JP2008144189A - カーボン系すり板 - Google Patents

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広志 土屋
Shunichi Kubo
俊一 久保
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秀彦 野崎
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Abstract

【課題】耐摩耗性に優れるととともに、耐アーク性に優れたカーボン系すり板を得る。
【解決手段】カーボンと銅とを主成分とし、さらに炭素繊維と、ビッカース硬度Hvが10GPa〜20GPaの範囲にあるセラミックスとが含有されている材料からなる。前記材料を、2000℃で熱処理した後、前記材料について波長532nmのNd:YAGレーザー光を用いたラマンスペクトル分析を行うことによって得たDバンドとGバンドとの比で定義されるR値=(I1360/I1580)が、0.6以上となることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、電気車等のパンタグラフに取り付けられる集電用のカーボン系すり板に関する。
電気車等に用いられるすり板は金属(合金)材料が使用されていたが、架線の摩耗が少なく、摺動性に優れたカーボン系材料に移行しつつある。
このような材料を用いたカーボン系すり板のうち、HIP(Hot Isostatic Press)装置などを用いて、溶融した銅系金属をカーボン基材に含浸することによって製造される「金属含浸型カーボン系すり板」は、架線の摩耗を低減すると同時にすり板自身の摩耗量が少ないため、多くの路線で採用されている。
しかしながら、この金属含浸型カーボン系すり板は架線とすり板が離れた(離線した)際に発生するアークによって、すり板摺動面端部などにカケを発生させる場合がある。このカケも有害とされる大きさ以上となると、正常な集電ができなくなる恐れがあり使用できなくなることから、比較的離線アークの多い山間部の路線などではこの「金属含浸型カーボン系すり板」は使用が制限されるものであった。例えば、JRでは有害なカケの大きさを7(幅)×60(長さ)×6(厚み)mm以上と規定している。
これに対し、カーボンと銅粉を混合し、成形、焼成する「混合焼結型カーボン系すり板」は、一般に離線アークによるカケが発生し難いといわれるものの、「金属含浸型カーボン系すり板」に比べすり板の摩耗量が多いと評価されているため、一部の路線での使用に限定されるものであった。
上述のような経緯のもと、離線アークによるクラックの発生を防止するため、下記特許文献1では、炭素と銅の比率の変化により耐摩耗性、耐アークが変化することを明らかにし、炭素比が低下することで摩耗量が上昇することのほか、放熱性に優れ、クラックの発生しにくい耐クラック性を有する「混合焼結型カーボン系すり板」が開示されている。すなわち、下記特許文献1では、炭素粉末と銅粉末を混合、成形、焼成して得られる炭素−銅複合材料によって形成される耐クラック性を有する炭素系焼結すり板材料であって、熱伝導率が20W/m・K以上で、熱膨張係数が8×10−6/K以上である耐クラック性を有するものが提案されている。
特開2004−76097号公報
しかしながら、すり板に要求される特性の優先順位としては、(1)耐摩耗性、(2)耐アーク(クラック)性であり、いくら耐アーク性に優れたすり板であったとしても、すり板摩耗量が多ければ使用できないことから、その両方の性能を同時に高める必要があった。
そこで、本発明は、いわゆる「金属含浸型カーボン系すり板」の耐摩耗性に優れた特徴と、いわゆる「混合焼結型カーボン系すり板」の耐アーク性(耐カケ、クラック性)に優れた特徴とを併せ持つカーボン系すり板を提供することを目的とする。
本発明のカーボン系すり板は、カーボンと銅とを主成分とし、さらに炭素繊維と、ビッカース硬度Hvが10GPa〜20GPaの範囲(好ましくは10〜16GPaの範囲)にあるセラミックスとが含有されている材料からなる。なお、ビッカース硬度Hvが10GPaよりも小さいと、すり板の耐摩耗性の向上効果が小さく、20GPaよりも大きいと、架線を損傷する恐れや、走行時にセラミックスが脱粒する恐れもあり、好ましくない。架線を損傷せず、架線の損傷によるすり板の摩耗量を最小限に抑えることができるので、ビッカース硬度Hvが10〜16GPaの範囲となることが好ましい。
本発明のカーボン系すり板においては、前記材料を2000℃で熱処理した後、前記材料について波長532nmのNd:YAGレーザー光を用いたラマンスペクトル分析を行うことによって得たDバンドとGバンドとの比で定義されるR値=(I1360/I1580)が、0.6以上となることが好ましい。
本発明のカーボン系すり板においては、前記セラミックスの含有率が、全質量の0.1wt%〜5wt%であることが好ましい。なお、カーボン系すり板の全質量の5wt%以上の添加ではカーボン系すり板の曲げ強さが低下し、また、カーボン系すり板の全質量の0.1wt%未満では添加の効果が十分に発揮されないので好ましくない。
本発明のカーボン系すり板においては、前記炭素繊維の含有量が、全質量の0.1wt%〜5wt%であることが好ましい。なお、カーボン系すり板の全質量の0.1wt%未満の添加では熱膨張係数に変化がなく、また、カーボン系すり板の全質量の5wt%以上の添加では材料の熱膨張係数の減少には寄与するものの、曲げ強さが急激に低下することから好ましくない。
本発明のカーボン系すり板においては、前記セラミックスの平均粒径が1μm〜300μmであることが好ましいが、10〜200μmがより好ましく、30〜150μmがさらに好ましい。なお、粒径が300μmより大きいものはカーボン系すり板中に均一分散されにくく、カーボン系すり板として使用した場合にセラミックスが脱粒しやすくなるので好ましくない。また、粒径が1μmよりも小さいと、カーボン系すり板の耐摩耗性の向上に寄与しなくなるので好ましくない。なお、セラミックスの粒形については、特に制限はない。
