃料電池スタック1内の保有水分量、燃料電池スタック1の熱容量、燃料電池セルの保水能力、燃料電池スタック1の発電履歴である燃料電池システムの運転履歴の何れかから、燃料電池セルの吸水可能量を予測する。例えば、発電開始時の温度が高いほど吸水可能量を高く予測する、取り出し電流が高いほど吸水可能量を低く予測する、前回停止時のスタック内の保有水分量が高いほど吸水可能量を低く予測する、スタックの熱容量が高いほど吸水可能量を等価的に低く予測する、又は、スタック内のMEAの保水能力が高いほど吸水可能量を高く予測する。なお、燃料電池スタック1の熱容量が高いとスタック温度の上昇速度が小さく0℃以上になるまでに時間がかかるのでより高い吸水可能量が必要となる。
そして、コントローラ22により、燃料電池セルの吸水可能量が所定値以上ではないと判定した場合には、ステップS17に処理を進め、燃料電池セルの吸水可能量が所定値以上であると判定した場合にはステップS23に処理を進める。
これにより、現在の燃料電池スタック1の吸水可能量が高いと予測される場合には発電によりカソードを覆うような水分による氷が発生しないものと判定して、燃料電池スタック1のアノードとカソードとの入れ替えをせずにステップS23に移行する。一方、現在の燃料電池スタック1の吸水可能量が低いと予測される場合には、発電によりカソードを覆うような水分による氷が発生する可能性が高いと判定してステップS17に処理を進める。
また、このステップS16において、コントローラ22は、燃料電池スタック1の発電を開始させた後に燃料電池スタック1の電圧の急激な低下が発生するまでの時間(第二の所定時間)である発電可能時間を演算する。
ここで、氷点下で燃料電池スタック1の発電を行うと生成水が触媒表面から 触媒層102,105内を通って高分子電解質膜101に吸収され、吸収できなくなってくると触媒層102,105内に水があふれだして凍結し、酸素が到達しなくなりセル電圧が低下する。このような現象より、発電可能時間は、高分子電解質膜101と触媒層102,105で発電により生成した水をどれだけ保水することができるか(可能保水量)に依存することになる。このことから、燃料電池スタック1の燃料電池セル(MEA)が本来持っている保水能力から、前回の燃料電池スタック1の運転履歴に基づく燃料電池スタック1の発電停止時に残留している水量を差し引いて、セル電圧が低下するまでの燃料電池セルの可能保水量を見積もることができる。そして、燃料電池スタック1の発電開始時の電流を決めると、燃料電池セルの保水量は電流×時間に比例するので、当該保水量が可能保水量を超えるまでの時間をセル電圧が低下するまでの発電可能時間として見積もることができる。
一方、燃料電池スタック1の温度は電気化学反応による生成熱により上昇していくが、燃料電池スタック1の上昇温度は、生成熱×燃料電池スタック1の熱容量×発電時間で見積もることができ、生成熱は、(理想電圧−実際のセル電圧)×電流で見積もることができる。この理想電圧は、ギブスの自由エネルギー分にエントロピー分を加えたものであり、室温で1.4V程度である。このように、燃料電池スタック1の発電開始後のある時間後におけるおおよその燃料電池スタック1の温度とセル電圧の低下が発生するか否かを判断できる。
本例においては、ある燃料電池セル、燃料電池スタック1の温度・電流・前回停止時の保有水分量といった条件ごとに、燃料電池スタック1の発電を開始してからセル電圧の低下が発生するまでの時間を予め実験などで求めてマップを作成しておき、セル電圧が低下する前に確実に燃料電池スタック1の発電を中断できるような発電可能時間を設定しておく。
例えば、燃料電池スタック1の温度が低いほど所定時間を短く設定し、燃料電池スタック1からの取り出し電流が高いほど所定時間を短く設定し、前回に燃料電池スタック1の発電を停止した時の燃料電池スタック1内の保有水分量が多いほど所定時間を短く設定し、燃料電池スタック1の熱容量が大きいほど所定時間を短く設定し、燃料電池セルの保水能力が低いほど所定時間を短く設定し、燃料電池スタック1の発電履歴である燃料電池システムの運転履歴によってカソードに多くの水分が残っているほど所定時間を短く設定するようなマップを予めコントローラ22に記憶させておく。そして、実際に発電可能時間を設定する場合には、実際の燃料電池スタック1の温度、燃料電池スタック1からの取り出し電流、燃料電池スタック1内の保有水分量、燃料電池スタック1の熱容量、燃料電池セルの保水能力、燃料電池スタック1の発電履歴を取得して、発電可能時間を設定する。
