JP2008135413A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 1個の半導体素子により所定の機能を実現する半導体装置を提供する。
【解決手段】 P型半導体の特性を有する第1ナノチューブ13に隣接してN型半導体の特性を有する2つの第2ナノチューブ11、12とが設けられた構造を有するナノチューブと、第1ナノチューブ13を挟んで対向する導体14、16及び導体15、17と、を備えている。導体14と導体16に異なる電圧を印加することにより、或いは導体15と導体17に異なる電圧を印加することにより、第1ナノチューブ13にチャネルが形成されて、2つの第2ナノチューブ11、12間が導通するようになっている。
【選択図】 図6

Description

本発明は、1個の素子でも所定の論理動作を行うことが可能な半導体装置及びその製造方法に関する。
従来の半導体装置は、シリコンの基板上に、トランジスタ、抵抗、容量等の素子を形成し、これらを結線することで所望の機能を実現するようになっている。微細加工技術の進歩により、基板上に形成される素子の数は飛躍的に多くなっている。しかし、今後微細加工技術の進歩も頭打ちになることが予想され、集積度を向上させるための新たな手法が研究されている。
近年、従来から用いられているシリコン等を用いた素子に替えて、カーボンナノチューブを用いた素子が研究、開発されている。カーボンナノチューブによる素子は、シリコンによる従来の素子よりも小さく形成出来るので、集積度を向上させるための有力な手法となり得る。
しかし、素子に用いる素材をシリコンからカーボンナノチューブにかえたところで、基板上へ素子を形成することには変わりがない。そのために、たとえカーボンナノチューブを用いた素子により半導体装置を生産しても集積度に限界があることには変わりがない。
従来の半導体装置は、基板上に半導体素子を配置するために平面的な構成になる。平面的であるために、集積度に限界が生じる。また、論理動作を行うには複数個の半導体素子を用いる必要があり、1個の半導体素子で論理動作を実現することは困難である。
本発明は、立体的な構成で、1個の半導体素子により所定の機能を実現する半導体装置及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決する本発明の半導体装置は、第1の半導体の特性を有する1以上の第1ナノチューブと第2の半導体の特性を有する2以上の第2ナノチューブとが1つずつ隣り合った構造を有するナノチューブと、前記ナノチューブを挟んで対向する2つの導体からなる複数組の導体対と、を備えている。この半導体装置は、少なくとも1組の導体対を構成する一方の導体と他方の導体とに異なる電圧を印加することで、当該導体対に挟まれた前記第1ナノチューブにチャネルが形成されて、当該第1ナノチューブに隣接する2つの前記第2ナノチューブ間が導通するように構成されている。
この半導体装置は、1個のナノチューブ及び複数の導体対による1個の半導体素子により構成されている。第1ナノチューブが有する第1の半導体の特性及び第2ナノチューブが有する第2の半導体の特性は、例えば、それぞれN型半導体の特性及びP型半導体の特性のいずれかである。第1の半導体の特性と第2の半導体の特性とは異なるものである。
導体対には、一方の導体と他方の導体とに異なる電圧、或いは同じ電圧を印加することができる。これにより、第1ナノチューブにチャネルが形成されるか否かが決まり、この半導体装置は所定の機能を実現することができる。例えば、第1ナノチューブが複数ある場合には、チャネルが形成されるものとされないものとが出現し、この組み合わせにより、所定の機能を実現することができる。また、第1ナノチューブが1個の場合でも、例えば複数の導体対の各導体にどのような電圧を印加するかにより、所定の機能を実現することができる。
この半導体装置は、例えば、前記ナノチューブの両端に第2の半導体の特性を有する電極が設けられる構成にすることができる。このような構成の半導体装置は、少なくとも1組の導体対を構成する一方の導体と他方の導体とに異なる電圧を印加することで、すべての前記第1ナノチューブにチャネルが形成されて、前記両端に設けられた前記電極間が導通するように構成することができる。この場合、この半導体装置は、複数の導体対のいずれか一つによりチャネルが形成されればよいので、OR論理のような動作が可能になる。このような半導体装置の前記ナノチューブは、例えば、前記電極が前記第2ナノチューブにより形成されて、当該電極と一体に構成されていてもよい。
また、この半導体装置は、例えば、前記ナノチューブが、両端に第2の半導体の特性を有する電極が設けられるとともに、前記第1ナノチューブを2以上有しており、前記導体対が、前記第1ナノチューブごとに設けられる構成にすることができる。このような構成の半導体装置は、すべての導体対の各々で、導体対を構成する一方の導体と他方の導体とに異なる電圧を印加することで、すべての前記第1ナノチューブにチャネルが形成されて、前記両端に設けられた前記電極間が導通するように構成することができる。この場合、この半導体装置は、複数の導体対のすべてによりチャネルが形成されるので、AND論理のような動作が可能になる。このような半導体装置の前記ナノチューブは、例えば、前記電極が前記第2ナノチューブにより形成されて、当該電極と一体に構成されていてもよい。
また、この半導体装置は、例えば、前記ナノチューブが、両端に第2の半導体の特性を有する電極が設けられるとともに、前記第1ナノチューブを2以上有し、いずれか1つの第2ナノチューブに出力端子が設けられており、前記導体対が、前記第1ナノチューブごとに設けられる構成にすることができる。このような構成の半導体装置は、前記出力端子が設けられた第2ナノチューブと一方の端の電極との間に設けられた第1ナノチューブに対応する導体対の各々で、導体対を構成する一方の導体と他方の導体とに異なる電圧を印加することで、当該導体対に挟まれる第1ナノチューブにチャネルが形成されて、前記一方の端の電極と前記出力端子が設けられた前記第2ナノチューブの間が導通するように構成することができる。この場合、この半導体装置は、インバータ回路のような動作が可能になる。このような半導体装置の前記導体対は、例えば、一方の導体が他のすべての導体対の一方の導体と一体に形成されており、他方の導体が他のすべての導体対の他方の導体とは分離して形成するようにしてもよい。
本発明の半導体装置の製造方法は、第1の半導体の特性を有する1以上の第1ナノチューブと第2の半導体の特性を有する2以上の第2ナノチューブとが1つずつ隣り合った構造を有するナノチューブを形成する第1の段階と、前記ナノチューブを挟んで対向する2つの導体からなる導体対を複数組形成する第2の段階と、を含み、少なくとも1組の導体対を構成する一方の導体と他方の導体とに異なる電圧を印加することで、当該導体対に挟まれた前記第1ナノチューブにチャネルが形成されて、当該第1ナノチューブに隣接する2つの前記第2ナノチューブ間が導通するように構成されている半導体装置を製造する製造方法である。
このような半導体装置の製造方法において、前記第2の段階は、例えば、前記ナノチューブを絶縁体で被覆する段階と、前記ナノチューブの軸から見て、前記ナノチューブを挟んで対向するように、前記絶縁体に空隙を形成する段階と、前記空隙に前記導体を形成する段階と、を含む。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
<動作原理>
図1〜図5は、本発明の、カーボンナノチューブを用いた半導体装置の動作原理を説明するための図である。このカーボンナノチューブ1は、P型半導体の特性を有するものである。
図1では、カーボンナノチューブ1の軸に対して平行に、カーボンナノチューブ1を挟む位置に2つの電極が対向して配置される。本明細書では、一方の電極をバイアス電極2、他方の電極を制御電極3という。バイアス電極2及び制御電極3は、カーボンナノチューブ1の長さ以上の大きさで構成される。バイアス電極2には電源4から負電圧が印加されており、制御電極3には電源4から正電圧が印加されている。なお本明細書では、バイアス電極2に印加される電圧をバイアス電圧、制御電極3に印加される電圧を制御電圧という。
図2では、バイアス電極2及び制御電極3が板状に形成されており、対向する面が、カーボンナノチューブ1を挟んで平行になっている。図3では、バイアス電極2及び制御電極3のカーボンナノチューブ1側の面が、カーボンナノチューブの側面に沿った形状に形成される。このように、バイアス電極2及び制御電極3は、カーボンナノチューブ1の側面を挟んで対向するように配置されていればよい。バイアス電極2及び制御電極3とカーボンナノチューブ1との間は絶縁されている。例えば、単にバイアス電極2及び制御電極3とカーボンナノチューブ1との間に間隙を設けて構成してもよく、またバイアス電極2及び制御電極3とカーボンナノチューブ1との間にSiO等の絶縁体を挟むように構成してもよい。
