JP2008135484A - 膜付き基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体材料から効率よく有機膜を成膜して、膜付き基板を得ることができる膜付き基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の膜付き基板の製造方法は、ウエハ10の上面(成膜面)に有機膜を形成して、膜付き基板を製造する方法であり、前記有機膜を形成するための有機物を含む液体材料を気化させる第1の工程と、ウエハ10の上面を冷却しつつ、気化した前記有機物を、前記ウエハ10の上面に接触させることにより結露させ、前記有機膜を形成して前記膜付き基板を得る第2の工程とを有する。前記第2の工程は、前記ウエハ10をチャンバ2内に収納し、前記チャンバ2を加熱した状態で行われるのが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、膜付き基板の製造方法に関するものである。
液体材料を用いて基板上に有機膜を成膜する方法には、例えば、塗布法や浸漬法がある。
塗布法を用いて有機膜を得る場合には、有機物を含有する液体材料を基板上に塗布(供給)した後、例えば、この液体材料を乾燥させることにより有機膜を得ることができる。
このような塗布法を用いて基板上に液体材料を供給する際に、形成される膜の膜厚を均一にすることを目的に、基板を回転させつつ行う方法(スピンコート法)が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。ところが、スピンコート法を用いた場合では、基板外に、液体材料が散逸してしまうことから、液体材料の無駄を避けることができないという問題がある。
一方、浸漬法を用いて有機膜を得る場合には、有機物を含有する液体材料中に浸漬した基板を、この液体材料中から取り出した後、基板に付着した液体材料を、例えば乾燥させることにより有機膜を得ることができる。ところが、浸漬法を用いた場合、基板の他方の面に成膜することなく一方の面だけに対して選択的に成膜することは困難を極める。
また浸漬法ではその液体材料が納められている容器内に異物が混入・堆積すると、それが成膜時に液体材料と一緒に基板に付着して異物源となるなど、異物の少ない成膜方法としては本質的な課題を抱えている。
特開2001−300408号公報
本発明の目的は、液体材料から効率よく有機膜を成膜して、膜付き基板を得ることができる膜付き基板の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の膜付き基板の製造方法は、基板の成膜面に有機膜を形成して、膜付き基板を製造する膜付き基板の製造方法であって、
前記有機膜を形成するための有機物を含む液体材料を気化させる第1の工程と、
前記基板の成膜面を冷却しつつ、気化した前記有機物を、前記基板の成膜面に接触させることにより結露させ、前記有機膜を形成して前記膜付き基板を得る第2の工程とを有することを特徴とする。
これにより、液体材料から効率よく有機膜を成膜して、膜付き基板を得ることができる。
本発明の膜付き基板の製造方法では、前記第2の工程は、常圧下で行われることが好ましい。
本発明によれば、基板を強制的に冷却した状態で、有機膜の形成(成膜)を行うため、この成膜を常圧下であっても確実に行うことができる。
本発明の膜付き基板の製造方法では、前記第2の工程は、前記基板をチャンバ内に収納し、前記チャンバを加熱した状態で行われることが好ましい。
これにより、チャンバの内壁面に有機物が付着するのを防止または抑制して、基板の上面に選択的に有機物を付着(有機膜を形成)させることができる。したがって、無駄になる有機物の量を削減することができる。また、チャンバの洗浄を行う回数を減少または不要にさせることができる。
本発明の膜付き基板の製造方法では、前記第1の工程は、前記チャンバ外で行われ、
前記第2の工程は、気化した前記有機物を前記チャンバ内に導入しつつ行われることが好ましい。
これにより、成膜装置の複雑化を伴うことなく、膜付き基板を確実に製造することができる。
本発明の膜付き基板の製造方法では、前記基板の成膜面は、前記基板の一方の面の全面であり、
前記第2の工程は、気化した前記液体材料をノズルから前記基板の一方の面に向かって供給しつつ行われることが好ましい。
これにより、より確実に基板の一方の面に、気化した液体材料を供給することができる。
本発明の膜付き基板の製造方法では、前記第2の工程は、前記ノズルと前記基板とを相対的に移動させつつ行われることが好ましい。
かかる構成により、基板の一方の面の全面に形成される有機膜の膜厚の均一化を図ることができる。
