JP2008134245A - 刃の先端形状を測定する装置および方法 - Google Patents

刃の先端形状を測定する装置および方法 Download PDF

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雅史 奥野
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Abstract

【課題】ダイヤモンドなどの刃の先端形状を非接触で測定する方法および装置を提供する。
【解決手段】レーザー光11を刃先端24に向けて照射し、刃先端24による散乱光を検出器30で検出する。レーザー光11を移動させたときの散乱光の変化を検出することによって刃先端24の形状を評価する。刃先端24を横切る方向にレーザー光11を移動して、散乱光強度の移動に対する変化率を求めることにより、先端の曲率半径を測定することも可能であり、刃幅方向に移動して散乱光の均一性を調べることにより、先端の欠けなどを検出することが可能である。
【選択図】図3

Description

本発明は刃、特にダイヤモンド刃を好適とする、刃先端の形状を測定する方法および装置に関する。
例えば半導体ウエハからチップを切断する時などにスクライバのような装置を用いるが、このような装置の刃には通常ダイヤモンドが用いられる。ダイヤモンドを刃に加工するには研磨によって行うが、これは研磨職人の手作業によって行っている。また、ダイヤモンド刃の品質は特に先端形状によって大きく左右される。
特開2006−015412 特開平6−347478
従来、ダイヤモンド刃は手作業によって研磨されることから、先端形状にばらつきが生じており、品質管理が困難であった。また、品質のばらつきは、結晶の格子欠陥のような天然由来の原因だけでなく、研磨の出来不出来による原因にも依存している。
このような品質のばらつきは、先端形状を測定する方法がないため良品だけを選択することができないことが原因である。また、試し切りでは刃を摩耗させるので品質管理として好適ではない。
以上のことから、刃先端の形状を非破壊、非接触により測定することが望まれていた。これは、ダイヤモンドの刃のみでなく、石英、ガラス、金属などの刃でも同様である。
本願発明者らは刃先端にレーザー光を照射し散乱させ、さらにレーザー光を移動させることによる散乱光の強度変化が、刃先端の曲率半径の大きさと相関関係を有していることを見いだした。この関係は刃先端が鋭く、すなわち先端曲率半径が小さいと光強度は徐々に増加し、先端曲率半径が大きいと光強度は急激に増加するというものである。
本発明はこのような関係を利用して以下のような方法を提供する。
(1)レーザー光の散乱を用いた刃先端の形状測定方法であって、刃先端に向けてレーザー光を照射し散乱させ、レーザー光または刃先端を移動させることによる散乱光の変化を検出することによって刃先端の形状を測定する。レーザー光による刃先端の散乱光を利用するので、刃先端の形状を非破壊、非接触により測定することができる。
(2)上記の方法であって、前記レーザー光または刃先端の移動が、レーザー光が刃先端に触れない位置から該レーザー光を該刃先端に対して刃を横切る方向に移動する。さらに、前記検出が、散乱光の光量を測定するステップ及びレーザー光または刃先端の移動距離に対する該光量の変化率を算出するステップとを有することも可能である。
変化率を算出する場合は、その変化率の値により、刃先の善し悪しが評価できる。また、変化率から、刃先端の稜線丸み半径を算出することができる。
(3)(1)の方法であって、前記レーザー光または刃先端の移動を刃幅方向とする。
移動を刃幅方向とするので、刃幅方向の不均一性を評価できるので、刃先の欠けがわかる。
(4)(1)の方法であって、前記レーザー光または刃先端の移動が、レーザー光が刃先端に触れない位置から該レーザー光を該刃先端に対して刃を横切る方向に移動し、前記レーザー光が長円形のスポット形状を有し、さらに該長円形のスポット形状を有するレーザー光による散乱光の1次元強度分布を検出し、前記レーザー光または刃先端の移動により該1次元強度分布の変化に基づく2次元強度分布を測定する。
また、(1)の方法であって、前記レーザー光または刃先端の移動が、レーザー光が刃先端に触れない位置から該レーザー光を該刃先端に対して刃を横切る方向に移動し、前記レーザー光を前記レーザー光または刃先端の移動とは別の方向に走査することにより、散乱光の1次元強度分布を検出し、前記レーザー光または刃先端の移動により該1次元強度分布の変化に基づく2次元強度分布を測定する。
