JP2008138976A - 煙制御システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】排煙ファン3の電源として二次電池10を付置し、商用電源停止時には、運転中の排煙ファン3を不停止で運転継続可能とする。ここで、排煙ファン3は、交流ファンとして構成することができ、あるいは、直流ファンとして構成することもできる。また、排煙ファン3を煙制御対象区画毎に配置することができ、排煙ファン3の各々に二次電池10を配置することができる。
【選択図】図1
Description
まず、各実施の形態の基本的概念について説明する。各実施の形態に係る煙制御システムは、煙制御対象区画で発生した煙を制御するためのシステムである。ここで、制御対象になる煙は、その発生原因や種類を問わず、火災により発生した煙の他、化学的に発生した有毒ガスを含む。また、「煙制御」とは、対象領域の煙量の増加を、少なくとも当該制御がない状態に比べて抑制することを意味し、その具体的な形態としては、対象領域から煙を吸引することによって当該煙を対象領域の外部に吸引排出すること、及び、対象領域に外気を供給することによって煙を当該対象領域の外部に加圧排出することを含む。下記実施の形態では、排煙ファンによって対象領域から煙を吸引する例について説明する。
次に、本発明に係る各実施の形態の具体的内容について説明する。
まず実施の形態1について説明する。この実施の形態1は、排煙ファンを交流ファンとした形態である。
最初に、本実施の形態1に係る煙制御システムの構造について説明し、次に、この煙制御システムにおける運転制御方法について説明する。図1は、本実施の形態1に係る煙制御システムの全体構成を示す側面図、図2は、煙制御システムの要部の電気的構成を示すブロック図である。図1において、建屋Bは複数のフロアF1、F2から構成されており、各フロアF1、F2は天井Cを境界として煙制御対象スペースS1と天井裏スペースS2とに区画されている。
次に、本実施の形態1に係る運転制御方法について説明し、次に、この煙制御システムにおける運転制御方法について説明する。まず、比較例として、従来の煙制御システムにおける運転制御方法について説明する。図3は、従来の煙制御システムにおける運転制御のフローチャート、図4は、従来の煙制御システムにおける運転制御のタイムチャートである。ここでは、従来の煙制御システムとして、後述する図7に示すような、各フロアを1台の大型排煙ファン103で集中排煙するものであって、非常用電源として非常用発電機106を備えたものを想定する。
次に、本実施の形態1に係る運転制御方法について説明する。図5は、本実施の形態1に係る煙制御システムにおける運転制御のフローチャート、図6は、本実施の形態1に係る煙制御システムにおける運転制御のタイムチャートである。これら図5,6に示すように、本実施の形態1に係るの煙制御システムにおいては、当該煙制御システムに対する起動指令の有無が監視され(ステップSB−1)、起動指令がある迄は(ステップSB−1,No)、商用電源にて二次電池10の充電が行われる(ステップSB−2)。具体的には、図2の切り換えスイッチ23、24が図示しない制御部にて制御され、商用電源がコンバータ回路21に供給される。そして、コンバータ回路21で交流/直流変換された電力が二次電池10に供給され、当該二次電池10が充電される。このため、二次電池10を常時充電状態に維持でき、必要時の二次電力を確保できる。
最後に、図3,4の如き従来の運転制御方法と、図5,6の如き本実施の形態1に係る運転制御方法とが、煙制御対象領域の煙層レベルに対してもたらす影響の相違について説明する。図7は、従来の煙制御システムにおける煙層レベルの変化を概念的に示す側面図、図8は、本実施の形態1に係る煙制御システムにおける煙層レベルの変化を概念的に示す側面図である。ここでは、図7(a),図8(a)に示すように、地震により、火災が発生すると同時に電線が断線して商用電源の供給が停止した場合を想定する。
このように実施の形態1によれば、排煙ファン3は従来よりも小型であるため、定格運転に至る迄の時間が比較的短い。また、従来の集中排煙システムに比べて、排煙口1から排煙ファン3に至る排煙経路が比較的短くなることから、排煙口1から実際に煙が吸引されるまでに時間が短い。従って、排煙ファン3の起動後、制御対象スペースからの排煙が従来よりも迅速に開始される。
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2は、排煙ファンの駆動源を直流モータとした形態であって、二次電池からの電力のみにて排煙ファンを運転可能とした形態である。なお、実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたのと同一の名称又は符号を必要に応じて付して、その説明を省略する。