本発明の膜付き基板の製造方法では、前記基板の成膜面は、前記基板の一方の面の一部であり、
前記第2の工程において、前記基板の一方の面の一部を冷却することにより、前記基板の一方の面に、前記成膜面の形状に対応するように前記有機膜を形成することが好ましい。
本発明の膜付き基板の製造方法では、前記基板の一方の面の一部の冷却は、前記成膜面の形状に対応する部分が他の部分より熱伝導率が高い伝熱板を、前記基板の他方の面側に配置し、前記基板を、前記伝熱板を介して冷却することにより行われることが好ましい。
これにより、基板の一方の面の一部に有機膜を容易に形成することができる。
本発明の膜付き基板の製造方法では、前記液体材料は、さらに前記有機物を溶解する溶媒を含むことが好ましい。
本発明によれば、有機物の種類に係らず、有機膜を確実に形成することができる。
本発明の膜付き基板の製造方法では、前記有機物は、その沸点が前記溶媒の沸点より高いことが好ましい。
かかる有機物と溶媒との組み合わせとした場合、気化した有機物を基板の成膜面で冷却して有機膜を形成する際に、成膜面の冷却温度を溶媒の沸点よりも高く、かつ有機物の沸点よりも低くなるように設定することにより、溶媒が気化した状態を維持し得ることから、形成される有機膜中に溶媒成分を混入させることなく、有機物のみを選択的に基板の成膜面に付着させることができる。
本発明の膜付き基板の製造方法では、前記有機物の沸点をA[℃]とし、前記溶媒の沸点をB[℃]としたとき、A−Bは10〜100であることが好ましい。
これにより、得られる有機膜中に溶媒成分を混入させることなく、迅速かつ確実に有機膜を形成することができる。
本発明の膜付き基板の製造方法では、前記有機物は、カップリング剤、シリコーンオイルまたは有機金属錯体であることが好ましい。
このような有機物を用いた有機膜の形成に、本発明の膜付き基板の製造方法に適用することにより、有機物を含む液体材料からより効率よく有機膜を成膜して、膜付き基板を製造することができる。
以下、本発明の膜付き基板の製造方法を図示の好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の膜付き基板の製造方法の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の膜付き基板の製造方法で用いられる成膜装置の一例を示す模式図である。
図1に示す成膜装置1は、チャンバ2と、チャンバ2内に設けられ、基板を載置する基板載置部3と、基板載置部3に設けられた加熱冷却手段4と、チャンバ2を加熱する加熱手段5と、チャンバ2内に気化した液体材料を供給する供給手段6と、成膜装置1の各部を制御する制御手段7とを有している。
以下、各部の構成について、順次説明する。
なお、有機膜を形成する基板としては、いかなる材料で構成されたものであってもよく、例えば、シリコン(例えば、アモルファスシリコン、多結晶シリコン等)、石英ガラス、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミドや、各種低誘電率材料(いわゆる、low−K材)等の各種絶縁材料(誘電体)、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム酸化物(IO)、Al、Al合金、Fe、Ni、Cr、SUS等の導電性材料や金属材料、アルミナのような各種セラミックス材料等で構成されたものを用いることができるが、以下では、円盤状のシリコンで構成されるウエハ10を一例にして説明する。
また、本実施形態では、このウエハ10の上面の全面に有機膜を形成する場合、すなわち、ウエハ10の上面の全面が成膜面で構成される場合について説明する。
チャンバ2は、その内部の空間21内に、気化した液体材料を導入する容器である。このチャンバ2には、図1中右側に流入口22が、左側に流出口23が、それぞれ、設けられている。
後述するように、気化した液体材料が、供給手段6を介して流入口22から空間21に導入され、流出口23から排気される。
このチャンバ2を構成する材料には、例えば、アルミやステンレス鋼のような各種金属材料、アルミナのような各種セラミックス材料等を用いることができる。
チャンバ2内の底部には、円盤状の基板載置部3が設けられている。この基板載置部3は、膜を形成するウエハ(基板)10を載置する部分であり、平面視でウエハ10より若干大きく設定されている。
ウエハ10を基板載置部3に固定(保持)する方法としては、例えば、基板載置部3のウエハ10を載置する面に複数の貫通孔を設け、この貫通孔を介してウエハ10をポンプ(吸引手段)で吸引する真空チャック等により物理的に吸着する方法、静電チャック等を用いて電磁的に吸着する方法等が挙げられる。
また、基板載置部3には、加熱冷却手段4が設けられている。この加熱冷却手段4により、基板載置部3に載置されたウエハ10の全体の温度を制御する。
加熱冷却手段4としては、特に限定されないが、例えば、加熱は抵抗加熱(ヒータ)や基板載置部3に溶媒を循環させる機構等が挙げられる。溶媒には、例えば、温水、加温空気、温油類等が使用可能である。また、冷却は、ペルチェ素子や基板載置部3に冷却媒を循環させる機構等が挙げられる。冷却媒には、例えば、水、空気、油類、液体窒素等が使用可能である。
なお、基板載置部3の側面への気化した有機物の付着するのを防止または抑制するため、側面には加熱手段(図示せず)が設けられていても良い。
本発明では、一旦加熱されたウエハ10を冷却しつつ、気化した有機物をウエハ10の上面の全面(成膜面)に接触させることにより有機膜を形成する。
また、チャンバ2には、加熱手段5が設けられている。この加熱手段5でチャンバ2を加熱することにより、気化した有機物がチャンバ2の内壁面に付着するのを防止または抑制することができる。
加熱手段5の加熱方式は、特に限定されず、例えば、抵抗加熱(ヒータ)、電子ビーム加熱等いずれであってもよい。
なお、この加熱手段5は、気化する有機物の種類、すなわち有機物として比較的沸点の低いものを用いた場合には、省略することもできる。
また、チャンバ2の流入口22には、供給手段6が接続されている。この供給手段6は、気化部61と、気化部61と流入口22とを接続するライン62と、ライン62の途中に設けられたポンプ63とを有している。
気化部61では、この気化部61内に収納された液体材料を気化させる。液体材料を気化させる方法としては、特に限定されないが、例えば、超音波の付与、加熱等の方法が挙げられる。
気化部61に設けられた気化手段(図示せず)、ポンプ63、加熱冷却手段4および加熱手段5は、それぞれ制御手段7に電気的に接続されている。制御手段7は、気化手段、ポンプ63、加熱冷却手段4および加熱手段5の作動を制御する機能を有している。
次に、成膜装置1の使用方法、すなわち、本発明の膜付き基板の製造方法について説明する。
<1> まず、ウエハ10をチャンバ2内に搬入し、基板載置部3に載置する。次に制御手段7は加熱冷却手段4を作動させ、この加熱冷却手段4により、ウエハ10が加熱される。基板載置部3の側面も必要に応じて加熱状態とする。
<2> 次に、あらかじめ有機物を含有する液体材料が収納された気化部61に対し、制御手段7により、気化部61の気化手段を作動させる。これにより、供給手段6の気化部61(チャンバ2外)において、液体材料(有機物)の温度を、沸点以上とすることにより気化させる(第1の工程)。
<3> 次に、制御手段7は、ポンプ63を作動させる。これにより、ライン62および流入口22を介して、チャンバ2の空間21に気化した液体材料を導入する。
なお、ポンプ63の代わりにNやArのような不活性ガスをキャリアガスとして気化部61内またはライン62の途中に導入する手段を設けることで、気化した液体材料をチャンバ2の空間21内に導入させてもよい。
このように、チャンバ2外で、液体材料を気化させて、チャンバ2内に導入する構成とすることにより、成膜装置1の複雑化を伴うことなく、膜付き基板を確実に製造することができる。
ここで、この液体材料は、有機膜を形成するための有機物を含有するものである。この有機物としては、特に限定されないが、比較的低分子量のものが好適に用いられる。これにより、有機物を容易に気化させることができる。
このような有機物は、有機膜の構成材料またはその前駆体を主材料として構成されており、具体的には、例えば、カップリング剤、シリコーンオイルまたは有機金属錯体等で構成されるものが挙げられる。
カップリング剤としては、例えば、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリメトキシシランのようなシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、有機リン酸系カップリング剤、シリルパーオキサイド系カップリング剤等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、またはこれらに種々の官能基を導入した変性物等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
有機金属錯体としては、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)、トリス(4−メチル−8キノリノレート)アルミニウム(III)(Almq)、(8−ヒドロキシキノリン)亜鉛(Znq)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、液体材料としては、液状の有機物を単独で用いることができる他、例えば、液状または固形状(半固形状を含む)の有機物を溶媒に溶解したもの等も用いることができる。本発明によれば、このような液体材料の種類に係らず、ウエハ10の上面に有機膜を確実に形成することができる。また、液体材料として、有機物と溶媒との双方を含むものを用いる場合には、有機物の気化をより円滑に行えるという利点が得られる。
液体材料として有機物と溶媒との双方を含むものを用いる場合、溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、n−またはi−プロパノール、n−、s−またはt−ブタノールのような単価アルコール類、エチレングリコール、トリメチレングリコールのようなグリコール類(多価アルコール類)、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセチルアセトン、イソホロンのようなケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類、メトキシエタノール、エトキシエタノールのようなエーテルアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類、キシレン、トリメチルベンゼンのような芳香族炭化水素類、酸アミド類等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、有機物と溶媒との組み合わせとしては、特に限定されず、有機物の沸点が溶媒の沸点より低いものやほぼ等しいものであってもよいが、有機物の沸点が溶媒の沸点より高いものであるのが好ましい。かかる有機物と溶媒との組み合わせとした場合、気化した有機物をウエハ10の上面で冷却して有機膜を形成する際に、ウエハ10の冷却温度を溶媒の沸点よりも高く、かつ有機物の沸点よりも低くなるように設定することにより、溶媒が気化した状態を維持し得ることから、形成される有機膜中に溶媒成分を混入させることなく、有機物のみを選択的にウエハ10の上面の全面に付着させることができる。
この場合、有機物の沸点をA[℃]とし、溶媒の沸点をB[℃]としたとき、A−Bは10〜100℃程度であるのが好ましく、20〜50℃程度であるのがより好ましい。これにより、得られる有機膜中に溶媒成分を混入させることなく、迅速かつ確実に有機膜を形成することができる。
このような有機物と溶媒との組み合わせは、上述したような沸点の差を考慮する他、有機物の溶媒への溶解性等を考慮して選択されるが、有機物と溶媒との好ましい組み合わせとしては、例えば、カップリング剤と炭化水素類との組み合わせ、シリコーンオイルとアルコール類との組み合わせ、有機金属錯体と炭化水素類との組み合わせ等が挙げられる。
また、気化した有機物の流入口22からの流量は、チャンバーサイズや目的とする成膜条件に応じて適宜決めれば良い。
<4> 次に、制御手段7は、加熱冷却手段4を作動させ、この加熱冷却手段4により、ウエハ10が冷却される。これにより、チャンバ2内に供給された気化した有機物が、ウエハ10の上面に接触すると、この上面において沸点以下に冷却された有機物が選択的に凝縮されることとなり結露する。その結果、ウエハ10の上面の全面(成膜面)に、有機物が付着し、この付着した有機物同士が凝集することにより、有機膜が形成される。
また、有機物の種類によっては、基板表面と反応を起こすことで直接結合し、有機薄膜が形成される。
なお、気化した有機物には異物等は少ない又は無いことから、ウエハ10の上面に成膜される有機膜にも異物の混入は少ない又は無い。(第2の工程)
このウエハ10の冷却温度は、有機物の沸点より低く設定されていればよく、特に限定されないが、有機物の沸点より5〜20℃程度低くするのが好ましい。これにより、ウエハ10の上面に有機物を効率よく付着させて、有機膜の形成を迅速に行うことができる。
また、このとき、チャンバ2内(空間21)の圧力(雰囲気圧力)は、減圧であってもよく、常圧であってもよいが、常圧であるのが好ましい。これにより、減圧とする場合のように、チャンバ2に減圧手段等を接続することないことから、装置の簡略化を図ることができる。
さらに、本発明によれば、ウエハ10を強制的に冷却した状態、すなわちウエハ10の上面で気化した有機物が結露する状態で、有機膜の形成(成膜)を行うため、この成膜を常圧下であっても確実に行うことができる。
また、制御手段7は、加熱冷却手段4を作動させる他に、基板載置部3の側面と共に加熱手段5を作動させることにより、チャンバ2を加熱しておくのが好ましい。これにより、チャンバ2のウエハ10以外の内壁面に有機物が付着(結露)するのが好適に防止または抑制される。その結果、ウエハ10の上面の全面により選択的に有機物が付着して、有機膜が形成される。