これらの方法では2次元強度分布を求めることから、ノーズ半径を算出することができる。
一方、本発明は以下のような装置を提供する。
(1)レーザー光の散乱を用いた刃の先端形状測定装置であって、レーザー光を照射するレーザー装置と、レーザー光の刃による散乱光を検出する検出器と、レーザー光を刃の先端に相対的に移動させる移動装置とを有し、該移動装置による該散乱光の変化から刃先端形状を測定する。
レーザー光による刃先端の散乱光を利用するので、刃先端の形状を非破壊、非接触により測定することができる。
(2)上記の装置で、前記移動装置による移動に関する情報と前記検出器で検出した前記散乱光に関する情報を入力してこれらの情報を処理する処理部をさらに有する。
(3)(2)の装置で、前記散乱光が1次元強度分布を有するよう、前記レーザー装置が長円形のスポット形状を有するレーザー光を発射するレーザー装置であり、前記検出器が結像手段及び少なくとも1次元の解像度を有する撮像手段を備える。
また(2)の装置で、前記散乱光が1次元強度分布を有するよう、さらに前記相対的移動とは別途の方向に前記レーザー光を走査する、ビームスキャニング機構を有し、前記検出器が結像手段及び少なくとも1次元の解像度を有する撮像手段を備える。
スポット形状が長円形であること、またはビームスキャニング機構を有することから、刃幅方向への1次元散乱光分布を求められる。
(4)(3)のいずれかの装置で、前記検出器で検出される前記1次元強度分布を有する前記散乱光が、前記処理部により前記1次元強度分布を前記相対的な移動による移動方向に合成した、前記散乱光の2次元強度分布を得る。
2次元強度分布が得られることから、ノーズ半径を算出することができる。
ここで、散乱の用語について説明する。散乱は通常、例えばレイリー散乱、ミー散乱といった散乱を意味する語として理解されているが、本明細書においては、回折、屈折、反射、蛍光等も含めて散乱という語を使用する。つまり、光路上に存在する物体の影響により、光軸とは異なる方向に光が進行するという意味で使用する。
レーザー光による刃先端の散乱光を利用するので、刃先端の形状を非破壊、非接触により測定することができる。
以下に図を用いて本発明を詳細に説明する。本願発明で測定の対象となる刃の例であるバイトの形状の例を説明する。
図1(a)(b)はそれぞれ、直刃バイト21を示す上面図及び側面図である。側面図に示された先端部分を拡大すると丸み部分35を有しており、この部分の曲率半径を稜線丸み半径と称する。
図2(a)(b)はそれぞれ、剣バイト22を示す上面図及び側面図である。剣バイトの先端部には、切刃稜線丸み半径の他に、上面図に示すような別の丸み部分を有しており、この部分の曲率半径をノーズ半径36と称する。
(第1実施形態)
図3は本発明第1の実施形態の方法及び装置を概略的に示した図である。この図において、レーザー装置10から出射したレーザー光11が測定対象となる刃20の先端24によって散乱され、散乱光がレーザー光11の光軸から離れた位置に置かれた検出器30に入射する。検出器30に入射した散乱光は、その強度が測定される。検出器30には例えばCCD、フォトダイオード、CMOS等の半導体素子を用いた光検出器を使用することができる。また、撮像素子を使用することも可能である。検出器30にはさらにレンズなどの結像手段32を有すると好適である。刃24は、ダイヤモンドが好適であるが、これに限定するものではなく、石英、ガラス及び金属でも良いものとする。
この図の(a)では、レーザー光11の光軸は、刃の先端24と間隙40を有するので、散乱光は発生せず、検出器30は散乱光を検出しない。次にレーザー光11を刃の先端24を横切る方向へ相対的に移動させると、レーザー光11と刃の先端24との間隙40が小さくなり、接触するに至る。レーザー光11を刃20に対して相対的に移動するとは、例えば両者を近づけるには、レーザー装置10を移動することによってレーザー光11を移動して刃20に近づける場合及び刃20を移動してレーザー光11に近づける場合の2つを含む。以後では、「レーザー装置を移動することによって」または「刃(バイト)を移動することによって」と限定することなく単に「レーザー光を移動する」と記載された場合、上記の相対的な移動を意味するものとする。
この図の(b)に示したように、相対的移動によって、レーザー光11が刃の先端24に接触すると散乱光12が生ずる。この散乱光12は検出器30で検出される。その後さらに移動をつづけると、先端24の形状によって散乱光12の強度に変化が見られる。散乱光の変化を観測することにより、刃先の状態を評価する。