図4は、バイアス電極2及び制御電極3に電源4から電圧が印加された場合に発生する電界Eと、電界Eにより形成される反転層5とを表している。バイアス電極2に電源4から負電圧が印加され、制御電極3に電源4から正電圧が印加されると、制御電圧3からバイアス電極2に向かって電界Eが発生する。電界Eが発生すると、カーボンナノチューブ1内の電子がカーボンナノチューブ1の制御電極3側に移動する。これによりP型半導体の特性を有するカーボンナノチューブ1内に、N型半導体の特性を有する部分が形成される。カーボンナノチューブ1内で、電子が移動してN型半導体の特性を有することになった部分を反転層5という。バイアス電極2及び制御電極3は、カーボンナノチューブ1の長さと同じかそれ以上の長さで構成されるために、電界Eは、カーボンナノチューブ1の全体に対して平行に発生する。
図5は、図4とは電源4の正負を逆に接続した場合の、電界Eと反転層5とを表している。電源4の正負を逆に接続した場合、つまりバイアス電極2に正電圧、制御電圧3に負電圧が印加されると、電界Eはバイアス電極2から制御電極3の向きに発生する。これにより反転層5がカーボンナノチューブ1のバイアス電極2側に形成される。
バイアス電極2及び制御電極3に同じ電圧を印加した場合、バイアス電極2と制御電極3との間に電界Eは発生しない。そのために、カーボンナノチューブ1内の電子が移動せず、反転層5が形成されることはない。
このように、バイアス電極2及び制御電極3に印加する電圧により、カーボンナノチューブ1に反転層5が形成されるか否か、また反転層5が形成される場合にそれがカーボンナノチューブ1のバイアス電極2側か或いは制御電極3側かが決まる。このようなカーボンナノチューブ1の性質を利用して本発明の半導体装置を実現することができる。
以上の説明では、カーボンナノチューブ1がP型半導体の特性を持つものとして説明したが、N型半導体の特性を持つものであっても、同様に、バイアス電極2及び制御電極3に異なる電圧を印加することによって反転層5を形成することができる。この場合の反転層5は、正孔によって負電圧が印加される電極側に形成される。反転層5は、N型半導体の特性を持つカーボンナノチューブ1内のP型半導体の特性を有する部分になる。
<半導体装置の構成>
図6〜図8は、以上のようなカーボンナノチューブの特性を利用した半導体装置の構成を表す図である。図6は、OR論理動作を実現した半導体装置10の構造を表す図である。図7は、AND論理動作を実現した半導体装置20を表す図である。図8は、インバータ動作を実現した半導体装置30を表す図である。本実施形態に用いられるカーボンナノチューブは、長さが1μm〜1mm(10−6〜10−3m)であり、直径が0.5nm〜100nm(10−9〜10−7m)である。しかし、カーボンナノチューブの大きさはこれに限定されるものではなく、上記の動作原理で説明したような動作を行うもの出れば、本発明の半導体装置に用いることが可能である。また材質も必ずしもカーボンである必要はなく、カーボン以外の材質を用いたナノチューブであっても、本発明の半導体装置を構成することが可能である。
図6の半導体装置10は、ソース電極11及びドレイン電極12が形成されたカーボンナノチューブ13と、第1、第2バイアス電極14、15と、第1、第2制御電極16、17とを備えている。カーボンナノチューブ13と、第1、第2バイアス電極14、15及び第1、第2制御電極16、17との間には、SiO等の絶縁体が設けられており、これらの間が絶縁されている。なお、カーボンナノチューブ13と、第1、第2バイアス電極14、15及び第1、第2制御電極16、17との間が狭い場合には、絶縁耐電圧の関係から、絶縁体に代えて、不活性ガスの充填、或いは真空にしてもよい。この実施形態では、カーボンナノチューブ13がP型半導体の特性を有するものである。
ソース電極11及びドレイン電極12は、N型半導体の特性を有しておりカーボンナノチューブ13の両端に形成される。ソース電極11及びドレイン電極12は、N型半導体の特性を有するカーボンナノチューブにより形成してもよく、またシリコンなどの他の素材を用いて形成してもよい。ソース電極11及びドレイン電極12をN型半導体の特性を有するカーボンナノチューブで形成する場合には、カーボンナノチューブ13と一体に形成できる。ソース電極11にはソース端子11aが設けられており、ドレイン電極12にはドレイン端子12aが設けられている。
第1、第2バイアス電極14、15及び第1、第2制御電極16、17は、カーボンナノチューブ13の軸に平行に設けられている。第1バイアス電極14と第1制御電極16とは、カーボンナノチューブ13を挟んで対向するように設けられている。第2バイアス電極15と第2制御電極17とは、カーボンナノチューブ13を挟んで対向するように設けられている。第1バイアス電極14には第1バイアス端子14aが接続されており、第2バイアス電極15には第2バイアス端子15aが接続されている。第1制御電極16には第1制御端子16aが接続されており、第2制御電極17には第2制御端子17aが接続されている。第1、第2バイアス電極14、15及び第1、第2制御電極16、17は、カーボンナノチューブ13に反転層を形成するためのものであるので、カーボンナノチューブ13よりも大きく形成されていればよい。
このような構成の半導体装置は、第1、第2バイアス端子14a、15aにロー論理を示す電圧を印加して、第1制御端子16a及び第2制御端子17aから、ロー論理又はハイ論理を示す電圧を印加することで、以下のような動作を行う。
第1制御端子16a及び第2制御端子17aからロー論理を示す電圧が印加される場合、第1、第2バイアス電極14、15にロー論理を示す電圧が印加されているので、カーボンナノチューブ1内に反転層5が形成されない。そのために、ソース電極11とドレイン電極12とが導通状態にならない。ソース電極11とドレイン電極12とが導通状態にならないために、この半導体装置はオフ状態になる。
第1制御端子16aからロー論理を示す電圧が印加され、第2制御端子17aからハイ論理を示す電圧が印加される場合、第1、第2バイアス電極14、15にロー論理を示す電圧が印加されているので、第2制御電極17から第2バイアス電極15に向かって電界Eが発生する。電界Eの発生に伴い、カーボンナノチューブ1の第2制御電極17側に反転層5が形成される。反転層5がソース電極11とドレイン電極12との間のチャネルとなって、ソース電極11とドレイン電極12とが導通状態になる。ソース電極11とドレイン電極12とが導通状態になるために、この半導体装置はオン状態になる。
第1制御端子16aからハイ論理を示す電圧が印加され、第2制御端子17aからロー論理を示す電圧が印加される場合、第1、第2バイアス電極14、15にロー論理を示す電圧が印加されているので、第1制御電極16から第1バイアス電極14に向かって電界Eが発生する。電界Eの発生に伴い、カーボンナノチューブ1の第1制御電極16側に反転層5が形成される。反転層5がソース電極11とドレイン電極12との間のチャネルとなって、ソース電極11とドレイン電極12とが導通状態になる。ソース電極11とドレイン電極12とが導通状態になるために、この半導体装置はオン状態になる。
第1制御端子16a及び第2制御端子17aからハイ論理を示す電圧が印加される場合、第1、第2バイアス電極14、15にロー論理を示す電圧が印加されているので、第1制御電極16から第1バイアス電極14に向かって電界Eが発生するとともに、第2制御電極17から第2バイアス電極15に向かって電界Eが発生する。電界Eの発生に伴い、カーボンナノチューブ1の第1制御電極16側及び第2制御電極17側に反転層5が形成される。反転層5がソース電極11とドレイン電極12との間のチャネルとなって、ソース電極11とドレイン電極12とが導通状態になる。ソース電極11とドレイン電極12とが導通状態になるために、この半導体装置はオン状態になる。
このように、第1制御端子16a及び第2制御端子17aからともにロー論理を示す電圧が印加される場合を除いて、半導体装置はオン状態になる。つまり、この半導体装置はOR論理動作を行っている。
図7の半導体装置20は、ソース電極21及びドレイン電極22が形成されたカーボンナノチューブ23と、第1、第2バイアス電極24、25と、第1、第2制御電極26、27とを備えている。カーボンナノチューブ23と、第1、第2バイアス電極24、25及び第1、第2制御電極26、27との間は、SiO等の絶縁体が設けられており、これらの間が絶縁されている。なお、カーボンナノチューブ23と、第1、第2バイアス電極24、25及び第1、第2制御電極26、27との間が狭い場合には、絶縁耐電圧の関係から、絶縁体に代えて、不活性ガスの充填、或いは真空にしてもよい。
ソース電極21及びドレイン電極22は、図6の半導体装置10と同様にN型半導体の特性を有しており、カーボンナノチューブ23の両端に形成される。ソース電極21及びドレイン電極22は、N型半導体の特性を有するカーボンナノチューブにより形成してもよく、またシリコンなどの他の素材を用いて形成してもよい。ソース電極21及びドレイン電極22をN型半導体の特性を有するカーボンナノチューブで形成する場合には、カーボンナノチューブ23と一体に形成できる。ソース電極21にはソース端子21aが接続されており、ドレイン電極22にはドレイン端子22aが接続されている。
