JP2008139378A - 撥インク性隔壁及びその製造方法、カラーフィルタ及びその製造方法並びに表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板上に隔壁を形成する隔壁形成工程と、仮支持体上に撥インク性化合物を含む撥インク処理層が形成された撥インク処理用転写材料を、前記撥インク処理層と前記基板上に形成された隔壁とが接するように、隔壁が形成された隔壁付き基板に圧着する圧着工程と、前記撥インク処理用転写材料が圧着された隔壁付き基板から、仮支持体を剥離する剥離工程と、をこの順に含むことを特徴とする撥インク性隔壁の製造方法。
【選択図】なし
Description
従来、カラーフィルタの製造方法としては、染色法、顔料分散法、電着法、印刷法などが実施されている。
例えば、染色法は、透明基板上に染色用の材料である水溶性の高分子材料層を形成し、これをフォトリソグラフィ工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る。この工程を3回繰り返すことにより、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色の着色部からなる着色層を形成する方法である。
また、顔料分散法は、近年盛んに行われおり、透明基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより、単色のパターンを得る。この工程を3回繰り返すことにより、R、G、Bの3色の着色部からなる着色層を形成する方法である。
印刷法は、熱硬化型の樹脂に顔料を分散し、印刷を3回繰り返すことにより、R、G、Bを塗り分けた後、樹脂を熱硬化させることにより、着色層を形成するものである。
これらのいずれの製造方法を用いた場合でも、得られた着色層の上に保護層を形成するのが一般的である。
白抜けとは、開口部のガラス面や隔壁側面とインクとの濡れ性が悪く、開口部に充分にインクが広がらなかったり、側壁と充填されたインクとの間に空隙が形成されたりする現象である。
これら白抜けや混色は、色ムラやコントラストの低下といった表示不良の原因となる。
大きな設備投資が不要な方法として、反応性基を有する濡れ性調整剤を用いる方法がある。例えば、反応性基を有する濡れ性調整剤として、含フッ素シランカップリング剤による撥インク処理例が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この方法により撥インク処理を行うと、隣接画素間のインクの混合が効果的に防止でき、隔壁側面が処理されないため、隔壁近傍の気泡(はじき)が発生しなかった。しかし、先に塗布した黒色のフォトレジスト層の上に、塗り重ねるため、含フッ素シランカップリング剤を、該フォトレジスト層を溶解させない溶媒で塗布する必要があり、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)のような、一般に高価な特殊な溶媒を用いる必要があった。
<1> 少なくとも、
(a)基板上に隔壁を形成する隔壁形成工程と、
(b)仮支持体上に撥インク性化合物を含む撥インク処理層が形成された撥インク処理用転写材料を、前記撥インク処理層と前記基板上に形成された隔壁とが接するように、隔壁が形成された隔壁付き基板に圧着する圧着工程と、
(c)前記撥インク処理用転写材料が圧着された隔壁付き基板から、仮支持体を剥離する剥離工程と、
をこの順に含むことを特徴とする撥インク性隔壁の製造方法である。
<3> 更に、前記(c)剥離工程の後に、隔壁を加熱する加熱工程を含む<1>又は<2>に記載の撥インク性隔壁の製造方法である。
<5> 前記撥インク処理層が、更に、樹脂を含むことを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1つに記載の撥インク性隔壁の製造方法である。
<7> 前記樹脂がエチレン性重合性基を有することを特徴とする<5>又は<6>に記載の撥インク性隔壁の製造方法である。
<9> <1>〜<8>いずれか1つに記載の撥インク性隔壁の製造方法により製造された撥インク性隔壁である。
<11> <10>に記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタである。
<12> <11>に記載のカラーフィルタを有する表示装置である。
≪撥インク性隔壁及びその製造方法≫
本発明の撥インク性隔壁の製造方法は、少なくとも、
(a)基板上に隔壁を形成する隔壁形成工程と、
(b)仮支持体上に撥インク性化合物を含む撥インク処理層が形成された撥インク処理用転写材料を、前記撥インク処理層と前記基板上に形成された隔壁とが接するように、隔壁が形成された隔壁付き基板に圧着する圧着工程と、
(c)前記撥インク処理用転写材料が圧着された隔壁付き基板から、仮支持体を剥離する剥離工程と、
をこの順に含むことを特徴とする。また、本発明の撥インク性隔壁は、本発明の撥インク性隔壁の製造方法により製造される。
また、本発明において固形分とは、組成物中の溶剤を除いた全成分を指す。
前記隔壁上面と着色インクとの接触角としては、20°以上が好ましく、35°以上がより好ましく、50°以上が最も好ましい。前記接触角の上限は特にないが、接触角なので180°以下ではある。
本発明における隔壁形成工程は、基板上に隔壁を形成する工程である。隔壁は樹脂を用いて形成されたものであること以外に特に限定はない。また、隔壁形成方法に特に限定は無く、公知の隔壁形成方法を用いることができる。
隔壁は、隔壁形成用組成物を用いて形成することができる。ここで、隔壁形成用組成物としては、高い光学濃度を有する組成物であることが好ましく、その値は2.0〜10.0である。隔壁形成用組成物の光学濃度は好ましくは2.5〜6.0であり、特に好ましくは3.0〜5.0である。また、この隔壁形成用組成物は、後述するように好ましくは光開始系で硬化させる為、露光波長(一般には紫外域)に対する光学濃度も重要である。すなわち、その値は2.0〜10.0であり、好ましくは2.5〜6.0、最も好ましいのは3.0〜5.0である。露光波長に対する光学濃度が前記範囲内であれば、隔壁形状をより良好に保つことができ、より効果的に重合を進めることができる。
かかる性質を有しさえすれば、組成物中の濃色体は有機物(染料、顔料などの各種色素)であっても、また各形態の炭素であっても、これらの組み合わせからなるものであってもよい。かかる濃色体は、特に限定されないが、黒色体がもっとも多く使用される。
前記隔壁形成用組成物は、金属粒子又は金属を有する粒子の少なくとも一種(以下、「本発明における金属系微粒子」ということがある。)を含有してもよい。
金属粒子又は金属を有する粒子における金属としては、特に限定されず、いかなるものを用いてもよい。金属粒子は、2種以上の金属を組み合わせて用いてもよく、合金として用いることも可能である。また、金属と金属化合物との複合微粒子でもよい。
「金属化合物」とは、前記金属と金属以外の他の元素との化合物である。金属と他の元素との化合物としては、金属の酸化物、硫化物、硫酸塩、炭酸塩などが挙げられ、金属化合物粒子としてはこれらの粒子が好適である。中でも、色調や微粒子形成のしやすさから、硫化物の粒子が好ましい。
金属化合物の例としては、酸化銅(II)、硫化鉄、硫化銀、硫化銅(II)、チタンブラックなどがあるが、色調、微粒子形成のしやすさや安定性の観点から、硫化銀が特に好ましい。
複合粒子は、金属と金属化合物とが結合して1つの粒子になったものをいう。例えば、粒子の内部と表面で組成の異なるもの、2種の粒子が合一したもの等を挙げることができる。また、金属化合物と金属とはそれぞれ1種でも2種以上であってもよい。
金属化合物と金属との複合微粒子の具体例としては、銀と硫化銀の複合微粒子、銀と酸化銅(II)の複合微粒子などが好適に挙げられる。
本発明における微粒子は、コア・シェル型の複合粒子(コアシェル粒子)であってもよい。コア・シェル型の複合粒子(コアシェル粒子)とは、コア材料の表面をシェル材料でコートしたものである。
コア・シェル型の複合粒子を構成するシェル材料としては、例えば、Si、Ge、AlSb、InP 、Ga、As、GaP 、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、PbS、PbSe、PbTe、Se、Te、CuCl、CuBr、CuI、TlCl、TlBr、TlIやこれらの固溶体及びこれらを90mol%以上含む固溶体から選ばれる少なくとも1種の半導体、又は銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンテル、チタン、ビスマス、アンチモン、鉛、カルシウム、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種の金属が挙げられる。
前記シェル材料は、反射率を低下させる目的で屈折率の調整剤としても好適に用いられる。
