JP2008139355A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クリーナーレスの画像形成装置において、コストアップすることなく、コロナ生成物が像担持体の表面に付着することを抑制可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】複数の画像形成ユニット1のうち、一部の画像形成ユニットを用いて画像形成を行う場合、画像形成を行わないユニットの像担持体2を中間転写体16もしくは記録材担持体8とともに回転させるとともに、電荷付与手段6bに研磨粒子と逆極性の電圧を印加する。
【選択図】図2

Description

本発明は、像担持体に形成された静電像を現像するとともに像担持体上の残トナーを回収する現像手段を有するクリーナーレスの画像形成装置に関する。例えば、静電記録方式や電子写真方式を利用した複写機やレーザービームプリンタなどの画像形成装置に関するものである。
一般に、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置は、像担持体である電子写真感光体(感光体)を備えており、帯電装置にて、感光体を所定の極性・電位に一様に帯電処理する(帯電工程)。帯電処理された感光体は、情報書き込み手段としての露光装置により露光され静電潜像を形成する(露光工程)。感光体上に形成された静電潜像は、現像装置が収容した現像剤としてのトナーにより現像剤像(トナー像)として顕像化する(現像工程)。トナー像は、転写装置にて、感光体の表面から紙などの記録材に転写する(転写工程)。転写工程後の感光体上に多少ながら残余するトナー(残留現像剤、転写残トナー)は、クリーニング装置にて除去して感光体面を清掃する(クリーニング工程)。記録材上のトナー像は、定着装置にて定着される(定着工程)。感光体は、繰り返して上記電子写真プロセス(帯電工程・露光工程・現像工程・転写工程・クリーニング工程)が適用されて作像に供される。
転写工程後の感光体上に残余するトナーは、上述のように、クリーニング装置により感光体の表面から除去され、クリーニング装置内に回収されて廃トナーとなる。しかし、環境保全や資源の有効利用などの点から、このような廃トナーが出ないことが望ましい。
そこで、クリーニング装置にて回収されている転写残トナー、所謂、廃トナーを現像装置に戻して再利用する画像形成装置が提案されている。
また、クリーニング装置を廃し、転写工程後の感光体上の転写残トナーを現像装置において「現像同時クリーニング」で感光体上から除去・回収し、再利用するようにしたクリーナーレス方式の画像形成装置が特許文献1で提案されている。
現像同時クリーニングは、転写工程後の感光体上の転写残トナーを、次工程以降の現像工程時に現像装置に回収する。即ち、先ず、転写残トナーが付着した感光体を引き続き帯電、露光して静電潜像を形成する。この静電潜像の現像工程時にかぶり取りバイアス(Vback)によって、感光体表面に残余した転写残トナーのうち、現像されるべきでない部分(非画像部)上に存在する転写残トナーを現像装置に除去・回収する。かぶり取りバイアスとは、現像装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差である「かぶり取り電位差Vback」をいう。
この方式によれば、転写残トナーは、現像装置に回収されて次工程以降の静電潜像の現像に再利用されるため、廃トナーをなくし、又メンテナンス時に手を煩わせることも少なくすることができる。又、クリーナーレスであることから、感光体表面がクリーナーによって研磨されにくくなるので感光体表層膜厚が一定に保たれ、感光体の寿命アップを達成することが出来る。又、クリーナーレスであることから画像形成装置の小型化にも有利である。
上述のような現像同時クリーニングを採用したクリーナーレス方式の画像形成装置において、帯電装置として感光体に当接して感光体表面を帯電処理する接触帯電装置を用いることがある。この場合には、感光体上の転写残トナーが感光体と接触帯電装置との接触ニップ部(帯電部)を通過する際に、転写残トナー中の、特に、帯電極性が正規極性とは逆極性に反転しているトナーが接触帯電装置に付着することがある。これにより、接触帯電装置が許容以上にトナー汚染され、帯電不良の原因となる。
即ち、現像剤としてのトナーには、量的には少ないながら、帯電極性がもともと正規極性とは逆極性に反転しているトナーが混在している。又、帯電極性が正規極性のトナーであっても、転写バイアスや剥離放電などに影響されて帯電極性が反転するものや、除電されて帯電量が少なくなるものもある。
そのため、転写残トナーには帯電極性が正規極性のもの、逆極性の反転トナー、帯電量が少ないものが混在しており、そのうちの反転トナーや帯電量が少ないトナーが感光体と接触帯電装置との接触ニップ部(帯電部)を通過する際に接触帯電装置に付着してしまう。
また、感光体上の転写残トナーを現像同時クリーニングにて除去・回収するためには、次のことが必要である。
つまり、帯電部を通過して現像部に持ち運ばれる感光体上の転写残トナーの帯電極性が正規極性であり、且つ、その帯電量が現像装置によって感光体の静電潜像を現像できるトナーの帯電量であることか必要である。反転トナーや帯電量が適切でないトナーについては、感光体上から現像装置に除去・回収できず、不良画像の原因となってしまう。
接触帯電装置へのトナーの付着を防止するためには、次のことが必要である。
つまり、転写部から帯電部へ持ち運ばれる帯電極性が正規極性のもの、逆極性のもの、帯電量が少ないものが混在している感光体上の転写残トナーを、正規極性へと帯電付与して帯電極性を正規極性に揃えると共に、その帯電量を均一化する必要がある。
そこで、従来、帯電補助手段として、感光体の移動方向において接触帯電装置より上流、且つ、転写手段より下流に位置していて、転写残トナーを帯電するトナー帯電量制御手段を備えている。更に、帯電補助手段として、このトナー帯電量制御手段より上流、且つ、転写手段より下流に位置していて、感光体上の転写残トナーを均一化する転写残トナー均一化手段(残留トナー均一化手段)がある。帯電補助手段は、感光体表面に当接させて設け、これら残留トナー均一化手段、トナー帯電量制御手段に一定の直流電圧を印加することによりこの問題を解決している(例えば、特許文献2、3参照)。
つまり、転写後に感光体上に残留する残留トナーを残留トナー均一化手段で均一化し、その均一化された感光体上の転写残トナーをトナー帯電量制御手段で正規極性に帯電処理する。その後、接触帯電装置で感光体面上を帯電すると同時に、トナー帯電量制御手段で帯電処理した転写残トナーを、現像装置において現像同時クリーニングにて除去・回収するのに適正な帯電量に帯電処理し、現像装置で回収する。
