JP4932406B2 - 撥インク性隔壁及びその製造方法、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに表示装置 - Google Patents

撥インク性隔壁及びその製造方法、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに表示装置 Download PDF

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本発明は、撥インク性隔壁及びその製造方法、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに液晶ディスプレイ、液晶カラーテレビ等の表示装置に関する。
近年、パーソナルコンピューター用液晶ディスプレイ、液晶カラーテレビの需要が増加する傾向にあり、このようなディスプレイ等に不可欠のカラーフィルタの特性向上とコストダウンに対する要求が高まっている。
従来、カラーフィルタの製造方法としては、染色法、顔料分散法、電着法、印刷法などが実施されている。
染色法では、透明基板上に染色用の材料である水溶性の高分子材料層を形成し、これをフォトリソグラフィ工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬する工程を行うことにより、パターンを得る。この工程を3回繰り返すことにより、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色の着色部からなる着色層を形成することができる。
顔料分散法では、近年盛んに行われおり、透明基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより、単色のパターンを得る。この工程を3回繰り返すことにより、R、G、Bの3色の着色部からなる着色層を形成することができる。
電着法では、透明基板上に透明電極をパターニングし、顔料、樹脂、電解液等の入った電着塗装液に浸漬して第一の色を電着する。この工程を3回繰り返して、R、G、Bの3色の着色部からなる着色層を形成し、最後に焼成するものである。
印刷法では、熱硬化型の樹脂に顔料を分散し、印刷を3回繰り返すことにより、R、G、Bを塗り分けた後、樹脂を熱硬化させることにより、着色層を形成する。
これらのいずれの製造方法を用いた場合でも、得られた着色層の上に保護層を形成するのが一般的である。
これらの方法に共通している問題点は、赤色、緑色、青色の3色画素を形成するために、同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になることである。さらに、工程数が多いため、歩留まりが低下しやすいという問題も有している。
これらを克服すべく、近年、ブラックマトリックスを顔料分散法で形成し、RGB画素をインクジェット方式を用いて形成するカラーフィルタの製造法が検討されている。この方法では、ブラックマトリックスの凹部にR、G、B各色を順次付与して画素を形成する。インクジェット方式を利用した本方法は、製造プロセスが簡略で、低コストであるという利点がある。
上記したように、インクジェット方式等の液滴を付与する方法は、製造プロセスの簡略化及びコスト削減を図ることができることから、カラーフィルタの製造へ応用されている。しかしながら、このようなインクジェット方式によるカラーフィルタの製造においては、特有の問題として、「混色」および「白抜け」という問題がある。
混色とは、ブラックマトリックスを隔壁として、該ブラックマトリックスの開口部(画素部)にインクを付与して着色部(画素)を形成する際、隔壁となるブラックマトリックスを超えてインクがあふれて隣接する着色部間で混合してしまう現象である。
白抜けとは、隔壁の開口部のガラス面や隔壁側面とインクとの濡れ性が悪く、開口部に充分にインクが広がらなかったり、側壁と充填されたインクとの間に空隙が形成されたりする現象である。
これら白抜けや混色は、色ムラやコントラストの低下といった、カラーフィルタを表示装置に適用した際の表示不良の原因となる。
混色を防止するための技術としては、CF4プラズマによる撥インク処理例が示されている(例えば、特許文献1参照。)。この方法で撥インク処理を行うと、隣接画素間のインクの混合が効果的に防止できたが、白抜けが発生しやすい欠点があった。これは、撥インク処理が、隔壁上面に留まらず、隔壁側面にも及ぶために生じた問題点である。また、プラズマ処理を行うために大規模な設備投資が必要となることも問題であった。
大規模な設備投資が不要な方法として、反応性基を有する濡れ性調整剤を用いる方法がある。例えば、反応性基を有する濡れ性調整剤として、含フッ素シランカップリング剤を用いた撥インク処理例が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この方法により撥インク処理を行うと、隣接画素間のインクの混合が効果的に防止でき、隔壁側面が処理されないため、隔壁近傍の気泡(はじき)が発生しなかった。しかし、この方法では、先に塗布した黒色のフォトレジスト層の上に、含フッ素シランカップリング剤を含む塗布液を塗り重ねるため、含フッ素シランカップリング剤を、該フォトレジスト層を溶解させない溶媒で塗布する必要があり、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)のような、一般に高価な特殊な溶媒を用いる必要があった。
また、カラーフィルタに適用される隔壁に関しては、光透過性基板上に予め形成された遮光部位上に、感光性樹脂層をフォトリソグラフィ法にパターン形成し、該感光性樹脂層上面に撥水材料を塗布することにより、画素内外での表面エネルギーの差を設ける方法が開示される(特許文献3参照)。しかしながら、この方法により得られた隔壁は、隔壁の側面やガラス基板上に撥水性材料が局色的に残存してしまい、依然として混色及び白抜けの問題があった。
特開2001−343518号公報 特開平9−127327号公報 特開平10−123500号公報
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、隔壁の所望の箇所に撥インク性を付与し、インクジェット法で画素を形成する際に発生する混色や白抜けを効果的に防止しうる撥インク性隔壁及びその製造方法、隣接する画素間での混色のないカラーフィルタ及び該カラーフィルタを安定して得られるカラーフィルタの製造方法、並びに表示不良のない表示装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
<1> 基板上に隔壁を形成する隔壁形成工程と、前記隔壁の上面に選択的に撥インク性化合物として、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)及び(V)よりなる群から選ばれる少なくとも1種のフッ素含有モノマーを付与する付与工程を含むことを特徴とする撥インク性隔壁の製造方法である。
CH 2 =CR 1 COOR 2 f (I)
(一般式(I)中、R 1 は水素原子又はメチル基を表し、R 2 は−C p 2p −、−C p 2p CH(OH)C n 2n −、−C(C p 2p+1 )H−、−CH 2 C(C p 2p+1 )H−又は−CH 2 CH 2 O−を表し、R f は−C n 2n+1 、−(CF 2 n H、−(CF 2 p OC n 2n i 2i+1 、−(CF 2 p OC m 2m i 2i H、−N(C p 2p+1 )COC n 2n+1 又は−N(C p 2p+1 )SO 2 n 2n+1 表す。但し、pは1〜10、nは1〜16、mは0〜10、iは0〜16の整数である。)
CF 2 =CFOR g (II)
(一般式(II)中、R g は炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を表す。)
CH 2 =CHR g (III)
(一般式(III)中、R g は炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を表す。)
CH 2 =CR 3 COOR 5 j 6 OCOCR 4 =CH 2 (IV)
(一般式(IV)中、R 3 及びR 4 は各々独立に水素原子又はメチル基を表し、R 5 及びR 6 は各々独立に−C q 2q −、−C(C q 2q+1 )H−、−CH 2 C(C q 2q+1 )H−又は−CH 2 CH 2 O−を表し、R j は−C t 2t −を表す。但し、qは1〜10、tは1〜16の整数である。)
CH 2 =CR 7 COOCH 2 CH(CH 2 k )OCOCR 8 =CH 2 (V)
(一般式(V)中、R 7 及びR 8 は各々独立に水素原子又はメチル基を表し、R k は−C y 2y+1 を表す。但し、yは1〜16の整数である。)
> 前記撥インク性化合物が感光する波長を含む光で露光する露光工程を含むことを特徴とする<1>に記載の撥インク性隔壁の製造方法。
> 前記撥インク性化合物をインクジェット方式により、前記隔壁の上面に付与することを特徴とする<1>又は<2>に記載の撥インク性隔壁の製造方法である。
> 前記撥インク性化合物をグラビアコーターにより、前記隔壁の上面に付与することを特徴とする<1>又は<2>に記載の撥インク性隔壁の製造方法。
> <1>乃至<>のいずれか1項に記載の撥インク性隔壁の製造方法により製造された撥インク性隔壁である。
> <>に記載の撥インク性隔壁を有する基板における前記撥インク性隔壁の間隙に、着色液体組成物からなる液滴をインクジェット方式で付与する工程を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
> <>に記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタである。
> <>に記載のカラーフィルタを有する表示装置である。
本発明によれば、隔壁の所望の箇所に撥インク性を付与し、インクジェット法で画素を形成する際に発生する混色や白抜けを効果的に防止しうる撥インク性隔壁及びその製造方法、隣接する画素間での混色のないカラーフィルタ及び該カラーフィルタを安定して得られるカラーフィルタの製造方法、並びに表示不良のない表示装置を提供することができる。
以下、本発明の撥インク性隔壁及びその製造方法、カラーフィルタ及びその製造方法並びに表示装置について説明する。
<撥インク性隔壁及びその製造方法>
本発明の撥インク性隔壁の製造方法は、基板上に隔壁を形成する隔壁形成工程と、前記隔壁の上面に選択的に撥インク性化合物を付与する付与工程を含むことを特徴とする。
また、本発明の撥インク性隔壁は、本発明の撥インク性隔壁の製造方法により製造される。
本発明の撥インク性隔壁の製造方法によれば、隔壁の上面に選択的に撥インク性化合物を付与することができるため、画素(着色層)を形成する際に発生する混色や白抜けを効果的に防止することができる。
本発明における「隔壁の上面」を図3を用いて説明する。
図3は、基板31上に設けられた隔壁32の断面斜視模式図である。隔壁32の断面において、隔壁32の断面と平行になるように基板面から隔壁32の左右の面に接する接線lを引いたときに、接線lと基板面の角度θが45°以下、あるいは接線lが基板面と平行となる範囲を、本発明における「隔壁の上面」と定義する。
なお、本発明において、「隔壁の上面に選択的に撥インク性化合物を付与する」とは、上記にて定義される隔壁の上面の領域内に、選択的に撥インク性化合物を付与することを意味する。なお、撥インク性化合物の付与に際しては、隔壁の上面以外の領域に、液ダレ、飛散等により、微量の撥インク性化合物が付着する場合があるが、本発明の効果を損ねるものでない限り、かかる付着が生じた場合であっても、本発明における撥インク性化合物の選択的な付与に含まれる。
本発明における撥インク性とは、隔壁の間隙に付与する液体(インク)を弾く性質のことである。インクとの接触角で20°以上が好ましく、35°以上がより好ましく、50°以上が最も好ましい。
所望の場所以外(隔壁の間隙部分など)が撥インク化されない限り、前述のインク接触角の上限は特に無い(接触角なので180°以下ではある)。
なお、前記接触角は隔壁に撥インク化処理をした後の隔壁のインク接触角である。
以下、本発明の撥インク性隔壁の製造方法の各工程について説明する。
[隔壁形成工程]
本発明に係る隔壁形成工程は、基板上に隔壁を形成する工程である。隔壁は樹脂を用いて形成されたものであること以外に特に限定は無い。また、隔壁形成方法に特に限定は無く、公知の隔壁形成方法を用いることができる。
(隔壁形成用組成物)
隔壁は、隔壁形成用組成物を用いて形成することができる。
ここで、隔壁形成用組成物とは、高い光学濃度を有する組成物であることが好ましく、その値は2.0〜10.0である。隔壁形成用組成物の光学濃度は好ましくは2.5〜6.0であり、特に好ましくは3.0〜5.0である。また、この隔壁形成用組成物は、後述するように好ましくは光開始系で硬化させる為、露光波長(一般には紫外域)に対する光学濃度も重要である。すなわち、その値は2.0〜10.0であり、好ましくは2.5〜6.0、最も好ましいのは3.0〜5.0である。2.0未満では隔壁形状が望みのものとならない恐れがあり、10.0を超えると、重合を開始することができず隔壁そのものを作ることが困難となる。かかる性質を有しさえすれば、組成物中の濃色体は有機物(染料、顔料などの各種色素)であっても、また各形態の炭素であっても、これらの組み合わせからなるものであってもよい。かかる濃色体は、特に限定されないが、黒色体がもっとも多く使用される。
本発明に用いる濃色体としては、具体的には、特開2005−17716号公報[0038]〜[0054]に記載の顔料及び染料や、特開2004−361447号公報[0068]〜[0072]に記載の顔料や、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載の着色剤や、公知の有機顔料、無機顔料、染料等を好適に用いることができ、感光性樹脂層に高い遮光性が要求される際には、カーボンブラック、チタンカーボン、酸化鉄、黒鉛、酸化チタン、4酸化鉄等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉、金属粒子又は金属を有する粒子といった遮光剤の他に、赤、青、緑色等の顔料の混合物等を用いることができる。中でも、カーボンブラックが好ましい。公知の着色剤(染料、顔料)を使用することができる。該公知の着色剤のうち顔料を用いる場合には、隔壁形成用組成物中に均一に分散されていることが好ましい。以下に濃色体としての成分について、詳細に述べる。
