JP2008145272A - 表示パネルおよび時計 - Google Patents

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明志 鶴渕
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【課題】貫通孔を備えても、意匠性が低下せずに外観を向上できる表示パネルを提供すること。
【解決手段】電気泳動表示パネル10は、透光性を有する透明基板20と、透明基板に対向配置された表示基板30と、透明基板および表示基板間に配置された電気泳動層40とを有し、透明基板から電気泳動層を視認可能に構成される。透明基板から表示基板まで貫通する貫通孔50が形成され、透明基板および表示基板間において貫通孔に面する貫通孔周辺部には、電気泳動層を貫通孔から区画するシール材60が充填される。透明基板20の外表面には、シール材60によって電気泳動層40による表示が行われない非表示エリアが形成され、この非表示エリアはすりガラス状に凹凸加工される。従って、シール材60が透明基板20から明確に視認されることがないので、意匠性が低下することなく、表示パネル10の外観を向上できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、表示パネルおよびこれを備える時計に関し、詳しくは、透光性を有する第1の基板と、この第1の基板に対向配置された第2の基板と、第1の基板および第2の基板間に配置された表示体とを有して構成され、第1の基板から表示体を視認可能な表示パネルおよびこれを備える時計に関する。
従来、時計などに用いられる表示パネルとして、2枚の基板と、これらの基板間に封入される液晶物質とを有して構成される液晶表示パネルが知られ、表示針を挿通する貫通孔を備えた液晶表示パネルも知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような貫通孔を有する液晶表示パネルにおいて、貫通孔部分の液晶物質が外気に触れないように、貫通孔部分をシールする必要があり、貫通孔部分の基板間にはシール材が充填されている。
実開昭56−123320号公報(第2図)
しかしながら、従来の貫通孔を有する表示パネルでは、貫通孔部分をシールするシール材が表示パネルの表面から視認できるため、意匠性が低下してしまうという問題があった。
本発明の目的は、貫通孔を備えた場合に、意匠性が低下することなく外観を向上させることができる表示パネルおよび時計を提供することである。
本発明の表示パネルは、透光性を有する第1の基板と、この第1の基板に対向配置された第2の基板と、第1の基板および第2の基板間に配置された表示体とを有して構成され、前記第1の基板から表示体を視認可能な表示パネルであって、前記第1の基板から第2の基板までを貫通する貫通孔が形成され、前記第1の基板および第2の基板間において前記貫通孔に面する貫通孔周辺部には、前記表示体を貫通孔から区画するシール材が充填され、前記第1の基板の外表面には、前記シール材が設けられているために表示体による表示が行われない非表示エリアが形成され、この非表示エリアには、前記シール材を隠すカバー部が設けられていることを特徴とする。
ここで、表示パネルとしては、ガラス等の基板間に液晶等の表示体(表示デバイス)を封入した液晶表示パネル、電気泳動表示パネル、有機EL(Electro Luminescence)パネル等が例示される。また、貫通孔は、アナログ表示用の指針を貫通させるために用いられたり、カレンダーを表示するための開口部として用いられたり、太陽電池セルのための開口部として用いられたりしてもよい。なお、貫通孔の形状は円形でも異形でもよく、また、貫通孔は単数でも複数でもよい。
この発明によれば、第1の基板の非表示エリアにシール材を隠すカバー部が設けられているので、シール材が第1の基板から明確に視認されることがないようにすることができる。従って、表示パネルによってシール材が明確に視認されることがないので、意匠性が低下することがなく、表示パネルの外観を向上させることができる。
本発明の表示パネルでは、前記カバー部は、前記非表示エリアをすりガラス状に凹凸加工して形成されていることが好ましい。
ここで、第1の基板としては、ソーダガラスやホウ珪酸ガラスやサファイアガラスといった無機ガラスでもよく、あるいは、ポリカーボネートやアクリル樹脂といった有機ガラスでもよい。
この発明によれば、非表示エリアをすりガラス状に凹凸加工すれば、凹凸部分で光が散乱してシール材を見えなくすることができる。また、すりガラス状に凹凸加工するだけなので、表示パネルの部品点数は増加せず製造コストの上昇を抑えることができる。
