本発明の印刷ログ管理システムでは、印刷要求端末と、印刷要求端末で生成された印刷データを出力しつつこの印刷データの操作に係るログデータを生成する画像形成装置と、印刷データの印刷ログを管理する印刷ログ管理装置とからなる。印刷ログ管理装置は、複数のデータフォーマットが格納されたフォーマット格納手段を有し、印刷データを予め設定された条件に基づき適切なフォーマットに変換する。そして印刷ログ管理装置は、この変換後の印刷データとログデータとを対応付けて管理する。
(第一の実施形態)
以下に図面を参照して本発明の第一の実施形態について説明する。図1は、本発明の第一の実施形態の印刷ログ管理システム100のシステム構成図の例である。
本発明の第一の実施形態の印刷ログ管理システム100は、印刷要求端末200、画像形成装置300、印刷ログ管理装置400とから構成されている。
印刷ログ管理システム100では、印刷要求端末200により印刷データが生成され、この印刷データが印刷要求として画像形成装置300へ送られる。画像形成装置300では、受け付けた印刷要求から印刷データを出力し、この印刷データのログデータを生成する。そして画像形成装置300は、印刷データと、生成したログデータを印刷ログ管理装置400へ送信する。印刷ログ管理装置400では、印刷データに所定の処理を施した記録データと、ログデータとを対応付けて印刷ログとし、この印刷ログをデータベース410へ格納して管理する。ここで印刷データへ施す所定の処理についての詳細は後述する。
以下に図2を参照して本実施形態の印刷ログ管理システム100についてさらに詳細に説明する。図2は、第一の実施形態の印刷ログ管理システム100の機能構成図の例である。
印刷要求端末200は、例えば演算処理装置と記憶手段とを有する一般のコンピュータなどであり、アプリケーション210、プリンタドライバ220とを備える。印刷要求端末200では、さらにディスプレイなどの表示装置とキーボードなどの入力装置を有し、アプリケーション210により印刷データが生成される。また印刷要求端末200では、プリンタドライバ220により生成された印刷データを画像形成装置300において出力可能な印刷RAWデータへ変換している。
画像形成装置300は、例えば一般の複合機やレーザープリンタなどであり、印刷制御部310と印刷ログ生成部320とを備える。画像形成装置300において、印刷制御部310は、画像形成装置300において受け付けた印刷要求に対応した印刷RAWデータの出力処理の制御を行う。印刷ログ生成部320は、この印刷RAWデータの出力処理の際に、受け付けた印刷要求を印刷RAWデータとログデータとに分離して印刷ログ管理装置400へ送信する。
印刷ログ管理装置400は、データベース410、フォーマット選択部420、フォーマット変換部430、セキュリティレベル判定部440、データ加工部450、記録ログ生成部460、ログ管理部470とを備える。
印刷ログ管理装置400は、画像形成装置300から印刷要求を受けると、印刷要求に含まれる印刷RAWデータのフォーマットを、フォーマット変換部430を用いてフォーマット選択部420により選択されたフォーマットへ変換し、記録データとする。そして記録ログ生成部460により、この記録データと、印刷要求に含まれるログデータとが紐付けされて印刷ログとされ、このログ管理部470によりこの印刷ログがデータベース410へ格納される。
データベース410は、記録データと、この記録データの元となる印刷RAWデータに係るログデータとが対応付けられた情報が印刷ログとして格納されている。
フォーマット選択部420は、複数のフォーマットが格納さたれフォーマット選定テーブル422から所定の設定に基づきフォーマットを選択する。フォーマット選定テーブル421については後述する。
フォーマット変換部430は、印刷RAWデータを、フォーマット選択部420により選択されたフォーマットデータへ変換する。セキュリティレベル判定部440は、印刷データのセキュリティレベルを判定する。
データ加工部450は、印刷RAWデータまたは印刷データに対し加工処理を施す。ログ生成部460は、フォーマット変換部420によりフォーマット変換された印刷RAWデータまたはデータ加工部450により加工された印刷データと、ログデータとを紐付けして印刷ログを生成する。ログ管理部470は、この印刷ログをデータベース410へ格納し管理する。
ここで、図3を参照して本実施形態の印刷ログ管理装置400についてさらに詳細に説明する。図3は、第一の実施形態の印刷ログ管理装置400の機能構成を示す図の例である。
本実施形態の印刷ログ管理装置400において特徴的な機能を有する部分は、フォーマット選択部420、フォーマット変換部430、セキュリティレベル判定部440、データ加工部450である。よって、図3を参照して上記各部について詳細に説明する。
フォーマット選択部420は、データサイズ見積もり部421、フォーマット選定テーブル422とを備え、所定の設定に基づき印刷RAWデータの変換後のフォーマット選定テーブル422からフォーマットを選択する。尚ここで、本実施形態のフォーマット選択部420は、1の印刷RAWデータにおいて複数の異なるフォーマットを選択することも可能である。フォーマットの選択処理の詳細は後述する。
データサイズ見積もり部421は、印刷RAWデータがフォーマット選定テーブル422に格納された各フォーマットに変換された場合におけるそれぞれの記録データのデータサイズを見積もる。フォーマット選定テーブル422には、複数のフォーマットが格納されている。本実施形態のフォーマット選定テーブル422には、選択可能なデータフォーマットとして、イメージデータフォーマット、PDF(Portable Document Format)フォーマット、テキストデータフォーマットがある。またこれ以外にも、図示していないが、変換前の印刷RAWデータをそのまま使用するフォーマットもある。
次にフォーマット変換部430について説明する。フォーマット変換部430では、画像形成装置300から受け付けた印刷RAWデータを、フォーマット選択部420において選択されたフォーマットに変換する。本実施形態のフォーマット変換部430では、具体的には図3に示すように、印刷RAWデータをイメージデータフォーマットへ変換する変換処理、印刷RAWデータをPDFフォーマットに変換する処理、印刷RAWデータをテキストデータに変換する処理が可能である。