−金属粒子又は金属を有する粒子−
本発明に用いられる隔壁形成用組成物は、金属粒子又は金属を有する粒子の少なくとも一種(以下、「本発明に係る金属系微粒子」ということがある。)を含有してもよい。
金属粒子又は金属を有する粒子における金属としては、特に限定されず、いかなるものを用いてもよい。金属粒子は、2種以上の金属を組み合わせて用いてもよく、合金として用いることも可能である。また、金属と金属化合物との複合金属粒子でもよい。
金属粒子としては、金属(金属粒子)又は、金属と金属化合物とから形成されるもの(複合金属粒子)が好ましく、金属から形成されるものが特に好ましい。
特に長周期律表(IUPAC 1991)の第4周期、第5周期、及び第6周期からなる群から選ばれる金属を主成分として含むことが好ましい。また、第2〜14族からなる郡から選ばれる金属を含有することが好ましく、第2族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族、及び第14族からなる群から選ばれる金属を主成分として含むことがより好ましい。これらの金属のうち、金属粒子としては、第4周期、第5周期、又は第6周期の金属であって、第2族、第10族、第11族、第12族、又は第14族の金属の粒子が更に好ましい。
前記金属粒子として好ましい例は、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、カルシウム、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンテル、チタン、ビスマス、アンチモン、鉛、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。更に好ましい金属は、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、カルシウム、イリジウム、及びこれらの合金、より好ましい金属は、銅、銀、金、白金、パラジウム、錫、カルシウム、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種であり、特に好ましい金属は、銅、銀、金、白金、錫、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種である。とりわけ銀が好ましく(銀としてはコロイド銀が好ましい)、銀錫合金部を有する粒子が最も好ましい。銀錫合金部を有する粒子については後述する。
〈金属化合物粒子〉
「金属化合物」とは、前記金属と金属以外の他の元素との化合物である。金属と他の元素との化合物としては、金属の酸化物、硫化物、硫酸塩、炭酸塩などが挙げられ、金属化合物粒子としてはこれらの粒子が好適である。中でも、色調や微粒子形成のしやすさから、硫化物の粒子が好ましい。
金属化合物の例としては、酸化銅(II)、硫化鉄、硫化銀、硫化銅(II)、チタンブラックなどがあるが、色調、微粒子形成のしやすさや安定性の観点から、硫化銀が特に好ましい。
〈複合金属粒子〉
複合金属粒子は、金属と金属化合物とが結合して1つの粒子になったものをいう。例えば、粒子の内部と表面で組成の異なるもの、2種の粒子が合一したもの等を挙げることができる。また、金属化合物と金属とはそれぞれ1種でも2種以上であってもよい。
金属化合物と金属との複合金属粒子の具体例としては、銀と硫化銀の複合微粒子、銀と酸化銅(II)の複合微粒子などが好適に挙げられる。
〈コア・シェル粒子〉
本発明における金属系微粒子は、コア・シェル型の複合粒子(コアシェル粒子)であってもよい。コア・シェル型の複合粒子(コアシェル粒子)とは、コア材料の表面をシェル材料でコートしたものであり、その具体例として、特開2006−18210号公報の段落番号[0024]〜[0027]に記載のコアシェル微粒子が挙げられる。
〈銀錫合金部を有する粒子〉
前記銀錫合金部を有する粒子としては、銀錫合金からなるもの、銀錫合金部分とその他の金属部分からなるもの、及び銀錫合金部分と他の合金部分からなるものを含む。
前記銀錫合金部を有する粒子において、少なくとも一部が銀錫合金で構成されていることは、例えば、(株)日立製作所製のHD−2300とノーラン(Noran)社製のEDS(エネルギー分散型X線分析装置)とを用いて、加速電圧200kVによる各々の粒子の中心15nm□エリアのスペクトル測定により確認することができる。
前記銀錫合金部を有する粒子は、黒濃度が高く、少量であるいは薄膜で優れた遮光性能を発現し得ると共に、高い熱安定性を有するので、黒濃度を損なうことなく高温(例えば200度以上)での熱処理が可能であり、安定的に高度の遮光性を確保することができる。例えば、高度の遮光性が要求され、一般にベーク処理が施されるカラーフィルタ用の隔壁(いわゆるブラックマトリクス)などに好適である。
前記銀錫合金部を有する粒子は、銀(Ag)の割合を30〜80モル%としてAgと錫(Sn)とを複合化(例えば合金化)して得られるものが好ましい。Agの割合を特に前記範囲とすることで、高温域での熱安定性が高く、光の反射率を抑えた高い黒濃度を得ることができる。特に、Agの割合が75モル%である粒子、すなわちAgSn合金粒子は作製が容易であり、得られた粒子も安定で好ましい。
前記銀錫合金部を有する粒子は、坩堝などの中で加熱、溶融混合して形成する等の一般的方法で合金化する等して形成することが可能であるが、Agの融点は900℃付近で、Snの融点は200℃付近であって両者の融点に大きな差があるうえ、複合化(例えば合金化)後の微粒子化工程が余分に必要になることから、粒子還元法によるのが好ましい。すなわち、Ag化合物とSn化合物とを混合し、これを還元するものであり、金属Agと金属Snを同時に接近した位置で析出させ、複合化(例えば合金化)と微粒子化とを同時に達成する方法である。Agは還元されやすく、Snよりも先に析出する傾向にあるため、Ag及び/又はSnを錯塩にすることにより析出タイミングをコントロールすることが好適である。
前記Ag化合物としては、硝酸銀(AgNO3)、酢酸銀(Ag(CH3COO))、過塩素酸銀(AgClO4・H2O)、等が好適に挙げられる。中でも特に、酢酸銀が好ましい。前記Sn化合物としては、塩化第一錫(SnCl2)、塩化第二錫(SnCl4)、酢酸第一錫(Sn(CH3COO)2)、等が好適に挙げられる。中でも特に、酢酸第一錫が好ましい。
還元は、還元剤を用いる方法、電解により還元する方法等を好ましい還元方法として挙げることができる。中でも、還元剤を用いた前者による方法が、微細な粒子が得られる点で好ましい。前記還元剤としては、ハイドロキノン、カテコール、パラアミノフェノール、パラフェニレンジアミン、ヒドロキシアセトンなどが挙げられる。中でも、揮発しやすく、表示装置に悪影響を与えにくい点で、ヒドロキシアセトンが特に好ましい。
本発明における金属系微粒子は、市販のものを用いることができるほか、金属イオンの化学的還元法、無電解メッキ法、金属の蒸発法等により調製することが可能である。
また、球形銀微粒子を種粒子としてその後、銀塩を更に添加し、CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)等の界面活性剤の存在下でアスコルビン酸など比較的還元力の弱い還元剤を用いることにより、銀棒やワイヤー等の棒状の銀微粒子が得られる。これは、Advanced Materials 2002,14,80−82に記載がある。また、同様の記載が、Materials Chemistry and Physics 2004,84,197−204、Advanced Functional Materials 2004,14,183−189になされている。
また、電気分解を用いた方法として、Materials Letters 2001,49,91−95やマイクロ波を照射することにより銀棒を生成する方法がJournal of Materials Research 2004,19,469−473に記載されている。逆ミセルと超音波の併用した例として、Journal of Physical Chemistry B 2003,107,3679−3683が挙げられる。
金に関しても同様に、Journal of Physical Chemistry B 1999,103、3073−3077及びLangmuir1999,15,701−709、Journal of American Chemical Society 2002,124,14316−14317に記載されている。
棒状の粒子の形成方法は、前記記載の方法を改良(添加量調整、pH制御)しても調製できる。
本発明における金属系微粒子は、無彩色に近づけるために、色々な種類の粒子を組み合わせることにより得ることができる。粒子を球形や立方体から平板状(六角形、三角形)、棒状へ変化させることにより、より高い透過濃度を得ることができ、これによると隔壁を形成した際に薄膜化を図ることができる。
前記金属系微粒子の粒度分布としては、粒子の分布を正規分布近似し、その数平均粒子径の粒度分布幅D90/D10が、1.2以上20未満であることが好ましい。ここで、粒子径は長軸長さLを粒子直径としたものであり、D90は平均粒径に近い粒子の90%が見出される粒子直径であり、D10は平均粒径に近い粒子の10%が見出される粒子直径である。粒度分布幅は色調の観点から、好ましくは2以上15以下であり、更に好ましくは4以上10以下である。分布幅が1.2未満であると色調が単色に近くなる場合があり、20以上であると粗大粒子による散乱によって濁りが生じる場合がある。
なお、前記粒度分布幅D90/D10の測定は、具体的には、膜中の金属系微粒子を前記三軸径を測定する方法にてランダムに100個測定し、前記長軸長さLを粒子直径とし、粒径分布を正規分布近似し、平均粒子径に近い粒子の数で90%の範囲となる粒子直径をD90とし、平均粒子径から数で10%の範囲となる粒子直径をD10とすることで、D90/D10を算出することができる。
《三軸径》
本発明における金属系微粒子は、下記の方法によって直方体として捉えられ、各寸法が測定される。すなわち、1個の金属系微粒子がちょうど(きっちりと)収まるような三軸径の直方体の箱を考え、この箱の長さの一番長いものを長軸長さLとし、厚みt、幅bをもってこの金属系微粒子の寸法と定義する。前記寸法には、L>b≧tの関係を持たせ、同一の場合以外はbとtの大きい方を幅bと定義する。具体的には、まず、平面上に金属微粒子を、最も重心が低くて安定に静止するように置く。次に、平面に対し直角に立てた2枚の平行な平板により金属微粒子を挟み、その平板間隔が最も短くなる位置の平板間隔を保つ。次に、前記平板間隔を決する2枚の平板に対し直角で前記平面に対しても直角の2枚の平行な平板により金属系微粒子を挟み、この2枚の平板間隔を保つ。最後に金属微粒子の最も高い位置に接触するように天板を前記平面に平行に載せる。この方法により平面、2対の平板及び天板によって画される直方体が形成される。
なお、コイル状やループ状のものはその形状を伸ばした状態で前記測定を行なった場合の値と定義する。
・長軸長さL
棒状金属系微粒子の場合など、前記長軸長さLは、10nmないし1000nmであることが好ましく、10nmないし800nmであることがより好ましく、20nmないし400nmである(可視光の波長より短い。)ことが最も好ましい。Lが10nm以上であることにより、製造上調製が簡便で、かつ耐熱性や色味も良好になる利点があり、1000nm以下であることにより、面状欠陥が少ないという利点がある。
・幅bと厚みtとの比
棒状金属系微粒子の場合など、幅bと厚みtとの比は、100個の棒状金属微粒子について測定した値の平均値と定義する。棒状金属系微粒子の幅bと厚みtとの比(b/t)は2.0以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましく、1.3以下であることが特に好ましい。b/t比が2.0を超えると平板状に近くなり、耐熱性が低下することがある。
・長軸長さLと幅b及び厚みtとの関係
長軸長さLは、幅bの1.2倍以上100倍以下であることが好ましく、1.3倍以上50倍以下であることがより好ましく、1.4倍以上20倍以下であることが特に好ましい。長軸長さLが幅bの1.2倍未満となると平板の特徴が現れて耐熱性が悪化することがある。また、長軸長さLが幅bの100倍を超えると黒色濃度が低くなって薄層高濃度化ができないことがある。
・長さLと幅b及び厚みtとの測定
長さL、幅b及び厚みtの測定は、電子顕微鏡による表面観察図(×500000)と、原子間力顕微鏡(AFM)によってすることができ、100個の棒状金属微粒子について測定した値の平均値とする。原子間力顕微鏡(AFM)には、いくつかの動作モードがあり、用途によって使い分けている。
大別すると以下の3つになる。
(1)接触方式:プローブを試料表面に接触させ、カンチレバーの変位から表面形状を測定する方式
(2)タッピング方式:プローブを試料表面に周期的に接触させ、カンチレバーの振動振幅の変化から表面形状を測定する方式
(3)非接触方式:プローブを試料表面に接触させずに、カンチレバーの振動周波数の変化から表面形状を測定する方式
一方、前記非接触方式は、極めて弱い引力を高感度に検出する必要がある。そのため、カンチレバーの変位を直接測定する静的な力の検出では難しく、カンチレバーの機械的共振を応用している。
前記の3つの方法を挙げることができるが、試料に合わせいずれかの方法を選択することが可能である。
なお、本発明において、前記電子顕微鏡としては、日本電子社製の電子顕微鏡JEM2010を用いて、加速電圧200kVで測定を行なうことができる。また、原子間力顕微鏡(AFM)は、セイコーインスツル株式会社製のSPA−400が挙げられる。原子間力顕微鏡(AFM)での測定では、比較にポリスチレンビーズを入れておくことにより測定が容易になる。
本発明においては、金属粒子又は金属を有する粒子として、金属粒子又は、金属を有する金属化合物粒子が好ましく、銀粒子又は、銀を含有する銀化合物粒子がより好ましく、銀錫合金部を含む粒子が最も好ましい。
−顔料その他−
本発明では、前記金属系微粒子と共に、顔料等その他の微粒子を併用して用いることもできる。顔料を用いたときには、より黒色に近い色相に構成することができる。