一方、装置内における帯電、転写部材など高圧部材の存在に起因して発生するコロナ生成物が像担持体の表面に付着して異物となり、特に高湿環境化において低抵抗化して、鮮明な静電潜像の形成を妨げ、画質の劣化を招来することが知られている(画像流れ)。このような画像流れを発生させる要因として、コロナ放電時の様々な金属酸化物や酸素化合物の発生とともに、空気中の窒素が酸化され硝酸イオンとなる成分などがある。そして、このようなコロナ生成物が像担持体の表面に付着することにより、感光体表面に薄膜(以下、「フィルミング層」という。)が形成され、高湿環境化において吸湿し、低抵抗化して鮮明な静電潜像の形成を妨げる。これらが画質の劣化を招来する要因となっている。
このような画像流れを防止するためには、感光体にドラムヒータを装着することによって解決される。しかし、ドラムヒータを装着することによってコストが掛かってしまうという問題がある。また、クリーニング装置によって感光体表面を摺擦することによってコロナ生成物を除去する方法が挙げられる。
しかし、上記のクリーナーレスシステムの場合、感光体を摺擦するためのクリーニング装置を用いていないため、放電生成物を除去することは困難であった。
そこで、特許文献4のようなクリーニング装置に研磨粒子を貯めることによって感光体表面の放電生成物を除去する方法を応用することが考えられる。
つまり、上記の帯電補助手段を感光体に接触させ、且つ感光体表面を研磨するための研磨粒子を現像装置内の現像剤中に混入し、現像装置から感光体を経由して、帯電補助手段に研磨粒子を堆積させる。これによって、感光体表面の放電生成物を除去することが考えられる。この研磨粒子は、帯電特性をトナーと逆極性(例えばトナーがネガ帯電性の場合は、研磨粒子はポジ帯電性)にすることによって、研磨粒子は白地部(かぶり取りバイアスVback)で現像され、更にトナーと逆極性のため転写されずに帯電補助手段に捕集される。
画像形成装置の長期放置後で発生する画像流れを防止するために、画像形成装置の電源をオンしたときに感光体の空回転動作を行うことによって、感光体表面に付着している放電生成物を除去することが広く行われている。特に上述のクリーナーレスシステムの場合、帯電補助手段に研磨粒子を堆積させることによって、感光体の空回転中に効果的に放電生成物を除去することが出来る。
一方、近年フルカラー画像形成装置の高速化が要求され、タンデム画像形成方式が用いられている。これは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色毎にドラム状の感光体(即ち、感光ドラム)、帯電装置、露光装置、現像装置を備え、これらを直列に並置し各ユニット毎に画像形成を行うものである。このタンデム画像形成方式を用いることによって4色を同時に画像形成することが可能なため、画像出力の高速化を達成することができる。
上述のようなタンデム画像形成方式は、例えば単色画像形成時などにおいて、画像形成を行うユニットと画像形成を行わないユニットが発生することがある。
このとき画像形成を行わないユニットは、感光ドラムと転写装置を離間して感光ドラムの駆動を止め、画像形成を行うユニットのみ感光ドラムと転写装置を当接させることが広く行われてきている。
しかしこれは、転写装置の感光ドラムへの当接と離間を制御するために非常に複雑な着脱機構を設ける必要があったため、コスト面、装置の小型化などにおいて、実使用範囲が非常に限られていた。更に転写装置の着脱を行うときに画像形成装置のダウンタイムが発生するため、生産性の低下を引き起こしていた。
そこで、単色画像形成時などにおいて画像形成を行うユニットと画像形成を行わないユニットが発生した場合においては、次のことが行われている。つまり、画像形成を行わないユニットの感光ドラムを通常の画像形成時と同様に転写装置に当接させた状態で、感光ドラムを空回転させることが行われてきている。この方法を用いることによって上述のような転写装置の着脱機構を設ける必要がないため、画像形成装置の小型化、低コスト化、更には高生産性を達成することができる。
また、転写装置の着脱機構を設けず、画像形成を行わないユニットに関してはベタ白画像形成状態にすることも考えられる。しかし、これは帯電による感光ドラムの放電劣化や現像装置内の現像剤劣化、更には「かぶり取りバイアスVback」電位が過剰に掛かり続けるために現像装置内の研磨粒子の枯渇が発生してしまうため、実用的ではない。
特開2004−117960号公報 特開2001−215798号公報 特開2001−215799号公報 特開2000−47545号公報
従来、クリーナーレスの画像形成装置では、ドラムを研磨するクリーニング手段がないため、コロナ生成物が像担持体の表面に付着することにより、高湿環境化において吸湿し、低抵抗化して鮮明な静電潜像の形成を妨げる。
そこで、本発明の目的は、クリーナーレスの画像形成装置において、コストアップすることなく、コロナ生成物が像担持体の表面に付着することを抑制可能な画像形成装置を提供することである。
本発明の別の目的は、電荷付与手段に研磨粒子を担持させて摺擦可能な画像形成装置において、像担持体を空回転した場合においても、電荷付与手段から研磨粒子が枯渇することを防止することのできる画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。本発明の一態様によると、
複数の画像形成ユニットを備え、前記画像形成ユニットは、
トナー像を担持する像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、
前記帯電手段により帯電された前記像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
トナーと前記トナーと帯電極性が逆極性で前記像担持体を研磨する研磨粒子と、を含む現像剤にて該静電潜像を現像する現像手段と、
前記像担持体上に形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、
前記現像手段から供給される研磨粒子を表面に担持するとともに、前記研磨粒子を前記転写手段にて転写されずに前記像担持体上に残ったトナーに接触させて電荷を付与する電荷付与手段と、
前記複数の画像形成ユニットの各像担持体とそれぞれ接触して配置され、各像担持体からのトナー像が転写される中間転写体、もしくは前記複数の画像形成ユニットの各像担持体とそれぞれ接触して配置され、記録材を前記各像担持体の転写位置に担持搬送する記録材担持体と、を有する画像形成装置において、
前記複数の画像形成ユニットのうち、一部の画像形成ユニットを用いて画像形成を行う場合、画像形成を行わないユニットの像担持体を前記中間転写体もしくは前記記録材担持体とともに回転させるとともに、前記電荷付与手段に前記研磨粒子と逆極性の電圧を印加することを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明の他の態様によると、
トナー像を担持する像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、
前記帯電手段により帯電された前記像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
トナーと前記トナーと帯電極性が逆極性で前記像担持体を研磨する研磨粒子と、を含む現像剤にて該静電潜像を現像する現像手段と、