また、カバー部が第1の基板をすりガラス状に加工して形成されているので、第1の基板におけるカバー部の厚さ寸法が第1の基板の厚さ寸法に与える影響はほとんどない。例えば、貫通孔に指針を挿通させた場合には、指針の針下における指針と表示パネル間の隙間を大きくする必要がないので表示パネルの外観を良好に維持することができる。
本発明の表示パネルでは、前記カバー部は、前記非表示エリアに印刷または蒸着によって形成された非透光性膜によって形成されることが好ましい。
この発明によれば、非表示エリア以外の第1の基板の表面に印刷または蒸着によって形成される非透光性膜と同様の加工方法となるように、本発明の非透光性膜の加工方法を設定すれば、非表示エリア以外の部分に形成される非透光性膜と同じ加工工程で本発明の非透光性膜を形成することができる。このように、加工工数が増加せず、部品点数も増加しないので、製造コストの上昇を抑えることができる。
本発明の表示パネルでは、前記カバー部は、前記非表示エリアに接着された金属膜によって形成されていることが好ましい。
ここで、金属膜としては、めっきのように薄いものが好適である。
この発明によれば、非表示エリア以外の第1の基板の表面に接着される金属膜と同様の材料となるように、本発明の金属膜の材料を設定すれば、非表示エリア以外の部分に金属膜を接着させる工程で本発明の金属膜を接着させることができる。ここで、非表示エリア以外の部分に接着される金属膜としては、例えば、時計であれば表示パネルの表面に設けられる時刻目盛(時字)用の金属膜でもよく、あるいは製品名等のロゴマーク用の金属膜でもよい。以上のような金属膜を接着させれば、加工工数は増加しないので、製造コストの上昇を抑えることができる。
本発明の表示パネルでは、前記第1の基板および第2の基板の外周部における各基板間には、前記表示体を密封する外周部シール材が充填され、前記第1の基板の外表面には、前記外周部シール材が設けられているために表示体による表示が行われない外周部非表示エリアが形成され、この外周部非表示エリアには、前記外周部シール材を隠す外周部カバー部が設けられていることが好ましい。
この発明によれば、第1の基板の外周部非表示エリアに外周部シール材を隠す外周部カバー部が設けられているので、外周部シール材が第1の基板から視認されることがないようにすることができる。例えば、この表示パネルを備える時計等は、表示パネルの表示エリアが時計等のケーシングの見切り範囲(開口部分の範囲)から露出されるように取り付けられて構成される。その際に、表示パネルの外周部非表示エリアには外周部カバー部が設けられているので、ケーシングの開口部分の周縁部で外周部非表示エリアを隠さなくても済むことができる。従って、ケーシングの開口部分の周縁部を表示パネルの外周縁端の間際まで広げることも可能になり、ケーシングの見切り範囲を広くすることで、使用者に表示エリアを広く見せることができる。このように、外周部非表示エリアに外周部カバー部を設けることで、より広い見切り範囲の表示パネルをデザインすることができる。
ここで、この外周部カバー部は、貫通孔周辺部のシール材を隠すカバー部と同じ構成に設定されていることが好適である。このようにすれば、カバー部を設ける工程で外周部カバー部を設けることができ、加工工数が増加しないので、製造コストの上昇を抑えることができる。
本発明の表示パネルでは、前記第1の基板の外表面には、透光性を有する樹脂シートが貼り付けられ、前記カバー部は、前記樹脂シートの表面で前記非表示エリアを覆う部分を梨地調に加工して形成されていることが好ましい。
また、本発明の表示パネルでは、前記第1の基板の外表面には、透光性を有する樹脂シートが貼り付けられ、前記カバー部は、前記樹脂シートの表面で前記非表示エリアを覆う部分に印刷または蒸着または塗装によって形成された非透光性膜によって形成されていてもよい。
ここで、樹脂シートの表面としては、樹脂シートの内側表面(非表示エリアに対向する面)でもよく、樹脂シートの外側表面でもよい。あるいは、樹脂シートの表面としては、樹脂シートの両方の表面でもよい。
この発明によれば、第1の基板の外表面に例えば、厚さ(0.05〜0.1mm)のポリエステル等の樹脂シートを貼り付けるので、第1の基板の外表面への傷付きを防止することができるとともに、衝撃に対する第1の基板の強度を高めることができる。
さらに、樹脂シートの非表示エリアを覆う部分を梨地調に加工すれば、シール材が樹脂シートから明確に視認されることがないようにすることができる。また、梨地調に加工する代わりに、樹脂シートの非表示エリアを覆う部分に非透光性膜を貼り付けることによっても、同様の効果が得られる。