(1)公知の方法で作製した金属微粒子の表面に、酸化、硫化などにより、金属化合物のシェルを形成する方法であり、例えば、金属微粒子を水などの分散媒に分散させて、硫化ナトリウムや硫化アンモニウムなどの硫化物を添加する方法である。この方法により粒子の表面が硫化されてコア・シェル粒子が形成できる。
この場合、用いる金属粒子は、気相法、液相法などの公知の方法で作製することができる。金属粒子の作製方法については、例えば、「超微粒子の技術と応用における最新動向II」(住ベテクノリサーチ(株)、2002年発行)に記載されている。
(2)金属粒子を作製する過程で連続的に表面に金属化合物のシェルを形成する方法であり、例えば、金属塩溶液に還元剤を添加して、金属イオンの一部を還元して金属微粒子を作製し、次いで硫化物を添加して、作製した金属微粒子の周囲に金属硫化物を形成する方法である。
また、球形銀微粒子を種粒子としてその後、銀塩を更に添加し、CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)等の界面活性剤の存在下でアスコルビン酸など比較的還元力の弱い還元剤を用いることにより、銀棒やワイヤー等の棒状の銀微粒子が得られる。これは、Advanced Materials 2002,14,80−82に記載がある。また、同様の記載が、Materials Chemistry and Physics 2004,84,197−204、Advanced Functional Materials 2004,14,183−189になされている。
金に関しても同様に、Journal of Physical Chemistry B 1999,103、3073−3077及びLangmuir1999,15,701−709、Journal of American Chemical Society 2002,124,14316−14317に記載されている。
棒状の粒子の形成方法は、前記記載の方法を改良(添加量調整、pH制御)しても調製できる。
本発明における金属系微粒子は、下記の方法によって直方体として捉えられ、各寸法が測定される。すなわち、1個の金属系微粒子がちょうど(きっちりと)収まるような三軸径の直方体の箱を考え、この箱の長さの一番長いものを長軸長さLとし、厚みt、幅bをもってこの金属系微粒子の寸法と定義する。前記寸法には、L>b≧tの関係を持たせ、同一の場合以外はbとtの大きい方を幅bと定義する。具体的には、まず、平面上に金属微粒子を、最も重心が低くて安定に静止するように置く。次に、平面に対し直角に立てた2枚の平行な平板により金属微粒子を挟み、その平板間隔が最も短くなる位置の平板間隔を保つ。次に、前記平板間隔を決する2枚の平板に対し直角で前記平面に対しても直角の2枚の平行な平板により金属系微粒子を挟み、この2枚の平板間隔を保つ。最後に金属微粒子の最も高い位置に接触するように天板を前記平面に平行に載せる。この方法により平面、2対の平板及び天板によって画される直方体が形成される。
なお、コイル状やループ状のものはその形状を伸ばした状態で前記測定を行なった場合の値と定義する。
棒状金属微粒子の場合など、前記長軸長さLは、10nmないし1000nmであることが好ましく、10nmないし800nmであることがより好ましく、20nmないし400nmである(可視光の波長より短い)ことが最も好ましい。Lが10nm以上であることにより、製造上調製が簡便で、かつ耐熱性や色味も良好になる利点があり、1000nm以下であることにより、面状欠陥が少ないという利点がある。
棒状金属微粒子の場合など、幅bと厚みtとの比は、100個の棒状金属微粒子について測定した値の平均値と定義する。棒状金属微粒子の幅bと厚みtとの比(b/t)は、耐熱性向上の観点から、2.0以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましく、1.3以下であることが特に好ましい。
長軸長さLは、耐熱性向上の観点及び黒色濃度を向上してより効果的に薄層高濃度化を行う観点から、幅bの1.2倍以上100倍以下であることが好ましく、1.3倍以上50倍以下であることがより好ましく、1.4倍以上20倍以下であることが特に好ましい。
長さL、幅b及び厚みtの測定は、電子顕微鏡による表面観察図(×500000)と、原子間力顕微鏡(AFM)によってすることができ、100個の棒状金属微粒子について測定した値の平均値とする。原子間力顕微鏡(AFM)には、いくつかの動作モードがあり、用途によって使い分けている。
大別すると以下の3つになる。
(1)接触方式:プローブを試料表面に接触させ、カンチレバーの変位から表面形状を測定する方式
(2)タッピング方式:プローブを試料表面に周期的に接触させ、カンチレバーの振動振幅の変化から表面形状を測定する方式
(3)非接触方式:プローブを試料表面に接触させずに、カンチレバーの振動周波数の変化から表面形状を測定する方式
前記の3つの方法を挙げることができるが、試料に合わせいずれかの方法を選択することが可能である。
黒色濃色体として、更に例示すると、カーボンブラック、チタンカーボン、酸化鉄、酸化チタン、黒鉛などが挙げられ、中でも、カーボンブラックが好ましい。
例えば、トリハロメチル基含有化合物、アクリジン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、ジアゾ系化合物、等を挙げることができる。
特に好ましいのは、トリハロメチル基含有化合物としては、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾールであり、アクリジン系化合物としては、9−フェニルアクリジンであり、更に、6−〔p−(N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル)アミノ)フェニル〕−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾールなどのトリハロメチル基含有化合物、及びミヒラーズケトン、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールである。
これらのうち、特に好ましいのは、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートである。
隔壁は、上記隔壁形成用組成物から形成される。隔壁は、2以上の画素群を離画するものであり、一般には黒であることが多いが、黒に限定されるものではない。濃色とする着色物は、有機物(染料、顔料などの各種色素)が好ましい。隔壁は、隔壁形成用組成物を露光し、その後現像することにより形成することが好ましい。
隔壁の光学濃度は例えば以下の方法で測定できる。
隔壁を実際に用いる厚みで、実際に用いる方法で、透明基板上に膜状に形成し、ついでこの隔壁が形成された基板の光学濃度を測定する(OD)。別途透明基板の光学濃度を測定する(OD0)。ODからOD0を差し引いた値が隔壁の光学濃度である。測定は例えばマクベス濃度計(商品名:TD−904、マクベス社製)を用いることができる。
かかる隔壁を容易且つ低コストで実現するものとして、仮支持体上に少なくとも感光性の隔壁形成用組成物からなる層と、中間層とを、有してなる感光性転写材料を使用するという手法がある。
本発明の感光性転写材料においては、複数の塗布層の塗布時、及び塗布後の保存時における成分の混合を防止する目的から、中間層を設けることが好ましい。該中間層は、塗り分けの観点で、水系(溶媒の40%以上が水)が好ましい。該中間層としては、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載されている、酸素遮断機能のある酸素遮断膜を用いることが好ましく、この場合、露光時感度がアップし、露光機の時間負荷が減り、生産性が向上する。
該酸素遮断膜としては、低い酸素透過性を示し、水又はアルカリ水溶液に分散又は溶解するものが好ましく、公知のものの中から適宜選択することができる。これらの内、特に好ましいのは、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの組み合わせである。
上記具体例の中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
カラーフィルタを構成する基板(永久支持体)としては、金属性支持体、金属張り合わせ支持体、ガラス、セラミック、合成樹脂フィルム等を使用することができる。特に好ましくは、透明性で寸度安定性の良好なガラスや合成樹脂フィルムが挙げられる。
以下、感光性転写材料を用いて、隔壁を形成する場合を説明する。仮支持体上に、熱可塑性樹脂層、中間層、隔壁形成用組成物層、更に該隔壁形成用組成物層上にカバーシートが設けられた感光性転写材料を用意する。まず、カバーシートを剥離除去した後、露出した隔壁形成用組成物層の表面を永久支持体(基板)上に貼り合わせ、ラミネーター等を通して加熱、加圧して積層する(積層体)。ラミネーターには、従来公知のラミネーター、真空ラミネーター等の中から適宜選択したものが使用でき、より生産性を高めるには、オートカットラミネーターも使用可能である。