カーボンナノチューブ23は、ソース電極21側から順に、P型半導体の特性を有するナノチューブ(以下、「第1P型ナノチューブ23a」という)、N型半導体の特性を有するナノチューブ(以下、「N型ナノチューブ23b」という)、P型半導体の特性を有するナノチューブ(以下、「第2P型ナノチューブ23c」という)が形成されている。
第1、第2バイアス電極24、25及び第1、第2制御電極26、27は、カーボンナノチューブ23の軸に平行に設けられている。第1バイアス電極24と第1制御電極26とは、カーボンナノチューブ23を挟んで対向するように設けられている。第1制御電極26は、ソース電極21からN型ナノチューブ23bまでの大きさを有している。第2バイアス電極25と第2制御電極27とは、カーボンナノチューブ23を挟んで対向するように設けられている。第2制御電極27は、ドレイン電極22からN型ナノチューブ23bまでの大きさを有している。第1制御電極26には第1制御端子26aが接続されており、第2制御電極27には第2制御端子27aが接続されている。第1バイアス電極24及び第1制御電極26は、第1P型ナノチューブ23aに反転層を形成でき、第2P型ナノチューブ23cに反転層によるチャネルが形成されないような大きさであればよい。第2バイアス電極25及び第2制御電極27は、第2P型ナノチューブ23cに反転層を形成でき、第1P型ナノチューブ23aに反転層によるチャネルが形成されないような大きさであればよい。
このような構成の半導体装置は、第1、第2バイアス電極24、25にロー論理を示す電圧を印加して、第1制御端子26a及び第2制御端子27aから、ロー論理又はハイ論理を示す電圧を印加することで、以下のような動作を行う。
第1制御端子26a及び第2制御端子27aからロー論理を示す電圧が印加される場合、第1、第2バイアス電極24、25にロー論理を示す電圧が印加されているので、カーボンナノチューブ23内に反転層5が形成されない。そのために、ソース電極21とドレイン電極22とが導通状態にならない。ソース電極21とドレイン電極22とが導通状態にならないために、この半導体装置20はオフ状態になる。
第1制御端子26aからロー論理を示す電圧が印加され、第2制御端子27aからハイ論理を示す電圧が印加される場合、第1、第2バイアス電極24、25にロー論理を示す電圧が印加されているので、第2制御電極27から第2バイアス電極25に向かって電界Eが発生する。電界Eの発生に伴い、カーボンナノチューブ23の第2P型ナノチューブ23cの第2制御電極27側に反転層5が形成される。反転層5がN型ナノチューブ23bとドレイン電極22との間のチャネルとなって、N型ナノチューブ23bとドレイン電極22とが導通状態になる。しかし反転層5が第2P型ナノチューブ23cのみに形成され、第1P型ナノチューブ23aに形成されないので、ソース電極21とドレイン電極22とは導通状態にならない。ソース電極21とドレイン電極22とが導通状態にならないために、この半導体装置20はオフ状態になる。
第1制御端子26aからハイ論理を示す電圧が印加され、第2制御端子27aからロー論理を示す電圧が印加される場合、第1、第2バイアス電極24、25にロー論理を示す電圧が印加されているので、第1制御電極26から第1バイアス電極24に向かって電界Eが発生する。電界Eの発生に伴い、カーボンナノチューブ23の第1P型ナノチューブ23aの第1制御電極26側に反転層5が形成される。反転層5がソース電極21とN型ナノチューブ23bとの間のチャネルとなって、ソース電極21とN型ナノチューブ23bとが導通状態になる。しかし反転層5が第1P型ナノチューブ23aのみに形成され、第2P型ナノチューブ23cに形成されないので、ソース電極21とドレイン電極22とは導通状態にならない。ソース電極21とドレイン電極22とが導通状態にならないために、この半導体装置20はオフ状態になる。
第1制御端子26a及び第2制御端子27aからハイ論理を示す電圧が印加される場合、第1、第2バイアス電極24、25にロー論理を示す電圧が印加されているので、第1制御電極26から第1バイアス電極24に向かって電界Eが発生するとともに、第2制御電極27から第2バイアス電極25に向かって電界Eが発生する。電界Eの発生に伴い、カーボンナノチューブ23の第1P型ナノチューブ23aの第1制御電極26側及び第2P型ナノチューブ23cの第2制御電極27側に反転層5が形成される。第1P型ナノチューブ23aに形成される反転層5がソース電極21とN型ナノチューブ23bとの間のチャネルとなって、ソース電極21とN型ナノチューブ23bとが導通状態になる。第2P型ナノチューブ23cに形成される反転層5がN型ナノチューブ23bとドレイン電極22との間のチャネルとなって、N型ナノチューブ23bとドレイン電極22とが導通状態になる。そのために、ソース電極21とドレイン電極22とが導通状態になる。ソース電極21とドレイン電極22とが導通状態になるために、この半導体装置20はオン状態になる。
このように、第1制御端子26a及び第2制御端子27aからハイ論理を示す電圧が印加される場合のみ、半導体装置20はオン状態になる。つまり、この半導体装置20はAND論理動作を行っている。この半導体装置20は、カーボンナノチューブ23のN型ナノチューブ23bが、金属の特性を有するものであっても同様の動作を行う。
図8の半導体装置30は、ソース電極31及びドレイン電極32が形成されたカーボンナノチューブ33と、第1、第2バイアス電極34、35と、制御電極36とを備えている。カーボンナノチューブ33と、第1、第2バイアス電極14、15及び制御電極36との間は、SiO等の絶縁体が設けられており、これらの間が絶縁されている。なお、カーボンナノチューブ33と、第1、第2バイアス電極34、35及び制御電極36との間が狭い場合には、絶縁耐電圧の関係から、絶縁体に代えて、不活性ガスの充填、或いは真空にしてもよい。
ソース電極31及びドレイン電極32は、図6の半導体装置10と同様にN型半導体の特性を有しており、カーボンナノチューブ33の両端に形成される。ソース電極31及びドレイン電極32は、N型半導体の特性を有するカーボンナノチューブにより形成してもよく、またシリコンなどの他の素材を用いて形成してもよい。ソース電極31及びドレイン電極32をN型半導体の特性を有するカーボンナノチューブで形成する場合には、カーボンナノチューブ33と一体に形成できる。ソース電極31にはソース端子31aが接続されており、ドレイン電極32にはドレイン端子32aが接続されている。
カーボンナノチューブ33は、ソース電極31側から順に、P型半導体の特性を有するナノチューブ(以下、「第1P型ナノチューブ33a」という)、N型半導体の特性を有するナノチューブ(以下、「N型ナノチューブ33b」という)、P型半導体の特性を有するナノチューブ(以下、「第2P型ナノチューブ33c」という)が形成されている。
第1、第2バイアス電極34、35及び制御電極36は、カーボンナノチューブ33の軸に平行に設けられている。第1バイアス電極34と第2バイアス電極35とは、カーボンナノチューブ33から見て同じ側に直線上に並んで設けられている。第1、第2バイアス電極34、35と制御電極36とは、カーボンナノチューブ33を挟んで対向するように設けられている。第1バイアス電極34は、ソース電極31からN型ナノチューブ33bまでの長さを有している。第2バイアス電極35は、ドレイン電極32からN型ナノチューブ33bまでの大きさを有している。制御端子36には制御端子36aが接続されており、N型ナノチューブ33bには出力端子38が接続されている。第1バイアス電極34は、第1P型ナノチューブ33aに反転層を形成でき、第2P型ナノチューブ33cに反転層によるチャネルが形成されないような大きさであればよい。第2バイアス電極35は、第2P型ナノチューブ33cに反転層を形成でき、第1P型ナノチューブ33aに反転層によるチャネルが形成されないような大きさであればよい。
このような構成の半導体装置30は、第1バイアス電極34にハイ論理を示す電圧を印加して、第2バイアス電極35にロー論理を示す電圧を印加して、ソース電極31にハイ論理を示す電圧を印加して、ドレイン電極32にロー論理を示す電圧を印加して、制御端子36aからロー論理又はハイ論理を示す電圧を印加することで、以下のような動作を行う。
制御端子36aからロー論理を示す電圧が印加される場合、第1バイアス電極34にハイ論理を示す電圧が印加されて、第2バイアス電極35にロー論理を示す電圧が印加されているので、第1バイアス電極34から制御電極36に向かって電界Eが発生する。電界Eにより、第1P型半導体部33aの第1バイアス電極34側に反転層5が形成される。反転層5がソース電極31とN型ナノチューブ33bとの間のチャネルとなって、ソース電極31とN型ナノチューブ33bとが導通状態になる。ソース電極31にはハイ論理を示す電圧が印加されているので、出力端子38からは、ハイ論理を示す電圧が出力される。
