JP2008139805A - 定着方法、定着装置、画像形成装置 - Google Patents

定着方法、定着装置、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】定着温度をより高精度に制御して定着温度を一層安定化し、結果として画像品質を一定に保つとともに、設定温度を下げて消費電力を低減する。
【解決手段】定着熱源30と、その定着熱源により加熱する定着ローラ(定着部材)27と、その定着ローラの温度を検知する温度検知手段29と、その温度検知手段の検知結果に基づき定着熱源を制御することにより定着部材の温度を目標制御温度に維持するコントローラ41とを備え、定着ローラを記録材の画像面に接触してその画像面のトナー像を記録材に定着する。そのような定着装置において、コントローラとして、定着ローラの温度が上昇している温度上昇時と、下降している温度下降時とで、コントローラの定数を変更したり、制御周期を変えたりして、制御方法を変更するものを使用する。
【選択図】図2

Description

この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリまたはそれらの複合機などの画像形成装置、特にトナー像を転写した記録材を定着装置に通して熱を用いてトナー像を記録材に定着する電子写真式の画像形成装置に関する。および、そのような画像形成装置などに備えて、定着熱源により定着部材を加熱し、その定着部材を記録材の画像面に接触してその画像面のトナー像を溶融することにより記録材に定着する定着装置に関する。および、定着熱源により定着装置の定着部材を加熱し、その定着部材を、定着装置に通す記録材の画像面に接触してその画像面のトナー像を溶融することにより記録材に定着する定着方法に関する。
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置にあっては、用紙等の記録材に形成されたトナー像を加熱溶融することにより、画像を定着させる定着装置を用いることが知られている。一般的に、トナー像として形成された電子写真画像を記録材に定着する定着装置は、定着熱源であるヒータに電力を供給して定着ローラ、定着ベルト等の定着部材を発熱させ、この熱でトナー像を加熱溶融して記録材に定着する処理を行う。
このような定着装置は、電子写真画像を記録材に定着している間の定着温度を一定にするために、前記ヒータに電力を供給し、所定の温度(目標制御温度)に昇温させて定着可能状態とし、この所定定着温度を維持しつつ定着装置へ記録材を通過させるという構成になっている。
ここで、ヒータのパワー駆動(加熱制御)は、ヒータへの供給電力を制御することにより行うものとしている。一般に、ヒータへの供給電力の制御方法としては、定着装置に設けられたサーモパイル、サーミスタ等の温度センサ(温度検知手段)により温度を検出し、検出温度と目標制御温度との差に応じて、検出温度が目標制御温度よりも低いときはヒータへの通電をONし、目標制御温度より高いときはOFFするというON-OFF制御法がある。
しかし、ON-OFF制御法による温度制御では、目標制御温度に対して温度リップルが大きく発生し、定着部材である例えば定着ローラの表面温度が高かったり低かったりすることにより定着画像の画質が変化して良好な画像の定着が行えなくなるという問題点がある。
この温度リップルによる画質変化を低減するために、例えば定着装置内で加熱される定着ローラ対の芯金厚や表層厚を増加させ、定着ローラ対の熱容量を大きく設定することが考えられる。しかし、このように定着ローラ対の熱容量を大きく設定すると、温度リップルを低減できるものの、目標制御温度に昇温するためのウォームアップ時間が長くなるといった問題が新たに生じる。
このウォームアップ時間の増加を解決するために、画像形成装置が休止しているときは定着装置を高温に保つということも考えられるが、それでは、画像形成装置の消費電力が大きくなるという弊害が生じる。故に、昨今では、これらを包括的に解決するために、比較的熱容量の小さいローラ、またはシームレスベルト等を熱媒体として、比較的発熱量の大きなヒータを熱源として用い、かつ大きな温度オーバーシュートや、温度リップルを生じさせることなく制御する手法が必要となってきた。
上述したON-OFF制御にかわる制御アルゴリズムとしてPID制御がある。PID制御は、P:Proportional(比例)、I:Integral(積分)、D:Differential(微分)の3つの組み合わせで制御するものであり、目標値と現在値の偏差に応じ、複数のパラメータを最適化することにより制御を行うものである。このPID制御は、ON-OFF制御に比較してリップルの低減を図ることができる。
上記のようなON-OFF制御、PID制御に限らず、フィードバックループを持つ温度調整機構の場合、制御を行う間隔である制御周期は短ければ、短いほど高精度に制御が行える。なぜならば、フィードバック制御は、目標制御温度と温度センサの検出温度とを比較し、それを基に制御に反映する手法であるから、情報の更新頻度が高いほどより高精度に制御ができるためである。
しかしながら、PID制御は、目標値と現在値の偏差に応じて供給電力を変化させる制御手法であるから、制御対象の温度が目標制御温度に近づくと供給電力を弱めることになり、昇温速度が遅くなることから、上述のウォームアップ時間が長くなってしまうという問題がある。
図11には、PID制御とONOFF制御のそれぞれの制御手法により定着ローラの温度を目標制御温度に制御した場合の様子を示す。図11に示すように、PID制御ではウォームアップ時間が長くなる一方、ONOFF制御では温度リップルが大きくなって、PID制御とONOFF制御では、一長一短がある。
この問題に対して、従来技術では、電源の投入時はヒータを全通電連続加熱し、所定温度に達した後はPID制御方式に切り替えてヒータの通電制御を行う制御方式が採用されている。
特開昭58−38972号公報 特開昭60−163102号公報 特開平3−116208号公報
