JP2008143846A - 肝線維化抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発癌性のリスクがない安全な肝線維化抑制剤を提供すること。
【解決手段】 本発明の肝線維化抑制剤は、トロンボポエチンに代表される血小板産生促進物質を有効成分とすることを特徴とするものである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、新規な肝線維化抑制剤に関する。
肝線維化は肝細胞の壊死や損傷に対する一般的な反応であり、肝硬変などの肝臓疾患の徴候として捉えられる症状として知られている。肝線維化の抑制は肝臓疾患の予防や肝機能の改善などに有効であることから、古くから肝線維化抑制作用を有する物質の探索が行われており、例えば、非特許文献1〜非特許文献3には肝細胞成長因子(HGF:hepatocyte growth factor)が肝線維化抑制作用を有することが記載されている。
しかしながら、HGFは肝線維化抑制作用とともに、癌細胞の増殖促進作用を有している。従って、HGFの投与によって潜在的な癌が急速に増大する恐れがあることから、HGFが有するような発癌性のリスクがない安全な肝線維化抑制剤が望まれている。
Yasunobu Matsuda, Kunio Matsumoto, Akira Yamada, Takefumi Ichida, Hitoshi Asakura, Yasunobu Komoriya, Eiji Nishiyama, and Toshikazu Nakamura. Preventive and Therapeutic Effects in Rats of Hepatocyte Growth Factor Infushion on Liver Fibrosis/Cirrhosis. Hepatology Vol.26, No.1, 1997: 81-89. Toshimi Kaido, Shin-ichi Seto, Shoji Yamaoka, Akira Yoshikawa, and Masayuki Imamura. Perioperative Continuous Hepatocyte Growth Factor Supply Prevents Postoperative Liver Failure in Rats with Liver Cirrhosis. Journal of Surgical Research 74, 173-178(1998) Shishiro Oe, Yasunori Fukunaka, Tetsuro Hirose, Yoshio Yamaoka, Yasuhiko Tabata. A trial on regeneration therapy of rat liver cirrhosis by controlled release of hepatocyte growth factor. Journal of Controlled Release 88(2003)193-200
そこで本発明は、発癌性のリスクがない安全な肝線維化抑制剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、血小板減少症への臨床応用が期待されている血小板産生促進物質であるトロンボポエチンが優れた肝線維化抑制作用を有することを見出した。
上記の知見に基づいてなされた本発明の肝線維化抑制剤は、請求項1記載の通り、血小板産生促進物質を有効成分とすることを特徴とする。
また、請求項2記載の肝線維化抑制剤は、請求項1記載の肝線維化抑制剤において、血小板産生促進物質がトロンボポエチンであることを特徴とする。
また、本発明の肝線維化抑制組成物は、請求項3記載の通り、血小板産生促進物質を有効成分として含有してなることを特徴とする。
本発明によれば、発癌性のリスクがない安全な肝線維化抑制剤を提供することができる。
本発明における肝線維化抑制剤の有効成分とする血小板産生促進物質は、患者の年齢や体重や性別や症状などに応じて適宜決定される所定量を経口的投与や非経口的投与することで、血液中の血小板数を増加させる作用を有するものであればどのような物質であってもよく、例えば、トロンボポエチン(TPO:thrombopoietin)を具体的に例示することができる。本発明の肝線維化抑制剤の有効成分としてTPOを使用する場合、TPOは、血小板の前駆物質である巨核球がその親細胞である造血幹細胞から分化し、血小板へと分化成熟することを促進する作用を有するなど、当業者にTPOとして認識されうるものであれば、既知のアミノ酸配列を持つヒト由来の天然体に限らず、その遺伝子工学的手法による産生体であってもよい。また、天然体のアミノ酸配列に対して1以上のアミノ酸が置換・欠失・付加・挿入され、かつ、天然体が本来有する生物活性を保持乃至増強させた誘導体であってもよい。さらに、天然体が本来有する生物活性を増強させた化学修飾誘導体であってもよい。このような化学修飾誘導体の具体例としては、大腸菌で作製した組換えヒトTPOの活性領域(N末端側ドメイン)をポリエチレングリコールで化学修飾してin vivo活性を向上させたPEG-rHuMGDF(polyethylene glycol-recombinant human megakaryocyte growth and development factor)を例示することができる(必要であれば「宮崎洋,トロンボポエチンの将来展望,Japanese Journal of Transfusion Medicine, 46(3): 311-316, 2000」などを参照のこと)。本発明におけるTPOはこれらのすべてを含むものである。本発明の肝線維化抑制剤の有効成分としてTPOを使用する場合、例えば、投与を必要とする患者に毎週または隔週で静脈注射や皮下注射し、血中の血小板数が持続的に増加した状態を維持することで、その優れた肝線維化抑制作用が発揮され、当該作用に基づく肝臓疾患の予防効果や肝機能の改善効果が得られる。なお、この場合、TPOの投与量は、通常、成人あたり0.01〜10μg/kg日程度である。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって何ら限定して解釈されるものではない。
