JP2007047030A - 計時装置及び計時装置用文字板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 時計ケース13内に、ムーブメント44と、ムーブメント44に備える針取付体45に取着される表示指針46と、ムーブメント44と表示指針46との間に位置する表示パネルである電気泳動表示装置47とを備える。表示パネル47は、表示に保持性を有する表示パネルでありこの表示パネル47の表面に全部または一部が透明または半透明である加飾板48を積層し、さらに針取付体用貫通手段を備えていてここに針取付体45を通した構成である。
【選択図】 図5
Description
また従来、月日・時刻・時間等をデジタル表示とアナログ表示を複合表示する計時装置は、時計ケース内にムーブメントと、このムーブメントに備える針取付体に取着される表示指針と、前記ムーブメントと前記表示指針との間に設けた文字板と、この文字板に設けた窓に合わせて前記ムーブメントと前記文字板との間に液晶表示装置を設けたものが提案されている(特許文献2参照)。
他方、例えば色素層にデザインを付与する光電変換素子(特許文献3参照)が提案されており、文字板全体を光電変換素子で構成して色素層で文字板の略字を形成するとデザイン性を向上できることを示唆している。
特許文献2の時計では、文字板に設けた窓に合わせて液晶表示装置を設ける構成なのでデジタル表示とアナログ表示との各種関係付けができず複合表示にバリエーションが得られず、例えば、液晶表示装置と略字とが関連していないので液晶表示装置の表示機能を略字自身の表示の微妙な変化に結びつけることができない。液晶表示装置を略字と関連させるには新たに液晶表示装置を設ける必要があり高価になりコストパーフォーマンスが得られない。また、液晶表示パネルで文字板全体を構成してこの液晶表示装置の表示機能を略字自身の表示の微妙な変化に結びつけるようとすると、ムーブメントで駆動される表示指針との組み合わせができない。すなわち、この液晶表示装置にムーブメントの針取付体を通す貫通孔を開けることができないのである。
また、特許文献3の光電変換素子では、色素層にデザインを持たせる光電変換素子を略字に適用しても、略字自身の表示が変えられないし微妙な変化も付けられない。
この構成によれば、保持性を有する表示パネルで計時をデジタル表示するとともに、表示パネルに加飾性を持たせられる加飾板を積層したので、加飾を、表示パネルの表面に付加する加飾手段とデジタルな背景加飾表示とを組み合わせにより実現できて、加飾表示にバリエーションと立体感と高級感が得られる。
また本発明の他の計時装置は、時計ケース内に、ムーブメントと、このムーブメントに備える針取付体に取着される表示指針と、前記ムーブメントと前記表示指針との間に位置する表示パネルとを備えた計時装置において、前記表示パネルは、表示に保持性を有する表示パネルでありこの表示パネルの表面に近接または密着して重ねられ全部または一部が透明または半透明である加飾板を備え、さらに針取付体用貫通手段を備えていてここに前記針取付体を通した構成であることを特徴とする。
この構成によれば、ムーブメントで駆動される表示指針により計時をアナログ表示するとともに、表示パネルに加飾性を持たせられる加飾板を積層した(近接または密着して重ねた)ので、加飾を、表示パネルの表面に付加する加飾手段とデジタルな背景加飾表示とを組み合わせにより実現できて、加飾表示にバリエーションと立体感と高級感が得られる。
そして、いずれの発明の場合も、前記表示に保持性を有する表示パネルは、電気泳動表示装置であることが好ましい。
また本発明によれば、保持性を有する表示パネルの表面に加飾板を積層した(近接または密着して重ねた)ので、この加飾板の表面に厚みのある略字を植設することができるから立体感・高級感をもたらすことができる。そして、表示板の外周部に設けられる略字に対して表示板全体を構成している保持性を有する表示パネルにより略字と関係付けた背景表示を行うことができるから、略字を単なる固定的な変化のない表示ではなくて略字と背景表示とを合体させた多様な表示を醸し出すことができ略字に変化感・高級感をもたらすことができる。