例えば、特許文献1に記載の温度制御方法では、ヒータの加熱温度が制御目標温度よりも低い温度の切り替え温度に達するまではヒータを全通電連続加熱し、切り替え温度に達した後はI(積分)制御によってヒータの通電を制御する構成になっている。
また、特許文献2に記載の温度制御回路では、切り替え温度に達するまではヒータを全通電連続加熱し、切り替え温度に達した後はPID制御によってヒータの通電を制御する構成になっている。
さらに、特許文献3に記載の温度制御方法およびその装置では、切り替え温度に達するまではヒータを全通電連続加熱し、切り替え温度に達した後はP(比例)制御によってヒータの通電を制御する構成になっている。
上記のように特許文献1〜3に記載のものでは、温度情報により制御アルゴリズムを切り替えて制御を行うことで、オーバーシュートを防ぎ、かつ目標制御温度に素早く追従させている。しかしながら、制御アルゴリズムの切り替え温度値が1つのために、オーバーシュートと短時間での目標制御温度追従性の両者を満たすのには限界があった。
そこで、特許文献4に記載の温度制御方法および装置では、切り替え温度値を複数個用意し、PID制御パラメータを各切り替え温度で複数回変更することにより制御の高精度化を図っている。
特開平9−258601公報
以上のように、温度に応じて制御アルゴリズム、または制御パラメータを変更して制御を行うことは、定着温度を望ましい挙動にする上で非常に重要である。
しかしながら、上記特許文献1〜4に記載のものは、切り替え温度により制御アルゴリズム、または制御パラメータを変更し、目標制御温度への追従性を改善している。しかし、目標制御温度に到達した後の、目標制御温度付近での温度制御が不十分であり、定着温度の安定性を欠き、結果として画像品質が低下するとともに、設定温度が高くなって消費電力が増大する問題があった。
すなわち、一般に熱源への入力電力と、出力温度の関係は非線形関係にある。例えば100[W]の電力を与えた場合に200℃でおよそ一定に保たれる制御対象に対して、+50[W]の150[W]を投入した場合と、−50[W]の50[W]を投入した場合とでは、電力の変化量はともに50[W]であるが、温度上昇時の傾きと温度下降時の傾きの絶対値は異なる。つまり、温度上昇時と温度下降時では制御対象の特性が異なり、例えば温度上昇時は温度がすぐ上がるが、温度下降時は温度がなかなか下がらないなどの特性の違いがある。このため、より温度制御を高精度化し、定着温度を安定化する場合には、これらの特性の違いを考慮する必要がある。
そこで、この発明の目的は、上記に鑑みてなされたものであり、定着部材の温度が上昇しているか、下降しているかにより、制御アルゴリズム、または制御パラメータを変化させることにより、定着温度をより高精度に制御して定着温度を一層安定化し、結果として画像品質を一定に保つとともに、設定温度を下げて消費電力を低減することにある。
このため、請求項1に記載の発明は、ヒータや電磁誘導発熱体などの定着熱源により定着ローラや定着ベルトなどの定着部材を加熱し、その定着部材の温度をサーモパイルなどの温度検知手段により検知してその検知結果に基づきPIDコントローラなどのコントローラで前記定着熱源を制御することにより前記定着部材の温度を目標制御温度に維持し、その定着部材を用紙などの記録材の画像面に接触してその画像面のトナー像を記録材に定着する定着方法において、
前記定着部材の温度が上昇している温度上昇時と、下降している温度下降時とで、前記コントローラの定数を変更したり、制御周期を変えたりして、コントローラの制御方法を変更することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の定着方法において、温度上昇時と温度下降時の一方から他方に変化したとき、前記コントローラの制御方法を変更することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の定着方法において、定着温度が目標制御温度に達するまでのウォームアップ時に、前記コントローラの制御方法を変更することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の定着方法において、定着温度が目標制御温度に達したウォームアップ終了時に、前記コントローラの制御方法を変更することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の定着方法において、定着温度が目標制御温度に達したウォームアップ終了後、実際に定着装置に記録材を通して定着を開始するまでの待機時に、前記コントローラの制御方法を変更することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の定着方法において、実際に定着装置に記録材を通して定着を行っている通紙時に、前記コントローラの制御方法を変更することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか1に記載の定着方法において、前記コントローラとしてPIDコントローラを使用し、温度上昇時と温度下降時とでそのPIDコントローラの定数を変更することにより、前記温度検知手段により検知した前記定着部材の温度と、前記目標制御温度との偏差に応じて、前記定着熱源の制御周期あたりに定着熱源が点灯する割合(以下「DUTY」という)を制御することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか1に記載の定着方法において、前記コントローラとしてI‐PDコントローラを使用し、温度上昇時と温度下降時とでそのI‐PDコントローラの定数を変更することにより、前記温度検知手段により検知した前記定着部材の温度と、前記目標制御温度との偏差に応じて前記定着熱源のDUTYを制御することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか1に記載の定着方法において、前記コントローラとしてPI‐Dコントローラを使用し、温度上昇時と温度下降時とでそのPI‐Dコントローラの定数を変更することにより、前記温度検知手段により検知した前記定着部材の温度と、前記目標制御温度との偏差に応じて前記定着熱源のDUTYを制御することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、ヒータや電磁誘導発熱体などの定着熱源と、その定着熱源により加熱する定着ローラや定着ベルトなどの定着部材と、その定着部材の温度を検知するサーモパイルなどの温度検知手段と、その温度検知手段の検知結果に基づき前記定着熱源を制御することにより前記定着部材の温度を目標制御温度に維持するコントローラとを備え、前記定着部材を用紙などの記録材の画像面に接触してその画像面のトナー像を記録材に定着する定着装置において、