実施例1:TPOの肝線維化抑制作用(その1:マウス肝線維化モデルを用いた検討)
(1)TPOの肝線維化モデルにおける血小板産生促進作用
c57BL6雌性6週齢マウスに四塩化炭素1ml/kgを週2回8週間にわたって腹腔内投与し、肝線維化モデルを作製した。このモデルに対し、TPOとしてPEG-rHuMGDF(麒麟麦酒株式会社より供与)を0.5μg/bodyで生理食塩水0.5mlに溶解して四塩化炭素投与開始5週目から週1回4週間にわたって腹腔内投与した。このようにして肝線維化マウスにTPOを投与した群(TPO群、n=6)とTPOを投与しなかった群(対照群、n=8)、さらに、肝線維化もTPO投与も行わずに飼育したマウス(非線維化群、n=6)のそれぞれの血小板数の時間的推移を図1に示す。図1から明らかなように、TPO群の血小板数は、対照群と非線維化群の血小板数に比較して有意に増加した。
(2)TPOの肝線維化抑制作用のヒドロキシプロリン量による評価
四塩化炭素投与開始から8週後のTPO群と対照群、さらに、非線維化群のそれぞれの肝組織中のヒドロキシプロリン量を比較することで、TPOの肝線維化抑制作用を評価した結果を図2に示す。図2から明らかなように、TPO群のヒドロキシプロリン量は対照群のヒドロキシプロリン量よりも有意に少ないことから、TPOの優れた肝線維化抑制作用を確認することができた。
(3)TPOの肝線維化抑制作用の肝線維化面積比による評価
四塩化炭素投与開始から8週後のTPO群と対照群、さらに、非線維化群のそれぞれの肝組織をシリウス・レッド染色して組織中の線維化部位を染色し、肝線維化面積比(組織中に占める線維化部位の割合)を定量することで、TPOの肝線維化抑制作用を評価した結果を図3に示す。図3から明らかなように、TPO群の肝線維化面積比は対照群の肝線維化面積比よりも有意に小さいことから、TPOの優れた肝線維化抑制作用を確認することができた。
実施例2:TPOの肝線維化抑制作用(その2:ラット肝線維化モデルを用いた検討)
Jezequel. 1987 Journal of hepatologyに基づいて、Sprague-Dawley雄性5週齢ラットにジメチルニトロサミン(DMN;10μg/kg body)を週3回3週間にわたって腹腔内投与し、肝線維化モデルを作製した。このモデルに対し、DMN最終投与から48時間後にTPOとしてPEG-rHuMGDF(同上)を10μg/kg bodyで生理食塩水0.5mlに溶解して静脈投与した。このようにして肝線維化ラットにTPOを投与した群(TPO群、n=11)と生理食塩水0.5mlだけを静脈投与した群(対照群、n=11)、さらに、肝線維化もTPO投与も行わずに飼育したラット(非線維化群、n=3)のそれぞれの5日後の肝線維化面積比を実施例1の(3)と同様の方法で定量することで、TPOの肝線維化抑制作用を評価した結果を図4に示す。図4から明らかなように、TPO群の肝線維化面積比は対照群の肝線維化面積比よりも有意に小さいことから、TPOの優れた肝線維化抑制作用を確認することができた。
(実施例のまとめ)
実施例1と実施例2から、TPOは、動物種やモデルの肝線維化方法やその投与方法によらず、優れた肝線維化抑制作用を発揮することがわかった。
本発明は、発癌性のリスクがない安全な肝線維化抑制剤を提供することができる点において産業上の利用可能性を有する。
実施例1のマウス肝線維化モデルにおけるTPOの血小板産生促進作用を示すグラフである。 同、TPOの肝線維化抑制作用のヒドロキシプロリン量による評価を示すグラフである。 同、TPOの肝線維化抑制作用の肝線維化面積比による評価を示すグラフである。 実施例2のラット肝線維化モデルにおけるTPOの肝線維化抑制作用の肝線維化面積比による評価を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 血小板産生促進物質を有効成分とすることを特徴とする肝線維化抑制剤。
  2. 血小板産生促進物質がトロンボポエチンであることを特徴とする請求項1記載の肝線維化抑制剤。
  3. 血小板産生促進物質を有効成分として含有してなることを特徴とする肝線維化抑制組成物。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005063965A1 (de) * 2003-12-30 2005-07-14 Bionethos Holding Gmbh Verfahren zur regeneration von gewebe
WO2005092425A1 (en) * 2004-03-25 2005-10-06 Hydrodynamic Gene Delivery Ltd Gene
JP2005533800A (ja) * 2002-06-20 2005-11-10 バイオメトス ホールディング ゲーエムベーハー 増殖因子を用いて、および生物学的マトリクスあるいは支持構造を用いて細胞を増殖および分化する方法およびデバイス

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