JP2008134474A - 厚膜用化学増幅型ドライフィルム及び厚膜レジストパターンの製造方法 - Google Patents

厚膜用化学増幅型ドライフィルム及び厚膜レジストパターンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】上面に銅によって形成された部分を有する支持体上においても高感度に良好なレジストパターンを得ることが可能な厚膜用化学増幅型ドライフィルム及び厚膜レジストパターンの製造方法を提供する。
【解決手段】膜厚10〜150μmの厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物からなる層の両面に保護膜が形成された厚膜用化学増幅型ドライフィルムであって、(A)活性光線又は放射線照射により酸を発生する化合物、及び(B)酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂を含有し、(A)成分が特定構造のオニウムフッ素化アルキルフルオロリン酸塩を含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、厚膜用化学増幅型ドライフィルム及び厚膜レジストパターンの製造方法に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、回路基板の製造、回路基板に実装するCSP(チップサイズパッケージ)、微小電気機械システム(MEMS)素子及びMEMS素子を組み込んだ小型機械(マイクロマシン)、並びに高密度実装を行うための貫通電極などの電子部品の製造において、バンプやメタルポストなどの接続端子、配線パターンなどの形成に好適に用いられる厚膜用化学増幅型ドライフィルム及び厚膜レジストパターンの製造方法に関するものである。
現在、精密微細加工技術の主流となっているホトファブリケーションとは、感光性樹脂組成物を被加工物表面に塗布して塗膜を形成し、ホトリソグラフィー技術によって塗膜をパターニングし、これをマスクとして化学エッチング、電解エッチング、及び/又は電気メッキを主体とするエレクトロフォーミングを行って、半導体パッケージなどの各種精密部品を製造する技術の総称である。
近年、電子機器のダウンサイジングに伴い、半導体パッケージの高密度実装技術が進み、パッケージの多ピン薄膜実装化、パッケージサイズの小型化、フリップチップ方式による2次元実装技術、3次元実装技術に基づいた実装密度の向上が図られている。このような高密度実装技術においては、接続端子として、例えば、パッケージ上に突出したバンプ等の突起電極(実装端子)や、ウエーハ上のペリフェラル端子から延びる再配線と実装端子とを接続するメタルポストなどが基板上に高精度に配置される。
上記のようなホトファブリケーションに使用される材料として厚膜用ホトレジストがある。厚膜用ホトレジストは、厚膜ホトレジスト層を形成するものであり、例えば、メッキ工程によるバンプやメタルポストの形成などに用いられている。バンプやメタルポストは、例えば、支持体上に膜厚約20μmの厚膜ホトレジスト層を形成し、所定のマスクパターンを介して露光し、現像して、バンプやメタルポストを形成する部分が選択的に除去(剥離)されたレジストパターンを形成し、この除去された部分(非レジスト部)に銅などの導体をメッキによって埋め込んだ後、その周囲のレジストパターンを除去することにより形成することができる。
厚膜用ホトレジストとしては、パンプ形成用や配線形成用として用いられるキノンジアジド基含有化合物を有するポジ型感光性樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、従来のキノンジアジド基含有化合物を有するポジ型感光性樹脂組成物よりも高感度な感光性樹脂組成物として、酸発生剤を含む化学増幅型ホトレジストが知られている。化学増幅型ホトレジストの特徴は、放射線照射(露光)により、酸発生剤から酸が発生し、露光後の加熱処理により酸の拡散が促進されて、樹脂組成物中のベース樹脂などに対し酸触媒反応を起こし、そのアルカリ溶解性を変化させることである。化学増幅型ホトレジストのうち、アルカリ不溶であったものがアルカリ可溶化するポジ型のものとして、メッキ用化学増幅型ホトレジスト組成物が開示されている(例えば、特許文献2、3参照)。
特開2002−258479号公報 特開2001−281862号公報 特開2001−281863号公報 特開2006−258479号公報
ところで、上記厚膜ホトレジスト層は、上面に銅によって形成された部分を有する支持体、例えば銅基板上に形成されることがあるが、銅基板上に厚膜ホトレジスト層を形成すると、銅の影響により良好なレジストパターンが得られないという問題がある。
そこで、最近になり、支持体と、化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物からなる厚膜ホトレジスト層との間に無機物層を介在させることが提案されている(特許文献4参照)。このように無機物層を介在させることにより、支持体と厚膜ホトレジスト層とが直接接触することがないため、良好なレジストパターンを得ることができる。
しかしながら、このように支持体と厚膜ホトレジスト層との間に無機物層を介在させるには製造工程が複雑となるため、さらなる層を介在させることなく、上面に銅によって形成された部分を有する支持体上においても良好なレジストパターンを得ることが可能な厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物が望まれていた。
また、厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物としては、例えば膜厚1μm以下の通常のホトレジスト層を形成するための化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物と比較して、より高感度であることが求められていた。
さらに、厚膜ホトレジスト層を形成する場合、膜厚1μm以下の通常のホトレジスト層を形成する場合と比較して、支持体への塗布後の乾燥工程(プレベーク)に時間を要するため、予め厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物からなる層の両面に保護膜を形成した、いわゆるドライフィルムレジスト(DFR)として供給することが望まれていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、上面に銅によって形成された部分を有する支持体上においても高感度に良好なレジストパターンを得ることが可能な厚膜用化学増幅型ドライフィルム及び厚膜レジストパターンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物にある特定の構造を有するオニウム塩系の光酸発生剤を含有させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
本発明の第一の態様は、膜厚10〜150μmの厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物からなる層の両面に保護膜が形成された厚膜用化学増幅型ドライフィルムであって、前記厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物は、(A)活性光線又は放射線照射により酸を発生する化合物、及び(B)酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂を含有し、前記(A)成分が、下記一般式(a1):
Figure 2008134474
(式(a1)中、Aは原子価mの硫黄原子又はヨウ素原子を表し、mは1又は2である。nは括弧内の構造の繰り返し単位数を表し、0〜3の整数である。RはAに結合している有機基であり、炭素数6〜30のアリール基、炭素数4〜30の複素環基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、又は炭素数2〜30のアルキニル基を表し、Rはアルキル、ヒドロキシ、アルコシキ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコシキカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールチオカルボニル、アシロキシ、アリールチオ、アルキルチオ、アリール、複素環、アリールオキシ、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキレンオキシ、アミノ、シアノ、ニトロの各基、及びハロゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。Rの個数はm+n(m−1)+1であり、Rはそれぞれ互いに同じであっても異なっていてもよい。また、2個以上のRが互いに直接、又は−O−、−S−、−SO−、−SO−、−NH−、−NR’−、−CO−、−COO−、−CONH−、炭素数1〜3のアルキレン基若しくはフェニレン基を介して結合し、Aを含む環構造を形成してもよい。R’は炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基である。
Dは下記一般式(a2)で表される構造であり、
Figure 2008134474
式(a2)中、Eは炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又は炭素数8〜20の複素環化合物の2価の基を表し、Eは炭素数1〜8のアルキル、炭素数1〜8のアルコキシ、炭素数6〜10のアリール、ヒドロキシ、シアノ、ニトロの各基、及びハロゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。Gは−O−、−S−、−SO−、−SO−、−NH−、−NR’−、−CO−、−COO−、−CONH−、炭素数1〜3のアルキレン基、又はフェニレン基を表す。aは0〜5の整数である。a+1個のE及びa個のGはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。R’は前記のものと同じである。
はオニウムの対イオンである。その個数は1分子当たりn+1であり、そのうち少なくとも1個は下記一般式(a3)で表されるフッ素化アルキルフルオロリン酸アニオンであって、
Figure 2008134474
残りは他のアニオンであってもよい。
式(a3)中、Rfは水素原子の80%以上がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。bはその個数を示し、1〜5の整数である。b個のRfはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
