JP2008137205A - リフィル - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮気体による加圧手段を有し、塗布液の減少に伴って移動するスライド部材を配置するリフィルにおいて、圧縮空気の圧力低下により塗布液の吐出量が狙いの最適量よりも少なくなってしまうことや塗布液を最後まで使い切れなくなることのないリフィルを提供すること。
【解決手段】前方に塗布先が取り付けられた軸筒(2)と、前記軸筒内前方には塗布液(1)が収容され、前記軸筒後方には塗布液を前方へ付勢し吐出支援させるための圧縮気体(6)が収容されており、また、前記軸筒内塗布液の後方には前記圧縮気体(6)と隔離し、その塗布液の減少に伴って移動するスライド部材(8)が配置されたリフィルにおいて、そのスライド部材(8)を弾性体から構成すると共に、スライド部材(8)の外周をリフィル内面に接触させ、また、スライド部材(8)の後方に液状のフォロワー(9)を配置したリフィル。
【選択図】図1

Description

本発明は、前方に塗布先が取り付けられた軸筒と、前記軸筒内前方には塗布液が収容され、前記軸筒後方には塗布液を前方へ付勢し吐出支援させるため、尾栓により内封された圧縮気体による加圧手段を有しており、前記軸筒内塗布液の後方には内封された圧縮空気とを隔離し、その塗布液の減少に伴って移動するスライド部材を配置するリフィルに関し、その1例としては、ボールペンインキや、糊、修正液、化粧品、塗料、薬剤、補修剤などの塗布液とスライド部材、圧縮気体を内蔵した内部加圧式のリフィルなどが挙げられる。
従来、上記の各種塗布液を用いるリフィルとしては、軸筒内に塗布液を収容し、塗布液後方には逆流防止体を配置させ、軸筒先端には塗布先を配置し、ガスや空気などの圧縮気体を充填したもので軸筒後方の内部空間を加圧した内部圧力により塗布液を前方に付勢し、そして、使用時には、塗布先先端を被塗布物に押しつけて塗布液を吐出させるものが知られている。
特開2002−205485号公報の加圧ガスが充填されたボールペンリフィールなどである。
上記リフィルは、軸筒後方に、加圧ガスなど圧縮気体を充填して内部空間を加圧する内部圧力により、塗布液を前方に付勢し、そして、被塗布物に球状塗布体を押しつけることで前記軸筒内の塗布液を吐出するものである。このときの内圧力や、塗布先内のクリアランスは、塗布具や塗布液の用途に応じ、最適な吐出が得られるよう設定されている。
また、使用時における塗布液の減少に伴い塗布液後方に配置されたフロートが移動することにより塗布液の逆流を防止しているのである。そのフロートは合成樹脂材質から構成されており、具体例としては、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、アミノ樹脂、塩素化ポリエーテル、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート樹脂が挙げられる。
特開2002−205485号公報
ところで、前記リフィルにおけるフロートは、内蔵される塗布液の移動防止を目的とし、製品の熱かけや落下などの衝撃試験により、塗布液が軸筒内で移動したり、外部へ漏れたりすることを防止すること、更には、軸筒内の圧縮気体が塗布先側へ塗布液より先に到達、放出される、いわゆるガス抜けを防ぐ為に配置されるものであり、塗布液の消費に伴って移動、追従するようになっている。
このフロートは、軸筒の内径に対したフロートの外径が小さすぎると軸筒とフロートとのすき間から塗布液が圧縮気体側に流れ出してしまう恐れがあり、一方軸筒の内径に対しフロートの外径が大きいと塗布液の減少に伴うフロートの移動が円滑に行われなくなってしまう恐れがあり、前述の公報のように、軸筒内径とフロート外径を、ある条件を満たす様に成されたことを特徴とする旨が開示されている。
ところで、前述の構成では、軸筒とフロートにはすき間があるため、軸筒内面にある塗布液の減少に伴いフロートが移動する際、軸筒内面に付着した塗布液を掻き取ることができなくなっている。本仕様のようなリフィルは利用者が使用する場合には、塗布液の残量が見え、使い終わりを分りやすくさせる必要があるが、上記の場合には塗布液の残量を確認することができなくなってしまう。
そこで、前記軸筒内面の塗布液を掻き取るために、軸筒内面に外形を接触させながら塗布液減少に伴い移動するスライド部材を変形容易な弾性のあるゴム製とし、スライド部材の移動を円滑にさせる方法がある。