ステップS23において、コントローラ22は、燃料電池スタック1に氷点下に対応した発電を行わせる。この氷点下に対応した発電とは、燃料電池スタック1の温度を0℃以上に上昇させるために、モータ負荷17が必要とする電力よりも高い電力を発電させる動作である。したがって、コントローラ22は、モータ負荷17が必要とする電力よりも高い電力を燃料電池スタック1で発電させるように、燃料電池スタック1への燃料ガス供給量及び酸化剤ガス供給量を高く調整する。これにより、燃料電池スタック1の発電に伴う生成熱や、モータ負荷17が必要な電力よりも余剰した電力により、燃料電池スタック1やガス配管を加熱させる。
次のステップS24において、コントローラ22は、ステップS23にて氷点下に対応した発電を燃料電池スタック1に行わせたことによって、熱電対19で検出している燃料電池スタック1の温度を読み込み、燃料電池スタック1の温度が0℃以上となったか否かを判定する。コントローラ22によって、燃料電池スタック1の温度が0℃以上とはなっていないと判定した場合にはステップS23の氷点下に対応した発電を継続させる。
一方、コントローラ22により、燃料電池スタック1の温度が0℃以上となったと判定した場合には、ステップS25に処理を進めて、燃料電池スタック1に通常発電を行わせる。この燃料電池スタック1の通常発電とは、モータ負荷17が必要とする電力を満たすように燃料電池スタック1への燃料ガス供給量及び酸化剤ガス供給量を調整する動作である。
ステップS15又はステップS16の後のステップS17において、コントローラ22は、燃料電池スタック1のアノードとカソードとを入れ替える。このとき、コントローラ22は、第一の電極111に酸化剤ガスを供給させると共に第二の電極112に燃料ガスを供給させ、制御回路16を制御して第一の電極111及び第二の電極112に対するモータ負荷17の正極及び負極の切り換えを行う。ここで、燃料電池システムは、上述の図3におけるステップS4のように、第一の電極111及び第二の電極112のガスを完全に置換する必要はない。
このように、前回に燃料電池スタック1を発電させた時に燃料ガスが供給されていた第一の電極111に酸化剤ガスを供給し、前回に燃料電池スタック1を発電させた時に酸化剤ガスが供給されていた第二の電極112に燃料ガスを供給すると、第二の電極112のうちの触媒層105が氷で覆われていても発電反応を起こさせることができる。
これは、発明者らの実験により、セル電圧が低下した後、アノードとカソードの電極を入れ替えて発電を行うと、セル電圧低下前の発電と同程度のセル電圧を得ることができる発電をさらに行うことが可能になるということを見出したことによる。この理由としては、アノードを第一の電極111としカソードを第二の電極112とした状態から、第一の電極111をカソードとし第二の電極112をアノードとした状態に入れ替えると、元々カソードであった第二の電極112の触媒層105に水素が供給されることになるが、元々カソードであった第二の電極112の触媒層105の一部は氷で覆われてしまっていても水素が第二の電極112の触媒層105の表面に到達しプロトンへ変化する反応が進む程度のガスの通路は確保されているためである。また、元々アノードであった第一の電極111の触媒層103は、ほとんど氷では覆われていないので、十分な酸素供給通路は確保されている。このようなことから、第一の電極111と第二の電極112とでアノードとカソードとを入れ替えることにより、セル電圧が低下しても、セル電圧が低下する前の発電と同程度の発電を行うことが可能となる。
ステップS17において第一の電極111及び第二の電極112にガスを供給開始し、ステップS18において、コントローラ22により、燃料電池スタック1とモータ負荷17とを導通させるように制御回路16を制御して、燃料電池スタック1に氷点下に対応した発電を行わせる。
次のステップS19において、コントローラ22は、ステップS18にて燃料電池スタック1の発電を開始させた後に所定時間(第二の所定時間)が経過したか否かを判定し、所定時間が経過したと判定した場合に燃料電池スタック1の発電を中断させる。この所定時間は、マップを参照してステップS16で設定された値である。
次のステップS20において、コントローラ22は、再度燃料電池スタック1のアノードとカソードとを入れ替える。これにより、第一の電極111には燃料ガスを供給させると共に第二の電極112には酸化剤ガスを供給させ、制御回路16を制御して、第一の電極111及び第二の電極112に対するモータ負荷17の正極及び負極の切り換えを行う。これにより、第一の電極111及び第二の電極112に供給するガスの種類と、第一の電極111及び第二の電極112に対するモータ負荷17の正極及び負極の接続関係をステップS11で発電開始する前の状態に戻す。
