JP2008143119A - プライバシー保護部材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】撥水性、防汚性、プライバシー性、耐衝撃性および耐久性を備え、通常使用される平滑なガラスまたはプラスチック基材に簡単かつ低コストで処理が可能なプライバシー保護部材およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】防汚性被膜201の処理液は撥水成分21と溶媒とからなり、フロート板ガラス基材101に塗布され、溶媒が蒸発し、撥水成分21のみが凹凸状の塊となってフロート板ガラス基材101の表面に残る。
この凹凸状の塊となった撥水成分21により光が乱反射され、フロート板ガラス基材101の表面が白濁して見える。
【選択図】図5

Description

本発明は、透視性のないプライバシー保護部材とその製造方法に関する。
従来より、プライバシーの維持やデザイン上の観点から、透視性をなくしつつも、透光性を備えたプライバシーガラスまたはプラスチック等のプライバシー保護部材が広く用いられている。具体的には、プライバシー保護部材として、すりガラスや型板ガラスのほか、花びんなどが挙げられる。
これらのプライバシー保護部材は、通常、ガラスまたはプラスチック等の基材の表面に凹凸が形成され、光が散乱されることにより透視性をなくしている。しかしながら、基材表面に凹凸が形成されているために、汚れが付着すると取り除きにくいという欠点を有し、さらに、基材表面に水膜が形成されると、表面の凹凸が吸収されて透視性が高まってしまうという問題もあり、浴室に使用するに当たっては、凹凸面を更衣室側、平滑面を浴室側にするなどの使用上の制約も生じていた。
そこで、特許文献1のように、凹凸の形成されたプライバシーガラスまたはプラスチック基材の表面に撥水加工を施し、撥水性および防汚性を高める技術がある。
また、特許文献2および特許文献3では、ガラス基板には凹凸を形成せず、ガラス基板の表面に微粒子も含む撥水性被膜を設け、この微粒子による凹凸で光散乱効果を得ている。
特開平7−126041号公報 特開2002−348534号公報 特開2003−34761号公報
しかしながら、特許文献1では、ガラス基材に凹凸を形成しているため、通常の平滑なガラスに比べて強度が低下するという問題が生じていた。また、ある程度の防汚機能を有するものの、ガラスに凹凸加工した上で撥水加工を施しているので、コストが上昇するという欠点もあった。
また、特許文献2および特許文献3では、透明で平滑な基板に撥水性被膜を設けることができるが、撥水性被膜の処理液が微粒子の懸濁液であるために、処理液の調合・管理に技術を要するという問題があり、さらに、微粒子の増加とともに耐久性の低下が懸念される。
本発明の目的は、撥水性、防汚性、プライバシー性、耐衝撃性および耐久性を備え、通常使用される平滑なガラスまたはプラスチック等の基材に簡単かつ低コストで処理が可能なプライバシー保護部材およびその製造方法を提供することである。
本発明のプライバシー保護部材は、表面が平滑で透明な基材の少なくとも一方の面に防汚性被膜が形成され、この防汚性被膜は白濁されていることを特徴とする。
ここで、本発明のプライバシー保護部材とは、基材の材質がガラスやプラスチック等からなる物品を示すものである。
この発明によれば、表面が平滑で透明なガラスやプラスチック等の基材に防汚性被膜を形成し、この防汚性被膜が白濁されているので、ガラスやプラスチック等の基材に、防汚性とともにプライバシー性を付与することができる。
ここで、防汚性被膜が白濁しているのは、防汚性被膜が凹凸状に形成されているために光が散乱していることによるものである。防汚性被膜の処理液は微粒子の懸濁液などではなく、撥水成分と溶媒が混合した単純な系であるため、調合や管理を簡単に行うことができる。
また、防汚性被膜自体が防汚性とプライバシー性とを有しているため、ガラスやプラスチック等の基材自体に凹凸の加工をしなくてもよく、強度が低下することがない。したがって、通常のフロート板ガラスを使用することができ、コストを低減できる。
本発明のプライバシー保護部材において、前記防汚性被膜の処理液は撥水成分と溶媒とからなり、前記撥水成分と前記溶媒の質量%比は、3:97〜30:70であることが好ましい。
この発明によれば、防汚性被膜の処理液は撥水成分と溶媒とからなり、ガラスやプラスチック等の基材に塗布された処理液は、溶媒が蒸発し、撥水成分のみが基材表面に残ることになる。
