JP2008145125A - 生化学反応カートリッジおよび生化学処理装置システム - Google Patents

生化学反応カートリッジおよび生化学処理装置システム Download PDF

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Abstract

【課題】検出時に汚れがないようにする生化学反応カートリッジを提供すること。
【解決手段】着脱可能なカートリッジ保護手段を設け、装置導入時に脱離して利用する生化学反応カートリッジ及びそれを備えた生化学処理装置システム。
【選択図】 図4

Description

本発明は、検体中の細胞、微生物、染色体、核酸等を抗原抗体反応や核酸ハイブリダイゼーション反応等の生化学反応を利用して分析する装置に組み込んで用いる生化学反応カートリッジ、およびこれを含む生化学処理装置システムに関する。
血液等の検体を分析する分析装置の多くは、抗原坑体反応を利用した免疫学的な方法又は核酸ハイブリダイゼーションを利用した方法を用いている。
例えば、被検出物質と特異的に結合する抗体又は抗原等のタンパク質或いは一本鎖の核酸をプローブに使い、微粒子、ビーズ、ガラス板等の固相表面に固定し、被検出物質と抗原抗体反応又は核酸ハイブリダイゼーションを行う。
そして、酵素、蛍光性物質、発光性物質等の検知感度の高い標識物質を担持した特異的な相互作用を有する標識化物質、例えば標識化した抗体、抗原または核酸等を用いて抗原抗体化合物や二本鎖の核酸を検出して、被検物質の有無の検出或いは定量を行っている。
これらの技術を発展させたものとして、例えば米国特許第5,445,934号明細書には、互いに異なる塩基配列を有する多数のDNA(デオキシリボ核酸)プローブを、基板上にアレイ状に並べた所謂DNAアレイが開示されている。
また、Anal.Biochem.、270(1)、103−111、1999には、多種類のタンパク質をメンブレンフィルタ上に並べ、DNAアレイのような構成のタンパク質アレイを作製する方法が開示されている。このように、DNAアレイ、タンパク質アレイ等のバイオチップによって、極めて多数の項目の検査を一度に行うことが可能になってきている。
また、様々な検体分析方法において、検体による汚染の軽減、反応の効率化、装置の小型化、作業の簡便化等の目的で、内部で必要な反応を行う使い捨て可能な生化学反応カートリッジも提案されている。例えば、特表平11−509094号公報においては、内部に複数のチャンバーを配したDNAアレイを含む生化学反応カートリッジが開示されている。この生化学反応カートリッジでは、チャンバー間の差圧によって溶液を移動させ、カートリッジ内部で検体中のDNAの抽出或いは増幅、又はハイブリダイゼーション等の反応を可能にしている。
そして、このような生化学反応カートリッジ内部に外部から溶液を注入する方法としては、外部のシリンジポンプや真空ポンプを利用したものがある。また、生化学反応カートリッジ内部で溶液を移動する方法としては、重力、毛細管現象、電気泳動を利用したものが知られている。そして、当該カートリッジ内部に配設できるマイクロポンプとしては、特許第2832117号公報には発熱素子を利用したもの、特開2000−274375号公報には圧電素子を利用したもの、特表平11−509094号公報にはダイアフラムポンプが開示されている。
米国特許第5,445,934号明細書 特表平11−509094号公報 特許第2832117号公報 特開2000−274375号公報 Anal.Biochem.、270(1)、103−111、1999
上記のようなバイオチップを用いる生化学反応カートリッジは、反応結果をカートリッジ外部から検出する場合、カートリッジ側面にプローブの検出に関わる部位を備える構成を有している。このような形態の生化学反応カートリッジをスキャン等の読取装置にセットして、プローブ検出を行う場面において、外気中の塵埃や検査者の手の接触などによって、プローブ検出に関わる部位が汚染され、正確な検出ができない場合が生じるという問題点があった。また、特に蛍光検出型の生化学反応カートリッジにおいてはDNAマイクロアレイ部に光があたってしまうことで、蛍光色素の劣化が進行してしまい、そのような生化学反応カートリッジでは精度良くプローブ検出が行えない場合があった。
本発明の目的は、上述の問題点を解消するための生化学反応カートリッジ、及びこれを含む生化学処理装置システムを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明は以下のような生化学反応カートリッジ、その利用方法および生化学処理装置システムを提供するものである。
本発明の第一は、生化学反応を生じしめる生化学反応カートリッジにおいて、前記生化学反応カートリッジはチャンバーを備え、該カートリッジ本体部を着脱可能に覆い保護するカートリッジ保護手段を設けたことを設けたことを特徴とする生化学反応カートリッジである。
本発明の第二は、第一の発明の生化学反応カートリッジを備えた生化学処理装置システムである。