次のステップS21において、コントローラ22により、燃料電池スタック1に氷点下に対応した発電を再開させる。
次のステップS22において、コントローラ22は、ステップS22にて氷点下に対応した発電を燃料電池スタック1に行わせたことによって、熱電対19で検出している燃料電池スタック1の温度を読み込み、燃料電池スタック1の温度が0℃以上となったか否かを判定する。コントローラ22によって、燃料電池スタック1の温度が0℃以上とはなっていないと判定した場合にはステップS23の氷点下に対応した発電を継続させ、燃料電池スタック1の温度が0℃以上となった場合には、ステップS25に処理を進めて燃料電池スタック1に通常発電を行わせる。
このような動作を行う燃料電池システムは、図6に示すように、燃料電池スタック1の温度が−20℃といった氷点下である場合であって、時刻t1にてステップS17のように燃料電池スタック1のアノードとカソードとを入れ替え、時刻t2にてステップS18のように燃料電池スタック1の発電を開始させると、モータ負荷17に電流が流れて一旦第一の電極111と第二の電極112との間のセル電圧は低下する。その後、燃料電池スタック1の発電を継続し、上述したように燃料電池スタック1のアノードとカソードとを入れ替えない比較例の場合には、時刻t3以降で燃料電池スタック1のセル電圧が急低下する。
このように、特に氷点下において燃料電池スタック1の発電を開始した後、燃料電池スタック1の反応熱による自己発熱によって燃料電池スタック1の温度上昇が十分でないと、ある時間の後にセル電圧が低下して発電不能になるが、このセル電圧の低下は、発電により生成した水が溢れ出し、カソードの触媒層の氷で覆われている面積が拡大することにより、酸素が触媒表面に供給できなくなるためと考えられる。
これに対し、上述の燃料電池システムは、燃料電池スタック1のセル電圧が低下する前の時刻t3にて、ステップS19のように燃料電池スタック1の発電を中断させ、時刻t4〜t5にて燃料電池スタック1のアノードとカソードとを入れ替え、時刻t6にて再度燃料電池スタック1を発電させる。これにより、燃料電池スタック1のセル電圧が急低下することなく、燃料電池スタック1の温度が0℃以下まで上昇させて、通常発電に移行させることができる。
以上説明したように、本発明を適用した燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1の温度が氷点下である時に燃料電池スタック1の発電を開始し、その後にセル電圧が低下する前に燃料電池スタック1の発電を中断してアノードとカソードを入れ替えて再度燃料電池スタック1の発電を開始するので、セル電圧の低下を防止して長い時間に亘って燃料電池スタック1の発電を継続できる。これにより、燃料電池スタック1の温度を0℃以上に上昇させ、燃料電池スタック1が発電不能に陥ることなく燃料電池スタック1の発電を継続することが可能になる。
なお、燃料電池スタック1のセル電圧が低下してしまった後であっても、アノードとカソードを入れ替えて燃料電池スタック1を発電させることは可能であるが、燃料電池スタック1の発電効率が低下するので、セル電圧が低下する前に一旦燃料電池スタック1の発電を中断させるように、ステップS19における所定時間を設定することが望ましい。
また、この燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1の温度が−30℃以下といった所定温度以下である場合に(ステップS15)、ガスの入れ替え及び燃料電池スタック1に対するモータ負荷17の接続の切り換えを行って(ステップS17)、燃料電池スタック1の発電を開始させ(ステップS18)、燃料電池スタック1の発電を開始させた後の第二の所定時間後、燃料電池スタック1の発電を停止させ(ステップS19)、再度ガスの入れ替えを行った後に(ステップS20)、燃料電池スタック1の発電を再開させるので(ステップS21)、ステップS17でガスの入れ替えを行って燃料電池スタック1の発電が継続する時間を長くできる。これにより、燃料電池スタック1の温度が0℃以上となるまで燃料電池スタック1の発電を継続させることができ、より確実に燃料電池スタック1を通常発電に移行させることができる。
例えば、−30℃以下のように燃料電池スタック1の温度が非常に低い場合には、どのように燃料電池スタック1の発電電流を調整しても、燃料電池スタック1の発電による生成熱により十分に燃料電池スタック1の温度が上昇する前に電圧低下を引き起こしてしまう。この場合であっても、燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1の発電を継続させて、確実に燃料電池スタック1の温度を0℃以上とできる。