前記コントローラとして、前記定着部材の温度が上昇している温度上昇時と、下降している温度下降時とで、前記コントローラの定数を変更したり、制御周期を変えたりして、制御方法を変更するものを使用することを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の定着装置において、前記コントローラとして、温度上昇時と温度下降時とで定数を変更することにより、前記温度検知手段により検知した前記定着部材の温度と、前記目標制御温度との偏差に応じて前記定着熱源のDUTYを制御するPIDコントローラを使用することを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項10に記載の定着装置において、前記コントローラとして、温度上昇時と温度下降時とで定数を変更することにより、前記温度検知手段により検知した前記定着部材の温度と、前記目標制御温度との偏差に応じて前記定着熱源のDUTYを制御するI‐PDコントローラを使用することを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項10に記載の定着装置において、前記コントローラとして、温度上昇時と温度下降時とで定数を変更することにより、前記温度検知手段により検知した前記定着部材の温度と、前記目標制御温度との偏差に応じて前記定着熱源のDUTYを制御するPI‐Dコントローラを使用することを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項10ないし13のいずれか1に記載の定着装置において、前記定着部材として定着ローラを用い、その定着ローラとの間で定着ニップを形成する加圧部材を設け、その定着ニップに記録材を通してその画像面のトナー像を記録材に定着することを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の定着装置において、前記定着ローラに前記定着熱源を内蔵することを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、請求項10ないし13のいずれか1に記載の定着装置において、前記定着部材として、複数の支持ローラに掛けまわす定着ベルトを用い、その定着ベルトとの間で定着ニップを形成する加圧部材を設け、その定着ニップに記録材を通してその画像面のトナー像を記録材に定着することを特徴とする。
請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の定着装置において、前記支持ローラに前記定着熱源を内蔵することを特徴とする。
請求項18に記載の発明は、請求項16に記載の定着装置において、前記定着ベルトのまわりに前記定着熱源を配置することを特徴とする。
請求項19に記載の発明は、請求項14または16に記載の定着装置において、前記定着熱源として、電磁誘導を利用して発熱する熱源を用いることを特徴とする。
請求項20に記載の発明は、請求項14ないし19のいずれか1に記載の定着装置において、前記加圧部材として、前記定着部材とともに回転する加圧ローラを用いることを特徴とする。
請求項21に記載の発明は、請求項14ないし19のいずれか1に記載の定着装置において、前記加圧部材として、前記定着部材とともに回転しない加圧パッドを用いることを特徴とする。
請求項22に記載の発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリまたはそれらの複合機などの画像形成装置において、請求項10ないし21のいずれか1に記載の定着装置を備えることを特徴とする。
したがって、請求項1に記載の発明によれば、定着部材の温度上昇時と温度下降時とでコントローラの制御方法を変更するので、温度上昇時と温度下降時とで特性が違う制御対象に対して定着温度をより高精度に制御して変動を少なくし、定着温度を一層安定化して、結果として画像品質を一定に保つとともに、設定温度を下げて消費電力を低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、温度上昇時と温度下降時の一方から他方に変化したとき、コントローラの制御方法を変更するので、温度上昇時と温度下降時とで特性が違う制御対象に対して定着温度をより高精度に制御して変動を少なくし、定着温度を一層安定化して、結果として画像品質を一定に保つとともに、設定温度を下げて消費電力を低減することができる。
請求項3に記載の発明によれば、目標制御温度に達するまでのウォームアップ時に、コントローラの制御方法を変更するので、温度上昇時と温度下降時とで特性が違う制御対象に対して定着温度をより高精度に制御して変動を少なくし、定着温度を一層安定化して、結果として画像品質を一定に保つとともに、設定温度を下げて消費電力を低減することができる。
請求項4に記載の発明によれば、目標制御温度に達したウォームアップ終了時に、コントローラの制御方法を変更するので、温度上昇時と温度下降時とで特性が違う制御対象に対して定着温度をより高精度に制御して変動を少なくし、定着温度を一層安定化して、結果として画像品質を一定に保つとともに、設定温度を下げて消費電力を低減することができる。