前記像担持体上に形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、
前記現像手段から供給される研磨粒子を表面に担持するとともに、前記研磨粒子を前記転写手段にて転写されずに前記像担持体上に残ったトナーに接触させて電荷を付与する電荷付与手段と、を有する画像形成装置において、
非画像形成中において、前記現像手段から前記電荷付与手段へ研磨粒子の供給動作を行うとともに、前記電荷付与手段に前記研磨粒子と逆極性の電圧を印加させて前記像担持体を空回転させるモードを実行する実行手段を有することを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明によれば、クリーナーレスの画像形成装置において、コストアップすることなく、コロナ生成物が像担持体の表面に付着することを抑制可能な画像形成装置を提供することができる。
又、本発明によれば、電荷付与手段に研磨粒子を担持させて摺擦可能な画像形成装置において、像担持体を空回転した場合においても、電荷付与手段から研磨粒子が枯渇することを防止することのできる画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
次に、本発明に係る画像形成装置の一実施例について説明する。先ず、本実施例の画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。
(画像形成装置の全体構成及び動作)
図1は、本実施例の画像形成装置100の概略構成図である。画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色に対応して設けられ4つの画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Bkを有する電子写真方式のフルカラープリンタである。本実施例にて、画像形成装置100は、画像形成装置本体に接続された原稿読み取り装置又は画像形成装置本体に対し通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器からの画像信号に応じて、4色フルカラー画像を記録材上に形成することができる。記録材としては、記録用紙、プラスチックフィルム、布等がある。
各画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Bkにて像担持体としての電子写真感光体2Y、2M、2C、2Bk上に形成されたトナー像を、転写媒体である中間転写体としての中間転写ベルト16上へ転写する。続いて、中間転写ベルト16上のトナー像を、記録材担持体としての搬送ベルト8により担持搬送される記録材P上に転写する構成となっている。
尚、本実施例では、画像形成装置100が備える4つの画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Bkは、現像色が異なることを除いて実質的に同一の構成を有する。従って、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの画像形成ユニットに属する要素であることを表すために符号に付した添え字Y、M、C、Bkは省略し、総括的に説明する。
画像形成ユニット1には、像担持体として円筒型の電子写真感光体、即ち、感光ドラム2が配設されている。感光ドラム2は、図中矢印方向に回転駆動される。
感光ドラム2の周囲には帯電手段としての帯電ローラ3と、現像手段としての現像装置4、転写手段としての一次転写ローラ5と、帯電補助手段としての帯電補助装置6が配置されている。
感光ドラム2の図中上方には、露光手段(潜像形成手段)としてのレーザースキャナ(露光装置)7が配置されている。又、各画像形成ユニット1の感光ドラム2と対向して中間転写ベルト16が配置されている。中間転写ベルト16は、駆動ローラ9、二次転写対向ローラ10、従動ローラ12に張設され、駆動ローラ9の駆動により図中矢印方向に周回移動し、トナー像を記録材Pとの当接部(二次転写位置)へと搬送する。中間転写ベルト16の下方には、記録材Pを担持し搬送する搬送ベルト8が配置される。搬送ベルト8は、二次転写対向ローラ10に対向配置された二次転写ローラ15と、支持ローラ17との間に張設され、図中矢印方向に周回移動される。中間転写ベルト16から記録材Pへトナー像を転写した後、続いて、定着装置13によってトナー像が記録材Pへ熱定着される。
次に、4色フルカラーの画像形成時について説明する。
先ず、画像形成動作が開始すると、回転する感光ドラム2の表面が帯電ローラ3によって一様に帯電される。このとき、帯電ローラ3には、帯電バイアス電源S1より帯電バイアスが印加される。次いで、感光ドラム2は、露光装置7から発せられる画像信号に対応したレーザ光により露光される。これにより、感光ドラム2上に画像信号に応じた静電像(潜像)が形成される。感光ドラム2上の静電像は、現像装置4内に収容されたトナーによって顕像化され、可視像となる。本実施例では、レーザ光により露光した明部電位にトナーを付着させる反転現像方式を用いる。
現像装置4により、感光ドラム2上にトナー像を形成し、中間転写ベルト16上にトナー像を一次転写する。一次転写後に感光ドラム2表面に残ったトナー(転写残トナー)は、補助帯電装置6を通過した後、再び現像装置4内へ回収される。
上記動作をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックで順次行い、中間転写ベルト16上で4色のトナー像を重ね合わせる。その後、トナー像の形成タイミングに合わせて記録材収納カセット(図示せず)に収容された記録材Pが供給ローラ14、搬送ベルト8により二次転写位置へと搬送される。そして、二次転写ローラ15に二次転写バイアスを印加することにより、中間転写ベルト16上の4色のトナー像を、搬送ベルト8上に担持されている記録材P上に一括で二次転写する。
次いで、記録材Pは搬送ベルト8から分離され、定着手段としての定着装置13に搬送される。この定着装置13によって、加熱、加圧されることで、記録材P上のトナーは溶融、混合されて、フルカラーの永久画像となる。その後、記録材Pは機外に排出される。
又、二次転写ローラ15が配置された二次転写部で転写しきれずに中間転写ベルト16に残留したトナーは、中間転写ベルトクリーナー18により除去される。これにより、一連の動作が終了する。
尚、所望の画像形成ユニットのみを用いて、所望の色の単色又は複数色の画像を形成することも可能である。
(画像形成ユニットの動作)
次に、図2を参照して画像形成ユニット1における動作を詳細に説明する。
本実施例において、感光ドラム2は、帯電特性が負帯電性の有機光導電体(OPC)であり、外径30mm、中心支軸を中心に矢示の反時計方向に回転駆動される。