熱可塑性樹脂層を設けずに感光性転写材料を形成してもよい。
また、仮支持体を残したまま(剥離せずに)、該仮支持体と所望のフォトマスク(例えば、石英露光マスク)とが向き合うように配置し、積層体とフォトマスクとを垂直に立てた状態で、露光マスク面と該仮支持体の間の距離を適宜(例えば、200μm)に設定し、露光することもできる。次いで、仮支持体を除去し、照射後所定の処理液を用いて現像処理して、パターニング画像を得て、引き続き必要に応じて、水洗処理して、隔壁を得る。
照射後所定の処理液を用いて現像処理する。現像処理に用いる現像液としては、アルカリ性物質の希薄水溶液が用いられるが、更に水と混和性の有機溶剤を少量添加したものでもよい。光照射に用いる光源としては、中圧〜超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。
前記現像の前には、純水をシャワーノズル等にて噴霧して、該隔壁形成用組成物層の表面を均一に湿らせることが好ましい。
現像処理の後に水洗工程を入れることも可能である。
また、現像液のpHは8〜13が好ましい。現像槽中にはローラーコンベアなどが設置され、基板は水平に移動する。前記ローラーコンベアの傷を防止する意味で、隔壁形成用組成物層は基板の上面に形成されるのが好ましい。
また、現像の処理形態としては、基板サイズが1メートルを超える場合に問題となることがある、基板中央と周辺部分での現像の差をより小さく抑える観点から、搬送方向と直交する方向で水平面に対して傾斜した状態で処理する形態が望ましい。この場合の傾斜角度は、5°から30°が好ましい。
また、現像前に純水を噴霧し、隔壁形成用組成物層を湿らせておくと均一な現像結果となり好ましい。
また、現像後は、基板にエアを軽く吹きつけ、余分な液を略除去した上で、シャワー水洗を実施すると、より均一な現像結果となる。また水洗の前に、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて3から10MPaの圧力で噴射して残渣除去を行うと、残渣の無い高品質の像が得られる。また、後工程の汚染防止や基板上のシミ防止の観点からは、エアーナイフにて水切りを行い余分な水や水滴を除去するのが好ましい。
現像と熱処理の間に、ポスト露光を実施すると、画像の断面形状のコントロール、画像の硬度のコントロール、画像の表面凹凸のコントロール、画像の膜減りのコントロールなどの観点で好ましい。ポスト露光に用いる光源としては、特開2005−3861号公報の段落番号0074に記載の超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。ポスト露光は、超高圧水銀灯やメタルハライド等の光源からの光を露光マスクなどを介さず直接基板に照射する事が、設備の簡素化と省電力の観点で好ましい。必要に応じて、両面から実施する。また、露光量も、上面:100から2000mJ/平方センチメートル、下面:100から2000mJ/平方センチメートルの範囲で、上記コントロール目的に応じ、適宜調整する。
熱処理により本発明の隔壁形成用組成物層に含まれるモノマーや架橋剤を反応させて、画像の硬度を確保することができる。熱処理の温度は、より高い硬度を得る観点、及び樹脂の着色を抑制し色純度をより高く保つ観点から、150℃から250℃の範囲が好ましい。熱処理の時間は、より高い硬度を得る観点、及び樹脂の着色を抑制し色純度をより高く保つ観点から、10分から150分が好ましい。
また熱処理は、色によって変えてもよい。また、全部の色を形成後、更に最終の熱処理を行って硬度を安定化させてもよい。その場合、高めの温度(例えば240℃)で実施すると硬度の点で好ましい。
本発明おける圧着工程は、後述の撥インク処理用転写材料を、撥インク処理層と基板上に形成された隔壁上面とが接するようにして(好ましくは、該撥インク処理層が、基板上の凹部に接することなく該隔壁上面のみに接するようにして)、隔壁が形成された隔壁付き基板に圧着する工程である。この圧着工程により、隔壁の上面に撥インク処理層の少なくとも一部を付着させることができ、該隔壁の上面に撥インク性を付与することができる。
また、前記ラミネーターとして、多丁ラミネータを用いてもよい。多丁ラミネータの例として、特開2004−333616号公報の段落番号0007〜0039に記載のものが挙げられる。多丁ラミネータを用いることで、転写エリア幅より狭い幅の撥インク処理層を複数枚並列に供給できるラミネータ(多丁ラミネーター)を用いて撥インク処理層の形成幅に依存することなく、広い幅のラミネートが実現できる。
上記の観点より、圧着の条件としては、圧着時の圧力は0.1MPa〜2.0MPaが好ましく、0.5MPa〜1.5MPaがより好ましい。
圧着時の温度は40℃〜120℃が好ましく、60℃〜100℃がより好ましい。
本発明における撥インク処理用転写材料は、仮支持体上に撥インク性化合物を含む撥インク処理層が形成されてなるものである。
以下、仮支持体及び撥インク処理層について説明する。
前記仮支持体は、圧着時に撥インク処理層が基板上の凹部(画素部)に接触することを防止する観点、及び撥インク処理層の隔壁上面への密着を良好に保つ観点からは、適度な可撓性を有することが好ましい。
仮支持体としては、前記(感光性転写材料)で説明した材質のものを適宜用いることができるが、本発明による効果をより効果的に奏する観点からは、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルが好ましい。
仮支持体の厚みとしては、本発明による効果をより効果的に奏する観点からは、25〜300μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。
撥インク処理層にはカバーフィルムをかけて保護することも好ましい。
本発明における撥インク処理層は、仮支持体上に形成されている層であり、隔壁上面に圧着され、全部又は一部が隔壁上面に転写されることで、該隔壁上面に撥インク性を付与する役割をもつ。
ここで、全部が転写されるとは、撥インク処理用転写材料に形成した撥インク処理層の全層厚分がそのまま転写されることを指し、一部が転写されるとは、撥インク処理用転写材料に形成した撥インク処理層の全層厚分のうち、一部分(例えば、全層厚1.0μm分のうち、0.5μm分等)が転写されることを指す。
前記撥インク処理層は、必須成分として撥インク性化合物を有する。撥インク性化合物のほか、他の樹脂(バインダーポリマー等)、他のモノマー、界面活性剤などを適宜添加することができる。
仮支持体上に撥インク処理層を形成する方法としては、特に限定はないが、例えば、撥インク処理層に含まれる各成分を混合して撥インク処理層組成液を調製し、該撥インク処理層組成液を、スリット塗布等の公知の塗布方法によって仮支持体上に塗布することにより形成できる。
また、仮支持体と撥インク処理層との間に別の層を設けることも、本発明による効果を妨げない範囲で可能である。
前記硬化の仕組みとは、例えば、撥インク性化合物や添加するバインダーポリマーにエチレン性重合性基を有するものを用いること、撥インク性化合物のほかにエポキシ基を有するバインダーポリマーを用いることなどが挙げられる。なお、露光で硬化させる場合には、撥インク処理層中に、更に、光開始剤を含有することが好ましい。
例えば、前記(b)圧着工程以降で、撥インク処理層中でエチレン性重合性基の重合反応を起こせば、該撥インク処理層中のエチレン性重合性基を含む化合物が、隔壁上面に存在する隔壁中のモノマーやバインダーと化学反応を起こして撥インク処理層の少なくとも一部が隔壁上面に固定されるか、あるいは撥インク処理層の少なくとも一部が隔壁上面に物理吸着して隔壁に固定される。
また、前記(b)圧着工程以降で、撥インク処理層中でエポキシ基の重合反応を起こせば、隔壁の上面に存在する隔壁中のバインダーのカルボン酸と化学反応あるいは隔壁に物理吸着して隔壁に固定される。
(1)含フッ素化合物とエポキシポリマー(樹脂)との組み合わせ、
(2)含フッ素化合物と他のモノマーと他のバインダーポリマー(樹脂)との組み合わせ、
(3)含フッ素化合物と含フッ素架橋性バインダー(樹脂)との組み合わせ、
(4)含フッ素モノマーと含フッ素架橋性バインダー(樹脂)との組み合わせ、
(5)含ケイ素モノマーと架橋性バインダー(樹脂)との組みあわせ、
(6)含ケイ素モノマーと含フッ素架橋性バインダー(樹脂)との組みあわせ、
などが挙げられるが、これらに限られるわけではない。
以上の観点より、ガラス転移温度(Tg)の値としては、0〜100℃が好ましく、40〜80℃がより好ましい。