前記顔料は上記で述べた顔料を好適に用いることができる。有機顔料の色相は、例えば、黄色、オレンジ、赤色、バイオレット、青色、緑色、ブラウン、黒色等が好ましい。
前記黒色顔料としては、カーボンブラック、チタンブラック、又は黒鉛が色味の観点から好適なものとして挙げられる。
カーボンブラックの例としては、Pigment Black(ピグメント・ブラック)7(カーボンブラック C.I.No.77266)が好ましい。市販品として、三菱カーボンブラック MA100(三菱化学(株)製)、三菱カーボンブラック #5(三菱化学(株)製)が挙げられる。
チタンブラックの例としては、TiO、TiO、TiNやこれらの混合物が好ましい。市販品として、三菱マテリアルズ(株)製の(商品名)12Sや13Mが挙げられる。チタンブラックの平均粒径は40〜100nmが好ましい。
チタンブラックの平均粒径が40nm未満であると、凝集などの問題が起こりやすく、100nmを超えると好ましい色味が出ないことがある。
黒鉛の例としては、粒子径がストークス径で3μm以下のものが好ましい。3μmを超える黒鉛を用いると、遮光パターンの輪郭形状が不均一になり、シャープネスが悪くなることがある。また、粒子径の大部分は0.1μ以下であることが望ましい。
前記顔料は、前記金属系微粒子の色相と補色関係にあるものを用いることが望ましい。また、顔料は1種でも2種以上を組み合せて用いてもよい。好ましい顔料の組合わせとしては、赤色系及び青色系の互いに補色関係にある顔料混合物と黄色系及び紫色系の互いに補色関係にある顔料混合物との組合せや、前記の混合物に更に黒色の顔料を加えた組み合わせや、青色系と紫色系と黒色系との顔料の組合せを挙げることができる。
また、本発明に係る隔壁中において、金属系微粒子の添加量Aと顔料の添加量Bとの質量比B/Aは0.2以上10以下であり、好ましくは0.3以上6.0以下であり、より好ましくは0.8以上5.0以下である。前記質量比B/Aが10を超えると、隔壁中における金属系微粒子が少なくなり、透過光学濃度が低下し、所定の透過光学濃度を維持するために隔壁の厚みを高くする必要があり、この結果、隔壁とR、G、Bの各画素との重なり(段差)が生じ、カラーフィルタの平坦性が悪くなって液晶表示装置のセルギャップにムラが発生し、色ムラ等の表示不良に繋がり易い。
前記顔料の球相当直径は、5nm以上5μm以下が好ましく、特に10nm以上1μm以下が好ましく、更にカラーフィルタ用としては、20nm以上0.5μm以下が好ましい。尚、ここでいう「球相当直径」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を言い、多数の粒子について上記の粒径を求め、この100個平均値をいう。
隔壁形成用組成物の固形分中の濃色体の比率は、充分な光学濃度を得る観点から、20〜70質量%であることが好ましく、40〜60質量%であることがより好ましく、50〜55質量%であることが更に好ましい。
上記カーボンブラック等の顔料は分散液として使用することが望ましい。この分散液は、前記顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述する有機溶媒(又はビヒクル)に添加して分散させることによって調製することができる。前記ビビクルとは、塗料が液体状態にある時に顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって前記顔料と結合して塗膜を固める部分(バインダー)と、これを溶解希釈する成分(有機溶媒)とを含む。前記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438頁に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。更に該文献310頁記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
隔壁形成用組成物はかかる濃色体以外に、重合開始剤、及び多官能性モノマーを少なくとも含んでなることが好ましい。また、必要に応じて更に公知の添加剤、例えば、可塑剤、充填剤、安定化剤、重合禁止剤、界面活性剤、溶剤、密着促進剤等を含有させることができる。さらに隔壁形成用組成物は少なくとも150℃以下の温度で軟化もしくは粘着性になることが好ましく、熱可塑性であることが好ましい。かかる観点からは、相溶性の可塑剤を添加することで改質することができる。
前記濃色体以外の成分としては、特開2006−154804号公報の段落番号[0032]〜[0047]に記載の成分や、特開2006−23696号公報の段落番号[0010]〜[0021]に記載の成分が、本発明においても好適な成分として挙げられる。
(隔壁)
隔壁は、上記隔壁形成用組成物から形成される。
隔壁は、2以上の画素群を離画するものであり、一般には黒であることが多いが、黒に限定されるものではない。濃色とする着色物は、有機物(染料、顔料などの各種色素)が好ましい。隔壁は、隔壁形成用組成物を露光し、その後現像することにより形成することが好ましい。
(光学濃度の評価)
隔壁の光学濃度は例えば以下の方法で測定できる。
隔壁を実際に用いる厚みで、実際に用いる方法で、透明基板上に膜状に形成し、ついでこの隔壁が形成された基板の光学濃度を測定する(OD)。別途透明基板の光学濃度を測定する(OD0)。ODからOD0を差し引いた値が隔壁の光学濃度である。測定は例えばマクベス濃度計(商品名:TD−904、マクベス社製)を用いることができる。
尚、測定の精度を上げる為には、予めOD3以下になるような薄膜を作製し、該薄膜のODから測定サンプルの膜厚におけるODを算出することができる。
(感光性転写材料)
かかる隔壁を容易且つ低コストで実現するものとして、仮支持体上に少なくとも感光性の隔壁形成用組成物からなる層を、有してなる感光性転写材料を使用するという手法がある。
上記の感光性転写材料は、必要に応じて熱可塑性樹脂層や中間層を有していてもよい該感光性転写材料を構成する成分や、作製方法については、特開2006−23696号公報の段落番号[0023]〜[0030]に記載の構成成分、作製方法が、本発明においても好適な構成成分、作製方法として挙げられる。
本発明に適用される隔壁は、特に限定されるものではないが、カラーフィルタを作製する場合には、ブラックマトリクスの機能を持った遮光性を有する隔壁であることが好ましい。このような隔壁は、公知のカラーフィルタ用ブラックマトリクスと同様の素材、方法により作製することができる。例えば、特開2005−3861号公報の段落番号[0021]〜[0074]や、特開2004−240039号公報の段落番号[0012]〜[0021]に記載のブラックマトリクスや、特開2006−17980号公報の段落番号[0015]〜[0020] や、特開2006−10875号公報の段落番号[0009]〜[0044]に記載のインクジェット用ブラックマトリクスなどが挙げられる。前記公知の作製方法の中でも、コスト削減の観点から上記の感光性転写材料を用いることが好ましい。
[付与工程]
本発明に係る付与工程は、隔壁の上面に選択的に撥インク性化合物を付与する工程である。
本発明における撥インク性化合物としては、隔壁表面に存在させた場合に該隔壁表面がインクを弾く性質をもつようになる化合物のことであり、それ以外には特に制限は無い。
撥インク性化合物としては、隔壁上面における当該化合物の固定化の観点から、重合性基を有する撥インク性化合物であることが好ましい。該重合性基を有する撥インク性化合物とは、エチレン性重合性基を有していて、且つ、隔壁表面に存在させた場合に該隔壁表面がインクを弾く性質をもつようになる化合物を意味する。
撥インク性化合物として重合性基を有する撥インク性化合物を用いる場合には、後述する露光工程を行い、撥インク性化合物と隔壁上面とを反応させて隔壁上面に撥インク性化合物を強固に固定化することができる。
撥インク性化合物は、隔壁の撥インク性向上という観点から、フッ素原子を含む含フッ素化合物及び/又はケイ素原子を含む含ケイ素化合物であることが好ましい。中でも含フッ素化合物及を用いることは強い撥インク能を有するという点でより好ましい。
また、重合性基を有する撥インク性化合物においては、露光により隔壁表面に固定するのがより容易になるという観点で、エチレン性重合性基がアクリロイル基またはメタクリロイル基であるモノマーであることが好ましい。
以上より、本発明における撥インク性化合物としては、含フッ素化合物であるフッ素含有モノマーが特に好ましい。
以下にフッ素含有モノマーの例を挙げる。
フッ素含有モノマーとしては、例えば、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)及び(V)よりなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも一般式(I)で表されるフッ素含有モノマーが好ましい。
CH2=CR1COOR2f (I)
(一般式(I)中、R1は水素原子又はメチル基を、R2は−Cp2p−、−Cp2pCH(OH)Cn2n−、−C(Cp2p+1)H−、−CH2C(Cp2p+1)H−又は−CH2CH2O−を、Rfは−Cn2n+1、−(CF2nH、−(CF2pOCn2ni2i+1、−(CF2pOCm2mi2iH、−N(Cp2p+1)COCn2n+1又は−N(Cp2p+1)SO2n2n+1表わす。但し、pは1〜10、nは1〜16、mは0〜10、iは0〜16の整数である。)
CF2=CFORg (II)
(一般式(II)中、Rgは炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を表わす。)
CH2=CHRg (III)
(一般式(III)中、Rgは炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を表わす。)
CH2=CR3COOR5j6OCOCR4=CH2 (IV)
(一般式(IV)中、R3およびR4は水素原子又はメチル基を、R5およびR6は−Cq2q−、−C(Cq2q+1)H−、−CH2C(Cq2q+1)H−又は−CH2CH2O−を、Rjは−Ct2t−を表わす。但し、qは1〜10、tは1〜16の整数である。)
CH2=CR7COOCH2CH(CH2k)OCOCR8=CH2 (V)
(一般式(V)中、R7、R8は水素原子又はメチル基、Rkは−Cy2y+1を表わす。但し、yは1〜16の整数である。)
以下、本発明に用いうるフッ素含有モノマーの具体例を挙げるが、本発明はこれに制限されるものではない。
一般式(I)で示されるモノマーとしては、例えば、CF3(CF27CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF27CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF25CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF23CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF27CH2CH(OH)CH2OCOCH=CH2、CF3(CF25CH2CH(OH)CH2OCOCH=CH2、CF3(CF23CH2CH(OH)CH2OCOCH=CH2
(CF32CF(CF26(CH22OCOCH=CH2、(CF32CF(CF24(CH22OCOCH=CH2、(CF32CF(CF22(CH22OCOCH=CH2
CF3CH2OCOCH=CH2、CF3(CF24CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、C715CON(C25)CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF27SO2N(CH3)CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF27SO2N(C37)CH2CH2OCOCH=CH2、C25SO2N(C37)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、(CF32CF(CF26(CH23OCOCH=CH2、(CF32CF(CF210(CH23OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF24CH(CH3)OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF24OCH2CH2OCOC(CH3)=CH2、C25CON(C25)CH2OCOCH=CH2、CF3(CF22CON(CH3)CH(CH3)CH2OCOCH=CH2、H(CF26CH(C25)OCOC(CH3)=CH2、H(CF28CH2OCOCH=CH2、H(CF24CH2OCOCH=CH2、H(CF2)CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF27SO2N(CH3)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF27SO2N(CH3)(CH210OCOCH=CH2、C25SO2N(C25)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF27SO2N(CH3)(CH24OCOCH=CH2、C25SO2N(C25)C(C25)HCH2OCOCH=CH2等が挙げられる。
また、一般式(II)及び(III)で表わされるフルオロアルキル化オレフィンとしては、例えば、C37CH=CH2、C49CH=CH2、C1021CH=CH2、C37OCF=CF2、C715OCF=CF2及びC817OCF=CF2などが挙げられる。
一般式(IV)及び(V)で表わされるモノマーとしては例えば、CH2=CHCOOCH2(CF23CH2OCOCH=CH2、CH2=CHCOOCH2CH(CH2817)OCOCH=CH2などが挙げられる。
また、前記一般式(I)〜(V)で表わされるもの以外のフッ素含有モノマーの好ましい例として、CF3CH2OCH2CH2OCOCH=CH2、C25(CH2CH2O)2CH2OCOCH=CH2、(CF32CFO(CH25OCOCH=CH2等も挙げられる。