本発明のカーボン系すり板においては、前記セラミックスが酸化ジルコニウムであることが好ましい。セラミックスとしては、例えば、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化ケイ素などが使用できるが、強度が大きく摺動特性も良好な酸化ジルコニウムがもっとも好ましい。また、酸化ジルコニウムは市販されているものを使用できるが、純度が高いことが好ましい。
本発明のカーボン系すり板においては、前記炭素繊維が、1μm〜500μmの長さのミルドファイバー又はチョップドファイバーであることが好ましい。なお、繊維長が500μmを超える炭素繊維を使用する場合は均一に分散させることが難しく、また成形時にクラックが発生する場合があり、好ましくない。繊維長が1μm未満だと繊維としての働きが得られず、すり板の耐アーク性向上の効果が十分に得られないので好ましくない。
本発明によれば、いわゆる「金属含浸型カーボン系すり板」の耐摩耗性に優れた特徴と、いわゆる「混合焼結型カーボン系すり板」の耐アーク性(耐カケ、クラック性)に優れた特徴とを併せ持つカーボン系すり板を提供できる。その結果として、製造工程にHIP装置など大掛かりな装置を用いる必要がないため、コストメリットがある。
次に、本発明の実施形態に係るカーボン系すり板について説明する。
本実施形態のカーボン系すり板は、カーボンと銅とを主成分とし、さらに炭素繊維と、ビッカース硬度Hvが10GPa〜20GPaの範囲にあるセラミックスとが含有されている材料からなる。また、カーボン原料をラマン分光のR値=(I1360/I1580)から選定したものを使用している。
より具体的には、硬質成分である平均粒径1μm〜300μmの範囲にあるセラミックス粉末を全質量の0.1wt〜5wt%添加する。なお、セラミックス粉末には、セラミックス焼結体(バルク体)の機械的特性であるビッカース硬度Hv(JIS R1610 試験荷重98N)が10GPa〜20GPaの範囲にある、例えば、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化ケイ素などを使用する。これにより、カーボン系すり板自身の耐摩耗性を高めることができる。また、セラミックス粉末の粒度分布は、分布の幅が狭く粒径が均一である。これにより、すり板の曲げ強さを大きくすることができる。なお、粒度分布の幅が広く、セラミックスの微粉が含まれていると、すり板の曲げ強さが小さくなる。
また、離線アークにより瞬間的に数千℃の高温にさらされるカーボン材料の観点から、カーボン原料には、耐摩耗性の向上に効果がある以下の特性を有するようなものを用いる。すなわち、カーボン原料粉末もしくはその成形体を、10Torrの減圧下、Nガスを5L/min流しつつ、室温から2000℃まで3時間で昇温し、2000℃で1時間保持した後、室温まで冷却後、波長532nmのNd:YAGレーザー光を用いたラマン分光により測定したR値が0.6以上となるようなカーボン原料を用いる。なお、ここで使用されるカーボン原料には、コークス、ピッチ、タール、樹脂等が用いられるが、ニードルコークスなど加熱により急激に黒鉛化が進展するコークスは好ましくない。
ここで、炭素材料の評価とラマン分光法との関係について説明する。一般に、炭素材料の評価にはラマン分光法が極めて有効な評価方法であるといわれており、黒鉛化の発達に従い、R値は減少するといわれている。本実施形態においては、離線アーク後のカーボン系すり板表面の黒鉛化状態をラマン分光法にて評価したところ、摺動面の黒鉛化と摩耗量には相関があり、黒鉛化が発達するほど摩耗量が多いことから、黒鉛化しがたい原料を選定することで、耐摩耗性に優れた材料を提供することができることがわかった。この還元雰囲気下の2000℃焼成は離線アークにより高温にさらされるカーボン系すり板の表面状態を再現し、人工で実現できる熱処理温度で摩耗量に明確な違いを見出すために設定した温度である。なお、2000℃で焼成した材料のR値が0.6未満の場合には、材料の黒鉛化が著しく進展しやすく、耐摩耗性は急激に劣化するため好ましくない。
炭素繊維には、繊維長1μm〜500μmのミルドファイバーまたはチョップドファイバーを使用し、すり板質量の0.1wt%〜5wt%添加する。炭素繊維の例としては、カーボンミルドファイバーまたはチョップドファイバーなどが挙げられ、カーボン系すり板材料の熱膨張係数を下げ、離線アークによる急激な熱膨張を緩和し、クラックの発生および伸展を抑制することができる。炭素繊維はサイジング剤除去など事前の熱処理の有無に関わらず使用することができる。
銅粉には、電解銅粉で、平均粒径が1μm〜250μmのものを使用する。なお、電解銅粉は樹枝状であるためカーボンとのからみが良く、かつ銅粉末同士の平均距離も近いので、機械的強さの向上、電気比抵抗の低減に効果的である。平均粒径が250μmよりも大きいと、電気比抵抗を低減するために銅粉を多量に添加しなければならず、そのためにすり板の機械的強さが低下してしまい好ましくない。また、銅粉の割合が多くなるので、すり板の物理的摩耗量が増加するとともにすり板質量が増加する。そのため、架線との追随性が悪くなり、離線アークによるクラック及び摩耗量が増加する。また、平均粒径が1μmよりも小さいと取扱いが困難で、金属が酸化しやすいこと等から好ましくない。また、銅粉は、カーボン系すり板の全質量の20wt%〜80wt%添加される。一変形例として、カーボン系すり板の全質量の30wt%〜70wt%の範囲で添加することとしてもよい。これにより、電気比抵抗、機械的強さのバランスが、より最適なすり板とすることができ、すり板の耐摩耗性、架線との追随性が向上する。なお、銅粉が多すぎると、カーボンの含有量が少なくなるためにすり板の物理的摩耗量が増加するとともに、すり板質量が増加し、架線との追随性が悪くなることで、離線アークによるクラック、摩耗量増加が予想される。また、銅粉が少なすぎるとすり板の導電性が悪くなるだけでなく、すり板の耐アーク性が悪くなり、離線アークによりクラックが発生する。