したがって、撥水成分が3質量%よりも小さいと、基材表面に残る撥水成分の量が不足し、十分な撥水機能(防汚性)を得ることができないうえに、十分な凹凸が形成されずにプライバシー性を確保できない。また、撥水成分が30質量%を超えると、量が多すぎるために凹凸がうまく形成されず、表面が平滑になってしまう。
撥水成分は撥水機能を有していればよく、特に限定されない。また、溶媒は、撥水成分を溶解することができれば特に限定されず、メタノールやトルエンなどの有機溶媒を使用することができる。
本発明のプライバシー保護部材において、前記撥水成分は、有機ケイ素化合物の加水分解縮合物からなることが好ましい。
この発明によれば、撥水成分として、有機ケイ素化合物の加水分解縮合物が使用されるので、優れた防汚性を発揮し、さらに、ガラスやプラスチック等の基材の表面に凹凸が形成される。
本発明のプライバシー保護部材は、前記防汚性被膜は、平均膜厚が1〜10μmであることが好ましい。
この発明によれば、防汚性被膜の平均膜厚を1〜10μmとしたので、撥水成分が凹凸状に形成される。平均膜厚が1μmより小さいと、溶媒が蒸発してしまうまでに撥水成分が十分な凹凸状に形成されず、プライバシー性を確保できない。また、平均膜厚が10μmよりも大きいと、撥水成分と溶媒の量が多すぎるために凹凸がうまく形成されず、表面が平滑になってしまい、プライバシー性を確保できない。
本発明のプライバシー保護部材の製造方法は、前記基材に前記防汚性被膜を湿式で塗布することが好ましい。
この発明によれば、防汚性被膜の処理液を湿式法で塗布するので、塗布後、基材表面の溶媒が蒸発する。この溶媒の蒸発の過程において、撥水成分が凹凸状に形成される。湿式法としては、ディッピング法、スピンナー法、スプレー法、フロー法、刷毛塗り法などの方法が使用可能である。
本発明のプライバシー保護部材の製造方法は、前記湿式はディッピング法であることが好ましい。
この発明によれば、防汚性被膜の処理液をディッピング法で塗布することにより、その引き上げ速度を調整することによって膜厚を簡単に制御でき、操作性が良い。
本発明のプライバシー保護部材の製造方法は、絶対湿度0.007〜0.028kg/kgD.A.の雰囲気下で塗布することが好ましい。
この発明によれば、絶対湿度を0.007〜0.028kg/kgD.A.の雰囲気下で行うことにより、基材表面に塗布した防汚性被膜の処理液の表面に適量の水滴が発生し、撥水成分が水滴内に起きた対流に乗って凹凸が形成される。
絶対湿度が0.007kg/kgD.A.より小さいと、水滴の量や大きさが十分でなく、撥水成分がプライバシー性を発揮するほどの十分な凹凸を形成できない。また、絶対湿度が0.028kg/kgD.A.より大きいと、水滴が大量にできてしまい、その結果、基材表面に水膜が発生し、撥水成分が凹凸状に形成されなくなってしまう。
以下、本発明の一実施形態を詳細に説明する。本実施形態では、ディッピング法により、フロート板ガラスに防汚性被膜を形成し、防汚性プライバシーガラスを作製する。
まず、防汚性被膜の処理液を調整する。処理液としては、以下の化学式(1)で示されるような3官能アルコキシシランの加水分解物を構成材料とする無機シリコーン塗料を用いることができる。
R−Si−(OR)・・・(1)
化学式(1)中、Rは、同一または異種の1価の炭化水素基を示す。
具体的な処理液として、「フレッセラD」(松下電工株式会社製)を使用する。これをそのまま用いてもよいし、メタノールなどの有機溶媒で希釈して用いることもできる。なお、透過性を向上させるためには、プロピレングリコールノルマルプロピルエーテル(PNP)などの高沸点成分を添加するのがよいが、本実施形態ではプライバシー性を重視しているため、高沸点成分を用いなかった。
このようにして調整された処理液に、フロート板ガラスを20秒間ディッピングし、275mm/minの速度で引き上げ、乾燥させる。ディッピング〜乾燥までの処理は、絶対湿度0.007〜0.028kg/kgD.A.の雰囲気下で行う。
ここで、ディッピング直後の状態から、防汚性被膜が白濁されるまでのメカニズムを図1から図5に基づいて説明する。図1は、ディッピング直後の基材表面の状態を示す概念図、図2は、空気中の水分が基材表面で凝縮して水滴が発生した状態を示す概念図、図3は、基材表面に発生した水滴中に対流が発生した状態を示す概念図、図4は、基材表面の水滴中の対流に乗って撥水成分が移動を始めた状態を示す概念図、図5は、基材表面の溶媒および水分が完全に蒸発し、撥水成分のみが残された状態を示す概念図である。
図1に示すように、ディッピング直後は、フロート板ガラス基材101の表面に撥水成分21と溶媒22とからなる透明な処理液20が平滑に塗布された状態である。この状態では、防汚性被膜201はまだ白濁していない。