制御端子36aからハイ論理を示す電圧が印加される場合、第1バイアス電極34にハイ論理を示す電圧が印加されて、第2バイアス電極35にロー論理を示す電圧が印加されているので、制御電極36から第2バイアス電極35に向かって電界Eが発生する。電界Eにより、第2P型半導体部33cの制御電極36側に反転層5が形成される。反転層5がN型ナノチューブ33bとドレイン電極32との間のチャネルとなって、N型ナノチューブ33bとドレイン電極32とが導通状態になる。ドレイン電極32にはロー論理を示す電圧が印加されているので、出力端子38からは、ロー論理を示す電圧が出力される。
このように、制御端子36aからロー論理を示す電圧が印加される場合に出力端子38からハイ論理を示す電圧が出力され、制御端子36aからハイ論理を示す電圧が印加される場合に出力端子38からロー論理を示す電圧が出力される。つまり、この半導体装置30はインバータ動作を行っている。この半導体装置30は、カーボンナノチューブ30のN型ナノチューブ33bが、金属の特性を有するものであっても同様の動作を行う。
以上のように、制御電極、バイアス電極の数、配置、長さ、印加される電圧、カーボンナノチューブの電気的な特性を様々に組み合わせることで、1個の素子により様々な機能を実現することが可能である。バイアス電極と制御電極とは対(導体対)になっている。導体対の数、チャネルが形成されるナノチューブ(上記の実施形態では、P型ナノチューブ)の数により入力数が決まる。上記の例では、2入力のOR論理、AND論理を行う半導体装置を示したが、導体対の数、P型ナノチューブの数が、3個、4個と増えると、3入力、4入力の半導体装置を実現することができる。またカーボンナノチューブ13、23、33のもつP型半導体の特性、N型半導体の特性は、逆に構成されていてもよい。反転層の形成される部分が逆になるだけで、機能としては同じものが実現可能である。
<半導体装置の製造方法>
図9〜図15は、本発明の半導体装置を製造するための方法を説明する図である。ここでは、図6の半導体装置10を製造する手順について説明する。ここでは、ソース電極11及びドレイン電極12をN型半導体の特性を有するカーボンナノチューブにより形成する手順を説明する。
まず、アーク放電、レーザ蒸発、化学的気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)等の既知の方法で、単層のカーボンナノチューブを形成する。図9では、基板41上に鉄の微粒子などによる金属触媒(本実施形態では鉄(Fe)触媒42)の薄膜を配置しておき、CVDによりカーボンナノチューブを形成する。基板41は、例えば従来の半導体製造に用いられるシリコンを材料とした半導体基板である。
ナノチューブは、4価の元素雰囲気で所定の温度、例えば600〜700℃に加熱することで形成することができる。本実施形態ではカーボンナノチューブを形成するので、炭素雰囲気で600〜700℃に加熱することで形成する。
カーボンナノチューブを5価の元素(例えばリン)雰囲気で600〜700℃に加熱することで、N型半導体の特性を有するものに変化させることができる。また、カーボンナノチューブを3価の元素(例えばガリウム)雰囲気で600〜700℃に加熱することで、P型半導体の特性を有するものに変化させることができる。
図9では、炭素雰囲気で600〜700℃に加熱してカーボンナノチューブを形成した後に、このカーボンナノチューブを5価の元素雰囲気で600〜700℃に加熱することで、N型半導体の特性を有するカーボンナノチューブ43に変化させる。カーボンナノチューブ43は、軸が基板41に対して垂直になるように形成される。
引き続きP型半導体の特性を有するカーボンナノチューブ44を形成する(図10)。炭素雰囲気で600〜700℃に加熱して、既に形成されているカーボンナノチューブ43に連続してカーボンナノチューブを形成した後に、このカーボンナノチューブを3価の元素雰囲気で600〜700℃に加熱することで、P型半導体の特性を有するカーボンナノチューブ44に変化させる。カーボンナノチューブ44を形成する際には、既に形成されたカーボンナノチューブ43をマスクしておく必要がある。マスクしなければ、電気的特性が変化するためである。また、カーボンナノチューブ44を形成する前に、既に形成されたカーボンナノチューブ43を適当な長さに成形するようにしてもよい。
カーボンナノチューブ44の形成が終了すると、引き続きN型半導体の特性を有するカーボンナノチューブ45を形成する(図11)。炭素雰囲気で600〜700℃に加熱して、既に形成されているカーボンナノチューブ44の下に連続してカーボンナノチューブを形成した後に、このカーボンナノチューブを5価の元素雰囲気で600〜700℃に加熱することで、N型半導体の特性を有するカーボンナノチューブ45に変化させる。カーボンナノチューブ45を形成する際には、既に形成されたカーボンナノチューブ43、44をマスクしておく必要がある。マスクしなければ、電気的特性が変化するためである。また、カーボンナノチューブ45を形成する前に、既に形成されたカーボンナノチューブ44を適当な長さに成形するようにしてもよい。
以上は、カーボンナノチューブを形成する手順の一例であり、これ以外の手順でN型半導体の特性を有するカーボンナノチューブの間にP型半導体の特性を有するカーボンナノチューブを形成するようにしてもよい。例えば、N型半導体の特性を有するカーボンナノチューブを形成しておき、その中程をP型半導体の特性を有するように変化させてもよい。これは、例えば以下のような手順で可能である。まず炭素雰囲気で600〜700℃に加熱することでカーボンナノチューブを形成しておき、次いで、このカーボンナノチューブを5価の元素雰囲気で600〜700℃に加熱することでN型半導体の特性を有するカーボンナノチューブを形成する。その後、カーボンナノチューブの両端をマスクして3価の元素雰囲気で600〜700℃に加熱することで、中程をP型半導体の特性を有するように変化させることができる。また逆に、P型半導体の特性を有するカーボンナノチューブを生成しておき、その両端をN型半導体の特性を有するように変化させてもよい。
なお、図7、図8の半導体装置20、30のように、N型半導体の特性を有するカーボンナノチューブとP型半導体の特性を有するカーボンナノチューブが更に多層に重ねられた構成では、図11の手順の後に、図10、図11の手順を繰り返し行えばよい。
カーボンナノチューブの形成が終了すると、基板41上で、カーボンナノチューブを被覆するように、SiO等の絶縁体46を形成する(図12)。絶縁体46の形成は、従来の半導体製造工程でも行われており、同様の工程により形成可能である。
絶縁体46を形成した後に、カーボンナノチューブ43〜45の周囲に、導体47a〜47dを形成する(図13)。導体47a、47cは、カーボンナノチューブ43〜45の軸から見て、カーボンナノチューブ43〜45を挟んで対向するように形成され、導体47b、47dは、カーボンナノチューブ43〜45の軸から見て、カーボンナノチューブ43〜45を挟んで対向するように形成される。導体47a〜47dの形成は、従来の半導体製造工程でも行われるように、絶縁体46の導体形成部分に空隙を形成して、当該空隙に銅、金などの導体を蒸着することにより可能である。
図7の半導体装置20の第1制御電極26、第2制御電極27のように、導体がカーボンナノチューブ43〜45の長さよりも短く形成される場合には、導体を所望の大きさに形成した後に、当該導体をマスクして、それ以上の成長を防止すればよい。
図8の半導体装置30の第1バイアス電極34、第2バイアス電極35のように、導体が途中で一端切れた構成になっている場合には、導体を所望の大きさまで形成した後に、一端絶縁体を形成し、その後再び導体を形成すればよい。
導体47a〜47dの形成が終了すると、次いで、基板41及び鉄触媒42の除去、絶縁体46の一部除去を行う(図14)。基板41及び鉄触媒42の除去は、例えば研磨することで行うことができる。絶縁体46の除去は、従来の半導体製造工程でも行われており、同様の工程により可能である。この工程により、カーボンナノチューブ43、45、及び導体47a〜47dの端部が、絶縁体46から露出することになる。
次いで、絶縁体46を、カーボンナノチューブ43〜45と導体47a〜47dの間に形成されているものを除いてすべて除去する(図15)。この場合も工程も、従来の半導体製造工程で可能である。この工程により、導体47a〜47dが露出され、図6の半導体装置10ような端子を設けることができるようになる。なお、単に端子を設けるだけなら、図14の工程後でも可能である。また、絶縁体46をカーボンナノチューブ43〜45の周囲を覆うように残すと、カーボンナノチューブ43〜45を周囲の環境から保護する構造となる。
カーボンナノチューブ43、45にソース端子、ドレイン端子を設けるにはカーボンナノチューブ43、45の開口部分を閉じる必要がある。例えば、カーボンナノチューブ43、45の該当箇所に導体を形成して開口部分を閉じたり、フラーレンキャップを用いることで開口部分を閉じることができる。