フォーマット変換部430において、印刷RAWデータをイメージデータフォーマットへ変換すれば、比較的データサイズを小さくすることができ、元の印刷データのレイアウトを保存することができる。また、イメージデータフォーマットとすることにより、解像度や濃度、カラー階調の粒度を調整するため、データサイズと情報量の調整を行うことができる。ここでのイメージデータフォーマットとは、汎用性の高いフォーマットが好ましく、例えばJPEG、TIFFなどである。このようなフォーマットであれば、長期間の保存に対して高い信頼性を得ることができる。
またフォーマット変換部430において、印刷RAWデータをPDFフォーマットに変換すれば、比較的データサイズを小さくすることができ、印刷データの文字情報やレイアウトを維持することができる。また、PDFフォーマットに変換した場合には文字情報が残るため、高い検索性を維持することができる。さらに暗号化、電子署名、タイムスタンプなどのセキュリティ機能を付与する仕様が定まっているため、利便性が高い記録データとすることができる。
またフォーマット変換部430において、印刷RAWデータをテキストデータに変換すれば、データサイズを小さくしつつ、高い検索性を維持することができる。また汎用性が高いため、長期間の保存においても高い信頼性を得ることができる。尚本実施形態のフォーマット変換部430では、データ加工部450のOCR処理機能によりイメージデータをテキストデータへ変換することも可能である。
またフォーマット選択部420により、変換前の印刷RAWデータをそのまま使用するフォーマットが選択された場合、フォーマット変換部430は事実上は変換処理を行わない。変換前の印刷RAWデータをそのまま記録データとすれば、印刷要求の記録として、情報量を豊富に保持することができる。よって、このフォーマットは、機密文書などの印刷ログを取得する際に選択されることが好ましい。
次にセキュリティレベル判定部440について説明する。セキュリティレベル判定部440は、印刷データのセキュリティレベルを判定するものであり、キーワード検索部441、書誌情報抽出部442とを有する。
キーワード検索部441は、フォーマット選択部420において、テキストデータフォーマットが選択され、フォーマット変換部430により印刷RAWデータがテキストデータへ変換された場合に、このテキストデータから特定のキーワードを検索する。セキュリティレベル判定部440は、このキーワード検索部441の検索結果に基づき印刷データのセキュリティレベルを判定する。尚このとき、特定のキーワードとは、システム管理者により印刷ログ管理装置400において予め設定されたものであっても良い。キーワード検索部441による検索結果によるセキュリティレベル判定処理については後述する。
書誌情報抽出部442は、印刷ログ管理装置400が画像形成装置300から受け付けた印刷要求に含まれるログデータから、印刷データに関する書誌情報を抽出する。セキュリティレベル判定部440は、この抽出された書誌情報に基づき印刷データのセキュリティレベルを判定する。書誌情報に基づく印刷データのセキュリティレベル判定処理については後述する。
次にデータ加工部450について説明する。データ加工部450は、ノイズ除去部451、トリミング処理部452、フォーム識別部453、OCR(Optical Character Reader)処理部454とを備える。ノイズ除去部451、トリミング処理部452は、印刷RAWデータを記録データとする際に、必要に応じて印刷RAWデータにノイズ除去、トリミング処理を施す。
フォーム識別部453は、印刷データのフォーマットを識別する。OCR処理部454は、イメージデータに含まれる文字部分を文字コード化してテキストデータへ変換する処理を行う。例えば印刷ログ管理装置400が印刷要求端末200より印刷データを受け付け、フォーム識別部453が印刷データがイメージデータであることを認識したときなどに、OCR処理部454を用いてこのイメージデータをテキストデータへ変換することができる。
次に本実施形態の印刷ログ管理システム100の動作について説明する。尚ここで本発明の印刷ログ管理システム100の特徴的な動作の説明に先立ち、図4を参照して印刷ログ管理システム100が従来と同様の動作により印刷ログを管理する場合を説明する。図4は、印刷ログ管理システム100が従来と同様の動作により印刷ログを管理する場合を説明するシーケンス図の例である。
印刷要求端末200において、アプリケーション210により印刷でデータが生成され(S41)、印刷指示が出されると、印刷要求端末200においてこの印刷指示はプリンタドライバ220へ送られる(S42)。プリンタドライバ220は、この印刷指示を受け付けると、印刷データから画像形成装置300に対応する印刷RAWデータを生成する(S43)。さらにプリンタドライバ220は、生成した印刷RAWデータに、印刷者情報、印刷指示が出された時刻を示す時刻情報等のメタデータを付加して印刷要求を生成する(S44)。そしてプリンタドライバ220は、この印刷要求を画像形成装置300へ送信する(S45)。
画像形成装置300は、この印刷要求を受け付けると、印刷制御部310においてこの印刷要求を、印刷RAWデータとメタデータに分離する(S46)。そして印刷制御部310は、印刷RAWデータを出力する印刷処理を実行する(S47)。印刷制御部310は、その後、受け付けた印刷要求をログ情報として印刷ログ管理装置400へ書き出す(S48)。印刷ログ管理装置400では、このログ情報をデータベース410へ格納する(S49)。
このように、例えば印刷ログ管理システム100が従来の印刷ログ管理システムと同様の動作を行った場合、印刷ログ管理装置400のデータベース410に、印刷データがそのまま蓄積される。このため管理対象となるデータの量が膨大な量になることがわかる。
ここで、本実施形態の印刷ログ管理装置100において、本発明の特徴的な動作により印刷ログを管理する場合を説明する。
図5は、第一の実施形態の印刷ログ管理システム100における印刷ログの管理を説明する概念図の例である。
本実施形態では、印刷要求端末200により生成された印刷データ50は、印刷要求端末200のプリンタドライバ220により、印刷データ50を画像形成装置300に対応したデータ形式に変換された印刷RAWデータ50Aと、印刷データ50の書誌情報51、印刷制御情報52とが付加された印刷要求53とされる。ここで書誌情報51は、印刷データ50が生成された時刻を示す時刻情報や印刷者情報、印刷データ50の属性情報、印刷データ50のセキュリティレベルを示す情報等からなる。印刷制御情報52は、印刷要求端末200のIPアドレスや印刷部数、印刷時の用紙サイズなどからなる。
この印刷要求53において、書誌情報51と印刷制御情報52とは、ログ生成部460により合成されてログデータ53とされる。そして印刷要求53に含まれる印刷RAWデータ50Aは、フォーマット変換部430により、フォーマット選択部420により選択されたフォーマットへ変換されて記録データ54とされる。印刷ログ管理装置400では、このログデータ53と記録データ54とが紐付けされて印刷ログ55としてデータベース410へ格納される。
