JP2007280678A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】各積層セル面内での電流分布を均一化させ、各セルにおいて局部的な劣化の生じ難い燃料電池を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明では、積層された各セルにおいて生じた電力を集電する、複数の端子を備えた集電板を有する燃料電池において、前記複数の端子からの出力を独立して制御することが可能な燃料電池が提供される。このような構成では、集電板に設けられた複数の端子に流れる出力電流をそれぞれ独立に制御することにより、各セルの面内での電流分布を均一化させることが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池に関し、特に電気化学反応により生じた電流がセル積層方向に沿って均一に流れる燃料電池に関する。
燃料電池は、水素ガスなどの燃料ガスと、酸素を含む酸化剤ガスとを電解質を介して電気化学的に反応させ、電解質両面に設けた電極間から電気エネルギーを取り出す発電システムである。
一例として固体高分子電解質型燃料電池の例を挙げると、燃料電池は、イオン交換膜からなる電解質膜と、この電解質膜の一面に配置されたアノード電極および電解質膜の他面に配置されたカソード電極とからなる単セルを複数層重ねた燃料電池スタックとして利用される。
通常、このような燃料電池スタックは、一端からエンドプレート、絶縁板、集電板、複数のセル、集電板、絶縁板、エンドプレートの順に積層されて構成される。集電板は、スタックを構成する各セルで生じた電力(電流)を集電するために使用される。また通常、集電板には、集電された電力を外部に供給するため、少なくとも一つの出力取り出し端子(以下電流端子という)が設けられる。
しかしながら、それぞれの集電板に電流端子が一つずつしか設置されない場合、集電板の電流端子を設置した場所の近傍に偏った電流集中が生じるため、特にスタックの両端側に近い位置のセルでは、面内電流分布が不均一となってしまう。またこのような面内での不均一な電流分布状態が続くと、当該セルの発電性能が低下するとともに、スタック全体としての性能も大きく低下してしまう。特に、燃料電池の過渡応答時には、同一セル面内での局部的な発電集中が顕著となるため、このような性能低下がさらに加速されてしまう。
そこでこのような集電板の電流端子部での電流集中を抑制するため、同一の集電板の外縁部に2つ以上の電流端子を略対称に設置する技術が示されている(特許文献1、2)。
実開昭62−48664号公報 特開昭58−128675号公報
しかしながら特許文献1、2のように、同一の集電板に複数の電流端子を取り付けても、各セル面内での電流分布が必ずしも均一になるとは限らない。燃料電池の寸法上の制約等の問題から、1枚の集電板に設置することのできる電流端子の数には限りがあり、電流分布の均一化にも限界があるからである。またこの場合、一度セル面内において不均一な電流分布が生じた場合には、これを是正することは不可能である。
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、各積層セル面内での電流分布を均一化させ、各セルにおいて局部的な劣化の生じ難い燃料電池を提供することを課題とする。
本発明では、積層された各セルにおいて生じた電力を集電する、複数の端子を備えた集電板を有する燃料電池において、前記複数の端子からの出力を独立して制御することが可能な燃料電池が提供される。
このように、集電板に設けられた複数の端子に流れる出力電流をそれぞれ独立に制御することにより、各セルの面内での電流分布を均一化させることが可能となる。
ここで、前記複数の端子からの電流量を測定し、該電流量の測定結果に基づいて、各端子からの出力を制御しても良い。これにより、各セルの面内での電流分布をより確実に均一化させることが可能となる。
また本発明の燃料電池では、0℃以下の温度からの起動時に、各セルの発電領域のうちの一部を使用して発電を行うように、前記複数の端子の各端子からの出力を制御しても良い。このような発電操作を行うことにより、燃料電池の迅速な起動が可能となる。
さらに、0℃以下の温度からの起動時に、各セルの発電領域のうち、発電に使用される反応ガスの出口近傍の領域においてのみ発電を行うように、前記複数の端子の各端子からの出力を制御しても良い。この場合、燃料電池での発電反応によって生じる生成水は、速やかにセル外に排出されるため、低温での起動の際に、セル内で生成水が凍結して、十分な発電性能が得られなくなるという問題を回避することができる。
本発明の燃料電池は、集電板に設けられた複数の端子毎に出力制御を行うことが可能であるため、各セルの面内電流分布をより均一化させることができ、局部的な劣化の生じ難い燃料電池を提供することが可能となる。また氷点下等の低温からの燃料電池の迅速な起動が可能となる。