上記の観点より、撥インク処理層は分厚すぎないことが好ましい。厚み(層厚)としては、5.0μm〜0.01μmが好ましく2.0μm〜0.01μmがより好ましく、1.0μm〜0.05μmが最も好ましい。撥インク処理層の厚み(層厚)が5.0μm以下であれば、隔壁凹部への接触による白抜けを、より効果的に抑制できる。また、撥インク処理層の厚み(層厚)が0.01μm以上であれば、撥インク化不十分による混色を、より効果的に抑制できる。
前記撥インク性化合物としては、隔壁上面に存在させた場合に該隔壁上面がインクをはじく性質をもつようになる化合物であれば特に制限はない。また、前記撥インク性化合物を撥インク処理層に含ませる態様についても、特に限定はない。
前記含フッ素化合物としては、含フッ素モノマー、含フッ素ポリマー(含フッ素樹脂)のいずれを用いてもよく、これらを併用してもよい。また、含ケイ素化合物としても、含ケイ素モノマー、含ケイ素ポリマー(含ケイ素樹脂)のいずれを用いてもよく、これらを併用してもよい。
含フッ素モノマーまたは含ケイ素モノマーを用いる場合、露光により隔壁上面に固定するのがより容易になるという観点で、エチレン性重合性基がアクリロイル基またはメタクリロイル基であるモノマーであることが好ましい。
含フッ素モノマーとしては、例えば、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)及び(V)よりなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも一般式(I)で表される含フッ素モノマーが好ましい。
(一般式(I)中、R1は水素原子又はメチル基を、R2は−CpH2p−、−CpH2pCH(OH)CnH2n−、−C(CpH2p+1)H−、−CH2C(CpH2p+1)H−又は−CH2CH2O−を、Rfは−CnF2n+1、−(CF2)nH、−(CF2)pOCnH2nCiF2i+1、−(CF2)pOCmH2mCiF2iH、−N(CpH2p+1)COCnF2n+1又は−N(CpH2p+1)SO2CnF2n+1表わす。但し、pは1〜10、nは1〜16、mは0〜10、iは0〜16の整数である。)
CF2=CFORg (II)
(一般式(II)中、Rgは炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を表わす。)
CH2=CHRg (III)
(一般式(III)中、Rgは炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を表わす。)
CH2=CR3COOR5RjR6OCOCR4=CH2 (IV)
(一般式(IV)中、R3およびR4は水素原子又はメチル基を、R5およびR6は−CqH2q−、−C(CqH2q+1)H−、−CH2C(CqH2q+1)H−又は−CH2CH2O−を、Rjは−CtF2t−を表わす。但し、qは1〜10、tは1〜16の整数である。)
CH2=CR7COOCH2CH(CH2Rk)OCOCR8=CH2 (V)
(一般式(V)中、R7、R8は水素原子又はメチル基、Rkは−CyF2y+1を表わす。但し、yは1〜16の整数である。)
一般式(I)で示されるモノマーとしては、例えば、CF3(CF2)7CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)7CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF2)5CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)3CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)7CH2CH(OH)CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)5CH2CH(OH)CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)3CH2CH(OH)CH2OCOCH=CH2、
(CF3)2CF(CF2)6(CH2)2OCOCH=CH2、(CF3)2CF(CF2)4(CH2)2OCOCH=CH2、(CF3)2CF(CF2)2(CH2)2OCOCH=CH2、
以上のような観点から最も好ましい含フッ素モノマーとして、
CF3(CF2)7CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF2)5CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)7CH2CH(OH)CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)5CH2CH(OH)CH2OCOCH=CH2、(CF3)2CF(CF2)6(CH2)2OCOCH=CH2、(CF3)2CF(CF2)4(CH2)2OCOCH=CH2、を挙げることができる。
含ケイ素ポリマー(含ケイ素樹脂)の具体例としては、例えば、シリコーンが挙げられる。
本発明の撥インク性隔壁の製造方法は、前述の(b)圧着工程の後に、前記撥インク処理用転写材料が圧着された隔壁付き基板から、仮支持体を剥離する剥離工程を含む。
剥離工程の条件としては、特に限定はない。
(露光工程)
本発明の撥インク性隔壁の製造方法は、前記(c)剥離工程の後に、撥インク処理層を硬化させることが好ましい。
エチレン性重合性基で撥インク処理層を硬化させる場合には、露光により硬化させることが有効である。該露光は隔壁全面を露光すればよく、公知の各種光源を用いることができる。大出力で広い面積を露光できるという観点から、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプが好ましい。
露光量は、より十分に硬化させる観点及び露光時間をより短縮する観点より、10mJ/cm2以上10000J/cm2以下が好ましく、30mJ/cm2以上2000mJ/cm2以下がより好ましく、50mJ/cm2以上1000mJ/cm2以下が最も好ましい。
なお、下記加熱処理で硬化させること、露光工程と加熱工程を組み合わせて硬化させることも可能である。
前記のように、本発明の撥インク性隔壁の製造方法は、前記(c)剥離工程の後に、撥インク処理層を硬化させることが好ましい。
エポキシ基で硬化させる場合には、加熱により硬化させることが有効である。
加熱の方法としては、従来公知の種々の方法を使うことができる。即ち、複数枚の基板をカセットに収納してコンベクションオーブンで処理する方法、ホットプレートで1枚ずつ処理する方法、赤外線ヒーターで処理する方法等である。また、加熱温度としては、通常100〜280℃であり、好ましくは180〜250℃である。加熱時間は、前記温度によって変動するが、温度を220℃とした場合には、5〜30分が好ましい。
前記(b)圧着工程では、基板上の隔壁非形成面に撥インク処理層が触れて、隔壁非形成面に撥インク処理層の成分が付着することもあり得る。
しかしながら、前記(b)圧着工程により圧着を行った場合、撥インク処理層の、該隔壁非形成面との相互作用は、隔壁上面との相互作用より弱いと考えられるため、前記剥離工程の後、基板をアルコール等の溶剤で洗浄することにより、隔壁上面の撥インク処理層成分(撥インク化合物等)を残しつつ、隔壁非形成面に付着した撥インク処理層成分(撥インク化合物等)を選択的に除去することができる。この結果、後述するインクジェット法で着色インクの液滴を基板上の凹部に付与する際に、該液滴のはじきを防ぎ、白抜けの発生をさらに抑制することができる。
洗浄方法としては浸漬洗浄、スプレー洗浄、のほかブラシなどの機械的な補助を用いて洗浄してもよい。
洗浄に用いられる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等が挙げられる。
また、撥インク性化合物にカルボン酸やリン酸などの酸性基を含有させることにより、前述のアルカリ現像液での洗浄を可能にすることができる。この場合、溶剤洗浄の必要が無く好ましい。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、基板上の凹部に、着色インク(以下「着色液体組成物」と称することがある。)による液滴をインクジェット法で付与する工程を有することを特徴とする。また、本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタの製造方法により製造される。
このカラーフィルタは、液晶表示素子、電気泳動表示素子、エレクトロクロミック表示素子、PLZT等と組合せて表示素子として用いられる。カラーカメラやその他のカラーフィルタを用いる用途にも使用できる。
本発明に用いるインクジェット法としては、帯電した着色インクを連続的に噴射し電場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、着色インクを加熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等、各種の方法を採用できる。