以下に図6、図7を参照して、この概念を実現させる処理について説明する。図6は、第一の実施形態の印刷ログ管理システム100の特徴的な動作を説明する第一のシーケンス図であり、フォーマット選択部420により選択されたフォーマットが1種類である場合を説明する。図7は、第一の実施形態の印刷ログ管理システム100の特徴的な動作を説明する第二のシーケンス図であり、フォーマット選択部420により選択されたフォーマットが複数種類である場合を説明する。
図6において、S611からS614までの処理は、図4のS45からS48までの処理と同様であるから説明を省略する。
印刷ログ管理装置400において、画像形成装置300から印刷RAWデータとメタデータとからなる印刷要求を受け付けると、フォーマット選択部420は、この印刷RAWデータを変換するフォーマットを選択する(S615)。そしてフォーマット選択部420は、印刷RAWデータを選択したフォーマットへ変換すべく、フォーマット変換部430へ変換指示をだす(S616)。尚ここで、フォーマット選択部420におけるフォーマットの選択処理については詳細を後述する。
フォーマット変換部430は、S616において変換指示受け付けると、指示されたフォーマットへ印刷RAWデータのフォーマットを変換して記録データとする(S617)。フォーマット変換部430において記録データが生成されると、(S618)、印刷ログ管理装置400において、ログ生成部460が印刷要求に含まれるメタデータと他の印刷制御情報とを合成してログデータを生成し、このログデータと記録データを紐付けして印刷ログとする(S619)。この印刷ログは、印刷ログ管理装置400においてログ管理部470によりデータベース410へ格納されて管理される(620)。
次に図7について説明する。図7は、第一の実施形態の印刷ログ管理システム100の特徴的な動作を説明する第二のシーケンス図であり、フォーマット選択部420により選択されたフォーマットが複数種類である場合を説明する。
図7において、S711からS714までの処理は、図6のS611からS614までの処理と同様であるから説明を省略する。
印刷ログ管理装置400において、画像形成装置300から印刷RAWデータとメタデータとからなる印刷要求を受け付けると、フォーマット選択部420は、この印刷RAWデータを変換する複数のフォーマットの組合せを選択する(S715)。このとき選択される複数のフォーマットは、印刷データを構成するデータの種別に対応して選択されても良い。
そしてフォーマット選択部420は、印刷RAWデータを、選択した複数のフォーマットからなる記録データへ変換すべく、各フォーマット毎に順次フォーマット変換部430へ変換指示をだす(S716)。尚ここで、フォーマット選択部420におけるフォーマットの選択処理については詳細を後述する。
フォーマット変換部430は、S716において変換指示受け付けると、指示されたフォーマットへ印刷RAWデータのフォーマットを変換する(S717)。フォーマット選択部420とフォーマット変換部430は、この処理をS715において選択されたフォーマットの数分繰り返す(S718)。
このようにして印刷RAWデータが複数のフォーマットからなる記録データに変換されると(S719)、ログ生成部460は、印刷要求に含まれるメタデータと他の印刷制御情報とを合成してログデータを生成し、このログデータと記録データを紐付けして印刷ログとする(S720)。この印刷ログは、印刷ログ管理装置400においてログ管理部470によりデータベース410へ格納されて管理される(S721)。
ここで、S615及びS715におけるフォーマット選択部420によるフォーマットの選択処理について説明する。
本実施形態の印刷ログ管理システム100では、例えばシステム管理者などにより、システム全体としての印刷ログの管理にあたり重要とされる要素が予め決定されており、印刷ログ管理装置400では、この決定に基づきフォーマット選択の基準となる条件が設定されていても良い。この設定は、例えば印刷ログ管理装置400の備える図示しない設定手段などにより設定されても良し、印刷要求端末200よりネットワークを介してなされても良い。
例えば印刷ログ管理システム100において、印刷ログの検索を容易に行うことが重要視される場合、印刷ログ管理装置400では、検索処理に適したフォーマットを選択する設定が成されても良い。この場合フォーマット選択部420は、この設定に基づき、検索を容易に行うことが可能なフォーマットであるテキストデータフォーマットを選択すれば良い。
また、例えば印刷ログ管理システム100において、より正確に印刷データの印刷ログをとることが重要視される場合、印刷ログ管理装置400では変換前の印刷RAWデータをそのまま使用するフォーマットを選択する設定とされていても良い。この場合フォーマット選択部420は、印刷RAWデータをそのまま使用するフォーマットを選択する。
このように、本実施形態では、印刷ログの管理において重要とされる要素に基づいて適切なフォーマットを選択し、印刷データを選択されたフォーマットに変換する。このことにより、印刷データそのものを用いずに印刷ログを管理することが可能となり、管理対象となる情報量を削減させることができる。また印刷ログ管理装置400において、管理対象となる情報量が削減されれば、例えば情報漏洩があった場合などに、漏洩元を突き止めるための検索速度を向上させることも可能となる。
さらに、例えば印刷ログ管理システム100において、印刷ログを検索のしやすさを維持し、且つ証拠としての信憑性を高いものとすること望まれる場合などには、検索性と信憑性が印刷ログの管理における重要な要素となる。印刷ログ管理システム100での印刷ログの管理おいてこのような決定が成されていた場合、印刷ログ管理装置400では、フォーマット選択の基準として検索性と信憑性を重要とする設定が成されても良い。
このような場合、フォーマット選択部420は、例えば印刷データが写真とテキストデータとにより構成されていた場合には、イメージデータフォーマットとテキストとデータフォーマットとの組合せを選択しても良い。このようにすれば、写真はそのままイメージデータとされるので、証拠としての信憑性を確保することができ、テキストデータはコード化されるため検索において利便性を確保することができる。
このように本実施形態では、一の印刷要求より生成された印刷RAWデータにおいて、相互を補完しあう複数のデータフォーマットを用いて記録データとすることができる。これにより、印刷ログの管理において、印刷ログ管理システム100の使用環境に、より柔軟に対応することができる。