なお、本例では、燃料電池スタック1の温度が0℃以上となった場合に通常発電に移行させるが、燃料電池スタック1の温度が10℃以上となった場合に通常発電に移行させても良い。このようにすることにより、0℃で融解した水が燃料電池スタック1の外に排出するまである程度の時間がかかることを考慮に入れることができる。
更に、この燃料電池システムによれば、熱電対19により、燃料電池スタック1の発電を開始させる前の燃料電池スタック1の温度を検出し(ステップS12)、燃料電池スタック1の温度が0℃以下といった所定温度以下であり(ステップS13)、且つ、燃料電池スタック1の発電を開始させた後に燃料電池スタック1の電圧の急激な低下が発生することが予測される場合に(ステップS16)、ガスの入れ替えを行った後に(ステップS17)、燃料電池スタック1の発電を開始させ(ステップS18)、燃料電池スタック1の発電を開始させた後の所定時間後(ステップS19)、燃料電池スタック1の発電を停止させ(ステップS19)、ガスの入れ替えを再度行った後に(ステップS20)、燃料電池スタック1の発電を再開させるので(ステップS21)、燃料電池スタック1のセル電圧の急低下を発生させることなく、燃料電池スタック1の温度が0℃以上となるまで燃料電池スタック1の発電を継続させることができる。
一般に、燃料電池スタック1の発電停止時にはガスを流すなどの水分のパージが行われており、燃料電池スタック1の生成水がガスの拡散層等に残らないようにしている。仮に前回の燃料電池スタック1の発電停止の際にパージが十分に行われなかった場合や、燃料電池スタック1が所定温度(0℃)以上に上昇する前に燃料電池スタック1の発電を終了した後には、カソードの触媒層に生成水が多く残留している。このような場合であって氷点下で燃料電池スタック1の発電を開始させる場合には、燃料電池スタック1の電流値をどのような値に設定しても、燃料電池スタック1の発電による生成熱により十分に温度が上昇する前に電圧低下を引き起こしてしまうと予想される。
このように、燃料電池スタック1の発電を開始した後に電圧低下を引き起こすと予測される場合には、第一の電極111と第二の電極112とでアノードとカソードとを入れ替えることにより、触媒層が氷で覆われていても当該氷を通過して水素を供給できるので、燃料電池スタック1の発電を継続時間が延長でき、燃料電池スタック1の温度が0℃以上になるまで燃料電池スタック1の発電を継続できるようになり、氷点下において燃料電池スタック1の発電を開始する信頼性を高くすることができる。
更にまた、この燃料電池システムによれば、ステップS18で燃料電池スタック1の発電を開始し、ステップS19で燃料電池スタック1の発電を停止する所定時間(第二の所定時間)を、燃料電池スタック1の発電を開始させた時の燃料電池スタック1の温度、燃料電池スタック1の発電電流、燃料電池スタック1の保有水分量、燃料電池スタック1の熱容量、燃料電池セルの保水可能量、燃料電池スタック1の運転履歴の何れか一つの要素に基づいて決定して、燃料電池スタック1の発電電圧が低下する前に、ステップS19で発電を中断してステップS20にて燃料電池スタック1のアノードとカソードとを入れ替えることができる。
燃料電池スタック1の電圧が低下して燃料電池スタック1のある箇所のセル電圧が0V以下になると、燃料電池スタック1が電池から抵抗体に代わり、発電する代わりに電力を消費することになるので、発電効率が低下する。すなわち、セル電圧が低下する前に発電を中断するように所定時間を設定することにより、発電効率を低下させることなく、氷点下から燃料電池スタック1を通常発電に移行させることができる。
つぎに、上述したように燃料電池システムにおいて、燃料電池スタック1の発電開始時に、第一の電極111と第二の電極112との間でアノードとカソードとを切り換える他の動作について図7を参照して説明する。なお、図5と同じ動作については、同一ステップ番号を付することにより、その詳細な説明を省略する。
図7に示すように、ステップS11で起動信号を入力し、ステップS12で熱電対19から燃料電池スタック1の温度を読み込み、ステップS13において燃料電池スタック1の温度が0℃以下と判定した場合に、ステップS31に処理を進める。
ステップS31において、コントローラ22は、ステップS23等と同様に燃料電池スタック1に氷点下に対応した発電を行わせる。