本発明によれば、検査者が生化学反応カートリッジのハンドリングの際に当該カートリッジのプローブ検出に必要な部位やその他カートリッジの機能上必要な部位を誤って触れてしまうおそれがない。また、当該部位が外気にさらされるおそれが著しく減少しあるいは皆無となり、当該部位が手からの汚れや外気中の塵埃等によって汚染されることが殆ど無くなるかあるいは皆無となった。カートリッジ全体を覆う場合、カートリッジ側面全体の汚染を防ぐことで結果的に当該部位の汚染につながる間接的な汚染も防ぐことが可能となり、カートリッジ保管時の制限等が緩和される。特に蛍光検出型の生化学反応カートリッジにおいてはDNAマイクロアレイ部に光があたってしまうことによる蛍光色素の劣化の進行を防止することができるようになった。以上より、正確にプローブ検出をすることができるようになった。
本発明は、生化学反応のための溶液が内蔵されたチャンバーを備えた生化学反応カートリッジにおいて該生化学反応カートリッジを保護するための着脱可能なカートリッジ保護手段を設けたことを特徴とする。カートリッジ保護手段が設けられるカートリッジ本体部は、検体中の標的物質を検出するための生化学反応を行う反応チャンバーと、該反応チャンバーに連通する流路・ポート(連通孔)とを有することが好ましい。チャンバーの数は1つであっても複数であってもよい。本発明の生化学反応カートリッジにおける検体中の標的物質を検出するための生化学反応には、例えば、核酸を標的物質とする核酸プローブとのハイブリダイゼーション反応やタンパク質などの抗原を標的物質とする抗体プローブの抗原抗体反応などが挙げられる。また、反応後のチャンバー内の洗浄処理を含んでもよい。生化学反応カートリッジは検出のための生化学反応の結果を検出する工程にも利用するために、検出のための生化学反応の結果を外部から検出するためのプローブ検出部位をカートリッジ側面に有することが好ましい。よって、反応チャンバーとプローブ検出部位とを備えたカートリッジ本体部は、検出のための生化学反応を行う工程と、この生化学反応の反応結果を検出する工程とからなる一連の処理に好適に用いることができる。
本発明の生化学反応カートリッジは、標的物質を検出するプローブが担持されたプローブ担体を用いて検出反応を行うために、プローブ担体がチャンバー内部に面するように配置される構成を有することが好ましい。当該生化学反応カートリッジは、反応チャンバー内にプローブ担体を載置するためのプローブ担体載置部を有し、これに対応するカートリッジ本体部側面にプローブ検出部位を有する構成であってもよい。この構成において光により検出する場合、プローブ検出部位には光が透過する材質を用いることが好ましい。他にも、生化学反応カートリッジは、反応チャンバー側壁の一部に開口部を有し、この開口部に面し、かつカートリッジ本体部側面の一部を形成するように配されたプローブ担体をプローブ検出部位として有する構成であってもよい。
本発明に係る着脱可能なカートリッジ保護手段は、好ましくは該生化学反応カートリッジ全体を覆う。さらに好ましくは少なくとも2つの部材(以下、覆い部材ともいう)で構成される。特に好ましくは2つの部材で構成される。2つの部材でカートリッジ全体を覆う場合、例えば、一方の部材がプローブ検出部位を含んだカートリッジ側面を覆い、他方の部材が残りのカートリッジ側面を覆う構成とすることができるが、特に限定されない。
カートリッジ保護手段は簡易な動作で脱離できることが好ましく、2つの覆い部材からなるカートリッジ保護手段を脱離する場合は次のような動作で脱離することができる。すなわち、各々の覆い部材を把持し、着脱方向軸に沿って覆い部材同士を相対的に分離することで一方の覆い部材をカートリッジ本体部から脱離する。次にこの覆い部材の脱離により露出したカートリッジ本体部をさらに把持し、カートリッジ本体部とこれに装着している他方の覆い部材とを相対的に分離することでこの覆い部材を脱離する。先に脱離される覆い部材の脱離は、後に脱離される覆い部材を一定位置に固定して、先に脱離される覆い部材を脱離方向に移動させることで行うことが望ましい。後に脱離される覆い部材の脱離は、この覆い部材を一定位置に固定して、カートリッジ本体部を脱離方向に移動させることで行うことが望ましい。
上記の方法において一方の覆い部材のみが脱離されるために、覆い部材同士の相対的な分離によって、他方の覆い部材とカートリッジ本体部との装着が外れないための係止手段を両者間に設けておくことが好ましい。これにより、覆い部材同士を相対的に分離すると、一方の覆い部材のみがカートリッジ本体部から脱離し、他方の覆い部材とカートリッジ本体部との装着は維持される。係止手段としては、覆い部材のカートリッジ本体部に面する側に設ける嵌合凸部分と、対応するカートリッジ本体部側面の箇所に設ける嵌合受け部分とからなる嵌合部を設けることが好ましく、互いを嵌め合わせることによって適度な固定状態を実現する。カートリッジ本体部側面の対向する2箇所に嵌合受け部分を設け、覆い部材の対応する2箇所に嵌合凸部分を設けることが望ましい。また嵌合部は、覆い部材同士の相対的な分離の際にカートリッジ本体部から脱離される覆い部材とカートリッジ本体部との間で働く摩擦力等によって外れない程度の形状および大きさであればよく、特に限定されない。好ましい形状は半球状または着脱方向に垂直に形成される半円柱状である。嵌合凸部分を有する覆い部材が脱離する際に嵌合部が容易に外れるために、例えば、この覆い部材の開口端側に弾性を有する可撓部位を延出させて設け、その先端に嵌合突起を設けて、嵌合凸部分としてもよい。そうすると、脱離方向へ移動させる動作だけで可撓部位が外方向に反り、嵌合突起がカートリッジ本体部に摺動しながら覆い部材を脱離することができる。嵌合凸部分を有する覆い部材の脱離において、嵌合部による固定の状態が強く、把持して分離する方法では十分でない場合は、爪部を係合させて引き抜くための係合凹部を最初の脱離により露出するカートリッジ側面に設ける。係合凹部は好ましくはカートリッジ側面の対向する2箇所に設ける。該係合凹部は穴状、または着脱方向に垂直にカートリッジに沿って形成される溝構造であることが好ましい。