さらに本実施形態の印刷ログ管理システム100では、印刷要求毎に、印刷ログに管理において重要とされる要素が決定されても良い。この場合、印刷要求端末200の備える図示しない表示装置や画像形成装置300の図示しない表示パネルなどにおいて、印刷要求毎に印刷ログの管理にあたり重要とされる要素を選択可能に表示させても良い。ユーザは、例えば自分がこれから印刷しようとする印刷データが、文字ばかりの文書データであった場合などには、この表示からテキストデータを重要要素とする選択をしても良い。
すると印刷ログ管理装置400においてテキストデータ重視の設定がなされ、フォーマット選択部420はこの設定に基づきテキストデータフォーマットを選択することができる。
また例えばユーザがこれから印刷しようとする印刷データが、イメージデータばかりのカタログなどであった場合には。この表示からイメージデータを重要要素とする選択をしても良い。すると印刷ログ管理装置400においてイメージデータ重視の設定がなされ、フォーマット選択部420はこの設定に基づきイメージデータフォーマットを選択することができる。
また本実施形態の印刷ログ管理システム100では、フォーマット選択部420におけるフォーマットの選択基準となる設定として、システム全体としての設定と、印刷要求毎の設定を組み合わせたものを用いても良い。
すなわち、本実施形態の印刷ログ管理装置400では、システム全体として重要とされる要素と、印刷要求毎に重要とされる要素との両方を基準にして記録データのフォーマットを選択しても良い。
例えば印刷ログ管理システム100において、印刷ログの管理における重要要素が検索性能とされている。この場合にある印刷要求においてユーザが印刷要求端末200等において信憑性を重要要素とする設定を行う。すると印刷ログ管理装置400では、フォーマット選択の基準となる設定を、重要要素が検索性能とされた設定から、重要要素が検索性能及び信憑性とされた設定に変更する。
するとフォーマット選択部420は、この設定に基づき、この2つ基準を満たす複数のフォーマットの組合せを選択しても良い。尚このとき、印刷要求毎になされた設定は、印刷要求が実行された後に自動的に解除されるものであっても良い。
このように本実施形態では、印刷データそのものを保持せずに、様々な要求に対応する印刷ログを取得することができるので、効率的に印刷ログを管理することができる。
また本実施形態では、印刷ログ管理システム100の使用環境に適したフォーマットで印刷ログを管理することかできるので、検索性を維持しつつも効率的に印刷ログを管理することができる。
以下に図面を参照して、本実施形態におけるその他のフォーマット選択処理について具体的に説明する。
まず、図8を参照して、フォーマット選択部420が、記録データのデータサイズがもっとも小さくなるフォーマットを選択する場合について説明する。この場合、印刷ログ管理システム100において、より多数の印刷ログを管理することが重要要素として決定されており、印刷ログ管理装置400では、この決定に基づき印刷ログのデータサイズを小さくすることが重要要素として設定されているものとする。
図8は、第一の実施形態において記録データのデータサイズが最も小さくなるフォーマットが選択される場合を説明する図である。図8(A)は印刷ログ管理システム100の動作を示すシーケンス図、図8(B)は、フォーマット選択におけるデータサイズの見積もり処理を説明するフローチャートである。
まず、図8(A)を参照して印刷ログ管理システム100の動作を説明する。
印刷ログ管理装置400において、印刷要求を受け付けると、ログ作成部460は、印刷ログを作成すべくフォーマット選択部420へフォーマット選択指示を出す(S801)。
フォーマット選択部420はこの指示を受けると、データサイズ見積もり部421により、フォーマット選定テーブル422に格納された各フォーマットに対応した記録データのデータサイズを見積もる。尚ここでの見積もり処理の詳細は後述する。フォーマット選択部420は、このデータサイズ見積もり部421の見積もり処理の結果に基づき採用するフォーマットを選択する(S802)。
フォーマット選択部420により採用するフォーマットが選択されると(S803)、ログ作成部460はフォーマット変換部430へ、印刷要求に含まれる印刷RAWデータのフォーマットの変換指示を出す(S804)。フォーマット変換部430は、この指示をうけて、S802で選択されたフォーマットへ、印刷RAWデータのフォーマットを変換し(S805)、記録データとする。
ログ生成部460は、印刷要求に含まれるメタデータと他の印刷制御情報とを合成してログデータを生成し、このログデータとこの記録データとを紐付けして印刷ログとする(S806)。この印刷ログは、印刷ログ管理装置400においてログ管理部470によりデータべース410へ格納されて管理される(S807)。
次に図8(B)を参照して、図8(A)のS802におけるデータサイズの見積もり処理について説明する。
フォーマット選択部420により、フォーマット選択処理が開始されると(S810)、データサイズ見積もり部421は、フォーマット選定テーブル422に格納された各フォーマットを用いた場合の記録データのデータサイズの見積もりを順次行う。
まずデータサイズ見積もり部421は、印刷RAWデータを、フォーマット選定テーブル422において一番目に格納されたフォーマットに変換した場合の記録データのデータサイズを見積もる(S811)。次にデータサイズ見積もり部421は、同様に、印刷RAWデータを、フォーマット選定テーブル422において二番目に格納されたフォーマットに変換した場合の記録データのデータサイズを見積もる(S812)。データサイズ見積もり部421は、この処理をフォーマット選定テーブル422に格納されているフォーマットの数と同回数行う(S813)。
データサイズ見積もり部421によるすべてのフォーマットに対する記録データのデータサイズの見積もり処理が終了すると、フォーマット選択部420は、この中からデータサイズが最小となったものを選択し(S814)、このフォーマットを採用する(S815)。
本実施形態では、このようにして、記録データがもっとも小さくなるフォーマットを選択することができる。
次に、図9を参照して、フォーマット選択部420が、印刷データのセキュリティレベルと、記録データのデータサイズに基づきフォーマットを選択する場合について説明する。この場合、印刷ログ管理システム100において、印刷データのセキュリティレベルと記録データのサイズが重要要素と決定されおり、印刷データのセキュリティレベルが一定以下である場合にのみ、記録データのデータサイズが小さくなるフォーマットが選択される。