これらの中でも、撥インク能を上げるという観点から、パーフルオロ基の主鎖炭素原子数は多いほうが好ましく、6個以上が特に有効である。具体的には、CF3(CF27CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF25CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF27CH2CH(OH)CH2OCOCH=CH2、CF3(CF25CH2CH(OH)CH2OCOCH=CH2、(CF32CF(CF26(CH22OCOCH=CH2、(CF32CF(CF24(CH22OCOCH=CH2
CF3(CF27CH2CH2OCOCH=CH2、C715CON(C25)CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF27SO2N(CH3)CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF27SO2N(C37)CH2CH2OCOCH=CH2、(CF32CF(CF26(CH23OCOCH=CH2、(CF32CF(CF210(CH23OCOC(CH3)=CH2、H(CF26CH(C25)OCOC(CH3)=CH2、H(CF28CH2OCOCH=CH2、CF3(CF27SO2N(CH3)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF27SO2N(CH3)(CH210OCOCH=CH2、CF3(CF27SO2N(CH3)(CH24OCOCH=CH2、C1021CH=CH2、C715OCF=CF2、C817OCF=CF2、CH2=CHCOOCH2CH(CH2817)OCOCH=CH2が好ましい。
また、同じ観点でパーフルオロ基の末端がフッ素原子であることも好ましい。具体的には、CF3(CF27CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF25CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF27CH2CH(OH)CH2OCOCH=CH2、CF3(CF25CH2CH(OH)CH2OCOCH=CH2、(CF32CF(CF26(CH22OCOCH=CH2、(CF32CF(CF24(CH22OCOCH=CH2、CF3(CF23CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF23CH2CH(OH)CH2OCOCH=CH2、(CF32CF(CF22(CH22OCOCH=CH2
CF3(CF27CH2CH2OCOCH=CH2、CF3CH2OCOCH=CH2、CF3(CF24CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、C715CON(C25)CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF27SO2N(CH3)CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF27SO2N(C37)CH2CH2OCOCH=CH2、C25SO2N(C37)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、(CF32CF(CF26(CH23OCOCH=CH2、(CF32CF(CF210(CH23OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF24CH(CH3)OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF24OCH2CH2OCOC(CH3)=CH2、C25CON(C25)CH2OCOCH=CH2、CF3(CF22CON(CH3)CH(CH3)CH2OCOCH=CH2、H(CF26CH(C25)OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF27SO2N(CH3)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF27SO2N(CH3)(CH210OCOCH=CH2、C25SO2N(C25)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF27SO2N(CH3)(CH24OCOCH=CH2、C25SO2N(C25)C(C25)HCH2OCOCH=CH2、C37CH=CH2、C49CH=CH2、C1021CH=CH2、C37OCF=CF2、C715OCF=CF2、C817OCF=CF2、CF3CH2OCH2CH2OCOCH=CH2、C25(CH2CH2O)2CH2OCOCH=CH2、(CF32CFO(CH25OCOCH=CH2が好ましい。
またパーフルオロ基の末端が分岐していることも同じ観点で好ましい。具体的には、(CF32CF(CF26(CH22OCOCH=CH2、(CF32CF(CF24(CH22OCOCH=CH2、(CF32CF(CF22(CH22OCOCH=CH2、が好ましい。
また、より少ない露光量で撥インク性を得るという観点から、重合性基はアクリレートであることが好ましい。
以上のような観点から最も好ましいフッ素含有モノマーとして、
CF3(CF27CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF25CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF27CH2CH(OH)CH2OCOCH=CH2、CF3(CF25CH2CH(OH)CH2OCOCH=CH2、(CF32CF(CF26(CH22OCOCH=CH2、(CF32CF(CF24(CH22OCOCH=CH2、を挙げることができる。
以下に含ケイ素化合物の例を挙げる。
含ケイ素化合物の具体例としては、シリコーンをあげることができる
本発明に係る付与工程においては、撥インク性化合物を含む溶液を隔壁に付与してもよい。撥インク性化合物を溶液としたうえで隔壁に付与することにより、効率よく該撥インク性化合物を隔壁上面に付与することができる。
この場合の溶液に用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどのアルコール、エーテル類、MEK、MIBK、等のケトン類 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類等が挙げられるが、これらの中でもプロピレングリコールモノメチルエーテルとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが好ましい。
溶液中における撥インク性化合物の含有量は、1〜80質量%が好ましく、5〜50質量%がさらに好ましく、5〜20質量%が特に好ましい。
なお、隔壁や溶液には、撥インク性化合物を重合させる重合開始剤を含まなくともよい。重合性基を有する撥インク性化合物は、後述する露光工程において露光される光により重合可能であるため、隔壁や溶液に撥インク性化合物を重合させる重合開始剤を添加しなくとも該撥インク性化合物を隔壁に重合させることができる。隔壁や溶液に、撥インク性化合物を重合させる重合開始剤を含ませることも可能である。
上述した撥インク性化合物又はそれを含む溶液を隔壁の上面に付与する方法としては、隔壁が形成された基板上に、隔壁の上面の領域内に、撥インク性化合物又はそれを含む溶液を選択的に付与する点から、インクジェット方式により付与する方法、グラビアコータにより付与する方法が好適である。
本発明に適用しうるインクジェット方式としては、帯電した撥インク性化合物又はそれを含む溶液を連続的に噴射し電場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的に撥インク性化合物又はそれを含む溶液を噴射する方法、撥インク性化合物又はそれを含む溶液を加熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等、各種の方法を採用できる。
撥インク性化合物又はそれを含む溶液の付与(射出)条件としては、特に制限はなく、室温で行ってもよい。撥インク性化合物又はそれを含む溶液を30〜60℃に加熱し、撥インク性化合物又はそれを含む溶液粘度を下げて射出することが射出安定性の点で好ましい。
インクジェットヘッド(以下、単にヘッドともいう。)には、公知のものを適用でき、コンティニアスタイプ、ドットオンデマンドタイプが使用可能である。ドットオンデマンドタイプのうち、サーマルヘッドでは、吐出のため、特開平9−323420号に記載されているような稼動弁を持つタイプが好ましい。ピエゾヘッドでは、例えば、欧州特許A277,703号、欧州特許A278,590号などに記載されているヘッドを使うことができる。これらの中で、インクジェットインクに対する熱の影響を少なくすることができ使用可能な溶剤の選択が広いことから、ピエゾヘッドの方がより好ましい。ヘッドはインクの温度が管理できるよう温調機能を持つものが好ましい。射出時の粘度は5〜25mPa・sとなるよう射出温度を設定し、粘度の変動幅が±5%以内になるようインク温度を制御することが好ましい。また、駆動周波数としては、1〜500kHzで稼動することが好ましい。ノズルの形状は必ずしも円形である必要はなく、楕円形、矩形等、形にはこだわらない。ノズル径は10〜100μmの範囲であることが好ましい。尚、ノズルの開口部自身必ずしも真円とは限らないが、その場合にノズル径とは該開口部の面積と同等の円を仮定しその径とする。
なお、撥インク性化合物又はそれを含む溶液を選択的に付与の実施形態は、上記に限定されるものではなく、隔壁を有する基材を移動させてもよいし、1次元方向にヘッドを、これと略直交する1次元方向に基材を移動させてもよい。
また、本実施例ではピエゾ駆動型ヘッドを用いているが、これに限定されるものではなく、他のインクジェットヘッド、例えば熱駆動型ヘッドであってもよい。
本発明に適用しうるグラビアコータとしては、公知の装置を用いることができ、実開平5−33862号公報や、特開平6−55112号公報に記載のグラビアコータなどが挙げられる。
付与工程において隔壁の上面に付与される撥水性化合物の付与量としては、本発明の効果を損なわない程度の付与量であればよく、好ましくは、隔壁の上面とインクとの接触角で20°以上となるように調節することが好ましい。
[露光工程]
本発明における露光工程は、本発明における撥インク性化合物として、前記重合性基を有する撥インク性化合物を用い、撥インク性化合物上面に付与された隔壁を、該撥インク性化合物が感光する波長を含む光で露光する工程である。隔壁の上面に選択的に付与された重合性基を有する化合物を露光することにより、撥インク性化合物を隔壁の上面に強固に固定することができる。
効率よく隔壁表面に撥インク性化合物を固定するという観点から、重合性基を有する撥インク性化合物を溶液としたうえで、隔壁に付着させ、露光することが好ましい。このとき、溶媒の蒸発を防ぐという観点で塗布液をガラスなどで覆うことも好ましい。また、酸素による重合阻害を低減させるという観点で、塗布液をガラスなどで覆うことや窒素雰囲気下で露光することも好ましい。
該溶液が基板上の隔壁の非生成領域に触れた場合には、露光後に基板を溶剤などで洗浄することが好ましい。洗浄方法としては浸漬洗浄、スプレー洗浄、のほかブラシなどの機械的な補助を用いて洗浄してもよい。これにより、隔壁表面以外の不要な箇所に撥インク性化合物が固定化するのを防ぐことができる。その結果として、後述するインクジェット法で着色液体組成物の液滴を撥インク性隔壁の間隙に付与する際に、液滴のはじきを防ぐことができる。
基板の洗浄に用いられる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール等が挙げられる。
露光光としては前記重合性基を有する撥インク性化合物が感光する(吸収を持つ)波長を含むことが必要である。
露光の際、隔壁の側面を撥インク化しないという観点から、平行光線を露光面に垂直に照射することが好ましい。
露光の光源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、エキシマレーザー、色素レーザー、半導体レーザー、等が挙げられる。このうち、大出力で広い面積を露光できるという観点から、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプが好ましい。なかでも重合性基を有する撥インク性化合物が吸収を持つ波長を多く含む点で高圧水銀灯が特に好ましい。
露光量は10mJ/cm2以上10000J/cm2以下が好ましく、30mJ/cm2以上2000mJ/cm2以下がより好ましく、50mJ/cm2以上1000mJ/cm2以下が最も好ましい。10mJ/cm2以下では隔壁の撥インク性が不足し混色が多数発生する可能性がある点、10000J/cm2以上では露光に時間が掛かりすぎる点で好ましくない。
<カラーフィルタ及びその製造方法>
本発明のカラーフィルタの製造方法は、本発明の撥インク性隔壁を有する基板における前記撥インク性隔壁の間隙に、着色液体組成物(以下「インク」と称することがある。)からなる液滴をインクジェット法で付与する工程を有することを特徴とする。また、本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタの製造方法により製造される。
本発明におけるカラーフィルタは、インクジェット法で画素形成されたカラーフィルタであるが、RGB3色のインクを吹き付けて3色のカラーフィルタを形成することが好ましい。
このカラーフィルタは、液晶表示素子、電気泳動表示素子、エレクトロクロミック表示素子、PLZT等と組合せて表示素子として用いられる。カラーカメラやその他のカラーフィルタを用いる用途にも使用できる。
また、インクジェット法により各画素を形成する前に、撥インク性隔壁の形状を固定化してもよく、その手段は特に限定されない。例えばポスト露光などが挙げられる。
各画素形成のために用いるインクジェット法に関しては、インクを熱硬化させる方法、光硬化させる方法、あらかじめ基板上に透明な受像層を形成しておいてから打滴する方法など、公知の方法を用いることができる。