ソース電極11及びドレイン電極12は、カーボンナノチューブにかえてシリコンのような従来から使用されている材質によるN型半導体で形成してもよい。例えば、図14の状態でカーボンナノチューブ43、45の開口部分に従来の材質によるN型半導体を形成する。このような構成では、ソース端子及びドレイン端子をソース電極11及びドレイン電極12に直接設けることができる。
また、導体47a〜47dをカーボンナノチューブにより形成してもよい。例えば、図9〜図11において、カーボンナノチューブを軸から見て十字に並ぶように形成する。その後、絶縁体46で被覆する前に、真ん中のカーボンナノチューブを除く他のカーボンナノチューブを金属の特性を有するものに変化させる。これは、真ん中のカーボンナノチューブをマスクしておき、他のカーボンナノチューブを所定の元素雰囲気で所定の温度に加熱することで可能である。
<半導体装置を用いた電子装置>
以上のような半導体装置を用いて構成した電子装置の例を以下に示す。ここで挙げる電子装置は、2電源の相補論理回路等であるが、本発明はこれに限られるものでなく、使用する半導体装置の種類、接続形態、電源の接続形態等により種々多様な電子装置を実現できるものである。
[NAND論理装置]
図16は、NAND論理動作を行う電子装置の構成を表す図である。この電子装置は、図6に示すOR論理動作を行う第1半導体装置10と、図7に示すAND論理動作を行う第2半導体装置20と、第1、第2電源VDD1、VDD2とにより構成されている。この電子装置は、第1入力端子Vin1及び第2入力端子Vin2からの入力をNAND論理演算して、その結果を出力端子Voutから出力するものである。
第1半導体装置10は、ソース端子11aが第1電源VDD1の陽極に接続されており、第1、第2バイアス端子14a、15aが第2電源VDD2の陽極に接続されており、第1制御端子16aが第1入力端子Vin1に接続されており、第2制御端子17aが第2入力端子Vin2に接続されている。
第2半導体装置20は、ソース端子21aが第1電源VDD1の陰極に接続されており、第1、第2バイアス端子24a、25aが第2電源VDD2の陰極に接続されており、第1制御端子26aが第1入力端子Vin1に接続されており、第2制御端子27aが第2入力端子Vin2に接続されている。
第1半導体装置20のドレイン端子12aと第2半導体装置20のドレイン端子22aとは、出力端子Voutに接続されている。
このような構成により、第1電源VDD1の正電圧である電圧V1が、第1半導体装置10のソース電極11に印加される。第1電源VDD1の負電圧である電圧G1が、第2半導体装置20のソース電極21に印加される。第2電源VDD2の正電圧である電圧V2が、第1半導体装置10の第1、第2バイアス電極14、15に印加される。第2電源VDD2の負電圧である電圧G2が、第2半導体装置20の第1、第2バイアス電極24、25に印加される。
第1入力端子Vin1にロー論理(電圧G2に等しい)が入力され、第2入力端子Vin2にロー論理(電圧G2に等しい)が入力されると、以下のような動作になる。
第1半導体装置10は、第1入力端子Vin1から第1制御端子16aにロー論理が入力されるために、第1制御電極16に電圧G2が印加される。また、第2入力端子Vin2から第2制御端子17aにロー論理が入力されるために、第2制御電極17に電圧G2が印加される。第1半導体装置10の第1、第2バイアス電極14、15には、第2電源VDD2から電圧V2が印加されている。第1、第2バイアス電極14、15に印加される電圧が第1、第2制御電極16、17に印加される電圧よりも大きい。そのために、第1バイアス電極14から第1制御電極16に向かって電界Eが発生するとともに、第2バイアス電極15から第2制御電極17に向かって電界Eが発生する。これによりカーボンナノチューブ13は第1、第2バイアス電極14、15側の導通の状態になり、第1半導体装置10がオン状態になる。
第2半導体装置20は、第1入力端子Vin1から第1制御端子26aにロー論理が入力されるために、第1制御電極26に電圧G2が印加される。また、第2入力端子Vin2から第2制御端子27aにロー論理が入力されるために、第2制御電極27に電圧G2が印加される。第2半導体装置20の第1、第2バイアス電極24、25には、第2電源VDD2から電圧G2が印加されている。第1、第2バイアス電極24、25に印加される電圧と第1、第2制御電極26、27に印加される電圧とが等しいために、カーボンナノチューブ23に電界Eは発生しない。これによりソース電極21とドレイン電極22との間が導通せず、第2半導体装置20がオフ状態になる。
第1半導体装置10がオン状態、第2半導体装置20がオフ状態になるために、出力端子Voutからは、第1半導体装置10のソース電極11に印加される電圧が出力される。ここではソース電極11に第1電源VDD1から電圧V1が印加されているので、出力端子Voutからは電圧V1がハイ論理として出力されることになる。
第1入力端子Vin1にロー論理(電圧G2に等しい)が入力され、第2入力端子Vin2にハイ論理(電圧V2に等しい)が入力されると、以下のような動作になる。
第1半導体装置10は、第1入力端子Vin1から第1制御端子16aにロー論理が入力されるために、第1制御電極16に電圧G2が印加される。また、第2入力端子Vin2から第2制御端子17aにハイ論理が入力されるために、第2制御電極17に電圧V2が印加される。第1半導体装置10の第1、第2バイアス電極14、15には、第2電源VDD2から電圧V2が印加されている。第1バイアス電極14に印加される電圧が第1制御電極16に印加される電圧よりも大きい。そのために、第1バイアス電極14から第1制御電極16に向かって電界Eが発生する。これによりカーボンナノチューブ13は第1バイアス電極14側の導通の状態になり、第1半導体装置10がオン状態になる。
第2半導体装置20は、第1入力端子Vin1から第1制御端子26aにロー論理が入力されるために、第1制御電極26に電圧G2が印加される。また、第2入力端子Vin2から第2制御端子27aにハイ論理が入力されるために、第2制御電極27に電圧V2が印加される。第2半導体装置20の第1、第2バイアス電極24、25には、第2電源VDD2から電圧G2が印加されている。第1バイアス電極24に印加される電圧と第1制御電極26に印加される電圧とが等しいために、カーボンナノチューブ23の第1P型ナノチューブ23aに電界Eは発生しない。そのために、ソース電極21とN型ナノチューブ23bとが導通状態にならない。第2バイアス電極25に印加される電圧は第2制御電極27に印加される電圧よりも大きい。そのために、カーボンナノチューブ23の第2P型ナノチューブ23cに第2バイアス電極25から第2制御電極27に向かって電界Eが発生する。これにより第2P型ナノチューブ23cの第2バイアス電極25側に反転層5が形成される。反転層5がチャネルとなって、ドレイン電極22とN型ナノチューブ23bとが導通状態になる。ドレイン電極22とN型ナノチューブ23bとが導通状態になるが、ソース電極21とN型ナノチューブ23bとが導通状態にないために、ソース電極21とドレイン電極22との間が導通せず、第2半導体装置20がオフ状態になる。
第1半導体装置10がオン状態、第2半導体装置20がオフ状態になるために、出力端子Voutからは、第1半導体装置10のソース電極11に印加される電圧が出力される。ここではソース電極11に第1電源VDD1から電圧V1が印加されているので、出力端子Voutからは電圧V1がハイ論理として出力されることになる。
第1入力端子Vin1にハイ論理(電圧V2に等しい)が入力され、第2入力端子Vin2にロー論理(電圧G2に等しい)が入力されると、以下のような動作になる。
第1半導体装置10は、第1入力端子Vin1から第1制御端子16aにハイ論理が入力されるために、第1制御電極16に電圧V2が印加される。また、第2入力端子Vin2から第2制御端子17aにロー論理が入力されるために、第2制御電極17に電圧G2が印加される。第1半導体装置10の第1、第2バイアス電極14、15には、第2電源VDD2から電圧V2が印加されている。第2バイアス電極15に印加される電圧が第2制御電極17に印加される電圧よりも大きい。そのために、第2バイアス電極15から第2制御電極17に向かって電界Eが発生する。これによりカーボンナノチューブ13は第2バイアス電極15側の導通の状態になり、第1半導体装置10がオン状態になる。