感光ドラム2表面を一様に帯電処理する帯電手段として、接触帯電装置(接触帯電器)3を有する。本実施例において、接触帯電装置3は、帯電ローラ(ローラ帯電器)であり、感光ドラム2との間の微小ギャップにて生じる放電現象を利用して帯電する。帯電ローラ3には、電源S1より所定の条件の帯電バイアス電圧が印加される。これにより、回転する感光ドラム2表面は、所定の極性、電位に接触帯電処理される。本実施例において、帯電ローラ3に対する帯電バイアス電圧は、直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。より具体的には、−500Vの直流電圧と、周波数1.3kHz、ピーク間電圧Vpp1.5kV、正弦波の交流電圧とを重畳した振動電圧である。この帯電バイアス電圧により、感光ドラム2表面は帯電ローラ3に印加した直流電圧と同じ−500V(暗電位Vd)に一様に接触帯電処理される。
本実施例においては、現像装置4は、トナーとキャリアを含む二成分現像剤による磁気ブラシを、感光ドラム2に接触させながら現像を行う二成分接触現像方式を採用した現像装置である。
現像装置4は、現像容器4a、現像剤担持体としての非磁性の現像スリーブ4bを備えている。現像スリーブ4bは、その外周面の一部を現像装置4の外部に露呈させて、現像容器4a内に回転可能に配置してある。現像スリーブ4b内には、非回転に固定してマグネットローラ4cが挿設されている。現像容器4aは、二成分現像剤を収容しており、現像容器4a内の底部側には現像剤攪拌部材4dが配設されている。又、補給用トナーがトナーホッパー4eに収容されている。
現像容器4a内の二成分現像剤は、主に非磁性トナーと磁性キャリアとの混合物であり、現像剤攪拌部材4cにより攪拌される。本実施例において、トナーは、結着樹脂、着色剤、そして必要に応じてその他の添加剤を含む着色樹脂粒子を有している。トナーは、重合法により製造した負帯電性のポリエステル系樹脂であり、体積平均粒径は5μm以上8μm以下が好ましい。本実施例では6.2μmであった。トナーは磁性キャリアとの摺擦により負極性に摩擦帯電される。
キャリアは、例えば、表面酸化或いは未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類等の金属、及びそれらの合金、又は酸化物フェライトなどが好適に使用可能である。これらの磁性粒子の製造法は特に制限されない。そして、キャリアは、重量平均粒径が20〜50μm、好ましくは30〜40μmであり、抵抗率が107Ω・cm以上、好ましくは108Ω・cm以上である。本実施例では108Ω・cmのものを用いた。
本実施例では、低比重磁性キャリアとして、フェノール系のバインダー樹脂に磁性金属酸化物及び非磁性金属酸化物と所定の比で混合し、重合法により製造した樹脂磁性キャリアを使用した。体積平均粒径は35μm、真密度は3.6〜3.7g/cm3、磁化量は53A・m2/kgである。
現像スリーブ4bは、感光ドラム2との最近接距離(S−Dgap)を350μmに保持して感光ドラム2に近接対向配設される。この感光ドラム2と現像スリーブ4bとの対向部が現像部Aである。現像スリーブ4bは、現像部Aにおいて感光ドラム2の進行方向とは逆方向に回転駆動される。現像スリーブ4b内のマブネットローラ4cの磁力により、現像容器4a内の二成分現像剤の一部が現像スリーブ4bの外周面に磁気ブラシ層として吸着保持される。この磁気ブラシ層は、現像スリーブ4bの回転に伴い回転搬送され、現像部Aにおいて感光ドラム2の面に対して接触して感光ドラム面を適度に摺擦する。
現像スリーブ4bには、電源S2から所定の現像バイアスが印加される。本実施例において、現像スリーブ4bに対する現像バイアス電圧は、直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。より具体的には、−350Vの直流電圧と、周波数8.0kHz、ピーク間電圧1.8kV、矩形波の交流電圧とを重畳した振動電圧である。
そして、回転する現像スリーブ4bの面に薄層としてコーティングされ、現像部Aに搬送された現像剤中のトナーが、現像バイアスによる電界によって感光ドラム2の表面に静電潜像に対応して選択的に付着し、静電潜像がトナー像として現像される。現像部Aを通過した現像スリーブ4b上の現像剤薄層は、引き続く現像スリーブ4bの回転に伴い現像容器4a内の現像剤溜り部に戻される。
現像容器4a内の二成分現像剤のトナー濃度を、略一定の範囲内に維持するために、現像容器4a内の二成分現像剤のトナー濃度を、例えば、図示しない光学式トナー濃度センサによって検知する。そして、その検知情報に応じてトナーホッパー4e内に配置されている図示しないトナー補給スクリューの回転動作を制御するによって、現像容器4a内の二成分現像剤にトナーが補給される。二成分現像剤に補給されたトナーは、攪拌部材4dにより攪拌される。
本実施例において、転写手段として中間転写ベルト16を有する。本実施例においては、一次転写装置5は転写ローラである。一次転写ローラ5は、転写部Tにて感光ドラム2に所定の押圧力をもって圧接されている。一次転写ローラ5には電源S3からトナーの正規帯電極性である負極性とは逆極性である正極性の転写バイアス、本実施例では+2kVが印加される。これにより、中間転写ベルト16の表面に感光ドラム2の表面側のトナー像が順次に静電転写されていく。
本実施例においては、クリーナーレスシステムを採用しており、中間転写ベルト16に対するトナー像転写後の感光ドラム2の表面に若干量残留する転写残トナー(残留トナー)を除去する専用のクリーニング装置を具備していない。
転写後の感光ドラム2面上の転写残トナーは、引き続く感光ドラム2の回転に伴い帯電部C、露光部Eを通って現像部Aに搬送されて、現像装置4により現像同時クリーニングにて除去・回収される(クリーナーレスシステム)。
本実施例において、現像装置4の現像スリーブ4bは、上述のように現像部Aにおいて感光ドラム2の表面の進行方向とは逆方向に回転させている。このような現像スリーブ4bの回転は、感光ドラム2上の転写残トナーの回収に有利である。
感光ドラム2上の転写残トナーは、露光部Eを通るので、露光工程はその転写残トナー上からなされる。通常は、転写残トナーの量は少ないため、転写残トナー上から露光工程を行うことによる大きな影響は現れない。但し、上述したように、転写残トナーには帯電極性が正規極性のもの、逆極性のもの(反転トナー)、帯電量が少ないものが混在している。その内の反転トナーや帯電量が少ないトナーが、帯電部Cを通過する際に帯電ローラ3に付着すると、帯電ローラ3が許容以上にトナーにより汚染してしまい帯電不良を生じることがある。
又、感光ドラム2上の転写残トナーを、現像装置4により現像動作と同時に効果的に除去、回収するためには転写残トナーの帯電量が重要な因子となってくる。即ち、現像部Aに持ち運ばれる感光ドラム2上の転写残トナーは、その帯電極性が正規極性であり、且つ、その帯電量が現像装置4によって感光ドラム2の静電潜像を現像できるトナーの帯電量であることが好ましい。転写残トナーの帯電極性が反転している場合や帯電量が適切でない場合には、感光ドラム2上から現像装置4に除去、回収できず、不良画像の原因となる。
そこで、本発明によると、転写手段(転写ローラ)5が設けられた転写部Tよりも感光ドラム2の回転方向下流側で、且つ、帯電手段(帯電ローラ)3が設けられた帯電部Cの上流側に帯電補助装置6が設けられている。
本実施例によると、帯電補助装置6は、第1の帯電補助手段として、感光ドラム2上の転写残トナーを均一化(即ち、除電)するための、残留トナー均一化手段(残留現像剤像均一化手段)6aを備えている。更に、本実施例では、第2の帯電補助手段(トナーに電荷を付与する電荷付与手段)としてのトナー帯電量制御手段(現像剤帯電量制御手段)6bが設けられている。トナー帯電量制御手段(現像剤帯電量制御手段)6bは、前記残留トナー均一化手段6aよりも感光ドラム2の回転方向下流側で、且つ、帯電部Cよりも感光ドラム2の回転方向上流側の位置に設けられている。このトナー帯電量制御手段6bは、転写残トナーの帯電極性を正規極性である負極性に揃える作用をなす。
一般的に、転写されずに感光ドラム2上に残留した転写残トナーは、反転トナーや帯電量が適切でないトナーが混在している。そこで、残留トナー均一化手段6aにより一度転写残トナーを除電し、次いでトナー帯電量制御手段6bで再度転写残トナーを正規極性に帯電処理する。これにより、帯電ローラ3への転写残トナーの付着防止を効果的に成すと共に、現像装置4での転写残トナーの除去、回収を完全に行うことができる。そのため、転写残トナー像パターンのゴースト像の発生も有効に防止される。
本実施例では、残留トナー均一化手段6a及びトナー帯電量制御手段6bは、適度の導電性を持ったブラシ状部材であり、ブラシ部を感光ドラム2の表面に接触させて配設されている。それぞれ残留トナー均一化手段6aと感光ドラム2の表面との接触部、トナー帯電量制御手段6bと感光ドラム2の表面との接触部を形成している。残留トナー均一化手段6aには、電源S4より正極性の直流電圧が印加されており、トナー帯電量制御手段6bには、電源S5より負極性の直流電圧が印加される。それぞれに印加される直流電圧の大きさは、装置内に設置した温湿度センサSにより検知した温度及び相対湿度より計算される絶対水分量により、図3(a)、(b)に示すごとく変化させている。例えば、温度23℃、絶対水分量10.5g/m3の環境下においては、残留トナー均一化手段6aには+250V、トナー帯電量制御手段6bには−750Vの直流電圧がそれぞれ印加される。
転写部Tにおいて、中間転写ベルト16へのトナー像の転写後に感光ドラム2上に残留する転写残トナーは、残留トナー均一化手段6aと感光ドラム2との接触部に至り、残留トナー均一化手段6aによりその電荷量が0μC/g近傍で均一化される。
更に、残留トナー均一化手段6aで均一化された感光ドラム2の表面上の転写残トナーは、トナー帯電量制御手段6bと感光ドラム2との接触部に至り、トナー帯電量制御手段6bにより、その帯電極性が正規極性である負極性に揃えられる。転写残トナーの帯電極性を正規極性である負極性に揃えることにより、転写残トナーが帯電ローラ3へ付着するのを防止することができる。つまり、帯電ローラ3と感光ドラム2との接触部(帯電部C)で転写残トナーの上から感光ドラム2の表面上を帯電処理する際に、転写残トナーの感光ドラム2への鏡映力を大きくし、転写残トナーが帯電ローラ3へ付着するのを防止する。この為にトナー帯電量制御手段6bにより転写残トナーに与える帯電量は、現像時のトナー帯電量と比較すると約2倍以上であるのが好ましく、温度23℃、絶対水分量10.5g/m3の環境下では凡そ−50μC/gである。
第1及び第2帯電補助手段6a、6bにて構成される帯電補助装置6には、図示しないレシプロ機構が作動的に連結されていて、感光ドラム2の駆動とレシプロ機構の駆動が同一駆動となっている。このレシプロ機構によって各帯電補助手段6a、6bを主走査方向(感光ドラム2の回転軸線方向)に揺動させる。これによって、感光ドラム上の転写残トナーや、後に説明する研磨粒子を効率よくトナー帯電量制御手段6bに捕集することが出来る。
(転写残トナーの回収)
次に、現像工程における転写残トナーの回収について説明する。
現像装置4は、上述のように、現像と同時に転写残トナーを回収、清掃する。感光ドラム2上の静電潜像の現像に使用されるトナー帯電量(平均値)は、温度23℃、絶対水分量10.5g/m3の環境下においては凡そ−25μC/gである。感光ドラム2上の転写残トナーが現像装置4に十分に回収されるためには、現像装置4に到達する転写残トナーの帯電量が−15μC/g〜−35μC/gの範囲であることが好ましい。
しかし、上述のように、帯電ローラ3へのトナー付着を防止するためにトナー帯電量制御手段6bによって、−50μC/gと負極性に大きく帯電された転写残トナーは、現像装置4において回収させるためには除電を行う必要がある。
ここで、帯電ローラ3には感光ドラム2表面を帯電処理するために、交流電圧(周波数1.3kHz、ピーク間電圧Vpp=1.5kV)が印加されている。この時、帯電ローラ3が感光ドラム2表面を帯電処理すると同時に、感光ドラム2上の転写残トナーが交流除電される。斯かる交流電圧条件において、凡そ−50μC/gであった転写残トナーの帯電量は、帯電部Cの通過後におよそ−30μC/gとなる。これにより、現像工程において、感光ドラム2上のトナーが付着されるべきではない部分(非画像部)に付着した転写残トナーは、現像装置4に回収される。
かくして、
(i)感光ドラム2の回動に伴って転写部Tから帯電部Cへ搬送される転写残トナーの電荷量を、トナー帯電量制御手段6bで正規極性である負極性に揃えて帯電処理して転写残トナーの帯電ローラ3への付着を防止し、
(ii)帯電ローラ3で感光ドラム2を所定の電位に帯電すると同時に、トナー帯電量制御手段6bで正規極性である負極性に帯電処理された転写残トナーの帯電量を、現像装置4で感光ドラム2上の静電潜像を現像するのと同程度の帯電量に制御する。
これにより、現像装置4での転写残トナーの回収が効率的に行われる。
上述のようなクリーナーレスシステム、特に現像同時クリーニング方式によれば、従来一般に用いられているようなクリーニング装置を特別に設ける必要がない。また、廃トナーを出さずに再利用することができ、メンテナンスの煩わしさ、装置の小型化に大きく貢献するばかりでなく、環境保全や資源の有効利用などの点で好ましい。
また、本実施例においては、現像装置内の現像剤中、及び、補給トナー中に、トナーと逆極性に帯電する性質の研磨粒子を含有している。本実施例ではトナーが負帯電極性であり、研磨粒子は正帯電極性を示すチタン酸ストロンチウムを用いている。
本実施例で用いているチタン酸ストロンチウムを具体的に説明すると、一次粒子の平均粒径が30nm以上300nm以下の範囲にあるもので、立方体状または直方体状の粒子形状をしていて、且つぺロブスカイト型結晶構造を成している。このようなチタン酸ストロンチウムを用いた場合、例えばクリーナーブレードのように感光ドラムを強力に摺擦する部材を有していない画像形成装置においても、放電生成物を効果的に除去することができる。本実施例では、研磨粒子の添加量はトナーに対して0.1〜6.0重量%、通常、0.2重量%としている。
上述のように、研磨粒子をトナーと逆極性に帯電させることによって、中間転写ベルト16上に転写される研磨粒子量を極力減らし、安定して研磨粒子を帯電補助装置6に供給することができる。研磨粒子は、現像剤中に遊離していて、主に現像装置−感光ドラム間におけるかぶり取りバイアス(Vback電位)が発生したときに、現像スリーブ4bから感光ドラム2上に供給される。そして、研磨粒子は転写位置Tを通過後に帯電補助装置6に付着する。
