JP2008137004A - 選択分離膜および選択分離膜の製造方法 - Google Patents
選択分離膜および選択分離膜の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008137004A JP2008137004A JP2007321746A JP2007321746A JP2008137004A JP 2008137004 A JP2008137004 A JP 2008137004A JP 2007321746 A JP2007321746 A JP 2007321746A JP 2007321746 A JP2007321746 A JP 2007321746A JP 2008137004 A JP2008137004 A JP 2008137004A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- membrane
- selective separation
- ufr
- water
- separation membrane
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
- Artificial Filaments (AREA)
Abstract
【解決手段】生理食塩水中の透水速度が純水中の透水速度より1.07倍以上増加する選択分離膜。血液などのイオン含む液により膜が膨潤し、膜面への蛋白質の吸着や堆積が抑え、経時的な透過性能の低下を抑制する。イオンを含まない溶液で洗浄することで、膜を収縮させ、膜構造を変化させることにより、吸着および堆積した蛋白質がはがれやすくし、低下した膜性能を回復させる。
【選択図】 なし
Description
1)中空糸膜成型時、ポリマー溶液中のポリマー濃度を15重量%以上とし、電解質を1重量%以上含み、ポリマー溶液の口金部のドラフト比(凝固浴突入線速度/口金部吐出線速度)を5以上とし、かつ中空形成材として吐出する芯液のドラフト比を1.5以下とすることにより得られる選択分離膜であって、膜構造が実質的にマクロボイドが観測されない実質的に均一膜であって、且つ、膜厚が10〜50μmの範囲であり、生理食塩水中の透水速度(UFR(S))と純水中の透水速度(UFR(P))の比が、下記式を満足し、ポリアクリロニトリル系共重合体、ポリメチルメタクリレート、エチレンビニルアルコール共重合体から選ばれる高分子からなることを特徴とする選択分離膜である。
UFR(S)/UFR(P)≧ 1.07
2)膜断面を走査型電子顕微鏡により1000倍で観察したときに、直径が0.5μm以上の大きさのボイドやスポンジ構造に由来する空隙が観察されない均一構造を示すことを特徴とする選択分離膜である。
3)中空糸膜成型時、ポリマー溶液中のポリマー濃度を15重量%以上とし、電解質を1重量%以上含み、ポリマー溶液の口金部のドラフト比(凝固浴突入線速度/口金部吐出線速度)を5以上とし、かつ中空形成材として吐出する芯液のドラフト比を1.5以下とすることを特徴とする選択分離膜の製造方法である。
・中空糸膜形成ポリマー溶液中に塩化リチウム、塩化ナトリウムなど溶液中で解離度の高い電解質を1重量%以上含むこと。
・中空糸膜成型時、ポリマー溶液の口金部のドラフト比(凝固浴突入線速度/口金部吐出線速度)を5以上とし、かつ中空形成材として吐出する芯液のドラフト比を、1.5以下とすること。
・ポリマー溶液中のポリマー濃度を15重量%以上とすること。
以上の3点により、本発明の選択分離膜が好適に得られる。
(中空糸およびモジュールの作製)
ポリアクリロニトリル系共重合体(分子量170,000:アクリロニトリル90重量%、メタリルスルホン酸10重量%の共重合体)を21重量%、塩化リチウム2重量%になるように、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)/ジメチルアセトアミド(DMAc)/トリエチレングリコール(TEG)=45/45/10重量比の組成の混合溶媒に溶解させ、中空糸膜形成ポリマー溶液を得た。これをスリット内径200μm、スリット外径800μm、芯液吐出径100μmのチューブインオリフィス型口金から2.0cc/分の割合で吐出した。このチューブインオリフィス型ノズルのポリマー溶液吐出部断面積は4.7×10−7m2で、芯液吐出部断面積は、3.1×10−8m2である。芯液は、NMP/DMAc/TEG=45/45/10の85重量%水溶液を1.6cc/分の割合で吐出した。この時の、ポリマー溶液吐出線速度は、4.3m/分であり、芯液吐出線速度は50.9m/分であった。これをエアギャップ2cmでNMP/DMAc/TEG=45/45/10の40重量%水溶液の凝固液からなる40℃の凝固浴に導き、凝固浴外部の速度50m/分のローラーに導いた。この時のポリマー溶液口金部のドラフト比は、11.6(=50÷4.3)であり、芯液ドラフト比は、0.98(=50÷50.9)であった。その後、水洗してから巻取り、50重量%のグリセリン水溶液に浸漬した後、乾燥して中空糸膜を得た。得られた中空糸膜は、内径200μm、膜厚40μmで、マクロボイドの観察されない均一な膜であった。
得られた中空糸膜10800本を束ねて、有効膜面積1.5m2のモジュールを作製した。
透水速度の測定は、ダイアライザー性能評価基準(日本人工臓器学会、昭和57年9月)のC法(STOP法)に準拠して行った。
透水速度(UFR)は以下の式で表される。
UFR=QF/A/TMP
上記の式において、QFは濾過流量(mL/時)、Aは膜面積(m2)、TMPは膜間圧力差(mmHg)を示す。但し、膜間圧力差(TMP)は、以下の式で求めた。
TMP=(PBi+PBo)/2
PBiはダイアライザーの血液ないし原液の入口側圧力、PBoはダイアライザーの血液ないし原液の出口側圧力を示す。
TMPを4点変更し、その際の濾過流量(QF)を測定した。QFとTMPの関係をプロットし、傾きから透水速度を求めた。温度は37±1℃とした。
純水中の透水速度(UFR(P))は、純水としてイオン交換水を用いて未使用の中空糸膜モジュールについて測定した。生理食塩水中の透水速度(UFR(S))は、UFR(P)測定後に、イオン交換水に食塩を0.9重量%溶解した生理食塩水を用いて測定した。