さらに本発明によれば、保持性を有する表示パネルの表面に加飾板を積層した(近接または密着して重ねた)構成であるので、透明を保って着色したまたはデザインをあしらった加飾板、あるいは加飾板に孔を開けもしくは表面側に凹凸を設けた立体的な加飾板として、この加飾板の加飾効果と表示パネルの表示との奏合効果により全体的に変化感のある表示を行うことができる。
さらに本発明によれば、保持性を有する表示パネルの表面に加飾板を積層した構成であるが、加飾板の屈折効果により表示パネルの表示が加飾板の内部にあるように浮かび上がって表示され、加飾板を積層した(近接または密着して重ねた)ことを感じさせることはなくあたかも一枚の表示板のように見せることができる。
この構成によれば、貫通孔または透光窓を通して表示パネルが表示する月齢表示等を見ることができ全体のデザインバラエティがさらに向上し立体感・高級感を得られる。
この構成によれば、文字板全面を表示パネルとして実現できるから、この略字が単なる固定的な変化のない表示ではなくなり、略字と保持性を有する表示パネルの背景表示との組み合わせにより多彩なバリエーションで略字を表現できることになり高級感が得られる。
この構成によれば、加飾板に設ける凹部に合わせて表示が必要なエリアを表示パネルが表示するもので、加飾板に凹部を形成してなる加飾と表示パネルによる表示とに整合性を生じてデザインが向上し、立体感・高級感を得られる。
上記構成において、前記凹部の側面を着色することが好ましく、そうすると、凹部底面に表示される表示パネルの表示色を際立たせることができる。
これにより、内部空間に進入した湿気が透明基板を拡散浸透することを加飾板が防ぐ機能を有するから、表示パネルの信頼性を維持できる。
この構成により、保持性を有する表示パネルで計時をデジタル表示で行うとともに、加飾を、表示パネルに付加する加飾手段とデジタルな背景加飾表示とを組み合わせにより実現でき、加飾の変化性・高級感を得られる。
この構成により、ムーブメントで駆動される表示指針で計時をアナログ表示するための補助表示を行う略字を加飾板に植設できて、この略字と相俟って表示パネルにより略字の背景表示として種々なデザイン表示ができて、前側の立体的な略字と後側の背景表示のデザインとのマッチングによって加飾の変化性・立体感・高級感を得られる。
また本発明によれば、計時をムーブメントによりアナログ表示で行うとともに表示パネルに保持性を有する表示パネルを用いてその表面に加飾性を持たせられる加飾板を積層したので、表示パネルの表面に付加する加飾手段と種々な背景加飾表示とを組み合わせとして加飾することができて、加飾表示にバリエーションと立体感と高級感が得られる。
[第1実施形態]
図1乃至図4は、第1実施形態を示す。図1は、腕時計10の正面図であり、図2は、図1におけるII−II断面図である。この腕時計10は、デジタル時計である装置本体11と、装置本体11に連結された時計バンド12とを備えて構成される。
時計ケース13は、図2に示すように、表側開口を透明カバー14で閉じられ、裏側開口を裏蓋15で閉じられ、もって内部に前記加飾板31を積層した表示パネル16を収容し、透明カバー14を通して加飾板31を積層した表示パネル16の表示を視認可能である。前記加飾板31を表示パネル16に近接して重ねる場合には、ギャップを2mm位空ける場合も含む。
時計ケース13及び裏蓋15は、真鍮製、ステンレス等の金属製又は樹脂製であり、透明カバー14は、ガラス製又は樹脂製である。
透明カバー14は、樹脂又は金属製の圧入リング17を介して時計ケース13に圧入固定され、また、裏蓋15は、パッキン18を挟んで時計ケース13に螺合され、もって、密封性や防水性が確保されている。
加飾板31を表面に積層した表示パネル16は、加飾板31の表面外周部に設けたスペーサ19を時計ケース13に設けた円形張出部13aの後端面に当てがうとともに裏面外周部に押圧リング20を当てがわれ、裏蓋15の螺締めによって固定されている。
本実施形態の電気泳動表示装置は、さらに、電気泳動表示装置で表示色の反転表示を行うために、実装基板23の上面に前記セグメント以外の地部分を占めて地セグメント電極(符号なし)を備えているものとする。
周囲を白く、時分の7セグメント構成数字を黒く表示するには、表示画面全面を白色表示した状態から、透明電極26をプラス電位から0V電位に切り替えるとともに、7つのセグメント電極のうち時分を黒く表示するに必要な複数のセグメント電極のみを0V電位からプラス電位に切り替える。
周囲を黒く、時分の7セグメント構成数字を白く表示するには、表示画面全面を白色表示した状態から、透明電極26をプラス電位から0V電位に切り替えるとともに、7つのセグメント電極のうち時分を白く表示するに必要な複数のセグメント電極以外の全てのセグメント電極(地セグメント電極も含む)をプラス電位から0V電位に切り替える。
従って、時分について、黒色から白色へ及び白色から黒色への反転表示には、反転前表示と反転後表示の間に表示画面全面を白色表示した状態に戻すことが行われる。
なお、上記とは別の方法で表示を切り替えても良い。
本実施形態の加飾板31は、均一な厚さで透明基板25の全面を覆っている。
加飾板31が不透湿性を保有すると、時計を誤って水中に落としてしまったとか、その他に起因して、湿気が表面の保護ガラスの嵌合部を通り保護ガラスと表示パネルの内部空間に進入したとしても、表示パネルの透明な表面カバーを不透湿性の加飾板が積層状態に覆っている構成なので、内部空間に進入した湿気が透明基板を拡散浸透することを加飾板が防ぐ機能を有するから、表示パネルの信頼性を維持できる。
不透湿性を有する加飾板31を、積層フィルムで構成する場合には表層に近い積層面に透き通って見える着色あるいはデザインを印刷(裏刷り印刷)して加飾すると、上記の白蝶貝を加工した白色を帯びた透明シートを積層する場合と同様に、電気泳動表示装置16による表示とコンバインされた加飾が多種多様に実現できる。
図5乃至図9は、第2実施形態を示す。図5は腕時計40の正面図であり、図6は、図5におけるVI−VI断面図である。なお、前記実施例1とそれぞれ実質的に同一な部分については同一符号を付して説明を省き、相違点を中心に説明する。
表示パネル47は、図1に示す表示パネル16と同様に、表示に保持性を有する表示パネル、具体的には電気泳動表示装置でありパネル表面に加飾板48を積層して、表示パネル47と加飾板48に対して針取付体用貫通手段である貫通孔49を開けて針取付体45を通している。そして、時計ケース13にムーブメント44を調整する竜頭55を備えている(図5、図6参照)。
加飾板48は、4分割セグメント53による月齢表示を直接に見通せる貫通孔54を有している。この貫通孔54は、表示パネル47の表面に円形凹部を形成して立体的に加飾している。この貫通孔54を設けるとこの部分での防水性を失うので、貫通孔54に替えて透光窓としてこの透光窓の周りを不透明にした状態に加飾しても良い。第1実施形態で述べたように、加飾板48は、透光性を保有して表面または内部を着色しまたはデザインを付加して加飾し、表示パネル47の背景表示と複合させた加飾を行うことができる。
図9は、(a)では中抜きの略字51に対してこの略字51を中央に位置させてこの略字51よりも大きい黒丸の背景表示52aを電気泳動表示装置で行うことができ、また、(b)のように、略字51を囲む黒色の輪郭円の背景表示52bに変えることができ、さらに、(c)のように、略字51に対して黒色の菱形となる背景表示52cに変えることができる。このように、(a),(b),(c)のいずれの場合でも、略字51の形状や色には変化がないが、電気泳動表示装置が表示パネルを形成しているから、略字51を取り巻く所望箇所の背景表示をいかようにも変えられるので、あたかも略字51が変化している状況を醸し出せるので、そして、略字51が前側で電気泳動表示装置の背景表示が後側となって立体感・興趣感・高級感を生じる。
略字51は黒色であっても良い。略字51が黒色の場合、プログラムソフトの働きで(b)のように、白丸となる背景表示に変えることにすれば、黒色の略字51でも良く映える。略字51に例えば十二支のデザインをあしらい、白丸となる背景表示を行ってかつ各十二支の目の位置を電気泳動表示装置で白で表現すると影絵表現にすることができる。
なお、略字51は、加飾板48にメタリックラベルを貼着し、または印刷する場合も含まれ、この場合でも、図9に示す略字51と背景表示52a,52b,または52cとの組み合わせ表示のバリエーションが得られる。
本実施形態において、第1実施形態の構成と実質的に同一の構成部分から生ずる作用と効果は、第1実施形態の構成から生ずる作用と効果と同一なので説明を省略する。