しかし、前記スライド部材は弾性のあるゴム製となるので、気体透過性がプラスチックなどより落ちてしまう。一般的なプラスチックであるポリプロピレンなどと比べてゴム材の酸素透過性は1000倍も違うのである。このことより、軸筒後方に封入された圧縮気体はスライド部材を透過し、塗布液に溶解する現象が起こりやすくなる。そして圧縮気体の圧力が低下し塗布先側への押し出す力が弱まるため、塗布液の吐出量が狙いの最適量よりも少なくなってしまう。また、塗布液を最後まで使い切る前に圧縮気体の圧力が大気圧まで低下し、塗布液を最後まで使い切れなくなる恐れもあった。
本発明は、圧縮気体による加圧手段を有し、塗布液の減少に伴って移動するスライド部材を配置するリフィルにおいて、圧縮空気の圧力低下により塗布液の吐出量が狙いの最適量よりも少なくなってしまうことや塗布液を最後まで使い切れなくなることのないリフィルを提供することを課題とする。
本発明は、前方に塗布先が取り付けられた軸筒と、前記軸筒内前方には塗布液が収容され、前記軸筒後方には塗布液を前方へ付勢し吐出支援させるための圧縮気体が収容されており、また、前記軸筒内塗布液の後方には前記圧縮気体と隔離し、その塗布液の減少に伴って移動するスライド部材が配置されたリフィルにおいて、そのスライド部材を弾性体から構成すると共に、スライド部材の外周をリフィル内面に接触させ、また、スライド部材の後方に液状のフォロワーを配置したことを要旨とする。
本発明に係るリフィルは、前方に塗布先が取り付けられた軸筒と、前記軸筒内前方には塗布液が収容され、前記軸筒後方には塗布液を前方へ付勢し吐出支援させるための圧縮気体が収容されており、また、前記軸筒内塗布液の後方には前記圧縮気体と隔離し、その塗布液の減少に伴って移動するスライド部材が配置されたリフィルにおいて、そのスライド部材を弾性体から構成すると共に、スライド部材の外周をリフィル内面に接触させ、また、スライド部材の後方に液状のフォロワーを配置したので、塗布液の吐出量が狙いの最適量よりも少なくなってしまうことや塗布液を最後まで使い切れなくなることがなく、良好なリフィルが得られる。
以下、本発明について添付図面を参照しながら、更に詳細に説明する。図1は実施例のリフィルを示し、図2は図1の要部拡大図である。図1は、内部に塗布液としてメチルシクロヘキサンを主媒体とし、酸化チタン等の白色顔料を分散した修正液を収容した修正液リフィルの一例である。
塗布液収容部となるポリエチレンナフタレートの成形品である軸筒2の内部には修正液1が収容されている。軸筒2は、非透過性材質とするのが好ましいが、修正液1の主媒体であるメチルシクロヘキサンにより、膨潤、溶解、分解等にて形状変化を生じないもので、且つ、ガス透過性の低い材質であればポリエチレンナフタレートの他にポリブチレンテレフタレート、ナイロン12、エチレンビニルアルコール共重合体などが使用可能である。特に、外部から修正液1の残量等が視認できるようにするために、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6、非晶性ナイロン、微結晶性ナイロン、半芳香族性ナイロン、ポリアクリルニトリルなどの透明な材質とすることもできる。また、上記材料の共重合体や混合物、リサイクル材でも構わない。
また、内部に収容する塗布液としては、修正液にこだわらず、水性インキ、油性インキ、染料インキ、顔料インキ、糊、化粧料などでも良い。
軸筒2の前方には、ボールペンチップ4と軸筒とを接続するためのチップホルダー3が圧入、固定されている。更にチップホルダー3の先端にはボール4aが回転自在に抱持されたボールペンチップ4が接続されている。ボール4aはコイルスプリング5にて前方へ付勢されており、ボールペンチップ4の内縁に液密に当接した開閉弁として機能している。また、ボールペンチップ4内のボール3が配置されている内径とボール3の外径とのクリアランスで修正液1の吐出量を制御するようになっている。
尚、本実施例では、塗布先をボールペンチップ、塗布体を球状のボールとしたが、塗布先は管状先体で塗布体を略円筒形状として、管状先体の内径部と略円筒形状塗布体の外径部とでクリアランスを構成し塗布液を制御する構造でも良い。
前記軸筒2内部の修正液1後方空間には、圧縮された気体6が充填されており、軸筒2の後端開口部が尾栓7の圧入によって密閉されている。その尾栓7は合成樹脂製であり、例えばポリブチレンテレフタレート、ナイロン,エチレンビニルアルコール共重合体、ポリアクリルニトリルなどのガス透過性の低い材質の射出成形品から形成されているが、金属の切削加工品などから得ても良い。前記圧縮された気体6の圧力は絶対圧力で0.15MPa〜0.4MPaで設定することが好ましい。圧力が低いと使用中に大気圧まで下がった場合、最後まで使い切れず、逆に圧力が高い場合は部品破損の問題があり、各部品の抜け強度を上げなければならないため、その信頼性が維持できない。また、圧縮気体は一般的には空気で良いが、気体透過係数を下げるために、分子半径及び原子半径の大きいネオン、アルゴンや二酸化炭素、メタンガスなどがあるが、安全性や環境性を考慮し窒素などを使用することもできる。また、加圧する気体はホコリや水分の除去することが好ましい。異物や水分による部材の変質などを防止するためである。
修正液1の後方界面には、修正液1の消費に伴って修正液1の界面に追従して移動する弾性体からなるスライド部材8が挿入されている。そのスライド部材8の材質は弾性のあるゴム製であるが、修正液により侵されないものとして、例えばアクリロニトリルブタジエンゴムやシリコンゴムなどが使用可能である。このスライド部材8は有底型で、底部を前方の修正液1側に向けて配置されており、軸筒2内面にその一部を接するように外周に全周リブを1本設けてある。スライド部材8外周全面が軸筒2内面に接すると、移動する際の摩擦抵抗が大きくなり移動がスムーズではなくなるので、リブを設けることが有効である。また、リブの数は複数本でも構わないが、摩擦抵抗を考慮し本数を決定すると良い。このリブにより、修正液を掻き取りながら液の減少と共に移動できるのであり、塗布液の残量が分りやすくなるのである。
スライド部材8後方には気体溶解度の低い液状のポリブテンやαオレフィン、グリセリンなどを主成分とした液状のフォロワー9が配置されている。このフォロワー9は、内蔵される塗布液と反応などの影響がない材質により構成されているほうが望ましい。フォロワー9は修正液1の減少に伴い移動するスライド部材8に追従する必要があるためグリス、軟膏のように高粘度にはできず、またフォロワー9の粘度を低くすると移動が激しくなり、圧縮気体6を遮蔽する効果が得られなくなるため、フォロワー9の粘度は本来の目的を失わない程度にすることが必要であり具体的には100mPa・s〜100,000mPa・sである。
本実施例のリフィルにおいては、ゴム製のスライド部材8後方に液状のフォロワー9を配置させ、圧縮気体6のバリアー性を向上させるものである。高分子材料の気体透過は高分子の非晶部分より気体の溶解、拡散、脱着により起こるといわれている。この高分子材料における気体の透過量とは気体を遮蔽する高分子物質の材質、膜厚さ、遮蔽物間の分圧差、気体の分子或いは原子半径、温度、湿度、そして時間により変化する。実施例のうち遮蔽する高分子物質であるスライド部材8だけでは、ゴム製で膜厚さ0.7mm、分圧差は0.15〜0.4MPa、気体は酸素及び窒素で1.4〜1.5Å、温度、湿度、時間は任意であるが、このうち材質ゴム製は一般的プラスチックであるポリプロピレンの1000倍透過しやすい状況があり、更に分圧差が0.15〜0.4MPaもあることは非常に不利である。ここでゴム製のスライド部材8後方圧縮気体6側に、気体溶解度の低い液状のフォロワー9を配置することにより、修正液1減少と共にスライド部材8が軸筒2内面の修正液1を掻き取りながら移動、液状のフォロワー9も追従し、気体透過抑制の効果を持続し圧力低下を防止することができる。高分子の気体透過性及び気体の溶解度は酸素よりも窒素のほうが若干低いので、封入する圧縮気体6は酸素より窒素の方が圧力低下抑制の効果は大きいものと思われる。
なお、スライド部材8無しで液状のフォロワー9を修正液1の後方に直接配置させても圧縮気体6の圧力低下は防止できるが、軸筒2内面に付着する修正液1の掻き取りが悪く、残量視認性に問題がある。
因みに、製品の圧縮気体6圧力低下については70℃熱掛けにより促進することができ、試験条件も常温放置より一定となるため70℃7日間での強制経時の結果を基に判断した。
また、液状のフォロワー9追従での効果確認のため製品使用中での圧力低下確認による効果把握が必要になる。
圧縮空気の圧力は、加圧力およびフォロワー9の後方空間の容積などにより異なるが、圧力計を取り付けることにより、実際にかかっている圧力を測定できるものである。