実施例1で作製した中空糸膜モジュールの純水中の透水速度(UFR(P))は、180mL/時/m2/mmHgであり、生理食塩水中の透水速度(UFR(S))は、215mL/時/m2/mmHg、UFR(S)/UFR(P)比は1.19であった。
上記のUFR(P)とUFR(S)を測定した後、もう一度、上記の方法で純水中の透水速度UFR(P)を測定した。2回目のUFR(P)の測定値は180mL/時/m2/mmHgであり、透水速度は可逆的に最初の測定値に戻っていた。
牛血液(ヘマトクリット30%、総タンパク質濃度6.5g/dL)を用い、温度37±1℃、血液側流量200mL/分、濾過流量40mL/分で、120分間、血液濾過実験を行った。血液濾過開始から15分後の膜間圧力差TMP(15)と120分後における膜間圧力差TMP(120)から、下式に示すC%の値を求めた。
C%=TMP(120)×100/TMP(15)
中空糸膜モジュールが経時劣化しない場合は、C%の値は100%である。C%の値が大きくなるほど経時劣化が大きいことを示す。
実施例1の中空糸膜モジュールについて血液濾過開始後15分後のTMP(15)は47mmHg、120分後のTMP(120)は52mmHg、C%は111%であった。
血液濾過実験終了後、ダイアライザーを回路から外し、透析液側から血液側に向け、イオン交換水を500mL/分の割合で10分間通して逆洗した。逆洗後の純水の透水速度を求めたところ、UFR(P)は172mL/時/m2/mmHgであり、血液処理前に比べ95.5%の回復率であった。
ポリアクリロニトリル系共重合体(分子量170,000:アクリロニトリル90重量%、メタリルスルホン酸10重量%の共重合体)を21重量%になるように、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)/ジメチルアセトアミド(DMAc)/トリエチレングリコール(TEG)=45/45/10重量比の組成の混合溶媒に溶解させ、中空糸膜形成ポリマー溶液を得た。これをスリット内径250μm、スリット外径400μm、芯液吐出径150μmのチューブインオリフィス型口金から2.0cc/分の割合で吐出した。このチューブインオリフィス型ノズルのポリマー溶液吐出部断面積は7.7×10−8m2で、芯液吐出部断面積は、4.9×10−8m2である。芯液は、NMP/DMAc/TEG=45/45/10の85重量%水溶液を1.6cc/分の割合で吐出した。この時のポリマー溶液吐出線速度は、26.1m/分であり、芯液吐出線速度は32.6m/分であった。これをエアギャップ2cmでNMP/DMAc/TEG=45/45/10の40重量%水溶液の凝固液からなる40℃の凝固浴に導き、凝固浴外部の速度50m/分のローラーに導いた。この時のポリマー溶液口金部のドラフト比は、1.92(=50÷26.1)、芯液のドラフト比は、1.53(=50÷32.6)であった。その後、水洗してから巻取り、50重量%のグリセリン水溶液に浸漬した後、乾燥して中空糸膜を得た。得られた中空糸膜は、内径200μm、膜厚40μmで、マクロボイドの観察されない均一な膜であった。
得られた中空糸膜10800本を束ねて、有効膜面積1.5m2のモジュールを作製した。
血液濾過実験では、TMP(15)は52mmHgで、TMP(120)は90mmHgであり、C%は173%であった。実施例1に比べ、初期から高いTMP値を持ち、またC%も大きい値であり、血液中の成分による膜の性能低下および経時劣化が激しいことがわかる。
実施例1と同様に逆洗した後に測定した純水中の透水速度(UFR(P))は131mL/時/m2/mmHgであり、血液処理前に比較した回復率は63.9%であり、実施例1に比べ、中空糸膜の性能の回復率が低かった。
Claims (3)
- 中空糸膜成型時、ポリマー溶液中のポリマー濃度を15重量%以上とし、電解質を1重量%以上含み、ポリマー溶液の口金部のドラフト比(凝固浴突入線速度/口金部吐出線速度)を5以上とし、かつ中空形成材として吐出する芯液のドラフト比を1.5以下とすることにより得られる選択分離膜であって、膜構造が実質的にマクロボイドが観測されない実質的に均一膜であって、且つ、膜厚が10〜50μmの範囲であり、生理食塩水中の透水速度(UFR(S))と純水中の透水速度(UFR(P))の比が、下記式を満足し、ポリアクリロニトリル系共重合体、ポリメチルメタクリレート、エチレンビニルアルコール共重合体から選ばれる高分子からなることを特徴とする選択分離膜。
UFR(S)/UFR(P)≧ 1.07 - 膜断面を走査型電子顕微鏡により1000倍で観察したときに、直径が0.5μm以上の大きさのボイドやスポンジ構造に由来する空隙が観察されない均一構造を示すことを特徴とする請求項2に記載の選択分離膜。
- 中空糸膜成型時、ポリマー溶液中のポリマー濃度を15重量%以上とし、電解質を1重量%以上含み、ポリマー溶液の口金部のドラフト比(凝固浴突入線速度/口金部吐出線速度)を5以上とし、かつ中空形成材として吐出する芯液のドラフト比を1.5以下とすることを特徴とする選択分離膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007321746A JP4164774B2 (ja) | 2007-12-13 | 2007-12-13 | 選択分離膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007321746A JP4164774B2 (ja) | 2007-12-13 | 2007-12-13 | 選択分離膜の製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001230259A Division JP4164730B2 (ja) | 2001-07-30 | 2001-07-30 | 選択分離膜 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008137004A true JP2008137004A (ja) | 2008-06-19 |