以上のような嵌合部および係合凹部を設ける場合、脱離した覆い部材を再びカートリッジ本体部に装着させることも簡単に行うことができる。装着させる動作において嵌合凸部分を有する覆い部材は、その可撓部位が外方向に反り、嵌合凸部分をカートリッジ本体部側面に摺動させながら装着位置まで移動し、嵌合部が嵌め合わされ、カートリッジ本体部に固定される。
本発明に係る生化学反応カートリッジは簡単な脱離手段によって脱離することができる。カートリッジ保護手段が2つの覆い部材からなる場合、脱離手段は、把持部により一方の覆い部材またはカートリッジ本体部を把持して脱離方向に移動させることができる押え移動手段と、他方の覆い部材を押えて一定位置に固定することができる押え固定手段とを有する。また、押え移動手段によって把持される覆い部材もしくはカートリッジ本体部と他方の覆い部材との装着の程度が強い場合は、爪部を有し、これを覆い部材または露出したカートリッジ本体部側面に設けた凹部分に係合させて脱離方向に移動させることができる爪付き移動手段をさらに有することが好ましい。好ましい態様の一つでは、脱離手段は、一方の覆い部材側面を対向する2箇所で把持して脱離方向に移動可能な一対の把持アームと、他方の覆い部材側面を対向する2箇所で把持して一定位置に固定する押え固定手段とを有する。さらに一方の覆い部材側面またはカートリッジ本体部側面を対向する2箇所で係合して脱離方向に移動可能な爪部を設けた一対の爪付きアームを有する。そして本発明は、この態様の脱離手段を適用できるように嵌合部および係合凹部が設けられた生化学反応カートリッジを包含する。
本発明は、カートリッジ保護手段の脱離手段を備え、生化学反応カートリッジに設けたカートリッジ保護手段を自動的に脱離することができる生化学処理装置システムを包含する。この生化学処理装置システムは、生化学反応カートリッジを載置する載置手段と、生化学反応カートリッジ内の検体について生化学反応を生じしめるステージと、生化学反応後の生化学反応カートリッジを用いてプローブ検出部位から反応結果を検出するステージと、該載置手段に載置された生化学反応カートリッジを生化学反応を生じしめるステージおよび検出するステージに移動させる移動手段とを有する生化学処理装置と、着脱可能なカートリッジ保護手段を生化学反応カートリッジ本体部から脱離する脱離手段と、を有することが好ましい。また脱離されたカートリッジ保護手段を再び装着させる装着手段を有していてもよい。再装着させる装着手段には脱離手段を併用してもよく、その場合は、カートリッジ保護手段をカートリッジ本体部へと導くガイドレールを設置することが望ましい。さらに検体および試薬溶液を保存する容器と、生化学反応カートリッジに検体および試薬溶液を注入する手段とを有していてもよい。また、生化学処理装置システムはカートリッジ保護手段を設けた生化学反応カートリッジを含む構成であってもよい。カートリッジ保護手段を設けた生化学反応カートリッジは、生化学処理装置システムにカートリッジ保護手段の一部を取り外して導入するか、あるいはカートリッジ保護手段を設けたままの状態で導入され、当該システム内部で全てのカートリッジ保護手段を取り外して、生化学反応から検出までの一連の処理を行う。場合によっては、一連の処理が終了した後に、カートリッジ保護手段を再度取り付けて、前記生化学処理装置システムから排出する機能を付与することも可能である。また、カートリッジ保護手段を完全に取り外さず、カートリッジ本体部の検出部位のみ露出させる程度にカートリッジ保護手段をカートリッジ本体部に対して移動させたうえで検出を行い、検出後にカートリッジ保護手段をもとの位置に移動させる態様も本発明に含まれる。
(プローブ担持担体)
プローブを担持する基材は、プローブを担持し、基材に担持されたプローブを用いて検知物質(標的物質)を検出する。プローブを担持する基材は、検知物質(標的物質)を検出するのに支障のないものであれば特に限定されるものではないが、例えば無機材料または高分子材料などがあげられる。
無機材料を使用する場合は、検知物質(標的物質)を検出するため、塩基性基を導入するので、基材表面を例えばアミノ基を有するシランカップリング剤で処理したものが好ましい。
シランカップリング剤で処理する場合、基板の材質としては特には石英、石英ガラス、ガラス、シリコン(単結晶あるいはポリシリコン)、シリカ、アルミナ、タルク、クレー、アルミニウム、水酸化アルミニウム、鉄、マイカ等のシランカップリング剤で効率的に処理できるものが好ましいが、酸化チタン、亜鉛華、酸化鉄などの酸化物などを使用することもできる。
標的物質の検出や材料としての汎用性を考慮すると、アルカリ成分を含まない、無アルカリガラスや石英基板材料が特に好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジアルコキシシラン、γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジアルコキシシランなどがあげられる。アルコキシシリル基としては、加水分解が速やかに行えるメトキシシリル基もしくはエトキシシリル基が好ましい。
高分子材料としては、アミノ基などの塩基性基を有する高分子材料、あるいは、塩基性基を容易に導入できる高分子材料が好ましい。例えば、末端にアミノ基を持つポリアミドなどを利用する方法、保護したアミノ基とビニル基を持つ物質を共重合させ、保護基を外した材料等がある。ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂などを基材として表面にアミノ基を導入した高分子材料も使用できる。この場合には、シランカップリング剤による処理は必要ない。
なお、上述のシランカップリング剤とは、樹脂などの有機化合物と反応しうる有機官能基と、ガラスなどの無機化合物とシロキサン結合を介して結合しうる部分を併せ持つ化合物のことを言う。
また、プローブを担持する基材の形状は制約されるものではないが、DNAチップを例として挙げるならば検出方法および装置などの汎用性から基板形状であることが好ましい。更に、材料の表面の平滑性が高い材料であることが好ましく、市販されている標準的な検出装置を用いる上では、具体的には1インチ×3インチ、厚さ0.7mm乃至1.5mm程度の基板形状をしていることが好ましい。
プローブを担持する基板を所定のサイズに切断してDNAチップを作製する場合、基板の形状、サイズは特に制約されない。
プローブを担持する基板の表面をシランカップリング剤で処理する際には、基板表面を予め洗浄しておくことが好ましい。洗浄方法としては、水による洗浄,薬液による洗浄,プラズマによる洗浄,UVオゾンによる洗浄など多くの方法が知られているが、簡易的に尚且つ均一に洗浄する方法としては、薬液による洗浄方法が適当である。
基板に用いる基材の種類によっても好適な洗浄方法は異なるが、例えば基材としてガラスを用いる場合は、所定濃度の水酸化ナトリウム水溶液を用いて基材表面を十分に洗浄し、基材上に付着した汚れを除去する方法が挙げられる。
プローブを担持する基板としてガラスを用いる場合、60℃程度に加温した1M水酸化ナトリウム水溶液を用意し、水溶液中で基材表面をワイピングするもしくは水溶液をシャワーリングしながらブラッシングすることにより基材上に付着した汚れを確実に除去する。汚れを除去した後、余分な水酸化ナトリウム分を十分に水で洗い流す。最後にN2などの不活性ガスでブローするなどの方法で水分除去を行う。
シランカップリング剤のコーティングの方法は、浸漬法(ディッピング法)、スピンコート法、スプレーコート法などの方法が利用できる。特に簡便且つ均一に処理できる浸漬法が好ましい。
浸漬法は、例えば、濃度が0.1〜2.0wt%の水に溶解させたシランカップリング剤水溶液に、洗浄した基材を浸漬し、反応終了後余分なシランカップリング剤を含む溶液を洗い流すことでシランカップリング剤を基材表面にコーティングすることができる。
シランカップリング剤を基材表面にコーティング後、100〜120℃くらいの温度で乾燥させることが好ましい。
プローブには、タンパク質(複合タンパク質を含む)、核酸、糖鎖(複合糖質を含む)、脂質(複合脂質を含む)等の生体高分子などが含まれる。具体的には、酵素、ホルモン、フェロモン、抗体、抗原、ハプテン、ペプチド、合成ペプチド、DNA、合成DNA、RNA、合成RNA、PNA、合成PNA、ガングリオシド、レクチンなどがあげられる。
媒体中に含まれるプローブの量は、例えば核酸プローブの場合、プローブ安定性を考慮すると、媒体中に、好ましくは鎖長2mer以上500mer以下、より好ましくは2mer以上80mer以下の核酸プローブの濃度が、0.05μM以上500μM以下となるように調整することが好ましく、0.5μM以上50μM以下の濃度となるように調整することがより好ましい。
プローブにチオール基を導入する際、例えば、自動合成するDNAをプローブとする場合にはDNA自動合成機での合成時にチオールモディファイア(Thiol−Modifier)(グレンリサーチ(GlenResearch)社製)を用いる事ができる。なお、効率良くチオール基の導入することができれば、特にチオールモディファイアに限定されるものではない。
基板へのプローブの付与は、プローブを水性媒体に溶解あるいは分散した水性液を、インクジェット法、ピン法あるいはピン&リング法などにより表面に塩基性基を有する基板にスポットする。
スポッティング方法に関し、上述した方法の中でも特にインクジェット法は高密度で尚且つ正確なスポッティングができることから好適なスポッティング方法である。インクジェット法とは、ごく細いノズルの中にプローブを含む溶媒を入れ、ノズルの先端近くを瞬間的に加圧ないし加熱し、ノズルの先端から正確に極微量のプローブを含む溶媒を飛び出させ、基材面に付着させるというものである。
プローブ媒体が含む成分は、プローブ媒体としてインクジェットヘッドから吐出させた時にプローブに対して実質的に影響を与えず、且つインクジェットヘッドを用いて基材上に正常に吐出可能である媒体組成を満たすものであれば、特に限定されるものではない。例えば、インクジェットヘッドが媒体に熱エネルギーを付与して吐出させる機構を備えるバブルジェットヘッドである場合、グリセリン、チオジグリコール、イソプロピルアルコール、アセチレンアルコールを含む液体は当該成分として好ましいものである。更に具体的に述べるのであれば、グリセリン5〜10wt%、チオジグリコール5〜10wt%、アセチレンアルコール0.5〜1wt%を含む液体がプローブ媒体として好適に用いられる。
また、インクジェットヘッドが圧電素子を用いて媒体を吐出させるピエゾジェットヘッドである場合、エチレングリコール、イソプロピルアルコールを含む液体はプローブ媒体に含まれる成分として好ましいものである。更に具体的には、エチレングリコール5〜10wt%、イソプロピルアルコール0.5〜2wt%を含む液体がプローブ媒体として好適に用いられる。
このようにして得られたプローブ媒体は、インクジェットヘッドより吐出させ基材上に付着させた時、スポットの形状が円形で、また吐出された範囲が広がることがない。高密度にプローブ媒体をスポッティングした場合にも、隣接するスポットとの連結を有効に抑えることができる。なお、本発明のプローブ媒体の特性は上記のものに限定されるものではない。
また、予めプローブと塩基性基を有するシランカップリング剤を水性媒体に溶解あるいは分散した水性液を、インクジェット法もしくはピン法などの方法により、基板表面に接触させ、基板表面への塩基性基の導入と、プローブの固定担持を同時に行っても良い。
さらにスポットのプローブの乾燥を低減するために、プローブが溶解あるいは分散してなる水性液中に、高沸点の物質を添加してもよい。高沸点の物質としては、プローブが溶解あるいは分散してなる水性液に溶解し得るもので、かつ粘性の大きくない物質であることが好ましい。このような物質としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジグリコール、ジメチルスルホキシドおよび低分子の親水性ポリマーを挙げることができる。親水性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、パオゲン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、プルラン、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム等を挙げることができる。
高沸点の物質としては、エチレングリコールまたはジエチレングリコールを用いることがさらに好ましい。高沸点の物質の濃度は、プローブの水性液中、0.1%乃至10容量%の範囲にあることが好ましい。また、プローブを付与した後の固相担体を、90%以上の湿度および20〜50℃の温度範囲の環境にいてもよい。
スポッティング後、過剰のプローブを洗浄して除去することが好ましい。プローブの種類にもよるが、チオール基を導入した1本鎖DNAプローブを用いた場合1分以内でプローブは固定担持されるが、10分以上放置した後に除去することが好ましい。
このようにして得られたプローブ担持基板は、標的物質を検出するためのプローブ担持担体として好適である。
プローブ担持担体を用い、標的物質の検出等を行う場合、プローブを固相表面に担持した後、基材上のプローブ非結合部分が検体(サンプル)中に含まれる標的物質等と結合しないようにブロッキングを行って検出精度(S/N比)の向上を図ることができる。
ブロッキングは例えば、基材を1〜2%ウシ血清アルブミン水溶液中に、2時間程度浸すことにより行なわれる。この場合、基材上のプローブ担持部位以外への標識物質の吸着を防ぐ効果からすると、ウシ血清アルブミン水溶液が好適である。
なお、ブロッキングの工程は必要に応じて行えば良く、例えばサンプルのプローブ担持基材への供給を各々のスポットに対して限定的に行い、スポット以外の部位へのサンプルの付着が実質的にない場合には行わなくても良い。スポット以外の部位へのサンプルが付着される場合は、基材となる材料や、シランカップリング剤の種類によって異なる。また、基材がガラス,石英などである場合において、塩基性基を有するシランカップリング剤のような物質とチオール基を有するプローブを含むプローブ媒体をスポッティングする場合にも、ブロッキング操作は必要ない。
この様にして作製するプローブ担持基材はその用途に応じて、例えば同じプローブを含む複数のスポットを有するように構成しても良く、また異種のプローブを各々含む複数のスポットを有する様に構成してもよい。プローブの種類,数量,配置は必要に応じて適宜変更することが可能である。そしてこの様な方法によってプローブが高密度に配置されたプローブ担持基材は、その後標的物質の検出や、標的物質塩基配列の特定等に用いられる。