以下図面により本発明の形態を説明する。
図1には、本発明の燃料電池の一構成例を概略的に示す。また図2には、燃料電池スタックの構成図を示す。本発明の燃料電池1は、複数の単セル100の積層体である燃料電池スタック10を有する。ただしこの燃料電池スタック10は、複数の単セル100の他、スタックを積層方向に締め付け固定するエンドプレートと、各単セル100での発電によって生じた電力を集電する集電板と、エンドプレートと集電板間の短絡を防止する絶縁板とを積層して構成される。スタックを構成するこれらの部材は、図2に示すように、スタックの一端側からエンドプレート14、絶縁板22、集電板20、複数の単セル100、別の集電板20、別の絶縁板22、別のエンドプレート14の順に積層されている。
また図2に示すように、集電板20には、集電された電力を外部に供給するための電流端子40が複数個形成されている。通常これらの電流端子40は、導体を介して燃料電池1の2つの出力側(正極および負極)と接続されるが、図2においてはその接続態様は示されていない。図2では、一例として四角形状集電板20の左右2辺に2個ずつ、合計4個の電流端子40が形成されている(ただし図2では右辺のものしか見えていない)。
さらに燃料電池1は、図1に示すように、前述の4つの電流端子40のそれぞれと導体を介して接続された電流均一化手段150と、これらの電流均一化手段150を制御するための制御手段120とを有する。また燃料電池1には、この他にも、燃料電池スタック10での発電反応に必要な反応ガスを供給する反応ガス供給手段、および燃料電池スタック10で使用された排ガスを排出するための反応ガス排出手段等を構成する部品が設置されているが、これらの構成については当業者に明らかであるため説明は省略する。
電流均一化手段150は、例えばチョッパ回路等、各電流端子40を通る電流量を調整することのできる回路で構成される。チョッパ回路とは、例えばスイッチのオンオフ周期を変化させることにより、回路を流れる平均電流を制御することのできる回路であって、このようなチョッパ制御方法は、電車の運転等に広く利用されている。また制御手段120は、各電流端子40に流れる電流量を監視するためのモニタ手段121(例えば電流計)と、監視結果に基づいて、それぞれの電流端子40に流れる電流が均一になるように電流均一化手段150を操作する解析手段124とを備えている。
ここで従来のように、電流端子が各集電板に対して1箇所にしか設置されていない場合、各単セルでの発電による出力電流は、集電板の電流端子に集電される際、各単セルの面内において、各部分からの電流端子までの距離が異なるため、距離の短い箇所から電流端子に流入する電流に比べて、距離の長い部分から電流端子に流入する電流は、電圧ロスによってその値が小さくなる。またこの傾向は、集電板からの距離が近い単セル、すなわち燃料電池スタックの端部近傍側の単セル程顕著となる。その結果、各単セルの面内、さらには燃料電池スタックの積層方向に電流分布の不均一が生じる。このような状態では、単セルの面内において大きな電流の流れる領域で、小さな電流の流れる領域での電流不足相当分を補う必要が生じるため、大きな電流の流れる領域は、小さな電流の流れる領域に比べて、最大出力を超えるような高負荷発電状態に陥りやすい傾向にある。このため、特にスタック端部近傍の単セルにおいては、セル内での局部的な性能劣化が促進され、これに伴い、燃料電池全体としての発電性能の低下および寿命の短縮が生じてしまう。
またこの問題の解消のため、近年では、一つの集電板に対して複数個の電流端子を設けることが提案されている。この電流端子の数は、電流分布の均一性と相関するため、電流分布を均一化させるには、対称位置にできるだけ多くの電流端子を設ける必要がある。しかしながら、システム上の制約等の問題から、集電板に極端に多くの数の電流端子を設けることは現実的には難しい。このため実際には、限られた数の電流端子を設置せざるを得ず、電流分布の均一化には限界がある。従って、各電流端子間での出力に差異が生じる問題は、依然として残り、一度セル積層方向において不均一な電流分布が生じた場合には、これを是正することは不可能である。
しかしながら、本発明では、集電板20の周縁部の適当な場所に複数個の電流端子40を形成し、さらにこれらの電流端子40のそれぞれに対して、電流均一化手段150を設けていることに特徴がある。これにより、各部位の出力電流を独立して制御することが可能となる。