ここでレーザー光について説明する。レーザー光11の強度分布はレーザー光11の中心が最も大きく、端に行くに従って小さくなる。図4は光軸に沿った方向のレーザー光11の断面とレーザー光11の強度分布を示した図である。横軸は光強度Iを示しており、縦軸は距離を示している。グラフから解るように、レーザー光11の中心に位置する光軸14が最も強度Iが大きくそこから離れるにつれて強度Iが小さくなっている。この強度分布は正規分布を有する。また、レーザー光11の端部13は漸近的に0に近づくため、明確に端部13を定義することは困難であるが説明の便宜上、任意の強度の境界を端部13として定義し端部13より内側を領域Yとする。
レーザー光11が刃20の先端24に接触すると散乱が生じるが、上記のように端部13近傍は光強度Iが小さいため、この領域のレーザー光11の散乱光12は更に光強度Iが小さくなる。従って、このときの散乱光12の強度Iは検出器30の感度以下となる。検出器30の感度以上の強度Iを得るには図4のグラフにおいて、レーザー光にIx以上の強度が必要であるものとする。強度がIx以上のレーザー光11の領域を領域Xとすると、この領域X内のレーザー光11が刃20の先端24に接触すると検出器30で検出できるレベルの散乱光が得られる。
次に、散乱光によって刃20の先端24の形状を測定する方法を説明する。図5は刃20にレーザー光11を紙面のうら側からおもて側に向けて照射しながら、刃先24を横切るようにレーザー光を移動する場合において、レーザー光11の光軸方向から刃を見た時の図である。レーザー光の端部13内部全体が領域Yであり、その中に強度Ix以上の領域Xが存在している。レーザー光の移動により、(a)〜(e)のように、レーザースポットの刃に照射する部分が変化するものとする。散乱光は図6の(a)〜(e)のそれぞれ対応した強度となる。図6では、横軸にレーザー光の移動距離、縦軸には検出器で検出される散乱光を示す。
図5(a)の状態では刃20の先端24はスポットの領域Yにある。このときは、散乱光は弱く、検出器30で観測されない。
レーザー光が移動して、先端24が領域Xの境界部に接触すると、検出器30で検出されるようになり、(b)に示すように、刃20の先端が領域X内にあって移動しているときは、散乱光が増加する。さらに移動を続け、(c)に示すように刃の先端がレーザースポットの中心付近まで来ると、散乱光が一定値に飽和する。この状態からさらに移動を続けると、(d)に示すように散乱光が減少し、先端24が領域Xの境界部に再び接触すると、検出器30では検出されなくなる。このあと、(e)に示すように、先端24が再び領域Yに入り、検出器30では検出されなくなる。
刃先の評価には、例えば(a)→(b)→(c)または(c)→(d)→(e)に渡って散乱光を検出すればよい。
図6(b)の散乱光が増加する状態での散乱光強度増加率について、次のようになる。 刃の先端曲率半径Rが小さい(刃が鋭い)と(b)での変化率は小さくなる。すなわち、傾きが小さくなる。刃の曲率半径先端Rが大きい(刃がなまっている)と(b)での変化率は大きくなる。すなわち、傾きは大きくなる。このため例えば、先端曲率半径が既知の刃を測定し、比較することによって具体的な数値を求めることができる。
稜線丸み半径を求めるフローチャートを図7に示す。
散乱光の強度分布を得た(S170)あとつぎのような手順で実行する。移動距離に対する強度変化率を算出し(S180)、その後、強度変化率より稜線丸み半径を求める(S190)。これは、稜線丸み半径が既知の刃に対する強度変化率のデータから求めることができる。
(第2実施形態)
次に本発明の第2の実施形態を説明する。これは刃に沿った方向の形状を測定する方法である。
図8は本発明の方法を概略的に示した斜視図である。本実施例では、レーザー光11を刃20の先端24に接触させ、このとき発生する散乱光12を検出器30で検出する。さらに、レーザー光11を刃20に沿った方向(刃幅方向、図1及び2に示したバイトの場合では、これらの図のy軸方向)に相対的に移動させる。
このとき、先端24に欠け等の欠陥があるとレーザー光11が散乱され散乱光12の強度が変化する。これを刃20の幅wにわたって走査させると欠陥の位置または先端24の滑らかさを測定することができる。先端24に欠け等が存在するとレーザー光11が散乱され散乱光の強度が変化する。