よってこの場合、印刷ログ管理装置400では、セキュリティレベル判定部440の結果に基づきフォーマットを選択し、さらに選択したフォーマットに対応した記録データのデータサイズに基づき最終的に採用するフォーマットを選択する。
図9は、フォーマット選択部420が、印刷データのセキュリティレベルと、記録データのデータサイズに基づきフォーマットを選択する場合を説明する図である。図9(A)は、フォーマット選定テーブルを説明する図であり、図9(B)は、印刷ログ管理装置400におけるフォーマット選定処理を説明するフローチャートである。
本実施形態の印刷ログ管理装置400のフォーマット選定テーブル422には、複数のフォーマット以外にも図9(A)に示される情報が格納されている。すなわちフォーマット選定テーブル422では、各フォーマットおいて、セキュリティレベル、記録データとしたときのデータサイズの上限値、記録データのデータサイズが上限値を超え場合の代替えのフォーマットとが対応付けられて格納されている。
例えば本実施形態のフォーマット選定テーブル422では、印刷RAWデータをそのまま使用するフォーマットに対応する印刷データのセキュリティレベルは、最も高いAレベルとされている。そしてこのフォーマットを用いた場合の記録データの上限値は40Mbyteとなっており、記録データがこの上限値を超える場合の代替フォーマットがPDFフォーマットとされている。
次に図9(B)を参照してこの場合のフォーマットの選択処理を説明する。
印刷ログ管理装置400において、フォーマットの選択処理が開始されると(S901)、フォーマット選択部420は、セキュリティレベル判定部440により印刷データのセキュリティレベルを判定する(S902)。尚このとき、セキュリティレベル判定部440は、印刷データのセキュリティレベル情報に基づきセキュリティレベルの判定を行う。このセキュリティレベル情報は、例えば印刷要求に含まれるログデータの一部の情報であり、機械的にセキュリティレベルを特定することができる情報(例えば、セキュリティレベル=Aなど)である。
S902において印刷データのセキュリティレベルが判定されると、フォーマット選択部420は、フォーマット選定テーブル422からこのセキュリティレベルに対応したフォーマットと、このフォーマットの代替フォーマットを取得する(S903)。そしてフォーマット選択部420は、データサイズ見積もり部421により、印刷RAWデータを取得したフォーマットに変換した場合の記録データのデータサイズの見積もり処理を行う(S904)。
フォーマット選択部420は、ここでフォーマット選定テーブル422に基づき、記録データのデータサイズが上限値を超えるか否かを判断し(S905)、上限値を超えない場合にはこのフォーマットを採用する(S906)。そしてフォーマット選択部420は、S905において記録データのデータサイズが上限値を超える場合、代替フォーマットを採用する(S907)。
このように、フォーマット選択部420は、印刷データのセキュリティレベルと、記録データのデータサイズに基づきフォーマットを選択するので、全体のデータサイズを抑えつつ、重要な印刷データに関しては詳細な情報を残すことができる。
尚、図9に示した例では、印刷データのセキュリティレベルは機械的に判定可能なものとしたが、本実施形態における印刷データのセキュリティレベルは、これに限定されるものではない。本実施形態では、印刷データのセキュリティレベルを、各種条件に基づき自動的に判定しても良い。
以下に図面を参照して、本実施形態のセキュリティレベル判定処理について説明する。
図10は、第一の実施形態における印刷データのセキュリティレベル判定処理を説明する第一の図である。
図10に示す本実施形態のセキュリティレベル判定処理では、印刷データに出現する特定のキーワードの出現回数に基づき印刷データのセキュリティレベルを判定する。図10(A)は、特定のキーワードが設定されたキーワードテーブルの例を示す図であり、図10(B)は、印刷データのセキュリティレベル判定処理を説明するフローチャートの例である。
本実施形態の印刷ログ管理装置400では、セキュリティレベル判定部440において図10(A)に示すようなキーワードテーブルに特定のキーワードが設定されて記憶されており、この各キーワードには重み付けがなされている。尚ここで、キーワードテーブルに記憶されるキーワードとそれに対応する重みは、例えばシステム管理者などにより予め設定されているものとした。
以下に図10(B)を参照してセキュリティレベル判定処理を説明する。
印刷ログ管理装置400のフォーマット選択処理において、印刷データのセキュリティレベル判定処理が開始されると(図9のS902)、セキュリティレベル判定部440は、加工部450のOCR処理部454を用いて印刷RAWデータからテキストデータを抽出する(S1001)。
次にセキュリティレベル判定部440は、キーワードテーブルの一行目を読み込む(S1002)。そしてキーワード検索部441を用いて、読み込んだ検索キーワードでテキストデータを検索する。セキュリティレベル判定部440は、テキストデータ中に検索キーワードが出現する回数と、この検索キーワードの重みとの積を求め加算する(S1003)。
セキュリティレベル判定部440は、この処理をキーワードテーブルに記憶されたキーワードの数と同回数繰り返す(S1004)。そしてセキュリティレベル判定部440は、この計算結果に基づき、セキュリティレベルを判定する(S1005)。このときセキュリティレベル判定部440は、S1004における計算結果の値が大きいほどセキュリティレベルが高いものと判断する。またセキュリティレベル判定部440では、セキュリティレベルを決定する閾値が設定されていても良く、例えばS1004における計算結果の値が30以上であるとき。セキュリティレベルA、20以上であるときセキュリティレベルB、などと判定しても良い。
このように、本実施形態では、印刷データ自身をセキュリティレベルの判定材料としているので、印刷データのセキュリティレベルを判定するために新たな情報や仕組みを持ち込まずに印刷データのセキュリティレベルを判定することができる。
次に、図11を参照して本実施形態のセキュリティレベル判定処理の他の例を説明する。図11は、第一の実施形態における印刷データのセキュリティレベル判定処理を説明する第二の図である。図11に示す例では、印刷要求に含まれるログデータから印刷データの書誌情報部分を抽出し、この書誌情報に含まれる印刷データの属性情報に基づき印刷データのセキュリティレベルを判定する。