最初に、本実施の形態2に係る煙制御システムの構造について説明し、次に、この煙制御システムにおける運転制御方法について説明する。図10は、本実施の形態2に係る煙制御システムの要部の電気的構成を示すブロック図である。この図10に示すように、本実施の形態2に係る排煙ファン4は、駆動源として直流モータM2を備える直流ファンとして構成されている。この排煙ファン4には二次電池10が接続されており、この二次電池10にはコンバータ回路21を介して商用電源が接続されている。
次に、本実施の形態2に係る運転制御方法について説明する。図11は、本実施の形態2に係る煙制御システムにおける運転制御のフローチャートである。この図11に示すように、本実施の形態2に係るの煙制御システムにおいては、当該煙制御システムに対する起動指令の有無が監視される(ステップSC−1)。また、この際に、商用電源にて二次電池10の充電が行われる(ステップSC−2)。具体的には、図10に示すように、商用電源がコンバータ回路21に供給され、このコンバータ回路21で交流/直流変換された電力が二次電池10に供給されることにより、当該二次電池10が充電される。このため、二次電池10を常時充電状態に維持でき、必要時の二次電力を確保できる。
このように実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果に加えて、直流モータM2を用いて排煙ファン4を運転できるため、簡易な電源システムを用いて煙制御システムを構築でき、システムの設置コストを低減できる。
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3は、排煙ファンの駆動源を直流モータとした形態であって、商用電源又は二次電池からの電力にて排煙ファンを運転可能とした形態である。なお、実施の形態3の構成は、特記する場合を除いて実施の形態2の構成と略同一であり、実施の形態2の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態2で用いたのと同一の名称又は符号を必要に応じて付して、その説明を省略する。
最初に、本実施の形態3に係る煙制御システムの構造について説明し、次に、この煙制御システムにおける運転制御方法について説明する。図12は、本実施の形態3に係る煙制御システムの要部の電気的構成を示すブロック図である。この図12に示すように、本実施の形態3に係る排煙ファン4は、駆動源として直流モータM2を備える直流ファンとして構成されている。
次に、本実施の形態3に係る運転制御方法について説明する。図13は、本実施の形態3に係る煙制御システムにおける運転制御のフローチャートである。この図13に示すように、本実施の形態3に係るの煙制御システムにおいては、当該煙制御システムに対する起動指令の有無が監視され(ステップSD−1)、起動指令がある迄は(ステップSD−1,No)、商用電源にて二次電池10の充電が行われる(ステップSD−2)。具体的には、図12の切り換えスイッチ23、24が図示しない制御部にて制御されることにより、商用電源がコンバータ回路21に供給され、このコンバータ回路21で交流/直流変換された電力が二次電池10に供給されることにより、当該二次電池10が充電される。このため、二次電池10を常時充電状態に維持でき、必要時の二次電力を確保できる。
このように実施の形態3によれば、実施の形態1と同様に、商用電源供給時には長時間に渡って排煙ファン3を運転でき、排煙設備の信頼性を向上させることができる。さらには、実施の形態2と同様に、直流モータM2を用いて排煙ファン4を運転することで、簡易な電源システムを用いて煙制御システムを構築でき、システムの設置コストを低減できる。
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
上記各実施の形態では、吸引による煙排出(排煙)を行う例について説明したが、加圧による煙排出を行ってもよく、あるいは、両者を組み合わせてもよい。例えば、図14(a)の側面図に示すように、加圧ファン5にて外気を煙制御対象スペースS1に供給することにより、煙制御対象スペースS1の煙を外部に加圧排出してもよい。あるいは、図14(b)の側面図に示すように、加圧ファン5にて外気を付室(又は階段室)S3に供給することにより、付室S3の気圧を高めて当該付室S3への煙の流入を防止し、付室S3を介して人が安全に避難することを可能としてもよい。またこの場合において、排煙ファン3にて煙制御対象スペースS1の煙を外部に吸引排出してもよい。そして、これら図14(a)、(b)に示すシステムにおいても、実施の形態1〜3と同様の構成及び制御により、商用電源又は二次電池10にて加圧ファン5を不停止で運転継続させることができる。