用いる着色インクは油性、水性であっても使用できる。また、その着色インクに含まれる着色材は染料、顔料ともに使用でき、耐久性の面からは顔料の使用がより好ましい。コントラスト向上の観点からは染料の使用が好ましい。また、公知のカラーフィルタ作製に用いる、塗布方式の着色インク(着色樹脂組成物、例えば、特開2005−3861号公報[0034]〜[0063]記載)や、特開平10−195358号公報[0009]〜[0026]に記載のインクジェット用組成物を使用することもできる。
この場合、上記(隔壁形成用組成物)の項で挙げた、顔料などの着色剤を含有させた感光性樹脂組成物を、好適なものとして用いることができる。
また、本発明において用いることができる着色インクとしては、少なくともバインダー、及び、2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーを含有するカラーフィルタ用熱硬化性着色インクも好適なものとして用いることができる。
本発明に用いられる着色インクとしては、重合性インクが好ましく、該重合性インクは、着色剤、重合性化合物、及び重合開始剤を含有し、活性エネルギー線により重合反応が生起し硬化する着色樹脂組成物からなることが好ましい。
そして、本発明においては、固形分量が50質量%以上の着色インクであることが好ましく、該固形分量は70質量%以上がより好ましく、85質量%以上がさらに好ましい。当該固形分とは、後述する溶剤以外の成分である。
前記着色樹脂組成物には、公知の着色剤(染料、顔料)を添加することができる。該公知の着色剤のうち顔料を用いる場合には、着色樹脂組成物中に均一に分散されていることが望ましく、そのため粒径が0.1μm以下、特には0.08μm以下であることが好ましい。
C.I.ピグメント・ブラウン23、C.I.ピグメント・ブラウン25
C.I.ピグメント・ブラック1、C.I.ピグメント・ブラック7等が挙げられる。
尚、ここでいう「粒径」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径をいい、また「数平均粒径」とは多数の粒子について上記の粒径を求め、この100個平均値をいう。
また、2色以上の着色画素のコントラストの差を600以内にするには、顔料粒径を調節して、所望のコントラストとすればよい。
また、各着色画素のコントラストの差が、好ましくは600以内であり、より好ましくは410以内であり、更に好ましくは350以内、最も好ましくは200以内である。各着色画素のコントラストの差が600以内であると、黒表示時における各着色画素部からの光漏れ量が大きく相違しない為、黒表示の色バランスが良いため好ましい
本発明に用いられる重合性化合物は、ラジカル活性種による重合反応により硬化するラジカル重合性化合物およびカチオン活性種によるカチオン重合反応により硬化するカチオン重合性化合物を用いることができる。
本発明に用いられるラジカル重合性化合物の具体的化合物には、以下に示す化合物があるが、これらに限定されることはない。
本発明に用いられるエチレン性不飽和二重結合を1個有する単官能モノマーにはブタンジオールモノアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルホルムアミド、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、グリシジルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソデシルアクリレート、フェノキシメタクリレート、ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、ジプロピレングリコールアクリレート等が挙げられる。
これら化合物は、一種または必要に応じて二種以上用いてもよい。
本発明に用いられるカチオン重合性化合物は、光重合開始剤から発生されるカチオン活性種により重合反応を生起し、硬化する化合物として、カチオン重合性化合物を用いる。カチオン重合性化合物としては、光カチオン重合性モノマーとして知られる各種公知のカチオン重合性のモノマーを使用することができる。カチオン重合性モノマーとしては、例えば、特開平6−9714号公報、特開2001−31892、同2001−40068、同2001−55507、同2001−310938、同2001−310937、同2001−220526などの各公報に記載されているビニルエーテル化合物、オキセタン化合物、オキシラン化合物などが挙げられる。
これら活性エネルギー線の照射により硬化性を有する成分の量は、全インクの50質量%以上、より好ましくは60質量%以上を有することが望ましい。該成分の量が前記範囲内であれば、一般的な活性エネルギー線の強度でも十分な硬化性が得られるため、照射時間を長くするなどの対応をする必要も生じない。
本発明に用いられる重合開始剤としては、活性エネルギー線の照射により、ラジカル活性種を発生し、ラジカル重合性化合物の重合を開始するラジカル重合開始剤、及び、カチオン活性種を発生し、カチオン重合性化合物の重合を開始するカチオン重合開始剤のいずれかを重合性化合物に合わせて、用いることができる。
本発明において、使用し得る光重合開始剤は以下のものが挙げられる。ベンゾフェノン系として、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、4−フェニルベンゾフェノン、4、4−ジエチルアミノベンゾフェノン、3、3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等が、チオキサントン系として、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、イソプロピルキサントン等が、アセトフェノン系として、2−メチル−1−(4−メチルチオ)フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2、2−ジメチル−2−ヒドロキシアセトフェノン、2、2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が、ベンゾイン系として、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルメチルケタール等が、アシルフォスフィンオキサイド系として、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)アシルフォスフィンオキサイド、等が挙げられる。
カチオン重合開始剤としては、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、鉄アレーン錯体及び有機ポリハロゲン化合物を好ましく使用することができる。ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩及びスルホニウム塩としては、特公昭54−14277号、特公昭54−14278号、特開昭51−56885号、米国特許第3,708,296号、同第3,853,002号等に記載された化合物が挙げられる。
本発明に於ける溶剤とは、着色インクに含まれる着色剤、重合性モノマー、添加剤、ポリマーなどの機能性材料の溶解または分散を助けるもので、着色インクの流動性を高める働きをして打滴などを行いやすくすると共に、着色インクを打滴し、所定の乾燥または熱処理を行った後は、その大半(概ね9割以上)が、蒸発などにより、除かれる性質のものである。
通常、沸点が100℃以下の有機溶剤が用いられる。また、着色インクの乾燥を防ぎヘッドの目詰まりを防止する目的では沸点が200℃以下、場合によってはそれ以上の高沸点溶剤が用いられることもある。
カラーフィルタ作製後、全面に耐性向上のためにオーバーコート層を設けている場合がある。オーバーコート層は、着色インクR,G,Bの固化層を保護するとともに、表面を平坦にすることができるが、工程数が増えるという観点から、設けないことが好ましい。
本発明の表示装置は、本発明のカラーフィルタを有するものである。本発明の表示装置としては液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置などをいう。表示装置の定義や各表示装置の説明は例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。
本発明の表示装置のうち、液晶表示装置は特に好ましい。液晶表示装置については例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。本発明はこれらのなかで特にカラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに本発明はもちろんIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置にも適用できる。これらの方式については例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
本発明のカラーフィルタは、テレビ、パーソナルコンピューター、液晶プロジェクター、ゲーム機、携帯電話などの携帯端末、デジタルカメラ、カーナビなどの用途に特に制限なく適用できる。
≪隔壁形成用組成物K1の作製≫
隔壁形成用組成物K1は、まず下記表1に記載の量のK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー1、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)アミノ−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpmで30分間攪拌することによって得たものである。
*K顔料分散物1
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35) ・・・ 13.1%
・分散剤(下記化合物1) ・・・ 0.65%
のランダム共重合物、分子量3.7万) ・・・ 6.72%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・79.53%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比
のランダム共重合物、分子量3.8万) ・・・ 27%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・ 73%
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA) ・・・ 76%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・ 24%
・下記構造物1 ・・・ 30%
・メチルエチルケトン ・・・ 70%
上記表1に記載の処方に変更した以外は、上記隔壁形成用組成物K1の調製方法と同様の方法で、隔壁形成用組成物K2〜K4を調製した。
*K顔料分散液2の組成
・C.I.P.R.177(商品名:Cromophtal Red A2B、 チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) ・・・ 18部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28
モル比のランダム共重合物、重量平均分子量3.7万)・・・ 12部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・ 70部
・C.I.P.B15:6 ・・・ 18部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体[共重合組成比(モル比)=72/28 重量平均分子量=30000の40%プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液] ・・・ 15部
・シクロヘキサノン ・・・ 50部
・プロピレングリコールモノメチルアセテート ・・・ 17部
・C.I.P.Y139 ・・・ 18部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体[共重合組成比(モル比)=72/28 重量平均分子量=30000の40%プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液] ・・・ 15部
・シクロヘキサノン ・・・ 50部
・プロピレングリコールモノメチルアセテート ・・・ 17部
・C.I.P.V23 ・・・ 12部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体[共重合組成比(モル比)=72/28 重量平均分子量=30000の40%プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液] ・・・ 18部
・シクロヘキサノン ・・・ 60部
・プロピレングリコールモノメチルアセテート ・・・ 10部
・カーボンブラック(デグッサ社製、商品名Special Black 250)
・・・ 15部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体[共重合組成比(モル比)=72/28 重量平均分子量=30000の40%プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液] ・・・ 23部
・シクロヘキサノン ・・・ 60部
・プロピレングリコールモノメチルアセテート ・・・ 10部
棒状銀微粒子(長軸長さL:400nm、幅b:30nm、厚さt:25nm、b/t=1.2)73.5gと、分散剤(商品名:ソルスパース20000、アビシア(株)製)1.05gと、メチルエチルケトン16.4gと、を混合した。これを、超音波分散機(商品名:Ultrasonic generator model US−6000 ccvp、nissei社製)を用いて分散し、棒状銀微粒子分散液(K顔料分散物7)を得た。
純水1000mlに、酢酸銀(I)23.1g、酢酸スズ(II)65.1g、グルコン酸54g、ピロリン酸ナトリウム45g、ポリエチレングリコール(分子量3,000)2g、及びE735(アイエスピー・ジャパン(株)製;ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー)5gを溶解し、溶液1を得た。別途、純水500mlにヒドロキシアセトン36.1gを溶解して、溶液2を得た。
(A)操作
前記金属粒子を含有する液を遠心分離して銀錫合金部含有粒子を沈殿させた。遠心分離は、150mlの液量に小分けして、卓上遠心分離機H−103n((株)コクサン製)により回転数2,000rpmで30分間行なった。そして、上澄みを捨て全液量を150mlにし、これに純水1350mlを加え、15分間攪拌して銀錫合金部含有粒子を再び分散させた。この操作(A)を2回繰り返して水相の可溶性物質を除去した。
この銀錫合金部含有粒子は、AgSn合金(2θ=39.5°)とSn金属(2θ=30.5°)とからなる複合体であることがX線散乱により確認された。ここで、カッコ内の数字はそれぞれの(III)面の散乱角である。この微粒子分散液を透過型電子顕微鏡で観察した結果、分散平均粒径は数平均粒子サイズで約40nmであった。
粒子100個を選び、それぞれの粒子像と同じ面積の円の直径を粒子径とし、100個の粒子の粒子径の平均を数平均粒子サイズとした。このとき、写真は、倍率10万倍、加速電圧200kVで撮影したものを用いた。
≪撥インク処理用転写材料HI1の作製≫
下記表2の素材を混合してよく攪拌して溶液とした。
次に厚さ120μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、処方HI1からなる撥インク処理層組成液を塗布、乾燥させて撥インク処理層を形成し、撥インク処理用転写材料HI1を得た。撥インク処理層の乾燥膜厚は1.0μmであった。
含フッ素化合物であるFポリマーaは、以下の2つのステップを経て合成される。
(Step1: 2−(パーフルオロオクチル)−エチルメタクリレート(FAMAC)と、メタクリル酸(MA)とメタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル(HEMA)との共重合(FAMAC/MA/HEMA=33/33/34))
窒素雰囲気下、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc、和光純薬工業)30gを、冷却管を設置した300mlの三つ口フラスコに入れ、ウォーターバスで65度まで加熱した。ここにDMAc30gにメタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル(HEMA、東京化成工業)2.54g(0.0194mol)と2−(パーフルオロオクチル)−エチルメタクリレート(FAMAC、ダイキンファインケミカル研究所社製)10.0g(0.0188mol)とメタクリル酸(MA、東京化成工業)1.62g(0.0188mol)および2,2'−アゾビス(イソ酪酸)(V601、和光純薬工業)0.66g
(0.0029mol)を溶解させた均一な溶液をプランジャーポンプで0.54ml/minの速度で滴下した。滴下終了後、5時間攪拌し反応を止めた。
反応液を1500mlのメタノールで再沈し、析出した固体を吸引濾過により濾取した。3時間真空乾燥して白色粉末を得た(収量7.84g)。
Step1で得た共重合体3.0gとハイドロキノン(和光純薬工業)0.0325gを冷却管を設置した300mlの三つ口フラスコに入れ、DMAc40gを加えて室温で攪拌し均一な溶液とした。
その溶液を攪拌しながら2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(カレンズMOI、昭和電工)1.53g(0.00983mol)を滴下した。続いて、ジラウリン酸ジ−n−ブチル錫(東京化成工業)を1滴加えて攪拌しながら65度のウォーターバスで加熱した。5時間後に反応を止め、室温まで自然冷却した。反応液を1500mlのメタノールで再沈し、析出した固体を吸引濾過により濾取して、Fポリマーaを得た(収量2.4g)。
尚、分子量(GPC、THF、ポリスチレン換算)はMw25000であった。
組成を上記表2に示すように変更した以外は撥インク処理用転写材料HI1の作製と同様にして、撥インク処理用転写材料HI2〜HI7を作製した。
≪撥インク性隔壁の作製≫
<隔壁形成工程(塗布法)>
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。基板を120℃3分熱処理して表面状態を安定化させた。
基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有すガラス基板用コーター(エフ・エー・エス・アジア社製、商品名:MH−1600)にて、上述のように調製した隔壁形成用組成物K1を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置、東京応化工業社製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性を無くした後、120℃3分間プリベークして膜厚1.8μmの隔壁形成用組成物層K1を得た。
超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と濃色感光層K1の間の距離を200μmに設定し、窒素雰囲気下、露光量300mJ/cm2で隔壁幅が20μm、隔壁と隔壁との間の短手方向の幅(即ち、画素の短手方向の幅)が100μmとなるようにパターン露光した。
撥インク処理用転写材料HI1の撥インク処理層の表面が、隔壁が形成された隔壁付き基板の隔壁上面に接するように重ね合わせ、ラミネータ(株式会社日立インダストリイズ製(LamicII型))を用いて、ゴムローラー温度60℃、線圧100N/cm、搬送速度2.0m/分でラミネートした。
上記撥インク処理用転写材料HI1がラミネートされた隔壁付き基板から、ポリエチレンテレフタレートの仮支持体を剥離し、仮支持体を除去した。
超高圧水銀灯を有する露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)で上記仮支持体が除去された隔壁付き基板全面を露光した。露光量は300mJ/cm2であった。
上記全面露光された隔壁付き基板をコンベクションオーブンで220℃30分加熱して、本発明の撥インク性隔壁を得た。以降において、撥インク性隔壁が形成された基板を、「撥インク性隔壁付き基板」ともいう。
<インクジェットインク(着色インク)の調製>
以下のようにして、G用(緑色画素用)インクジェットインクG−1、R用(赤色画素用)インクジェットインクR−1、B用(青色画素用)インクジェットインクB−1を調製した。
ブロム化フタロシアニングリーン(C.I.Pigment Green36)に分散剤(上記化合物1)及び溶剤(1,3−ブタンジオールジアセテート)(以下1,3−BGDAと略す。)を下記の表3に示す如く配合し、プレミキシングの後、モーターミルM−50(アイガー・ジャパン社製)で、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで9時間分散し、G用顔料分散液(G1)を調製した。
顔料及びその他の成分を表3に示す如く配合した以外はG用顔料分散液(G1)と同様にして、G用顔料分散液(G2)、R用顔料分散液(R1)、R用顔料分散液(R2)、B用顔料分散液(B1)、B用顔料分散液(B2)を調製した。
下記表4に示す処方のとおり、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA;沸点146℃)、アロニクスM−309(トリメチロールプロパントリアクリレート、粘度:85mPa・s at 25℃、東亜合成(株)製)、前記界面活性剤1、及び熱重合開始剤(V−40(アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル))、和光純薬(株)製)の各成分を混合して、25℃で30分間攪拌したのち、不溶物が無いことを確認し、モノマー液を調製した。
次に、G用顔料分散液(G1)、G用顔料分散液(G2)を撹拌しながら、前記モノマー液をゆっくりと添加し、25℃で30分間撹拌し、G用インクジェットインクG−1(以下、「インクG−1」ともいう)を調製した。
処方を下記表4に示すように変更した以外は前記G用インクジェットインクG−1の調製と同様にして、R用インクジェットインクR−1(以下、「インクR−1」ともいう)、B用インクジェットインクB−1(以下、「インクB−1」ともいう)を調製した。
本実施例では着色インクの打滴を以下の形態で行い、撥インク性隔壁及びRGBの着色画素を有するカラーフィルタを得た。
上記記載のインクR−1、インクG−1、インクB−1を用いて、前記≪撥インク性隔壁の作製≫で得られた撥インク性隔壁付き基板の撥インク性隔壁で区分された領域内(凸部で囲まれた凹部)に、所望の濃度になるまでインクジェットインクの吐出を行った。その後ホットプレートで90度2分加熱乾燥し着色画素を形成した。さらに該着色画素が形成された基板を230℃オーブン中で30分ベークすることで撥インク性隔壁、着色画素ともに完全に硬化させ、撥インク性隔壁及びRGBの着色画素を有するカラーフィルタを得た。
インクジェットヘッドはDimatix社製SE-128を、吐出制御装置はDimatix社製 ApolloIIを用いた。
インクジェットヘッドを自動2次元移動ステージ(駿河精機製KS211-200)上に搭載し、撥インク性隔壁の間隙に所定インク量が吐出されるように、ステージを移動させながら吐出制御装置によるヘッドからの吐出を同期させた。
ここで3色の着色インクは各々別のヘッドに充填されており、各ヘッドはXYステージ上に固定され、各々の着色インクが所定の位置に着弾するように、吐出制御装置により3つのヘッドを独立に制御した。
なお、実施形態は上記に限定されるものではなく、撥インク性隔壁を有する基材を移動させてもよいし、1次元方向にヘッドを、これと略直交する1次元方向に基材を移動させてもよい。
また、本実施例ではピエゾ駆動型ヘッドを用いているが、これに限定されるものではなく、他のインクジェットヘッド、たとえば熱駆動型ヘッドであってもよい。
上記より得たカラーフィルタ基板のR画素、G画素、及びB画素並びにブラックマトリクスの上に更に、ITO(IndiumTinOxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。別途、対向基板としてガラス基板を用意し、カラーフィルタ基板の透明電極上及び対向基板上にそれぞれPVAモード用にパターニングを施した。
前記ITOの透明電極上の隔壁の上部に相当する部分にフォトスペーサを設け、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリックス外枠に相当する位置に紫外線硬化樹脂のシール剤をディスペンサ方式により塗布し、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板をUV照射した後、熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリッツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、冷陰極管のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
実施例1において撥インク処理用転写材料HI1を、表2に記載のHI2〜HI7に変更した以外は、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。
実施例1において、隔壁形成工程(塗布法)を、以下の隔壁形成工程(転写法)に変更した以外は実施例1と同様にして、撥インク性隔壁、カラーフィルタ、液晶表示装置を作製した。
<隔壁形成工程(転写法)>
(感光性転写材料K1の作製)
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、下記処方P1からなる中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、前記隔壁形成用組成物K1を塗布、乾燥させた。このようにして仮支持体の上に乾燥膜厚が14.6μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、乾燥膜厚が1.8μmの濃色組成物層を設け、最後に保護フイルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。
こうして仮支持体と熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断膜)と隔壁形成用組成物層(すなわち濃色組成物層)とが一体となった感光性転写材料を作製し、サンプル名を感光性転写材料K1とした。
・メタノール ・・・ 11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・ 6.36部
・メチルエチルケトン ・・・ 52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、重量平均分子量=10万、Tg≒70℃) ・・・ 5.83部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、重量平均分子量=1万、Tg≒100℃) ・・・ 13.6部
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製) ・・・ 9.1部
・界面活性剤1 ・・・ 0.54部
・PVA205(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製、
鹸化度=88%、重合度550) ・・・ 32.2部
・ポリビニルピロリドン(アイエスピー・ジャパン社製、K−30)・・・14.9部
・蒸留水 ・・・ 524部
・メタノール ・・・ 429部
引き続き炭酸Na系現像液(0.38モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、0.47モル/リットルの炭酸ナトリウム、5質量%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−CD1、富士フイルム株式会社製を純水で5倍に希釈した液)を用い、29℃30秒、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し濃色組成物層を現像しパターニング画像を得た。
引き続き洗浄剤(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有、商品名:T−SD1、富士フイルム株式会社製)を純水で10倍に希釈して用い、33℃20秒、コーン型ノズル圧力0.02MPaでシャワーで吹きかけ、更にナイロン毛を有す回転ブラシにより形成された画像を擦って残渣除去を行い、隔壁を得た。
その後、該基板に対して両面からマスクを用いない以外は、前記露光工程で用いた露光機で3000mJ/cm2の露光量で上面からポスト露光後、220℃、15分間熱処理した。
実施例8において隔壁形成用組成物K1を表1に記載のK2〜K4に変更した以外は、実施例8と同様の方法で撥インク性隔壁、カラーフィルタ、液晶表示装置を作製した。
実施例1において、撥インク処理用転写材料HI1の仮支持体の厚みを50μmに変更した以外は実施例1と同様の方法で撥インク性隔壁、カラーフィルタ、液晶表示装置を作製した。
〔実施例13〕
実施例1において、撥インク処理用転写材料HI1の撥インク処理層の厚み(乾燥膜厚)を2.2μmに変更した以外は実施例1と同様の方法で撥インク性隔壁、カラーフィルタ、液晶表示装置を作製した。
〔実施例14〕
実施例1において、撥インク処理用転写材料HI1の仮支持体の厚みを50μmに変更し、かつ、撥インク処理層の厚み(乾燥膜厚)を0.01μmに変更した以外は実施例1と同様の方法で撥インク性隔壁、カラーフィルタ、液晶表示装置を作製した。
実施例1において「圧着工程〜加熱工程」(撥インク化処理)を省略した以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタ及び液晶表示装置を得た。
比較例1と同様に隔壁を形成し、さらに隔壁を形成した基板を以下の方法でプラズマ処理した以外は比較例1と同様にして、カラーフィルタ及び液晶表示装置を作製した。
プラズマ処理(プラズマ撥インク化処理)は、特開2003−344640号公報の図5に記載のプラズマ処理装置と同等のものを用いて、以下の条件にて行った。
−条件−
使用ガス :CF4
ガス流量 :350sccm
圧力 :50Pa
RFパワー :800W
処理時間 :90sec
上記で得られたカラーフィルタ、表示装置について、以下の評価を行った。評価結果は下記表5に示す。
<画素の混色評価>
得られたカラーフィルタを200倍の光学顕微鏡で1000画素について目視観察して画素間の混色の有無を調べた。
(判断基準)
A: 混色無し
B: 混色1個〜2個
C: 混色3個〜4個
D: 混色4個以上
許容されるのはAとBである。
得られたカラーフィルタを200倍の光学顕微鏡で1000画素について目視観察して白抜けの有無を調べた。
(判断基準)
A: 白抜け無し
B: 白抜け1個〜2個
C: 白抜け3個〜10個
D: 白抜け11個以上
許容されるのはAとBである。
液晶表示装置の表示品位の良し悪しを目視で確認した。
(判断基準)
良 : 混色又は白抜けに起因する表示ムラが確認されなかった。
悪い: 混色又は白抜けに起因する表示ムラが確認された。
一方、撥インク処理用転写材料を圧着する工程((b)圧着工程)を設けなかった比較例1のカラーフィルタでは、混色が発生し、このカラーフィルタを用いて作製した液晶表示装置は表示品位に劣っていた。
また、撥インク処理用転写材料を圧着する工程((b)圧着工程)を設けず、かつ、隔壁に対しプラズマ撥インク処理を行った比較例2のカラーフィルタでは、混色は許容できる範囲内であるものの、白抜けは許容できる範囲を超えていた。また、このカラーフィルタを用いて作製した液晶表示装置は表示品位に劣っていた。
2,53A,53B,53C ・・・着色画素(着色領域)
3 ・・・凹部
4 ・・・隔壁の上面
5 ・・・隔壁の側面
6 ・・・基板
11 ・・・支持基板
12 ・・・撥インク性隔壁
13 ・・・着色画素
14 ・・・オーバーコート層
17 ・・・共通電極(透明導電膜)
18、23 ・・・配向膜
19 ・・・液晶
21 ・・・対向基板
22 ・・・画素電極
Claims (12)
- 少なくとも、
(a)基板上に隔壁を形成する隔壁形成工程と、
(b)仮支持体上に撥インク性化合物を含む撥インク処理層が形成された撥インク処理用転写材料を、前記撥インク処理層と前記基板上に形成された隔壁とが接するように、隔壁が形成された隔壁付き基板に圧着する圧着工程と、
(c)前記撥インク処理用転写材料が圧着された隔壁付き基板から、仮支持体を剥離する剥離工程と、
をこの順に含むことを特徴とする撥インク性隔壁の製造方法。 - 更に、前記(c)剥離工程の後に、隔壁を露光する露光工程を含む請求項1に記載の撥インク性隔壁の製造方法。
- 更に、前記(c)剥離工程の後に、隔壁を加熱する加熱工程を含む請求項1又は2に記載の撥インク性隔壁の製造方法。
- 前記撥インク性化合物が、含フッ素化合物及び/又は含ケイ素化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の撥インク性隔壁の製造方法。
- 前記撥インク処理層が、更に、樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の撥インク性隔壁の製造方法。
- 前記樹脂がエポキシ基を有することを特徴とする請求項5に記載の撥インク性隔壁の製造方法。
- 前記樹脂がエチレン性重合性基を有することを特徴とする請求項5又は6に記載の撥インク性隔壁の製造方法。
- 前記撥インク性化合物がエチレン性重合性基を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の撥インク性隔壁の製造方法。
- 請求項1〜8いずれか1項に記載の撥インク性隔壁の製造方法により製造された撥インク性隔壁。
- 請求項9に記載の撥インク性隔壁により区画された基板上の凹部に、インクジェット法により着色インクによる液滴を付与する工程を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
- 請求項10に記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタ。
- 請求項11に記載のカラーフィルタを有する表示装置。
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- 2006-11-30 JP JP2006323067A patent/JP2008139378A/ja active Pending
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