例えば、サンプル中に含まれている可能性のある、塩基配列が既知の標的物質である一本鎖核酸の検出に用いる場合は、標的物質の一本鎖核酸の塩基配列に対して相補的な塩基配列を有する一本鎖核酸をプローブとして用いる。この場合、プローブからなる複数のスポットが固相上に配置されているプローブ担持基材を用意し、プローブ担持基材の各々のスポットに検知物質を含むサンプルを付与して該標的物質の一本鎖核酸とプローブとがハイブリダイズするような条件下に置いて反応させる。その後、各々のスポットにおけるハイブリッドの有無を、例えば蛍光、電波、磁力による検出等の既知の方法で検出する。それによって、サンプル中における標的物質の有無の検出を行うことができる。
また、サンプル中に含まれる標的物質の一本鎖核酸における塩基配列の特定に用いる場合は、標的物質の当該塩基配列の複数の候補を設定し、塩基配列群に対して各々相補的な塩基配列を有する一本鎖核酸をプローブとして基材上にスポッティングする。次いで、各々のスポットにサンプルを供給して標的物質の一本鎖核酸とプローブとがハイブリダイズするような条件下に置いた後、各々のスポットにおけるハイブリッドの有無を蛍光検出等の既知の方法で検出する。これにより、標的物質である一本鎖核酸の塩基配列の特定を行うことができる。また本発明に係わるプローブ担持基材の他の用途としては、例えばDNA結合蛋白質が認識する特異的な塩基配列のスクリーニングやDNAに結合する性質を有する化学物質のスクリーニングへの適用が考えられる。
ハイブリダイゼーションは標識した試料核酸断片が溶解あるいは分散した水性液を、上記で作製したDNAチップ上に付与することによって実施することが好ましい。
ハイブリダイゼーションは、室温乃至70℃の温度範囲で、そして2時間乃至20時間の範囲で実施することが好ましい。ハイブリダイゼーション終了後、界面活性剤と緩衝液との混合溶液を用いて洗浄を行い、未反応の試料核酸断片を除去することが好ましい。
界面活性剤としては、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を用いることが好ましい。緩衝液としては、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、トリス緩衝液、グッド緩衝液等を用いることができるが、クエン酸緩衝液を用いることが特に好ましい。
DNAチップを用いるハイブリダイゼーションの特徴は、標識した試料核酸断片の使用量が非常に少ないことである。そのため、固相担体に担持するDNA断片の鎖長や標識した試料核酸断片の種類により、ハイブリダーゼーションの最適条件を設定する必要がある。
遺伝子発現の解析には、低発現の遺伝子も十分に検出できるように、長時間のハイブリダイゼーションを行うことが好ましい。1塩基ミスマッチ(1塩基変異)の検出には、短時間のハイブリダイゼーションを行うことが好ましい。また、互いに異なる蛍光物質によって標識した試料核酸断片を2種類用意し、これらを同時にハイブリダイゼーションに用いることにより、同一のDNAチップ上で発現量の比較や定量ができる特徴もある。
プローブを担持した基板を切断してプローブ担体を形成する方法は、
1.ダイヤモンド・カッターを用いて基板表面を罫書いて、基板の表面にスクライブ・ラインを形成し、衝撃ブレーキングによりスクライブ・ラインで破断し、小チップ化する
2.ダイシング装置を使って切断する、
3.ダイシング装置を用いて切り代を残して切断し、その後、破断する、
4.レーザー切断法による切断する、
5.高分子材料の場合には、切削カッターによる切断方法が適用できる。また、射出成型法の場合には、その形状・サイズに対応した金型を使用することによって可能である、
等の方法がある。
1〜4の方法は、半導体のダイシングでよく使われている方法で、シリコン基板、石英基板および石英ガラスのような材料のダイシングに適している。
一方、ダイシング装置を用いる場合、ダイシング中のブレードを冷却するためにブレードに冷却水を供給する必要がある。更に、ダイシング中に生成される基板の切削粒子によりプローブ担体の剥離や特性変化がないことが必要である。
スクライブ&ブレーキング法はウェット・プロセスを含まないドライ・プロセスなので、プローブ担体の切断加工には適している。
反応チャンバーは、ハイブリダイゼーション反応に影響しない材料で、反応空間の加工性があれば、特に制限はない。一般には射出成型に適した高分子材料、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂などのプラスティックが用いられる。
プローブ担体と反応チャンバーとの接着には、基板材料・カバー材料・ハイブリダイゼーション処理に影響を与えない接着剤であれば、特に制限はない。基板材料およびカバー材料が両方ともプラスティックである場合には、超音波溶着やレーザー溶着も使用することができる。
以下、本発明の好ましい一実施例を添付図面に基づき更に詳細に説明する。これらは説明目的で記載され、本発明を限定するものではない。
<プローブ担体の作製>
(1)基板の洗浄
プローブ担持担体の基材として、図1に示す72mm角(厚さ0.7mm)の合成石英ガラス基板11を用いた。基板の洗浄は、純水ブラシ洗浄→純水リンス→アルカリ性洗剤超音波洗浄→純水リンス→純水超音波洗浄→純水リンス→窒素ブロー乾燥の順に行い、清浄面を有する基板を用意した。
(2)表面処理