好ましくは、各画素を形成した後、加熱処理(いわゆるベーク処理)する加熱工程を設ける。即ち、光照射により光重合した層を有する基板を電気炉、乾燥器等の中で加熱する、あるいは赤外線ランプを照射する。加熱の温度及び時間は、隔壁形成用組成物の組成や形成された層の厚みに依存するが、一般に充分な耐溶剤性、耐アルカリ性、及び紫外線吸光度を獲得する観点から、約120℃〜約250℃で約10分〜約120分間加熱することが好ましい。
このようにして形成されたカラーフィルタのパターン形状は特に限定されるものではなく、一般的なブラックマトリックス形状であるストライプ状であっても、格子状であっても、さらにはデルタ配列状であってもよい。
(インクジェット法)
本発明において画素形成に用いるインクジェット法としては、帯電したインクを連続的に噴射し電場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、インクを加熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等、各種の方法を採用できる。また、上記の撥インク性化合物又はそれを含む溶液を吐出するために用いるインクジェット装置でもよい。
用いるインクは油性、水性であっても使用できる。また、そのインクに含まれる着色材は染料、顔料ともに使用でき、耐久性の面からは顔料の使用がより好ましい。コントラスト向上の観点からは染料の使用が好ましい。また、公知のカラーフィルタ作製に用いる、塗布方式の着色インク(着色樹脂組成物、例えば、特開2005−3861号公報[0034]〜[0063]記載)や、特開平10−195358号公報[0009]〜[0026]に記載のインクジェット用組成物を使用することもできる。
本発明におけるインクには、着色後の工程を考慮し、加熱によって硬化する、又は紫外線などのエネルギー線によって硬化する成分を添加することもできる。加熱によって硬化する成分としては各種の熱硬化性樹脂が広く用いられ、またエネルギー線によって硬化する成分としては例えばアクリレート誘導体又はメタクリレート誘導体に光反応開始剤を添加したものを例示できる。特に耐熱性を考慮してアクリロイル基、メタクリロイル基を分子内に複数有するものがより好ましい。これらのアクリレート誘導体、メタクリレート誘導体は水溶性のものが好ましく使用でき、水に難溶性のものでもエマルション化するなどして使用できる。
この場合、上記(隔壁形成用組成物)の項で挙げた、顔料などの着色剤を含有させた感光性樹脂組成物を、好適なものとして用いることができる。
また、本発明において用いることができるインクとしては、少なくともバインダー、及び、2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーを含有するカラーフィルタ用熱硬化性インクも好適なものとして用いることができる。
(インク)
本発明に用いられるインクとしては、重合性インクが好ましく、該重合性インクは、着色剤、重合性化合物、及び重合開始剤を含有し、活性エネルギー線により重合反応が生起し硬化する着色樹脂組成物からなることが好ましい。
本発明においては、固形分量が50質量%以上のインクであることが好ましく、該固形分量は70質量%以上がより好ましく、85質量%以上がさらに好ましい。当該固形分とは、後述する溶剤以外の成分である。
(着色剤)
着色樹脂組成物には、公知の着色剤(染料、顔料)を添加することができる。該公知の着色剤のうち顔料を用いる場合には、着色樹脂組成物中に均一に分散されていることが望ましく、かかる観点からは、顔料の粒径としては0.1μm以下、特には0.08μm以下であることが好ましい。
上記公知の染料ないし顔料としては、特開2005−17716号公報[0038]〜[0054]に記載の顔料及び染料や、特開2004−361447号公報[0068]〜[0072]に記載の顔料や、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載の着色剤を好適に用いることができる。これらの中で、画素の保存安定性の点から、顔料が特に好ましい。
本発明における着色剤としては、上記の着色剤の中でも、(i)R(レッド)の着色樹脂組成物においてはC.I.ピグメント・レッド254が、(ii)G(グリーン)の着色樹脂組成物においてはC.I.ピグメント・グリーン36が、(iii)B(ブルー)の着色樹脂組成物においてはC.I.ピグメント・ブルー15:6が好適なものとして挙げられる。更に上記顔料は組み合わせて用いてもよい。
本発明において、併用するのが好ましい上記記載の顔料の組み合わせは、C.I.ピグメント・レッド254では、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド224、C.I.ピグメント・イエロー139、又は、C.I.ピグメント・バイオレット23との組み合わせが挙げられ、C.I.ピグメント・グリーン36では、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・イエロー138、又は、C.I.ピグメント・イエロー180との組み合わせが挙げられ、C.I.ピグメント・ブルー15:6では、C.I.ピグメント・バイオレット23、又は、C.I.ピグメント・ブルー60との組み合わせが挙げられる。
このように併用する場合の顔料中のC.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・ブルー15:6の含有量は、C.I.ピグメント・レッド254は、80質量%以上が好ましく、特に90質量%以上が好ましい。C.I.ピグメント・グリーン36は50質量%以上が好ましく、特に60質量%以上が好ましい。C.I.ピグメント・ブルー15:6は、80質量%以上が好ましく、特に90質量%以上が好ましい。
顔料は分散液として使用することが望ましい。この分散液は、顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述する重合性化合物に添加して分散させることによって調製することができる。顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438頁に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。更に該文献310頁記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
本発明で用いうる着色剤(顔料)としては、数平均粒径0.001〜0.1μmのものが好ましく、更に0.01〜0.08μmのものが好ましい。顔料数平均粒径が0.001μm未満であると、粒子表面エネルギーが大きくなり凝集し易くなり、顔料分散が難しくなると共に、分散状態を安定に保つのも難しくなり好ましくない。また、顔料数平均粒径が0.1μmを超えると、顔料による偏光の解消が生じ、コントラストが低下し、好ましくない。尚、ここで言う「粒径」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を言い、また「数平均粒径」とは多数の粒子について上記の粒径を求め、この100個平均値を言う。
着色画素のコントラストは、分散されている顔料の粒径を小さくすることで向上させることができる。粒径を小さくするには、顔料分散物の分散時間を調節することで達成できる。分散には、上記記載の公知の分散機を用いることができる。分散時間は好ましくは10〜30時間であり、更に好ましくは18〜30時間、最も好ましくは24〜30時間である。分散時間が10時間未満であると、顔料粒径が大きく、顔料による偏光の解消が生じ、コントラストが低下することがある。一方、30時間を越えると、分散液の粘度が上昇し、インクジェットヘッドからの吐出が困難になることがある。また、2色以上の着色画素のコントラストの差を600以内にするには、顔料粒径を調節して、所望のコントラストとすればよい。
重合性インクより形成されるカラーフィルタの各着色画素のコントラストは、2000以上が好ましく、より好ましくは2800以上、更に好ましくは3000以上であり、最も好ましくは3400以上である。カラーフィルタを構成する各着色画素のコントラストが2000以下だと、これを有する液晶表示装置の画像を観察すると、全体に白っぽい印象となり、見難く好ましくない。また、各着色画素のコントラストの差が、好ましくは600以内であり、より好ましくは410以内であり、更に好ましくは350以内、最も好ましくは200以内である。各着色画素のコントラストの差が600以内であると、黒表示時における各着色画素部からの光漏れ量が大きく相違しない為、黒表示の色バランスが良いため好ましい
本明細書において、「着色画素のコントラスト」とは、カラーフィルタを構成するR、G、Bについて、色毎に個別に評価されるコントラストを意味する。コントラストの測定方法は次の通りである。被測定物の両側に偏光板を重ねて、偏光板の偏光方向を互いに平行にした状態で、一方の偏光板の側からバックライトを当てて、他方の偏光板を通過した光の輝度Y1を測定する。次に偏光板を互いに直交させた状態で、一方の偏光板の側からバックライトを当てて、他方の偏光板を通過した光の輝度Y2を測定する。得られた測定値を用いて、コントラストはY1/Y2で算出される。尚、コントラスト測定に用いる偏光板は、該カラーフィルタを使用する液晶表示装置に用いる偏光板と同一のものとする。
(重合性化合物)
本発明に用いられるインクに含有しうる重合性化合物としては、ラジカル活性種による重合反応により硬化するラジカル重合性化合物およびカチオン活性種によるカチオン重合反応により硬化するカチオン重合性化合物を用いることができる。
(ラジカル重合性化合物)
上記ラジカル重合性化合物の具体的化合物には、以下に示す化合物があるが、これらに限定されることはない。
エチレン性不飽和二重結合を1個有する単官能モノマーとしては、ブタンジオールモノアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルホルムアミド、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、グリシジルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソデシルアクリレート、フェノキシメタクリレート、ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、ジプロピレングリコールアクリレート等が挙げられる。
2官能以上のモノマー、オリゴマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、2−n−ブチルー2−エチルー1,3−プロパンジオールジアクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化イソシアヌール酸トリアクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート)トリアクリレート、プロポキシレートグリセリルトリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ネオペンチルグリコールオリゴアクリレート、1,4−ブタンジオールオリゴアクリレート、1,6−ヘキサンジオールオリゴアクリレート、トリメチロールプロパンオリゴアクリレート、ペンタエリスリトールオリゴアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。
これら化合物は、一種または必要に応じて二種以上用いてもよい。
(カチオン重合性化合物)
前記カチオン重合性化合物は、光重合開始剤から発生されるカチオン活性種により重合反応を生起し、硬化する化合物として、カチオン重合性化合物である。該カチオン重合性化合物としては、光カチオン重合性モノマーとして知られる各種公知のカチオン重合性のモノマーを使用することができる。カチオン重合性モノマーとしては、例えば、特開平6−9714号公報、特開2001−31892、同2001−40068、同2001−55507、同2001−310938、同2001−310937、同2001−220526などの各公報に記載されているビニルエーテル化合物、オキセタン化合物、オキシラン化合物などが挙げられる。
ビニルエーテルを官能基に有するカチオン重合性化合物の具体例としては、ウレタン系ビニルエーテル(ビニルエーテルウレタン)、エステル系ビニルエーテルなどが挙げられる。これらのオリゴマーは単独でまたは混合して使用することができる。
芳香族エポキシ樹脂の具体例としては、少なくとも1個の芳香族環を有する多価フェノール、またはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、またこれらに更にアルキレンオキサイドを付加させた化合物のグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラックジグリシジルエーテル、ビスフェノールFノボラックジグリシジルエーテル等が挙げられる。また、脂環式エポキシ樹脂の具体例としては、少なくとも1個の脂環式環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテルまたはシクロヘキセン、シクロペンテン環含有化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキサイド構造含有化合物または、シクロペンテンオキサイド構造含有化合物、またはビニルシクロヘキサン構造を有する化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるビニルシクロヘキサンオキサイド構造含有化合物が挙げられる。例えば、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等が挙げられる。