溶媒22の蒸発による気化熱で自己冷却し、空気中の水分が凝縮して、図2に示すように、フロート板ガラス基材101の表面に水滴30が発生する。
微小重力下で温度勾配が発生すると、表面張力の差が駆動力となって対流が発生することから、図3のように水滴30内にマランゴニ対流が発生する。
図4に示すように、処理液20中の撥水成分21がマランゴニ対流に乗って水滴30の表面に移動し、だんだんと表面が平滑でない状態になり始める。
そして、焼成されることによって溶媒22および水滴30が完全に蒸発し、図5のように、撥水成分21のみが凹凸状の塊となってフロート板ガラス基材101の表面に残る。
この凹凸状の塊となった撥水成分21によってフロート板ガラス基材101の表面に凹凸が形成され、光の乱反射により白濁して見える。このようにして、防汚性プライバシーガラス100が形成される。
以上説明した実施形態によれば、次のような作用効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、フロート板ガラス基材101の表面に防汚性被膜201を形成し、この防汚性被膜201が白濁されるので、防汚性被膜201を形成するだけで、フロート板ガラス基材101に防汚性とともにプライバシー性も付与することができる。
したがって、通常の窓ガラスに使用される平滑なフロート板ガラスに防汚性とプライバシー性とを付与することができるので、低コストでの処理が可能である。
また、プライバシー性を付与するためにフロート板ガラス基材101に凹凸を形成する必要がないので、フロート板ガラス基材101の強度を維持できる。
(2)防汚性被膜201の凹凸に汚れが付着したとしても、防汚性(撥水性)を有しているので、容易に除去できる。また、水がかかったとしても、撥水されて膜となることがないので、透視性が増すこともない。
(3)撥水成分21として自己縮合性の有機ケイ素化合物を使用し、凹凸を形成しているので、耐久性も良好である。
(4)本実施形態では、防汚性被膜201の処理液20をフロート板ガラス基材101上に塗布した後で、防汚性被膜201を白濁化させる。したがって、処理液20は、微粒子の懸濁液などではなく、撥水成分と溶媒が混合した単純な系であるので、調合・管理を簡単に行うことができる。
(5)本実施形態では、絶対湿度0.007〜0.028kg/kgD.A.の雰囲気下で処理を行った。したがって、フロート板ガラス基材101の表面に適量の水滴30が発生し、撥水成分21を効率よく移動させることができ、凹凸を形成することができる。その結果、白濁して見え、プライバシー性を確保することができる。
なお、湿度を増加させると水滴30が多く発生するため、撥水成分21も多く移動し、凹凸がより顕著となる。したがって、白濁も強くなり、プライバシー性が向上する。
すなわち、防汚性被膜201の白濁の度合いは、雰囲気条件の湿度制御を変更することによって調整することができる。
なお、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的および効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。
例えば、本実施形態では、処理液に高沸点成分を添加しなかったが、高沸点成分を添加すると、溶媒の蒸発速度を低下させるので、水滴の発生を抑制する。したがって、白濁が弱くなり、透過性が向上し、プライバシー性が低下する。すなわち、処理液の溶媒組成と、前述の湿度を制御することにより、プライバシー性の度合いを調節することができる。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例等の内容に何ら限定されるものではない。
<試験1>
まず、以下の実施例1〜5および比較例1〜3に示される基材、処理液および雰囲気条件にて防汚性被膜を形成した。形成方法は、ディッピング法により行い、基材を処理液に20秒間浸漬し、275mm/minの速度で引き上げた。その後、80℃〜120℃に設定したオーブンに投入し、10〜60分間の焼成を行い、一昼夜室内に放置した。なお、比較例1および比較例2は処理を行わず、そのまま評価を行った。
処理後、透過率、ヘーズ値、接触角、プライバシー性、汚れ除去性および落球強度について評価を行った。
[実施例1]
基材 :フロート板ガラス(厚さ3mm)
処理液 :フレッセラD(商品名、松下電工株式会社製)
雰囲気条件:温度23℃、湿度45%(絶対湿度0.0079kg/kgD.A.)
[実施例2]
基材 :フロート板ガラス(厚さ3mm)
処理液 :フレッセラD(商品名、松下電工株式会社製)
雰囲気条件:温度23℃、湿度80%(絶対湿度0.0141kg/kgD.A.)