第2半導体装置20は、第1入力端子Vin1から第1制御端子26aにハイ論理が入力されるために、第1制御電極26に電圧V2が印加される。また、第2入力端子Vin2から第2制御端子27aにロー論理が入力されるために、第2制御電極27に電圧G2が印加される。第2半導体装置20の第1、第2バイアス電極24、25には、第2電源VDD2から電圧G2が印加されている。第1バイアス電極24に印加される電圧は第1制御電極26に印加される電圧よりも大きい。そのために、カーボンナノチューブ23の第1P型ナノチューブ23aに第1バイアス電極24から第1制御電極26に向かって電界Eが発生する。これにより第1P型ナノチューブ23aの第1バイアス電極24側に反転層5が形成される。反転層5がチャネルとなって、ソース電極21とN型ナノチューブ23bとが導通状態になる。第2バイアス電極25に印加される電圧と第2制御電極27に印加される電圧とが等しいために、カーボンナノチューブ23の第2P型ナノチューブ23cに電界Eは発生しない。そのために、ドレイン電極22とN型ナノチューブ23bとが導通状態にならない。ソース電極21とN型ナノチューブ23bとが導通状態になるが、ドレイン電極22とN型ナノチューブ23bとが導通状態にないために、ソース電極21とドレイン電極22との間が導通せず、第2半導体装置20がオフ状態になる。
第1半導体装置10がオン状態、第2半導体装置20がオフ状態になるために、出力端子Voutからは、第1半導体装置10のソース電極11に印加される電圧が出力される。ここではソース電極11に第1電源VDD1から電圧V1が印加されているので、出力端子Voutからは電圧V1がハイ論理として出力されることになる。
第1入力端子Vin1にハイ論理(電圧V2に等しい)が入力され、第2入力端子Vin2にハイ論理(電圧V2に等しい)が入力されると、以下のような動作になる。
第1半導体装置10は、第1入力端子Vin1から第1制御端子16aにハイ論理が入力されるために、第1制御電極16に電圧V2が印加される。また、第2入力端子Vin2から第2制御端子17aにハイ論理が入力されるために、第2制御電極17に電圧V2が印加される。第1半導体装置10の第1、第2バイアス電極14、15には、第2電源VDD2から電圧V2が印加されている。第1、第2制御電極16、17と第1、第2バイアス電極14、15とに印加される電圧が等しいために、電界Eが発生しない。これによりカーボンナノチューブ13は導通せず、第1半導体装置10がオフ状態になる。
第2半導体装置20は、第1入力端子Vin1から第1制御端子26aにハイ論理が入力されるために、第1制御電極26に電圧V2が印加される。また、第2入力端子Vin2から第2制御端子27aにハイ論理が入力されるために、第2制御電極27に電圧V2が印加される。第2半導体装置20の第1、第2バイアス電極24、25には、第2電源VDD2から電圧G2が印加されている。第1制御電極26に印加される電圧は第1バイアス電極24に印加される電圧よりも大きい。そのために、カーボンナノチューブ23の第1P型ナノチューブ23aに第1制御電極26から第1バイアス電極24に向かって電界Eが発生する。これにより第1P型ナノチューブ23aの第1制御電極24側に反転層5が形成される。反転層5がチャネルとなって、ソース電極21とN型ナノチューブ23bとが導通状態になる。第2制御電極27に印加される電圧は第2バイアス電極25に印加される電圧よりも大きい。そのために、カーボンナノチューブ23の第2P型ナノチューブ23cに第2制御電極27から第2バイアス電極25に向かって電界Eが発生する。これにより第2P型ナノチューブ23cの第2バイアス電極25側に反転層5が形成される。反転層5がチャネルとなって、ドレイン電極22とN型ナノチューブ23bとが導通状態になる。ソース電極21とN型ナノチューブ23bとが導通状態になり、ドレイン電極22とN型ナノチューブ23bとが導通状態になるために、ソース電極21とドレイン電極22との間が導通状態になる。そのために、第2半導体装置20がオン状態になる。
第2半導体装置20がオン状態、第1半導体装置10がオフ状態になるために、出力端子Voutからは、第2半導体装置20のソース電極21に印加される電圧が出力される。ここではソース電極21に第1電源VDD1から電圧G1が印加されているので、出力端子Voutからは電圧G1がロー論理として出力されることになる。
以上のように、この電子装置はNAND論理の動作を行うことになる。
[AND論理装置]
図17は、AND論理動作を行う電子装置の構成を表す図である。この電子装置は、図16に示すNAND論理動作を行う電子装置と比較して、第1電源VDD1の極性が逆になることが異なるのみで、他の接続形態に違いがない。つまり、第1半導体装置10のソース端子11aに第1電源VDD1の陰極が接続され、第2半導体装置20のソース端子21aに第1電源VDD1の陽極が接続されることを除いて、図16の電子装置と図17の電子装置に違いはない。
第1電源VDD1は、出力端子Voutから出力されるハイ論理(電源VDD1の正電圧である電圧V1に等しい)とロー論理(電源VDD1の負電圧である電圧G1に等しい)とを供給する電源であり、この電子装置において、第1半導体装置10、第2半導体装置20の導通状態に影響を及ぼすものではない。そのために、第1電源VDD1の極性が逆になっても、第1、第2入力端子Vin1、Vin2からの入力による第1半導体装置10、第2半導体装置20のオン状態、オフ状態は、図16のNAND論理動作を行う電子装置と同じである。
よって、図17の電子装置では、第1入力端子Vin1にロー論理(電圧G2に等しい)が入力され、第2入力端子Vin2にロー論理(電圧G2に等しい)が入力されると、第1半導体装置10がオン状態になって、出力端子Voutから第1半導体装置10のソース電極11に印加される第1電源VDD1の電圧G1がロー論理として出力される。第1入力端子Vin1にロー論理(電圧G2に等しい)が入力され、第2入力端子Vin2にハイ論理(電圧V2に等しい)が入力されると、第1半導体装置10がオン状態になって、出力端子Voutから第1半導体装置10のソース電極11に印加される第1電源VDD1の電圧G1がロー論理として出力される。第1入力端子Vin1にハイ論理(電圧V2に等しい)が入力され、第2入力端子Vin2にロー論理(電圧G2に等しい)が入力されると、第1半導体装置10がオン状態になって、出力端子Voutから第1半導体装置10のソース電極11に印加される第1電源VDD1の電圧G1がロー論理として出力される。第1入力端子Vin1にハイ論理(電圧V2に等しい)が入力され、第2入力端子Vin2にハイ論理(電圧V2に等しい)が入力されると、第2半導体装置20がオン状態になって、出力端子Voutから第2半導体装置20のソース電極21に印加される第1電源VDD1の電圧V1がハイ論理として出力される。
以上のように、この電子装置はAND論理の動作を行うことになる。
[OR論理装置]
図18は、OR論理動作を行う電子装置の構成を表す図である。この電子装置は、図16に示すNAND論理動作を行う電子装置と比較して、第2電源VDD2の極性が逆になることが異なるのみで、他の接続形態に違いがない。つまり、第1半導体装置10の第1、第2バイアス端子14a、15aに第2電源VDD2の陰極が接続され、第2半導体装置20の第1、第2バイアス端子24a、25aに第2電源VDD2の陽極が接続されることを除いて、図16の電子装置と図18の電子装置に違いはない。
このような構成の電子装置では、第1電源VDD1の正電圧である電圧V1が、第1半導体装置10のソース電極11に印加される。第1電源VDD1の負電圧である電圧G1が、第2半導体装置20のソース電極21に印加される。第2電源VDD2の正電圧である電圧V2が、第2半導体装置20の第1、第2バイアス電極24、25に印加される。第2電源VDD2の負電圧である電圧G2が、第1半導体装置10の第1、第2バイアス電極14、15に印加される。
第1入力端子Vin1にロー論理(電圧G2に等しい)が入力され、第2入力端子Vin2にロー論理(電圧G2に等しい)が入力されると、以下のような動作になる。
第1半導体装置10は、第1入力端子Vin1から第1制御端子16aにロー論理が入力されるために、第1制御電極16に電圧G2が印加される。また、第2入力端子Vin2から第2制御端子17aにロー論理が入力されるために、第2制御電極17に電圧G2が印加される。第1半導体装置10の第1、第2バイアス電極14、15には、第2電源VDD2から電圧G2が印加されている。第1、第2バイアス電極14、15に印加される電圧と第1、第2制御電極16、17に印加される電圧とが等しいために、カーボンナノチューブ13に電界Eは発生しない。これによりソース電極11とドレイン電極12との間が導通せず、第1半導体装置10がオフ状態になる。