例えば図2に示す燃料電池では、1枚の四角形状集電板20の左右2辺に2個ずつ、合計4個の電流端子40が形成され、各電流端子40は、それぞれ電流均一化手段150と接続されている。このような構成において、燃料電池1の発電時には、集電板20の各電流端子40を流れる電流を制御手段120により常時監視しておき、各電流端子40を流れる電流が不均一になったことが確認された場合には、制御手段120により電流均一化手段150を制御して、各電流端子40からの電流量が一定になるように操作する。このような操作を行うことによって、燃料電池のセル積層方向における電流分布がより均一となり、セルの局部的な劣化が抑制される。
なお、このような集電板20に設けられる電流端子40の数は、特に限られない。理想的には、端子の数が多いほど、各セルの面内電流分布を均一化させることがより容易となるが、この場合、電流均一化手段などの必要な構成部品数が増加するとともに、均一化のための制御がより複雑化するため、燃料電池がより高コスト、大型化する。従って実際には、電流端子40の数は、1枚の集電板に対して4〜8程度が好ましい。また、電流端子40は、集電板20の該縁部に、それぞれ左右上下対称となる位置に設置することが好ましい。これにより、各セル面内での電流分布を均一化させることが容易となる。
このように本発明の燃料電池では、前述の単セル100面内およびスタック積層方向での電流分布の不均一の問題が解消され、燃料電池1の局部的な劣化および電池性能の長期安定化が可能となる。
以下、各電流端子40を流れる電流を均一化するための具体的な方法について詳しく説明する。
図3には、本発明による燃料電池1の運転制御フロー図を示す。図3において、ステップS100では、燃料電池1の発電/非発電(例えば停止)状態が常時確認されている。この発電/非発電状態の確認は、例えば前述のモニタ手段121を用いて、燃料電池1からの出力をモニタすること等によって行われる。その結果、燃料電池1が非発電状態にあることが確認された場合、以降の制御ステップは実施されない。
一方燃料電池1が発電状態にあることが確認された場合、ステップS110では、モニタ手段121によって、前述の集電板20の各区画に設置された複数の電流端子40からの電流値が測定される。次にステップS120では、制御手段120は、モニタ手段121での測定結果に基づき、セル積層方向と垂直な方向での電流分布(すなわち各セル100の面内での電流分布)を判断する。その結果、例えば各電流端子40からの出力が略同等の場合など、各セル100の面内で均一な発電が行われていることが確認された場合、操作ステップは再びステップS100に戻り、燃料電池1の発電/非発電の確認および電流分布の監視が繰り返される。
これに対して、ステップS120において、例えば各電流端子40からの出力の差異が大きい場合には、各セル100の面内での電流分布が不均一な状態となっていることが予想されるため、制御手段120は、ステップS130において、出力電流が大きくなっている部位での電流掃引を抑制し、出力電流が小さくなっている部位からの出力電流を大きくするように燃料電池1の運転を制御する。より具体的には、制御手段120は、前述のように集電板20の各電流端子40と接続されたチョッパ回路等の電流均一化手段150を制御して、各電流端子40間での出力電流を均一化させる。なお制御手段120によって、各電流端子40からの出力電流が不均一な状態にあると判断される際の目安は、例えば、それぞれの電流端子40のうち、2つの電流端子から出力される出力電流値の差異が±10%の範囲を超えている場合などである。ただしこの判断基準は、燃料電池の仕様および使用期間等によっても変化する。すなわちこの判断基準は、一例であり、その他の基準が使用されても良い。
次にステップS140では、各電流端子40間での出力電流が再度測定され、ステップS130での各電流端子40から出力される出力電流の制御によって、各電流端子40での出力電流が同等となったかどうかが判断される。このようなS130〜S140間の操作は、各電流端子40間で出力電流が略同等になるまで継続される。
次に、本発明の別の実施形態について説明する。
一般に固体高分子型燃料電池では、各セル100は、イオン交換膜からなる電解質膜と、この電解質膜の一面に配置されたアノード電極および電解質膜の他面に配置されたカソード電極とからなる膜/電極接合体(MEA:Membrane−Electrode Assembly)と、セパレータとで構成される。通常は、水素等の燃料ガスと空気等の酸化剤ガスが反応ガスとして使用され、これらのガスは、それぞれアノード電極およびカソード電極に供給される。これらのガスによる発電反応によってカソード電極では、反応生成物として水が生成する。
このような固体高分子型燃料電池において、外部環境が氷点以下となっている場合に、燃料電池を起動(以下、「低温起動」という)してセル全面で発電を行おうとすると、発電反応によって生じた生成水が低温のためセル内で凍結してしまう。この場合、生成水の凍結(および再溶解)による強制的な体積変化によって、MEAが損傷を受けるおそれがある上、反応ガスの電極部への供給が遮断されてしまい、燃料電池に適正な出力が得られなくなるという問題が生じる。また、燃料電池を車両等に使用する場合、低温起動時には、電力の消費先が限定されるため、セル全面での発電によって大電流を発生させても、電力が余ってしまう。