さらに、樹脂シートを梨地調に加工したり、樹脂シートに印刷、蒸着あるいは塗装によって非透光性膜を形成したりする方が、ガラス等の基板の外表面を梨地調に加工したり非透光性膜を形成したりするよりもコスト的に安価にでき、製造コストの上昇を抑えることができる。
本発明の表示パネルでは、前記第1の基板および第2の基板の外周部における各基板間には、前記表示体を密封する外周部シール材が充填され、前記第1の基板の外表面には、前記外周部シール材が設けられているために表示体による表示が行われない外周部非表示エリアが形成され、前記樹脂シートの表面で前記外周部非表示エリアを覆う部分には、外周部カバー部が設けられていることが好ましい。
この発明によれば、樹脂シートの表面で外周部非表示エリアを覆う部分に外周部カバー部を設ければ、前述の第1の基板の外周部非表示エリアに外周部シール材を隠す外周部カバー部を設けた場合と同様の効果が得られる。すなわち、外周部カバー部によって外周部シール材が樹脂シートから視認されることがないようにすることができ、より広い見切り範囲の表示パネルをデザインすることができる。
本発明の時計は、計時を行う計時部と、前記表示パネルとを備えることを特徴とする。
この発明によれば、例えば、表示パネルの貫通孔に挿通される指針を設ければ、表示パネルによる計時情報の表示と同時に、指針による計時情報を表示させることができる。あるいは、表示パネルの貫通孔を通して表示されるカレンダー表示装置を設ければ、貫通孔がカレンダー窓として機能するので、表示パネルとカレンダー表示装置とを備える時計におけるカレンダー表示装置の配置の自由度を高めることができる。あるいは、表示パネルの貫通孔をソーラーパネルに太陽光が照射されるための開口部とすれば、表示パネルとソーラーパネルとを備える時計におけるソーラーパネルの配置の自由度を高めることができる。
以上の本発明によれば、シール材が第1の基板から明確に視認されることがないようにすることができるので、表示パネルによってシール材が明確に視認されることがないので、意匠性が低下することがなく、表示パネルの外観を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、後述する第2実施形態以降において、以下に説明する第1実施形態での構成部材と同じ構成部材および同様な機能を有する構成部材には同一符号を付し、説明を簡単にあるいは省略する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態の時計1の正面図である。
時計1は、ケーシング2と、このケーシング2内に配置され計時を行う計時部と、この計時部による計時情報およびその他の情報を表示する電気泳動表示パネル(以下、表示パネル)10と、この表示パネル10と同様に計時情報を表示する指針3(時刻針4、分針5、秒針6)とを有して構成されている。時計1は、指針3による表示と表示パネル10による表示とが同時に実行される腕等に装着される腕時計である。
図2は、時計1の表示パネル10および指針3を示す縦断面図である。
表示パネル10は、図2に示すように、第1の基板としての透光性を有する透明基板20と、第2の基板として透明基板20に対向配置された表示基板30と、これらの透明基板20および表示基板30間に配置された表示体としての電気泳動層40とを有して構成されている。表示パネル10に表示される計時情報等の情報は、表側に配置される透明基板20を通して視認される。ここで、透明基板20および表示基板30を形成するガラスとしては、ソーダガラスやホウ珪酸ガラスやサファイアガラスといった無機ガラスでもよく、ポリカーボネートやアクリル樹脂といった有機ガラスでもよい。電気泳動層40は、透明基板20から視認可能に構成されている。
表示パネル10には透明基板20から表示基板30までを貫通する貫通孔50が形成されている。この貫通孔50から電気泳動層40を区画するシール材60が、透明基板20および表示基板30間において貫通孔50に面する貫通孔周辺部に充填されている。
シール材60が設けられているため、透明基板20の外表面には、電気泳動層40による表示が行われない非表示エリアが形成されている。すなわち、シール材60が充填されている貫通孔周辺部は、電気泳動層40を配置できない非表示エリアとなっている。
非表示エリアには、シール材60を覆って見えないようにするカバー部21が設けられている。このカバー部21は、ガラス製の透明基板20の非表示エリアをすりガラス状に凹凸加工して形成されている。このように、カバー部21は、表示パネル10に貫通孔50を設けた場合に、シール材60が表示パネル10の表面から視認されることがないように構成されている。