請求項5に記載の発明によれば、目標制御温度に達したウォームアップ終了後、記録材を通して定着を開始するまでの待機時に、コントローラの制御方法を変更するので、温度上昇時と温度下降時とで特性が違う制御対象に対して定着温度をより高精度に制御して変動を少なくし、定着温度を一層安定化して、結果として画像品質を一定に保つとともに、設定温度を下げて消費電力を低減することができる。
請求項6に記載の発明によれば、記録材を通して定着を行っている通紙時に、コントローラの制御方法を変更するので、温度上昇時と温度下降時とで特性が違う制御対象に対して定着温度をより高精度に制御して変動を少なくし、定着温度を一層安定化し、結果として画像品質を一定に保つとともに、設定温度を下げて消費電力を低減することができる。
請求項7に記載の発明によれば、コントローラとしてPIDコントローラを使用し、温度上昇時と温度下降時とでそのPIDコントローラの定数を変更することにより、温度検知手段により検知した定着部材の温度と、目標制御温度との偏差に応じて定着熱源のDUTYを制御するので、温度上昇時と温度下降時とで特性が違う制御対象に対して定着温度をより高精度に制御して定着温度を一層安定化し、結果として画像品質を一定に保つとともに、設定温度を下げて消費電力を低減することができる。
請求項8に記載の発明によれば、コントローラとしてI‐PDコントローラを使用し、温度上昇時と温度下降時とでそのI‐PDコントローラの定数を変更することにより、温度検知手段により検知した定着部材の温度と、目標制御温度との偏差に応じて定着熱源のDUTYを制御するので、温度上昇時と温度下降時とで特性が違う制御対象に対して定着温度をより高精度に制御して定着温度を一層安定化し、結果として画像品質を一定に保つとともに、設定温度を下げて消費電力を低減することができる。
請求項9に記載の発明によれば、コントローラとしてPI‐Dコントローラを使用し、温度上昇時と温度下降時とでそのPI‐Dコントローラの定数を変更することにより、温度検知手段により検知した定着部材の温度と、目標制御温度との偏差に応じて定着熱源のDUTYを制御するので、温度上昇時と温度下降時とで特性が違う制御対象に対して定着温度をより高精度に制御して定着温度を一層安定化し、結果として画像品質を一定に保つとともに、設定温度を下げて消費電力を低減することができる。
請求項10に記載の発明によれば、コントローラとして、定着部材の温度が上昇している温度上昇時と、下降している温度下降時とで、制御方法を変更するものを使用するので、温度上昇時と温度下降時とで特性が違う制御対象に対して定着温度をより高精度に制御して変動を少なくし、定着温度を一層安定化して、結果として画像品質を一定に保つとともに、設定温度を下げて消費電力を低減することができる。
請求項11に記載の発明によれば、コントローラとして、温度上昇時と温度下降時とで定数を変更することにより、温度検知手段により検知した定着部材の温度と、目標制御温度との偏差に応じて定着熱源のDUTYを制御するPIDコントローラを使用するので、温度上昇時と温度下降時とで特性が違う制御対象に対して定着温度をより高精度に制御して定着温度を一層安定化し、結果として画像品質を一定に保つとともに、設定温度を下げて消費電力を低減することができる。
請求項12に記載の発明によれば、コントローラとして、温度上昇時と温度下降時とで定数を変更することにより、温度検知手段により検知した定着部材の温度と、目標制御温度との偏差に応じて定着熱源のDUTYを制御するI‐PDコントローラを使用するので、温度上昇時と温度下降時とで特性が違う制御対象に対して定着温度をより高精度に制御して定着温度を一層安定化し、結果として画像品質を一定に保つとともに、設定温度を下げて消費電力を低減することができる。
請求項13に記載の発明によれば、コントローラとして、温度上昇時と温度下降時とで定数を変更することにより、温度検知手段により検知した定着部材の温度と、目標制御温度との偏差に応じて定着熱源のDUTYを制御するPI‐Dコントローラを使用するので、温度上昇時と温度下降時とで特性が違う制御対象に対して定着温度をより高精度に制御して定着温度を一層安定化し、結果として画像品質を一定に保つとともに、設定温度を下げて消費電力を低減することができる。
請求項14に記載の発明によれば、定着部材として定着ローラを用い、その定着ローラとの間で定着ニップを形成する加圧部材を設け、その定着ニップに記録材を通してその画像面のトナー像を記録材に定着するので、温度上昇時と温度下降時とで特性が違う制御対象に対して定着温度をより高精度に制御して定着温度を一層安定化し、定着ニップを通過する記録材に熱と圧力とを加えて定着を行い、結果として画像品質を一定に保つとともに、設定温度を下げて消費電力を低減することができる。
請求項15に記載の発明によれば、定着ローラに定着熱源を内蔵するので、定着ローラに内蔵する定着熱源のDUTYを制御し、温度上昇時と温度下降時とで特性が違う制御対象に対して定着温度をより高精度に制御して定着温度を一層安定化し、結果として画像品質を一定に保つとともに、設定温度を下げて消費電力を低減することができる。
請求項16に記載の発明によれば、複数の支持ローラに掛けまわす定着ベルトを用い、その定着ベルトとの間で定着ニップを形成する加圧部材を設け、その定着ニップに記録材を通してその画像面のトナー像を記録材に定着するので、定着部材として、熱容量の小さな定着ベルトを用い、ウォームアップ時間を短縮する一方、温度上昇時と温度下降時とで特性が違う制御対象に対してコントローラの制御方法を変更して定着温度をより高精度に制御し、定着温度の変動を少なくして定着温度を安定化し、定着ニップを通過する記録材に熱と圧力とを加えて定着を行い、結果として画像品質を一定に保つとともに、設定温度を下げて消費電力を低減することができる。
請求項17に記載の発明によれば、支持ローラに定着熱源を内蔵するので、支持ローラに内蔵する定着熱源のDUTYを制御し、温度上昇時と温度下降時とで特性が違う制御対象に対して定着温度をより高精度に制御して定着温度を一層安定化し、結果として画像品質を一定に保つとともに、設定温度を下げて消費電力を低減することができる。