[実施例3]
基材 :フロート板ガラス(厚さ3mm)
処理液 :フレッセラD(商品名、松下電工株式会社製)にPNP(プロピレングリコールノルマルプロピルエーテル)を10%添加した。
雰囲気条件:温度23℃、湿度45%(絶対湿度0.0079kg/kgD.A.)
[実施例4]
基材 :フロート板ガラス(厚さ3mm)
処理液 :フレッセラD(商品名、松下電工株式会社製)にPNP(プロピレングリコールノルマルプロピルエーテル)を30%添加した。
雰囲気条件:温度23℃、湿度45%(絶対湿度0.0079kg/kgD.A.)
[実施例5]
基材 :アクリル板(厚さ3mm)
処理液 :フレッセラD(商品名、松下電工株式会社製)
雰囲気条件:温度23℃、湿度45%(絶対湿度0.0079kg/kgD.A.)
[比較例1]
基材:すり板ガラス(厚さ3mm)
[比較例2]
基材:型板ガラス(厚さ4mm)
[比較例3]
基材 :型板ガラス(厚さ4mm)
処理液 :含フッ素シラン化合物としての「KY−130」(商品名、信越化学工業株式会社製)を、有機溶剤としてのフッ素溶剤「HFE−7200」(商品名、住友スリーエム株式会社製)に希釈して0.2%溶液を調整した。
雰囲気条件:温度23℃、湿度45%(絶対湿度0.0079kg/kgD.A.)
(透過率・ヘーズ値の評価方法)
TMダブルビーム方式自動ヘーズコンピュータ(スガ試験機株式会社製)で測定した。
(接触角の評価方法)
接触角計(「CA−D型」協和科学株式会社製)を使用し、液滴法による純水の接触角を測定した。
(ぬれ後のプライバシー性の評価方法)
基材に水をかけてぬらした状態で、基材の反対側50cmの位置に置いた対象物の視認性を目視で評価した。
(汚れ除去性の評価方法)
黒色マーカー(商品名「ハイマッキーケア」ゼブラ株式会社製)により約4cmの直線を引き、5分間放置後、該マーク部をワイプ紙(「ケイドライ」日本製紙クレシア株式会社製)によって拭き取りを行い、その拭き取りやすさを下記の基準にて評価した。
○:10回以下の拭き取りで完全に除去できる
△:11回〜20回の拭き取りで完全に除去できる
×:20回の拭き取り後も除去されない部分が残る
(落球強度の評価方法)
鋼球225g、供試体寸法300mm×300mm、10枚を用いて、破壊する平均高さを求めた。
<試験1の評価結果>
Figure 2008143119
実施例1〜実施例5では、ぬれ前の透過率、ヘーズ値ともに良好で、ぬれ後もプライバシー性を発揮することがわかる。さらに、汚れ除去性および落球強度も良好である。
実施例1〜4に示されるように、処理液中の高沸点成分であるPNPが増えるほど透過率が増加し、ヘーズ値が減少する。また、雰囲気の湿度が増加すると、透過率が減少し、ヘーズ値が増加する。すなわち、処理液組成と湿度を調整することによって、プライバシー性を制御することが可能である。
実施例5ではアクリル板を用い、ガラスと同様な防汚性、プライバシー性を発揮することを確認できた。
比較例1のすり板ガラス、比較例2の型板ガラスでは、ぬれ前のプライバシー性はあるものの、ぬれるとプライバシー性が低下した。また、表面に凹凸があるため、汚れが付着すると除去が困難であった。さらに、落球強度が低く、安全性に問題がある。
比較例3では、ぬれ後のプライバシー性は確保でき汚れ除去性にも問題はないが、落球強度が低く、安全性に問題があった。
<試験2>
次に、以下の実施例6から実施例11に示す製品の評価を行った。
[実施例6]
基材 :板ガラス(厚さ3mm、縦1.2m×横0.8m)
処理液 :フレッセラD(商品名、松下電工株式会社製)
雰囲気条件:温度23℃、湿度80%(絶対湿度0.0141kg/kgD.A.)
用途 :浴室とシャワー室の仕切り窓
評価 :窓に水がかかっても液滴状となってはじき、濡れることはないため、プライバシー機能が損なわれることはなかった。また、汚れが付着しても洗剤を使用せずに乾拭きで容易に除去可能であった。
[実施例7]
基材 :板ガラス(厚さ3mm、縦0.8m×横0.8m)
処理液 :フレッセラD(商品名、松下電工株式会社製)
雰囲気条件:温度23℃、湿度45%(絶対湿度0.0079kg/kgD.A.)