第2半導体装置20は、第1入力端子Vin1から第1制御端子26aにロー論理が入力されるために、第1制御電極26に電圧G2が印加される。また、第2入力端子Vin2から第2制御端子27aにロー論理が入力されるために、第2制御電極27に電圧G2が印加される。第2半導体装置20の第1、第2バイアス電極24、25には、第2電源VDD2から電圧V2が印加されている。第1バイアス電極24に印加される電圧は第1制御電極26に印加される電圧よりも大きい。そのために、カーボンナノチューブ23の第1P型ナノチューブ23aに第1バイアス電極24から第1制御電極26に向かって電界Eが発生する。これにより第1P型ナノチューブ23aの第1バイアス電極24側に反転層5が形成される。反転層5がチャネルとなって、ソース電極21とN型ナノチューブ23bとが導通状態になる。第2バイアス電極25に印加される電圧は第2制御電極27に印加される電圧よりも大きい。そのために、カーボンナノチューブ23の第2P型ナノチューブ23cに第2バイアス電極25から第2制御電極27に向かって電界Eが発生する。これにより第2P型ナノチューブ23cの第2バイアス電極25側に反転層5が形成される。反転層5がチャネルとなって、ドレイン電極22とN型ナノチューブ23bとが導通状態になる。ソース電極21とN型ナノチューブ23bとが導通状態になり、ドレイン電極22とN型ナノチューブ23bとが導通状態になるために、ソース電極21とドレイン電極22との間が導通状態になる。そのために、第2半導体装置20がオン状態になる。
第2半導体装置20がオン状態、第1半導体装置10がオフ状態になるために、出力端子Voutからは、第2半導体装置20のソース電極21に印加される電圧が出力される。ここではソース電極21に第1電源VDD1から電圧G1が印加されているので、出力端子Voutからは電圧G1がロー論理として出力されることになる。
第1入力端子Vin1にロー論理(電圧G2に等しい)が入力され、第2入力端子Vin2にハイ論理(電圧V2に等しい)が入力されると、以下のような動作になる。
第1半導体装置10は、第1入力端子Vin1から第1制御端子16aにロー論理が入力されるために、第1制御電極16に電圧G2が印加される。また、第2入力端子Vin2から第2制御端子17aにハイ論理が入力されるために、第2制御電極17に電圧V2が印加される。第1半導体装置10の第1、第2バイアス電極14、15には、第2電源VDD2から電圧G2が印加されている。第2制御電極17に印加される電圧が第2バイアス電極15に印加される電圧よりも大きい。そのために、第2制御電極17から第2バイアス電極15に向かって電界Eが発生する。これによりカーボンナノチューブ13は第2制御電極17側の導通の状態になり、第1半導体装置10がオン状態になる。
第2半導体装置20は、第1入力端子Vin1から第1制御端子26aにロー論理が入力されるために、第1制御電極26に電圧G2が印加される。また、第2入力端子Vin2から第2制御端子27aにハイ論理が入力されるために、第2制御電極27に電圧V2が印加される。第2半導体装置20の第1、第2バイアス電極24、25には、第2電源VDD2から電圧V2が印加されている。第1バイアス電極24に印加される電圧は第1制御電極26に印加される電圧よりも大きい。そのために、カーボンナノチューブ23の第1P型ナノチューブ23aに第1バイアス電極24から第1制御電極26に向かって電界Eが発生する。これにより第1P型ナノチューブ23aの第1バイアス電極24側に反転層5が形成される。反転層5がチャネルとなって、ソース電極21とN型ナノチューブ23bとが導通状態になる。第2バイアス電極25に印加される電圧と第2制御電極27に印加される電圧とが等しいために、カーボンナノチューブ23の第2P型ナノチューブ23cに電界Eは発生しない。そのために、ドレイン電極22とN型ナノチューブ23bとが導通状態にならない。ソース電極21とN型ナノチューブ23bとが導通状態になるが、ドレイン電極22とN型ナノチューブ23bとが導通状態にないために、ソース電極21とドレイン電極22との間が導通せず、第2半導体装置20がオフ状態になる。
第1半導体装置10がオン状態、第2半導体装置20がオフ状態になるために、出力端子Voutからは、第1半導体装置10のソース電極11に印加される電圧が出力される。ここではソース電極11に第1電源VDD1から電圧V1が印加されているので、出力端子Voutからは電圧V1がハイ論理として出力されることになる。
第1入力端子Vin1にハイ論理(電圧V2に等しい)が入力され、第2入力端子Vin2にロー論理(電圧G2に等しい)が入力されると、以下のような動作になる。
第1半導体装置10は、第1入力端子Vin1から第1制御端子16aにハイ論理が入力されるために、第1制御電極16に電圧V2が印加される。また、第2入力端子Vin2から第2制御端子17aにロー論理が入力されるために、第2制御電極17に電圧G2が印加される。第1半導体装置10の第1、第2バイアス電極14、15には、第2電源VDD2から電圧G2が印加されている。第1制御電極16に印加される電圧が第1バイアス電極14に印加される電圧よりも大きい。そのために、第1制御電極16から第1バイアス電極14に向かって電界Eが発生する。これによりカーボンナノチューブ13は第1制御電極14側の導通の状態になり、第1半導体装置10がオン状態になる。
第2半導体装置20は、第1入力端子Vin1から第1制御端子26aにハイ論理が入力されるために、第1制御電極26に電圧V2が印加される。また、第2入力端子Vin2から第2制御端子27aにロー論理が入力されるために、第2制御電極27に電圧G2が印加される。第2半導体装置20の第1、第2バイアス電極24、25には、第2電源VDD2から電圧V2が印加されている。第1バイアス電極24に印加される電圧と第1制御電極26に印加される電圧とが等しいために、カーボンナノチューブ23の第1P型ナノチューブ23aに電界Eは発生しない。そのために、ソース電極21とN型ナノチューブ23bとが導通状態にならない。第2バイアス電極25に印加される電圧は第2制御電極27に印加される電圧よりも大きい。そのために、カーボンナノチューブ23の第2P型ナノチューブ23cに第2バイアス電極25から第2制御電極27に向かって電界Eが発生する。これにより第2P型ナノチューブ23cの第2バイアス電極25側に反転層5が形成される。反転層5がチャネルとなって、ドレイン電極22とN型ナノチューブ23bとが導通状態になる。ドレイン電極22とN型ナノチューブ23bとが導通状態になるが、ソース電極21とN型ナノチューブ23bとが導通状態にないために、ソース電極21とドレイン電極22との間が導通せず、第2半導体装置20がオフ状態になる。
第1半導体装置10がオン状態、第2半導体装置20がオフ状態になるために、出力端子Voutからは、第1半導体装置10のソース電極11に印加される電圧が出力される。ここではソース電極11に第1電源VDD1から電圧V1が印加されているので、出力端子Voutからは電圧V1がハイ論理として出力されることになる。
第1入力端子Vin1にハイ論理(電圧V2に等しい)が入力され、第2入力端子Vin2にハイ論理(電圧V2に等しい)が入力されると、以下のような動作になる。
第1半導体装置10は、第1入力端子Vin1から第1制御端子16aにハイ論理が入力されるために、第1制御電極16に電圧V2が印加される。また、第2入力端子Vin2から第2制御端子17aにハイ論理が入力されるために、第2制御電極17に電圧V2が印加される。第1半導体装置10の第1、第2バイアス電極14、15には、第2電源VDD2から電圧G2が印加されている。第1、第2制御電極16、17に印加される電圧が第1、第2バイアス電極14、15に印加される電圧よりも大きい。そのために、第1制御電極16から第1バイアス電極14に向かって電界Eが発生するとともに、第2制御電極17から第2バイアス電極15に向かって電界Eが発生する。これによりカーボンナノチューブ13は第1、第2制御電極16、17側の導通の状態になり、第1半導体装置10がオン状態になる。
第2半導体装置20は、第1入力端子Vin1から第1制御端子26aにハイ論理が入力されるために、第1制御電極26に電圧V2が印加される。また、第2入力端子Vin2から第2制御端子27aにハイ論理が入力されるために、第2制御電極27に電圧V2が印加される。第2半導体装置20の第1、第2バイアス電極24、25には、第2電源VDD2から電圧V2が印加されている。第1、第2バイアス電極24、25に印加される電圧と第1、第2制御電極26、27に印加される電圧とが等しいために、カーボンナノチューブ23に電界Eは発生しない。これによりソース電極21とドレイン電極22との間が導通せず、第2半導体装置20がオフ状態になる。
第1半導体装置10がオン状態、第2半導体装置20がオフ状態になるために、出力端子Voutからは、第1半導体装置10のソース電極11に印加される電圧が出力される。ここではソース電極11に第1電源VDD1から電圧V1が印加されているので、出力端子Voutからは電圧V1がハイ論理として出力されることになる。
以上のように、この電子装置はOR論理の動作を行うことになる。
[NOR論理装置]
図19は、NOR論理動作を行う電子装置の構成を表す図である。この電子装置は、図18に示すOR論理動作を行う電子装置と比較して、第1電源VDD1の極性が逆になることが異なるのみで、他の接続形態に違いがない。つまり、第1半導体装置10のソース端子11aに第1電源VDD1の陰極が接続され、第2半導体装置20のソース端子21aに第1電源VDD1の陽極が接続されることを除いて、図16の電子装置と図17の電子装置に違いはない。