このような燃料電池の低温起動に関する問題を改善する際にも、前述のような複数の電流端子40が形成された集電板20を備える本発明の燃料電池1が利用できる。
図4には、4つの電流端子40a〜dに対応する、便宜的に区分けされた集電板の各区画20a〜d、および集電板の各区画20a〜dに対してセル積層方向に便宜的に対応付けられた各セル面内の領域100a〜dの関係を示す。
このような電流端子、集電板および各セル領域の便宜的な関係において、本発明では、燃料電池の低温起動時に、各セル100の発電領域全面を発電に使用するのではなく、面内の一部、例えば、一つの電流端子40dが形成された集電板区画20dと対応するセル領域100dにおいてのみ発電を集中させる。このような操作は、前述の電流均一化手段150を使用すれば、容易に行うことができる。この場合、発電は、セル面内で局所的に行われるため、例えば発電部位を各セル100の酸化剤ガス出口側に限定することにより、発電反応によって生じた生成水をセル外部に速やかに排出させることが可能となる。従って、生成水の凍結によるMEAの損傷の問題、および反応ガスの遮断の問題が解消される。また、各セル領域100aでの発電反応によって生じる熱により、燃料電池1の温度は、徐々に上昇するため、燃料電池1の温度が氷点を超えた場合に、局部的な発電から全面的な発電に切り替える操作を行うことにより、低温起動から通常の定格での発電までの連続的で迅速な運転が可能となる。さらに、低温起動時の発電には、セル100の一部しか使用されないため、燃料電池1からの出力が抑制され、電力過剰な状態に至ることが防止できる。
図5には、本発明の燃料電池1において前述の低温起動を行う際のフロー図を示す。
まず燃料電池1の始動に際してステップS200では、燃料電池1の所定の場所に設置された温度センサによって、燃料電池1の温度が測定される。
次にステップS210では、制御手段120によって、温度測定結果に基づいて、燃料電池のおかれた環境が氷点以下となっているかどうかが判断される。その結果、燃料電池1が氷点下の環境にないと判断された場合には、燃料電池1に対して低温起動操作はなされず、セル100の全面で発電を行う通常発電モード(ステップS240)に移行する。これに対して、燃料電池1が氷点下の環境にあると判断された場合は、運転モードが低温モードに移行し、燃料電池1に対してステップS220以下の操作が行われる。
ステップS220では、セル100での発電を部分的に集中させるため、制御手段120によって、各電流端子40に接続された前述のチョッパ回路等の電流均一化手段150が操作される。例えば、一つのチョッパ回路のみをオン状態とし、その他のチョッパ回路をオフ状態とすることにより、オン状態のチョッパ回路に接続された電流端子(例えば40d)の設けられた集電板区画20dに対して積層方向に揃ったセル領域100dにおいてのみ、発電が開始される。このようなセル内での局部的な発電によって、燃料電池1は、徐々に暖められる。なお、局部的な発電に使用されるセルの領域100dは、前述のように酸化剤ガスの出口近傍を含むことが好ましい。発電領域をこのように選定した場合、低温起動モードでの発電反応によって生成した水が速やかにセル外に排出されるため、生成水がMEA内に残留して、凍結することを回避することができるからである。
次にステップS230では、再度、所定の箇所(例えば冷却水出口など)において燃料電池温度が測定され、燃料電池1が氷点を超える温度になったかどうかが判断される。その結果、燃料電池1の昇温が不十分で、未だ燃料電池1が氷点を超える温度に至っていない場合には、このまま局部的な発電が継続される。これに対して、温度センサによる測定結果から、燃料電池1が氷点を超える温度まで上昇したと判断された場合は、低温起動モードでの操作が完了し、ステップS240において、残りのチョッパ回路がオン状態となり、燃料電池1の運転は、通常のようなセル100全面での通常発電モードに移行する。
このように、本発明の燃料電池では、セル100の一部の領域のみを利用する低温起動モードと、セル100の全発電領域を利用する通常運転モードとを組み合わせることにより、前述のような生成水の凍結の問題が解消され、低温環境下でも燃料電池1を速やかに起動させることが可能となる。
図6には、燃料電池1の低温起動時のさらに別のフロー図を示す。
このフローにおいても、低温環境での燃料電池1の始動に際し、まず燃料電池1の所定の場所に設置された温度センサによって、燃料電池1の温度が測定され、燃料電池1の温度が氷点以下となっているかどうかが判断される(ステップS300〜ステップS310)。