貫通孔50の内周面には、樹脂製で円筒状の保護部材7が接合され、この保護部材7には指針3(時刻針4、分針5、秒針6)の軸部が挿通されている。このように、指針3の軸部と表示パネル10の貫通孔50との間に設けられた保護部材7によって、透明基板20および表示基板30の貫通孔50に面する各内壁部分が指針3の軸と当接して破損しないように保護されている。
一方、透明基板20および表示基板30の外周部においてこれらの基板20,30間には、電気泳動層40を密封する外周部シール材70が充填されている。外周部シール材70が設けられているため、透明基板20の外表面には、貫通孔周辺部の非表示エリアと同様に電気泳動層40による表示が行われない外周部非表示エリアが形成されている。この外周部非表示エリアには、外周部シール材70を隠す外周部カバー部22が設けられている。外周部カバー部22は、カバー部21と同様に、ガラス製の透明基板20の外周部非表示エリアをすりガラス状に凹凸加工して形成されている。このように、外周部カバー部22は、外周部シール材70が表示パネル10の表面から視認されることがないように構成されている。
表示パネル10は、表示エリアがケーシング2の見切り範囲(開口部分の範囲)から露出されるように取り付けられて構成されている。表示パネル10の外周部非表示エリアには外周部カバー部22が設けられているので、ケーシング2の開口部分の周縁部で外周部非表示エリアを隠さなくても済むように構成されている。本実施形態では、ケーシング2の開口部分の周縁部が表示パネル10の外周縁端の間際まで広げられ、ケーシング2の見切り範囲が広くなるように構成されている。そして、図1に示すように、ケーシング2の見切り範囲に外周部カバー部22が部分的に露出されるようになっている。
本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)透明基板20の非表示エリアに、シール材60を隠すカバー部21が形成されているので、表示パネル10に貫通孔50が設けられていても、シール材60が表示パネル10の表面から明確に視認されることがないようにすることができる。従って、表示パネル10によってシール材60が明確に視認されることがないので、意匠性が低下することがなく、表示パネル10の外観を向上させることができる。
(2)透明基板20の外周部非表示エリアに、外周部シール材70を隠す外周部カバー部22が形成されているので、外周部シール材70が表示パネル10の表面から明確に視認されることがないようにすることができる。従って、ケーシング2の見切り範囲(開口部分の範囲)の周縁部を表示パネル10の外周縁端の間際まで広げることが可能になり、ケーシング2の見切り範囲を広くすることで、使用者に表示エリアを広く見せることができる。このように、外周部非表示エリアに外周部カバー部22を設けることで、より広い見切り範囲の表示パネル10をデザインすることができる。
(3)カバー部21および外周部カバー部22は、透明基板20の非表示エリアおよび外周部非表示エリアをすりガラス状に凹凸加工して形成されているので、カバー部21の加工工程と外周部カバー部の加工工程を同時に実施することができ、加工工数が増加しないので、製造コストの上昇を抑えることができる。
(4)透明基板20の非表示エリアおよび外周部非表示エリアをすりガラス状に凹凸加工するだけでカバー部21および外周部カバー部22が形成できるので、表示パネル10の部品点数は増加せず、製造コストの上昇を抑えることができる。
(5)貫通孔50に指針3を挿通させることによって、表示パネル10によるデジタル表示と同時に、指針3によるアナログ表示を実施することができ、表示パネル10のデザイン上の制限を緩和させる効果がある。
(6)カバー部21,22が透明基板20をすりガラス状に加工して形成されているので、透明基板20におけるカバー部21,22の厚さ寸法が透明基板20の厚さ寸法に与える影響はほとんどなく、指針3の針下における指針3と表示パネル10間の隙間を大きくする必要がないので時計1の外観を良好に維持することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について図面に基いて説明する。図3は、本実施形態の時計1Aの表示パネル10Aと指針3とを示す縦断面図である。
本実施形態では、貫通孔周囲部の非表示エリアには、カバー部としての非透光性膜80が貼り付けられ、この非透光性膜80によって、シール材60が覆われ、また、透明基板20の外周部非表示エリアには、非透光性膜80と同じ材質の外周部カバー部としての非透光性膜81が貼り付けられている点が第1実施形態と相違する。これ以外の本実施形態の基本的構成は、第1実施形態に同様である。ここで、非透光性膜80,81としては、透明基板20の表面に印刷される印刷物で構成されてもよく、または、透明基板20の表面に蒸着される蒸着物で構成されてもよい。