上記各実施の形態においては、主として、商用電源にて排煙ファンを運転し、その後、商用電源が停電した場合に、二次電池の電力にて排煙ファンを継続運転する例について説明した。しかしながら、実際には、地震等により電力供給インフラが被害を受けたり、ビル内の受変電設備が被害を受けたりすることで商用電源がまず停電し、その後に火災が発生して煙制御用ファンの運転指令が出される場合がある。このような場合においても、上記各実施の形態によれば、商用電源停止後に煙制御用ファンの運転指令が出された場合に、二次電池の電源によって排煙ファンを直ちに起動できることが判る。すなわち、実施の形態1の構成では、図5において、ステップSB−1からステップSB−7へ移行して、二次電池の電源によって排煙ファンを直ちに起動する。また、実施の形態2の構成では、図11に示すように、商用電源の有無に関わらず、ステップSC−1からステップSC−3に移行して、二次電池の電源によって排煙ファンを直ちに起動する。あるいは、実施の形態3の構成では、図13において、ステップSD−1からステップSD−7へ移行して、二次電池の電源によって排煙ファンを直ちに起動する。このように、排煙ファンを起動する前に地震等によって商用電源が停止した場合であっても、その後に排煙ファンに運転指令が出されたときには即座に煙制御を開始できる。
前記文書中や図面中で示した各部の構成、数値、又は、手順は、あくまで例示であり、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
F1、F2 フロア
C 天井
S1 制御対象スペース
S1a〜S1d 煙制御対象区画
S2 天井裏スペース
S3 付室(又は階段室)
1 排煙口
2 排煙ダクト
3、4 排煙ファン
5 加圧ファン
M1 交流モータ
M2 直流モータ
10 二次電池
21 コンバータ回路
22 インバータ回路
23、24 切り換えスイッチ
30 電力線
31 受変電設備
Claims (8)
- 煙制御用ファンの電源として二次電池を付置し、
商用電源停止時には、運転中の前記煙制御用ファンを不停止で運転継続可能とすること、
を特徴とする煙制御システム。 - 商用電源停止後に前記煙制御用ファンに運転指令が出されたときには、前記二次電池の電源によって前記煙制御用ファンを直ちに起動可能とすること、
を特徴とする請求項1に記載の煙制御システム。 - 前記煙制御用ファンを交流ファンとし、
商用電源供給時には、商用電源にて前記交流ファンを駆動可能とし、
商用電源停止時には、前記二次電池から出力され直流/交流変換された電力にて前記交流ファンの駆動を可能としたこと、
を特徴とする請求項1又は2に記載の煙制御システム。 - 前記煙制御用ファンを直流ファンとし、
商用電源供給時及び商用電源停止時のいずれの場合においても、前記二次電池にて前記直流ファンの駆動を可能としたこと、
を特徴とする請求項1又は2に記載の煙制御システム。 - 前記煙制御用ファンを直流ファンとし、
商用電源供給時には、商用電源から出力され交流/直流変換された電力にて前記直流ファンの駆動を可能とし、
商用電源停止時には、前記二次電池にて前記直流ファンの駆動を可能としたこと、
を特徴とする請求項1又は2に記載の煙制御システム。 - 前記煙制御用ファンを煙制御対象区画毎に配置したこと、
を特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の煙制御システム。 - 前記煙制御用ファンの各々に前記二次電池を配置したこと、
を特徴とする請求項6に記載の煙制御システム。 - 前記二次電池を、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、電気二重層キャパシタ、又は、NAS電池としたこと、
を特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の煙制御システム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2006327453A JP2008138976A (ja) | 2006-12-04 | 2006-12-04 | 煙制御システム |
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- 2006-12-04 JP JP2006327453A patent/JP2008138976A/ja active Pending
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