請求項18に記載の発明によれば、定着ベルトのまわりに定着熱源を配置するので、その定着ベルトまわりに配置する定着熱源のDUTYを制御し、温度上昇時と温度下降時とで特性が違う制御対象に対して定着温度をより高精度に制御して定着温度を一層安定化し、結果として画像品質を一定に保つとともに、設定温度を下げて消費電力を低減することができる。
請求項19に記載の発明によれば、定着熱源として電磁誘導を利用して発熱する熱源を用いるので、電磁誘導を利用した熱源のDUTYを制御し、温度上昇時と温度下降時とで特性が違う制御対象に対して定着温度をより高精度に制御して定着温度を一層安定化し、結果として画像品質を一定に保つとともに、設定温度を下げて消費電力を低減することができる。
請求項20に記載の発明によれば、加圧部材として、定着部材とともに回転する加圧ローラを用いるので、温度上昇時と温度下降時とで特性が違う制御対象に対して定着温度をより高精度に制御して定着温度を一層安定化し、定着ニップを通過する記録材を定着ベルトと加圧ローラとで挟んで確実に搬送しながら、記録材に熱と圧力とを加えて定着を行い、結果として画像品質を一定に保つとともに、設定温度を下げて消費電力を低減することができる。
請求項21に記載の発明によれば、加圧部材として、定着部材とともに回転しない加圧パッドを用いるので、温度上昇時と温度下降時とで特性が違う制御対象に対して定着温度をより高精度に制御して定着温度を一層安定化し、定着ニップを通過する記録材を定着ベルトと加圧ローラとで挟んで確実に搬送しながら、記録材に熱と圧力とを加えて定着を行い、結果として画像品質を一定に保つとともに、設定温度を下げて消費電力を低減することができる。
請求項22に記載の発明によれば、画像形成装置に、請求項10ないし21のいずれか1に記載の定着装置を備えるので、温度上昇時と温度下降時とで特性が違う制御対象に対して定着温度をより高精度に制御して変動を少なくし、定着温度を一層安定化して、結果として画像品質を一定に保つとともに、設定温度を下げて消費電力を低減することができる定着装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の最良形態につき説明する。
図1には、この発明による定着装置を備える画像形成装置における内部機構の全体概略構成を示す。
図示画像形成装置は、電子写真方式を採用するものであり、画像形成装置本体100の上に画像読取装置200を設置し、右側面に両面ユニット300を取り付けてなる。画像形成装置本体100内には、中間転写装置10を備える。中間転写装置10は、複数のローラに掛けまわしてエンドレスの中間転写ベルト11をほぼ水平に張り渡し、反時計まわりに走行するように設ける。
中間転写装置10の下には、シアン、マゼンタ、イエロ、ブラックの作像装置12c、12m、12y、12kを、中間転写ベルト11の張り渡し方向に沿って四連タンデム式に並べて設ける。各作像装置12c、12m、12y、12kでは、図中時計まわりに回転するドラム状の像担持体のまわりに帯電装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置などを設置して構成する。作像装置12c、12m、12y、12kの下には、露光装置13を備える。
露光装置13の下には、給紙装置14を設ける。給紙装置14には、用紙20を収納する給紙カセット15を、この例では二段に備えてなる。そして、各給紙カセット15の右上には、各給紙カセット15内の記録材である用紙20を一枚ずつ繰り出して用紙搬送路16に入れる給紙コロ17を設けてなる。
用紙搬送路16は、画像形成装置本体100内の右側に下方から上方に向けて形成し、画像形成装置本体100上に画像読取装置200との間に形成する胴内排紙部18へと通ずるように設ける。用紙搬送路16には、搬送ローラ19、中間転写ベルト11と対向して二次転写装置21、定着装置22、一対の排紙ローラよりなる排紙装置23などを順に設けてなる。搬送ローラ19の上流には、両面ユニット300から再給紙し、または両面ユニット300を横切って手差し給紙装置36から手差し給紙する用紙20を用紙搬送路16に合流する給紙路37を設ける。また、定着装置22の下流には、両面ユニット300への再給紙搬送路24を分岐して設けてなる。
そして、コピーを取るときは、画像読取装置200で原稿画像を読み取って露光装置13で書き込みを行い、各作像装置12c、12m、12y、12kのそれぞれの像担持体上に各色トナー画像を形成し、そのトナー像を一次転写装置25c、25m、25y、25kで順次転写して中間転写ベルト11上にカラー画像を形成する。
一方、給紙コロ17の1つを選択的に回転して対応する給紙カセット15から用紙20を繰り出して用紙搬送路16に入れ、または手差し給紙装置36から手差し用紙を給紙路37に入れる。そして、用紙搬送路16を通して搬送ローラ19で搬送してタイミングを取って二次転写位置へと送り込み、上述したごとく中間転写ベルト11上に形成したカラー画像を二次転写装置21で用紙20に転写する。画像転写後の用紙20は、定着装置22で画像定着後、排紙装置23で排出して胴内排紙部18上にスタックする。
用紙20の裏面にも画像を形成するときには、再給紙搬送路24に入れて両面ユニット300で反転してから給紙路37を通して再給紙し、別途中間転写ベルト11上に形成したカラー画像を用紙20に二次転写して後、再び定着装置22で定着して排紙装置23で胴内排紙部18に排出する。
図2には、この発明による定着装置24の構成を示す。
この発明による定着装置24は、ローラ形状の定着部材である定着ローラ27と、ローラ状の加圧部材である加圧ローラ28とで構成され、これらのローラ27、28のうちの一方のローラの回転軸は固定され、他方のローラの回転軸は移動自在として他方のローラが一方のローラに対して接離可能に支持され、かつ他方のローラが一方のローラに向けてばねで付勢されて、定着ローラ27と加圧ローラ28との間で定着ニップnが形成される。定着ローラ27には、内部に定着熱源30が内蔵されており、この定着熱源30で定着ローラ27が加熱されるようになっている。