透明基板20において非表示エリアおよび外周部非表示エリア以外の外表面には、非透光性膜80,81と同様の加工方法で貼り付けられた図示しない印刷物や蒸着物が設けられている。
このような本実施形態によれば、前記(1)〜(6)の効果と略同様の効果に加えて以下の効果がある。
(7)非透光性膜80,81が非表示エリアおよび外周部非表示エリア以外の部分に設けられた印刷物や蒸着物と同様の加工方法で形成されるので、これらの印刷部や蒸着物と同じ加工工程で非透光性膜80,81を形成することができる。従って、加工工数が増加せず、部品点数も増加しないので、製造コストの上昇を抑えることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について図面に基づいて説明する。図4は、本実施形態の時計1Bを示す正面図であり、図5は、時計1Bにおける表示パネル10Bと指針3とを示す縦断面図である。
本実施形態では、透明基板20の表面に、透光性を有する樹脂シート90が貼り付けられ、この樹脂シート90の表面における非表示エリア(図中のAで示す範囲)および外周部非表示エリア(図中のBで示す範囲)を覆う部分が梨地調に加工されている点が第1実施形態と相違する。これ以外の本実施形態の基本的構成は、第1実施形態に同様である。ここで、樹脂シート90の表面のみを梨地調に加工してもよく、樹脂シート90の裏面だけを梨地調に加工してもよい。あるいは、樹脂シート90の両面を梨地調に加工してもよい。
具体的には、表示パネル10Bは、透明基板20の上面に厚さ(例えば0.05〜0.1mm)のポリエステル等の樹脂シート90が貼り付けられて構成され、この樹脂シート90の非表示エリアおよび外周部非表示エリアを覆う部分(図中のA,Bで示す範囲)が梨地調に加工されている。このようにして、表示パネル10Bは、シール材60および外周部シール材70が隠れるように構成されている。
このような本実施形態によれば、前記(1)〜(7)の効果と略同様の効果に加えて以下の効果がある。
(8)透明基板20の外表面に樹脂シート90が貼り付けられているので、透明基板20の外表面への傷付きを防止することができるとともに、衝撃に対する透明基板20の強度を高めることができる。
(9)樹脂シート90の非表示エリアおよび外周部非表示エリアを覆う部分を梨地調に加工する方が、ガラス等の透明基板20の外表面を梨地調に加工するよりもコスト的に安価にできるので、製造コストの上昇を抑えることができる。
[本発明の変形例]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、透明基板20の非表示エリアおよび外周部非表示エリアはそれぞれ平面形状となっていたが、これらの非表示エリアが傾斜する斜面状に形成されていてもよい。
また、前記第2実施形態では、カバー部として印刷物や蒸着物を説明したが、これに限らず、カバー部として、透明基板20の非表示エリアに接着される金属膜を採用してもよい。このような構成によれば、めっきのように薄く金属膜を、非表示エリア以外の部分に接着される時刻目盛用の金属膜やロゴマーク用の金属膜などと一緒に接着させれば、同一工程で接着させることが可能になり、加工工数が増加することを避けることができる。
また、前記第3実施形態では、樹脂シート90の非表示エリアおよび外周部非表示エリアを覆う部分が梨地調に加工されていたが、これに限らず、樹脂シート90の非表示エリアおよび外周部非表示エリアを覆う部分には、印刷または蒸着または塗装によって形成された非透光性膜が設けられていてもよい。
また、本実施形態では、貫通孔50は、アナログ表示用の指針3を貫通させるために用いられているが、表示パネルに複数設けられて多軸の指針用に構成されてもよい。また、貫通孔は指針用として設けられる以外にも、カレンダー表示装置のカレンダー窓として設けられてもよく、ソーラーパネルに太陽光が照射されるための開口部として設けられてもよい。なお、貫通孔の形状は円形でもよく、矩形など円形以外の形状でもよい。
また、本実施形態では、表示パネルとして電気泳動表示パネル10を例にして説明したが、本発明の表示パネルとしては、例えば、液晶表示パネルや有機ELパネル等でもよい。