本実施例においては、研磨粒子が正極性のものを用いているので、研磨粒子はトナー帯電量制御手段6bにより多く貯まる。本実施例では上記かぶり取りバイアス(Vback電位)は150Vである。
図4に、通常画像形成時におけるタイミングチャートを示した。
本実施例において、単色画像形成時などにおいて画像形成を行うユニットと画像形成を行わないユニットが発生した場合においては、次のことが行われている。
つまり、画像形成を行わないユニットの感光ドラムを通常の画像形成時と同様に転写装置(中間転写体)に当接させた状態で、感光ドラムを空回転する。この方法を用いることによって転写装置の着脱機構などを設ける必要がないため、画像形成装置の小型化、低コスト化、更には高生産性を達成することができる。
ここで、上記構成を採用している画像形成装置において発生した問題を説明する。
本実施例において、ブラック単色画像形成を連続して行った場合、イエロー、マゼンタ、シアンの感光ドラムのみが空回転することによって、次の問題が発生した。
つまり、帯電補助装置6に付着していた研磨粒子が回転する感光ドラムとの摺擦によって引き剥がれ、帯電補助装置6に付着している研磨粒子が枯渇してしまう。その結果、気温23℃、湿度70%の環境下で、ブラック単色画像形成を連続して1000枚行った場合、イエロー、マゼンタ、シアンの画像形成ユニットにおいて、帯電補助装置6に付着している研磨粒子が不足してしまった。そのため、その後の画像形成においてイエロー、マゼンタ、シアンにおいて画像流れが発生してしまった。
そこで、本実施例では、画像形成を行わない画像形成ユニットにおいては、感光ドラムと帯電補助手段との間に所定の電位差を形成することによって、帯電補助手段に付着する研磨粒子量が制御される。即ち、単色画像形成時に、画像形成を行わない他色の画像形成ユニットの帯電補助手段、即ち、トナー帯電量制御手段6bに研磨粒子と逆極性のバイアス(本実施例ではネガ極性のバイアス)を印加する。これによって、研磨粒子を保持するための電位差が形成され、ブラック単色画像形成を連続して行った場合においても他色のユニットの帯電補助手段6bに付着している研磨粒子が剥がれることを防止できる。そして、常に安定した量の研磨粒子を帯電補助手段6bに付着させることができた。
以下に、図5、表1を用いて詳細を述べる。
図5にブラック単色画像形成時におけるイエロー、マゼンタ、シアンのタイミングチャートを示した。画像形成装置がブラック単色画像形成を行う場合、画像形成を行わないイエロー、マゼンタ、シアンそれぞれのユニットの感光ドラムを空回転させる。このとき、感光ドラムが回転している間は帯電補助手段6のトナー帯電量制御手段6bに研磨粒子と逆極性(本実施例ではネガ極性)の直流電圧を印加することとした。
表1は、気温23℃、湿度70%の環境下において、ブラック単色連続1000枚出力後におけるトナー帯電量制御手段6bに印加する電圧と、そのときの研磨粒子の減少率を示した表である。プロセススピードは100mm/sec、150mm/sec、200mm/sec、250mm/secでそれぞれ行っている。
Figure 2008139355
表1より、プロセススピードがおよそ100〜250mm/secの範囲においては、トナー帯電量制御手段6bに−150Vの電圧を印加することによって以下の効果を得ることができる。即ち、ブラック単色画像形成を連続して1000枚行った場合においても、トナー帯電量制御手段6bに付着している研磨粒子量は殆ど変化せず、その後の画像形成においても画像流れは発生しなかった。
尚、トナー帯電量制御手段6bに印加する電圧は、放電が開始する電圧以下にすることが望ましい。何故なら放電が発生してしまうと放電生成物が発生し感光ドラムに付着してしまうためである。
このように、本実施例によれば、単色画像形成時において、画像形成を行っていない他色のユニットの帯電補助手段、即ち、トナー帯電量制御手段6bに、研磨粒子と逆極性の電圧を印加する。これによって、帯電補助手段6bに付着する研磨粒子量が制御される。そのため、画像形成が行われず長期にわたって感光ドラムを空回転した場合においても、帯電補助装置6から研磨粒子が枯渇することを防止し、常に安定した量の研磨粒子を帯電補助装置6に付着させることができた。そして、その後の画像形成において画像流れが発生しない画像形成装置を提供することが出来た。
尚、本実施例においては、ブラック単色画像形成時に、画像形成を行わないイエロー、マゼンタ、シアンそれぞれの画像形成ユニットの感光ドラムが空回転している間は帯電補助手段6bに研磨粒子と逆極性の電圧を印加することとしている。しかし、これに限定されるものではなく、ブラック以外の単色で画像形成を行う場合、または複数色の画像形成ユニットで画像形成を行う場合においても、同様に構成することができる。つまり、この場合にも、画像形成を行わない画像形成ユニットにおいて感光ドラムが回転している間は帯電補助手段6bに研磨粒子と逆極性の電圧を印加することは有用である。
また、本実施例ではトナー帯電量制御手段6bに−150Vの電圧を印加しているがこれに限定されるものではない。上述のように、トナー帯電量制御手段6bと感光ドラム2の間の電位差が、放電が開始する電位差以下であれば本実施例と同様の効果が得られることは言うまでもない。
実施例2
次に、実施例2について説明する。
尚、本実施例における画像形成装置及び画像形成プロセスは、前述した実施例1とほぼ同一であるため、実施例1の記載を援用し、重複する説明は適宜省略する。
実施例1においては、単色画像形成時などにおいて、画像形成を行っていない他色の画像形成ユニットの帯電補助手段、即ち、トナー帯電量制御手段6bに研磨粒子と逆極性のバイアスを印加する構成とした。この構成によって、画像形成が行われず長期にわたって感光ドラムを空回転した場合においても、帯電補助装置6から研磨粒子が枯渇することを防止し、常に安定した量の研磨粒子を帯電補助装置6に付着させることができた。
本実施例では、画像形成装置の電源をオンしたときに行う感光ドラムの空回転動作を行うときに、帯電補助手段のトナー帯電量制御手段6bに研磨粒子と逆極性のバイアスを印加することとした。以下に詳細を述べる。
画像形成装置の長期放置後で発生する画像流れを防止するために、画像形成装置の電源をオンしたときに感光ドラムの空回転動作を所定の時間行うことによって、感光ドラム表面に付着している放電生成物を除去することが一般的に広く行われている。本実施例における画像形成装置においても感光ドラムの空回転動作を行っている(本実施例では100秒間)。従って、本実施例では帯電補助装置6に研磨粒子を堆積させることによって、感光ドラムの空回転中に効果的に放電生成物を除去することが出来る。
しかし、画像形成装置の電源をオンする毎に感光ドラムの空回転動作が繰り返し行われるため、回転する感光ドラムとの摺擦によって帯電補助装置6から研磨粒子が徐々に剥がれてしまう。そのために、帯電補助装置6に付着している研磨粒子が枯渇してしまうという問題が発生した。