で表されるオニウムフッ素化アルキルフルオロリン酸塩を含有することを特徴とする厚膜用化学増幅型ドライフィルムである。
本発明の第二の態様は、本発明の厚膜用化学増幅型ドライフィルムの保護膜を除去し、支持体上に積層して厚膜ホトレジスト積層体を得る積層工程と、該厚膜ホトレジスト積層体に選択的に活性光線又は放射線を照射する露光工程と、該露光工程後に現像して厚膜レジストパターンを得る現像工程と、を含むことを特徴とする厚膜レジストパターンの製造方法である。
本発明によれば、上面に銅によって形成された部分を有する支持体上、例えば銅基板上においても、高感度に良好なレジストパターンを得ることができる。また、ドライフィルムであるため、支持体上に積層した後の乾燥時間を大幅に短縮することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の厚膜用化学増幅型ドライフィルムは、膜厚10〜150μmの厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物からなる層の両面に保護膜が形成されたものである。この厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物は、後述するような(A)活性光線又は放射線照射により酸を発生する化合物、及び(B)酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂を含有することを特徴とする。
厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物に用いられる(A)活性光線又は放射線照射により酸を発生する化合物(以下、(A)成分という。)は、光酸発生剤であり、光により直接又は間接的に酸を発生する。
具体的に、厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物に用いられる(A)成分は、下記一般式(a1):
Figure 2008134474
(式(a1)中、Aは原子価mの硫黄原子又はヨウ素原子を表し、mは1又は2である。nは括弧内の構造の繰り返し単位数を表し、0〜3の整数である。RはAに結合している有機基であり、炭素数6〜30のアリール基、炭素数4〜30の複素環基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、又は炭素数2〜30のアルキニル基を表し、Rはアルキル、ヒドロキシ、アルコシキ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコシキカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールチオカルボニル、アシロキシ、アリールチオ、アルキルチオ、アリール、複素環、アリールオキシ、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキレンオキシ、アミノ、シアノ、ニトロの各基、及びハロゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。Rの個数はm+n(m−1)+1であり、Rはそれぞれ互いに同じであっても異なっていてもよい。また、2個以上のRが互いに直接、又は−O−、−S−、−SO−、−SO−、−NH−、−NR’−、−CO−、−COO−、−CONH−、炭素数1〜3のアルキレン基若しくはフェニレン基を介して結合し、Aを含む環構造を形成してもよい。R’は炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基である。
Dは下記一般式(a2)で表される構造であり、
Figure 2008134474
式(a2)中、Eは炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又は炭素数8〜20の複素環化合物の2価の基を表し、Eは炭素数1〜8のアルキル、炭素数1〜8のアルコキシ、炭素数6〜10のアリール、ヒドロキシ、シアノ、ニトロの各基、及びハロゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。Gは−O−、−S−、−SO−、−SO−、−NH−、−NR’−、−CO−、−COO−、−CONH−、炭素数1〜3のアルキレン基、又はフェニレン基を表す。aは0〜5の整数である。a+1個のE及びa個のGはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。R’は前記のものと同じである。
はオニウムの対イオンである。その個数は1分子当たりn+1であり、そのうち少なくとも1個は下記一般式(a3)で表されるフッ素化アルキルフルオロリン酸アニオンであって、
Figure 2008134474
残りは他のアニオンであってもよい。
式(a3)中、Rfは水素原子の80%以上がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。bはその個数を示し、1〜5の整数である。b個のRfはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
で表されるオニウムフッ素化アルキルフルオロリン酸塩を含有する。
上記一般式(a1)のオニウムイオンの好ましい具体例としては、トリフェニルスルホニウム、トリ−p−トリルスルホニウム、4−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド、ビス〔4−{ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホニオ}フェニル〕スルフィド、ビス{4−[ビス(4−フルオロフェニル)スルホニオ]フェニル}スルフィド、4−(4−ベンゾイル−2−クロロフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウム、4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、7−イソプロピル−9−オキソ−10−チア−9,10−ジヒドロアントラセン−2−イルジ−p−トリルスルホニウム、7−イソプロピル−9−オキソ−10−チア−9,10−ジヒドロアントラセン−2−イルジフェニルスルホニウム、2−[(ジフェニル)スルホニオ]チオキサントン、4−[4−(4−tert−ブチルベンゾイル)フェニルチオ]フェニルジ−p−トリルスルホニウム、4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、ジフェニルフェナシルスルホニウム、4−ヒドロキシフェニルメチルベンジルスルホニウム、2−ナフチルメチル(1−エトキシカルボニル)エチルスルホニウム、4−ヒドロキシフェニルメチルフェナシルスルホニウム、オクタデシルメチルフェナシルスルホニウム、ジフェニルヨードニウム、ジ−p−トリルヨードニウム、ビス(4−ドデシルフェニル)ヨードニウム、ビス(4−メトキシフェニル)ヨードニウム、(4−オクチルオキシフェニル)フェニルヨードニウム、ビス(4−デシルオキシ)フェニルヨードニウム、4−(2−ヒドロキシテトラデシルオキシ)フェニルフェニルヨードニウム、4−イソプロピルフェニル(p−トリル)ヨードニウム、又は4−イソブチルフェニル(p−トリル)ヨードニウムが挙げられる。
上記一般式(a1)のアニオン成分は、上記一般式(a3)で表されるフッ素化アルキルフルオロリン酸アニオンを少なくとも1個有する。残りのアニオン成分は他のアニオンであってよい。他のアニオンとしては、特に限定されず、従来公知のアニオンを用いることができる。例えば、F、Cr、Br、Iなどのハロゲンイオン;OH;ClO ;FSO 、ClSO 、CHSO 、CSO 、CFSO などのスルホン酸イオン類;HSO 、SO 2−などの硫酸イオン類;HCO 、CO 2−などの炭酸イオン類;HPO 、HPO 2−、PO 3−などのリン酸イオン類;PF 、PFOHなどのフルオロリン酸イオン類;BF 、B(C 、B(CCF などのホウ酸イオン類;AlCl ;BiF などが挙げられる。その他、SbF 、SbFOHなどのフルオロアンチモン酸イオン類、あるいはA 、AsFOHなどのフルオロヒ素酸イオン類も挙げられるが、これらは毒性の元素を含むため好ましくない。
上記一般式(a3)で表されるフッ素化アルキルフルオロリン酸アニオンにおいて、Rfはフッ素原子で置換されたアルキル基を表し、好ましい炭素数は1〜8、さらに好ましい炭素数は1〜4である。アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、オクチルなどの直鎖アルキル基;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの分岐アルキル基;さらにシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクヘキシルなどのシクロアルキル基などが挙げられ、アルキル基の水素原子がフッ素原子に置換された割合は、通常、80%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは100%である。フッ素原子の置換率が80%未満である場合には、上記一般式(a1)で表されるオニウムフッ素化アルキルフルオロリン酸塩の酸強度が低下する。
特に好ましいRfは、炭素数が1〜4、且つフッ素原子の置換率が100%の直鎖状又は分岐状のパーフルオロアルキル基であり、具体例としては、CF、CFCF、(CFCF、CFCFCF、CFCFCFCF、(CFCFCF、CFCF(CF)CF、(CFCが挙げられる。Rfの個数bは、1〜5の整数であり、好ましくは2〜4、特に好ましくは2又は3である。
好ましいフッ素化アルキルフルオロリン酸アニオンの具体例としては、[(CFCFPF、[(CFCFPF、[((CFCF)PF、[((CFCF)PF、[(CFCFCFPF、[(CFCFCFPF、[((CFCFCFPF、[((CFCFCFPF、[(CFCFCFCFPF、又は[(CFCFCFPFが挙げられ、これらのうち、[(CFCFPF、[(CFCFCFPF、[((CFCF)PF、[((CFCF)PF、[((CFCFCFPF、又は[((CFCFCFPFが特に好ましい。
上記一般式(a1)で表されるオニウムフッ素化アルキルフルオロリン酸塩のうち、下記一般式(a4)で表されるジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムトリフルオロトリスフルオロアルキルホスファートが特に好ましく用いられる。