図10乃至図12は、第3実施形態を示す。図10は腕時計60の正面図であり、図11は、図10におけるXI−XI線に沿った断面図である。なお、前記実施例1及び前記実施例2とそれぞれ実質的に同一な部分については同一符号を付して説明を省き、相違点を中心に説明する。
表示パネル62は、セグメント電極を加飾板63の弓形凹部64,65と矩形凹部66に対応する部分だけに備えていて、図12に示すように、弓形凹部64,65と矩形凹部66による加飾と重畳させて、弓形凹部64,65と矩形凹部66の全部に対応して黒く表示できる加飾機能を備えている。そして、図10に示す矩形凹部66の側面が太く黒く縁取りして示しているようにこの側面が黒色に塗られて加飾されており、図12に示すように、矩形凹部66の底面の黒色表示を一層際立たせる作用をする。なお、弓形凹部64,65と矩形凹部66において月齢表示や曜日表示、時分表示等を行うようにしても良い。
本実施形態において、第1及び第2実施形態の構成と実質的に同一の構成部分から生ずる作用と効果は、第1及び第2実施形態の構成から生ずる作用と効果と同一なので説明を省略する。
また、上記実施形態では、機械式のアナログ式時計について説明したが、デジタル式の時計に対しても適用が可能である。
電気泳動表示装置以外に、他の表示に保持性を有する表示パネルにも適用される。例えば、半球ごとに白と黒に塗り分けられた球形微粒子の向きを電界により制御して白と黒からなる画像を表示するツイストボールの表示方式も含む。
Claims (9)
- 時計ケース内に、表示に保持性を有する表示パネルと、この表示パネルの表面に近接または密着して重ねられ全部または一部が透明または半透明である加飾板とを備えたことを特徴とする計時装置。
- 時計ケース内に、ムーブメントと、このムーブメントに備える針取付体に取着される表示指針と、前記ムーブメントと前記表示指針との間に位置する表示パネルとを備えた計時装置において、
前記表示パネルは、表示に保持性を有する表示パネルでありこの表示パネルの表面に近接または密着して重ねられ全部または一部が透明または半透明である加飾板を備え、さらに針取付体用貫通手段を備えていてここに前記針取付体を通した構成であることを特徴とする計時装置。 - 前記表示パネルは、電気泳動表示装置であることを特徴とする請求項1または2記載の計時装置。
- 前記加飾板は、前記表示パネルの月齢表示等の表示箇所に対応した部分が貫通孔または透光窓になっていて、前記表示パネルは、前記貫通孔または前記透光窓に対応する部分に表示機能を有する構成であり、前記加飾板の前記貫通孔または前記透光窓に対応する部分以外の部分は、加飾板を不透明材料で構成するかまたは加飾板の表面または内部に不透明となる印刷層を有することを特徴とする請求項2または3記載の計時装置。
- 前記加飾板の表面に略字を単数または複数備え、前記表示パネルは、前記略字の周囲領域内の所要箇所に表示機能を有する構成であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の計時装置。
- 前記加飾板の表面側に単数または複数の凹部を形成してなる加飾が施され、前記表示パネルは、前記凹部に対応する部分に表示機能を有する構成であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の計時装置。
- 前記加飾板は、不透湿性の材料からなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項記載の計時装置。
- 時計ケース内に収容されデジタル表示を行う表示に保持性を有する表示パネルと、この表示パネルの表面に積層した加飾板を備えてなることを特徴とする計時装置用文字板。
- 時計ケース内にムーブメントとともに収容されこのムーブメントに備える針取付体に取着される表示指針によるアナログ表示と複合してデジタル表示を行う表示に保持性を有する表示パネルと、この表示パネルの表面に積層した加飾板を備え、この加飾板を積層した前記表示パネルに針取付体用貫通手段を有することを特徴とする計時装置用文字板。
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