そこで本実施例では、画像形成装置の電源をオンしたときに行う感光ドラムの空回転動作を行うときに、帯電補助装置6のトナー帯電量制御手段6bに研磨粒子と逆極性のバイアスを印加することとした。
図6に、電源をオン後に行う感光ドラムの空回転動作を行うときのタイミングチャートを示した。
尚、本発明では上記の感光ドラム空回転動作を行うとき(空回転動作中)は、帯電ローラ3に電圧を印加していない。これは非画像形成中などに帯電電圧を余計に印加することによる、感光ドラム2の放電劣化を防止するためである。
本実施例では画像形成装置の電源オン時に、帯電補助装置6のトナー帯電量制御手段6bに−150Vの電圧を印加した状態で、感光ドラム2の空回転を行なうモードを実行する。本実施例では上記モードを実行する実行手段(制御手段)としてのCPU300により100秒間行うこととしている。CPU300は、図2のように、各電源S1〜S5を制御し、ドラムを回転させることで上記モードを実行する。これによって感光ドラム表面に堆積した放電生成物を除去することができ、高湿環境下においても画像流れの発生を抑制することが出来た。更に、感光ドラム2の空回転が繰り返し行われた場合においても、帯電補助手段6bに付着している研磨粒子が剥がれることを防止し、常に画像流れの発生しない安定した画像形成を行うことが出来た。
尚、本実施例においては、画像形成装置の電源をオンしたときに行う感光ドラムの空回転動作を行うときに帯電補助手段6bに研磨粒子と逆極性のバイアスを印加することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、電源をオンした後の、コピージョブ開始時の前回転時、またはコピージョブ終了後の後回転時、更にはコピージョブ中に感光ドラムが空回転するときに帯電補助手段6bに研磨粒子と逆極性のバイアスを印加しても有用である。
実施例3
次に、実施例3について説明する。
尚、本実施例における画像形成装置及び画像形成プロセスは、前述した実施例1、2とほぼ同一であるため、実施例1、2の記載を援用し、重複する説明は適宜省略する。
実施例1、2においては、非画像形成中に感光ドラム2が空回転動作を行う場合、感光ドラム2と帯電補助手段6bとの間に所望の電位差を形成することによって、感光ドラムが空回転動作を行うことによって研磨粒子が剥がれることを防止することとした。
しかし、例えばブラック単色画像形成を長期間行うユーザーなどにおいては、イエロー、マゼンタ、シアンユニットの感光ドラムの空回転動作が長期にわたって行われ、且つイエロー、マゼンタ、シアンユニットでの画像形成が行われない。そのため帯電補助装置6に研磨粒子の供給が行われない。その結果、実施例1、2のような手段を採用した場合においても、帯電補助装置6の研磨粒子が枯渇してしまい、画像流れが発生してしまうことがまれにあった。
そこで本実施例においては、以下のような動作を行なっている。即ち、単色画像形成中の所定タイミングにおいて、非画像形成ユニットの感光ドラム2と帯電補助手段6bの間に所望の電位差を形成させ、且つ非画像形成ユニットの現像装置4から帯電補助装置6への研磨粒子の供給動作を行うこととした。以下に詳細を述べる。
画像形成装置がブラック単色画像形成を行う場合、画像形成を行わないイエロー、マゼンタ、シアンそれぞれの画像形成ユニットの感光ドラム2を空回転させる。このとき、感光ドラム2が回転している間は帯電補助装置6のトナー帯電量制御手段6bに−150Vの電圧を印加することとした。
図7に示したフローチャートに従って説明する。設定されたタイミングにて、本実施例ではブラック単色画像形成の印字枚数が連続してある所定の枚数(本実施例では3000枚)に達した場合、画像形成を行わない画像形成ユニットの帯電ローラ3及び現像スリーブ4bに所定の電圧を印加する。これによって感光ドラム2と現像スリーブ4bとの間に電位差を形成する。本実施例では帯電ローラ3に−400V、現像スリーブ4bに−200Vの電圧をそれぞれ印加している。そして、現像装置4の駆動を30秒間オンにすることによって、感光ドラム−現像スリーブ間の電位差を利用して研磨粒子を現像装置4から吐き出す。吐き出された研磨粒子は帯電補助装置6に捕集される。
図8に、ブラック単色画像形成時におけるイエロー、マゼンタ、シアンのタイミングチャートを示した。本実施例において上記の研磨粒子の供給動作をブラック画像形成中に行っているが、ブラック画像形成終了後の後回転時に行ってもよい。
このように、単色画像形成中において、非画像形成ユニットの感光ドラム2とトナー帯電量制御手段6bの間に所望の電位差を形成し、ある所定のタイミングで非画像形成ユニットの現像装置4から帯電補助手段6bへの研磨粒子の供給動作を行う。この構成によって、画像形成が行われず長期にわたって感光ドラム2を空回転した場合においても、帯電補助装置6から研磨粒子が枯渇することを防止し、常に安定した量の研磨粒子を帯電補助装置6に付着させることができる。それによって、画像流れが発生しない画像形成装置を提供することが出来た。
尚、本実施例においては、ブラック単色画像形成時に画像形成を行わないイエロー、マゼンタ、シアンそれぞれの画像形成ユニットの感光ドラムが空回転している間は、帯電補助手段6bに研磨粒子と逆極性の電圧を印加する。且つ、ある所定のタイミングで非画像形成ユニットの現像装置4から帯電補助手段6bへの研磨粒子の供給動作を行うこととしている。
しかし、これに限定されるものではなく、ブラック以外の単色で画像形成を行う場合、または複数色の画像形成ユニットで画像形成を行う場合においても、同様に行うことができる。つまり、画像形成を行わない画像形成ユニットにおいて感光ドラムが回転している間は帯電補助手段6bに研磨粒子と逆極性の電圧を印加し、且つ所定タイミングで非画像形成ユニットの現像装置4から帯電補助装置6への研磨粒子の供給動作を行っても有用である。
実施例4
次に、実施例4について説明する。
尚、本実施例における画像形成装置及び画像形成プロセスは、前述した実施例1、2、3とほぼ同一であるため、実施例1、2、3の記載を援用し、重複する説明は適宜省略する。
実施例3においては、単色画像形成中において、非画像形成ユニットの感光ドラム2と帯電補助手段6bの間に所望の電位差を形成し、且つ、ある所定のタイミングで非画像形成ユニットの現像装置4から帯電補助手段6bへの研磨粒子の供給動作を行うこととした。
図9に、電源をオン後に行う感光ドラムの空回転動作を行うときのタイミングチャートを示した。
本実施例では、実施例2と同様に画像形成装置の電源オン時に帯電補助装置6のトナー帯電量制御手段6bに、−150Vの電圧を印加した状態で感光ドラム2の空回転を100秒間行うこととした。更に、感光ドラム2の空回転開始とほぼ同時に、現像装置4の現像スリーブ4bに+200の電圧を印加することとした。そして現像装置4の駆動を10秒間オンにすることによって、感光ドラム−現像スリーブ間の電位差を利用して研磨粒子を現像装置から吐き出す。そして吐き出された研磨粒子は帯電補助装置6に捕集される。