脂肪族エポキシ樹脂の具体例としては、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル、脂肪族長鎖不飽和炭化水素を酸化剤で酸化することによって得られるエポキシ含有化合物、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートのホモポリマー、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートのコポリマー等が挙げられる。代表的な化合物として、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールのテトラグリシジルエーテル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペンタエルスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテルなどの多価アルコールのグリシジルエーテル、また、プロピレングリコール,グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステルが挙げられる。さらに、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルやフェノール,クレゾール,ブチルフェノール、またこれらにアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ化アマニ油等が挙げられる。
これら活性エネルギー線の照射により硬化性を有する成分が、全インク量の50質量%以下になると、一般的な活性エネルギー線の強度では硬化性が不足してくる。そのため、照射時間を長くするなどの対応が必要となる。以上のことから、硬化性を有する成分量は全インクの50質量%以上、より好ましくは60質量%以上を有することが望ましい。
(重合開始剤)
インクに含有しうる重合開始剤としては、活性エネルギー線の照射により、ラジカル活性種を発生し、ラジカル重合性化合物の重合を開始するラジカル重合開始剤、及び、カチオン活性種を発生し、カチオン重合性化合物の重合を開始するカチオン重合開始剤のいずれかを重合性化合物に合わせて、用いることができる。
−ラジカル重合開始剤−
本発明において、使用し得る光重合開始剤は以下のものが挙げられる。ベンゾフェノン系として、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、4−フェニルベンゾフェノン、4、4−ジエチルアミノベンゾフェノン、3、3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等が、チオキサントン系として、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、イソプロピルキサントン等が、アセトフェノン系として、2−メチル−1−(4−メチルチオ)フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2、2−ジメチル−2−ヒドロキシアセトフェノン、2、2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が、ベンゾイン系として、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルメチルケタール等が、アシルフォスフィンオキサイド系として、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)アシルフォスフィンオキサイド、等が挙げられる。
−カチオン重合開始剤−
カチオン重合開始剤としては、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、鉄アレーン錯体及び有機ポリハロゲン化合物を好ましく使用することができる。ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩及びスルホニウム塩としては、特公昭54−14277号、特公昭54−14278号、特開昭51−56885号、米国特許第3,708,296号、同第3,853,002号等に記載された化合物が挙げられる。
光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ケイ素化合物/アルミニウム錯体等が例示される。
(溶剤)
本発明における溶剤とは、インクに含まれる着色剤、重合性モノマー、添加剤、ポリマーなどの機能性材料の溶解または分散を助けるもので、インクの流動性を高める働きをして打滴などを行いやすくすると共に、インクを打滴し、所定の乾燥または熱処理を行った後は、その大半(概ね9割以上)が、蒸発などにより、除かれる性質のものである。
例えば、重合性モノマーも液状であるが、これに該溶剤を加えると、より流動性が高まり、打滴しやすくなる。
通常、沸点が100℃以下の有機溶剤が用いられる。また、インクの乾燥を防ぎヘッドの目詰まりを防止する目的では沸点が200℃以下、場合によってはそれ以上の高沸点溶剤が用いられることもある。
溶剤としては、「新版溶剤ポケットブック(有機合成科学協会編、オーム社発行)」や、「溶剤ハンドブック 浅原照三ほか編 講談社、1976年」に記載のものを指し、その具体例としては、イオン交換水、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のアルキルアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン等のケトン類、ジアセトンアルコール等のケトンアルコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類、グリセリン、エチレングリコールモノメチル(又はエチル、ブチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル、ブチル)エーテル、プロピレングリコールモノメチル(又はエチル、ブチル)エーテル等のアルキルエーテル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、グリセリン、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等が挙げられる。
(オーバーコート層)
カラーフィルタ作製後、全面に耐性向上のためにオーバーコート層を設けている場合がある。オーバーコート層は、インクR,G,Bの固化層を保護するとともに、表面を平坦にすることができるが、工程数が増えるという観点から、設けないことが好ましい。
オーバーコート層を形成する樹脂(OC剤)としては、アクリル系樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物などが挙げられる。中でも、可視光領域での透明性で優れており、また、カラーフィルタ用の着色樹脂組成物の樹脂成分が通常アクリル系樹脂を主成分としており、密着性に優れていることからアクリル系樹脂組成物が望ましい。オーバーコート層の例として、特開2003−287618号公報の段落番号0018〜0028に記載のものや、オーバーコート剤の市販品として、JSR社製「オプトマーSS6699G」)が挙げられる。
図1に、本発明のカラーフィルタの一実施形態の断面を模式的に示す。図1中、11は支持基板としての透明基板、12は撥インク性隔壁、13は着色画素(着色部)、14は必要に応じて形成されるオーバーコート層(保護層)である。本発明のカラーフィルタを用いて液晶素子を構成する場合には、着色部13上或いは、着色部13上に保護層14を形成したさらにその上に、液晶を駆動するためのITO(インジウム・チン・オキサイド)等透明導電材からなる透明導電膜が形成されて提供される場合もある。
<表示装置>
本発明の表示装置は、本発明のカラーフィルタを有するものである。本発明の表示装置としては液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置などを言う。表示装置の定義や各表示装置の説明は例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。
本発明の表示装置のうち、液晶表示装置は特に好ましい。
液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。本発明はこれらのなかで特にカラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに本発明はもちろんIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置にも適用できる。これらの方式については例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
液晶表示装置はカラーフィルタ以外に電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角保障フィルムなどさまざまな部材から構成される。本発明の撥インク性隔壁はこれらの公知の部材で構成される液晶表示装置に適用することができる。これらの部材については例えば「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉 (株)富士キメラ総研 2003年発行)」に記載されている。
図2に、図1のカラーフィルタを用いて構成された、液晶素子の一実施形態の概略断面図を示す。図2中、17は共通電極(透明導電膜)、18は配向膜、19は液晶、21は対向基板、22は画素電極、23は配向膜であり、図1と同じ部材には同じ符号を付して説明を省略する。
カラー液晶素子は、一般的にカラーフィルタ側の基板11と対向基板21とを合わせ込み、液晶19を封入することにより形成される。液晶素子の一方の基板21の内側に、TFT(図示せず)と画素電極22がマトリクス状に形成されている。また、カラーフィルタ側の基板11の内側には、画素電極22に対向する位置に、R、G、Bが配列するように、カラーフィルタの着色画素13が形成され、その上に透明な共通電極17が形成される。さらに、両基板の面内には配向膜18、23が形成されており、液晶分子を一定方向に配列させている。これらの基板は、スペーサー(図示せず)を介して対向配置され、シール材(図示せず)によって貼り合わされ、その間隙に液晶19が充填される。上記液晶素子は、透過型の場合には、基板21及び画素電極22を透明素材で形成し、それぞれの基板の外側に偏光板を接着し、一般的に蛍光灯と散乱板を組み合わせたバックライトを用い、液晶化合物をバックライトの光の透過率を変化させる光シャッターとして機能させることにより表示を行う。また、反射型の場合には、基板21或いは画素電極22を反射機能を備えた素材で形成するか、或いは、基板21上に反射層を設け、透明基板11の外側に偏光板を設け、カラーフィルタ側から入射した光を反射して表示を行う。
[対象用途]
本発明のカラーフィルタはテレビ、パーソナルコンピューター、液晶プロジェクター、ゲーム機、携帯電話などの携帯端末、デジタルカメラ、カーナビなどの用途に特に制限なく適用できる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、機器、操作等は本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特に断りのない限り「%」および「部」は、「質量%」および「質量部」を表し、分子量とは重量平均分子量のことを示す。
(作製例1)
[隔壁形成用組成物の製法]
隔壁形成用組成物K1は、まず表1に記載の量のK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150RPM10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、バインダー1、フェノチアジン、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)アミノ−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150RPM30分間攪拌することによって得られる。なお、表1に記載の量は質量部であり、詳しくは以下の組成となっている。
<K顔料分散物1>、
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35) ・・・ 13.1%
・分散剤(下記化合物1) ・・・ 0.65%
Figure 0004932406
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3.7万) ・・・ 6.72%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・ 79.53%
<バインダー1>
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比
のランダム共重合物、分子量3.8万) 27%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・ 73%
<DPHA液>
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA) 76%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・ 24%
<界面活性剤1>
・下記構造物1 ・・・ 30%
Figure 0004932406
・メチルエチルケトン ・・・ 70%
Figure 0004932406
上記表1に記載の処方に変更した以外は、上記隔壁形成用組成物K1の調製方法と同様の方法で、隔壁形成用組成物K2〜K4を調整した。
*K顔料分散液2の組成
・C.I.P.R.177(商品名:Cromophtal Red A2B、
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) ・・・ 18部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28
モル比のランダム共重合物、重量平均分子量3.7万)・・・ 12部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・ 70部
*K顔料分散液3の組成
・C.I.P.B15:6 ・・・ 18部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体[共重合組成比(モル比)=72/28 重量平均分子量=30000の40%プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液] ・・・ 15部
・シクロヘキサノン ・・・ 50部
・プロピレングリコールモノメチルアセテート ・・・ 17部