図11(A)は、書誌情報に含まれる印刷データの属性情報に対応したセキュリティレベルが規定された文書属性テーブルの例を示す図であり、図11(B)は、印刷データのセキュリティレベル判定処理を説明するフローチャートの例である。
本実施形態の印刷ログ管理装置400では、セキュリティレベル判定部440において図11(A)に示すような文書属性テーブルが記憶されている。この文書属性テーブルでは、印刷データの属性情報に対応したセキュリティレベルが規定されている。尚この規定は、例えばシステム管理者などにより予め設定されていても良い。
以下に図11(A)を説明する。文書属性テーブルでは、印刷データの書誌情報の項目である印刷データの属性名と、この属性名に対応した属性値との組み合わせにより、セキュリティレベルが規定されている。例えば属性名が機密レベルとなっており、属性値が極秘であった場合、セキュリティレベルはAとなる。また、属性名が機密レベルで属性値が社外秘である場合、セキュリティレベルはCとなる。
次に図11(B)を参照してセキュリティレベル判定処理を説明する。
印刷ログ管理装置400のフォーマット選択処理において、印刷データのセキュリティレベル判定処理が開始されると(図9のS902)、セキュリティレベル判定部440は、書誌情報抽出部442を用いて印刷要求に含まれるログデータから印刷データの書誌情報を抽出する(S1101)。
次にセキュリティレベル判定部440は、文書属性テーブルの一行目を読み込み、属性名と属性値の組合せ情報を取得する(S1102)。そしてセキュリティレベル判定部440は、S1101において抽出された書誌情報に、S1102で取得した属性名と属性値の組合せが含まれるか否かを判定する(S1103)。
セキュリティレベル判定部440は、S1103において、抽出された書誌情報にS1102で取得した属性名と属性値の組合せが含まれていた場合、文書属性テーブルに基づき、この組合せに対応したセキュリティレベルを印刷データのセキュリティレベルとし(S1104)、判定処理を終了する。
セキュリティレベル判定部440は、S1103において、抽出された書誌情報にS1102で取得した属性名と属性値の組合せが含まれていなかった場合、文書属性テーブルの2行目についてS1102とS1103の処理を繰り返し行う。そしてセキュリティレベル判定部440は、S1101で抽出した書誌情報に、文書属性テーブルの記憶された属性名と属性値の組合せのいずれも含まれない場合(S1105)、印刷データのセキュリティレベルを最低値に設定し(S1106)、判定処理を終了する。
このように、本実施形態では、印刷データの書誌情報に基づき印刷データのセキュリティレベルを判定している。よって新たな情報や仕組みを持ち込まずに印刷データのセキュリティレベルを判定することができる。
以上に説明したように、本実施形態によれば、印刷データを、印刷ログ管理システム100の使用環境に合わせて適切なフォーマットに変換した記録データとして蓄積するため、検索性を維持しつつ管理対象となる情報量を削減し、効率的に印刷ログを管理することができる。
(第2の実施形態)
以下に図面を参照して本発明の第二の実施形態について説明する。
本発明の第二の実施形態の印刷ログ管理システム100Aでは、フォーマット選択部420Aにおいて、印刷データの元となる文書ファイルを記録データとするフォーマットが選択可能である点が、第一の実施形態と相違する。よって、本実施形態の説明では上記相違点についてのみ説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
図12は、本発明の第二の実施形態の印刷ログ管理システム100Aのシステム構成図である。
図12における第一の実施形態との相違点は、印刷要求端末200Aが印刷指示部230を有する点である。印刷要求端末200Aにおいて、印刷指示部230は、アプリケーション210において作成された文書ファイルを、直接印刷ログ管理装置400Aへ送付する。
本実施形態では、印刷要求端末200Aが印刷指示部230を有することにより、フォーマット選択部420Aにおいて文書ファイルをそのまま使用するフォーマットが選択された場合にも対応することができる。
図13に、第二の実施形態のフォーマット選択部420Aの機能構成を示す。本実施形態のフォーマット選択部420Aは、第一の実施形態のフォーマット選択部420において選択可能な4つのフォーマット(印刷RAWデータフォーマット、イメージデータフォーマット、PDFデータフォーマット、テキストデータフォーマット)以外に、文書ファイルをそのまま使用する文書ファイルフォーマットを選択することができる。
尚、フォーマット選択部420Aにより文書ファイルフォーマットが選択された場合、実質的にはフォーマットの変換処理を行わないため、フォーマット変換部430は第一の実施形態と同様の機能を備えていれば良い。
ここで文書ファイルについて説明する。文書ファイルとは、印刷要求端末200Aにおいてユーザに編集されたアプリケーションデータである。この文書ファイルは、文書ファイルが印刷される場合にこの文書ファイルの処理を行うアプリケーション220により読み込まれるだけであり、通常の印刷処理において使用されることはない。この文書ファイルには、例えば印刷要求端末200Aにおいて文書ファイルが更新された時刻情報や更新履歴、電子署名など、通常の印刷物には表現されない情報が含まれる。そのため、この文書ファイルそのものを記録データとして保管すれば、これら全ての情報を記録することが可能となる。
図14は、第二の実施形態の印刷ログ管理システム100Aにおける印刷ログの管理を説明する概念図の例である。
図14に示す例では、印刷要求端末200により生成された文書ファイル130と、文書ファイル130が画像形成装置300に対応したデータ形式に変換された印刷RAWデータ130Aと、文書ファイル130の書誌情報(メタデータ)131と、印刷制御情報132とが印刷要求133とされる。この印刷要求133において、書誌情報131と印刷制御情報132とは、ログ生成部460により合成されて書誌情報134とされる。
ここで例えばフォーマット選択部420Aにより、文書ファイルフォーマットが選択された場合、フォーマット選択部420Aは文書ファイル130を記録データ135とする。またフォーマット選択部420Aにより、印刷データをそのまま使用するフォーマット以外のフォーマットが選択された場合、第一の実施形態で説明したように印刷RAWデータを変換して記録データ135とする。
印刷ログ管理装置400Aでは、この書誌情報134と記録データ135とが紐付けされて印刷ログ136としてデータベース410へ格納される。