本実施形態によれば、いわゆる「金属含浸型カーボン系すり板」の耐摩耗性に優れた特徴と、いわゆる「混合焼結型カーボン系すり板」の耐アーク性(耐カケ、クラック性)に優れた特徴とを併せ持つカーボン系すり板を提供できる。その結果として、製造工程にHIP装置など大掛かりな装置を用いる必要がないため、コストメリットがある。
なお、上記実施形態の変形例として、銅の代わりに、チタン、鉄、ニッケル、スズ、モリブデン、コバルト、クロム、タングステン、銀などの金属元素の他、TiC、TiN、SnOなどの化合物、カーボンナノチューブ、天然黒鉛、人造黒鉛、二硫化モリブデン、二硫化タングステンなどのいずれか1種以上を、カーボン系すり板の全質量の2%未満添加することとしてもよい。
次に、実施例及び比較例を用い、本発明について具体的に説明する。まず、各実施例及び各比較例のサンプルについて説明する。
(実施例1)
10〜20μmの平均粒径を有する石油系レギュラーコークスに、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を40重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を56重量部、繊維長約30μmのカーボンミルドファイバー(東レ(株)製)を2重量部、平均粒径が90μmの酸化ジルコニウム粉末(東ソー(株)製)を2重量部、の分量で混合し、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、実施例1に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は3.2Mg/m、曲げ強度は110MPaであった。
(実施例2)
10〜20μmの平均粒径を有する石油系レギュラーコークスと10〜20μmの平均粒径を有する石炭系レギュラーコークスを混合し、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を40重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を56重量部、繊維長約30μmのカーボンミルドファイバー(東レ(株)製)を2重量部、平均粒径が90μmの酸化ジルコニウム粉末(東ソー(株)製)を2重量部、の分量で混合し、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、実施例2に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は3.3Mg/m、曲げ強度は105MPaであった。
(実施例3)
10〜20μmの平均粒径を有する石油系レギュラーコークスに、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を45重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を45重量部、繊維長約30μmのカーボンミルドファイバー(東レ(株)製)を5重量部、平均粒径が90μmの酸化ジルコニウム粉末(東ソー(株)製)を5重量部、の分量で混合し、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、実施例3に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は3.1Mg/m、曲げ強度は95MPaであった。
(実施例4)
10〜20μmの平均粒径を有する石炭系レギュラーコークスに、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を40重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を53重量部、繊維長約300μmのカーボンミルドファイバー(東レ(株)製)を2重量部、平均粒径が40μmの酸化ジルコニウム粉末(第一稀元素化学工業(株)製)を5重量部、の分量で混合し、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、実施例4に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は3.3Mg/m、曲げ強度は85MPaであった。
(実施例5)
10〜20μmの平均粒径を有する石炭系レギュラーコークスに、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を40重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を54.9重量部、繊維長約30μmのカーボンミルドファイバー(東レ(株)製)を0.1重量部、平均粒径が40μmの酸化ジルコニウム粉末(第一稀元素化学工業(株)製)を5重量部、の分量で混合し、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、実施例5に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は3.3Mg/m、曲げ強度は90MPaであった。
(実施例6)
10〜20μmの平均粒径を有する石炭系レギュラーコークスに、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を40重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を54.9重量部、繊維長約30μmのカーボンミルドファイバー(東レ(株)製)を5重量部、平均粒径が40μmの酸化ジルコニウム粉末(第一稀元素化学工業(株)製)を0.1部、の分量で混合し、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、実施例6に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は3.3Mg/m、曲げ強度は90MPaであった。