なお、この例では、定着熱源30としては、ハロゲンヒータやカーボンヒータなどの加熱ヒータを使用するが、ヒータに限らず、例えば電磁誘導を利用して発熱する熱源を用いるようにしてもよい。また、本例では、温度検知手段として、定着ローラ27には、定着ローラ27の温度を検知する温度検知手段29を近接して備え、定着ローラ27の温度を測定する。温度検知手段29には、サーモパイル・サーミスタなどがあるが、定着ローラ27に非接触で設けるサーモパイルの方が感度がよく、この発明に適している。
そして、図示定着装置24は、定着熱源30により定着ローラ27が加熱され、その定着ローラ27を、それと加圧ローラ28との間の定着ニップnを通過する用紙20の画像面に接触して、その画像面のトナー像が溶融されることにより用紙20に定着される。
図3には、定着装置24の制御回路ブロックを示す。
制御回路40は、PIDコントローラ41と、PWM駆動回路42とを備え、定着ローラ27の定着電源30への印加電力を制御する。
制御回路40は、あらかじめ指定された目標制御温度と、温度検知手段29により検知された定着ローラ27の温度との間の温度偏差の情報を基に、PIDコントローラ41で演算を行う。この演算結果は、ある時間(制御周期)あたりに定着熱源30が点灯する割合となっており、計算されたDUTYを基に、PWM駆動回路42を通じて定着熱源30を点灯する。本例では、定着熱源30の両端に、ある時間あたりの定格交流電圧を印加する割合を制御することになる。
例えば、制御周期がT[s]、計算結果のDUTYがa[%]である場合には、図4に示すように制御周期T[s]のうちaT/100[s]だけヒータを点灯する。これにより、定着ローラ27の温度を温度検知手段29により検知し、その検知結果に基づきPIDコントローラ41で定着熱源30を制御することにより定着ローラ27の温度を目標制御温度に維持する。
ここで、PID演算式によるDUTYを計算する手順の詳細を述べる。DUTYの演算には、PID基本式である次式(1)をディジタル系に変換して用いる。
Figure 2008139805
ただし、
p:比例ゲイン
I :積分時間
D:微分時間
e(t):目標制御温度と定着ローラ27の温度の誤差(=r(t)-y(t))
r(t):目標制御温度
y(t):定着ローラ27の温度
式(1)を零次ホールドを用いてディジタル変換を行うと、ディジタルPID制御式
Figure 2008139805
ただし、
T:制御周期
が得られる。式(2)を用いて、制御周期ごとに目標制御温度と定着ローラ27の温度の誤差情報からDUTYを計算する。
なお、式(2)に示したDUTYを計算する方法であるが、ここでは零次ホールドを用いてディジタル変換を行ったPIDコントローラの例を示したが、式(3)に示す双一次変換によるディジタル変換を行ったPIDアルゴリズムを使用してもよい。
Figure 2008139805
また、式(2)では位置型のアルゴリズムを示したが、式(4)に示すように制御周期ごとのDUTYの変化量を計算する速度型アルゴリズムを使用しても差し支えない。
Figure 2008139805
また、ここではPIDコントローラにより演算する例を示したが、目的に応じて式(5)に示すI−PDコントローラや式(6)に示すPI−Dコントローラなどのフィードバックコントローラを使用してもよいし、定着ローラの温度を目標制御温度に追従させるフィードバックコントローラであればその限りではない。
Figure 2008139805
Figure 2008139805
図5には、画像形成装置が動作する最も基本的なモードを示す。一般的には、電源投入からウォームアップ動作を経て、待機状態に入り、印刷動作が開始される。
本例に係る画像形成装置100では、その目標温度に達するまでのウォームアップ時、目標温度に達したウォームアップ終了後、用紙20を通して定着を開始するまでの待機時、用紙20を通して定着を行っている印刷時(通紙時)において制御回路40により、温度検知手段29で測定した定着ローラ27の温度に基づいて定着熱源30をフィードバック制御し、定着ローラ27が最適な温度になるよう制御する。
図6には、定着ローラ27の温度が目標制御温度付近で制御されている状態を示す。
前述のように、一般に熱源への入力電力と、出力温度の関係は非線形関係にある。このため、温度上昇時の傾きと、温度下降時の傾きの絶対量が異なる。従来は、これらを考慮せずに、上昇時と下降時で同一の制御を行っているために、温度リップルを抑えきることができなかった。
図7には、定着ローラ27の温度が上昇している温度上昇時と、下降している温度下降時とで、PID制御パラメータを変更してPIDコントローラ41の制御方法を変更する場合のフローチャートを示す。
はじめに、PID制御パラメータであるKp、TI、TDを、定着ローラ27の温度が上昇している際に最適になるようにあらかじめ定めておく。この上昇時の最適PIDパラメータをそれぞれ、Kp_up、TI_up、TD_upとする。パラメータの決定方法としては、各種のパラメータ調整法を用いてもよいし、実験によって合わせ込んでおいてもよい。
次に、ある条件を基に通常モードから、PID制御パラメータを可変にするモード(以下「PID可変モード」という)に遷移する。このPID可変モードへの遷移の条件としては、図5に示したウォームアップ状態から待機状態に遷移した時点で遷移させてもよいし、ウォームアップ中のある時点、例えば定着ローラ27の温度が目標制御温度に対して90[%]の温度になった時点などから遷移させてもよい。
いま、モードが通常モードの場合には、PID制御パラメータKp_up、TI_up、TD_upを用いてPID制御を行う。次に、PID可変モードに遷移した場合を説明する。
PID可変モードに遷移した時刻をt0とし、そのときの定着ローラ27の温度をT0として、T0の値を記憶する。次に、あるサンプリング時間Tsだけ経過した後の定着ローラ27の温度を取得しT1とする。ここで、T0とT1を比較し、T1>T0の場合には温度が上昇している状態であるから、PID制御パラメータはKp_up、TI_up、TD_upのまま変更せず、温度制御を続け、再び時間Tsが経過するのを待ち、このサイクルを続ける。反対に、T1<T0であった場合、温度が下降に転じたため、PID制御パラメータを温度が下降している際に最適になるPID制御パラメータ、Kp_down、TI_down、TD_downに変更する。なお、この下降時の最適PID制御パラメータについても、あらかじめ各種パラメータ調整法などにより設計しておく。