これによって画像形成が行われず長期にわたって感光ドラムを空回転した場合においても、帯電補助装置6から研磨粒子が枯渇することを防止し、常に安定した量の研磨粒子を帯電補助装置6、即ち、トナー帯電量制御手段6bに付着させることができた。それによって、画像流れが発生しない画像形成装置を提供することが出来た。
上記各実施例では、本発明は、中間転写方式の画像形成装置に適用されるものであるとして説明したが、本発明の画像形成装置は、これに限定されるものではない。
つまり、本発明は、例えば、図10に概略図示するように、感光ドラム2上のトナー像を転写装置5にて直接、転写媒体、即ち、記録材Pに転写する方式の画像形成装置にも同様に適用することができる。図10の画像形成装置は、中間転写体としての中間転写ベルト16の代わりに、記録材Pを搬送する搬送ベルト8を備えている。この実施例では、中間転写ベルトを備えていない点を除けば、図1、図2に関連して説明した先の実施例の画像形成装置及び画像形成ユニットと同様の構成とされる。従って、同じ構成及び機能を成す部材には同じ参照番号を付し、先の実施例の説明を援用する。図10に示す画像形成装置も、先の実施例の画像形成装置と同様の作用効果を奏し得る。
本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略構成図である。 本発明に係る画像形成装置の画像形成ユニットの詳細構成図で、クリーナーレスシステムを説明するための図である。 図3(a)は残留トナー均一化手段の絶対水分量に対する印加電圧の関係を示す図であり、図3(b)はトナー帯電量制御手段の絶対水分量に対する印加電圧の関係を示す図である。 本発明に係る画像形成装置の通常画像形成時におけるタイミングチャートを示す図である。 本発明の実施例1のブラック単色画像形成時における、イエロー、マゼンタ、シアンのタイミングチャートを示す図である。 本発明の実施例2の電源オン後の感光ドラム空回転動作におけるタイミングチャートを示す図である。 本発明の実施例3における研磨粒子の供給動作を行うか否かを決定するためのフローチャートである。 本発明の実施例3のブラック単色画像形成時における、イエロー、マゼンタ、シアンのタイミングチャートを示す図である。 本発明の実施例4の電源オン後の感光ドラム空回転動作におけるタイミングチャートを示す図である。 本発明に係る画像形成装置の他の実施例の概略構成図である。
符号の説明
1 画像形成ユニット
3 帯電ローラ(帯電手段)
2 感光ドラム(像担持体)
4 現像装置(現像手段)
4b 現像スリーブ(現像剤担持体)
4c マグネットローラ(磁界発生手段)
5 一次転写ローラ(転写手段)
6 帯電補助装置
6a 残留現像剤(トナー)均一化手段(第1の帯電補助手段)
6b 現像剤(トナー)帯電量制御手段(第2の帯電補助手段:電荷付与手段)
8 搬送ベルト(記録材担持体)
16 中間転写ベルト(中間転写体、転写媒体)
P 記録材(転写媒体)

Claims (7)

  1. 複数の画像形成ユニットを備え、前記画像形成ユニットは、
    トナー像を担持する像担持体と、
    前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、
    前記帯電手段により帯電された前記像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
    トナーと前記トナーと帯電極性が逆極性で前記像担持体を研磨する研磨粒子と、を含む現像剤にて該静電潜像を現像する現像手段と、
    前記像担持体上に形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、
    前記現像手段から供給される研磨粒子を表面に担持するとともに、前記研磨粒子を前記転写手段にて転写されずに前記像担持体上に残ったトナーに接触させて電荷を付与する電荷付与手段と、
    前記複数の画像形成ユニットの各像担持体とそれぞれ接触して配置され、各像担持体からのトナー像が転写される中間転写体、もしくは前記複数の画像形成ユニットの各像担持体とそれぞれ接触して配置され、記録材を前記各像担持体の転写位置に担持搬送する記録材担持体と、を有する画像形成装置において、
    前記複数の画像形成ユニットのうち、一部の画像形成ユニットを用いて画像形成を行う場合、画像形成を行わないユニットの像担持体を前記中間転写体もしくは前記記録材担持体とともに回転させるとともに、前記電荷付与手段に前記研磨粒子と逆極性の電圧を印加することを特徴とする画像形成装置。
  2. 画像形成を行わないユニットの前記像担持体と前記電荷付与手段の間に形成される電位差は、前記像担持体と前記電荷付与手段の間に放電が開始する電位差よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記複数の画像形成ユニットのうち、一部の画像形成ユニットを用いて画像形成を行う場合、画像形成を行わないユニットは、前記現像手段から前記電荷付与手段へ研磨粒子の供給動作を行うことを特徴とする請求項1または2いずれかに記載の画像形成装置。
  4. 前記像担持体の空回転動作中は、前記帯電手段を動作させないことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. トナー像を担持する像担持体と、
    前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、
    前記帯電手段により帯電された前記像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
    トナーと前記トナーと帯電極性が逆極性で前記像担持体を研磨する研磨粒子と、を含む現像剤にて該静電潜像を現像する現像手段と、
    前記像担持体上に形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、
    前記現像手段から供給される研磨粒子を表面に担持するとともに、前記研磨粒子を前記転写手段にて転写されずに前記像担持体上に残ったトナーに接触させて電荷を付与する電荷付与手段と、を有する画像形成装置において、
    非画像形成中において、前記現像手段から前記電荷付与手段へ研磨粒子の供給動作を行うとともに、前記電荷付与手段に前記研磨粒子と逆極性の電圧を印加させて前記像担持体を空回転させるモードを実行する実行手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  6. 前記像担持体の空回転動作中は、前記帯電手段を動作させないことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記研磨粒子は、チタン酸ストロンチウムであり、該チタン酸ストロンチウムは、一次粒子の平均粒径が30nm以上300nm以下で、立方体状の粒子形状及び/又は直方体状の粒子形状を有し、且つペロブスカイト型結晶を有する粒子であることを特徴とする請求項4または6いずれかに記載の画像形成装置。
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