Figure 2008134474
[式(a4)中、pは1〜8の整数であり、より好ましくは1〜4である。]
従来のリン系(PF )やホウ素系(BF )の光酸発生剤のみでは、高感度なアンチモン系(SbF )の光酸発生剤と同等の感度を得るためには、アンチモン系(SbF )と比べて10倍以上の露光量が必要であった。これに対して、上記一般式(a1)で表される光酸発生剤によれば、アンチモン系と同等の感度でレジストパターンを形成することができる。また、上記一般式(a1)で表される光酸発生剤は、アンチモンやヒ素などの毒性のある元素を含有しないため、人体に対する安全性が高い。さらには、上面に銅によって形成された部分を有する支持体、例えば銅基板上においても良好にレジストパターンを形成することができる。
(A)成分としては、上記一般式(a1)で表されるオニウムフッ素化アルキルフルオロリン酸塩を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、従来公知の他の光酸発生剤と併用してもよい。
このような従来公知の光酸発生剤の第一の態様としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−メチル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−エチル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−プロピル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジメトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジエトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジプロポキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3−メトキシ−5−エトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3−メトキシ−5−プロポキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(2−フリル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(5−メチル−2−フリル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,5−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、トリス(1,3−ジブロモプロピル)−1,3,5−トリアジン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)−1,3,5−トリアジンなどのハロゲン含有トリアジン化合物、並びにトリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレ−トなどの下記一般式(a5)で表されるハロゲン含有トリアジン化合物が挙げられる。
Figure 2008134474
上記一般式(a5)中、R1a、R2a、R3aは、それぞれ独立にハロゲン化アルキル基を表す。
また、光酸発生剤の第二の態様としては、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、並びにオキシムスルホネ−ト基を含有する下記一般式(a6)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008134474
上記一般式(a6)中、R4aは、1価、2価、又は3価の有機基を表し、R5aは、置換、未置換の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、又は芳香族性化合物基を表し、nは括弧内の構造の繰り返し単位数を表す。
上記一般式(a6)中、芳香族性化合物基とは、芳香族化合物に特有な物理的・化学的性質を示す化合物の基を示し、例えばフェニル基、ナフチル基などの芳香族炭化水素基や、フリル基、チエニル基などの複素環基が挙げられる。これらは環上に適当な置換基、例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基などを1個以上有していてもよい。また、R5aは、炭素数1〜6のアルキル基が特に好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。特にR4aが芳香族性化合物基、R5aが低級アルキル基の化合物が好ましい。
上記一般式(a6)で表される光酸発生剤としては、n=1のとき、R4aがフェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基のいずれかであって、R5aがメチル基の化合物、具体的にはα−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−(p−メチルフェニル)アセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−(p−メトキシフェニル)アセトニトリル、〔2−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−2,3−ジヒドロキシチオフェン−3−イリデン〕(o−トリル)アセトニトリルなどが挙げられる。n=2のとき、上記一般式(a6)で表される光酸発生剤としては、具体的には下記化学式で表される光酸発生剤が挙げられる。
Figure 2008134474
さらに、光酸発生剤の第三の態様としては、カチオン部にナフタレン環を有するオニウム塩が挙げられる。この「ナフタレン環を有する」とは、ナフタレンに由来する構造を有することを意味し、少なくとも2つの環の構造と、それらの芳香族性が維持されていることを意味する。このナフタレン環は炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基、水酸基、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基などの置換基を有していてもよい。ナフタレン環に由来する構造は、1価基(遊離原子価が1つ)であっても、2価基(遊離原子価が2つ)以上であってもよいが、1価基であることが望ましい(ただし、このとき、上記置換基と結合する部分を除いて遊離原子価を数えるものとする)。ナフタレン環の数は1〜3が好ましい。
このようなカチオン部にナフタレン環を有するオニウム塩のカチオン部としては、下記一般式(a7)で表される構造が好ましい。
Figure 2008134474
上記一般式(a7)中、R6a、R7a、R8aのうち少なくとも1つは下記一般式(a8)で表される基を表し、残りは炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、水酸基、又は炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基を表す。あるいは、R6a、R7a、R8aのうちの1つが下記一般式(a8)で表される基であり、残りの2つはそれぞれ独立して炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、これらの末端が結合して環状になっていてもよい。
Figure 2008134474
上記一般式(a8)中、R9a、R10aは、それぞれ独立して水酸基、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基、又は炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を表し、R11aは、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表し、p及びqは、それぞれ独立して0〜2の整数であり、p+qは3以下である。ただし、R10aが複数存在する場合、それらは互いに同じであっても異なっていてもよい。また、R9aが複数存在する場合、それらは互いに同じであっても異なっていてもよい。
上記R6a、R7a、R8aのうち上記一般式(a8)で表される基の数は、化合物の安定性の点から好ましくは1つであり、残りは炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、これらの末端が結合して環状になっていてもよい。この場合、上記2つのアルキレン基は、硫黄原子を含めて3〜9員環を構成する。環を構成する原子(硫黄原子を含む)の数は、好ましくは5〜6である。
また、上記アルキレン基が有していてもよい置換基としては、酸素原子(この場合、アルキレン基を構成する炭素原子とともにカルボニル基を形成する)、水酸基などが挙げられる。
また、フェニル基が有していてもよい置換基としては、水酸基、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基、又は炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基などが挙げられる。
これらのカチオン部として好適なものとしては、下記化学式(a9)、(a10)で表されるものなどを挙げることができ、特に化学式(a10)で表される構造が好ましい。
Figure 2008134474
このようなカチオン部としては、ヨ−ドニウム塩であってもスルホニウム塩であってもよいが、酸発生効率などの点からスルホニウム塩が望ましい。
したがって、カチオン部にナフタレン環を有するオニウム塩のアニオン部として好適なものとしては、スルホニウム塩を形成可能なアニオンが望ましい。
このような光酸発生剤のアニオン部としては、水素原子の一部又は全部がフッ素化されたフルオロアルキルスルホン酸イオン又はアリールスルホン酸イオンである。
フルオロアルキルスルホン酸イオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜20の直鎖状でも分岐状でも環状でもよく、発生する酸の嵩高さとその拡散距離から、炭素数1〜10であることが好ましい。特に、分岐状や環状のものは拡散距離が短いため好ましい。具体的には、安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基などを挙げることができる。