ここでは、定着ローラ27の温度が上昇から下降に転じた際のPID制御パラメータの変更について示したが、定着ローラ27の温度が下降から上昇に転じた場合も同様の手順で、温度をTs間隔で取得し、温度が下降から上昇に転じた場合に、PID制御パラメータをKp_down、TI_down、TD_downからKp_up、TI_up、TD_upに変更する。
なお、Tsの値であるが、前述したヒータの制御周期Tと同期させてもよいし、測定した定着ローラ27の温度情報にノイズが含まれており、ヒータの制御周期Tごとに判断した場合に、温度が上昇から下降、または下降から上昇に転じるタイミングが捉えづらい場合には、ノイズの影響を受けないよう、制御周期とは独立した値を設定してもよい。また、ローパスフィルタを使用するなど温度の上昇、下降の切り替わりが捉えやすいようにしておいてもよい。
図8には、図7に示すように定着ローラ27の温度が上昇している時と、下降している時でPID制御パラメータを変更した場合の効果を示す。図示するごとく、実線で示す改善前に比して、改善後は、PID制御パラメータを変更しているので、温度リップルを抑えることができる。
さて、上述した例では、コントローラとしてPIDコントローラ41を使用し、温度上昇時と温度下降時とでそのPIDコントローラ41の定数を変更することにより、温度検知手段29により検知した定着ローラ27の温度と、目標制御温度との偏差に応じて定着熱源30のDUTYを制御した。しかし、コントローラとしてI‐PDコントローラを使用し、温度上昇時と温度下降時とでそのI‐PDコントローラの定数を変更することにより、温度検知手段により検知した定着部材の温度と、目標制御温度との偏差に応じて定着熱源のDUTYを制御するようにしてもよいし、コントローラとしてPI‐Dコントローラを使用し、温度上昇時と温度下降時とでそのPI‐Dコントローラの定数を変更することにより、温度検知手段により検知した定着部材の温度と、目標制御温度との偏差に応じて定着熱源のDUTYを制御するようにしてもよい。
ところで、上述した画像形成装置では、定着部材として定着ローラ27を用い、その定着ローラ27との間で定着ニップnを形成する加圧ローラ28を設け、その定着ニップnに記録材である用紙20を通してその画像面のトナー像を用紙20に定着するローラ定着装置を用いた。
しかし、例えば図9に示すように、定着部材として、複数の支持ローラ(図示例では、2つの支持ローラ50、51)に掛けまわす定着ベルト52を用い、その1つの支持ローラ50に定着熱源30を内蔵する一方、別の支持ローラ51を定着ベルト52を挟んで加圧ローラ53と圧接してその加圧ローラ53と定着ベルト52との間で定着ニップnを形成し、その定着ニップnに用紙20を通してその画像面のトナー像を用紙20に定着するベルト定着装置を用いることもできる。
このベルト定着装置では、定着熱源30により支持ローラ50を介して定着ベルト52を加熱するが、定着部材である定着ベルト52の温度が上昇している温度上昇時と下降している温度下降時とで、上述したと同様にコントローラの制御方法を変更するようにしてもよい。
図10には、ベルト定着装置とローラ定着装置の定着温度の比較を示す。図示するように、ベルト定着装置の場合、前述のローラ定着装置に比べ、熱容量が小さいため、ウォームアップ時間の短縮化などが可能である一方で、低熱容量であるが故に、定着ローラ27の温度リップルが大きくなりやすいという特徴がある。このため、この発明のように温度上昇時と温度下降時とでコントローラの制御方法を変更すると、定着温度の変動を効果的に抑えることができ、温度リップルの減少度合いをさらに大きくすることができる。
さて、図示例では、支持ローラ50に定着熱源30を内蔵したが、定着ベルト52の周りに定着熱源を配置して定着ベルト52を加熱するようにしてもよい。また、ローラ定着装置の場合と同様に、ヒータに限らず、電磁誘導を利用して発熱する熱源を用いるようにしてもよい。
なお、上述したベルト定着装置やローラ定着装置では、加圧部材として、定着ローラ28や定着ベルト52などの定着部材とともに回転する加圧ローラ28を使用する例を示したが、加圧ローラに限らず、例えば定着部材とともに回転しない加圧パッドなどを使用することもできる。
また、定着には、ベルト定着装置かローラ定着装置かなどの定着装置の構造上の違いとともに、トナーの種類も大きく関係する。この発明のように温度上昇時と温度下降時とでコントローラの制御方法を変更することで、トナーの種類や近年のカラー化にも対応して定着温度をより一定に保持することにより、良好な画質の画像形成装置を得ることができる。
この発明による定着装置を備える画像形成装置における内部機構の全体概略構成図である。 その画像形成装置に備えるこの発明によるローラ定着装置の構成図である。 その定着装置の制御回路ブロック図である。 制御周期とDUTYに対するヒータOn時間の関係図である。 PID制御時の定着ローラの温度と定着熱源のDUTYの状態を示す図である。 定着ローラの温度が目標制御温度付近で制御されている状態図である。 定着ローラの温度が上昇している温度上昇時と、下降している温度下降時とで、PID制御パラメータを変更してPIDコントローラの制御方法を変更する場合のフローチャートである。 図7に示すように定着ローラの温度が上昇している時と、下降している時でPID制御パラメータを変更した場合の効果を示す図である。 この発明によるベルト定着装置の構成図である。 ベルト定着装置とローラ定着装置の定着温度の比較図である。 PID制御とONOFF制御の比較図である。
符号の説明
20 用紙(記録材)
24 定着装置
27 定着ローラ(定着部材)
28 加圧ローラ(加圧部材)
29 温度検知手段