以下に図15、図16を参照して、この概念を実現させる処理について説明する。図15は、第二の実施形態の印刷ログ管理システム100Aの特徴的な動作を説明する第一のシーケンス図である。
本実施形態の印刷要求端末200Aにおいて、ユーザにより編集されたアプリケーションデータである文書ファイルの印刷指示がなされると、印刷指示部230によりこの文書ファイルに乱数値が付与されて、印刷ログ管理装置400Aへ直接送信される(S1411)。また印刷要求端末200Aにおいて、印刷指示部230は、この乱数値が付与さたた文書ファイルをアプリケーション220へ送信する(S1412)。アプリケーション220では、この文書ファイルを元に印刷データを生成し(S1413)、プリンタドライバ220へ印刷データの印刷指示を出す(S1414)。
プリンタドライバ220では、この印刷指示を受けて、印刷要求を生成し(S1415)、画像形成装置300へこの印刷要求を送信する(S1416)。ここで、S1416からS1418までの処理は、第一の実施形態の図6におけるS612からS614までの処理と同様であるから説明を省略する。画像形成装置300において、印刷制御部310は、印刷要求と乱数値を印刷ログ管理装置400Aへ送信する(S1419)。
印刷ログ管理装置400Aでは、画像形成装置300より印刷要求と乱数値を受けると、この乱数値に基づき、S1411で受け付けた文書ファイルとの対応の確認を行う(S1420)。これにより、印刷ログ管理装置400Aでは、フォーマット選択部420Aにより文書ファイルを使用するフォーマットが選択された場合、文書ファイルを記録データとして記録することが可能となる(S1421)。
また、図16を参照して本実施形態におけるその他の動作を説明する。図16は、第二の実施形態の印刷ログ管理システム100Aの特徴的な動作を説明する第二のシーケンス図である。
印刷要求端末200Aにおいて、ユーザにより編集されたアプリケーションデータである文書ファイルの印刷指示がなされると、印刷指示部230によりこの文書ファイルがアプリケーション220へ送信される(S1511)。アプリケーション220では、この文書ファイルを元に印刷データを生成し(S1512)、プリンタドライバ220へ印刷デタの印刷指示を出す(S1513)。プリンタドライバ220では、この印刷指示をうけて印刷要求を生成する(S1514)。
ここで印刷指示部230は、プリンタドライバ220に対し文書ファイルを送信する(S1515)。プリンタドライバ220では、S1514において生成された印刷要求に、この文書ファイルを付加する(S1516)。そしてプリンタドライバ220は、文書ファイルが付加された印刷要求を画像形成装置300へ送信する(S1517)。
以下、図15におけるS1518とS1519の処理は、図15のS1417とS1418の処理と同様であるから説明を省略する。画像形成装置300において、印刷制御部310は、文書ファイルが付加された印刷要求を印刷ログ管理装置400Aへ送信する(S1520)。これにより、印刷ログ管理装置400Aでは、フォーマット選択部420Aにより文書ファイルを使用するフォーマットが選択された場合には、文書ファイルを記録データとして記録することが可能となる(S1521)。
このように、本実施形態によれば、フォーマットの選択において印刷データの元となる文書ファイルを選択することが可能となる。文書ファイルをそのまま記録データとして保管することにより、印刷物として表現されない情報を管理することができ、特に重要な機密情報が漏洩した場合などには、信憑性の高い証拠情報として用いることができる。
(第三の実施形態)
以下に図面を参照して本発明の第三の実施形態について説明する。
本発明の第三の実施形態の印刷ログ管理システム100Bでは、ユーザ情報が格納されたユーザディレクトリ500を備える点が第一の実施形態と相違する。よって、本実施形態の説明では上記相違点についてのみ説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
図17は、本発明の第三の実施形態の印刷ログ管理システム100Bのシステム構成図である。本実施形態の印刷ログ管理システム100Bは、印刷要求端末200、画像形成装置300、印刷ログ管理装置400B、ユーザディレクトリ500とから構成されている。ユーザディレクトリ500は、ディレクトリデータベース(以下、ディレクトリDB)510を有し、このディレクトリDB510内には、本実施形態の印刷ログ管理システム100Bを利用するユーザのユーザ情報が格納されている。
ここで言うユーザ情報とは、例えばユーザの所属部署情報や権限情報などを含むユーザ属性情報等である。このユーザ情報には、例えばシステム管理者などにより予めユーザディレクトリ500に登録されていても良い。
また、図17に示す例では、ユーザディレクトリ500及びディレクトリDB510を印刷ログ管理装置400Bの外部に設けたが、これらを印刷ログ管理装置400B内に設けても良い。
本実施形態では、第一の実施形態で説明した印刷データのセキュリティレベルの判定において、このディレクトリDB510に格納されたユーザ情報を用いて判定処理を行うことができる。以下に図18を参照して本実施形態の印刷ログ管理装置400Bについて説明する。図18は、第三の実施形態の印刷ログ管理装置400Bの機能構成を示す図の例である。
本実施形態の印刷ログ管理装置400Bでは、セキュリティレベル判定部440Aが、キーワード検索部441、書誌情報抽出部442の他に、印刷者情報抽出部443と、ユーザ情報検索部444とを有する点で第一の実施形態と相違し、その他は第一の実施形態と同様の機能構成を有する。
印刷者情報抽出部443は、印刷ログ管理装置400Bが画像形成装置300から受け付ける印刷要求に含まれるログデータから印刷者情報を抽出する。ここでいう印刷者情報とは、例えば印刷要求を生成したユーザを特定可能な情報などであっても良い。
例えばこの印刷者情報は、各ユーザに1台ずつ貸与された印刷要求端末200のIPアドレスなどであっても良く、このIPアドレスによりユーザが特定されても良い。また、この印刷者情報はディレクトリDB510に格納されたユーザ情報に含まれるものとした。
ユーザ情報検索部443は、442において抽出された印刷者情報をキーとしてユーザディレクトリ500のディレクトリDB510内を検索し、この印刷者情報を含むユーザ情報を取得する。
以下に本実施形態における印刷データのセキュリティレベルの判定処理について説明する。図19は、第三の実施形態における印刷データのセキュリティレベル判定処理を説明する図である。
図19に示す例では、印刷要求に含まれるログデータから印刷者情報を抽出し、この印刷者情報が含まれるユーザ情報に基づき印刷データのセキュリティレベルを判定する。