また、本実施形態では、時計1に設けられる表示パネルを例にして説明したが、本発明の表示パネルは、例えば、携帯電話、ディジタルカメラ、PDA(Personal Digital Assistants )等に用いられる表示パネルとして利用されてもよい。要するに、時刻表示に限らず各種情報を表示するという機能を発揮できる表示パネルであればよい。特に、指針による表示を兼ね備えたスピードメーターや計器類のメーターなどといった表示パネルが好適である。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質等を限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質等の限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の第1実施形態に係る時計を示す正面図。 前記時計の表示パネルと指針とを示す縦断面図。 本発明の第2実施形態に係る時計の表示パネルと指針とを示す縦断面図。 本発明の第3実施形態に係る時計を示す正面図。 前記時計の表示パネルと指針とを示す縦断面図。
符号の説明
1,1A,1B…時計、10,10A,10B…電気泳動表示パネル(表示パネル)、20…透明基板(第1の基板)、21…カバー部、22…外周部カバー部、40…電気泳動層(表示体)、30…表示基板(第2の基材)、60…シール材、70…外周部シール材、50…貫通孔、80…非透光性膜(カバー部)、81…非透光性膜(外周部カバー部)、90…樹脂シート。

Claims (9)

  1. 透光性を有する第1の基板と、この第1の基板に対向配置された第2の基板と、第1の基板および第2の基板間に配置された表示体とを有して構成され、前記第1の基板から表示体を視認可能な表示パネルであって、
    前記第1の基板から第2の基板までを貫通する貫通孔が形成され、
    前記第1の基板および第2の基板間において前記貫通孔に面する貫通孔周辺部には、前記表示体を貫通孔から区画するシール材が充填され、
    前記第1の基板の外表面には、前記シール材が設けられているために表示体による表示が行われない非表示エリアが形成され、
    この非表示エリアには、前記シール材を隠すカバー部が設けられていることを特徴とする表示パネル。
  2. 請求項1に記載の表示パネルにおいて、
    前記カバー部は、前記非表示エリアをすりガラス状に凹凸加工して形成されていることを特徴とする表示パネル。
  3. 請求項1に記載の表示パネルにおいて、
    前記カバー部は、前記非表示エリアに印刷または蒸着によって形成された非透光性膜によって形成されることを特徴とする表示パネル。
  4. 請求項1に記載の表示パネルにおいて、
    前記カバー部は、前記非表示エリアに接着された金属膜によって形成されていることを特徴とする表示パネル。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の表示パネルにおいて、
    前記第1の基板および第2の基板の外周部における各基板間には、前記表示体を密封する外周部シール材が充填され、
    前記第1の基板の外表面には、前記外周部シール材が設けられているために表示体による表示が行われない外周部非表示エリアが形成され、
    この外周部非表示エリアには、前記外周部シール材を隠す外周部カバー部が設けられていることを特徴とする表示パネル。
  6. 請求項1に記載の表示パネルにおいて、
    前記第1の基板の外表面には、透光性を有する樹脂シートが貼り付けられ、
    前記カバー部は、前記樹脂シートの表面で前記非表示エリアを覆う部分を梨地調に加工して形成されていることを特徴とする表示パネル。
  7. 請求項1に記載の表示パネルにおいて、
    前記第1の基板の外表面には、透光性を有する樹脂シートが貼り付けられ、
    前記カバー部は、前記樹脂シートの表面で前記非表示エリアを覆う部分に印刷または蒸着または塗装によって形成された非透光性膜によって形成されることを特徴とする表示パネル。
  8. 請求項6または請求項7に記載の表示パネルにおいて、
    前記第1の基板および第2の基板の外周部における各基板間には、前記表示体を密封する外周部シール材が充填され、
    前記第1の基板の外表面には、前記外周部シール材が設けられているために表示体による表示が行われない外周部非表示エリアが形成され、
    前記樹脂シートの表面で前記外周部非表示エリアを覆う部分には、外周部カバー部が設けられていることを特徴とする表示パネル。
  9. 計時を行う計時部と、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の表示パネルとを備えることを特徴とする時計。
JP2006332932A 2006-12-11 2006-12-11 表示パネルおよび時計 Withdrawn JP2008145272A (ja)

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