アリールスルホン酸イオンにおけるアリール基は、炭素数6〜20のアリール基であって、アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもされていなくてもよいフェニル基、ナフチル基が挙げられ、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には好ましいものとして、フェニル基、トルエンスルホニル基、エチルフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基などを挙げることができる。
上記フルオロアルキルスルホン酸イオン又はアリールスルホン酸イオンにおいて、水素原子の一部又は全部がフッ素化されている場合のフッ素化率は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子を全てフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。このようなものとしては、具体的には、トリフルオロメタンスルホネート、パ−フルオロブタンスルホネート、パーフルオロオクタンスルホネート、パーフルオロベンゼンスルホネートなどが挙げられる。
中でも、好ましいアニオン部として、下記一般式(a11)で表されるものが挙げられる。
Figure 2008134474
上記一般式(a11)において、R12aは、下記一般式(a12)、(a13)で表される構造や、下記化学式(a14)で表される構造である。
Figure 2008134474
上記一般式(a12)中、lは1〜4の整数であり、一般式(a13)中、R13aは、水素原子、水酸基、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基を表し、mは1〜3の整数である。中でも、安全性の観点からトリフルオロメタンスルホネート、パーフルオロブタンスルホネートが好ましい。
また、アニオン部としては、下記一般式(a15)、(a16)で表される窒素を含有するものを用いることもできる。
Figure 2008134474
上記一般式(a15)、(a16)中、Xは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表し、該アルキレン基の炭素数は2〜6であり、好ましくは3〜5、最も好ましくは炭素数3である。また、Y、Zは、それぞれ独立に少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐状のアルキル基を表し、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは1〜7、より好ましくは1〜3である。
のアルキレン基の炭素数又はY、Zのアルキル基の炭素数が小さいほどレジスト溶媒への溶解性も良好であるため好ましい。
また、Xのアルキレン基又はY、Zのアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなるため好ましい。該アルキレン基又はアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基又はパーフルオロアルキル基である。
このようなカチオン部にナフタレン環を有するオニウム塩として好ましいものとしては、下記化学式(a17)、(a18)で表される化合物である。
Figure 2008134474
さらに、光酸発生剤の別の態様としては、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタンなどのビススルホニルジアゾメタン類;p−トルエンスルホン酸2−ニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸2,6−ジニトロベンジル、ニトロベンジルトシレ−ト、ジニトロベンジルトシラート、ニトロベンジルスルホナート、ニトロベンジルカルボナート、ジニトロベンジルカルボナートなどのニトロベンジル誘導体;ピロガロールトリメシラート、ピロガロールトリトシラート、ベンジルトシラート、ベンジルスルホナート、N−メチルスルホニルオキシスクシンイミド、N−トリクロロメチルスルホニルオキシスクシンイミド、N−フェニルスルホニルオキシマレイミド、N−メチルスルホニルオキシフタルイミドなどのスルホン酸エステル;N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシナフタルイミドなどのトリフルオロメタンスルホン酸エステル類;ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスファート、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスファート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、(p−tert−ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナートなどのオニウム塩;ベンゾイントシラート、α−メチルベンゾイントシラートなどのベンゾイントシレート類;その他のジフェニルヨ−ドニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、フェニルジアゾニウム塩、ベンジルカルボナ−トなどが挙げられる。
従来公知の他の光酸発生剤として、好ましくは上記一般式(a6)で表される化合物であって、好ましいnの値は2であり、また、好ましいR4aは、2価の炭素数1〜8の置換若しくは非置換のアルキレン基、又は置換若しくは非置換の芳香族基であり、また、好ましいR5aは、炭素数1〜8の置換若しくは非置換のアルキル基、又は置換若しくは非置換のアリ−ル基であるが、これらに限定されない。
このような従来公知の光酸発生剤を併用する場合の使用割合は任意でよいが、通常、上記一般式(a1)で表されるオニウムフッ素化アルキルフルオロリン酸塩100質量部に対し、他の光酸発生剤は10〜900質量部、好ましくは25〜400質量部である。
このような(A)成分の含有量は、厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物の固形分中、0.05〜5質量%とすることが好ましい。
<(B)酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂>
厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物に用いられる(B)酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(以下、(B)成分という。)は、(B1)ノボラック樹脂、(B2)ポリヒドロキシスチレン樹脂、及び(B3)アクリル樹脂、からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂、又はこれらの混合樹脂若しくは共重合体である。
[(B1)ノボラック樹脂]
(B1)ノボラック樹脂としては、下記一般式(b1)で表される樹脂を使用することができる。
Figure 2008134474
上記一般式(b1)中、R1bは、酸解離性溶解抑制基を表し、R2b、R3bは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、nは括弧内の構造の繰り返し単位数を表す。
さらに、上記R1bで表される酸解離性溶解抑制基としては、下記一般式(b2)、(b3)で表される、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状、若しくは環状のアルキル基、テトラヒドロピラニル基、テトラフラニル基、又はトリアルキルシリル基であることが好ましい。
Figure 2008134474
上記一般式(b2)、(b3)中、R4b、R5bは、それぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を表し、R6bは、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基を表し、R7bは、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基を表し、oは0又は1である。
上記炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられ、環状のアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
ここで、上記一般式(b2)で表される酸解離性溶解抑制基として、具体的には、メトキシエチル基、エトキシエチル基、n−プロポキシエチル基、イソプロポキシエチル基、n−ブトキシエチル基、イソブトキシエチル基、tert−ブトキシエチル基、シクロヘキシロキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、1−メトキシ−1−メチル−エチル基、1−エトキシ−1−メチルエチル基などが挙げられ、上記一般式(b3)で表される酸解離性溶解抑制基として、具体的には、tert−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基などが挙げられる。また、上記トリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリ−tert−ブチルジメチルシリル基などの各アルキル基の炭素数が1〜6のものが挙げられる。
[(B2)ポリヒドロキシスチレン樹脂]
(B2)ポリヒドロキシスチレン樹脂としては、下記一般式(b4)で表される樹脂を使用することができる。
Figure 2008134474
上記一般式(b4)中、R8bは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R9bは、酸解離性溶解抑制基を表し、nは括弧内の構造の繰り返し単位数を表す。
上記炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられ、環状のアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
上記R9bで表される酸解離性溶解抑制基としては、上記一般式(b2)、(b3)に例示したものと同様の酸解離性溶解抑制基を用いることができる。
さらに、(B2)ポリヒドロキシスチレン樹脂には、物理的、化学的特性を適度にコントロールする目的で他の重合性化合物を構成単位として含むことができる。このような重合性化合物としては、公知のラジカル重合性化合物や、アニオン重合性化合物が挙げられる。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸類;2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸などのカルボキシル基及びエステル結合を有するメタクリル酸誘導体類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アリールエステル類;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジブチルなどのジカルボン酸ジエステル類;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、ヒドロキシスチレン、α−メチルヒドロキシスチレン、α−エチルヒドロキシスチレンなどのビニル基含有芳香族化合物類;酢酸ビニルなどのビニル基含有脂肪族化合物類;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジオレフィン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル基含有重合性化合物類;塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの塩素含有重合性化合物;アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド結合含有重合性化合物類などを挙げることができる。
[(B3)アクリル樹脂]
(B3)アクリル樹脂としては、下記一般式(b5)〜(b7)で表される樹脂を使用することができる。
Figure 2008134474
上記一般式(b5)〜(b7)中、R10b〜R17bは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、フッ素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のフッ素化アルキル基を表し(ただし、R11bが水素原子であることはない)、Xは、それが結合している炭素原子とともに炭素数5〜20の炭化水素環を形成し、Yは、置換基を有していてもよい脂肪族環式基又はアルキル基を表し、nは括弧内の構造の繰り返し単位数を表し、pは0〜4の整数であり、qは0又は1である。
なお、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられ、環状のアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。また、フッ素化アルキル基とは、上記アルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子により置換されたものである。
上記R11bとしては、高コントラストで、解像度、焦点深度幅などが良好な点から、炭素数2〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基であることが好ましく、上記R13b、R14b、R16b、R17bとしては、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
上記Xは、それが結合している炭素原子とともに炭素数5〜20の脂肪族環式基を形成する。このような脂肪族環式基の具体例としては、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどのモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。特に、シクロヘキサン、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基(さらに置換基を有していてもよい)が好ましい。
さらに、上記Xの脂肪族環式基が、その環骨格上に置換基を有する場合、該置換基の例としては、水酸基、カルボキシ基、シアノ基、酸素原子(=O)などの極性基や、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状の低級アルキル基が挙げられる。極性基としては特に酸素原子(=O)が好ましい。
上記Yは、脂肪族環式基又はアルキル基であり、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどのモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。特に、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基(さらに置換基を有していてもよい)が好ましい。
さらに、上記Yの脂肪族環式基が、その環骨格上に置換基を有する場合、該置換基の例としては、水酸基、カルボキシ基、シアノ基、酸素原子(=O)等の極性基や、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状の低級アルキル基が挙げられる。極性基としては特に酸素原子(=O)が好ましい。
また、Yがアルキル基である場合、炭素数1〜20、好ましくは6〜15の直鎖状又は分岐状のアルキル基であることが好ましい。このようなアルキル基は、特にアルコキシアルキル基であることが好ましく、このようなアルコキシアルキル基としては、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−イソプロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−tert−ブトキシエチル基、1−メトキシプロピル基、1−エトキシプロピル基、1−メトキシ−1−メチル−エチル基、1−エトキシ−1−メチルエチル基などが挙げられる。
上記一般式(b5)で表されるアクリル樹脂の好ましい具体例としては、下記一般式(b5−1)〜(b5−3)で表されるものを挙げることができる。
Figure 2008134474
上記一般式(b5−1)〜(b5−3)中、R18bは、水素原子又はメチル基を表し、nは括弧内の構造の繰り返し単位数を表す。
上記一般式(b6)で表されるアクリル樹脂の好ましい具体例としては、下記一般式(b6−1)〜(b6−28)で表されるものを挙げることができる。
Figure 2008134474
Figure 2008134474
上記一般式(b7)で表されるアクリル樹脂の好ましい具体例としては、下記一般式(b7−1)〜(b7−22)で表されるものを挙げることができる。
Figure 2008134474
Figure 2008134474
Figure 2008134474
さらに、(B3)アクリル樹脂は、上記一般式(b5)〜(b7)で表される構成単位に対して、さらにエーテル結合を有する重合性化合物から誘導された構成単位を含む共重合体からなる樹脂であることが好ましい。
このような構成単位は、エーテル結合を有する重合性化合物から誘導された構成単位である。エーテル結合を有する重合性化合物としては、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどのエーテル結合及びエステル結合を有する(メタ)アクリル酸誘導体などのラジカル重合性化合物を例示することができ、好ましくは、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレートである。これらの化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、(B3)アクリル樹脂には、物理的、化学的特性を適度にコントロールする目的で他の重合性化合物を構成単位として含むことができる。このような重合性化合物としては、公知のラジカル重合性化合物や、アニオン重合性化合物が挙げられる。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸類;2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸などのカルボキシル基及びエステル結合を有するメタクリル酸誘導体類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アリールエステル類;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジブチルなどのジカルボン酸ジエステル類;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、ヒドロキシスチレン、α−メチルヒドロキシスチレン、α−エチルヒドロキシスチレンなどのビニル基含有芳香族化合物類;酢酸ビニルなどのビニル基含有脂肪族化合物類;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジオレフィン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル基含有重合性化合物類;塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの塩素含有重合性化合物;アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド結合含有重合性化合物類などを挙げることができる。
上記(B)成分の中でも、(B3)アクリル樹脂を用いることが好ましい。
このような(B3)アクリル樹脂の中でも、上記一般式(b7)で表される構成単位と、エーテル結合を有する重合性化合物から誘導された構成単位と、(メタ)アクリル酸単位と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類からなる構成単位とを有する共重合体であることが好ましい。
このような共重合体としては、下記一般式(b8)で表される共重合体であることが好ましい。
Figure 2008134474
上記一般式(b8)中、R20bは、水素原子又はメチル基を表し、R21bは、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又はアルコキシアルキル基を表し、R22bは、炭素数2〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表し、Xは前記のものと同じである。
さらに、上記一般式(b8)で表される共重合体において、s、t、uは、それぞれ質量比で、sは1〜30質量%であり、tは20〜70質量%であり、uは20〜70質量%である。
また、(B)成分のポリスチレン換算質量平均分子量は、好ましくは10,000〜600,000であり、より好ましくは50,000〜600,000であり、さらに好ましくは230,000〜550,000である。このような質量平均分子量とすることにより、基板との剥離性が低下することなく、レジスト膜の十分な強度を保持でき、さらにはメッキ時のプロファイルの膨れや、クラックの発生を引き起こすことがなくなる。
さらに、(B)成分は、分散度が1.05以上の樹脂であることが好ましい。ここで、分散度とは、質量平均分子量を数平均分子量で除した値のことである。このような分散度とすることにより、所望とするメッキに対する応力耐性や、メッキ処理により得られる金属層が膨らみやすくなるという問題を回避できる。
このような(B)成分の含有量は、厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物の固形文中、5〜60質量%とすることが好ましい。
<(C)アルカリ可溶性樹脂>
厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物には、クラック耐性を向上させるために、さらに(C)アルカリ可溶性樹脂(以下、(C)成分という。)を含有させることが好ましい。(C)成分としては、(C1)ノボラック樹脂、(C2)ポリヒドロキシスチレン樹脂、(C3)アクリル樹脂、及び(C4)ポリビニル樹脂、からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
[(C1)ノボラック樹脂]
(C1)ノボラック樹脂としては、質量平均分子量が1,000〜50,000であることが好ましい。
このような(C1)ノボラック樹脂は、例えばフェノール性水酸基を持つ芳香族化合物(以下、単に「フェノール類」と称する)とアルデヒド類とを酸触媒下で付加縮合させることにより得られる。この際に使用されるフェノール類としては、例えばフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、p−フェニルフェノール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、フロログリシノール、ヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA、没食子酸、没食子酸エステル、α−ナフトール、β−ナフトールなどが挙げられる。
また、アルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、アセトアルデヒドなどが挙げられる。付加縮合反応時の触媒は、特に限定されるものではないが、例えば酸触媒では、塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、シュウ酸、酢酸などが使用される。
なお、o−クレゾールを使用すること、樹脂中の水酸基の水素原子を他の置換基に置換すること、あるいは嵩高いアルデヒド類を使用することにより、樹脂の柔軟性を一層向上させることが可能である。
[(C2)ポリヒドロキシスチレン樹脂]
(C2)ポリヒドロキシスチレン樹脂としては、質量平均分子量が1,000〜50,000であることが好ましい。
このような(C2)ポリヒドロキシスチレン樹脂を構成するヒドロキシスチレン系化合物としては、p−ヒドロキシスチレン、α−メチルヒドロキシスチレン、α−エチルヒドロキシスチレンなどが挙げられる。さらに、(C2)ポリヒドロキシスチレン樹脂は、スチレン樹脂との共重合体とすることが好ましく、このようなスチレン樹脂を構成するスチレン系化合物としては、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
[(C3)アクリル樹脂]
(C3)アクリル樹脂としては、質量平均分子量が50,000〜800,000であることが好ましい。
このような(C3)アクリル樹脂としては、エーテル結合を有する重合性化合物から誘導されたモノマー、及びカルボキシル基を有する重合性化合物から誘導されたモノマーを含有することが好ましい。
上記エーテル結合を有する重合性化合物としては、2−メトキシエチル(メタ)アクリラート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリラート、3−メトキシブチル(メタ)アクリラート、エチルカルビトール(メタ)アクリラート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリラート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリラート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリラートなどのエーテル結合及びエステル結合を有する(メタ)アクリル酸誘導体などを例示することができ、好ましくは、2−メトキシエチルアクリラート、メトキシトリエチレングリコールアクリラートである。これらの化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記カルボキシル基を有する重合性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸などのカルボキシル基及びエステル結合を有する化合物などを例示することができ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸である。これらの化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[(C4)ポリビニル樹脂]
(C4)ポリビニル樹脂としては、質量平均分子量が10,000〜200,000であることが好ましく、50,000〜100,000であることがより好ましい。
このような(C4)ポリビニル樹脂は、ポリ(ビニル低級アルキルエーテル)であり、下記一般式(c1)で表されるビニル低級アルキルエーテルの単独又は2種以上の混合物を重合することにより得られる(共)重合体からなる。
Figure 2008134474
上記一般式(c1)中、R1cは、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す。
このような(C4)ポリビニル樹脂は、ビニル系化合物から得られる重合体であり、このようなポリビニル樹脂としては、具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリヒドロキシスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニル安息香酸、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルフェノール、及びこれらの共重合体などが挙げられる。中でも、ガラス転移点の低さに鑑みてポリビニルメチルエーテルが好ましい。
このような(C)成分の含有量は、上記(B)成分100質量部に対して、5〜95質量部とすることが好ましく、より好ましくは10〜90質量部とされる。5質量部以上とすることによりクラック耐性を向上させることができ、95質量部以下とすることにより現像時の膜減りを防ぐことができる傾向がある。
<(D)酸拡散制御剤>
厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き安定性などの向上のために、さらに(D)酸拡散制御剤(以下、(D)成分という。)を含有させることが好ましい。(D)成分としては、(D1)含窒素化合物が好ましく、さらに必要に応じて、(D2)有機カルボン酸、又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体を含有させることができる。
[(D1)含窒素化合物]
(D1)含窒素化合物としては、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリベンジルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3,−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、8−オキシキノリン、アクリジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、2,4,6−トリ(2−ピリジル)−S−トリアジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、ピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンなどを挙げることができる。これらのうち、特にトリエタノールアミンのようなアルカノールアミンが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このような(D1)含窒素化合物は、上記(B)成分及び(C)成分の合計質量100質量部に対して、通常0〜5質量部の範囲で用いられ、特に0〜3質量部の範囲で用いられることが好ましい。
[(D2)有機カルボン酸、又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体]
(D2)有機カルボン酸、又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体のうち、有機カルボン酸としては、具体的には、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適であり、特にサリチル酸が好ましい。
リンのオキソ酸又はその誘導体の例としては、リン酸、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルのような誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられ、これらの中で特にホスホン酸が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このような(D2)有機カルボン酸、又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体は、上記(B)成分及び(C)成分の合計質量100質量部に対して、通常0〜5質量部の範囲で用いられ、特に0〜3質量部の範囲で用いられることが好ましい。
また、塩を形成させて安定させるために、(D2)有機カルボン酸、又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体は、上記(D1)含窒素化合物と同等量を用いることが好ましい。