図19(A)は、ユーザ情報に含まれるユーザ属性情報に対応するセキュリティレベルが規定されたユーザ属性テーブルの例を示す図であり、図19(B)は、印刷データのセキュリティレベル判定処理を説明するフローチャートの例である。
本実施形態の印刷ログ管理装置400Bでは、セキュリティレベル判定部440Aにおいて図19(A)に示すようなユーザ属性テーブルが記憶されている。このユーザ属性テーブルでは、ユーザの属性情報毎に重み付けがなされている。尚ここで、ユーザ属性テーブルに記憶される属性情報とそれに対応する重みの値は、例えばシステム管理者などにより予め設定されているものとした。
以下に図19(B)を参照してセキュリティレベル判定処理を説明する。
印刷ログ管理装置400Bのフォーマット選択処理において、印刷データのセキュリティレベル判定処理が開始されると(図9のS902)、セキュリティレベル判定部440Aは、印刷者情報抽出部443を用いて印刷要求に含まれるログデータから印刷者情報を抽出する(S1901)。
次にセキュリティレベル判定部440Aは、S1901で抽出された印刷者情報を検索キーとして、ユーザ情報検索部444によりユーザディレクトリ500のディレクトリDB510を検索する(S1902)。そしてセキュリティレベル判定部440Aは、この検索結果により、ディレクトリDB510から取得したユーザ情報に含まれるユーザ属性情報と、ユーザ属性テーブルに規定された重み付けとに基づき印刷データのセキュリティレベルを判定する(S1903)。
このときセキュリティレベル判定部440Aは、S1903において重み付けの値が大きいほどセキュリティレベルが高いものと判断しても良い。またセキュリティレベル判定部440Aでは、セキュリティレベルを決定する閾値が設定されていても良く、例えば重み付けの値が7以上であるとき。セキュリティレベルA、5以上であるときセキュリティレベルB、などと判定しても良い。
具体的には、例えばS1902の検索処理において取得したユーザ情報に含まれるユーザ属性情報が「知財部」であった場合、セキュリティレベル判定部440Aは、ユーザ属性テーブルにおいて属性情報「知財部」に対応した重みの値を参照する。ここでこの値が8であるから、セキュリティレベル判定部440Aはこの印刷データのセキュリティレベルをAと判定することができる。
このように、本実施形態では、印刷要求に含まれる印刷者情報を利用してユーザ情報を取得する。そしてこのユーザ情報に含まれるユーザの属性情報、すなわち印刷者の属性情報に基づき印刷データのセキュリティレベルを判定している。このため、印刷者を区別し、区分の結果に基づき印刷テータのセキュリティレベルを判定することができる。
また本実施形態のセキュリティレベル判定部440Aでは、第一の実施形態の図10で説明したキーワードの出現回数によるセキュリティレベルの判定処理と、図11で説明したログデータに含まれる印刷データの書誌情報に基づくセキュリティレベルの判定処理と、図19で説明した印刷者の属性情報に基づくセキュリティレベルの判定処理とを組み合わせてセキュリティレベルの判定を行っても良い。図20は、第三の実施形態において3つのセキュリティレベル判定処理を組み合わせた場合の判定処理を説明する図である。
図20に示すように、本実施形態の印刷ログ管理装置400Bでは、これらの3つの判定処理の結果を用いて演算処理を実行する。そしてセキュリティレベル判定部440Aは、この演算処理結果に基づき最終的な印刷データのセキュリティレベルの判定を行う。
本実施形態の演算処理では、例えば3つの判定処理の結果がすべてセキュリティレベルAと判定されていた場合には、最終的なセキュリティレベルをAとし、3つの判定処理の結果に、ひとつでもセキュリティレベルBと判定されたものがあれば、最終的なセキュリティレベルをBとしても良い。
本実施形態において、このようにして印刷データのセキュリティレベルを判定すれば、より柔軟に印刷ログ管理システム100Bのセキュリティポリシーを表現することができる。例えば、基本的には印刷データの解析によりセキュリティレベルを決定し、特定のユーザによる印刷だけは、全ての情報欠落がない印刷ログを記録する」といったシステム管理者の要求にも対応することができる。
また、以上に説明した実施形態における各機能を実現する手順は、コンピュータに読み取り可能な印刷ログ管理プログラムとして記録媒体に記録されていても良い。
図21は各実施形態で説明した各機能を実現させる印刷ログ管理プログラムが記録された記録媒体を説明する図である。記録媒体810に記録されたプログラムが、コンピュータ700に読み込まれて実行されることにより、本実施形態で説明した各機能を実現することができる。
例えばコンピュータ700は、CPU710、ハードディスク720、メモリ730、表示部740、入力部750、通信部760、記録媒体読込部770を備えている。CPU710は演算処理装置であって、コンピュータ700において実行される演算や処理を実行する。ハードディスク720は、データを格納する記憶手段であって、コンピュータ700上で動作するアプリケーションや、このアプリケーションにより作成されたデータなどが格納されている。メモリ730には、コンピュータ700に係る各種の設定値や、CPU710での演算結果などが格納される。
表示部740はディスプレイなどであり、コンピュータ700において作成されたデータなどをユーザに閲覧可能に表示する。入力部750は例えばキーボードやマウスであって、ユーザの操作により各種データが入力される。通信部760は例えばネットワークコントロールユニットなどであり、コンピュータ700が外部の装置と通信を行うためのものである。記録媒体読み込み部770は、各種記録媒体に記録されたデータやプログラムなどを読み込むものであり、例えばフロッピー(登録商標)ディスクドライバなどである。
記録媒体810は、本実施形態の各機能を実現させる印刷ログ管理プログラム800が記録されている。この印刷ログ管理プログラム800は、記録媒体読込部770により読み込まれてCPU710において実行される。記録媒体810は、例えばフロッピー(登録商標)ディスクやCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)等であっても良く、コンピュータ700において読み取り可能なに媒体であれば良い。また、印刷ログ管理プログラム800はネットワークを介して通信部760により受信されて、ハードディスク720等に格納されても良い。
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。