用途 :住宅用窓ガラス
評価 :プライバシー性と採光性の兼合いは良好で、外側面に雨水跡や泥が付着しても乾拭きによって容易に除去可能であった。
[実施例8]
基材 :板ガラス(厚さ4mm、縦2m×横0.8m)
処理液 :フレッセラD(商品名、松下電工株式会社製)
雰囲気条件:温度23℃、湿度45%(絶対湿度0.0079kg/kgD.A.)
用途 :事務所用ドアガラス
評価 :プライバシー性と採光性の兼合いは良好で、汚れが付着しても乾拭きによって容易に除去可能であった。
[実施例9]
基材 :板ガラス(厚さ2mm、縦20cm×横20cm)
処理液 :フレッセラD(商品名、松下電工株式会社製)
雰囲気条件:温度23℃、湿度80%(絶対湿度0.0141kg/kgD.A.)
用途 :木製の障子窓の枠にはめ込み加工
評価 :やわらかな透過光が得られ、汚れが付着しても乾拭きで容易に除去可能であった。
[実施例10]
基材 :円筒状の透明アクリル板(厚さ3mm、直径10cm×高さ15cm)
処理液 :フレッセラD(商品名、松下電工株式会社製)
雰囲気条件:温度23℃、湿度45%(絶対湿度0.0079kg/kgD.A.)
用途 :ランプスタンドのランプシェード
評価 :やわらかな透過光が得られ、汚れが付着しても乾拭きで容易に除去可能であった。
[実施例11]
基材 :円筒状のポリスチレン(厚さ1.5mm、直径18cm×高さ23cm)
処理液 :フレッセラD(商品名、松下電工株式会社製)
雰囲気条件:温度23℃、湿度80%(絶対湿度0.0141kg/kgD.A.)
用途 :浴室のランプシェード
評価 :やわらかな透過光が得られ、汚れが付着しても乾拭きで容易に除去可能であった。
<評価>
以上のように、プライバシー性と透光性および防汚性を兼ね備えており、ガラスやプラスチックなどの各種基材に処理可能である。
本発明は、水まわりや高湿雰囲気下に設置される窓、ドア、間仕切り等のプライバシー性および防汚性を必要とする製品のほか、実用上もしくはデザイン上から透視性を無くしつつ、透光性を要求されるガラスまたはプラスチック製物品に利用できる。
本実施形態において、ディッピング直後の基材表面の状態を示す概念図。 本実施形態において、空気中の水分が基材表面で凝縮して水滴が発生した状態を示す概念図。 本実施形態において、基材表面に発生した水滴中に対流が発生した状態を示す概念図。 本実施形態において、基材表面の水滴中の対流に乗って撥水成分が移動を始めた状態を示す概念図。 本実施形態において、基材表面の溶媒および水分が完全に蒸発し、撥水成分のみが残された状態を示す概念図。
符号の説明
100…防汚性プライバシーガラス(プライバシー保護部材)
101…フロート板ガラス基材
201…防汚性被膜
20…処理液
21…撥水成分
22…溶媒
30…水滴

Claims (7)

  1. 表面が平滑で透明な基材の少なくとも一方の面に防汚性被膜が形成され、この防汚性被膜は白濁されていることを特徴とするプライバシー保護部材。
  2. 請求項1に記載されたプライバシー保護部材において、
    前記防汚性被膜の処理液は撥水成分と溶媒とからなり、
    前記撥水成分と前記溶媒の質量%比は、3:97〜30:70であることを特徴とするプライバシー保護部材。
  3. 請求項2に記載されたプライバシー保護部材において、
    前記撥水成分は、有機ケイ素化合物の加水分解縮合物からなることを特徴とするプライバシー保護部材。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載されたプライバシー保護部材において、
    前記防汚性被膜は、平均膜厚が1〜10μmであることを特徴とするプライバシー保護部材。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載されたプライバシー保護部材を製造する方法であって、
    前記基材に前記防汚性被膜を湿式で塗布することを特徴とするプライバシー保護部材の製造方法。
  6. 請求項5に記載されたプライバシー保護部材の製造方法において、
    前記湿式はディッピング法であることを特徴とするプライバシー保護部材の製造方法。
  7. 請求項5または請求項6のいずれかに記載されたプライバシー保護部材の製造方法において、
    絶対湿度0.007〜0.028kg/kgD.A.の雰囲気下で塗布することを特徴とするプライバシー保護部材の製造方法。
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