図9にこの概略的なグラフを示した。グラフの横軸は走査方向の移動距離であり、縦軸は散乱光の強度である。f領域ではレーザー光11は刃に接触していない。レーザー光11が移動によって刃20の端部(図示しない)に接触すると強度が大きくなり、さらに刃20の先端24の刃幅方向に沿って移動すると、g、h領域を経て再び散乱光が検出されなくなりf領域となる。先端24に凹凸があると図のg領域のように散乱光の強度は凹凸に合わせて変化する。また、凹凸が無い場合はh領域のように散乱光の強度の変化が無くなりグラフは平坦になる。
(第3及び第4実施形態)
図10および図11はそれぞれ本発明の第3及び第4の実施形態である、剣刃バイト22の刃先形状測定方法を説明する図である。これらの図とも(a)(b)それぞれは上面図及び正面図である。上面図では測定器などを省略した。特記なき場合、下記の記載は、2つの実施形態に共通である。
これらの図において、レーザー装置10から発射されたレーザー光11の光軸(xz平面内にある)近辺にバイト22の刃の先端24を配置する。このレーザー装置10は細長い楕円形のスポット形状のレーザー光11を有する、いわゆるシート状のレーザー光を発生する。該楕円形の長径がバイトの刃幅の長さに対して十分長いものであるものとする。刃幅が1mmであれば、長径が5mmのものを使用することができる。刃幅方向(図面のy方向)に、楕円形であるレーザースポットの長径が広がっていることが好ましい。
刃の先端により散乱されたレーザー光11の散乱光12が検出器30に入射する。レーザー光11を刃の先端24を横切る方向に対して相対的に移動することで、散乱光の状態が変化する。
第3の実施形態においては、レーザー装置10が移動ステージ60の上に搭載されており、「相対的移動」は、レーザー装置10を移動して実現する。一方、第4実施形態では、移動ステージ60にはバイト22を搭載しており、「相対的移動」はバイト22を移動することにより実現する。これらの実施形態では、ステージの移動方向65(この方向にしたがって第3の実施形態ではレーザー装置10、第4の実施形態ではバイト22が移動する。図面ではx方向である)、バイトスクイ面29(図10または11のxy平面)、及び検出器30の受光面(光軸と垂直の面、レンズがある場合はレンズの受光面)の3者を平行にすることが強く望まれる。
レーザー光は刃幅方向(図1、図10及び図11のy方向)に広がった楕円形のスポット形状を有し、かつ、剣刃バイトは刃幅方向の形状(xz平面を断面とする形状)が一様でなく散乱光が長円型スポットの長径方向(図のy方向)に強度分布を有するので、検出器30には、レンズなどの結像手段32及び少なくとも1次元の解像度を有する撮像手段31を備える必要がある。そのような撮像手段とは、例えば1次元または2次元のイメージセンサである。フォトダイオード及びCCDまたはCMOSを用いた1次元または2次元のイメージは容易に入手可能である。このような機能を備えた検出器30では、レーザー光11とバイトの刃の先端24とが特定の相対位置にあるときのy方向の散乱光1次元強度分布が検出される。該1次元強度分布を示す信号は処理部70へ伝達される。レーザー光を刃の先端に対して移動すると、該1次元強度分布が変化する。移動ステージ60による移動量も処理部70に入力されるので、処理部70により、該1次元強度分布を移動方向に合成した、散乱光の2次元強度分布を得ることができる。これは例えば図12に示すようになる。
初期状態には、レーザー光11をバイトの刃の先端から離しておき、散乱光12がないようにする。移動ステージ60を用いて、レーザー光を刃の先端に対して移動し、レーザー光11を刃の先端24に近づけ、レーザー光のスポット(シート状レーザー光のため実際は長円形状)のエッジが刃の先端24を照射すると散乱光12が発生し、検出器30で検出される。さらに移動を続けると、散乱光12の状態が変化する。レーザー光はなおも移動を続け、それにより、散乱光12が増加する。移動によりスポットの中央部付近が刃の先端を照射すると一定の分布を示す。さらに移動を続けその後減少し、最終的にはスポットが刃ですべて反射されるので、最終的には散乱光はゼロとなる。これらはスポットが円形である場合の図5及び図6と同様である。
第3及び第4の実施形態を比較すると以下の通りとなる。
第4の実施形態の方が処理部70における画像処理の速度が若干速められる。第3実施形態では、検出器30に映し出される画像全体から散乱光位置を抽出する必要があるが、第4実施形態では、レーザー位置が固定されているので、検出器30には常に同じ位置にレーザーが映し出される。このため画像処理の演算が軽減されるからである。一方、第3実施形態のほうが刃先端位置の調整が容易である。