次のステップS32において、コントローラ22は、電圧計18からセル電圧を読み込み、セル電圧の急低下を検出したか否かを判定する。このとき、コントローラ22は、予め実験等によって求められた、急激なセル電圧であることが判定できるようなセル電圧や、急激なセル電圧であることが判定できるような単位時間当たりのセル電圧の低下幅(微分値)などの情報を記憶しておき、当該単位時間当たりに所定のセル電圧の低下幅を検出した場合に、セル電圧の急低下を検出したと判定する。また、このステップS32では、ミリオームメータを用いて1kHz程度のインピーダンスをモニタしておき、当該インピーダンスが急上昇した場合に、ステップS34に処理を進めても良い。
コントローラ22によってセル電圧の急低下が検出された場合には、ステップS34に処理を進め、コントローラ22によってセル電圧の急低下が検出されていない場合には、ステップS33に処理を進める。
ステップS33において、コントローラ22は、再度熱電対19から燃料電池スタック1の温度を読み込んで、燃料電池スタック1の温度が0℃以上となったことを判定した場合にはステップS38にて燃料電池スタック1に通常発電をさせる。一方、燃料電池スタック1の温度が0℃以上とはなっていないと判定した場合には、ステップS31に処理を戻して燃料電池スタック1の発電を継続させる。
ステップS32でセル電圧の急低下を検出した場合、コントローラ22は、ステップS34において、燃料電池スタック1の発電を中断させ、次のステップS35において、燃料電池スタック1のアノードとカソードとを入れ替え、次のステップS36において、燃料電池スタック1の発電を再開させる。
その後、コントローラ22は、熱電対19で測定している燃料電池スタック1の温度をモニタし、燃料電池スタック1の温度が0℃以上となった場合に、ステップS38にて燃料電池スタック1に通常発電をさせる。
このように、燃料電池システムは、燃料電池スタック1の発電を開始させる前の燃料電池スタック1の温度が0℃以下といった所定温度以下であり(ステップS13)、且つ、燃料電池スタック1の発電を開始させた後に(ステップS31)、燃料電池スタック1の電圧の急激な低下を検出した場合に(ステップS32)、燃料電池スタック1の発電を停止させ(ステップS34)、燃料電池スタック1のアノードとカソードとを入れ替える(ステップS35)ので、燃料電池スタック1のアノードとカソードとを入れ替えずとも燃料電池スタック1のセル電圧が急低下せずに燃料電池スタック1の温度が0℃以上となる場合に無駄なアノードとカソードとの入れ替えをしなくても良い。
例えば、上述のステップS16にて燃料電池スタック1のアノードとカソードとを入れ替えることを予測してステップS17以降の動作をしても、実際には燃料電池スタック1のアノードとカソードとの入れ替えが必要ない場合があり、このような無駄なアノードとカソードとの入れ替えをする必要がない。これにより、起動信号を入力してから燃料電池スタック1に通常発電をさせるまでの時間を短縮できる。
なお、ステップS35で燃料電池スタック1のアノードとカソードとの入れ替えを行った後の燃料電池スタック1の通常発電では、ステップS11で起動信号を入力した時点でのアノード及びカソードとは逆になっているが、そのままの状態で発電を継続しても良く、例えば50℃といった所定の温度に達した時や図示しないバッテリに蓄えた電力が十分になって燃料電池スタック1の発電を一旦停止してもモータ負荷17を駆動し続ける余裕ができた時点で再度アノードとカソードとの入れ替えを行っても良い。
また、ステップS35にてアノードとカソードとを入れ替えた後にステップS36にて燃料電池スタック1の発電を開始するに際してモータ負荷17に流す電流は、アノードとカソードとを入れ替える前の燃料電池スタック1の温度よりもアノードとカソードとを入れ替えた後の燃料電池スタック1の温度の方が上昇しており、新たにカソードとなった第一の電極111又は第二の電極112には氷がほとんど張っていないので、高い電流で発電させてもセル電圧の低下が抑えられ、構わないと思われる。
更に、図5において説明したように、ステップS17で一旦燃料電池スタック1のアノードとカソードとを入れ替えた後に、燃料電池スタック1の発電を開始させ、ステップS19にて所定時間後に燃料電池スタック1の発電を中断することに代えて、図7のステップS32のようにセル電圧の急低下を検出した場合に、燃料電池スタック1の発電を中断した燃料電池スタック1のアノードとカソードとを入れ替えても良い。
(請求項5,6のフォロー)
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