アミノシランカップリング剤(商品名:KBM−903;信越化学工業(株)社製)を0.1wt%になるように溶解し、30分間撹拌してメトキシ基を加水分解させた。この水溶液をスピンコーターにて基材に塗布した後、取り出し、オーブン中120℃で1時間ベーク処理を行った。
次いで、N−マレイミドカプロイロキシスクシンイミド(Dojin社製;以後、EMCSと略す)を2.7mg秤量し、ジメチルスルホキシド(DMSO)/エタノールの1:1溶液に最終濃度が0.3mg/mlとなるように溶解したEMCS溶液を用意した。前記のベーク処理したアミノ基導入基板に該EMCS溶液をスピンコーターにて塗布し、表面にマレイミド基を導入した。
(3)プローブ担持
メルカプト(SH)基を導入した合成一本鎖DNAプローブ断片をグリセリン7.5wt%、尿素7.5wt%、チオジグリコール7.5wt%、アセチレンアルコール(商品名:アセチレノールE100;川研ファインケミカル(株)社製)1.0wt%を含む水溶液に、0.6ODになるよう溶解させた。該プローブ含有溶液をインクジェット法により、図1に示す通り、前記基板にスポッティングしてプローブ担持アレイ12を形成した。その後、基板を30分間、恒温恒湿チャンバー内に静置して、基板表面のマレイミド基とDNAプローブ末端のメルカプト基とを反応させた。次いで、1M−NaCl/50mMリン酸緩衝溶液(pH7.0)で洗浄し、純水で軽く洗浄した後、窒素ブロー乾燥してプローブ担持担体を得た。
(4)プローブ担体の切断・小チップ化
プローブ担持した合成石英ガラス基板11を接着シートに貼り付け、ダイヤモンド・カッターにてスクライブ・ライン14を罫書き、破断して、プローブ担持アレイ12を含み規格化された大きさのプローブ担体である小チップ(例えば、18mm角)13を得た。
<生化学反応カートリッジの作製>
図2に示すカートリッジ本体部を構成するカートリッジ・本体部材21とカートリッジ・フタ部材22は金型を使用し、ポリカーボネート樹脂を用いて射出成型により作製した。カートリッジ・本体部材21は、小チップ13を接着することにより反応チャンバー24と流路25とを形成する。カートリッジ・本体部材21は詳細な構造は図示していないが、成型による歪みを抑制するため部分的に肉抜き加工を施している。カートリッジ・本体部材21とカートリッジ・フタ部材22との間は超音波溶着法、レーザー溶着法もしくは接着剤による接着などの方法で気密性を確保した状態で接着する。カートリッジ・本体部材21と小チップ13との間は紫外線硬化樹脂や可視光硬化樹脂などの接着剤を用いて気密性を確保した状態で接着する。図3に、カートリッジ・本体部材21とカートリッジ・フタ部材22と小チップ13とを組み立てた状態の生化学反応カートリッジ31を示す。
図3(a)はチップ側から見た外観図を、図3(b)はその裏側から見た外観図を示している。
<カートリッジ保護手段及びこれを着脱可能に設けた生化学反応カートリッジの作製>
本実施例でカートリッジ保護手段として用いる、カートリッジ覆い部材41と42(図4参照)は金型を使用し、ポリカーボネート樹脂を用いて射出成型により作成した。ポリカーボネート樹脂は透明でも紫外線波長域のカット・フィルター機能があるので透明のまま使用してもよいが、必要に応じて適当な顔料・染料で着色してもよい。
最初に、カートリッジ覆い部材41に生化学反応カートリッジ31を挿入し、カートリッジ覆い部材の嵌合凸部分43と生化学反応カートリッジの嵌合受け部分26が嵌合するように設置する。次いで、カートリッジ覆い部材42にカートリッジ覆い部材41を設置した生化学反応カートリッジ31を挿入することによって、着脱可能なカートリッジ保護手段を設けた生化学反応カートリッジが得られる。
<生化学処理装置システム内での動作>
前記の着脱可能なカートリッジ保護手段を設けた生化学反応カートリッジ51が生化学処理装置システムに投入された場合のカートリッジ保護手段を取り外す一連の動作の一例を図5に示す。装置構成の詳細は図示しないが、着脱可能なカートリッジ保護手段を設けた生化学反応カートリッジ51が装置に投入されると、まずカートリッジ覆い部材41が押え固定手段52により固定される。その状態でカートリッジ覆い部材42がロボット・アーム53によって取り外される(図5C)。次いで生化学反応カートリッジ31に付与された凹み部分に爪付きロボット・アーム54の爪が嵌合し、装置へのローディング動作を開始する。カートリッジ覆い部材41は遮蔽板55に遮られ、生化学反応カートリッジがローディングされると同時に脱離され、生化学反応カートリッジは次工程へ搬送され、検体注入・ハイブリダイゼーション・洗浄・検出が自動的に行われる。一連の処理が終了した生化学反応カートリッジはそのまま廃棄してもよいし、カートリッジ保護手段を再度装着されて再検出に備えて保管してもよい。カートリッジ保護手段を再度装着された場合には、紫外線遮蔽されるため蛍光色素の劣化が抑制されるので、再検出の場合にも問題なく処理することができる。
生化学反応カートリッジは次工程へ搬送され、検体注入・ハイブリダイゼーション・洗浄・検出が自動的に行われる。一連の処理が終了した生化学反応カートリッジはそのまま廃棄するか、カートリッジ保護手段を再度装着されて再検出に備えて保管されてもよい。カートリッジ保護手段を再度装着された場合には、紫外線遮蔽されるため蛍光色素の劣化が抑制されるので、再検出の場合にも問題なく処理することができる。