第3及び第4実施形態では、レーザーを細長いスポット形状を有する、いわゆるシート状とした。しかし通常の円形スポット形状を有する場合でも2次元強度分布は測定できる。レーザー光を、刃幅方向、すなわち図10または図11のy方向にスキャナーミラーなどで振ることで等価的に細長いスポット形状を実現できる。したがってレーザー光の移動と合わせて、図12に示す2次元強度分布を得ることができる。
図13にノーズ半径Rを求めるフローチャートを示す。前述の方法で散乱光の2次元強度分布を得た(S205)あとつぎのような手順で実行する。
強度がある所定の値Lmとなるような等高線を抽出する。すなわち、強度が所定の値Lmとなる、座標値(x,y)の組を撰ぶ(S210)。
これらの座標点を所定の曲線にフィッティングさせる(S215)。これは既存の数学的な手法で実現できる。
円を所定の曲線とした場合は、中心の座標を(x,y)、半径rとして、
(x−x+(y−y=r
にフィッティングさせる。
最後に、ノーズ半径を算出する(S220)。円の場合は、前述の半径rがノーズ半径となる。
この手順で、ノーズ半径rを算出できる。
なお、所定の強度Lmは測定値のうちで最大強度に近い値を選択することが望ましい。
(第5実施形態)
直刃バイトに対しても、シート状レーザーを使用する測定が可能である。図14は本発明の第5の実施形態を説明する図であり、(a)(b)それぞれは本発明による、直刃バイト21の刃先形状測定方法を示した上面図及び正面図である。上面図では測定器などを省略した。
構成は図10の第3の実施形態と同様である。本実施形態では、移動ステージ60に搭載したレーザー装置10が移動する点では、第3の実施形態と同じであるが、移動方向がxz平面内で、レーザー光11の光軸と垂直方向であることが望ましい。
本実施形態では、散乱光の2次元強度分布の例を図15に示す。直刃バイトは、刃幅方向(図14ではy方向)の形状(xz平面を断面とする形状)は同じであるので、長円型スポットの長径方向(図のy方向)に関する散乱光の強度分布は一様であるのが原則である。しかしながら、刃先の欠けなどがある場合、かかる方向に変化を観測する。これから、第2の実施形態と同様に、刃幅方向の形状均一性がわかる。
レーザーの移動距離と散乱光強度変化から図7のフローチャートの方法で、第2の実施形態と同様、稜線丸み半径を演算することができる。
図7または図13に示されるフローチャートに記載された各工程を実行するプログラムコードからなる測定プログラムは、当該測定プログラムが記憶されたCD−ROMやDVD−ROM等の記憶媒体を入手することで、あるいは当該測定プログラムが格納された外部のサーバからダウンロードすることで利用することが可能である。情報記憶媒体から読み出されるか、あるいは外部のサーバからダウンロードされたプログラムは、処理部70が有するメモリーなどの記憶手段(図示せず)にインストールされる。インストールされた本プログラムを、処理部70が有するCPU(図示せず)などの演算手段により実行することで、第1ないし第5の実施形態で説明した方法を実現することができる。
第1ないし第5の実施形態においては、相対的な移動を、1μmピッチで実施することが好適である。これは、移動ステージにてレーザー装置または刃を1μmピッチでステップ状に動かすことである。しかしながら、ステップ状に移動する場合のピッチをこれ以外の値にしたり、連続的に移動する場合も本願発明には含まれる。
(実験例)
第5の実施形態で、直刃バイトの形状を評価した。散乱光強度(相対値)のレーザー光移動距離に対する変化率はつぎの通りであった。
新品の切れ味の鋭い刃の場合、23690(1/mm)
使い古した鈍い刃の場合、34511(1/mm)
これにより、変化率の小さい場合に、刃先が鋭いことがわかる。すなわち本願発明の方法で刃の先端の形状を評価することができる。
以上説明したように、本発明ではレーザー光の散乱を利用して刃20の先端24の形状を評価、測定することができる。よって従来困難であった刃、特にダイヤモンド刃の先端形状を非破壊的に評価することができる。しかしながら、刃はダイヤモンドに限定されることはなく、石英、ガラス、金属の刃等でもよい。金属製の刃であると、例えば剃刀の刃や手術用のメスに好適である。
以上本発明の実施例を説明した。特許請求の範囲に記載された発明の技術的思想から逸脱することなく、これらに変更を施すことができることは明らかである。
直刃バイトの形状を示す図である。 剣バイトの形状を示す図である。 本願発明第1の実施形態を示す図である。 レーザースポットの強度分布を示す図である。 レーザー光が刃先を横切るように走査する状態を概略的に示した図である。 レーザー光が刃先を横切るように走査するときの散乱光強度の変化を示した図である。 第1の実施形態または第5の実施形態において稜線丸み半径を求めるためのフローチャートである。 本願発明第2の実施形態を示す図である。 レーザー光を刃幅方向に沿って走査したときの散乱光強度の変化を示した図である。 本願発明第3の実施形態を示す図である。 本願発明第4の実施形態を示す図である。 第3または第4の実施形態における散乱光の2次元強度分布例を示す図である。 第3または第4の実施形態において、ノーズ半径を求めるためのフローチャートである。 本願発明第5の実施形態を示す図である。 第5の実施形態における散乱光の2次元強度分布例を示す図である。
符号の説明
10 レーザー装置
11 レーザー光
12 散乱光
13 端部
14 光軸
20 刃
21 直刃バイト
22 剣刃バイト
24 刃の先端
29 バイトスクイ面
30 検出器
31 撮像手段
32 結像手段
35 稜線丸み半径
36 ノーズ半径
40 レーザー光と先端との間隙
50 レーザー光の刃を横切る方向への移動
51 レーザー光の刃幅方向への移動
60 移動ステージ
65 ステージ移動方向
70 処理部

Claims (14)

  1. レーザー光の散乱を用いた刃先端の形状測定方法であって、刃先端に向けてレーザー光を照射し散乱させ、レーザー光または刃先端を移動させることによる散乱光の変化を検出することによって刃先端の形状を測定する方法。
  2. 前記レーザー光または刃先端の移動が、レーザー光が刃先端に触れない位置から該レーザー光を該刃先端に対して刃を横切る方向に移動することである請求項1記載の方法。
  3. 前記検出が、散乱光の光量を測定するステップ及びレーザー光または刃先端の移動距離に対する該光量の変化率を算出するステップとを有する請求項2記載の方法。
  4. さらに、前記変化率から刃先端の稜線丸み半径を算出するステップを有する請求項3記載の方法。
  5. 前記レーザー光または刃先端の移動を刃幅方向とする請求項1記載の方法。
  6. 前記レーザー光が長円形のスポット形状を有し、さらに該長円形のスポット形状を有するレーザー光による散乱光の1次元強度分布を検出し、前記レーザー光または刃先端の移動により該1次元強度分布の変化に基づく2次元強度分布を測定する請求項2記載の方法。
  7. 前記レーザー光を前記レーザー光または刃先端の移動とは別の方向に走査することにより、散乱光の1次元強度分布を検出し、前記レーザー光または刃先端の移動により該1次元強度分布の変化に基づく2次元強度分布を測定する請求項2記載の方法。
  8. さらに、前記2次元強度分布より刃のノーズ半径を算出するステップを有する、請求項6または7記載の方法。
  9. さらに、前記2次元分布より稜線丸み半径を算出するステップを有する、請求項6記載の方法。
  10. レーザー光の散乱を用いた刃の先端形状測定装置であって、レーザー光を照射するレーザー装置と、レーザー光の刃による散乱光を検出する検出器と、レーザー光を刃の先端に相対的に移動させる移動装置とを有し、該移動装置による該散乱光の変化から刃先端形状を測定する装置。
  11. 前記移動装置による移動に関する情報と前記検出器で検出した前記散乱光に関する情報を入力してこれらの情報を処理する処理部をさらに有する請求項10記載の装置。
  12. 前記散乱光が1次元強度分布を有するよう、前記レーザー装置が長円形のスポット形状を有するレーザー光を発射するレーザー装置であり、前記検出器が結像手段及び少なくとも1次元の解像度を有する撮像手段を備えた請求項11記載の装置。
  13. 前記散乱光が1次元強度分布を有するよう、さらに前記相対的移動とは別途の方向に前記レーザー光を走査する、ビームスキャニング機構を有し、前記検出器が結像手段及び少なくとも1次元の解像度を有する撮像手段を備えた請求項11記載の装置。
  14. 前記検出器で検出される前記1次元強度分布を有する前記散乱光が、前記処理部により前記1次元強度分布を前記相対的な移動による移動方向に合成した、前記散乱光の2次元強度分布を得る請求項12または13記載の装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010139306A (ja) * 2008-12-10 2010-06-24 Shoichi Shimada 測定装置
KR101036192B1 (ko) 2009-09-14 2011-05-23 (주)에이앤아이 면도날 검사방법

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