30 定着熱源
41 コントローラ
50 支持ローラ
51 支持ローラ
52 定着ベルト(定着部材)
n 定着ニップ


Claims (22)

  1. 定着熱源により定着部材を加熱し、その定着部材の温度を温度検知手段により検知してその検知結果に基づきコントローラで前記定着熱源を制御することにより前記定着部材の温度を目標制御温度に維持し、その定着部材を記録材の画像面に接触してその画像面のトナー像を記録材に定着する定着方法において、
    前記定着部材の温度が上昇している温度上昇時と、下降している温度下降時とで、前記コントローラの制御方法を変更することを特徴とする定着方法。
  2. 温度上昇時と温度下降時の一方から他方に変化したとき、前記コントローラの制御方法を変更することを特徴とする、請求項1に記載の定着方法。
  3. 目標制御温度に達するまでのウォームアップ時に、前記コントローラの制御方法を変更することを特徴とする、請求項1に記載の定着方法。
  4. 目標制御温度に達したウォームアップ終了時に、前記コントローラの制御方法を変更することを特徴とする、請求項1に記載の定着方法。
  5. 目標制御温度に達したウォームアップ終了後、記録材を通して定着を開始するまでの待機時に、前記コントローラの制御方法を変更することを特徴とする、請求項1に記載の定着方法。
  6. 記録材を通して定着を行っている通紙時に、前記コントローラの制御方法を変更することを特徴とする、請求項1に記載の定着方法。
  7. 前記コントローラとしてPIDコントローラを使用し、温度上昇時と温度下降時とでそのPIDコントローラの定数を変更することにより、前記温度検知手段により検知した前記定着部材の温度と、前記目標制御温度との偏差に応じて前記定着熱源の制御周期あたりに定着熱源が点灯する割合(以下「DUTY」という)を制御することを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1に記載の定着方法。
  8. 前記コントローラとしてI‐PDコントローラを使用し、温度上昇時と温度下降時とでそのI‐PDコントローラの定数を変更することにより、前記温度検知手段により検知した前記定着部材の温度と、前記目標制御温度との偏差に応じて前記定着熱源のDUTYを制御することを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1に記載の定着方法。
  9. 前記コントローラとしてPI‐Dコントローラを使用し、温度上昇時と温度下降時とでそのPI‐Dコントローラの定数を変更することにより、前記温度検知手段により検知した前記定着部材の温度と、前記目標制御温度との偏差に応じて前記定着熱源のDUTYを制御することを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1に記載の定着方法。
  10. 定着熱源と、その定着熱源により加熱する定着部材と、その定着部材の温度を検知する温度検知手段と、その温度検知手段の検知結果に基づき前記定着熱源を制御することにより前記定着部材の温度を目標制御温度に維持するコントローラとを備え、前記定着部材を記録材の画像面に接触してその画像面のトナー像を記録材に定着する定着装置において、
    前記コントローラとして、前記定着部材の温度が上昇している温度上昇時と、下降している温度下降時とで、制御方法を変更するものを使用することを特徴とする定着装置。
  11. 前記コントローラとして、温度上昇時と温度下降時とで定数を変更することにより、前記温度検知手段により検知した前記定着部材の温度と、前記目標制御温度との偏差に応じて前記定着熱源のDUTYを制御するPIDコントローラを使用することを特徴とする、請求項10に記載の定着装置。
  12. 前記コントローラとして、温度上昇時と温度下降時とで定数を変更することにより、前記温度検知手段により検知した前記定着部材の温度と、前記目標制御温度との偏差に応じて前記定着熱源のDUTYを制御するI‐PDコントローラを使用することを特徴とする、請求項10に記載の定着装置。
  13. 前記コントローラとして、温度上昇時と温度下降時とで定数を変更することにより、前記温度検知手段により検知した前記定着部材の温度と、前記目標制御温度との偏差に応じて前記定着熱源のDUTYを制御するPI‐Dコントローラを使用することを特徴とする、請求項10に記載の定着装置。
  14. 前記定着部材として、定着ローラを用い、その定着ローラとの間で定着ニップを形成する加圧部材を設け、その定着ニップに記録材を通してその画像面のトナー像を記録材に定着することを特徴とする、請求項10ないし13のいずれか1に記載の定着装置。
  15. 前記定着ローラに前記定着熱源を内蔵することを特徴とする、請求項14に記載の定着装置。
  16. 前記定着部材として、複数の支持ローラに掛けまわす定着ベルトを用い、その定着ベルトとの間で定着ニップを形成する加圧部材を設け、その定着ニップに記録材を通してその画像面のトナー像を記録材に定着することを特徴とする、請求項10ないし13のいずれか1に記載の定着装置。
  17. 前記支持ローラに前記定着熱源を内蔵することを特徴とする、請求項16に記載の定着装置。
  18. 前記定着ベルトのまわりに前記定着熱源を配置することを特徴とする、請求項16に記載の定着装置。
  19. 前記定着熱源として、電磁誘導を利用して発熱する熱源を用いることを特徴とする、請求項14または16に記載の定着装置。
  20. 前記加圧部材として、前記定着部材とともに回転する加圧ローラを用いることを特徴とする、請求項14ないし19のいずれか1に記載の定着装置。
  21. 前記加圧部材として、前記定着部材とともに回転しない加圧パッドを用いることを特徴とする、請求項14ないし19のいずれか1に記載の定着装置。
  22. 請求項10ないし21のいずれか1に記載の定着装置を備えることを特徴とする、画像形成装置。
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