第1電源VDD1は、出力端子Voutから出力されるハイ論理(電源VDD1の正電圧である電圧V1に等しい)とロー論理(電源VDD1の負電圧である電圧G1に等しい)とを供給する電源であり、この電子装置において、第1半導体装置10、第2半導体装置20の導通状態に影響を及ぼすものではない。そのために、第1電源VDD1の極性が逆になっても、第1、第2入力端子Vin1、Vin2からの入力による第1半導体装置10、第2半導体装置20のオン状態、オフ状態は、図18のOR論理動作を行う電子装置と同じである。
よって、図19の電子装置では、第1入力端子Vin1にロー論理(電圧G2に等しい)が入力され、第2入力端子Vin2にロー論理(電圧G2に等しい)が入力されると、第2半導体装置20がオン状態になって、出力端子Voutから第2半導体装置20のソース電極21に印加される第1電源VDD1の電圧V1がハイ論理として出力される。第1入力端子Vin1にロー論理(電圧G2に等しい)が入力され、第2入力端子Vin2にハイ論理(電圧V2に等しい)が入力されると、第1半導体装置10がオン状態になって、出力端子Voutから第1半導体装置10のソース電極11に印加される第1電源VDD1の電圧G1がロー論理として出力される。第1入力端子Vin1にハイ論理(電圧V2に等しい)が入力され、第2入力端子Vin2にロー論理(電圧G2に等しい)が入力されると、第1半導体装置10がオン状態になって、出力端子Voutから第1半導体装置10のソース電極11に印加される第1電源VDD1の電圧G1がロー論理として出力される。第1入力端子Vin1にハイ論理(電圧V2に等しい)が入力され、第2入力端子Vin2にハイ論理(電圧V2に等しい)が入力されると、第1半導体装置10がオン状態になって、出力端子Voutから第1半導体装置10のソース電極11に印加される第1電源VDD1の電圧G1がロー論理として出力される。
以上のように、この電子装置はAND論理の動作を行うことになる。
以上のように、本実施形態の半導体装置を、2電源を用いて様々に接続することで、多種多様な回路を実現できる。この実施形態の半導体装置は、電子のみをキャリアとした単キャリアであるので、完全動作が実現され、論理が更に明確になる。電子をキャリアとして用いると、正孔をキャリアとして用いる場合よりも高速に動作する。
なお、正孔をキャリアとして用いる場合、つまりカーボンナノチューブのチャネルが形成されるナノチューブがN型半導体の特性を有するものを用いる場合でも、チャネルが形成される場所がバイアス電極側か制御電極側かが変わるだけで、同様に、多種多様な回路を実現できることは言うまでもない。
カーボンナノチューブを用いた半導体装置の動作原理の説明図。 カーボンナノチューブを用いた半導体装置の動作原理の説明図。 カーボンナノチューブを用いた半導体装置の動作原理の説明図。 カーボンナノチューブを用いた半導体装置の動作原理の説明図。 カーボンナノチューブを用いた半導体装置の動作原理の説明図。 OR論理動作を実現した半導体装置の構成を表す図。 AND論理動作を実現した半導体装置の構成を表す図。 インバータ動作を実現した半導体装置の構成を表す図。 半導体装置を製造する手順を表す図。 半導体装置を製造する手順を表す図。 半導体装置を製造する手順を表す図。 半導体装置を製造する手順を表す図。 半導体装置を製造する手順を表す図。 半導体装置を製造する手順を表す図。 半導体装置を製造する手順を表す図。 本実施形態の半導体装置を用いたNAND論理回路を表す図。 本実施形態の半導体装置を用いたAND論理回路を表す図。 本実施形態の半導体装置を用いたOR論理回路を表す図。 本実施形態の半導体装置を用いたNOR論理回路を表す図。
符号の説明
1、13、23、33、43、44、45 カーボンナノチューブ
2 バイアス電極
3 制御電極
4 電源
5 反転層
10 第1半導体装置
11、21、31 ソース電極
11a、21a、31a ソース端子
12、22、32 ドレイン電極
12a、22a、32a ドレイン端子
14、24、34 第1バイアス電極
14a、24a、34a 第1バイアス端子
15、25、35 第2バイアス電極
15a、25a、35a 第2バイアス端子
16、26、36 第1制御電極
16a、26a、36a 第1制御端子
17、27、37 第2制御電極
17a、27a、37a 第2制御端子
20 第2半導体装置
30 第3半導体装置
41 基板
42 鉄触媒
46 絶縁体
47a〜47d 導体

Claims (9)

  1. 第1の半導体の特性を有する1以上の第1ナノチューブと第2の半導体の特性を有する2以上の第2ナノチューブとが1つずつ隣り合った構造を有するナノチューブと、
    前記ナノチューブを挟んで対向する2つの導体からなる複数組の導体対と、を備えており、
    少なくとも1組の導体対を構成する一方の導体と他方の導体とに異なる電圧を印加することで、当該導体対に挟まれた前記第1ナノチューブにチャネルが形成されて、当該第1ナノチューブに隣接する2つの前記第2ナノチューブ間が導通するように構成されている、
    半導体装置。
  2. 前記ナノチューブは、両端に第2の半導体の特性を有する電極が設けられており、
    少なくとも1組の導体対を構成する一方の導体と他方の導体とに異なる電圧を印加することで、すべての前記第1ナノチューブにチャネルが形成されて、前記両端に設けられた前記電極間が導通するように構成されている、
    請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記ナノチューブは、前記電極が前記第2ナノチューブにより形成されて、当該電極と一体に構成されており、
    少なくとも1組の導体対を構成する一方の導体と他方の導体とに異なる電圧を印加することで、すべての前記第1ナノチューブにチャネルが形成されて、前記両端に設けられた前記電極間が導通するように構成されている、
    請求項2記載の半導体装置。
  4. 前記ナノチューブは、両端に第2の半導体の特性を有する電極が設けられるとともに、前記第1ナノチューブを2以上有しており、
    前記導体対は、前記第1ナノチューブごとに設けられており、
    すべての導体対の各々で、導体対を構成する一方の導体と他方の導体とに異なる電圧を印加することで、すべての前記第1ナノチューブにチャネルが形成されて、前記両端に設けられた前記電極間が導通するように構成されている、
    請求項1記載の半導体装置。
  5. 前記ナノチューブは、前記電極が前記第2ナノチューブにより形成されて、当該電極と一体に構成されるとともに、前記第1ナノチューブを2以上有しており、
    前記導体対は、前記第1ナノチューブごとに設けられており、
    すべての導体対の各々で、導体対を構成する一方の導体と他方の導体とに異なる電圧を印加することで、すべての前記第1ナノチューブにチャネルが形成されて、前記両端に設けられた前記電極間が導通するように構成されている、
    請求項4記載の半導体装置。
  6. 前記ナノチューブは、両端に第2の半導体の特性を有する電極が設けられるとともに、前記第1ナノチューブを2以上有し、いずれか1つの第2ナノチューブに出力端子が設けられており、
    前記導体対は、前記第1ナノチューブごとに設けられており、
    前記出力端子が設けられた第2ナノチューブと一方の端の電極との間に設けられた第1ナノチューブに対応する導体対の各々で、導体対を構成する一方の導体と他方の導体とに異なる電圧を印加することで、当該導体対に挟まれる第1ナノチューブにチャネルが形成されて、前記一方の端の電極と前記出力端子が設けられた前記第2ナノチューブの間が導通するように構成されている、
    請求項1記載の半導体装置。
  7. 前記導体対は、一方の導体が他のすべての導体対の一方の導体と一体に形成されており、他方の導体が他のすべての導体対の他方の導体とは分離して形成されている、
    請求項6記載の半導体装置。
  8. 第1の半導体の特性を有する1以上の第1ナノチューブと第2の半導体の特性を有する2以上の第2ナノチューブとが1つずつ隣り合った構造を有するナノチューブを形成する第1の段階と、
    前記ナノチューブを挟んで対向する2つの導体からなる導体対を複数組形成する第2の段階と、を含み、
    少なくとも1組の導体対を構成する一方の導体と他方の導体とに異なる電圧を印加することで、当該導体対に挟まれた前記第1ナノチューブにチャネルが形成されて、当該第1ナノチューブに隣接する2つの前記第2ナノチューブ間が導通するように構成されている半導体装置を製造する、
    製造方法。
  9. 前記第2の段階は、
    前記ナノチューブを絶縁体で被覆する段階と、
    前記ナノチューブの軸から見て、前記ナノチューブを挟んで対向するように、前記絶縁体に空隙を形成する段階と、
    前記空隙に前記導体を形成する段階と、を含む、
    請求項8記載の製造方法。
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