*K顔料分散液4の組成
・C.I.P.Y139 ・・・ 18部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体[共重合組成比(モル比)=72/28 重量平均分子量=30000の40%プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液] ・・・ 15部
・シクロヘキサノン ・・・ 50部
・プロピレングリコールモノメチルアセテート ・・・ 17部
*K顔料分散液5の組成
・C.I.P.V23 ・・・ 12部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体[共重合組成比(モル比)=72/28 重量平均分子量=30000の40%プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液] ・・・ 18部
・シクロヘキサノン ・・・ 60部
・プロピレングリコールモノメチルアセテート ・・・ 10部
*K顔料分散液6の組成
・カーボンブラック(デグッサ社製、商品名Special Black 250)
・・・ 15部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体[共重合組成比(モル比)=72/28 重量平均分子量=30000の40%プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液] ・・・ 23部
・シクロヘキサノン ・・・ 60部
・プロピレングリコールモノメチルアセテート ・・・ 10部
<K顔料分散物7の調製>
棒状銀微粒子(長軸長さL:400nm、幅b:30nm、厚さt:25nm、b/t=1.2)73.5gと、分散剤(商品名:ソルスパース20000、アビシア(株)製)1.05gと、メチルエチルケトン16.4gと、を混合した。これを、超音波分散機(商品名:Ultrasonic generator model US−6000 ccvp、nissei社製)を用いて分散し、棒状銀微粒子分散液(K顔料分散物7)を得た。
尚、本実施例における各種形状の棒状銀微粒子は、Materials Chemistry and Physics 2004,84,P197−204に記載されている微粒子の調製方法により、銀塩還元時のpH、反応温度を変化させることにより、各種形状の棒状銀微粒子の分散液として調製した。
<銀錫合金部を有する金属粒子の分散液(K顔料分散物8)の調製>
純水1000mlに、酢酸銀(I)23.1g、酢酸スズ(II)65.1g、グルコン酸54g、ピロリン酸ナトリウム45g、ポリエチレングリコール(分子量3,000)2g、及びE735(アイエスピー・ジャパン(株)製;ビニルピロリドン/酢酸ビニルコ
ポリマー)5gを溶解し、溶液1を得た。別途、純水500mlにヒドロキシアセトン36.1gを溶解して、溶液2を得た。
上記より得た溶液1を25℃に保ちつつ激しく攪拌しながら、これに上記の溶液2を2分間かけて添加し、緩やかに6時間攪拌を継続した。すると、混合液が黒色に変化し、銀錫合金部を有する金属粒子(以下、「銀錫合金部含有粒子」ということがある。)を得た。次いで、(A)の操作により銀錫合金部含有粒子を分散した。
(A)操作
前記金属粒子を含有する液を遠心分離して銀錫合金部含有粒子を沈殿させた。遠心分離は、150mlの液量に小分けして、卓上遠心分離機H−103n((株)コクサン製)により回転数2,000r.p.m.で30分間行なった。そして、上澄みを捨て全液量を150mlにし、これに純水1350mlを加え、15分間攪拌して銀錫合金部含有粒子を再び分散させた。この操作(A)を2回繰り返して水相の可溶性物質を除去した。
その後、この液に対して更に遠心分離を行ない、銀錫合金部含有粒子を再び沈殿させた。遠心分離は前記同様の条件にて行なった。遠心分離した後、前記同様に上澄みを捨て全液量を150mlにし、これに純水850ml及びアセトン500mlを加え、さらに15分間攪拌して銀錫合金部含有粒子を再び分散させた。
再び前記同様にして遠心分離を行ない、銀錫合金部含有粒子を沈殿させた後、前記同様に上澄みを捨て液量を150mlにし、これに純水150ml及びアセトン1200mlを加えて更に15分間攪拌し、銀錫合金部含有粒子を再び分散させた。そして再び、遠心分離を行なった。このときの遠心分離の条件は、時間を90分に延ばした以外は前記同様である。その後、上澄みを捨て全液量を70mlにし、これにアセトン30mlを加えた。これをアイガーミル(アイガーミルM−50型(メディア:直径0.65mmジルコニアビーズ130g、アイガー・ジャパン(株)製)を用いて6時間分散し、銀錫合金部含有粒子の分散液(K顔料分散物8)を得た。
この銀錫合金部含有粒子は、AgSn合金(2θ=39.5°)とSn金属(2θ=30.5°)とからなる複合体であることがX線散乱により確認された。ここで、カッコ内の数字はそれぞれの(III)面の散乱角である。この微粒子分散液を透過型電子顕微鏡で観察した結果、分散平均粒径は数平均粒子サイズで約40nmであった。
前記数平均粒子サイズの測定は、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子(株)製)により得た写真を用いて以下のようにして行なった。
粒子100個を選び、それぞれの粒子像と同じ面積の円の直径を粒子径とし、100個の粒子の粒子径の平均を数平均粒子サイズとした。このとき、写真は、倍率10万倍、加速電圧200kVで撮影したものを用いた。
[実施例1]
(隔壁形成工程1)
−濃色感光性転写材料K1の調製−
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、下記処方P1から成る中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、前記隔壁形成用組成物K1を塗布、乾燥させた。このようにして仮支持体の上に乾燥膜厚が14.6μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、隔壁形成用組成物層を設け、最後に保護フイルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。
こうして仮支持体と熱可塑性樹脂層と中間層とブラック(K)の隔壁形成用組成物層とが一体となった濃色感光性転写材料を作製し、サンプル名を濃色感光性転写材料K1とした。
<熱可塑性樹脂層用塗布液:処方H1>
・メタノール 11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.36部
・メチルエチルケトン 52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート
/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)
=55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃)
5.83部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)
=63/37、平均分子量=1万、Tg≒100℃) 13.6部
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製) 9.1部
・弗素系ポリマー(C613CH2CH2OCOCH=CH2 40部と H(OCH(CH3)CH27OCOCH=CH2 55部とH(OCH2CH27OCOCH=CH2 5部との共重合体、平均分子量3万、メチルエチルケトン30%溶液、大日本インキ化学工業製、商品名:メガファックF780F) 0.54部
<中間層用塗布液:処方P1>
・PVA205(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製、鹸化度=88%、重合度550) 32.2部
・ポリビニルピロリドン(アイエスピー・ジャパン社製、K−30) 14.9部
・蒸留水 524部
・メタノール 429部
無アルカリガラス基板を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で100℃2分加熱した。
得られたシランカップリング処理ガラス基板に、上記の製法にて作製された濃色感光性転写材料からカバーフィルムを除去し、除去後に露出した隔壁形成用組成物層の表面と前記シランカップリング処理ガラス基板の表面とが接するように重ね合わせ、ラミネータ(株式会社日立インダストリイズ製(LamicII型))を用いて、前記100℃で2分間加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。続いてポリエチレンテレフタレートの仮支持体を、熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、仮支持体を除去した。仮支持体を剥離後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該隔壁形成用組成物層の間の距離を200μmに設定し、露光量70mJ/cm2でパターン露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(トリエタノールアミン30質量%含有、商品名:T−PD2、富士写真フイルム株式会社製を、純水で12倍(T−PD2を1質量部と純水を11質量部の割合で混合)に希釈した液)を30℃50秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し熱可塑性樹脂層と中間層を除去した。引き続き、この基板上面にエアを吹きかけて液切りした後、純水をシャワーにより10秒間吹き付け、純水シャワー洗浄し、エアを吹きかけて基板上の液だまりを減らした。
引き続き炭酸Na系現像液(0.38モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、0.47モル/リットルの炭酸ナトリウム、5質量%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−CD1、富士写真フイルム株式会社製を純水で5倍に希釈した液)を用い、29℃30秒、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し隔壁形成用組成物層を現像しパターニング画像を得た。
引き続き洗浄剤(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有、商品名:T−SD1 富士写真フイルム株式会社製)を純水で10倍に希釈して用い、33℃20秒、コーン型ノズル圧力0.02MPaでシャワーで吹きかけ、更にナイロン毛を有す回転ブラシにより形成された画像を擦って残渣除去を行い、ブラック(K)の画像を得た。
続いて、超高圧水銀灯にて基板の表裏から基板の全面をそれぞれ2000mJ/cm2でポスト露光した後、220℃10分間熱処理し、光学濃度4.0、膜厚1.7μm、100μm幅の開口部を有するストライプ状の隔壁を得た。
(付与工程及び露光工程)
Kの画像を形成した基板に、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後エアーナイフにて液切りを行った。
フッ素含有モノマー(撥インク性化合物)として2−(パーフルオロオクチル)−エチルアクリレート(『CHEMINOX FAAC』、ユニマテック製)を用いた。FAACはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶かして10%の溶液とした。
インクジェット装置(DIMATIX社製、ヘッドSE−128、吐出制御装置はDimatix社製の「Apollo II」)を用いて、隔壁上面に1ドロップにつき1.5plの条件で打滴した。その状態のまま乾燥させずに窒素雰囲気下で高圧水銀灯(USHIO社製)で500mJ/cmで全面露光した。
その後、IPA(イソプロピルアルコール)にて基板を洗浄し、さらに純水シャワー洗浄を行い、エアーナイフにて液切りを行った。
(インクジェット法で着色液体組成物からなる液滴を付与する工程)
−着色液体組成物の調製−
下記の成分のうち、先ず、顔料、高分子分散剤及び溶剤を混合し、3本ロールとビーズミルを用いて顔料分散液を得た。その顔料分散液をディソルバー等で十分攪拌しながら、その他の材料を少量ずつ添加し、赤色(R)画素用の着色液体組成物を調製した。
〈赤色着色液体組成物の組成〉
・顔料(C.I.ピグメントレッド254) 5部
・高分子分散剤(AVECIA社製ソルスパース24000) 1部
・バインダー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28
モル比のランダム共重合物、重量平均分子量3.7万) 3部
・第一エポキシ樹脂(ノボラック型エポキシ樹脂、
油化シェル社製エピコート154) 2部
・第二エポキシ樹脂(ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル) 5部
・硬化剤(トリメリット酸) 4部
・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル 80部
さらに、上記組成中のC.I.ピグメントレッド254に代えてC.I.ピグメントグリーン36を同量用いるほかは赤色画素用の着色液体組成物の場合と同様にして緑色(G)画素用の着色液体組成物を調製した。
さらに、上記組成中のC.I.ピグメントレッド254に代えてC.I.ピグメントブルー15:6を同量用いるほかは赤色画素用の着色液体組成物の場合と同様にして青色(B)画素用の着色液体組成物を調製した。
次に上記記載のR、G、Bの着色液体組成物を用いて、上記で得られたカラーフィルタ基板の隔壁で区分された領域内(凸部が囲まれた凹部)に、インクジェット方式の記録装置を用いて所望の濃度になるまで着色液体組成物の吐出を行い、R、G、Bのパターンからなるカラーフィルタを作製した。画像着色後のカラーフィルタを230℃オーブン中で30分ベークすることで隔壁、各画素ともに完全に硬化させた。