本発明を適用した燃料電池システムを構成する燃料電池セルの断面図である。 本発明を適用した燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 本発明を適用した燃料電池システムにより、燃料電池スタックのアノードとカソードとを入れ替える動作手順のフローチャートである。 ガス供給用バルブ群及びガス排出用バルブ群の状態を説明する図である。 本発明を適用した燃料電池システムにおいて、燃料電池スタックの発電開始時に、第一の電極と第二の電極との間でアノードとカソードとを切り換える動作手順を示すフローチャートである。 本発明を適用した燃料電池システムにより図5のような動作をした時のセル電圧及び燃料電池スタックの温度の時間変化を示す図である。 本発明を適用した燃料電池システムにおいて、燃料電池スタックの発電開始時に、第一の電極と第二の電極との間でアノードとカソードとを切り換える他の動作手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 燃料電池スタック
1a 燃料電池セル
1b エンドプレート
2 水素タンク
3,5 圧力調整弁
4 コンプレッサ
6 第1の三方バルブ
7 第2の三方バルブ
8 第3の三方バルブ
9 第4の三方バルブ
10 第5の三方バルブ
11 第6の三方バルブ
12 第7の三方バルブ
13 第8の三方バルブ
14 水素循環制御装置
15 水素燃焼器
16 制御回路
17 モータ負荷
18 電圧計
19 熱電対
20 第一配線
21 第二配線
22 コントローラ
101 高分子電解質膜
102,105 触媒層
103,106 ガス拡散層
104,107 ガス流路
111,112 電極

Claims (9)

  1. 電解質膜と当該電解質膜を挟持する第一の電極及び第二の電極とからなる燃料電池セルを複数積層してなる燃料電池スタックに燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、前記燃料電池スタックに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置とを備えた燃料電池システムの制御方法であって、
    前記第一の電極に燃料ガスを供給すると共に前記第二の電極に酸化剤ガスを供給する第一の状態と、前記第一の電極に酸化剤ガスを供給すると共に前記第二の電極に燃料ガスを供給する第二の状態とが切り換え可能であり、且つ電気負荷に対する前記第一の電極及び前記第二の電極の電気的な正極と負極とが切り換え可能な燃料電池システムを、前記第一の状態と前記第二の状態との間で切り換える所定の条件を満たしているか否かを判断する判断ステップと、
    前記所定の条件を満たしていると判断した場合に、前記第一の状態と前記第二の状態とを切り換えるガス切り換えステップと、
    前記電気負荷に対する前記第一の電極及び前記第二の電極の電気的な正極と負極とを切り換える電極切り換えステップと、
    前記燃料電池スタックの発電を開始する発電開始ステップと
    を有することを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
  2. 前記ガス切り換えステップは、前記酸化剤ガスで満たされている前記第一の電極又は前記第二の電極の一方の電極に燃料ガスを供給し、当該燃料ガスの供給を開始した第一の所定時間後に、他方の電極に酸化剤ガスを供給することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システムの制御方法。
  3. 前記ガス切り換えステップの前に、前記燃料電池スタックと前記電気負荷との電気的な接続を切断し、
    前記ガス切り換えステップの後に、ガスの置換が完了したと判定した後に、前記電極切り換えステップを行って、前記燃料電池スタックと前記電気負荷とを電気的に接続すること
    を特徴とする請求項1に記載の燃料電池システムの制御方法。
  4. 前記燃料電池スタックの電圧を検出する電圧検出手段により、前記燃料電池スタックと前記電気負荷との電気的な接続を切断している時の無負荷電圧を検出し、当該無負荷電圧が所定電圧値以上となった場合に、ガスの置換が完了したと判定することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システムの制御方法。
  5. 前記燃料電池スタックの発電を開始させる前の前記燃料電池スタックの温度を検出する温度検出手段により、前記燃料電池スタックの温度を測定し、
    前記判断ステップにより前記燃料電池スタックの温度が所定温度以下であると判断した場合に、前記ガス切り換えステップ及び前記電極切り換えステップを行って、前記燃料電池スタックの発電を開始させ、