すなわち、有機膜を形成するウエハ10の上面の全面が、他の領域と比較して、より積極的に冷却されていることとなり、この上面により選択的に有機物を付着させ、かつ他の領域に有機物を付着させることなく、有機膜を形成することができる。したがって、無駄になる有機物の量を削減することができる。また、チャンバ2の洗浄を行う回数を減少させることができる。
このチャンバ2の加熱温度は、特に限定されないが、有機物の沸点またはその近傍の温度とするのが好ましい。
なお、ウエハ10の上面に付着させる有機物として、有機膜の構成材料の前駆体を用いた場合には、ウエハ10の上面にこの前駆体で構成される膜が形成されることから、前駆体で構成される膜に所定の処理を施すことにより、ウエハ10の上面に有機膜を形成することができる。具体的には、例えば、有機物として撥水性を有するシランカップリング剤を用いた場合には、ウエハ10の上面に形成されたこのシランカップリング剤で構成される膜に、熱処理を施すことにより、撥水膜を形成することができる。
また、本実施形態のように、チャンバ2内すなわち閉空間内でウエハ10の上面に有機膜を形成する構成とすることにより、チャンバ2内の気化した有機物濃度を均一化することができるため、前記上面の全面において、一定の速度で有機物を付着させることができる。その結果、前記上面の全面に均一な膜厚の有機膜を形成することができる。
<5> 次に、チャンバ2内の排気が行われる。具体的には、液体材料が溶媒を含む場合、気化した溶媒や、気化した有機物のうち成膜に利用されなかったものを、流出口23から除去する。
排気ガスは、所定の処理を行った後、廃棄に供してもよい。なお、供給手段6のライン62の途中(ポンプ63より上流側)に接続し、循環するようにするのが好ましい。これにより、無駄になる有機物の量をさらに減少させることができるとともに、環境にも優しい。
以上の工程を経て、ウエハ10の上面の全面(成膜面)に有機膜が形成されて、膜付き基板が得られる。本発明の膜付き基板の製造方法によれば、液体材料から効率良く有機膜を成膜して、かつ異物の混入も少なく、かかる構成の膜付き基板を安価にかつ確実に得ることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の膜付き基板の製造方法の第2実施形態について説明する。
以下、第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態の相違点を中心に説明し、同様の事項は、その説明を省略する。
図2は、本発明の膜付き基板の製造方法で用いられる成膜装置の一例を示す模式図である。
第2実施形態で用いられる成膜装置1は、気化した液体材料(有機物)がノズル8から供給されるように構成され、基板載置部3が回転可能となっている点が異なり、それ以外は、前記第1実施形態と同様である。
基板載置部3の下面には、回転軸31の一端が固定され、回転軸31の他端には、モータ(回転手段)32が固定されている。
回転軸31は、中空部(内腔)を有する円筒状の筒体で構成されている。また、回転軸の軸方向の途中には、2つの離間した接触部411、412が設けられている。
接触部411、412は、導電性材料をリング状に形成してなり、回転軸31の壁部の少なくとも一部を貫通して設けられている。
また、接触部411、412の外周面には、これらに接触するように、ブラシ電極421、422が設けられている。また、各ブラシ電極421、422は、それぞれ、電源43に接続されている。
基板載置部3には、電気的に冷却し得る構成の冷却素子(例えばペルチェ素子)45が設けられている。また、この冷却素子45は、回転軸31内に配設された配線441、442を介して接触部411、412に電気的に接続されている。
このような構成により、回転軸31が回転する場合においても、各ブラシ電極421、422がそれぞれ接触部411、412との接触を維持することができるため、電源43から冷却素子45に電流を供給して、この冷却素子45を作動させることができる。
本実施形態では、冷却素子45、接触部411、412、ブラシ電極421、422、配線441、442および電源43により冷却手段4の主要部が構成される。
かかる構成の成膜装置1を用いて、基板載置部3に固定されたウエハ10を回転させつつ、気化した有機物をノズル8からウエハ10の上面に吹き付けるようにして供給すると、この有機物が吹き付けられた領域において、気化した有機物が冷却されることにより結露して付着する。そして、このとき、上述のようにウエハ10が回転していることから、前記有機物が吹き付けられた領域に付着した有機物が遠心力により濡れ広がることにより、ウエハ10の上面の全面(成膜面)に、均一な膜厚を有する有機膜が形成される。
ここで、本実施形態では、回転するウエハ10の上面に液状の材料を直接供給することなく、気化した有機物を冷却して結露させることによりウエハ10の上面に供給する構成となっていることから、比較的遅い速度でウエハ10の上面に有機物が供給されることとなる。そのため、ウエハ10の上面を前記有機物が吹き付けられた領域から有機物が濡れ広がる際に、ウエハ10の外周部(縁部)から漏れ出すのを好適に防止または抑制することができる。これにより、無駄になる有機物の量の削減を図ることができる。
なお、本実施形態では、冷却手段4により、ウエハ10の上面の気化した有機物が吹き付けられる領域が局所的(特異的)に冷却される構成であってもよいし、ウエハ10の全面が冷却される構成であってもよい。
また、本実施形態では、ノズル8は、回転軸31(基板載置部3)の回転中心にほぼ一致して設けられている。これにより、ノズル8から供給された気化した有機物(液体材料)は、ウエハ10の中心部に吹き付けられ(供給され)ることから、ウエハ10の中心部で結露した後、このウエハ10の外周部に向かって拡散する。かかる構成により、ウエハ10の上面の全面に形成される有機膜の膜厚のさらなる均一化を図ることができる。
基板載置部3の回転速度は、有機物の種類によっても若干異なり、特に限定されないが、10〜1000rpm程度が好ましく、50〜500rpm程度がより好ましい。かかる範囲内に設定することにより、ウエハ10の外周部から有機物が漏れ出ることなく、この外周部に向かって有機物を確実に拡散させることができる。
なお、本実施形態のように、ノズル8を固定して、ウエハ10を回転させる方法の他、有機膜の膜厚の均一化を図る観点からは、例えば、ウエハ10を固定して、ノズル8をウエハ10に対して往復動(走査)させる方法等によってもウエハ10の上面の全面に有機膜を形成することができる。
すなわち、ノズル8とウエハ10とを相対的に移動させる各種方法を用いることにより、より均一な膜厚の有機膜をウエハ10の上面の全面に形成することができる。
なお、第2実施形態では、必要に応じて、チャンバ2を省略することもできる。
また、必要に応じては、冷却素子45の代わりに加熱と冷却の両方を具備させた素子としても良い。
このような第2実施形態によっても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、第2実施形態では、ノズル8からウエハ10の上面に向かって有機材料を供給する構成となっていることから、ウエハ10の上面に、気化した有機物をより確実に供給することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の膜付き基板の製造方法の第3実施形態について説明する。
以下、第3実施形態について説明するが、前記第1および第2実施形態の相違点を中心に説明し、同様の事項は、その説明を省略する。
図3は、本発明の膜付き基板の製造方法の第3実施形態を説明するための図である。
第3実施形態では、ウエハ10と基板載置部3との間に伝熱板9を介在させた(ウエハ10の下面側に配置した)状態で気化した有機物を付着させて有機膜の形成を行うことにより、ウエハ10の上面の一部に有機膜を形成する点が異なり、それ以外は、前記第1実施形態と同様である。
すなわち、本実施形態では、ウエハ10は、伝熱板9を介して冷却手段4により、冷却され、これにより、ウエハ10の上面の一部に、所定のパターンを有する有機膜が形成される。換言すれば、本実施形態では、ウエハ10の上面の一部が成膜面で構成される。
ここで、伝熱板9は、伝熱板9の成膜面(ウエハ10の上面の一部)に対応する第1の部分91が他の第2の部分92より熱伝導率が高くなるように形成されている。かかる伝熱板9をウエハ10と基板載置部3との間に介在させた状態(ウエハ10の下面側に介在させた状態)で、冷却手段4を作動させると、ウエハ10の第1の部分91に対応する部分が、第2の部分92に対応する部分に対して、より低温となる。そのため、第1の部分91に対応する領域101が局所的(選択的)に低温となっているウエハ10の上面に、気化した有機物を供給すると、ウエハ10の上面には、第1の部分91に対応する領域101(成膜面)に、選択的に有機膜が形成される。すなわち、所定のパターン(形状)にパターニングされた有機膜をウエハ10の上面に形成することができる。