本発明における強制経時後の圧力は、リフィルを組み立て、これに、フォロワー9を充填し、圧縮空気を封じ込めたものを70℃7日放置による強制経時後に、軸筒内の圧力をその軸筒の後部にニードルパイプを差し込み、デジタルマノメーター((株)岡野製作所製)にて測定した。
フォロワー9の粘度は、粘度測定器CVO50 Rheometer(Bohlin Instruments社製、英国)を用い、ジオメトリー(直径40mm、平行板と円錐の側面とがなす角1°の組み合わせ)をセットし、円錐と平行板の間にフォロワーを充填し、25℃で測定した。粘度の値は、剪断速度0.01(1/s)における値を用いた。
リフィル組立時に封入する圧縮気体の初期内圧力は0.25MPaとし、組立機に取り付けた、リフィルの気体室と連通する圧力測定器(デジタルマノメーター(株)岡野製作所製)の読み取り値とした。
以下、実施例1〜4の具体的な条件を表1に記載する。
尚、軸筒は、ポリエチレンナフタレート材料を用いて内容量2mlの大きさとした成形物を用い、ボールペンチップ4とボール4aから構成されるステンレス製のボールペンペン先を用いチップホルダーに組み付け、ボールペンペン先を取り付けたチップホルダーのセットを軸筒先端に組み立て、軸筒内に後述のフォロワーを0.1ml充填した後、絶対圧力で0.25MPaの内圧力で尾栓をセットした。なお、初期内圧力については前述のように圧力測定器の読み取り値を用いる。更に、完成したリフィルの修正液を手塗りで0.18ml吐出させ、スライド部材を10mm移動させた状態にした。
また、フォロワーとしては、グリスを用いた。このグリスの組成は、溶剤(関東化学製試薬(株)製)92.7〜99.6重量部、増粘剤(日光ケミカルズ(株)社製)0.4〜7.3重量部であり、増粘剤の添加量を変化させて、4種類のフォロワーを得た。これらのグリスの剪断速度0.01(1/s)のときの粘度は、それぞれ100mpa・s、998mpa・s、9,950mpa・s、9,9261mpa・sであった。
Figure 2008137205
比較例
以下、比較例1〜2の具体的な条件を表2に記載する。
比較例については実施例と同様の部品構成とし組み立て、グリスの粘度は82mpa・s、121,238mpa・sとした。
Figure 2008137205
上記実施例1〜4及び比較例1〜2により得たリフィルを用いて、強制経時後の内圧力確認試験を行った。結果を表3に示す。
強制経時後の内圧力確認試験
実施例1〜4及び比較例1〜2により得たリフィルを70℃恒温槽に上向き7日間経時後、取り出して1日放冷し、軸筒内の内圧力をその軸筒後方の尾栓にニードルパイプを差し込み、デジタルマノメーター((株)岡野製作所製)にて測定した。測定した結果のうち、
初期圧力0.25MPaより低下率が10%未満のモノを○、10%以上のモノを×とする。
Figure 2008137205
実施例の構造例断面図。
符号の説明
1 修正液
2 軸筒
3 チップホルダー
4 ボールペンチップ
5 スプリング
6 圧縮気体
7 尾栓
8 スライド部材
9 フォロワー

Claims (3)

  1. 前方に塗布先が取り付けられた軸筒と、前記軸筒内前方には塗布液が収容され、前記軸筒後方には塗布液を前方へ付勢し吐出支援させるための圧縮気体が収容されており、また、前記軸筒内塗布液の後方には前記圧縮気体と隔離し、その塗布液の減少に伴って移動するスライド部材が配置されたリフィルにおいて、そのスライド部材を弾性体から構成すると共に、スライド部材の外周をリフィル内面に接触させ、また、スライド部材の後方に液状のフォロワーを配置したことを特徴とするリフィル。
  2. 前記フォロワーは粘度が100mPa・s〜100,000mPa・sであることを特徴とする請求項1記載のリフィル。
  3. 前記軸筒の材質を圧縮気体及び塗布液の溶剤の非透過性材質にすると共に、透明であることを特徴とする請求項1、或いは、2記載のリフィル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012131071A (ja) * 2010-12-20 2012-07-12 Sakura Color Products Corp 塗布具

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