上記より得たカラーフィルタ基板のR画素、G画素、及びB画素並びに隔壁の上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。別途、対向基板としてガラス基板を用意し、カラーフィルタ基板の透明電極上及び対向基板上にそれぞれPVAモード用にパターニングを施した。
前記ITOの透明電極上の隔壁の上部に相当する部分にフォトスペーサを設け、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられた隔壁外枠に相当する位置にエポキシ樹脂のシール剤を印刷すると共に、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板を熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、冷陰極管のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
[実施例2]
実施例1において用いた隔壁形成用組成物K1を、隔壁形成用組成物K2に変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ及び液晶表示装置を得た。
[実施例3]
実施例1において用いた隔壁形成用組成物K1を、隔壁形成用組成物K3に変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ及び液晶表示装置を得た。
[実施例4]
実施例1において用いた隔壁形成用組成物K1を、隔壁形成用組成物K4に変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ及び液晶表示装置を得た。
[実施例5]
実施例1において用いたフッ素含有モノマーを、MR−R3420(ダイキン工業株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ及び液晶表示装置を得た。
[実施例6]
実施例1において用いたフッ素含有モノマーを、MR−R1633(ダイキン工業株式会社社製)に変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ及び液晶表示装置を得た。
[実施例7]
実施例1において用いたフッ素含有モノマーを、2−(パーフルオロオクチル)−エチルメタクリレート(『CHEMINOX FAMAC−8』、ユニマテック製)に変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ及び液晶表示装置を得た。
[実施例8]
実施例1において用いたフッ素含有モノマーを、ケイ素含有モノマーFM0755(信越化学工業株式会社製)に変更した以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタ及び液晶表示装置を得た。
[実施例9]
実施例1における隔壁形成工程1を、以下の隔壁形成工程2に変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ及び液晶表示装置を得た。
(隔壁形成工程2)
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。該基板を120℃3分熱処理して表面状態を安定化させた。
該基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有すガラス基板用コーター(平田機工株式会社製)にて、上記表1に記載の組成よりなる隔壁形成用組成物K1を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置;東京応化工業(株)製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性を無くした後、120℃3分間加熱して隔壁形成用組成物層K1を得た。
超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該隔壁形成用組成物層の間の距離を200μmに設定し、露光量150mJ/cm2でパターン露光した。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、該隔壁形成用組成物層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ)にて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、更に超純水をシャワーノズルで両面から吹き付けて、付着している現像液や隔壁形成用組成物層溶解物を除去し、エアーナイフにて液切りを行い、ブラック(K)の画像を得た。引き続き、220℃で10分間熱処理し、光学濃度4.0の隔壁を得た。
[実施例10]
実施例9において用いたフッ素含有モノマーを、ケイ素含有モノマーFM0755(信越化学工業株式会社製)に変更した以外は、実施例9と同様にしてカラーフィルタ及び液晶表示装置を得た。
[実施例11]
実施例1の付与工程における撥インク性化合物の付与を、インクジェット装置を用いた付与に代えて、グラビアコータ−(松尾産業株式会社製、イージープルーフ(ドット:850線/インチ、深さ:4μm))に変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ及び液晶表示装置を得た。
[実施例12]
実施例1において用いた隔壁形成用組成物K1を、隔壁形成用組成物K5に変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ及び液晶表示装置を得た。
得られた隔壁は、光学濃度4.0、膜厚2.0μm、100μm幅の開口部を有するストライプ状であった。
[比較例1]
実施例1において「付与工程及び露光工程」を省略した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ及び液晶表示装置を得た。
[比較例2]
ガラス基板上に黒色レジスト(新日鉄化学(株)製のV−259BK)を、2.0μmになるようにスピンコーターで塗布し、80℃5分加熱処理した。
東芝シリコーン(株)製のTSL−8233(C17−C−Si(OCH)をメタノールで希釈し、若干量の水分を加え、一晩放置した後、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)で有効成分を抽出し、0.25質量%に希釈し、レジスト膜上にスピンコーターで塗布し、100℃5分加熱処理した。
この基板を、超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該隔壁形成用組成物層の間の距離を200μmに設定し、露光量150mJ/cmでパターン露光した。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧した後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ)にて23℃30秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水をシャワーノズルで両面から吹き付けて、エアーナイフにて液切りを行い、ブラック(K)の画像(隔壁)が形成された基板を得た。
上記により得られた基板に、実施例1と同様にして、着色画素の形成を行いカラーフィルタを作製し、更に、該カラーフィルタを用いて液晶表示装置を得た。
[比較例3]
実施例1と同様の方法で形成された隔壁付基板上に、予めフッ素系界面活性剤(住友3M社製、フロラードFC−430)が0.5質量%(感光性樹脂の固形分に対して)内添してあるアルカリ可溶の感光性樹脂(ヘキストシャパン社製、ポジ型フォトレジストAZP4210)を膜厚2μmとなるようにスピンコートし、温風循環乾燥機中で90℃、30分間のプレベークを行った。
次いで、110mJ/cm2 (38mW/cm2 ×2.9秒)の露光量でガラス基板裏面から隔壁を介して露光し、無機アルカリ現像液(ヘキストジャパン社製、AZ400Kデベロッパー、1:4)中に80秒間浸漬揺動した後、純水中で30〜60秒間リンス処理を行い、隔壁上に撥水性樹脂層を形成することにより画素内外に表面エネルギー差を設けた。撥水性樹脂層形成後の画素内外の表面エネルギーは、画素外(樹脂層上)が10〜15mN/m、画素内(ガラス基板上)は55mN/m前後であった。
次いで、実施例1と同様の方法でインクジェット法によりRGBの画素を作製し、その後液晶表示装置を作製した。
〜評価〜
上述のようにして得られたカラーフィルタ及び液晶表示装置について、下記評価を実施した。得られた結果を表2に示す。
(画素の混色評価)
得られたカラーフィルタを200倍の光学顕微鏡で1000画素について目視観察して画素間の混色の有無を調べた。
A : 混色無し
B : 混色1個〜2個
C : 混色3個〜4個
D : 混色4個以上
許容されるのはAとB
(画素の白抜けの評価)
得られたカラーフィルタ基板の640画素×480画素をRGBの3色セットを 検査機(オプトワン株式会社製のLCF−3011XU)を用いて白抜けの有無を調べた。
A : 白抜け無し
B : 白抜け1個〜2個
C : 白抜け3個〜10個
D : 白抜け11個以上
許容されるのはAとB
(表示装置の評価)
液晶表示装置の各々について、グレイのテスト信号を入力させたときのグレイ表示を目視にて観察し、表示ムラの発生の有無を下記評価基準にしたがって評価した。
〈評価基準1〉
良 :表示ムラは全く認められなかった。
難あり:表示ムラが認められた。
Figure 0004932406
表2から、以下のことが判る。
本発明の製造方法により形成された隔壁を有する実施例のカラーフィルタは、混色や白抜けが無く、そのカラーフィルタを用いた表示装置は良好な表示が可能である。
一方、本発明に係る付与工程を行わずに得た比較例のカラーフィルタは、混色が発生し、そのカラーフィルタを用いた表示装置は非常に難のある表示しか得られない。
以上より、本発明の撥インク化方法は前記課題を達成する上で有効であることが分かった。
本発明の方法により得られたカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。 図1に示すカラーフィルタを備えた液晶素子の一例を示す概略断面図である。 基板上に設けられた隔壁の断面斜視模式図である。
符号の説明
11 支持基板
12 撥インク性隔壁
13 着色画素
14 オーバーコート層
17 共通電極(透明導電膜)
18、23 配向膜
19 液晶
21 対向基板
22 画素電極
31 基板
32 隔壁

Claims (8)

  1. 基板上に隔壁を形成する隔壁形成工程と、前記隔壁の上面に選択的に撥インク性化合物として、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)及び(V)よりなる群から選ばれる少なくとも1種のフッ素含有モノマーを付与する付与工程を含むことを特徴とする撥インク性隔壁の製造方法。
    CH 2 =CR 1 COOR 2 f (I)
    (一般式(I)中、R 1 は水素原子又はメチル基を表し、R 2 は−C p 2p −、−C p 2p CH(OH)C n 2n −、−C(C p 2p+1 )H−、−CH 2 C(C p 2p+1 )H−又は−CH 2 CH 2 O−を表し、R f は−C n 2n+1 、−(CF 2 n H、−(CF 2 p OC n 2n i 2i+1 、−(CF 2 p OC m 2m i 2i H、−N(C p 2p+1 )COC n 2n+1 又は−N(C p 2p+1 )SO 2 n 2n+1 表す。但し、pは1〜10、nは1〜16、mは0〜10、iは0〜16の整数である。)
    CF 2 =CFOR g (II)
    (一般式(II)中、R g は炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を表す。)
    CH 2 =CHR g (III)
    (一般式(III)中、R g は炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を表す。)
    CH 2 =CR 3 COOR 5 j 6 OCOCR 4 =CH 2 (IV)
    (一般式(IV)中、R 3 及びR 4 は各々独立に水素原子又はメチル基を表し、R 5 及びR 6 は各々独立に−C q 2q −、−C(C q 2q+1 )H−、−CH 2 C(C q 2q+1 )H−又は−CH 2 CH 2 O−を表し、R j は−C t 2t −を表す。但し、qは1〜10、tは1〜16の整数である。)
    CH 2 =CR 7 COOCH 2 CH(CH 2 k )OCOCR 8 =CH 2 (V)
    (一般式(V)中、R 7 及びR 8 は各々独立に水素原子又はメチル基を表し、R k は−C y 2y+1 を表す。但し、yは1〜16の整数である。)
  2. 前記撥インク性化合物が感光する波長を含む光で露光する露光工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の撥インク性隔壁の製造方法。
  3. 前記撥インク性化合物をインクジェット方式により、前記隔壁の上面に付与することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撥インク性隔壁の製造方法。
  4. 前記撥インク性化合物をグラビアコーターにより、前記隔壁の上面に付与することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撥インク性隔壁の製造方法。
  5. 請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の撥インク性隔壁の製造方法により製造された撥インク性隔壁。
  6. 請求項に記載の撥インク性隔壁を有する基板における前記撥インク性隔壁の間隙に、着色液体組成物からなる液滴をインクジェット方式で付与する工程を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  7. 請求項に記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタ。
  8. 請求項に記載のカラーフィルタを有する表示装置。
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