JP4164774B2 JP4164774B2 (ja) | 2008-10-15 |
Family
ID=39599013
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007321746A Expired - Fee Related JP4164774B2 (ja) | 2007-12-13 | 2007-12-13 | 選択分離膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4164774B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011050881A (ja) * | 2009-09-02 | 2011-03-17 | Toyobo Co Ltd | 中空糸膜の紡糸方法 |
-
2007
- 2007-12-13 JP JP2007321746A patent/JP4164774B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011050881A (ja) * | 2009-09-02 | 2011-03-17 | Toyobo Co Ltd | 中空糸膜の紡糸方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4164774B2 (ja) | 2008-10-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2458378C (en) | Porous membrane and method of manufacturing the same | |
JP5622833B2 (ja) | 高耐久性pvdf多孔質膜及びその製造方法、並びに、これを用いた洗浄方法及び濾過方法 | |
JP5370871B2 (ja) | 中空糸型逆浸透膜 | |
JP6694326B2 (ja) | 複合膜 | |
US10406487B2 (en) | Hydrophilised vinylidene fluoride-based porous hollow fibre membrane, and manufacturing method therefor | |
CN105636677B (zh) | 改进过滤膜的化学稳定性 | |
JP5609116B2 (ja) | 耐ファウリング性に優れる中空糸型限外ろ過膜 | |
WO2008001426A1 (en) | Polymer separation membrane and process for producing the same | |
JPWO2012105397A1 (ja) | 水処理用分離膜およびその製造方法 | |
JP4931796B2 (ja) | フッ化ビニリデン系樹脂中空糸多孔膜、それを用いる水の濾過方法およびその製造方法 | |
JP6577781B2 (ja) | 中空糸膜、及び中空糸膜の製造方法 | |
Fang et al. | Evaluating the antifouling properties of poly (ether sulfone)/sulfonated poly (ether sulfone) blend membranes in a full-size membrane module | |
KR101790174B1 (ko) | Pva 코팅된 중공사 복합막 및 이의 제조방법 | |
JP5952159B2 (ja) | 分離膜及びその製造方法 | |
JP4164730B2 (ja) | 選択分離膜 | |
JP4164774B2 (ja) | 選択分離膜の製造方法 | |
JP3317975B2 (ja) | ポリアクリロニトリル系中空糸状濾過膜 | |
KR20120077011A (ko) | Ectfe 수처리 분리막 및 그의 제조방법 | |
KR20160080376A (ko) | 중공사형 정삼투 분리막 및 이의 제조방법 | |
WO1996035504A1 (fr) | Membrane fibre creuse a base de polymere de polysulfone et son procede de production | |
KR20100079630A (ko) | 투수도 및 기계적 강도가 개선된 한외여과막 및 그의 제조방법 | |
WO2016182015A1 (ja) | 多孔質中空糸膜及びその製造方法 | |
JP6649779B2 (ja) | 中空糸型半透膜とその製造方法 | |
KR20120007277A (ko) | 수투과성이 향상된 ectfe 중공사 분리막 및 그의 제조방법 | |
JP6533064B2 (ja) | 中空糸型半透膜とその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080410 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080606 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080703 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080716 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4164774 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110808 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110808 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120808 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130808 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |