JP2008134184A - 金属表面の接合性・接続性評価方法および評価装置 - Google Patents

金属表面の接合性・接続性評価方法および評価装置 Download PDF

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Abstract

【課題】金属の接合性と電気接続性を、2種金属の接触面積などの測定条件や測定環境に依存することなく評価する。
【解決手段】a)評価対象である金属12に測定プローブ16を接触し、測定プローブ16の加圧荷重Fの変化に対する金属12と測定プローブ16の接触部の電気抵抗を含む実測抵抗Rの変化を測定する;b)求めた実測抵抗Rと加圧荷重Fを次の式に適用することによって評価係数ρfを求める;式:R=ρf/F+C(但しρf、Cは常数)c)評価係数ρfの大きさに基づいて接合性および接続性の良否を判断する。
【選択図】図1

Description

この発明は、同種あるいは異種の2つの金属の固相接合の接合性や電気的な接続性の良さを評価するための金属表面の接合性・接続性評価方法と、この方法の実施に直接使用する評価装置に関するものである。
プリント配線板の電極に突起電極(バンプ)や金属ワイヤを超音波接合するボンディング法が知られている。この方法は、電極表面とバンプや金属ワイヤという異なる2つの金属を重ね、これらの接合面に垂直な加圧力(荷重)を加えた状態で、接合面に平行な超音波振動を加えることにより接合するものである。
一般に接合する金属の表面には吸着物や酸化皮膜があり、保管中や部品実装工程中に汚れが付着する。また金属表面はミクロに見れば平滑ではない。例えばプリント配線板の電極では、銅箔表面にニッケルなどの下地メッキをした上、金めっきを施したものがあるが、この場合下地のニッケルが表面の金めっきに拡散し、表面に酸化物や水酸化物を形成する。
超音波接合では、超音波振動によって2つの金属同志が摩擦して表面の吸着物、酸化皮膜等が破壊され、接触面が機械的にクリーニングされると共に平滑化されて接合(固相接合)が促進される。しかし実際の接合では、装置側の接合条件(超音波出力、加圧力、印加時間など)を一定とした場合であっても、金属表面の粗さや汚染度などが接合面の変形や接合強度などの接合状態に大きな影響を与える。
特開平9−293744
従来よりこの接合状態の良否を評価する方法として、特許文献1(特に段落0042〜0043)の方法が公知である。この方法は、ワイヤの引っ張り強度試験を用いるものである。また接合部の剪断強度試験を用いる方法も公知である。
一方、コネクタのように2つの金属同志を互いに接触させた状態で電気接続を行うものでは、従来の接合部の評価方法(引っ張り強度試験や剪断強度試験)は用いることができない。このため実際に2つの金属を接触させて、実際の接触電気抵抗を、微小抵抗が測定可能な特殊な計測器を用いて測定していた。
これら公知の評価方法は実際の接合部や接続部を対象にするものであるため、単独の金属ではその表面の接合性や接続性の良否を評価することができない、という問題があった。
またこの接触抵抗自体は接触面積などの接合・接続条件によって変化するため、一定面積の接触面に一定荷重を垂直に加えた一定の条件で測定した抵抗値を用いて比較する必要がある。このため2種の金属の組合せが同じでも接触面積や条件が異なる金属間では電気接続性の良否を評価することができない、という問題があった。すなわち測定環境や測定条件が異なる測定結果を比較することができ、接触面積などに依存せず、それぞれの金属表面に固有な接触抵抗(抵抗率)を表す指標として用いることができる評価値(評価係数)とすることができない。
この発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、2つの金属を接合する場合の接合性と2つの金属を接触させて電気接続をする場合の電気接続性を、2種金属の接触面積などの測定条件や測定環境に依存することなく評価することを可能にする金属表面の接合性・接続性評価方法を提供することを第1の目的とする。
またこの発明はこの方法の実施に直接使用する金属表面の接合性・接続性評価装置を提供することを第2の目的とする。また同じくプローブ装置を提供することを第3の目的とする。
この発明によれば第1の目的は、金属の接合性および接続性を評価する金属表面の接合性・接続性評価方法であって、a)評価対象である金属に測定プローブを接触し、前記測定プローブの加圧荷重Fの変化に対する前記金属と測定プローブの接触部の電気抵抗を含む実測抵抗Rの変化を測定する;b)求めた実測抵抗Rと加圧荷重Fを次の式に適用することによって評価係数ρfを求める;式:R=ρf/F+C(但しρf、Cは常数)c)評価係数ρfの大きさに基づいて接合性および接続性の良否を判断する;以上のa)、b)、c)の工程を備える金属表面の接合性・接続性評価方法、により達成される。
同様に第2の目的は、金属の接合性および接続性を評価するための金属表面の接合性・接続性評価装置であって、評価対象となる金属に接触する測定プローブと、この測定プローブを前記金属に押圧する加圧器と、前記加圧器による測定プローブの加圧荷重Fを測定する圧力検出部と、前記加圧器による加圧荷重Fを制御する荷重制御部と、前記金属と測定プローブとの接触部に電流Iを供給する電源と、前記金属と測定プローブとの接触部の電気抵抗RCを含む実測抵抗Rを求める抵抗測定部と、圧力Fと実測抵抗Rとを用いて、式[R=ρf/F+C](但しρf、Cは常数)から評価係数ρfを求める評価係数演算部と、求めた評価係数ρfの大きさに基づいて接合性および接続性の良否を評価する評価部と、を備えることを特徴とする金属表面の接合性・接続性評価装置、により達成される。
さらに第3の目的は、請求項8の金属表面の接合性・接続性評価装置に用いる測定プローブと補助プローブを一体化したプローブ装置であって、加圧器の加圧板に圧力測定素子を介して取付けられた測定プローブと、前記加圧板に弾性体を介して取付けられた補助プローブとを備えるプローブ装置、により達成される。
同じ目的は、請求項9の金属表面の接合性・接続性評価装置に用いる測定プローブを補助プローブを一体化したプローブ装置であって、測定プローブは加圧器の加圧板に固定され、補助プローブは弾性体を介して前記加圧板に取付けられ、測定プローブの荷重は加圧器に内蔵する圧力測定素子の測定荷重を補正して求める請求項9の金属表面の接合性・接続性評価装置、によっても達成される。
本発明の発明者は後記するように、評価対象である金属の表面に接触した測定プローブの加圧力、すなわち接触面に垂直な方向の加圧荷重Fと、これらの接触部の電気抵抗を含む直列接続回路の電気抵抗(実測抵抗)Rとの間には、式[R=ρf/F+C](但しρf、Cは常数)の関係が成立することを発見し、この発見に基づいて本発明をなしたものである。すなわちρfはほぼ一定の常数と見なせるものであって、これが金属表面に固有の塑性変形性および表面清浄度、すなわち凝着容易性を示す指標(評価係数)となることを知ったことに基づく。
従ってこの評価係数ρfの大きさに基づいて、単独の金属の表面における接合性および電気接続性の良否を判断することができる。すなわち後記する式(7)によれば、この評価係数ρfは表面の降伏応力σyに比例するから、評価係数ρfが小さい程降伏応力σyは小さくなると考えられ、塑性変形性は大きくなり、接合性および電気接続性が向上すると判断できる。また表面に酸化物や汚れが多いと接触抵抗率は大きくなり、評価係数ρfも大きい。
請求項1の発明に係る方法によれば、このような理由からこの評価係数ρfを求めてその大きさに基づいて接合性および接続性の良否を判定することができる。このため実際に接合・接続する2つの金属を実際に接合・接続して測定する必要がなくなり、測定条件や測定環境の影響を受けることなく金属表面の評価を行うことができる。
また請求項7の発明に係る装置によれば、請求項1の発明の実施に直接使用する金属表面の評価装置が得られる。請求項11、13の発明に係るプローブ装置によれば、この評価装置に用いるプローブ装置が得られる。
原理
次に本発明の原理を説明する。図1において符号1はプリント配線板、2はプリント配線板1の表面に形成した銅箔回路パターンからなる電極、3は測定プローブであり、この測定プローブ3の平坦な下端面は電極2に上から押圧されて両者が接続される。この測定プローブ3の平坦な下端面は、極力粗さの小さな鏡面加工を施し、この測定プローブ3の材質は電極2の表面(めっき膜)に対して十分に硬いものとする。測定プローブ3は上方から加圧装置4によって電極2に圧力(荷重)Fで押圧される。この荷重Fは可変である。なお電極2の表面には金めっきなどのめっき膜が形成されていることが多いが、この場合の金属表面はこのめっき膜と考える。
電極2と測定プローブ3との間の実測抵抗Rは、電極2と測定プローブ3との接触面の抵抗すなわち接触抵抗RCと、配線抵抗RPとの和である。従って次の式(1)が成立する。
R=RC+RP …(1)
接触抵抗RCは、2次元的接触抵抗率ρC(Ω・cm2)を用いて、接触面の物理的(巨視的)接触面積Sに依存する抵抗RSと、接触面積Sに依存しない抵抗Rf(面積非依存の抵抗)との和RS+Rfとなる。すなわち
C=RS+Rf …(2)
ここに面積依存の抵抗RSは、2次元的接触抵抗率ρC(Ω・cm2)を定義すると、
S=ρC/S
と表せるから、接触抵抗RC
C=ρC/S+Rf …(3)
となる。一方接触界面が塑性変形状態であれば、接触界面の平均圧力(F/S)は一定となり、降伏圧力σyieldで表せる。
σyield=F/S …(4)
ここに降伏圧力σyieldは、塑性変形の分野で公知な「平面ひずみのすべり変形理論」により、降伏応力σyと、アスペクト比と摩擦係数で決まる常数φとを用いて次のように表されることが知られている。
σyield=φ・σy …(5)
式(1)〜(5)から実測抵抗Rは、
R=ρC・φ・σy・(1/F)+Rf+RP …(6)
ここで次の凝着パラメータρf(Ω・N)を定義する。
ρf=ρC・φ・σy …(7)
従って実測抵抗Rは、
R=ρf・(1/F)+C …(8)
ただしCは常数であり、C=(Rf+RP)である。
ここに凝着パラメータρfは、金属表面の清浄度を示す2次元的接触抵抗率ρCと、膜厚や表面形状(アスペクト比)を示す常数φと、硬度に対応する降伏応力σyとで決まるものである。従って金属表面の固有の塑性変形性、すなわち凝着容易性を示す指標と考えることができる。このためこの発明では、この凝着パラメータρfを評価係数として用いるものである。なお常数φは、荷重印加による圧縮変形過程で変化するが、2つの金属の接触においては荷重印加中もほぼ一定とみなすことができる。
前記の式(8)は、図2(A)、(B)となる。すなわち実測抵抗Rは図2(B)に示すように、荷重Fの逆数(1/F)について直線となり、その傾きが凝着パラメータρf、抵抗Rの座標軸との切片が(Rf+RP)となる。
この発明は式(8)から、金属表面の塑性変形範囲内では実測抵抗Rは荷重Fの逆数(1/F)について一次関数(直線)となり、この直線の傾きρfが金属表面の塑性変形容易性すなわち凝着容易性を示すと考えられることに基づくものである。
次にこの発明の原理をさらに定性的に説明する。金属同志の電気的導通において、トンネル効果などの極微小な電流を無視すれば、絶縁性または高抵抗な酸化物や汚れが存在する表面の金属接触界面に力(荷重F)が加わることでその表面の微小な凹凸の先端部が塑性変形し、この変形によって内部の金属新生面が露出する。この金属新生面同志の接触によって微視的な領域で金属接合が行われ、これが電気導通路となって電気的導通が発現する。従って荷重Fの増大に伴って、導通路の断面積が増大し電流が増加する。またこの導通路は金属接合(固相接合)された部分であるから、機械的接合強度(接続強度)も増加する。
すなわち金属表面(めっき膜)の接合性あるいは接続性の品質・特性を評価するためには、この接合面積(微視的接合面積)の増加のし易さを評価すればよい。この評価手法としては前記のように機械的な強度測定(引っ張り強度試験や剪断強度試験)も考えられるが、これらの方法は対象が微視的なものであるが故に実際の測定が非常に困難であり、また前記のような問題を持つ。そこでこの発明では機械的な強度測定に代えて、接合面積の増加のし易さを電気抵抗値から評価するものである。
この原理は前記した通りであるが、次のように説明することもできる。塑性変形面においては、加えた荷重Fと真実接触面積(電気導通路の断面積)sとの比(F/s)である界面の平均的な圧力(降伏圧力σyield)は一定である。この降伏圧力σyieldは、表面(めっき膜)の硬さを示す物性値である降伏応力σyとの関係式(σyield=φ・σy)で与えられる。ここに常数φは表面(めっき膜の膜厚)や凹凸形状(アスペクト比)に依存する。
また二次元的接触抵抗率ρCを定義して、接触面の抵抗値(接触抵抗)RCをこのρCと巨視的な接触面積Sとの比(ρC/S)と表すと、真実接触面積sと巨視的接触面積Sの関係(s/S)は接触抵抗率ρC(∝(S/s)・F)の大小と関連づけることができる。すなわち荷重Fの増加による真実接触面積sの増加し易さが接触抵抗率ρCに対応すると考え、この接触面積sの増加し易さを示すパラメータとして式(7)に示す凝着パラメータρfを導入するものである。
本発明では前記のように、評価係数ρfが小さい程接合性・接続性が良いと評価する(請求項2)。金属はプリント配線板の電極とし、その表面に金めっきを施してこの金めっき層の接合性および接続性を評価することができる(請求項3)。荷重Fは連続的に増加させながら実測抵抗Rを連続的に測定してもよいし(請求項4)、荷重Fと実測抵抗Rを間欠的に測定してもよい。
評価係数ρfは、1/FとRの座標系に実測値を書き込んだ時の直線の傾きから決めることができる(請求項5)。また異なるFとRの値に対して式(8)から複数の評価係数ρfを求め、求めた評価係数の平均値を最終的な評価係数ρfとすることができる(請求項6)。この場合平均値の計算は種々の数学的手法を用いて決めればよく、例えば最小二乗法を用いてもよい。
請求項7の金属表面の接合性・接続性評価装置において、圧力測定部は、加圧器の加圧板と測定プローブとの間に介在する圧力測定素子(圧電素子など)を備えることができる(請求項8)。また圧力測定素子は加圧器に内蔵するものであってもよい(請求項9)。
請求項7〜9のいずれかの評価装置において、さらに測定プローブに近接して金属表面に一定荷重で接触する補助プローブを備え、抵抗測定部は金属を通して補助プローブと測定プローブとの間の抵抗(実測抵抗)Rを測定するものとすることができる(請求項10)。電源は直流電源とし、接触部に直流電流を供給して実測抵抗Rを求めることができる。
請求項8の評価装置に用いるプローブ装置は、加圧器の加圧板に圧力検出素子を介して取付けた測定プローブと、加圧板に弾性体を介して取付けた補助プローブとを備えるものとすることができる(請求項11)。請求項9の評価装置に用いるプローブ装置は、測定プローブを加圧板に固定し補助プローブを弾性体を介して加圧板に取付けたものとすることができるが、この場合には、測定プローブの荷重は加圧器に内蔵する圧力測定素子の測定荷重を補正して求めればよい(請求項13)。
図3は、本発明の方法の実施に直接使用する金属表面の評価装置の概念図である。この図において10はプリント配線板、12はその表面に形成した銅箔からなる電極であり、この電極12の表面には金めっきなどのめっき膜が形成されている。14は補助プローブであり、その先端は電極12に一定荷重で接触する。なおこの補助プローブ14の先端は電極12の表面の酸化膜などや汚れを破って金属真正面に接触し、電極12と補助プローブ14との接触抵抗R0は一定である。
16は測定プローブであり、その先端は平坦で電極12との巨視的接触面積Sは一定である。なおこの測定プローブ16は電極(めっき膜)12よりも十分に硬い材料で作られ、その下端面には極力粗さの小さな鏡面加工が施されているので、この下端面に電極(めっき膜)12の表面の微細な凹凸が押し付けられて塑性変形する。この結果接触抵抗RCが変化する。測定プローブ16は、圧力検出素子としてのロードセル(圧電素子)18を介して加圧器20により荷重Fで電極12に押圧される。加圧器20はこの加圧力(荷重)Fを連続的または不連続的に変化できる。この測定プローブ16と電極12との間の接触抵抗RCは圧力(荷重)Fの変化(増加)に伴って変化(減少)する。
22は直流電源であり、測定プローブ16と補助プローブ14との間に一定電圧Vを印加する。24は両プローブ16、14間の電圧Vを測定する電圧計、26は同じく両プローブ16、14間の電流Iを測定する電流計である。これら電圧計24と電流計26で測定した電圧Vおよび電流Iは後記する抵抗測定部30に入力され、ここで実測抵抗Rを求める。すなわちR=V/1により求める。
ここに実測抵抗Rは前記した補助プローブ14と電極12の接触抵抗R0(一定値)と、測定プローブ16と電極12との接触抵抗RCと配線抵抗RPとの和である。すなわちR=(R0+RC+RP)である。接触抵抗RCは接触部の巨視的接触面積Sに依存する抵抗である。配線抵抗RPは一定値(固定値)である。
28はマイクロコンピュータからなる制御装置であり抵抗測定部30、荷重制御部32、評価係数演算部34、制御部36を備える。荷重制御部32は圧力検出素子18で検出した加圧力Fが、制御部36が指令する加圧力Fとなるように加圧器20を制御する。評価係数演算部34は、前記抵抗測定部30の出力である実測抵抗R=(RC+RP+R0)と、前記圧力検出素子18が検出する加圧荷重Fとに基づいて、前記凝着パラメータρfを演算する。
演算部34は前記式(8)の演算を行い、ρfを求める。例えば加圧力Fを0から次第に増大させながら実測抵抗Rを求め、図2(B)のグラフの傾きから求めることができる。また複数の加圧力Fに対する実測抵抗Rを求め、得られた複数の係数ρfに基づいて、平均値、最小二乗法など適宜の数学的手段を用いて評価係数ρfを決めることができる。
求めた評価係数ρfは評価部38に入力され、最終的に金属表面(電極12の表面)の評価を行う。すなわちこの評価係数ρfが大きいほど接合性・接続性が悪く、評価係数ρfが小さいほど接合性・接続性が良いと判定する。
その理由を定性的に説明すれば、前記式(7)を用いて次のようになる。すなわち評価係数ρfは、常数と考えられるρC、φと変数と考えられるσyの積であるから、変数σyに比例する。この変数σyは接合表面の降伏応力であり表面の柔らかさを示すものである。従って接合表面の接合のし易さは、この降伏応力σyが小さいほど大きくなる。このことから評価係数ρfが小さいほど(すなわち降伏応力σyが小さいほど)、接合性および接続性がよいと判断することができる。
なおこの評価部34は、測定で求めた評価係数ρfを予め決めた一定値と比較するものであっても良いし、予め決めた基準に基づいて数段階に表示するものであってもよい。また評価部34は求めた評価係数ρfを単に表示する表示器であってもよく、この場合はオペレータがこの表示から評価すればよい。
図4は本発明の実施に直接用いるプローブ装置を示す図、図5はここに用いる補助プローブの先端形状例を示す図である。図3に示した前記の実施例1では、測定プローブ16と補助プローブ14とを別々に分けているので、測定時にこれらのプローブ16、14を別々にセットする必要があるため作業性が悪いという問題があった。そこでこの実施例2では両プローブ16、14を一体化したものである。
図4において符号50はプローブ装置である。52は絶縁体からなる加圧板であり、加圧器54の一部となるものであって下向きに加圧される。この加圧板52の下面には補助プローブ56と測定プローブ58が取付けられている。補助プローブ56は先端部と基部に上下分割されその間にコイルばね60を介在させたものであり、基部を加圧板52の下面に固定する。測定プローブ58も上下2つに分割されその間に圧力検出素子62を介在させたものである。
このプローブ装置50は補助プローブ56と測定プローブ58の先端(下端)を、プリント配線基板10の電極12に上方から垂直に接触させる。そして加圧器54により加圧板52を下向きに加圧し、加圧力(荷重)Fを増加させつつ両プローブ56、58の間の抵抗値(実測抵抗)Rを測定する。この時補助プローブ56はコイルばね56Aを介して押圧される一方、絶縁体52の下向きの変位は僅かであるから、補助プローブ56の電極12に対する加圧力(荷重)F0は変化せず一定と考えられる。このため補助プローブ56の接触抵抗R0は一定値となる。
補助プローブ56は電極12に当たって、電極12の表面の酸化膜や汚れなどを破って金属新生面に接触することが接触抵抗R0を安定させるために望ましい。図5の(A)、(B)は金属新生面に接続し易くするための補助プローブ56の先端面の形状例を示す。図5(A)の補助プローブ56Aは、先端を針状(逆円錐状)に形成したものである。図5(B)の補助プローブ56Bは先端に逆円錐状の複数の突起を形成したものである。
図6はプローブ装置の他の実施例を示す図である。この実施例3のプローブ装置50Aでは、円盤状のベース部材64の下面に加圧板52Aを取付け、この加圧板52Aの下面中央に測定プローブ58Aを、これを囲むように円筒状の補助プローブ56Aを配置した。ここに測定プローブ56Aの途中には圧力検出素子62Aが介在し、補助プローブ56Aの途中には測定プローブ58Aの外側を囲むように収容したコイルばね60Aが介在する。
補助プローブ56Aの外側は、ベース部材64から下方へのびる円筒状のカバー66で囲まれている。また補助プローブ56Aの先端(下端)と測定プローブ58Aの先端(下端)とは、それぞれベース部材64に取付けた外部接続端子68、70に接続されている。これらの外部接続端子68、70の間の抵抗値(実測抵抗)Rを測定するものである。
この実施例によれば、加圧器54Aの荷重Fを変化させつつこの抵抗Rを測定することにより評価係数ρfを求めることができる。またプローブ装置50Aはカバー66で囲まれ外部接続端子68、70を抵抗測定計器に接続すればよいので取扱いが容易になる。
図7は他の評価装置である実施例4を示す図である。この実施例4で用いるプローブ装置50Bは、圧力検出素子62Bを加圧器54Bの中に内蔵し、測定プローブ58Bは加圧板52Bに(圧力検出素子を介さずに)直接固定している。なお図7では前記図3と同一部分に同一符号を付したのでその説明は繰り返さない。
この実施例では、圧力検出素子62Bは加圧板52Bの荷重Fを測定する。この荷重Fは、測定プローブ58Bの荷重F′と補助プローブ56Bの荷重fとの合計F=(F′+f)である。ここに補助プローブ56Bの荷重fは、加圧板52Bの変位量は極めて僅かであり評価係数ρfの測定範囲内ではほぼ一定と考えられる。従って測定プローブ58Bの荷重F′は(F−f)と補正することにより求めることができ、この荷重F′を用いて評価係数ρfを決めればよい。この演算は荷重制御部32で行ってもよいし評価係数演算部34で行ってもよい。
本発明の原理説明図 同じく原理説明用の抵抗Rと荷重Fの変化を示す図 本発明の実施例1を示す図 本発明の実施例2を示す図 補助プローブの先端形状例を示す図 本発明の実施例3を示す図 本発明の実施例4を示す図
符号の説明
10 プリント配線板
12 電極(接合対象となる金属)
14、56、56A、56B 補助プローブ
16、58、58A、58B 測定プローブ
18、62、62A、62B 圧力検出素子(ロードセル)
20、54、54A、54B 加圧器
26 バンプ(接合対象となる他方の金属)
28 制御装置
30 抵抗測定部
32 荷重制御部
34 評価係数演算部
38 評価部
50、50A、50B プローブ装置
52、52A、52B 加圧板
60、60A コイルばね(弾性体)
62、62A、62B 圧力検出素子

Claims (13)

  1. 金属の接合性および接続性を評価する金属表面の接合性・接続性評価方法であって、
    a)評価対象である金属に測定プローブを接触し、前記測定プローブの加圧荷重Fの変化に対する前記金属と測定プローブの接触部の電気抵抗を含む実測抵抗Rの変化を測定する;
    b)求めた実測抵抗Rと加圧荷重Fを次の式に適用することによって評価係数ρfを求める;
    式:R=ρf/F+C(但しρf、Cは常数)
    c)評価係数ρfの大きさに基づいて接合性および接続性の良否を判断する;
    以上のa)、b)、c)の工程を備える金属表面の接合性・接続性評価方法。
  2. 請求項1の工程c)において、評価係数ρfが小さい程接合性および接続性が良いと評価する請求項1の金属表面の接合性・接続性評価方法。
  3. 金属はプリント配線板の電極であり、電極表面には金めっきが施され、この金めっき層の接合性および接続性を評価する請求項1または2の金属表面の接合性・接続性評価方法。
  4. 請求項1の工程a)において、荷重Fを連続的に増加しつつ実測抵抗Rを連続的に測定する請求項1の金属表面の接合性・接続性評価方法。
  5. 請求項1の工程b)において、荷重Fの逆数1/Fと抵抗Rとを直交座標系の2つの座標軸にとり、求めた直線の傾きを評価係数ρfとする請求項1の金属表面の接合性・接続性評価方法。
  6. 請求項1の工程a)において、異なる複数の荷重Fnに対する実測抵抗Rnを測定し、工程b)においてこれらの測定値に対する複数の評価係数ρfnの平均値を最終的な評価係数ρfとする請求項1の金属表面の接合性・接続性評価方法。
  7. 金属の接合性および接続性を評価するための金属表面の接合性・接続性評価装置であって、
    評価対象となる金属に接触する測定プローブと、
    この測定プローブを前記金属に押圧する加圧器と、
    前記加圧器による測定プローブの加圧荷重Fを測定する圧力検出部と、
    前記加圧器による加圧荷重Fを制御する荷重制御部と、
    前記金属と測定プローブとの接触部に電流Iを供給する電源と、
    前記金属と測定プローブとの接触部の電気抵抗RCを含む実測抵抗Rを求める抵抗測定部と、
    圧力Fと実測抵抗Rとを用いて、式[R=ρf/F+C](但しρf、Cは常数)から評価係数ρfを求める評価係数演算部と、
    求めた評価係数ρfの大きさに基づいて接合性および接続性の良否を評価する評価部と、
    を備えることを特徴とする金属表面の接合性・接続性評価装置。
  8. 圧力検出部は、加圧器の加圧板と測定プローブとの間に介在する圧力測定素子を備える請求項7の金属表面の接合性・接続性評価装置。
  9. 圧力検出部は、加圧器に内蔵する圧力測定素子を備え、加圧器の加圧板に測定プローブが固定されている請求項7の金属表面の接合性・接続性評価装置。
  10. 請求項7〜9のいずれかの金属表面の接合性・接続性評価装置であって、さらに、測定プローブに近接して評価対象である金属の表面に一定荷重で接触する補助プローブを備え、抵抗測定部は測定対象である金属を通してこの補助プローブと測定プローブとの間に流す電流を用いて測定対象である金属と補助プローブとの接触部の電気抵抗R0を含む実測抵抗Rを測定する請求項7の金属表面の接合性・接続性評価装置。
  11. 請求項8の金属表面の接合性・接続性評価装置に用いる測定プローブと補助プローブを一体化したプローブ装置であって、加圧器の加圧板に圧力測定素子を介して取付けられた測定プローブと、前記加圧板に弾性体を介して取付けられた補助プローブとを備えるプローブ装置。
  12. 請求項11において、弾性体はコイルばねであるプローブ装置。
  13. 請求項9の金属表面の接合性・接続性評価装置に用いる測定プローブと補助プローブを一体化したプローブ装置であって、測定プローブは加圧器の加圧板に固定され、補助プローブは弾性体を介して前記加圧板に取付けられ、測定プローブの荷重は加圧器に内蔵する圧力測定素子の測定荷重を補正して求める請求項9の金属表面の接合性・接続性評価装置。
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