その結果、燃料電池1の温度が氷点以下となっていると判断された場合には、ステップS320において、制御手段120によって、予め保管されている出力電流と出力電圧の関係を示すマップから、出力電流と発熱量の関係が算定される。ここで通常、燃料電池の出力電流と出力電圧の関係は、図7に示すような曲線で表される。この図において、例えば通常の運転時には、定格電圧Vsで定格電流Iが出力されるとすると、電流値をIからIに増大させた場合、出力電圧はVに低下し、定格電圧との電圧差分V−Vのエネルギーは、熱に変化する。従って、出力電流と出力電圧の関係が既知であれば、この関係から出力電流と発熱量の関係が算定できる。
次にステップS330では、燃料電池1の昇温に必要な発熱量および必要な出力電流を得るため、前述の関係を基に、発電に使用されるセル100の反応面積、すなわちセル領域100a〜dのうちの使用領域と、使用されるセル領域のそれぞれから出力される電流とが算出される。換言すれば、区画された集電板20a〜dに対応する各セル領域100a〜dのうち、どの領域を使用して、どの程度の発電を行うかが算定される。例えば、燃料電池温度が極めて低い場合には、燃料電池1を暖めるには多くの熱が必要であるため、集電板20の複数の区画20a〜dと対応するセル領域100a〜dが発電に使用され、各領域から比較的大きな出力電流が得られるように操作される。これに対して、燃料電池温度が氷点をわずかに下回るような場合には、集電板20の単一の区画(例えば20d)と対応するセル領域(100d)のみが発電に使用される。
次にステップS340では、制御手段120を用いて、それぞれの電流端子40に接続された電流均一化手段150を制御することにより、各電流端子40からの出力電流がステップS330で算定された割合となるようにして、電流の掃引が開始される。また発電によって生じた熱により、燃料電池温度は徐々に上昇していく。次にステップS300では、再度燃料電池1の所定の箇所の温度が計測され、燃料電池1の温度が氷点を超える温度に至った場合には、低温起動モードが完了し、セル100の発電領域全体を利用した通常の発電が開始される。
このように、本発明の燃料電池1では、集電板20に複数の電流端子40を設けるとともに、各電流端子40を電流均一化手段150と接続し、制御手段120によって電流均一化手段150を操作する構成としたため、低温環境において燃料電池1を迅速かつ適正に起動させることが可能となる。
なお、本発明の前述の実施例では、集電板20の外縁部の対向する2辺に電流端子40が2つずつ、合計4つ形成されている例を示したが、本発明はこのような構成に限られるものではなく、例えば、電流端子40を集電板20の各辺に、または角部に一つずつ設けたり、集電板20に合計4つ以上または以下の電流端子を形成することも可能であり、各種態様で電流端子40を設置することが可能である。
本発明は、各種燃料電池に利用することができる。
本発明による燃料電池の一構成例を概略的に示した図である。 本発明による燃料電池の燃料電池スタックの概略構成図である。 本発明による燃料電池において、各セル面内での電流分布を均一化させるためのフロー図である。 電流端子形成位置と、燃料電池スタックの集電板および各セルの対応関係を便宜的に示した図である。 本発明による燃料電池を低温起動する際のフロー図である。 本発明による燃料電池を低温起動する際の別のフロー図である。 燃料電池の出力電流と出力電圧の関係図である。
符号の説明
1 燃料電池
10 燃料電池スタック
20 集電板
40 電流端子
100 単セル
120 制御手段
150 電流均一化手段。

Claims (4)

  1. 積層された各セルにおいて生じた電力を集電する、複数の端子を備えた集電板を有する燃料電池において、
    前記複数の端子からの出力を独立して制御することが可能な燃料電池。
  2. 前記複数の端子からの電流量を測定し、該電流量の測定結果に基づいて、各端子からの出力を制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 0℃以下の温度からの起動時に、各セルの発電領域のうちの一部を使用して発電を行うように、前記複数の端子の各端子からの出力を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池。
  4. 0℃以下の温度からの起動時に、各セルの発電領域のうち、発電に使用される反応ガスの出口近傍の領域においてのみ発電を行うように、前記複数の端子の各端子からの出力を制御することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池。
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