    前記燃料電池スタックの発電を開始させた後の第二の所定時間後、又は、前記燃料電池スタックの電圧の急激な低下を検出した場合に、前記燃料電池スタックの発電を停止させ、
    前記ガス切り換えステップを再度行った後に、前記燃料電池スタックの発電を再開させること
    を特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の燃料電池システムの制御方法。
  6. 前記燃料電池スタックの発電を開始させる前の前記燃料電池スタックの温度を検出する温度検出手段により、前記燃料電池スタックの温度を測定し、
    前記判断ステップにより前記燃料電池スタックの温度が所定温度以下であり、且つ、前記燃料電池スタックの発電を開始させた後に前記燃料電池スタックの電圧の急激な低下が発生することが予測されると判断した場合に、前記ガス切り換えステップを行った後に、前記燃料電池スタックの発電を開始させ、
    前記燃料電池スタックの発電を開始させた後の第二の所定時間後、又は、前記燃料電池スタックの電圧の急激な低下を検出した場合に、前記燃料電池スタックの発電を停止させ、
    前記ガス切り換えステップを再度行った後に、前記燃料電池スタックの発電を再開させること
    を特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の燃料電池システムの制御方法。
  7. 前記第二の所定時間は、前記燃料電池スタックの発電を開始させた時の前記燃料電池スタックの温度、前記燃料電池スタックの発電電流、前記燃料電池スタックの保有水分量、前記燃料電池スタックの熱容量、前記燃料電池セルの保水可能量、前記燃料電池スタックの運転履歴の何れか一つの要素に基づいて決定されていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の燃料電池システムの制御方法。
  8. 前記燃料電池スタックの発電を開始させる前の前記燃料電池スタックの温度を検出する温度検出手段により、前記燃料電池スタックの温度を測定し、
    前記判断ステップにより前記燃料電池スタックの温度が所定温度以下であり、且つ、前記燃料電池スタックの発電を開始させた後に前記燃料電池スタックの電圧の急激な低下を検出した場合に、前記燃料電池スタックの発電を停止させ、
    前記ガス切り換えステップを行った後に、前記燃料電池スタックの発電を再開させること
    を特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の燃料電池システムの制御方法。
  9. 電解質膜と当該電解質膜を挟持する第一の電極及び第二の電極とからなる燃料電池セルを複数積層してなる燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタックに燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、
    前記燃料電池スタックに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置と、
    を備えた燃料電池システムの制御装置であって、
    前記燃料ガス供給手段及び前記酸化剤ガス供給手段は、前記第一の電極に燃料ガスを供給すると共に前記第二の電極に酸化剤ガスを供給する第一の状態と、前記第一の電極に酸化剤ガスを供給すると共に前記第二の電極に燃料ガスを供給する第二の状態とが切り換え可能であり、
    電気負荷に対する前記第一の電極及び前記第二の電極の電気的な正極と負極とが切り換え可能な制御回路と、
    前記第一の状態と前記第二の状態との間で切り換える所定の条件を満たしているか否かを判断する判断手段と、
    前記所定の条件を満たしていると判断した場合に、前記第一の状態と前記第二の状態とを切り換えるように前記燃料ガス供給手段及び前記酸化剤ガス供給手段を制御するガス切り換え手段と、
    前記電気負荷に対する前記第一の電極及び前記第二の電極の電気的な正極と負極とを切り換えるように前記制御回路を制御する電極切り換え手段と
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
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CN111928665A (zh) * 2020-08-17 2020-11-13 贵州金源锰业有限公司 一种可变回路的直流矿热电炉

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