以上説明したように本発明によれば、検査者が生化学反応カートリッジのハンドリングの際に当該カートリッジのプローブ検出機能上必要な部位を誤って触れてしまうおそれと、プローブ検出前に当該部位が外気にさらされるおそれが皆無となった。それにより当該部位が手からの汚れによって汚染されることが皆無となり、また、外気中の塵埃等によって汚染されることが殆ど無くなった。さらに特に蛍光検出型の生化学反応カートリッジにおいてはDNAマイクロアレイ部に光があたってしまうことによる蛍光色素の劣化の進行を防止することができるようになった。以上より正確にプローブ検出をすることができるようになった。
本発明の角形基板を用いたプローブ担体を示し、規格化された大きさに切断した小チップも示した図である。 生化学反応カートリッジを構成する部材を示した図である。 構成部材を組み立てて作製した生化学反応カートリッジの外観図である。(A)カートリッジの表側方向からの鳥瞰図。(B)カートリッジの裏側方向からの鳥瞰図。 生化学反応カートリッジの着脱可能なカートリッジ保護手段の一例を示した図である。 着脱可能なカートリッジ保護手段を設けた生化学反応カートリッジを生化学処理装置システムに導入した場合のカートリッジ保護手段を取り外す一連の動作を示す図である。
符号の説明
11 角型基板
12 プローブ担持アレイ
13 小チップ(規格化された大きさのプローブ担体)
14 切断ライン
21 カートリッジ・本体部材
22 カートリッジ・フタ部材
23a ポート(薬液注入孔)
23b ポート(排出孔)
24 反応チャンバー
25 流路
26 嵌合部(受け部分)
31 生化学反応カートリッジ
41 カートリッジ覆い部材
42 カートリッジ覆い部材
43 嵌合部(凸部分)
51 着脱可能なカートリッジ保護手段を設けた生化学反応カートリッジ
52 カートリッジの押え固定手段
53 ロボット・アーム
54 爪付きロボット・アーム
55 カートリッジ保護部材41の遮蔽板

Claims (9)

  1. 生化学反応を生じしめる生化学反応カートリッジにおいて、
    前記生化学反応カートリッジはチャンバーを備え、
    前記カートリッジ本体部を着脱可能に覆い保護するカートリッジ保護手段を設けたことを特徴とする生化学反応カートリッジ。
  2. 前記カートリッジ保護手段は前記カートリッジ本体部の全体を覆うことを特徴とする請求項1に記載の生化学反応カートリッジ。
  3. 前記生化学反応の結果を外部から検出するための検出部位を備え、
    前記カートリッジ保護手段は少なくとも2つの部材で構成されており、
    前記カートリッジ保護手段を前記カートリッジ本体部から取り外すために、該生化学反応カートリッジが装着された生化学処理装置システムが有する脱離手段により、前記カートリッジ本体部から該カートリッジ保護手段を脱離可能な構造を有し、
    該生化学処理装置システムへの導入時もしくは導入後に該カートリッジ保護手段を前記カートリッジ本体部から取り外して、該生化学反応カートリッジ内で前記生化学反応から前記検出までの一連の工程を行なうことを特徴とする請求項2に記載の生化学反応カートリッジ。
  4. 前記カートリッジ保護手段を前記カートリッジ本体部に取り付けるために該生化学処理装置システムが有する装着手段により、該カートリッジ保護手段を該カートリッジ本体部に装着可能な構造を有し、
    前記一連の工程が終了した後に、該カートリッジ保護手段を該カートリッジ本体部に再度取り付けて、該生化学処理装置システムから排出することを特徴とする請求項3に記載の生化学反応カートリッジ。
  5. 検体中の標的物質を検出するプローブが担持されたプローブ担体を前記チャンバー内に内臓された生化学反応のための溶液に接触させて保持するためのプローブ担体設置部を有し、
    該プローブ担体設置部に設置した該プローブ担体を用いて前記検体中の標的物質の検出のための生化学反応を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の生化学反応カートリッジ。
  6. 前記プローブ担体のプローブが、担体として用いる基板に共有結合していることを特徴とする請求項5に記載の生化学反応カートリッジ。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の生化学反応カートリッジを備える生化学処理装置システム。
  8. 請求項3に記載の生化学反応カートリッジを有する生化学処理装置システムであって、該生化学処理装置システムへの該カートリッジの導入時もしくは導入後に前記カートリッジ保護手段を前記カートリッジ本体部から取り外すための脱離手段を有することを特徴とする請求項7に記載の生化学処理装置システム。
  9. 請求項4に記載の生化学反応カートリッジと前記脱離手段とを有する生化学処理装置システムであって、前記一連の工程の終了後もしくは該生化学処理装置システムからの排出時に前記カートリッジ保護手段を前記カートリッジ本体部に再度取り付けるための装着手段を有することを特徴とする生化学処理装置システム。
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