また、厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物には、基板との接着性を向上させるために、接着助剤をさらに含有させることもできる。使用される接着助剤としては、官能性シランカップリング剤が好ましい。具体的な官能性シランカップリング剤としては、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアナート基、エポキシ基などの反応性置換基を有するシランカップリング剤であり、具体例としては、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどを挙げることができる。この接着助剤の含有量は、上記(B)成分及び(C)成分の合計質量100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましい。
また、厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物には、塗布性、消泡性、レベリング性などを向上させるために、界面活性剤をさらに含有させることもできる。界面活性剤の例としては、BM−1000、BM−1100(いずれも商品名;BMケミー社製)、メガファックF142D、メガファックF172、メガファックF173、メガファックF183(いずれも商品名;大日本インキ化学工業社製)、フロラードFC−135、フロラードFC−170C、フロラードFC−430、フロラードFC−431(いずれも商品名;住友スリーエム社製)、サーフロンS−112、サーフロンS−113、サーフロンS−131、サーフロンS−141、サーフロンS−145(いずれも商品名;旭硝子社製)、SH−28PA、SH−190、SH−193、SZ−6032、SF−8428(いずれも商品名;東レシリコーン社製)などの市販のフッ素系界面活性剤があるが、これらに限定されない。
また、厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物には、アルカリ現像液に対する溶解性の微調整を行うために、酸、酸無水物、又は高沸点溶媒をさらに含有させることもできる。酸及び酸無水物の例としては、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、n−吉草酸、イソ吉草酸、安息香酸、桂皮酸などのモノカルボン酸;乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ桂皮酸、3−ヒドロキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ桂皮酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、シリンギン酸などのヒドロキシモノカルボン酸;シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、1,2,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸などの多価カルボン酸;無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバニル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス無水トリメリタート、グリセリントリス無水トリメリタートなどの酸無水物、といったものを挙げることができる。また、高沸点溶媒の例としては、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセタートなどを挙げることができる。上述したようなアルカリ現像液に対する溶解性の微調整を行うための化合物の使用量は、用途・塗布方法に応じて調整することができ、組成物を均一に混合させることができれば特に限定されるものではないが、得られる組成物全質量に対して60質量%以下、好ましくは40質量%以下とする。
また、厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物には、粘度調整のため有機溶剤を適宜配合することができる。有機溶剤としては具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、及びジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル、又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類;蟻酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの有機溶剤の使用量は、本発明の厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物を(例えば、スピンコート法)使用して得られるホトレジスト層の膜厚が5μm以上となるように、固形分濃度が30質量%以上となる範囲が好ましい。
厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物の調製は、例えば、上記各成分を通常の方法で混合、攪拌するだけでよく、必要に応じ、ディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミルなどの分散機を用いて分散、混合させてもよい。また、混合した後で、さらにメッシュ、メンブレンフィルターなどを用いて濾過してもよい。
本発明の厚膜用化学増幅型ドライフィルムは、このような厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物からなる層の両面に保護膜が形成されたものである。厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物からなる層の膜厚は、10〜150μm、好ましくは20〜120μm、より好ましくは20〜80μmの範囲であることが望ましい。また、保護膜は、特に限定されるものではなく、従来ドライフィルムに用いられている樹脂フィルムを用いることができる。一例としては、一方をポリエチレンテレフタレートフィルムとし、他方をポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、及びポリエチレンフィルムからなる群より選ばれる1種とすることができる。
上記のような厚膜用化学増幅型ドライフィルムは、例えば以下のようにして製造することができる。すなわち、上述したように調製した厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物の溶液を一方の保護膜上に塗布し、加熱により溶媒を除去することによって所望の塗膜を形成する。乾燥条件は、組成物中の各成分の種類、配合割合、塗布膜厚などによって異なるが、通常は60〜100℃で、5〜20分間程度である。
このようにして得られた厚膜用化学増幅型ドライフィルムを用いてレジストパターンを形成するには、厚膜用化学増幅型ドライフィルムの一方の保護膜を剥離し、露出面を支持体側に向けた状態で支持体上にラミネートし、厚膜ホトレジスト層を得る。その後、プレベークを行ってレジストを乾燥させた後、他方の保護膜を剥離する。
支持体としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたものなどを例示することができる。この基板としては、例えば、シリコン、窒化シリコン、チタン、タンタル、パラジウム、チタンタングステン、銅、クロム、鉄、アルミニウムなどの金属製の基板やガラス基板などが挙げられる。特に、本発明の厚膜用化学増幅型ドライフィルムは、銅基板上においても良好にレジストパターンを形成することができる。配線パターンの材料としては、例えば銅、ハンダ、クロム、アルミニウム、ニッケル、金などが用いられる。
そして、このようにして得られた厚膜ホトレジスト層に、所定のパターンのマスクを介して、活性光線又は放射線、例えば波長が300〜500nmの紫外線又は可視光線を選択的に照射(露光)する。
ここで、活性光線とは、酸を発生するために酸発生剤を活性化させる光線を意味する。放射線の線源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、アルゴンガスレーザーなどを用いることができる。また、放射線とは、紫外線、可視光線、遠紫外線、X線、電子線、イオン線などを意味する。放射線照射量は、組成物中の各成分の種類、配合量、塗膜の膜厚などによって異なるが、例えば超高圧水銀灯使用の場合、100〜10,000mJ/cmである。
そして、露光後、公知の方法を用いて加熱することにより酸の拡散を促進させて、この露光部分の厚膜ホトレジスト層のアルカリ溶解性を変化させる。ついで、例えば、所定のアルカリ性水溶液を現像液として用いて、不要な部分を溶解、除去して所定のレジストパターンを得る。
現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノナンなどのアルカリ類の水溶液を使用することができる。また、前記アルカリ類の水溶液にメタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
現像時間は、組成物各成分の種類、配合割合、組成物の乾燥膜厚によって異なるが、通常1〜30分間であり、また現像の方法は液盛り法、ディッピング法、パドル法、スプレー現像法などのいずれでもよい。現像後は、流水洗浄を30〜90秒間行い、エアーガンや、オーブンなどを用いて乾燥させる。
そして、このようにして得られたレジストパターンの非レジスト部(アルカリ現像液で除去された部分)に、例えばメッキなどによって金属などの導体を埋め込むことにより、メタルポストやバンプなどの接続端子を形成することができる。なお、メッキ処理方法は特に制限されず、従来から公知の各種方法を採用することができる。メッキ液としては、特にハンダメッキ、銅メッキ、金メッキ、ニッケルメッキ液が好適に用いられる。残っているレジストパターンは、最後に、定法に従って、剥離液などを用いて除去する。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(A)成分として下記化学式(z1)で表される化合物(K−1S(商品名);サンアプロ社製)1質量部、(B)成分として下記化学式(z2)で表される樹脂40質量部、(C)成分としてm−クレゾールとp−クレゾールとをホルムアルデヒド及び酸触媒の存在下で付加縮合して得たノボラック樹脂60質量部、及び増感剤として1,5−ジヒドロキシナフタレン1質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに均一に溶解させ、孔径1μmのメンブレンフィルターを通して濾過し、固形分質量濃度40質量%の厚膜用化学増幅型ポジ型レジスト組成物を得た。
Figure 2008134474
Figure 2008134474
<比較例1>