伝熱板9の第1の部分91の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、Al、Cu、Ag、Ni、Sn、Cr、Ta、Pd、Pt、Li、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb、Co、Cs、Rb、またはこれらを含む合金のような各種金属材料、アルミナ、チタニア、ジルコニアまたはシリカのようなセラミッククス材料等が挙げられる。また、第2の部分92の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレートのような樹脂材料等が挙げられる。
このような第3実施形態によっても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、かかる構成により、容易に所定のパターンにパターニングされた有機膜を、異なるパターンの伝熱板9のみを替えることでウエハ10の上面の目的とする領域(成膜面)に形成することができる。
以上のようにして形成された膜付き基板は、例えば、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、電気泳動表示装置等の表示装置が有する配線部に用いられる配線基板や、表示部に用いられる回路基板等に適用することができる。
以上、本発明の膜付き基板の製造方法について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の膜付き基板の製造方法では、1以上の任意の目的の工程を追加することもできる。
本発明の膜付き基板の製造方法で用いられる成膜装置の一例を示す模式図である。 本発明の膜付き基板の製造方法で用いられる成膜装置の一例を示す模式図である。 本発明の膜付き基板の製造方法の第3実施形態を説明するための図である。
符号の説明
1‥‥成膜装置 2‥‥チャンバ 21‥‥空間 22‥‥流入口 23‥‥流出口 3‥‥基板載置部 31‥‥回転軸 32‥‥モータ 4‥‥加熱冷却手段 411、412‥‥接触部 421、422‥‥ブラシ電極 43‥‥電源 441、442‥‥配線 45‥‥冷却素子 5‥‥加熱手段 6‥‥供給手段 61‥‥気化部 62‥‥ライン 63‥‥ポンプ 7‥‥制御手段 8‥‥ノズル 9‥‥伝熱板 91‥‥第1の部分 92‥‥第2の部分 10‥‥ウエハ 101‥‥領域

Claims (12)

  1. 基板の成膜面に有機膜を形成して、膜付き基板を製造する膜付き基板の製造方法であって、
    前記有機膜を形成するための有機物を含む液体材料を気化させる第1の工程と、
    前記基板の成膜面を冷却しつつ、気化した前記有機物を、前記基板の成膜面に接触させることにより結露させ、前記有機膜を形成して前記膜付き基板を得る第2の工程とを有することを特徴とする膜付き基板の製造方法。
  2. 前記第2の工程は、常圧下で行われる請求項1に記載の膜付き基板の製造方法。
  3. 前記第2の工程は、前記基板をチャンバ内に収納し、前記チャンバを加熱した状態で行われる請求項1または2に記載の膜付き基板の製造方法。
  4. 前記第1の工程は、前記チャンバ外で行われ、
    前記第2の工程は、気化した前記有機物を前記チャンバ内に導入しつつ行われる請求項1ないし3のいずれかに記載の膜付き基板の製造方法。
  5. 前記基板の成膜面は、前記基板の一方の面の全面であり、
    前記第2の工程は、気化した前記液体材料をノズルから前記基板の一方の面に向かって供給しつつ行われる請求項1ないし4のいずれかに記載の膜付き基板の製造方法。
  6. 前記第2の工程は、前記ノズルと前記基板とを相対的に移動させつつ行われる請求項5に記載の膜付き基板の製造方法。
  7. 前記基板の成膜面は、前記基板の一方の面の一部であり、
    前記第2の工程において、前記基板の一方の面の一部を冷却することにより、前記基板の一方の面に、前記成膜面の形状に対応するように前記有機膜を形成する請求項1ないし4のいずれかに記載の膜付き基板の製造方法。
  8. 前記基板の一方の面の一部の冷却は、前記成膜面の形状に対応する部分が他の部分より熱伝導率が高い伝熱板を、前記基板の他方の面側に配置し、前記基板を、前記伝熱板を介して冷却することにより行われる請求項7に記載の膜付き基板の製造方法。
  9. 前記液体材料は、さらに前記有機物を溶解する溶媒を含む請求項1ないし8のいずれかに記載の膜付き基板の製造方法。
  10. 前記有機物は、その沸点が前記溶媒の沸点より高い請求項9に記載の膜付き基板の製造方法。
  11. 前記有機物の沸点をA[℃]とし、前記溶媒の沸点をB[℃]としたとき、A−Bは10〜100である請求項10に記載の膜付き基板の製造方法。
  12. 前記有機物は、カップリング剤、シリコーンオイルまたは有機金属錯体である請求項1ないし11のいずれかに記載の膜付き基板の製造方法。
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