(実施例7)
10〜20μmの平均粒径を有する石炭系レギュラーコークスに、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を40重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を53重量部、繊維長約1μmのカーボンミルドファイバー(東レ(株)製)を2重量部、平均粒径が40μmの酸化ジルコニウム粉末(第一稀元素化学工業(株)製)を5重量部、の分量で混合し、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、実施例7に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は3.3Mg/m、曲げ強度は85MPaであった。
(実施例8)
10〜20μmの平均粒径を有する石炭系レギュラーコークスに、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を40重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を53重量部、繊維長約500μmのカーボンミルドファイバー(東レ(株)製)を2重量部、平均粒径が40μmの酸化ジルコニウム粉末(第一稀元素化学工業(株)製)を5重量部、の分量で混合し、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、実施例8に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は3.2Mg/m、曲げ強度は90MPaであった。
(実施例9)
10〜20μmの平均粒径を有する石炭系レギュラーコークスに、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を40重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を50重量部、繊維長約30μmのカーボンミルドファイバー(東レ(株)製)を5重量部、平均粒径が1μmの酸化ジルコニウム粉末(第一稀元素化学工業(株)製)を5重量部、の分量で混合し、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、実施例9に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は3.4Mg/m、曲げ強度は100MPaであった。
(実施例10)
10〜20μmの平均粒径を有する石炭系レギュラーコークスに、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を40重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を50重量部、繊維長約30μmのカーボンミルドファイバー(東レ(株)製)を5重量部、平均粒径が150μmの酸化ジルコニウム粉末(第一稀元素化学工業(株)製)を5重量部、の分量で混合し、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、実施例10に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は3.3Mg/m、曲げ強度は100MPaであった。
(実施例11)
10〜20μmの平均粒径を有する石炭系レギュラーコークスに、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を40重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を50重量部、繊維長約30μmのカーボンミルドファイバー(東レ(株)製)を5重量部、平均粒径が200μmの酸化ジルコニウム粉末(第一稀元素化学工業(株)製)を5重量部、の分量で混合し、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、実施例11に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は3.3Mg/m、曲げ強度は95MPaであった。
(実施例12)
10〜20μmの平均粒径を有する石炭系レギュラーコークスに、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を40重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を50重量部、繊維長約30μmのカーボンミルドファイバー(東レ(株)製)を5重量部、平均粒径が300μmの酸化ジルコニウム粉末(第一稀元素化学工業(株)製)を5重量部、の分量で混合し、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、実施例12に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は3.3Mg/m、曲げ強度は90MPaであった。
(比較例1:酸化ジルコニウムの添加がない場合)
10〜20μmの平均粒径を有する石油系レギュラーコークスと10〜20μmの平均粒径を有する石炭系ニードルコークスを混合し、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を40重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を58重量部、繊維長約30μmのカーボンミルドファイバー(東レ(株)製)を2重量部、の分量で混合し、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、比較例1に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は3.2Mg/m、曲げ強度は100MPaであった。
(比較例2:酸化ジルコニウム及び炭素繊維の添加がない場合1)
10〜20μmの平均粒径を有する石炭系ニードルコークスに、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を40重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を60重量部、の分量で混合し、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、比較例2に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は3.3Mg/m、曲げ強度は90MPaであった。
(比較例3:酸化ジルコニウム及び炭素繊維の添加がない場合2)
10〜20μmの平均粒径を有する石油系レギュラーコークスに、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を40重量部、平均粒径10μmの電解銅粉を60重量部、の分量で混合し、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、比較例3に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は3.3Mg/m、曲げ強度は95MPaであった。
(比較例4:炭素繊維の添加がない場合)
10〜20μmの平均粒径を有する石油系レギュラーコークスに、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を60重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を38重量部、平均粒径が90μmの酸化ジルコニウム粉末(東ソー(株)製)を2重量部、の分量で混合、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、比較例4に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は2.6Mg/m、曲げ強度は85MPaであった。
(比較例5:酸化ジルコニウム及び炭素繊維の添加がない場合3)
10〜20μmの平均粒径を有する石油系ニードルコークスに、石油系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を35重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を65重量部、の分量で混合、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、比較例5に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は3.6Mg/m、曲げ強度は100MPaであった。
(比較例6:銅の添加量が多く、酸化ジルコニウム及び炭素繊維の添加がない場合)
10〜20μmの平均粒径を有する石炭系ニードルコークスに、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を15重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を85重量部、の分量で混合、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、比較例6に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は4.9Mg/m、曲げ強度は70MPaであった。
(比較例7:銅の添加量が少なく、酸化ジルコニウム及び炭素繊維の添加がない場合)
10〜20μmの平均粒径を有する石炭系ニードルコークスに、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料Dを85重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を15重量部、の分量で混合し、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、比較例7に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は1.9Mg/m、曲げ強度は80MPaであった。
(比較例8:酸化ジルコニウムの添加が多い場合1)
10〜20μmの平均粒径を有する石炭系レギュラーコークスに、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を40重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を54重量部、平均粒径が40μmの酸化ジルコニウム粉末(第一稀元素化学工業(株)製)を6重量部、の分量で混合し、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、比較例8に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は3.3Mg/m、曲げ強度は65MPaであった。
(比較例9:酸化ジルコニウムの添加が多い場合2)
10〜20μmの平均粒径を有する石炭系レギュラーコークスに、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を40重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を50重量部、平均粒径が40μmの酸化ジルコニウム粉末(第一稀元素化学工業(株)製)を10重量部、の分量で混合し、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、比較例9に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は3.3Mg/m、曲げ強度は40MPaであった。
(比較例10:炭素繊維の添加が多い場合1)
10〜20μmの平均粒径を有する石炭系レギュラーコークスに、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を40重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を55重量部、繊維長約30μmのカーボンミルドファイバー(東レ(株)製)を6重量部、の分量で混合し、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、比較例10に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は3.2Mg/m、曲げ強度は65MPaであった。
(比較例11:炭素繊維の添加が多い場合2)
10〜20μmの平均粒径を有する石炭系レギュラーコークスに、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を40重量部、平均粒径20μmの電解銅粉50重量部、繊維長約30μmのカーボンミルドファイバー(東レ(株)製)を10重量部、の分量で混合し、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、比較例11に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は3.0Mg/m、曲げ強度は50MPaであった。
(比較例12:酸化ジルコニウムの粒径が大きい場合)
10〜20μmの平均粒径を有する石炭系レギュラーコークスに、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を40重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を55重量部、平均粒径が400μmの酸化ジルコニウム粉末(第一稀元素化学工業(株)製)を5重量部、の分量で混合し、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、比較例12に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は3.2Mg/m、曲げ強度は60MPaであった。
(比較例13:炭素繊維の繊維長が短い場合)
10〜20μmの平均粒径を有する石炭系レギュラーコークスに、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を40重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を58重量部、繊維長約0.5μmのカーボンミルドファイバー(東レ(株)製)を2重量部、の分量で混合し、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、比較例13に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は3.3Mg/m、曲げ強度は85MPaであった。
(比較例14:炭素繊維の繊維長が長い場合)
10〜20μmの平均粒径を有する石炭系レギュラーコークスに、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を40重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を58重量部、繊維長約600μmのカーボンミルドファイバー(東レ(株)製)を2重量部、の分量で混合し、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、比較例14に係るサンプルを得た。なお、混合の際、炭素繊維を均一に分散できなかった。得られたサンプルのかさ密度は3.3Mg/m、曲げ強度は90MPaであった。
(比較例15:酸化ジルコニウムの添加量が少ない場合)
10〜20μmの平均粒径を有する石炭系レギュラーコークスに、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を40重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を59.95重量部、平均粒径が40μmの酸化ジルコニウム粉末(第一稀元素化学工業(株)製)を0.05部、の分量で混合し、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、比較例15に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は3.4Mg/m、曲げ強度は100MPaであった。
(比較例16:炭素繊維の添加量が少ない場合)
10〜20μmの平均粒径を有する石炭系レギュラーコークスに、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を40重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を59.95重量部、繊維長約30μmのカーボンミルドファイバー(東レ(株)製)を0.05重量部、の分量で混合し、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、比較例16に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は3.3Mg/m、曲げ強度は110MPaであった。
(比較例17:酸化ジルコニウムの粒径が小さい場合)
10〜20μmの平均粒径を有する石炭系レギュラーコークスに、石炭系ピッチバインダを加え、ニーダーにて200〜300℃で混ねつ、冷却後、粉砕機にて粒径200μm以下に粉砕し、カーボン原料とした。このカーボン原料を40重量部、平均粒径20μmの電解銅粉を55重量部、平均粒径が0.5μmの酸化ジルコニウム粉末(第一稀元素化学工業(株)製)を5重量部、の分量で混合し、350MPaにて成形後、非酸化性雰囲気下1000℃にて焼成して、比較例17に係るサンプルを得た。得られたサンプルのかさ密度は3.3Mg/m、曲げ強度は100MPaであった。
上述の実施例及び比較例の各サンプル(比較例8〜12のものを除く。)について、室温で20Aの直流電流を流すといった条件の下、直径約300mm、巾2mmの回転体である銅円板と30分間摺動試験を行い、試験前後の重量変化から体積換算した摩耗量を測定した。この際、回転体である銅円板とサンプルとの間で電流の流れない非接触時間を離線率とし、離線率10%、20%の際の摩耗量をそれぞれ測定した。例えば、実施例1の離線率10%の場合、銅円板のすり板への押付け力(kgf)とすり板の重量変化から1万km走行での摩耗量を算出、体積換算した摩耗率は、13cm/kgf/万kmであった。1kgf=9.8N≒10Nより、1.0cm/kgf/万km=1.0×10−6/10N/10m=1.0×10−14/Nとなるので、実施例1の離線率10%の際の摩耗率は、13×10−14/Nである。その他の各実施例及び各比較例も同様である。
また、溶接機を用い、φ8mmの銅棒と各サンプル(比較例8〜12のものを除く。)間において約2秒間アーク放電させた後、クラックの有無を目視で検査するという検証も行った。さらに、各サンプルから5×5×5mmのテストピースを切り出し、真空炉に入れて10Torrの減圧下、Nガスを5L/min流しながら、室温から2000℃まで3時間で昇温し、2000℃で1時間保持した後、室温まで冷却後、波長532nmのNd:YAGレーザー光を用いたラマンスペクトル分析を行って、R値を測定した。これらの結果と評価とを各サンプルのかさ密度などとともに、まとめて下記表1に示す。なお、各実施例及び各比較例のサンプルにおける、(1)かさ密度の測定、(2)曲げ強度の測定、(3)ラマンスペクトル分析は、それぞれ、
(1)JIS R7222−1997に準じて、
(2)JIS R1601−1995に準じて、
(3)Thermo Nicolet社製 顕微鏡レーザーラマン分光装置 Almegaを用い、測定条件は、レーザーラマン法マクロモードにて、レーザー光波長532nm、露出時間10秒、積算回数60、レーザー光出力レベル20%、にて行った。
Figure 2008144189
ここで、表1の摩耗率の欄の括弧書きにおける測定結果の評価を示す符号の意味は、以下の通りである。
(離線率10%の列)
◎:5≦摩耗率≦15×10−14/N
○:15<摩耗率≦25×10−14/N
△:25<摩耗率≦35×10−14/N
×:摩耗率>35×10−14/N
−:未実施
(離線率20%の列)
◎:10≦摩耗率≦30×10−14/N
○:30<摩耗率≦60×10−14/N
△:60<摩耗率≦100×10−14/N
×:摩耗率>100×10−14/N
−:未実施
また、表1の曲げ強度の欄の括弧書きにおける測定結果の評価を示す符号の意味は、以下の通りである。
◎:曲げ強度≧85MPa
○:70≦曲げ強度<85MPa
×:曲げ強度<70MPa
表1からわかるように、すり板の原料として、2000℃焼成後のラマン分光のR値から選定したものを使用することと、硬質成分として酸化ジルコニウムなどのセラミックス粉末を混合することにより、すり板の耐摩耗性を向上することができた。また、炭素繊維を混合することですり板のアーク発生時のクラックを抑制できた。さらに、すり板への銅粉添加量と、酸化ジルコニウムなどのセラミックス粉末の粒径、添加量と、炭素繊維の繊維長、添加量を調整することにより、耐摩耗性と耐アーク性を維持しながら、すり板として使用できる機械的強さの大きなすり板となっていることがわかる。これにより、すり板として十分な機械的強さと電気比抵抗を有し、金属含浸型カーボン系すり板の特徴である優れた耐摩耗性に加えて、混合焼結型カーボン系すり板の特徴である耐アーク性を兼ね備えたすり板とすることができた。
なお、本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で設計変更できるものであり、上記実施形態や実施例に限定されるものではない。

Claims (7)

  1. カーボンと銅とを主成分とし、さらに炭素繊維と、ビッカース硬度Hvが10GPa〜20GPaの範囲にあるセラミックスとが含有されている材料からなることを特徴とするカーボン系すり板。
  2. 前記材料を2000℃で熱処理した後、ラマンスペクトル分析を行うことによって得たDバンドとGバンドとの比で定義されるR値=(I1360/I1580)が、0.6以上となることを特徴とする請求項1に記載のカーボン系すり板。
  3. 前記セラミックスの含有率が、全質量の0.1wt%〜5wt%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカーボン系すり板。
  4. 前記炭素繊維の含有量が、全質量の0.1wt%〜5wt%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカーボン系すり板。
  5. 前記セラミックスの平均粒径が1μm〜300μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のカーボン系すり板。
  6. 前記セラミックスが酸化ジルコニウムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のカーボン系すり板。
  7. 前記炭素繊維が、1μm〜500μmの長さのミルドファイバー又はチョップドファイバーであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のカーボン系すり板。
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