(A)成分として下記化学式(z3)で表される化合物1質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして厚膜用化学増幅型ポジ型レジスト組成物を得た。
Figure 2008134474
<比較例2>
(A)成分として下記化学式(z4)で表される化合物1質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして厚膜用化学増幅型ポジ型レジスト組成物を得た。
Figure 2008134474
そして、これらの厚膜用化学増幅型ポジ型レジスト組成物を、膜厚20μmの離型剤付きポリエチレンテレフタレートフィルム上にバーコーターにて均一に塗布し、オ−ブンにより80℃で10分間乾燥させた。その後、露出面上に膜厚20μmの離型剤付きポリエチレンテレフタレートフィルムをラミネートし、膜厚60μmの厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物からなる層の両面に保護膜が形成された厚膜用化学増幅型ドライフィルムを製造した。
<レジスト乾燥性・感光性評価>
上記実施例1、比較例1,2で製造した厚膜用化学増幅型ドライフィルムを用いて、以下のようにレジスト乾燥性及び感光性の評価を行った。
5インチの銅基板を予めオ−ブンにより80℃で10分間加熱した。上記実施例1、比較例1,2で製造した厚膜用化学増幅型ドライフィルムの一方の保護膜を剥離し、露出面を銅基板側に向けた状態で、ロール温度105℃、エアー圧力3kg/cm、速度1.0m/minで銅基板上にラミネートし、厚膜ホトレジスト層を得た。その後、130℃で所定時間プレベークを行ってレジストを乾燥させた後、他方の保護膜を剥離した。そして、PLA−501F(コンタクトアライナー:キャノン社製)を用いてホールパターン露光(ソフトコンタクト、ghi線)を行い、ホットプレートにより74℃で5分間の露光後加熱(PEB)を行った。その後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(NMD−W:東京応化工業社製)を用いた浸漬法により、10分間の現像処理を行い、流水洗浄し、窒素ブローしてパターン状硬化物を得た。これを顕微鏡で観察し、未露光部の白化やホール寸法の膨らみが認められなくなるプレベーク時間を測定した。また、アスペクト比2以上のパターンを形成し、残渣が認められなくなる露光量、すなわちレジストパターンを形成するのに必要な最低限の露光量を測定した。結果を表1に示す。
また、5インチの銅基板上に、上記比較例3で調製した厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物をスピンナーを用いて塗布した後、乾燥して約60μmの膜厚を有する厚膜ホトレジスト層を得た。この厚膜ホトレジスト層をホットプレートにより110℃で所定時間プレベークした。プレベーク後、PLA−501F(コンタクトアライナー:キャノン社製)を用いてホールパターン露光(ソフトコンタクト、ghi線)を行い、ホットプレートにより74℃で10分間の露光後加熱(PEB)を行った。その後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(NMD−W:東京応化工業社製)を用いた浸漬法により、10分間の現像処理を行い、流水洗浄し、窒素ブローしてパターン状硬化物を得た。これを顕微鏡で観察し、未露光部の白化やホール寸法の膨らみが認められなくなるプレベーク時間を測定した。また、アスペクト比2以上のパターンを形成し、残渣が認められなくなる露光量、すなわちレジストパターンを形成するのに必要な最低限の露光量を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2008134474
表1に示される通り、実施例1の厚膜用化学増幅型ドライフィルムは、銅基板上においても良好なレジストパターンを得ることができ、かつ、比較例1のように他のオニウム塩系酸発生剤を用いた場合よりも高感度であった。なお、オキシム塩系酸発生剤を用いた比較例2では、銅基板上でレジストパターンを得ることができなかった。

Claims (9)

  1. 膜厚10〜150μmの厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物からなる層の両面に保護膜が形成された厚膜用化学増幅型ドライフィルムであって、
    前記厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物は、
    (A)活性光線又は放射線照射により酸を発生する化合物、及び(B)酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂を含有し、
    前記(A)成分が、下記一般式(a1):
    Figure 2008134474
    (式(a1)中、Aは原子価mの硫黄原子又はヨウ素原子を表し、mは1又は2である。nは括弧内の構造の繰り返し単位数を表し、0〜3の整数である。RはAに結合している有機基であり、炭素数6〜30のアリール基、炭素数4〜30の複素環基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、又は炭素数2〜30のアルキニル基を表し、Rはアルキル、ヒドロキシ、アルコシキ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコシキカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールチオカルボニル、アシロキシ、アリールチオ、アルキルチオ、アリール、複素環、アリールオキシ、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキレンオキシ、アミノ、シアノ、ニトロの各基、及びハロゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。Rの個数はm+n(m−1)+1であり、Rはそれぞれ互いに同じであっても異なっていてもよい。また、2個以上のRが互いに直接、又は−O−、−S−、−SO−、−SO−、−NH−、−NR’−、−CO−、−COO−、−CONH−、炭素数1〜3のアルキレン基若しくはフェニレン基を介して結合し、Aを含む環構造を形成してもよい。R’は炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基である。
    Dは下記一般式(a2)で表される構造であり、
    Figure 2008134474
    式(a2)中、Eは炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又は炭素数8〜20の複素環化合物の2価の基を表し、Eは炭素数1〜8のアルキル、炭素数1〜8のアルコキシ、炭素数6〜10のアリール、ヒドロキシ、シアノ、ニトロの各基、及びハロゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。Gは−O−、−S−、−SO−、−SO−、−NH−、−NR’−、−CO−、−COO−、−CONH−、炭素数1〜3のアルキレン基、又はフェニレン基を表す。aは0〜5の整数である。a+1個のE及びa個のGはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。R’は前記のものと同じである。
    はオニウムの対イオンである。その個数は1分子当たりn+1であり、そのうち少なくとも1個は下記一般式(a3)で表されるフッ素化アルキルフルオロリン酸アニオンであって、
    Figure 2008134474
    残りは他のアニオンであってもよい。
    式(a3)中、Rfは水素原子の80%以上がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。bはその個数を示し、1〜5の整数である。b個のRfはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
    で表されるオニウムフッ素化アルキルフルオロリン酸塩を含有することを特徴とする厚膜用化学増幅型ドライフィルム。
  2. 前記(A)成分が、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムトリフルオロトリスフルオロアルキルホスファートである請求項1記載の厚膜用化学増幅型ドライフィルム。
  3. 前記(B)成分が、(B1)ノボラック樹脂、(B2)ポリヒドロキシスチレン樹脂、及び(B3)アクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の厚膜用化学増幅型ドライフィルム。
  4. 前記厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物の固形分に対して、前記(A)成分を0.05〜5質量%、前記(B)成分を5〜60質量%含有することを特徴とする請求項1から3いずれか記載の厚膜用化学増幅型ドライフィルム。
  5. 前記厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物は、さらに、(C)アルカリ可溶性樹脂を含有することを特徴とする請求項1から4いずれか記載の厚膜用化学増幅型ドライフィルム。
  6. 前記(C)成分が、(C1)ノボラック樹脂、(C2)ポリヒドロキシスチレン樹脂、(C3)アクリル樹脂、及び(C4)ポリビニル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を含有することを特徴とする請求項5記載の厚膜用化学増幅型ドライフィルム。
  7. 前記厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物は、さらに、(D)酸拡散制御剤を含有することを特徴とする請求項1から6いずれか記載の厚膜用化学増幅型ドライフィルム。
  8. 銅基板上に、膜厚10〜150μmの厚膜ホトレジスト層を形成するために用いられることを特徴とする請求項1から7いずれか記載の厚膜用化学増幅型ドライフィルム。
  9. 請求項1から8いずれか記載の厚膜用化学増幅型ドライフィルムの保護膜を除去し、支持体上に積層して厚膜ホトレジスト積層体を得る積層工程と、該厚膜ホトレジスト積層体に選択的に活性光線又は放射線を照射する露光工程と、該露光工程後に現像して厚膜レジストパターンを得る現像工程と、を含むことを特徴とする厚膜レジストパターンの製造方法。
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